JP7645372B2 - リチウムイオン二次電池用電極シート - Google Patents
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Description
特許文献2及び3には、圧延装置を用いてポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化させることによって作製されるドライフィルムが開示されているが、繊維状炭素を用いることに関する記載は無い。
即ち、本発明の電極シートは、フッ素系ポリマーによって支持されて成る電極シートであり、その製造工程において、成膜するために溶媒を使用しないことを特徴とする。
前記リチウムイオン二次電池用電極シートの膜厚が50~2000(μm)、引張破断強度が0.20(N/mm2)以上であり、
前記繊維状炭素の平均繊維径が100~900(nm)であり、
前記リチウムイオン二次電池用電極シート中における前記繊維状炭素の含有量が0.1~10(質量%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極シート。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極シート(以下、「電極シート」と略記する場合がある)は、リチウムイオン電池用活物質と、繊維状炭素と、フッ素系ポリマーと、を少なくとも含有して成る。本発明の電極シートは、電極シート中でフッ素系ポリマーが繊維状の形態を含んで分散していることが好ましい。具体的には、フッ素系ポリマーが部分的乃至全体的にフィブリル化して、当該フィブリル化したフッ素系ポリマーが繊維状炭素と協働して電極シートの形態を維持するように分散していることが好ましい。特に、フィブリル化したフッ素系ポリマーと繊維状炭素とが交絡して繊維状炭素を支持し、且つ繊維状炭素によって空隙を形成するように電極シートが構成されていることがより好ましい。このように電極シートを構成することで、所定の繊維長を有する繊維状炭素によって電極シート全体としての形態安定性を維持しつつも、電極シート内の活物質の体積変動を許容できる構成とすることができる。
電極シートの膜厚は、電極シートの安定的製造の観点から、2000μm以下である。電極シートの膜厚は1500μm以下であることが好ましく、1200μm以下、1000μm以下、800μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下であることがこの順で好ましい。
電極シートの引張破断強度の上限値は特に限定されないが、一般的には10.0N/mm2以下であり、引張破断強度は5.0N/mm2以下であることが好ましく、3.0N/mm2以下、2.0N/mm2以下、1.5N/mm2以下、1.0N/mm2以下であることがこの順で好ましい。
電極シートの引張破断強度(N/mm2)と膜厚(mm)との積の上限値は、特に限定されないが、一般的には5.0(N/mm)以下であり、3.0(N/mm)以下、2.0(N/mm)以下、1.5(N/mm)以下、1.0(N/mm)以下、0.8(N/mm)以下、0.6(N/mm)以下、0.5(N/mm)以下、0.4(N/mm)以下であることがこの順で好ましい。5.0(N/mm)を超える場合、バインダーとして用いるフッ素系ポリマーの配合率が多くなり、活物質の配合率が相対的に低下するため、電池性能を低下させ易い。
σ/Xcは、1.5×10-4以上であることがより好ましく、2.0×10-4以上、3.0×10-4以上、4.0×10-4以上、5.0×10-4以上であることがこの順で好ましい。σ/Xcが1.0×10-4未満の場合、炭素系導電助剤の含有量を過剰にする必要があり、エネルギー密度向上の観点から好ましくない。σ/Xcの上限は特に限定されないが、一般的には1.0×10-2以下である。
空隙率(体積%) = (真密度 - 見かけ密度) / 真密度 ×100 ・・・式(1)
電極シートの見かけ密度 = 電極シートの質量 / (電極シートの膜厚 × 面積) ・・・式(2)
本発明の電極シートは、少なくとも正極活物質又は負極活物質を含む。
本発明の電極シートに含まれる正極活物質としては、リチウムイオン二次電池において、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有金属酸化物の中から、任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。このリチウム含有金属酸化物としては、リチウムと、Co、Mg、Mn、Ni、Fe、Al、Mo、V、W及びTiなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含む複合酸化物を挙げることができる。
本発明の電極シートに含まれる負極活物質としては、リチウムイオン二次電池において、負極活物質として知られている従来公知の材料の中から、任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料として、炭素材料、Si及びSnの何れか、又はこれらの少なくとも1種を含む合金や酸化物などを用いることができる。これらの中でもコストなどの観点からは炭素材料が好ましい。上記炭素材料としては、天然黒鉛、石油系又は石炭系コークスを熱処理することで製造される人造黒鉛、樹脂を炭素化したハードカーボン、メソフェーズピッチ系炭素材料などが挙げられる。
本発明に用いる繊維状炭素は、炭素繊維であることが好ましく、特に導電性に優れる点でピッチを出発原料としたピッチ系炭素繊維であることがより好ましい。
本発明において、結晶子大きさ(Lc002)とは、日本工業規格JIS R 7651(2007年度版)「炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」により測定される値をいう。
一方、比表面積が大きすぎると、イオン伝導パスの阻害要因になることがある。すなわち、繊維状炭素の比表面積が50m2/gを超える場合、繊維状炭素が活物質の表面を覆ってしまい、イオン伝導を担う固体電解質と活物質との接点が減少し、イオン伝導が阻害されてしまうことがある。比表面積の下限は、2m2/g以上であることが好ましく、3m2/g以上であることがより好ましく、5m2/g以上であることがさらに好ましく、7m2/g以上であることが特に好ましい。比表面積の上限は、40m2/g以下であることが好ましく、30m2/g以下であることがより好ましく、25m2/g以下であることがさらに好ましく、20m2/g以下であることが特に好ましい。
繊維状炭素の表面を熱可塑性樹脂により修飾することにより、繊維状炭素に接着性を付与することができる。修飾方法は特に限定されないが、例えば、繊維状炭素の表面に粒子状の熱可塑性樹脂を付着及び/又は接着させる方法や; 繊維状炭素が粒子状の熱可塑性樹脂を貫くように、繊維状炭素と熱可塑性樹脂とを結合させる方法; 繊維状炭素の表面の一部を熱可塑性樹脂によって被覆する方法が挙げられる。特に、少なくとも一部の熱可塑性樹脂を粒子状に付着させることが好ましい。ここで、粒子状とは、アスペクト比が5以下、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下の形態の粒子を意味する。具体的な修飾方法としては、熱可塑性樹脂の溶液中に分散した繊維状炭素を噴霧乾燥する方法や、単量体溶液と繊維状炭素とを混合して単量体を重合する方法、繊維状炭素が分散する溶媒中で熱可塑性樹脂を析出させる方法等が挙げられる。
融点が50℃未満である場合、電極シート中に分散させる過程で熱可塑性樹脂の粒子が凝集し易い。また、電池の耐熱性が低くなる。融点が250℃を超える場合、活物質や固体電解質の劣化を招く恐れがある。
熱可塑性樹脂のガラス転移点は特に限定されないが、250℃以下であることが好ましい。ガラス転移点の上限は、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることがより好ましく、30℃以下であることがより好ましく、20℃以下であることがより好ましく、10℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがより好ましい。
先ず、熱可塑性ポリマー内にメソフェーズピッチが分散して成るメソフェーズピッチ組成物を調製する。次に、このメソフェーズピッチ組成物を溶融状態で糸状またはフィルム状に成形する。特に紡糸することが好ましい。紡糸により、熱可塑性ポリマー内に分散するメソフェーズピッチを熱可塑性ポリマー内部で引き延ばすとともに、メソフェーズピッチ組成物を繊維化して樹脂複合繊維を得る。この樹脂複合繊維は、熱可塑性ポリマーを海成分とし、メソフェーズピッチを島成分とする海島構造を有する。
次に、得られた樹脂複合繊維に酸素を含む気体を接触させてメソフェーズピッチを安定化させて樹脂複合安定化繊維を得る。この樹脂複合安定化繊維は、熱可塑性ポリマーを海成分とし、安定化メソフェーズピッチを島成分とする海島構造を有する。
続いて、この樹脂複合安定化繊維の海成分である熱可塑性ポリマーを除去、分離し、炭素繊維前駆体を得る。
さらに、この炭素繊維前駆体を高温加熱して、繊維状炭素(炭素繊維)を得る。
本発明の電極シートに用いられるフッ素系ポリマーとしては、十分な電気化学的安定性を有しているフッ素系ポリマーであれば用いることが可能である。また、本発明で用いるフッ素系樹脂としては、上記電極シートを形成する際に、バインダーとして作用するとともにシートを形成する際の剪断力によって容易にフィブリルを形成するものが好ましい。例えば、粒状のポリテトラフルオロエチレン樹脂にせん断応力をかけることによりポリテトラフルオロエチレン樹脂の針状繊維(フィブリル)が得られる。従来より、ポリテトラフルオロエチレン樹脂にせん断応力をかけ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を針状繊維化させることは行われており、該針状繊維化は、フィブリル化とも呼ばれている。
本発明の電極シートは、例えば、ロールプレス成形によりシートを形成する場合には、プレス圧力およびロール間の速度差を調節することにより剪断力を調整できる。このようなフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン共重体(P-(VDF-HFP))、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。この中でも、特にPTFEがフィブリル化させ易い点で好ましい。
本発明の電極シートには、上記の繊維状炭素の他に炭素系導電助剤を含むこともできる。
繊維状炭素以外の炭素系導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、鱗片状炭素、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ(CNT)を挙げることができる。これらの炭素系導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
本発明の電極シートにおける繊維状炭素以外の炭素系導電助剤の含有率は、当該電極シートに対し0.1~4質量%であることが好ましく、0.5~3質量%であることがより好ましく、1~2質量%であることがさらに好ましい。
本発明の電極シートを全固体リチウムイオン二次電池に用いる場合は、固体電解質を含有しても良い。固体電解質は、従来公知の材料を選択して用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、水素化物系固体電解質、ポリマー電解質を挙げることができる。本発明においては、リチウムイオンの伝導性が高いことから、硫化物系固体電解質を用いることが好ましい。
本発明の電極シートは、例えば、上記の活物質、炭素系導電助剤、及びフッ素系ポリマーを粉体の状態で混合して粉体混合物を調製し、この粉体混合物を第1のロールおよび第2のロールを有する圧延装置によってフィルム状に加圧成形して製造することができる。フッ素系ポリマーは、フィブリル化させた状態で用いることにより、シート形状を維持しやすく、自己支持型、すなわち自立性のフィルムを形成する。フッ素系ポリマーは、予めフィブリル化させた物を用いても良いし、粉体混合物の混合の際にフィブリル化させても良いし、フィルム状に加圧成形する際にフィブリル化させても良い。フッ素系ポリマーの粒子から生じるフィブリル部が相互に交絡することにより、電極シートの強度が高くなるという観点から、粉体混合物の混合の際にフィブリル化させるか、フィルム状に加圧成形する際にフィブリル化させることが好ましい。なお、粉体の混合の際には、アルコール等の揮発性溶媒を添加してもよい。
さらに、溶媒中に溶解させたバインダーを用いないため、活物質や導電助剤が直接接触し易くなる。また、結着材として機能するフッ素系ポリマーの繊維によって活物質や導電助剤が支持されているため、充放電に起因して活物質の体積変化が生じても、イオン伝導性や電子伝導性を高く維持できる。そのため、電池電極抵抗を低減させるとともに、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を提供することができると期待される。
繊維状炭素の繊維長は、繊維状炭素(試料)を1-メチル-2-ピロリドンに分散させた希薄分散液を、画像解析粒度分布計(ジャスコインターナショナル株式会社製、型式IF-200nano)を用いて測定を行った。繊維状炭素の平均繊維長は、個数基準による平均値である。
繊維状炭素の繊維径は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S-2400)を用いて観察及び写真撮影を行い、得られた電子顕微鏡写真から無作為に300箇所を選択して繊維径を測定し、それらのすべての測定結果(n=300)の平均値を平均繊維径とした。
また、平均繊維長と平均繊維径から平均アスペクト比を算出した。
X線回折測定はリガク社製RINT-2100を用いてJIS R7651法に準拠し、格子面間隔(d002)及び結晶子大きさ(Lc002)を測定した。
粉体体積抵抗率の測定は、株式会社三菱化学アナリテック社製の粉体抵抗システム(MCP-PD51)を用いて0.02~2.50kNの荷重下で四探針方式の電極ユニットを用いて測定した。体積抵抗率は充填密度の変化に伴う体積抵抗率の関係図から充填密度が0.8g/cm3時の体積抵抗率の値をもって試料の粉体体積抵抗率とした。
フッ素系ポリマーの粒子径は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S-2400)を用いて観察及び写真撮影を行い、得られた電子顕微鏡写真から無作為に300箇所を選択して粒子径を測定し、それらのすべての測定結果(n=300)の平均値を平均粒子径とした。
電極シートを1cmの幅に切り出し、デジタルフォースゲージ(SHIMPO製 FGP-10)を用いて引張破断強度を測定した。
ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工株式会社製HA-151B)を用いて、作製した電極の膜厚方向の電極抵抗を測定した結果と、その抵抗値から算出される電気伝導度を表1に示す。
キノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを、Ni-Mo系触媒存在下、圧力13MPa、温度340℃で水添し、水素化コールタールピッチを得た。この水素化コールタールピッチを常圧下、480℃で熱処理した後、減圧して低沸点分を除き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッチを、フィルターを用いて温度340℃でろ過を行い、ピッチ中の異物を取り除き、精製されたメソフェーズピッチを得た。
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(EXCEED(登録商標)1018HA、ExxonMobil社製、MFR=1g/10min)60質量部、及び上述のメソフェーズピッチの製造方法で得られたメソフェーズピッチ(メソフェーズ率90.9%、軟化点303.5℃)40質量部を同方向二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM-26SS」、バレル温度300℃、窒素気流下)で溶融混練してメソフェーズピッチ組成物を調製した。
次いで、このメソフェーズピッチ組成物を、口金温度を360℃として溶融紡糸することにより、繊維径90μmの長繊維に成形した。
上記操作で得られたメソフェーズピッチ含有繊維束を、空気中において215℃で3時間保持することにより、メソフェーズピッチを安定化させ、安定化メソフェーズピッチ含有繊維束を得た。上記安定化メソフェーズピッチ含有繊維束を、真空ガス置換炉中で窒素置換を行った後に1kPaまで減圧し、該減圧状態下で、500℃で1時間保持することにより、熱可塑性樹脂を除去して安定化繊維を得た。
ついで、この安定化繊維を窒素雰囲気下、1000℃で30分間保持して炭素化し、さらにアルゴンの雰囲気下、1500℃に加熱し30分間保持して黒鉛化した。
ついで、この黒鉛化した炭素繊維集合体を粉砕し、粉体状の炭素繊維集合体を得た。炭素繊維は分岐のない直線構造であった。
アセトンに、P-(VDF-HFP)(アルケマ製Kynar2500-20)1質量部を溶解させ、3質量部の繊維状炭素を分散させ、分散液を作製した。スプレードライヤー(プリス製、SB39)を用いて前記分散液を噴霧乾燥させることで、繊維状炭素の表面をP-(VDF-HFP)で修飾した(以下、樹脂結合繊維(i)と略記する)。
分散させる繊維状炭素を9質量部とした他は、繊維状炭素の表面修飾(i)と同様にして、繊維状炭素の表面をVDF-HFP共重合体で修飾した(以下、樹脂結合繊維(ii)と略記する)。
活物質としてLiFePO4を90質量部と、フッ素系ポリマー粒子として平均粒子径200nmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を5質量部と、炭素系導電助剤として上記で製造した繊維状炭素を5質量部とを混合し、さらに乳鉢を用いて剪断を付与した。この混合物をロールプレスを用いて繰り返し加圧してシート状に成形した。得られた電極シートの膜厚は188μmであり、引張破断強度は0.32N/mm2であった。また、この電極シートの膜厚方向への電気伝導度は2.7×10-3S/cmであり、空隙率は39体積%であった。PTFEは少なくとも一部はフィブリル化しており、その繊維径はおよそ50nmであった。この電極シートの表面におけるSEM写真を図1、電極シート断面におけるSEM写真を図2に示した。これらのSEM写真によれば、繊維状炭素の他にフィブリル化したPTFEが存在していることが確認できる。
活物質としてLiFePO4を87質量部と、フッ素系ポリマー粒子として平均粒子径200nmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10質量部と、炭素系導電助剤として上記で製造した繊維状炭素を3質量部とした他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。この電極シートの表面におけるSEM写真を図3、電極シート断面におけるSEM写真を図4に示した。これらのSEM写真によれば、実施例1よりも多くのフィブリル化したPTFEが存在しており、フィブリル化したPTFEが活物質粒子及び繊維状炭素を支持し、フィブリル化したPTFEと繊維状炭素とが交絡していることも確認できる。
繊維状炭素をアセチレンブラック(以下、「AB」と略記する場合がある。「デンカブラック」(登録商標)デンカ株式会社製、75%プレス品、平均粒子径:0.036μm、比表面積:65m2/g)に変更した他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。この電極シートの表面におけるSEM写真を図5、電極シート断面におけるSEM写真を図6に示した。これらのSEM写真によれば、フィブリル化したPTFEが粒子状物を支持していることが確認できる。
活物質としてLiFePO4を90質量部と、フッ素系ポリマー粒子として平均粒子径200nmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を5質量部と、炭素系導電助剤として上記で製造した繊維状炭素を5質量部と、溶媒として水を230質量部とを混合してスラリーを作製した。このスラリーを集電体上に塗布して乾燥することにより電極シートを作製した。この電極シートの表面におけるSEM写真を図7に示した。このSEM写真によれば、繊維状炭素以外の繊維状物は観察できなかった。即ち、フィブリル化したPTFEが存在していないことが確認できる。得られた電極シートは、シート形状が維持できず、各種物性の測定を行うことができなかった。
膜厚を404μmとした他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。膜厚を大きくしても電気伝導度が低下することはなかった。
炭素系導電助剤として、上記で製造した繊維状炭素を4質量部、ABを1質量部とした他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。他の炭素系導電助剤を併用することにより、電気伝導度がさらに向上した。
活物質としてLiFePO4を92質量部と、炭素系導電助剤として上記で製造した繊維状炭素を3質量部とした他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。
活物質としてLiFePO4を93質量部と、炭素系導電助剤として上記で製造した繊維状炭素を2質量部とした他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。
炭素系導電助剤として、上記繊維状炭素の表面修飾(i)で製造した樹脂結合繊維(i)を用いた他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。樹脂結合繊維(i)を用いているため、破断強度が高くなった。
炭素系導電助剤として、上記繊維状炭素の表面修飾(ii)で製造した樹脂結合繊維(ii)を用いた他は、実施例1と同様にして電極シートを得た。各種物性は表1に示した。樹脂結合繊維(ii)を用いているため、破断強度が高くなった。
Claims (8)
- リチウムイオン電池用活物質と、繊維状炭素と、フッ素系ポリマーと、を少なくとも含有するリチウムイオン二次電池用電極シートであって、
前記フッ素系ポリマーが部分的乃至全体的にフィブリル化しており、
前記リチウムイオン二次電池用電極シートの膜厚が50~2000(μm)、引張破断強度が0.20(N/mm2)以上であり、
前記繊維状炭素の平均繊維径が100~900(nm)であり、
前記リチウムイオン二次電池用電極シート中における前記繊維状炭素の含有量が0.1~10(質量%)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極シート。 - リチウムイオン電池用活物質と、繊維状炭素と、フッ素系ポリマーと、を少なくとも含有するリチウムイオン二次電池用電極シートであって、
前記リチウムイオン二次電池用電極シートの膜厚が50~2000(μm)、引張破断強度が0.20(N/mm 2 )以上であり、
前記繊維状炭素の平均繊維径が100~900(nm)であり、
前記リチウムイオン二次電池用電極シート中における前記繊維状炭素の含有量が0.1~10(質量%)であり、
前記リチウムイオン二次電池用電極シートの引張破断強度(N/mm2)と膜厚(mm)との積が0.04(N/mm)以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極シート。 - 前記繊維状炭素以外の炭素系導電助剤をさらに含む請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
- 前記繊維状炭素の平均繊維長が10~50(μm)である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
- 前記繊維状炭素の充填密度0.8(g/cm3)で充填した際の粉体体積抵抗率が4.00×10-2(Ω・cm)以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
- 前記フッ素系ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
- 前記リチウムイオン二次電池用電極シートの空隙率が5~60(体積%)である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
- 前記リチウムイオン二次電池用電極シートの膜厚方向の電気伝導度が8.0×10-4(S/cm)以上である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極シート。
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