JP7645676B2 - 窒化アルミニウム焼結顆粒 - Google Patents
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Description
本発明の特定窒化アルミニウム焼結顆粒の球形度は0.80以上、好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.90以上である。球形度が0.80未満であると、樹脂への高充填化が困難となる。球形度は粒子の短径/粒子の長径により求められ、1に近くなるほど球に近くなり、樹脂やグリースに高充填し易くなる。
本発明の特定窒化アルミニウム焼結顆粒の粒子径は、20~150μm、好ましくは25~100μmの範囲にある。この範囲にあるものが樹脂に充填した際の凸部による粒子間の接触が効果的に行われ、また、他の粒子との併用による高充填化がし易い。
本発明の特定窒化アルミニウム焼結顆粒の表面凸部の高さは、3~10μm、好ましくは4~9μmである。凸部の高さがこの範囲より小さいと、樹脂組成物に充填した粒子間の接触面積が小さくなり、高熱伝導率を付与できない。また、10μmを超える凸部は形成が困難であるばかりでなく、かかる凸部が存在する場合、粒子間の立体的な障害が大きくなり充填性が低下することが懸念される。
本発明の窒化アルミニウム焼結顆粒を含む窒化アルミニウム粉末の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、本発明の窒化アルミニウム焼結顆粒を高含有率で再現性良く製造するための方法として、窒化アルミニウム粉末を20~200μm程度の顆粒状に成形した顆粒状成形体と、凸部を形成せしめるための、平均粒径が3~10μmであり、理論熱伝導率が40W/m・K以上の無機粉末とよりなる混合粉を、空気雰囲気下で脱脂した後に、窒素雰囲気下で焼結する方法が挙げられる。
本発明の窒化アルミニウム粉末の原料となる窒化アルミニウム顆粒状成形体は、平均球形度0.8以上を有し、1850℃以下の焼成により焼結し、緻密体が得られるものがすべて使用可能である。製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末、バインダー、分散剤及び溶媒の混合物を混合してスラリーを調整し、次いで、上記スラリーをスプレードライ乾燥することにより製造することができる。
本発明の窒化アルミニウム粒子の表面凸部を形成するための凸部形成用粉末は、理論熱伝導率が40W/m・K以上、好ましくは100W/m・K以上の無機物の粉末であり、前記例示した無機物の粉末が好適に使用される。尚、物質によっては窒化アルミニウムと異物質間で焼結しにくいことがあるが、その場合も窒化アルミニウム顆粒が含有する焼結助剤を介して顆粒表面に結合される。
本発明の製造方法において、混合方法は窒化アルミニウム顆粒の形状が崩壊せず、窒化アルミニウム顆粒と凸部形成用粉末が均一に混合できるものがすべて使用できる。混合装置は特に限定されないが、例えばV字混合機、W型混合機、ドラム型混合機等が利用できる。
上記混合粉末を空気雰囲気下で焼成し、バインダー及び分散剤を除去した後に、窒素雰囲気下、1700℃~1850℃の温度範囲で、1~10時間焼結することで、本発明の窒化アルミニウム粒子を得ることができる。上記焼成温度が範囲より低いと窒化アルミニウム顆粒部分の緻密化及び、顆粒部分への凸部形成用粉末の焼結が不十分になる傾向がある。焼成温度が範囲より高いと窒化アルミニウム顆粒表面に凸部形成用粉末が焼結するだけでなく、窒化アルミニウム顆粒間が焼結した粒子が生成する傾向がある。
上記焼成後、表面に凸部を有する窒化アルミニウム粒子間でわずかに融着が発生する。融着があると樹脂への充填性が低下するため、軽度な解砕処理をして融着を除去する。解砕方法は特に限定されないが、回転ミル、ジェットミル、振動ミル等が利用できる。解砕処理により表面凸部を形成していた粒子が一部脱落する場合は、篩分け、気流分級等により除去できる。
本発明の特定窒化アルミニウム焼結顆粒を含む窒化アルミニウム粉末は、窒化アルミニウムの性質を生かした種々の用途、特に放熱シート、放熱グリース、放熱接着剤、塗料、熱伝導性樹脂などの放熱材料用フィラーとして広く用いることができる。
試料の窒化アルミニウム粉末をエポキシ樹脂に充填し、該樹脂を金型に注型し、熱プレスにより硬化させ、厚さ500μmのシートを作製した。上記窒化アルミニウム粉末を充填したシートを5μm間隔で削り、それぞれ研削面において電子顕微鏡写真を撮影した。
前記(1)の研磨面の電子顕微鏡の写真像からの任意の100粒子の計測情報に基づき、球形度が0.80以上、粒子径(DL)が20~150μmの範囲にあり、凸部の高さが3~10μmの範囲にある粒子の体積割合を求め、特定窒化アルミニウム焼結顆粒の割合(容量%)とした。
窒化アルミニウム粉末の比表面積は、流動式表面積自動測定装置(島津製作所製 フローソーブ2300形)を用いて窒素吸着によるBET法により求めた。
窒化アルミニウム粉末の平均粒子径(D50)は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ中に分散させ、レーザー回折粒度分布装置(日機装株式会社製MICROTRAC MT3300)にて測定した。
試料のシート体について熱物性測定装置(京都電子工業株式会社製 TPS2500)を用いて、ホットディスク法により測定した。
平均粒子径1.0μmの窒化アルミニウム粉末と酸化イットリウム粉末を100:5の割合で混合し、さらに界面活性剤としてヘキサグリセリンモノオレート1.0重量部、結合剤としてメタクリル酸ブチル2.5重量部、トルエン溶媒100重量部を投入して、十分にボールミル混合し、スラリーを得た。こうして得られたスラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、平均粒径40.5μmの窒化アルミニウム顆粒状成形体を得た。
原料として101.2μmのAlN顆粒を用いた以外は実施例1と同様にして、特定窒化アルミニウム粉末を得た。図1は得られた特定窒化アルミニウム粉末の電子顕微鏡写真であるが、球形度が高く、表面に4μm程度の凹凸を持つ粒子であることがわかる。
凸部形成用粉末として平均粒子径9.8μmの窒化アルミニウム粉末を用いた以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を得た。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒径、表面凸部高さ、表面凸部頻度の測定結果を表1に示す。さらに得られた特定窒化アルミニウム粉末を用い、実施例1と同様に窒化アルミニウム混合粉末を調製し、また、これを使用したシート体を得、熱伝導率を測定した。結果を表1に併せて示す。
窒化アルミニウム顆粒と凸部形成用粉末の混合比を100:20にした以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を得た。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒径、表面凸部高さ、表面凸部頻度の測定結果を表1に示す。さらに得られた特定窒化アルミニウム粉末は、実施例1と同様に窒化アルミニウム混合粉末を調製し、また、これを使用したシート体を得、熱伝導率を測定した。結果を表1に併せて示す。
原料に凸部形成用粉末を添加しない以外は実施例1と同様にして、窒化アルミニウム粉末を得た。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒径、表面凸部高さ、表面凸部頻度の測定結果を表1に示す。さらに得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様に窒化アルミニウム混合粉末を調製し、また、これを使用したシート体を得、熱伝導率を測定した。結果を表2に併せて示す。
原料に凸部形成用粉末を添加しない以外は実施例2と同様にして、窒化アルミニウム粉末を得た。図2は得られた窒化アルミニウム粉末の電子顕微鏡写真であるが、表面に3μm以下の微細な凹凸を持つ粒子であることがわかる。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒径、表面凸部高さ、表面凸部頻度の測定結果を表2に示す。さらに得られた窒化アルミニウム粉末と比較例1で得られた窒化アルミニウム粉末と、D50が0.8μmの市販の窒化アルミニウム粉末を1:1:1の容量比で混合して窒化アルミニウム混合粉末とし、これを用いて実施例1と同様にしてシート体を得、熱伝導率を測定した。結果を表2に併せて示す。
窒化アルミニウム顆粒と凸部形成用粉末の混合比を100:3にした以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を得た。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒径、表面凸部高さ、表面凸部頻度の測定結果を表2に示す。さらに得られた窒化アルミニウム粉末は、実施例1と同様に窒化アルミニウム混合粉末を調製し、また、これを使用したシートを作製し、熱伝導率を測定した。結果を表2に示す。
2 凸部の頂点
3 谷部の最低点
4 谷部の最低点
Claims (3)
- 球形度が0.80以上、粒子径が20~150μmの範囲にある窒化アルミニウム焼結顆粒であって、高さが3~10μmの範囲にあり、且つ、理論熱伝導率が40W/m・K以上の無機物よりなる凸部を2.0×10-3 ~1.0×10 -2 個/μm 2 の頻度で表面に有することを特徴とする窒化アルミニウム焼結顆粒。
- 請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結顆粒を50容量%以上含む窒化アルミニウム粉末よりなる樹脂用フィラー。
- 請求項2記載の樹脂用フィラーを60容量%以上の充填率で充填した樹脂組成物。
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