詳細な説明
特に定義していない限り、本明細書で使用する全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等に類似または同等の任意の方法、材料、組成物、試薬、細胞を、本開示の主題の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を記載する。本明細書で引用される特許および特許出願を含むがこれらに限定されない全ての刊行物および参考文献は、各々の個々の刊行物または参考文献が、完全に記載されているとして具体的および個々に参照により本明細書に組み込まれることが示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願が優先権を主張する任意の特許出願もまた、刊行物および参考文献に関する上記のようにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換に関して、標準的な技術(例えば、電気穿孔、リポフェクション)が使用され得る。酵素反応および精製技術は、製造業者の仕様書に従って、または当技術分野で一般的に達成されるように、または本明細書に記載されるように実施され得る。これらおよび関連する技術および手順は一般的に、当技術分野で周知の従来の方法に従って、ならびに本明細書を通して引用および考察される様々な一般的なおよびより具体的な参考文献に記載されるように実施され得る。特定の定義が提供されていない限り、本明細書に記載の分子生物学、分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品化学および薬化学に関連して利用される命名法ならびにそれらの実験手順および技術は、当技術分野で周知であり、一般的に使用される。組換え技術、分子生物学、微生物学、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤、および送達、ならびに患者の処置に関して、標準的な技術が使用され得る。
本開示の目的に関して、以下の用語を以下に定義する。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書において、冠詞の文法上の目的語の1つまたは1つより多く(すなわち少なくとも1つ)を指す。例として、「1つのエレメント(a element)」は、「1つのエレメント(one element)」、「1つまたは複数のエレメント」、および/または「少なくとも1つのエレメント」を含む。
「約」は、参照の量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%ほど変動する量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さを意味する。
用語「活性化可能プロタンパク質」、「活性化可能プロドラッグ」、「プロドラッグ」、または「プロタンパク質」は、本明細書において互換的に使用され、本明細書に記載の少なくともマスキング部分および活性ドメイン、またはその誘導体/バリアントを含む活性化可能プロタンパク質を指す。一実施形態では、プロタンパク質はまた、1つまたは複数のタンパク質ドメインも含み得る。
用語「抗原」は、選択的結合剤、例えば抗体が結合することが可能な、およびさらにその抗原のエピトープに結合することが可能な抗体を産生するために動物において使用することが可能な分子または分子の部分を指す。抗原は、1つまたは複数のエピトープを有し得る。本明細書で使用される場合、用語「抗原」は、適切な条件下で、物質に対する免疫応答を誘導することが可能な、および免疫応答の産物と反応することが可能な物質を含む。より広義には、用語「抗原」は、物質が免疫原性であるかどうかにかかわらず、抗体が結合する、または抗体が望まれる任意の物質を含む。そのような抗原の場合、抗体は、任意の免疫応答とは無関係に組換え方法によって同定することができる。
「アンタゴニスト」は、別の作用剤または分子の生理的作用を干渉するまたはそうでなければ低減させる生物構造体または化学作用剤を指す。一部の例では、アンタゴニストは、他の作用剤または分子に特異的に結合する。完全なおよび部分的アンタゴニストが含まれる。
「アゴニスト」は、別の作用剤または分子の生理的作用を増加または増強させる生物構造体または化学作用剤を指す。一部の例では、アゴニストは、他の作用剤または分子に特異的に結合する。完全なおよび部分的アゴニストが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「アミノ酸」は、天然に存在するおよび天然に存在しないアミノ酸の両方、ならびにアミノ酸アナログおよび模倣体を意味すると意図される。天然に存在するアミノ酸は、タンパク質生合成の際に利用される20個の(L)-アミノ酸、ならびに他のアミノ酸、例えば4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デスモシン、イソデスモシン、ホモシステイン、シトルリンおよびオルニチンを含む。天然に存在しないアミノ酸は、例えば(D)-アミノ酸、ノルロイシン、ノルバリン、p-フルオロフェニルアラニン、エチオニン等を含み、これらは当業者に公知である。アミノ酸アナログは、天然に存在するおよび天然に存在しないアミノ酸の改変型を含む。そのような改変は、例えばアミノ酸上の化学基および化学部分の置換もしくは置き換え、またはアミノ酸の誘導体化を含み得る。アミノ酸模倣体は、例えば参照アミノ酸の電荷および電荷間隔特徴などの機能的に類似の特性を示す有機構造を含む。例えば、アルギニン(ArgまたはR)を模倣する有機構造は、類似の分子間隔で位置し、天然に存在するArgアミノ酸の側鎖のe-アミノ基と同じ程度の可動性を有する正電荷部分を有することになる。模倣体はまた、アミノ酸またはアミノ酸官能基の最適な間隔および電荷相互作用を維持するように拘束された構造を含む。当業者は、どの構造が機能的に同等なアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣体を構成するかを承知しているかまたは決定することができる。
本明細書で使用される場合、疾患または有害反応を発症する「リスクがある」対象は、検出可能な疾患または疾患の症状を有しても有しなくてもよく、本明細書に記載の処置方法の前に、検出可能な疾患または疾患の症状を示していても示していなくてもよい。「リスクがある」とは、対象が、本明細書で記載されるようにおよび当技術分野で公知であるように、疾患の発生と相関する測定可能なパラメーターである1つまたは複数のリスク因子を有することを示す。これらのリスク因子の1つまたは複数を有する対象は、これらのリスク因子の1つまたは複数を有しない対象よりも、疾患または有害反応を発症する確率が高い。
「生物適合性」は、細胞または対象の生物機能にとって一般的に有害ではなく、アレルギー性状態および疾患状態を含むいかなる程度の許容されない毒性ももたらさない材料または化合物を指す。
用語「結合する」は、例えば塩架橋および水架橋などの相互作用を含む、共有結合、静電結合、疎水性結合、ならびにイオン結合および/または水素結合相互作用による、2つの分子間の直接会合を指す。
「コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに寄与する任意の核酸配列を意味する。これに対し、用語「非コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに直接寄与しない任意の核酸配列を指す。
本開示を通して、文脈がそれ以外であることを必要としていない限り、用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」は、記載のステップもしくは要素またはステップもしくは要素の群を含むが、他のいかなるステップもしくは要素も、ステップもしくは要素の群も除外しないことを意味すると理解される。
「からなる」は、語句「からなる」の後に続くいかなるものも含み、これらに限定されることを意味する。このため、語句「からなる」は、列挙された要素が必要または必須であること、および他の要素は存在してはならないことを示す。「から本質的になる」は、この語句の後に列挙される任意の要素を含み、列挙された要素の開示に明記されていない活性または作用を妨害しないまたはそれらに寄与しない他の要素に限定される任意の要素を含むことを意味する。このように、語句「から本質的になる」は、列挙された要素が必要または必須であるが、他の要素は、必要に応じて存在し、列挙された要素の活性または作用に実質的に影響を及ぼすか否かに応じて存在してもしなくてもよいことを示す。
用語「エンドトキシンフリー」、または「実質的にエンドトキシンフリー」は、一般的に多くても微量の(例えば、対象に対して臨床的に有害な生理的効果を有しない量)のエンドトキシンを含有する、好ましくは検出不能量のエンドトキシンを含有する組成物、溶媒、および/または容器に関する。エンドトキシンは、細菌、典型的にグラム陰性菌などのある特定の微生物に関連する毒素であるが、エンドトキシンは、グラム陽性菌、例えばListeria monocytogenesにも見出され得る。最も広く認められるエンドトキシンは、様々なグラム陰性菌の外膜に見出され、これらの細菌が疾患を引き起こす能力において中心的な病原性の特色を表すリポ多糖(LPS)またはリポオリゴ糖(LOS)である。ヒトにおける少量のエンドトキシンは、他の有害な生理作用の中でも、発熱、血圧の低下、ならびに炎症および凝固の活性化を生じる。
したがって、医薬品生産では、非常に少量であってもヒトにおいて有害な作用を引き起こし得ることから、薬物製品および/または薬物容器からほとんどまたは全ての微量のエンドトキシンを除去することがしばしば望ましい。ほとんどのエンドトキシンを分解するためには典型的に300℃を超える温度が必要であることから、パイロジェン除去オーブンがこの目的のために使用され得る。例えば、シリンジまたはバイアルなどの一次包装材料に基づき、ガラス温度250℃と保持時間30分の組合せはしばしば、エンドトキシンレベルの3log低減を達成するために十分である。例えば本明細書で記載され、当技術分野で公知であるクロマトグラフィーおよび濾過方法を含む、エンドトキシンを除去する他の方法が企図される。
エンドトキシンは、当技術分野で公知の日常的な技術を使用して検出することができる。例えば、カブトガニの血液を利用するカブトガニ血球抽出成分(Limulus Amoebocyte Lysate)アッセイは、エンドトキシンの存在を検出するための非常に感度の高いアッセイである。この試験では、非常に低レベルのLPSが、この反応を増幅する強力な酵素カスケードによりカブトガニ抽出成分の検出可能な凝固を引き起こし得る。エンドトキシンはまた、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によっても定量することができる。実質的にエンドトキシンフリーであるためには、エンドトキシンレベルは、活性化合物1mgあたり約0.001EU未満、約0.005EU未満、約0.01EU未満、約0.02EU未満、約0.03EU未満、約0.04EU未満、約0.05EU未満、約0.06EU未満、約0.08EU未満、約0.09EU未満、約0.1EU未満、約0.5EU未満、約1.0EU未満、約1.5EU未満、約2EU未満、約2.5EU未満、約3EU未満、約4EU未満、約5EU未満、約6EU未満、約7EU未満、約8EU未満、約9EU未満、または約10EU未満であり得る。典型的には、リポ多糖(LPS)1ngは、約1~10EUに相当する。
用語「半最大有効濃度」または「EC50」は、ベースラインとある指定された曝露時間後の最大値との間の半分の応答を誘導する、本明細書に記載の作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質)の濃度を指す;したがって段階的用量反応曲線のEC50は、その最大効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。EC50はまた、in vivoで最大効果の50%を得るために必要な血漿中濃度も表す。同様に、「EC90」は、その最大効果の90%が観察される作用剤または組成物の濃度を指す。「EC90」は、「EC50」およびヒル勾配から計算することができ、または当技術分野における日常的な知識を使用してデータから直接決定することができる。一部の実施形態では、作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質)のEC50は、約0.01nM未満、約0.05nM未満、約0.1nM未満、約0.2nM未満、約0.3nM未満、約0.4nM未満、約0.5nM未満、約0.6nM未満、約0.7nM未満、約0.8nM未満、約0.9nM未満、約1nM未満、約2nM未満、約3nM未満、約4nM未満、約5nM未満、約6nM未満、約7nM未満、約8nM未満、約9nM未満、約10nM未満、約11nM未満、約12nM未満、約13nM未満、約14nM未満、約15nM未満、約16nM未満、約17nM未満、約18nM未満、約19nM未満、約20nM未満、約25nM未満、約30nM未満、約40nM未満、約50nM未満、約60nM未満、約70nM未満、約80nM未満、約90nM未満、約100nM未満、約200nM未満、または約500nM未満である。一部の実施形態では、作用剤は、約1nMまたはそれ未満のEC50値を有する。
「免疫応答」は、細胞および液性、自然および適応免疫系からの応答を含む、免疫系を起源とする任意の免疫学的応答を意味する。例示的な細胞性免疫細胞は、例えばリンパ球、マクロファージ、T細胞、B細胞、NK細胞、好中球、好酸球、樹状細胞、肥満細胞、単球、およびその全てのサブセットを含む。細胞性応答としては例えば、エフェクター機能、サイトカイン放出、食作用、エフェロサイトーシス、トランスロケーション、トラフィッキング、増殖、分化、活性化、抑制、細胞-細胞相互作用、アポトーシス等が挙げられる。液性応答としては、例えばIgG、IgM、IgA、IgE応答およびその対応するエフェクター機能が挙げられる。
作用剤、例えば活性化可能プロタンパク質の「半減期」は、生物の血清もしくは組織への投与時のそのような活性と比較して、または他の任意の規定の時点と比較して、作用剤がその薬理活性、生理活性、または他の活性の半分を失うのに要する時間を指し得る。「半減期」はまた、作用剤の量または濃度が、生物の血清もしくは組織への投与時のそのような量もしくは濃度と比較して、または他の任意の規定の時点と比較して、生物の血清または組織に投与された開始量の半分になるまでに要する時間を指し得る。半減期は、血清中および/または任意の1つまたは複数の選択された組織で測定することができる。
用語「モジュレートする」および「変更する」は、典型的に、対照と比較して、統計学的に有意なまたは生理的に有意な量または程度で「増加させること」、「増強すること」、または「刺激すること」、ならびに「減少させること」または「低減させること」を含む。「増加した」、「刺激された」、または「増強された」量は典型的には、「統計学的に有意な」量であり、組成物なし(例えば、作用剤の非存在下)でまたは対照組成物によって産生された量の1.1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、またはそれより多く(例えば、500倍、1000倍)(その間の全ての整数および範囲、例えば1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍等を含む)の増加を含み得る。「減少した」または「低減された」量は、典型的に「統計学的に有意な」量であり、組成物なし(例えば、作用剤の非存在下)でまたは対照組成物によって産生された量の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の減少(その間の全ての整数および範囲を含む)を含み得る。比較および「統計学的に有意な」量の例を本明細書に記載する。
用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、および「ペプチド」は互換的に使用され、任意の特定の長さに限定されないアミノ酸のポリマーを意味する。用語「酵素」は、ポリペプチドまたはタンパク質の触媒を含む。これらの用語は、ミリストイル化、硫酸化、グリコシル化、リン酸化、およびシグナル配列の付加または欠失などの改変を含む。用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、アミノ酸の1つまたは複数の鎖を意味し、各々の鎖はペプチド結合によって共有結合によって連結したアミノ酸を含み、前記ポリペプチドまたはタンパク質は、非共有結合および/またはペプチド結合による共有結合によって互いに連結された複数の鎖を含み得、天然のタンパク質、すなわち天然に存在するおよび具体的には非組み換え細胞によって産生されたタンパク質、または遺伝子操作されたもしくは組換え細胞によって産生されたタンパク質、の配列を有し、天然のタンパク質のアミノ酸配列を有する分子、または天然の配列の1つもしくは複数のアミノ酸の欠失、付加、および/もしくは置換を有する分子を含み得る。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、細胞内にそうでなければ見出されない異種ポリヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列の組合せで典型的に構成される1つまたは複数の組換えDNA分子を含む組換え細胞によって産生された「組換え」ポリペプチドである。
用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、mRNA、RNA、cRNA、cDNA、およびDNAを含む。用語は典型的に、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのいずれか、またはいずれかのタイプのヌクレオチドの改変型の少なくとも10塩基の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。用語は、一本鎖および二本鎖形態のDNAを含む。用語「単離されたDNA」および「単離されたポリヌクレオチド」、および「単離された核酸」は、特定の種の総ゲノムDNAを含まずに単離されている分子を指す。したがって、ポリペプチドをコードする単離されたDNAセグメントは、1つまたは複数のコード配列を含有するが、なおもDNAセグメントが得られる種の総ゲノムDNAから実質的に単離されているかまたは精製されているDNAセグメントを指す。同様に、ポリペプチドをコードしない非コードポリヌクレオチド(例えば、プライマー、プローブ、オリゴヌクレオチド)も含まれる。同様に、例えば発現ベクター、ウイルスベクター、プラスミド、コスミド、ファージミド、ファージ、ウイルス等を含む組換えベクターも含まれる。
追加のコードまたは非コード配列が、本明細書に記載されるポリヌクレオチド内に存在してもよいが必ずしも存在する必要はなく、ポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持材料に連結されてもよいが、必ずしも連結される必要はない。したがって、ポリヌクレオチドまたは発現可能なポリヌクレオチドを、コード配列そのもの長さによらず、他の配列、例えば発現制御配列と組み合わせてもよい。
本明細書で言及される用語「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、対象のタンパク質が(1)典型的に天然に見出される少なくともいくつかの他のタンパク質を含まない、(2)同じ起源からの、例えば同じ種からの他のタンパク質を本質的に含まない、(3)異なる種からの細胞によって発現される、(4)天然で会合しているポリヌクレオチド、脂質、炭水化物、もしくは他の材料の少なくとも約50%から分離されている、(5)「単離されたタンパク質」が天然で会合しているタンパク質の部分に会合していない(共有結合または非共有結合による相互作用によって)、(6)天然で会合していないポリペプチドに作動可能に会合している(共有結合または非共有結合による相互作用によって)、または(7)天然に存在しないことを意味する。そのような単離されたタンパク質は、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、もしくは他のRNAによってコードされ得るか、または(of)合成起源のタンパク質であり得るか、あるいはその任意の組合せであり得る。ある特定の実施形態では、単離されたタンパク質は、その天然の環境で見出され、その使用(治療的、診断的、予防的、研究またはそれ以外)を妨害するタンパク質もしくはポリペプチドまたは他の夾雑物を実質的に含まない。
ある特定の実施形態では、組成物中の任意の所定の作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質)の「純度」は、定義され得る。例えば、ある特定の組成物は、例えば、決して限定ではなく、生化学および分析化学において化合物を分離、同定、および定量するためにしばしば使用される周知の形態のカラムクロマトグラフィーである高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した場合に、その間の全ての小数および範囲を含む、タンパク質に基づいてまたは重量-重量に基づいて、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%純粋であるポリペプチド作用剤などの作用剤を含み得る。
用語「参照配列」は、一般的にそれに対して別の配列が比較されている核酸コード配列またはアミノ酸配列を指す。名称によって記載される配列、ならびに表および配列表に記載の配列を含む、本明細書に記載の全てのポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列が参照配列として含まれる。
ある特定の実施形態は、本明細書に記載のタンパク質/ポリペプチド、およびそれらをコードするポリヌクレオチドの生物活性「バリアント」および「断片」を含む。「バリアント」は、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(例えば、表および配列表を参照されたい)と比較して、1つまたは複数の置換、付加、欠失、および/または挿入を含有する。バリアントポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、本明細書に記載の参照配列と少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれより高い配列同一性または類似性または相同性を有するアミノ酸またはヌクレオチド配列を含み、その参照配列の活性を実質的に保持する。同様に、参照配列からなる配列、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、もしくはそれより多くのアミノ酸もしくはヌクレオチドの付加、欠失、挿入、もしくは置換によって参照配列とは異なり、その参照配列の少なくとも1つの活性を実質的に保持する配列も含まれる。ある特定の実施形態では、付加または欠失は、C末端および/またはN末端の付加および/または欠失を含む。
用語「配列同一性」、または例えば「50%同一である配列」を含むことは、本明細書で使用される場合、比較ウィンドウにわたってヌクレオチド毎に基づいてまたはアミノ酸毎に基づいて配列が同一である程度を指す。このように、「配列同一性のパーセンテージ」は、2つの最適に整列させた配列を比較ウィンドウにわたって比較するステップ、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)、または同一のアミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、CysおよびMet)が両方の配列に生じる位置の数を決定してマッチした位置の数を得るステップ、マッチした位置の数を比較ウィンドウにおける位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で除算するステップ、およびその結果に100を乗算して配列同一性のパーセンテージを得るステップによって計算され得る。比較ウィンドウを整列させるための配列の最適なアライメントは、コンピューターによるアルゴリズムの実行(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0, Genetics Computer Group, 575 Science Drive Madison, Wis., USA)によって、または検分、および選択された様々な方法のいずれかによって生成された最善のアライメント(すなわち、比較ウィンドウに対して最高のパーセンテージ相同性をもたらす)によって行われ得る。例えば、Altschul et al., Nucl. Acids Res. 25:3389, 1997に開示されるBLASTファミリープログラムも参照してもよい。
用語「溶解度」は、本明細書に提供される作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質)が液体溶媒に溶解して均一な溶液を形成する特性を指す。溶解度は、典型的には溶媒の単位体積あたりの溶質の質量(g溶質/kg溶媒、g/dL(100mL)、mg/ml等)、容量モル濃度、重量モル濃度、モル分率、または他の類似の濃度の記載のいずれかによる濃度として表記される。溶媒の量あたりに溶解することができる溶質の最大平衡量が、温度、気圧、pH、および溶媒の性質を含む指定された条件下でのその溶媒におけるその溶質の溶解度である。ある特定の実施形態では、溶解度は、生理的pH、または他のpH、例えばpH5.0、pH6.0、pH7.0、pH7.4、pH7.6、pH7.8、またはpH8.0(例えば、約pH5~8)で測定される。ある特定の実施形態では、溶解度は、水またはPBSもしくはNaCl(NaPO4を含むまたは含まない)などの生理的緩衝液において測定される。具体的な実施形態では、溶解度は、比較的低いpH(例えば、pH6.0)および比較的高い塩(例えば、500mM NaClおよび10mM NaPO4)で測定される。ある特定の実施形態では、溶解度は、血液または血清などの生物学的流体(溶媒)中で測定される。ある特定の実施形態では、温度は、ほぼ室温(例えば、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃)またはほぼ体温(37℃)であり得る。ある特定の実施形態では、作用剤は、室温または37℃で少なくとも約0.1mg/ml、少なくとも約0.2mg/ml、少なくとも約0.3mg/ml、少なくとも約0.4mg/ml、少なくとも約0.5mg/ml、少なくとも約0.6mg/ml、少なくとも約0.7mg/ml、少なくとも約0.8mg/ml、少なくとも約0.9mg/ml、少なくとも約1mg/ml、少なくとも約2mg/ml、少なくとも約3mg/ml、少なくとも約4mg/ml、少なくとも約5mg/ml、少なくとも約6mg/ml、少なくとも約7mg/ml、少なくとも約8mg/ml、少なくとも約9mg/ml、少なくとも約10mg/ml、少なくとも約11mg/ml、少なくとも約12mg/ml、少なくとも約13mg/ml、少なくとも約14mg/ml、少なくとも約15mg/ml、少なくとも約16mg/ml、少なくとも約17mg/ml、少なくとも約18mg/ml、少なくとも約19mg/ml、少なくとも約20mg/ml、少なくとも約25mg/ml、少なくとも約30mg/ml、少なくとも約40mg/ml、少なくとも約50mg/ml、少なくとも約60mg/ml、少なくとも約70mg/ml、少なくとも約80mg/ml、少なくとも約90mg/ml、または少なくとも約100mg/mlの溶解度を有する。
「対象」または「それを必要とする対象」または「患者」または「それを必要とする患者」は、ヒト対象などの哺乳動物対象を含む。
「実質的に」、または「本質的に」は、ほぼ全体的にまたは完全に、例えばある所定の量の95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより多いことを意味する。
「統計学的に有意な」とは、結果が偶然に起こっている可能性が低かったことを意味する。統計学的有意性は、当技術分野で公知の任意の方法によって決定することができる。一般的に使用される有意性の測定は、p値を含み、これは帰無仮設が真である場合に、観察された事象が起こる頻度または確率である。得られたp値が有意レベルより小さい場合、帰無仮説は棄却される。単純な例では、有意レベルは、p値が0.05またはそれ未満として定義される。
「治療応答」は、1つまたは複数の治療剤の投与に基づく症状の改善(持続的であるか否かによらず)を指す。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」、「治療用量」、「予防的有効量」、または「診断的有効量」は、投与後に所望の生物応答を誘発するために必要な作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質、活性化タンパク質)の量である。
本明細書で使用される場合、対象(例えば、哺乳動物、例えばヒト)または細胞の「処置」は、個体または細胞の自然の経過を変更する試みで使用される任意のタイプの介入である。処置としては、医薬組成物の投与が挙げられるがこれらに限定されず、予防的に、または病的事象の開始後もしくは病因物質との接触後に実施され得る。同様に「予防的」処置も含まれ、これは処置される疾患もしくは状態の進行速度を低減させること、その疾患もしく状態の発症を遅らせること、またはその発症の重症度を低減させることに向けられ得る。「処置」または「予防」は、疾患もしくは状態、またはその関連する症状の完全な根絶、治癒、または防止を必ずしも示す必要はない。
用語「野生型」は、集団において最も頻繁に観察される遺伝子または遺伝子産物(例えば、ポリペプチド)を指し、このため遺伝子の「通常」または「野生型」形態が任意に設計される。
本明細書における各々の実施形態は、それ以外であることを明白に述べていない限り、あらゆる他の実施形態に適用される。
活性化可能プロタンパク質
本開示の実施形態は、プロタンパク質形態では比較的不活性のままであり、適切な環境と接触すると活性化することができる2つのIL-2タンパク質を含む活性化可能プロタンパク質ホモ二量体またはプロドラッグに関する。本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質は、非共有結合による相互作用および/またはある特定の共有結合、例えばジスルフィド結合を介して互いに結合するが、ペプチド結合またはアミド結合を介して結合するわけではない、少なくとも2つの別個の、しかし他の点では同一の(または実質的に同一の)ポリペプチド鎖を含む。一般に、各々のポリペプチド鎖は、IL-2タンパク質、IL-2結合タンパク質、例えばIL-2Rαタンパク質、および切断可能リンカーを含む。ここで、第1のポリペプチドのIL-2タンパク質は第2のポリペプチドのIL-2結合タンパク質に結合し、第2のポリペプチドのIL-2タンパク質は第1のポリペプチドのIL-2結合タンパク質に結合して、これらの結合相互作用が各々の鎖内のIL-2タンパク質による細胞上のそのコグネート受容体との相互作用または結合を立体的に妨害する比較的安定なホモ二量体を形成する(例えば、図2Aおよび2Cを参照されたい)。一部の例では、各々のポリペプチド鎖は、NまたはC末端で精製タグを含み、この精製タグは、リンカーによりポリペプチドの残部と隔てられている(例えば、図2Bおよび図3Bを参照されたい)。一部の例では、各々のポリペプチド鎖は、NまたはC末端で結合ドメイン(例えば、Fcドメインまたはその断片)を含み、この結合ドメインは、リンカーによりポリペプチドの残部と隔てられており(例えば、図5A~5Dを参照されたい)、この結合ドメインが他のポリペプチド鎖上の結合ドメインに結合して、プロタンパク質ホモ二量体をさらに安定化させる(図2C、2E、3Cおよび3Dを参照されたい)。上記のように、リンカーのうちの少なくとも1つは、切断可能リンカーであり、この切断可能リンカーは、標的細胞または組織において切断されると、ホモ二量体を開いた状態にしてIL-2タンパク質の少なくとも1つの活性部位または結合部位を露出させることによって、IL-2活性を復活させる。それによって、今や活性化されたタンパク質(複数可)のIL-2部分は、そのコグネート受容体(複数可)の一部、例えば、免疫細胞上のIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc受容体鎖と相互作用または結合することができ、それによって下流の免疫細胞シグナル伝達経路に影響を及ぼすことができる。
本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質は、免疫系の過剰活性化を引き起こす高い初回の血清中Cmax、IL-2Rβ/γc受容体鎖を発現する免疫細胞と比較してIL-2Rα/β/γc受容体鎖を発現する制御性T細胞の優先的活性化、それ以外の場合にはIL-2の分子サイズが小さいためおよび/またはIL-2受容体を発現する多数の免疫細胞の異化に起因する短いPK、短いPKおよび/または無効な腫瘍標的化に起因する標的組織(例えば、がん、腫瘍)における不良な蓄積、ならびに正常組織における望ましくない蓄積および免疫活性化を含む、がん、感染性疾患および他の疾患の処置における標準的なIL-2治療の欠点の多くに対処する。
したがって、本開示の実施形態は、第1のポリペプチド(鎖)および第2のポリペプチド(鎖)を含む活性化可能プロタンパク質ホモ二量体(複合体)であって、
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2結合タンパク質を含み;
または第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2タンパク質を含み、
第1のポリペプチドの結合部分が、第2のポリペプチドの結合部分に結合し、第1のポリペプチドのIL-2タンパク質が、第2のポリペプチドのIL-2結合タンパク質に結合し、第1のポリペプチドのIL-2結合タンパク質が、第2のポリペプチドのIL-2タンパク質に結合し、前記(全体的な)結合が、in vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc鎖に、別の方法で結合するIL-2タンパク質(複数可)の結合部位を隠し、第1または第2のリンカーの少なくとも1つが、切断可能リンカーである、活性化プロタンパク質ホモ二量体を含む。
第1のポリペプチド(鎖)および第2のポリペプチド(鎖)を含む活性化可能プロタンパク質ホモ二量体(複合体)であって、
第1および第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、IL-2タンパク質、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、および必要に応じてアフィニティ精製タグを含み;
または第1および第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、IL-2結合タンパク質、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、および必要に応じてアフィニティ精製タグを含み、
第1のポリペプチドのIL-2タンパク質が、第2のポリペプチドのIL-2結合タンパク質に結合し、第1のポリペプチドのIL-2結合タンパク質が、第2のポリペプチドのIL-2タンパク質に結合し、前記(全体的な)結合が、in vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc鎖に、別の方法で結合するIL-2タンパク質(複数可)の結合部位を隠し、第1のリンカーが、切断可能リンカーである、活性化可能プロタンパク質ホモ二量体も含む。
上記のように、IL-2タンパク質(複数可)およびIL-2結合タンパク質(複数可)は、例えば、非共有結合による相互作用またはある特定の共有結合(例えば、ジスルフィド結合)を介して、相互作用するかまたは互いに結合する。一部の例では、IL-2結合タンパク質(複数可)、例えばIL-2Rαタンパク質(複数可)に対するIL-2タンパク質(複数可)の結合は、制御性T細胞(Treg)上に発現されるそのコグネートIL-2Rα/β/γc受容体鎖に対するIL-2タンパク質(複数可)の結合を立体的に遮断するかまたは妨害する。一部の例では、こうした結合障害および立体障害は、タンパク質の活性化形態においても保存され、免疫抑制性のTregの活性化を最小限にし、プロタンパク質および類似の活性タンパク質の消費を低減させるという利点を提供することができる。模範的なIL-2タンパク質およびIL-2結合タンパク質を、本明細書で他所に記載する。
一部の例では、第1および第2のポリペプチドの結合部分は、少なくとも1つの非共有結合による相互作用、少なくとも1つの共有結合(例えば、少なくとも1つのジスルフィド結合)、または非共有結合による相互作用と共有結合との任意の組合せを介して一緒になって二量体を形成して、さらに活性化可能プロタンパク質を安定化させる、ならびに/またはさらにそのコグネート受容体、例えばIL-2Rα/β/γcおよび/もしくはIL-2Rβ/γc受容体鎖に対するIL-2タンパク質の結合を隠す。しかし、典型的に、第1および第2のポリペプチドの結合部分は、ペプチドまたはアミド結合を介して互いに結合せず、二量体も形成しない。一部の実施形態では、結合部分は、ヘテロ二量体として、すなわち、2つの異なる結合部分で構成されるヘテロ二量体として、互いに結合する。一部の実施形態では、結合部分は、ホモ二量体として、すなわち、2つの同一またはほぼ同一の結合部分で構成されるホモ二量体として、互いに結合する。したがって、第1および第2のポリペプチドの結合部分は、同じ(または実質的に同じ)であるかまたは異なり得る。ほとんどの例では、第1および第2のポリペプチドの結合部分は同じであり、IL-2タンパク質にも、IL-2結合タンパク質にも結合しない。しかし、一部の例では、結合部分の1つまたは両方が、IL-2タンパク質および/またはIL-2結合タンパク質に結合することができる。模範的な結合部分構造を本明細書に記載する。
上記のように、リンカーの少なくとも1つは、切断可能リンカー、例えば、プロテアーゼによって切断可能なリンカーを含む。一部の例では、一方のリンカーは、切断可能リンカーを含み、他方のリンカーは、安定な(例えば、生理的に安定な)リンカーである。一部の例では、両方のリンカーが切断可能リンカーを含む。一部の例では、プロテアーゼは、標的組織または細胞、例えば、がん組織またはがん細胞において発現される。その状況でのリンカーの切断によって、マスキング部分が放出され、IL-2タンパク質の立体障害が除去され、正常なまたは健康な組織または細胞と比較して、疾患組織または細胞におけるIL-2タンパク質の選択的活性化が可能になる。そのような選択的および局所的活性化は、投与されたIL-2の不要な消費を低減させることによってその半減期を増加させるのみならず、他の利点の中でも、IL-2の組織浸透性を増強させ、望ましくない全身作用を低減させる。模範的なリンカーを本明細書に記載する。
一部の実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間のホモ二量体結合は、その標的、例えば免疫細胞の表面上のコグネートIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc受容体鎖に対するIL-2タンパク質の結合を、アロステリックに阻害する。これらおよび関連する実施形態では、活性化可能プロタンパク質は、その標的に対して結合を示さないかもしくは実質的に結合を示さない、または活性なドメインもしくはIL-2タンパク質単独の結合と比較して、0.001%以下、0.01%以下、0.1%以下、1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、6%以下、7%以下、8%以下、9%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、または50%以下の結合を、必要に応じてin vivoでまたは当技術分野で利用可能な標的置換(Target Displacement)in vitroアッセイによって測定した場合に、必要に応じて少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも28時間、少なくとも24時間、少なくとも30時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも96時間、または少なくとも5日間、少なくとも10日間、少なくとも15日間、少なくとも30日間、少なくとも45日間、少なくとも60日間、少なくとも90日間、少なくとも120日間、少なくとも150日間、少なくとも180日間、または少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、またはそれより長く示す。
各ポリペプチド鎖の様々な成分を、任意の方向に融合することができる。例えば、一部の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2結合タンパク質を含む(of comprise)。一部の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、IL-2結合タンパク質、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、および結合部分を含む(of comprise)。ある特定の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2タンパク質を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、IL-2タンパク質、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、および結合部分を含む。特定の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、IL-2タンパク質、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、およびアフィニティ精製タグを含む。一部の実施形態では、(d)の第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、NからC末端方向に、IL-2結合タンパク質、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、およびアフィニティ精製タグを含む。可能性のある他の方向は、当業者には明らかである。
ある特定の活性化可能プロタンパク質は、外来タンパク質鎖の2つのみで構成され、すなわち、それらは、本明細書に記載の第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドのみで構成される。しかし、一部の例では、ある特定の活性化可能プロタンパク質は、複数の鎖を含み、例えば、第1および第2のポリペプチド鎖は、その上に追加のまたはより高次の構造を構築することができる「コア構造」を形成し、様々なコア構造は、必要に応じて追加のタンパク質結合ドメインを介して互いに結合されている。
活性化可能プロタンパク質の個々の成分を、本明細書において以下により詳細に記載する。
IL-2タンパク質。本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質は、ヒトIL-2タンパク質を含む少なくとも1つの「IL-2タンパク質」(またはインターロイキン-2タンパク質)を含む。IL-2は、α(CD25)、β(CD122)、およびγc(CD132)鎖と呼ばれる最大3つの鎖で構成される複合体であるIL-2受容体(IL-2R)を通してシグナルを伝達するサイトカインである。IL-2は、抗原刺激または分裂促進刺激に応答してT細胞によって産生され、T細胞増殖および免疫応答の調節にとって極めて重要である他の活性にとって必要である。IL-2は、他の免疫細胞の中でも、B細胞、単球、リンフォカイン活性化キラー細胞、ナチュラルキラー細胞、および神経膠腫細胞を刺激することができる。
IL-2は、シグナルペプチド(残基1~20)、および活性な成熟タンパク質(残基21~153)で構成される15~16kDAのタンパク質である。例示的なヒトIL-2アミノ酸配列を以下の表S1に提供する。
このように、ある特定の実施形態では、IL-2タンパク質は、表S1から選択されるアミノ酸配列、または表S1から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは100%同一であるその活性なバリアントもしくは断片を含む、それからなる、またはそれから本質的になる。一部の実施形態では、「活性な」IL-2タンパク質または断片もしくはバリアントは、例えばin vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γcおよびIL-2Rα/β/γc受容体鎖に結合するその能力、ならびに本明細書に記載のマスキング部分による立体障害の非存在下で下流のシグナル伝達活性を刺激するその能力によって特徴付けられる。下流のシグナル伝達活性の例は、その組合せを含むJAK-STAT、PI3K/Akt/mTOR、およびMAPK/ERK経路の1つまたは複数を介するIL-2媒介シグナル伝達を含む。全体的に、IL-2シグナル伝達は、中でもCD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、NKT細胞、マクロファージ、および腸上皮内リンパ球の発達、機能、および生存において重要な役割を有する、応答に至る一連の下流の経路を刺激する。
特定の実施形態では、IL-2タンパク質は、配列番号1のアミノ酸21~153と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む、それからなる、またはそれから本質的になる、IL-2の成熟型、またはその活性なバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、IL-2タンパク質は、配列番号1によって定義されるC145X置換を含み、Xは任意のアミノ酸である。具体的な実施形態では、IL-2タンパク質は、配列番号1によって定義されるC145S置換を含む。
ある特定のIL-2タンパク質は、配列番号2(C125S置換を有する成熟ヒトIL-2)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む、それからなる、またはそれから本質的になる。一部の実施形態では、配列番号2の活性なバリアントまたは断片は、そこで定義されるS125残基を保持する。
ある特定のIL-2タンパク質は、表S1における模範的なアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数の定義されたアミノ酸置換を含む。例えば、一部のIL-2タンパク質は、配列番号2によって定義されるK35C、R38C、T41C、F42C、E61C、およびV69Cから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、IL-2タンパク質は、K35C、R38C、T41C、F42C、E61C、およびV69Cから選択されるシステイン置換の1つまたは複数を介して、IL-2結合タンパク質(例えば、IL-2Ra)とジスルフィド結合を形成する。ある特定のIL-2タンパク質は、その組合せを含む、配列番号2によって定義される69、74、および/または128位で1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、例えば1つまたは複数のアミノ酸置換は、配列番号2によって定義されるV69A、Q74P、およびI128Tから選択される場合を含む。一部のIL-2タンパク質は、その組合せを含む、配列番号2によって定義されるR38、F42、Y45、E62、E68、および/またはL72位で1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、例えば1つまたは複数のアミノ酸置換は、その組合せを含む、R38AおよびR38K;F42A、F42G、F42S、F42T、F42Q、F42E、F42N、F42D、F42R、F42K、およびF42I;Y45A、Y45G、Y45S、Y45T、Y45Q、Y45E、Y45N、Y45D、Y45R、およびY45K;E62AおよびE62L;E68AおよびE68V;ならびにL72A、L72G、L72S、L72T、L72Q、L72E、L72N、L72D、L72R、およびL72Kから選択される場合を含む。具体的な例は、IL-2タンパク質が、F42A、Y45A、およびL72G;R38K、F42Q、Y45N、E62L、およびE68V;R38K、F42Q、Y45E、およびE68V;R38A、F42I、Y45N、E62L、およびE68V;R38K、F42K、Y45R、E62L、およびE68V;R38K、F42I、Y45E、およびE68V;ならびにR38A、F42A、Y45A、およびE62Aから選択されるアミノ酸置換の1つまたは組合せを含む場合を含む。一部のIL-2タンパク質は、配列番号2によって定義されるT3および/またはE61でのアミノ酸置換、例えばT3Aおよび/またはE61Sの1つまたはその組合せを含む。このように、IL-2タンパク質は、その組合せを含む前述のアミノ酸置換の任意の1つまたは複数を含み得る。
前述のIL-2タンパク質の任意の1つまたは複数を、本明細書に記載の他の成分、例えばIL-2結合タンパク質、例えばIL-2Rαタンパク質、結合部分およびリンカーを含むマスキング部分、ならびに他の必要に応じたタンパク質ドメインのいずれかと組み合わせて、1つもしくは複数の活性化可能プロタンパク質またはこれを含むより大きい多鎖構造を生成することができることは、理解される。
IL-2結合タンパク質。本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質は、少なくとも1つの「IL-2結合タンパク質」を含む。IL-2結合タンパク質の例としては、ヒトIL-2Rαタンパク質を含むIL-2Rαタンパク質、ならびに本明細書に記載のIL-2タンパク質に結合するその抗体および抗原結合性断片を含む。
特定の実施形態では、IL-2結合タンパク質は、ヒトIL-2Rαタンパク質、またはIL-2タンパク質に結合するそのバリアントもしくは断片である。例示的なヒトIL-2Rαアミノ酸配列を以下の表S2に提供する。
このように、ある特定の実施形態では、IL-2Rαタンパク質は、表S2から選択されるアミノ酸配列、または表S2から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であり、IL-2タンパク質に結合するその活性なバリアントもしくは断片を含む、それからなる、またはそれから本質的になる。一部の実施形態では、IL-2Rαタンパク質は、配列番号4(全長の野生型ヒトIL-2Rα)のアミノ酸22~187または22~240に対し、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%であるアミノ酸配列を含む、それからなる、またはそれから本質的になる。
ある特定のIL-2Rαタンパク質は、表S2における模範的なアミノ酸配列と比較して、1つまたは複数の定義されたアミノ酸置換を含む。例えば、一部の例では、IL-2Rαタンパク質は、配列番号6(ヒトIL-2Rα Sushi1~Sushi2ドメイン)によって定義されるD4C、D6C、N27C、K38C、S39C、L42C、Y43C、I118C、およびH120Cから選択される1つまたは複数のシステイン置換を含む。一部の例では、IL-2Rαタンパク質は、配列番号6によって定義される49および/または68位でアラニン置換を含む。一部の実施形態では、IL-2Rαタンパク質は、配列番号6によって定義されるK38S置換を含む。このように、IL-2Rαタンパク質は、その組合せを含む前述のアミノ酸置換の任意の1つまたは複数を含み得る。
これらおよび関連する実施形態のある特定の実施形態では、IL-2Rαタンパク質は、前述のシステインの1つまたは複数およびIL-2タンパク質における1つまたは複数のシステインを介して、IL-2タンパク質と少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。具体的な実施形態では、IL-2RαおよびIL-2タンパク質は、IL2-K35CおよびIL2Rα-D4C、IL2-R38CおよびIL2Rα-D6C、IL2-R38CおよびIL2Rα-H120C、IL2-T41CおよびIL2Rα-I118C、IL2-F42CおよびIL2Rα-N27C、IL2-E61CおよびIL2Rα-K38C、IL2-E61CおよびIL2Rα-S39C、ならびにIL2-V69CおよびIL2Rα-L42Cから選択される1つまたは複数のシステイン対の間で、ジスルフィド、少なくとも1つのジスルフィド結合を形成する。特定の実施形態では、上記のように、IL-2タンパク質とIL-2Rαタンパク質との間の結合(例えば、ジスルフィド結合)は、Treg上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に優先的に結合するIL-2タンパク質の結合部位を隠すかまたは立体的に妨害する。一部の例では、タンパク質の活性形態または活性化形態は、少なくとも1つのリンカーの切断および対応するマスキング部分の放出後、IL-2タンパク質とIL-2Rαタンパク質との間の結合を保持し、このためTreg上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に優先的に結合しない。
上記のように、ある特定の実施形態では、IL-2結合タンパク質は、IL-2タンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性断片を含む。例としては、抗体全体、Fab、Fab’、F(ab’)2、単一特異性Fab2、二重特異性Fab2、FV、一本鎖Fv(scFv)、scFV-Fc、ナノボディ、ダイアボディ、ラクダ抗体、およびミニボディが挙げられる。具体的な実施形態では、抗体は、NARA1またはその抗原結合性断片である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Arenas-Ramirez et al., Science Translational Medicine. 8: 367ra166, 2016;および米国特許出願公開第2019/0016797号を参照されたい)。特定の実施形態では、および上記と同様に、IL-2タンパク質と抗IL-2抗体(またはその抗原結合性断片)との間の結合(例えば、ジスルフィド結合)は、Treg上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に優先的に結合するIL-2タンパク質の結合部位を隠すかまたは立体的に妨害する。一部の例では、タンパク質の活性形態または活性化形態は、少なくとも1つのリンカーの切断および対応するマスキング部分の放出後、IL-2タンパク質とIL-2Rαタンパク質との間の結合を保持し、このためTreg上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に優先的に結合しない。
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、インタクトなポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のみならず、その断片(例えば、dAb、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(ScFv)、その合成バリアント、天然に存在するバリアント、必要な特異性の抗原結合性断片を有する抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、および必要な特異性を有する抗原結合部位または断片(エピトープ認識部位)を含む免疫グロブリン分子の他の任意の改変された立体配置も包含する。抗体(およびその抗原結合性断片)のある特定の特色および特徴を、本明細書により詳細に記載する。
抗体または抗原結合性断片は、本質的に任意のタイプのものであり得る。当技術分野で周知であるように、抗体は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つのエピトープ認識部位を通して、標的、例えば免疫チェックポイント分子に特異的に結合することが可能な免疫グロブリン分子である。
用語「抗原結合性断片」は、本明細書で使用される場合、目的の抗原に結合する免疫グロブリン重鎖および/または軽鎖の少なくとも1つのCDRを含有するポリペプチド断片を指す。この点において、本明細書に記載の抗体の抗原結合性断片は、標的分子に結合する抗体からのVHおよびVL配列の1、2、3、4、5、または6個全てのCDRを含み得る。
抗体およびその抗原結合性断片の結合特性は、当技術分野で周知の方法を使用して定量することができる(Davies et al., Annual Rev. Biochem. 59:439-473, 1990を参照されたい)。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、標的分子、例えばIL-2タンパク質またはそのエピトープもしくは複合体に、約または約10-7M以下~約10-8Mの範囲である平衡解離定数で特異的に結合する。一部の実施形態では、平衡解離定数は、約または約10-9M以下~約10-10M以下の範囲である。ある特定の例示的な実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片は、約、少なくとも約0.01nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.05nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.1nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.2nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.3nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.4nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.5nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.6nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.7nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.8nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約0.9nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約1nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約2nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約3nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約4nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約5nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約6nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約7nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約8nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約9nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約10nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約11nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約12nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約13nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約14nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約15nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約16nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約17nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約18nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約19nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約20nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約21nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約22nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約23nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約24nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約25nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約26nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約27nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約28nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約29nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約30nMもしくはそれ未満、約、少なくとも約40nMもしくはそれ未満、または約、少なくとも約50nMもしくはそれ未満のIL-2タンパク質(それが特異的に結合する)に対する親和性(KdまたはEC50)を有する。
ポリペプチドまたは抗体などの分子は、それが代替の細胞または物質またはエピトープに反応または会合するよりも、特定の細胞、物質、または特定のエピトープに頻繁に、迅速に、長い期間、および/または高い親和性で反応または会合する場合、「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体は、他の物質またはエピトープに結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、および/またはより長い期間、例えば統計学的に有意な量で結合する場合、標的分子またはエピトープに「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。典型的には、特異的結合を示す分子の対の1つのメンバーは、分子の対の他方のメンバーに特異的に結合し、したがってその特定の空間的および/または極性機構と相補的であるその表面上の領域または窪みを有する。このため、対のメンバーは、互いに特異的に結合する特性を有する。例えば、特定のエピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、それが他のエピトープに結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、および/またはより長い期間、特定のエピトープに結合する抗体である。同様に、例えば第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分もしくはエピトープ)は、第2の標的に特異的または優先的に結合しても結合しなくてもよいことは、この定義を読むことによって理解される。この用語はまた、例えばいくつかの抗原が有する特定のエピトープに対して抗体が特異的である場合にも適用可能であり、この場合、抗原結合性断片またはドメインを有する特異的結合メンバーは、エピトープを有する様々な抗原に結合することができ、例えば共通のエピトープを共有する複数の種からのいくつかの異なる形態の標的抗原と交差反応性であり得る。
免疫学的結合は一般的に、免疫グロブリン分子とそれに対して免疫グロブリンが特異的である抗原との間で、例えば例としておよび限定されないが、静電気的、イオン、親水性、および/または疎水性の引力または反発力、立体力、水素結合、ファンデルワールス力、および他の相互作用の結果として起こるタイプの非共有結合による相互作用を指す。免疫学的結合相互作用の強度または親和性は、相互作用の解離定数(Kd)に関して表記することができ、より小さいKdは、より高い親和性を表す。選択されたポリペプチドの免疫学的結合特性は、当技術分野で周知の方法を使用して定量することができる。1つのそのような方法は、抗原結合部位/抗原複合体の形成および解離の速度を測定することを伴い、それらの速度は、複合体パートナーの濃度、相互作用の親和性、および両方向の速度に等しく影響を及ぼす幾何学的パラメーターに依存する。このように、「オンレート定数」(Kon)および「オフレート定数」(Koff)の両方を、濃度ならびに実際の会合速度および解離速度の計算によって決定することができる。Koff/Konの比は、親和性に関連しない全てのパラメーターの取り消しを可能にし、このように、解離定数Kdに等しい。本明細書で使用される場合、用語「親和性」は、2つの作用剤の可逆的結合に関する平衡定数を含み、KdまたはEC50として表記される。IL-2タンパク質またはエピトープに対する抗体の親和性は、例えば、約100ナノモル濃度(nM)~約0.1nM、約100nM~約1ピコモル濃度(pM)、または約100nM~約1フェムトモル濃度(fM)であり得る。本明細書で使用される場合、用語「アビディティ」は、希釈後の解離に対する2つまたはそれより多くの作用剤の複合体の抵抗性を指す。
抗体は、当業者に公知の多様な技術のいずれかによって調製され得る。例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照されたい。目的のポリペプチドに対して特異的なモノクローナル抗体は、例えば、Kohler and Milstein, Eur. J. Immunol. 6:511-519, 1976の技術、およびその改善型を使用して調製され得る。同様に、マウスなどのトランスジェニック動物を利用してヒト抗体を発現させる方法も含まれる。例えば、Neuberger et al., Nature Biotechnology 14:826, 1996;Lonberg et al., Handbook of Experimental Pharmacology 113:49-101, 1994;およびLonberg et al., Internal Review of Immunology 13:65-93, 1995を参照されたい。特定の例は、REGENEREX(登録商標)によるVELOCIMMUNE(登録商標)プラットフォームを含む(例えば、米国特許第6,596,541号を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体およびその抗原結合性断片は、それぞれがCDRに対する支持体を提供し、互いに対してCDRの空間的関係を定義する重鎖および軽鎖フレームワーク領域(FR)セットの間に介在する重鎖および軽鎖CDRセットを含む。本明細書で使用される場合、用語「CDRセット」は、重鎖または軽鎖V領域の3つの超可変領域を指す。重鎖または軽鎖のN末端から順に、これらの領域はそれぞれ、「CDR1」、「CDR2」、および「CDR3」として示される。したがって、抗原結合部位は、重鎖および軽鎖V領域の各々からのCDRセットを含む6つのCDRを含む。単一のCDR(例えば、CDR1、CDR2、またはCDR3)を含むポリペプチドは、本明細書において「分子認識単位」と呼ばれる。いくつかの抗原-抗体複合体の結晶構造解析により、CDRのアミノ酸残基は、結合した抗原と広範囲の接触を形成し、最も広範囲な抗原の接触は、重鎖CDR3との接触であることが実証されている。このように、分子認識単位は、抗原結合部位の特異性に主に関与する。
本明細書で使用される場合、用語「FRセット」は、重鎖または軽鎖V領域のCDRセットのCDRの枠組みである4つの隣接するアミノ酸配列を指す。一部のFR残基は、結合した抗原と接触し得る。しかし、FR、特にCDRに直接隣接するFR残基は、主にV領域の抗原結合部位へのフォールディングに関与する。FR内で、ある特定のアミノ残基(amino residues)およびある特定の構造特色は、非常に高度に保存されている。この点において、全てのV領域配列は、およそ90アミノ酸残基の内部ジスルフィドループを含有する。V領域が結合部位にフォールディングすると、CDRは、抗原結合表面を形成する突出したループモチーフとして表示される。正確なCDRのアミノ酸配列によらず、CDRループのある特定の「典型的な」構造へのフォールディングされた形状に影響を及ぼすFRの保存された構造領域が存在することが一般的に認識されている。さらに、ある特定のFR残基が、抗体重鎖および軽鎖の相互作用を安定化させる非共有結合のドメイン間接触に関与することは公知である。
免疫グロブリン可変ドメインの構造および位置は、Kabat, E. A. et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest. 4th Edition. US Department of Health and Human Services. 1987、およびその更新版を参照して決定され得る。
同様に、均一な抗体集団を指す「モノクローナル」抗体も含まれ、モノクローナル抗体はエピトープの選択的結合に関係するアミノ酸(天然に存在するおよび天然に存在しない)で構成される。モノクローナル抗体は、単一のエピトープに向けられ、非常に特異的である。用語「モノクローナル抗体」は、インタクトなモノクローナル抗体および全長のモノクローナル抗体のみならず、その断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(ScFv)、そのバリアント、抗原結合部分を含む融合タンパク質、ヒト化モノクローナル抗体、キメラモノクローナル抗体、ならびに必要な特異性およびエピトープとの結合能を有する抗原結合性断片(エピトープ認識部位)を含む他の任意の改変された立体配置の免疫グロブリン分子も包含する。抗体の起源またはそれが作製される様式(例えば、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、トランスジェニック動物)に関して制限はないと意図される。用語は、免疫グロブリン全体および「抗体」の定義の下で上記の断片等を含む。
タンパク質分解酵素であるパパインは、IgG分子を優先的に切断していくつかの断片を生じ、そのうち2つ(F(ab)断片)は、各々がインタクトな抗原結合部位を含む共有結合したヘテロ二量体を含む。酵素ペプシンは、IgG分子を切断して、両方の抗原結合部位を含むF(ab’)2断片を含むいくつかの断片を提供することができる。ある特定の実施形態に従う使用のためのFv断片は、IgMの優先的タンパク質分解切断によって産生され、まれにIgGまたはIgA免疫グロブリン分子の切断によって産生することができる。しかし、Fv断片は、当技術分野で公知の組換え技術を使用してより一般的に誘導される。Fv断片は、天然の抗体分子の抗原認識能および結合能の多くを保持する抗原結合部位を含む非共有結合VH::VLヘテロ二量体を含む。Inbar et al., PNAS USA. 69:2659-2662, 1972;Hochman et al., Biochem. 15:2706-2710, 1976;およびEhrlich et al., Biochem. 19:4091-4096, 1980を参照されたい。
ある特定の実施形態では、一本鎖Fv(scFV)抗体が企図される。例えば、カッパボディ(Ill et al., Prot. Eng. 10:949-57, 1997);ミニボディ(Martin et al., EMBO J 13:5305-9, 1994);ダイアボディ(Holliger et al., PNAS 90: 6444-8, 1993);またはJanusins(Traunecker et al., EMBO J 10: 3655-59, 1991;およびTraunecker et al., Int. J. Cancer Suppl. 7:51-52, 1992)を、所望の特異性を有する抗体の選択に関して本出願の教示に従って標準的な分子生物学技術を使用して調製してもよい。
一本鎖Fv(scFv)ポリペプチドは、ペプチドコードリンカーによって連結されたVHおよびVLコード遺伝子を含む遺伝子融合体から発現される共有結合により連結されたVH::VLヘテロ二量体である。Huston et al. (PNAS USA. 85(16):5879-5883, 1988)。抗体V領域からの天然に凝集しているが化学的に分離した軽鎖および重鎖ポリペプチド鎖を、抗原結合部位の構造と実質的に類似の三次元構造へとフォールディングするscFv分子に変換するための化学構造を識別するいくつかの方法が記載されている。例えば、Hustonらに対する米国特許第5,091,513号および第5,132,405号;ならびにLadnerらに対する米国特許第4,946,778号を参照されたい。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合性断片は、「ダイアボディ」の形態である。ダイアボディは、各々のポリペプチドが免疫グロブリン軽鎖の結合領域を含む第1のドメインと、免疫グロブリン重鎖の結合領域を含む第2のドメインとを含むポリペプチドの多量体であり、2つのドメインは連結されているが(例えば、ペプチドリンカーによって)、互いに会合して抗原結合部位を形成することができず、抗原結合部位は、多量体内の1つのポリペプチドの第1のドメインと多量体内の別のポリペプチドの第2のドメインとの会合によって形成される(WO94/13804)。抗体のdAb断片はVHドメインからなる(Ward et al., Nature 341:544-546, 1989)。ダイアボディおよび他の多価または多重特異性断片は、例えば遺伝子融合によって構築することができる(WO94/13804;およびHolliger et al., PNAS USA. 90:6444-6448, 1993を参照されたい)。
CH3ドメインに連結したscFvを含むミニボディもまた含まれる(Hu et al., Cancer Res. 56:3055-3061, 1996を参照されたい)。同様に、Ward et al., Nature. 341:544-546, 1989:Bird et al., Science. 242:423-426, 1988;Huston et al., PNAS USA. 85:5879-5883, 1988);PCT/US92/09965;WO94/13804;およびReiter et al., Nature Biotech. 14:1239-1245, 1996も参照されたい。
二重特異性抗体を使用する場合、これらは、多様な方法(Holliger and Winter, Current Opinion Biotechnol. 4:446-449, 1993)で製造することができる、例えば化学的にもしくはハイブリッドハイブリドーマから調製することができる従来の二重特異性抗体であり得るか、または上記で言及した二重特異性抗体断片のいずれかであり得る。可変ドメインのみを使用してFc領域を有しないダイアボディおよびscFvを構築することができ、潜在的に抗イディオタイプ反応の効果を低減することができる。
二重特異性ダイアボディはまた、二重特異性の全抗体とは対照的に、それらが容易に構築され、E.coliにおいて発現させることができることから、特に有用であり得る。適切な結合特異性を有するダイアボディ(および抗体断片などの他の多くのポリペプチド)を、ファージディスプレイを使用してライブラリから容易に選択することができる(WO94/13804)。例えば、抗原Xに対して特異的に向けられたダイアボディの1つのアームを一定のままにする場合、他のアームを変化させたライブラリを作製し、適切な特異性の抗体を選択することができる。二重特異性の全抗体は、ノブイントゥホール操作法によって作製され得る(Ridgeway et al., Protein Eng., 9:616-621, 1996)。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体または抗原結合性断片は、UniBody(登録商標)の形態である。UniBody(登録商標)は、ヒンジ領域が除去されたIgG4抗体である(GenMab Utrecht、The Netherlands;例えば、US20090226421を参照されたい)。この抗体技術は、現在の小さい抗体フォーマットよりも長い治療ウィンドウが予想される安定なより小さい抗体フォーマットを作出する。IgG4抗体は不活性であると考えられ、免疫系と相互作用しない。完全なヒトIgG4抗体を、抗体のヒンジ領域を排除することによって改変し、対応するインタクトなIgG4(GenMab、Utrecht)と比較して、別個の安定性特性を有する半分子断片を得てもよい。IgG4分子を半分にすると、コグネート抗原(例えば、疾患標的)に結合することができる1つのみの領域がUniBody(登録商標)上に残り、したがってUniBody(登録商標)は、標的細胞上の1つのみの部位に一価で結合する。ある特定のがん細胞表面抗原に関して、この一価の結合は、同じ抗原特異性を有する二価抗体を使用して認められ得るように、がん細胞を刺激して成長させることがなく、したがってUniBody(登録商標)技術は、従来の抗体による処置に不応性であり得る一部のタイプのがんの処置選択肢を与え得る。UniBody(登録商標)のサイズが小さいことは、一部の形態のがんを処置する場合に大きい利点であり得、分子をより大きい固形腫瘍に対してより良好に分布させ、おそらく有効性を増加させることができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の抗体および抗原結合性断片は、ナノボディの形態である。ミニボディは、単一の遺伝子によってコードされ、ほぼ全ての原核生物および真核生物宿主、例えばE.coli(米国特許第6,765,087号を参照されたい)、カビ(例えば、AspergillusまたはTrichoderma)、および酵母(例えば、Saccharomyces、Kluyvermyces、Hansenula、またはPichia(米国特許第6,838,254号を参照されたい)において効率よく産生されている。産生プロセスは、規模を拡大することが可能で、数キログラムの量のナノボディが産生されている。ナノボディは、長い貯蔵期間を有する使用準備済みの液剤として製剤化され得る。ナノクローン法(WO06/079372を参照されたい)は、B細胞の自動ハイスループット選択に基づいて所望の標的に対するナノボディを生成するための専有の方法である。
同様に、重鎖二量体、例えばラクダおよびサメ由来の抗体も含まれる。ラクダおよびサメ抗体は、V様およびC様ドメイン(軽鎖を有しない)の2つの鎖のホモ二量体対を含む。ラクダにおける重鎖二量体IgGのVH領域は、軽鎖と疎水性相互作用をなす必要がないことから、軽鎖に通常接触する重鎖の領域は、ラクダでは親水性アミノ酸残基に変化している。重鎖二量体IgGのVHドメインはVHHドメインと呼ばれる。サメIg-NARは、1つの可変ドメイン(V-NARドメインと呼ばれる)および5つのC様定常ドメイン(C-NARドメイン)のホモ二量体を含む。
ラクダでは、多様な抗体レパートリーは、VHまたはVHH領域における相補性決定領域(CDR)1、2、および3によって決定される。ラクダVHH領域におけるCDR3は、平均16アミノ酸の比較的長い長さによって特徴付けられる(Muyldermans et al., 1994, Protein Engineering 7(9): 1129)。これは、他の多くの種の抗体のCDR3領域とは対照的である。例えば、マウスVHのCDR3は、平均で9アミノ酸を有する。ラクダの可変領域のin vivoでの多様性を維持するラクダ由来抗体可変領域のライブラリは、例えば2005年2月17日に公開された米国特許出願公開第20050037421号に開示される方法によって作製することができる。
ある特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片はヒト化される。これらの実施形態は、組換え技術を使用して一般的に調製されたキメラ分子を指し、非ヒト種の免疫グロブリンに由来する抗原結合部位と、ヒト免疫グロブリンの構造および/または配列に基づく分子の残りの免疫グロブリン構造とを有する。抗原結合部位は、定常ドメインに融合された完全な可変ドメイン、または可変ドメインにおける適切なフレームワーク領域にグラフトされたCDRのみのいずれかを含み得る。エピトープ結合部位は、野生型であってもよく、または1つもしくは複数のアミノ酸置換によって改変されてもよい。これは、ヒト個体における免疫原としての定常領域を排除するが、外来の可変領域に対する免疫応答の可能性は残っている(LoBuglio et al., PNAS USA 86:4220-4224, 1989;Queen et al., PNAS USA. 86:10029-10033, 1988;Riechmann et al., Nature. 332:323-327, 1988)。抗体をヒト化するための例示的な方法は、米国特許第7,462,697号に記載の方法を含む。
別のアプローチは、ヒト由来定常領域を提供することのみならず、可変領域を改変すること、およびヒトの形態に可能な限り近くなるようにそれらを再形成することに集中している。重鎖および軽鎖の両方の可変領域が、問題のエピトープに対する応答が異なり、結合能を決定し、所定の種において比較的保存されて相補性決定領域(CDR)の足場を提供すると推定される4つのフレームワーク領域(FR)に挟まれた3つCDRを含有することは公知である。特定のエピトープに関する非ヒト抗体を調製する場合、非ヒト抗体に由来するCDRを改変されるヒト抗体に存在するFR上にグラフトすることによって、可変領域を「再形成」または「ヒト化」することができる。様々な抗体に対するこのアプローチの応用は、Sato et al., Cancer Res. 53:851-856, 1993;Riechmann et al., Nature 332:323-327, 1988;Verhoeyen et al., Science 239:1534-1536, 1988;Kettleborough et al., Protein Engineering. 4:773-3783, 1991;Maeda et al., Human Antibodies Hybridoma 2:124-134, 1991;Gorman et al., PNAS USA. 88:4181-4185, 1991;Tempest et al., Bio/Technology 9:266-271, 1991;Co et al., PNAS USA. 88:2869-2873, 1991;Carter et al., PNAS USA. 89:4285-4289, 1992;およびCo et al., J Immunol. 148:1149-1154, 1992によって報告されている。一部の実施形態では、ヒト化抗体は、全てのCDR配列を保存している(例えば、マウス抗体からの6個全てのCDRを含有するヒト化マウス抗体)。他の実施形態では、ヒト化抗体は、元の抗体に関して変更されている1つまたは複数のCDR(1、2、3、4、5、または6個)を有し、これはまた、元の抗体からの1つまたは複数のCDR「に由来する」1つまたは複数のCDRとも呼ばれる。
ある特定の実施形態では、抗体は「キメラ」抗体である。この点において、キメラ抗体は、異なる抗体の異種Fc部分に作動可能に連結された、またはそうでなければ融合された抗体の抗原結合性断片で構成される。ある特定の実施形態では、Fcドメインまたは異種Fcドメインは、ヒト起源のドメインである。ある特定の実施形態では、Fcドメインまたは異種Fcドメインは、マウス起源のドメインである。他の実施形態では、異種Fcドメインは、IgA(サブクラスIgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgE、IgG(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む)、およびIgMを含む、親抗体からの異なるIgクラスに由来し得る。さらなる実施形態では、異種Fcドメインは、異なるIgクラスの1つまたは複数からのCH2およびCH3ドメインで構成され得る。ヒト化抗体に関して上記のように、キメラ抗体の抗原結合性断片は、本明細書に記載の抗体のCDRの1つまたは複数(例えば、本明細書に記載の抗体の1、2、3、4、5、または6個のCDR)のみを含み得るか、または全可変ドメイン(VL、VH、または両方)を含み得る。
前述のIL-2結合タンパク質の任意の1つまたは複数を、本明細書に記載の他の成分、例えばIL-2タンパク質、結合部分とリンカーとを含むマスキング部分、および他の必要に応じたタンパク質ドメインのいずれかと組み合わせて、1つもしくは複数の活性化可能プロタンパク質またはこれを含むより大きい多鎖構造を生成することができることは、理解される。
結合部分。上記のように、本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体は、その各々が「結合部分」を含む、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む。結合部分は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間の結合相互作用を容易にし、さらに安定化させる。一部の実施形態では、結合部分は、IL-2タンパク質にもIL-2結合タンパク質にも結合しない。
このように、ある特定の実施形態では、結合部分は、表M1から選択される。
特定の実施形態では、結合部分は、その抗原結合性断片およびバリアント、例えばVLドメインおよび/またはVHドメインを含む、免疫グロブリンの抗原結合ドメインを含む。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、抗原、例えばヒト抗原に結合しない。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、抗原、例えばヒト抗原に結合する。
一部の実施形態では、結合部分は、免疫グロブリンの定常ドメイン、またはその断片もしくはバリアントを含む。例えば、ある特定の実施形態では、結合部分は、その断片およびバリアント、ならびにその組合せを含む、免疫グロブリンのCH1、CH2、CH3、CH1CH3、CH2CH3、CH1CH2CH3、および/またはCLドメインを含む。一部の例では、軽鎖(CL)は、ラムダまたはカッパ鎖である。一部の実施形態では、本明細書で提供される活性化可能プロタンパク質ホモ二量体の結合部分に存在する定常ドメインは、グリコシル化されている。一部の実施形態では、グリコシル化は、N-グリコシル化である。一部の実施形態では、グリコシル化は、O-グリコシル化である。
具体的な実施形態では、結合部分は、NからC末端方向に:(1)その抗原結合性断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンの抗原結合ドメイン;ならびに(2)その断片およびバリアントを含む、免疫グロブリン定常ドメイン、例えばその組合せを含む、免疫グロブリンのCH1、CH2、CH3、CH1CH3、CH2CH3、CH1CH2CH3、および/またはCLドメインを含む。具体的な実施形態では、結合部分は、免疫グロブリンのCH2CH3ドメインを含む、それからなる、またはそれから本質的になる。
本明細書で使用される免疫グロブリンドメイン(抗原結合ドメイン、定常ドメイン)は、必要に応じてIgGドメインを含む。しかし、ある特定の実施形態は、代替の免疫グロブリン、例えばIgM、IgA、IgD、およびIgEを含む。さらに、様々な免疫グロブリンの全ての可能性があるアイソタイプもまた、本実施形態に包含される。このように、IgG1、IgG2、IgG3等は、結合ドメインにおける全ての可能性がある分子である。免疫グロブリンのタイプおよびアイソタイプの選択に加えて、ある特定の実施形態は、様々なヒンジ領域(またはその機能的同等物)を含む。そのようなヒンジ領域は、本明細書に記載のプロタンパク質の異なるドメイン間でフレキシビリティを提供する。一部の実施形態では、結合ドメイン(またはより大きいマスキング部分)の免疫グロブリン部分は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、およびIgMから選択される免疫グロブリンクラスに由来する。
リンカー。上記のように、ある特定の実施形態では、各ポリペプチドは、少なくとも1つもしくは少なくとも2つのリンカー、またはペプチドリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーの少なくとも1つは、切断可能リンカー、例えば、プロテアーゼ切断部位を含む切断可能リンカーである。一部の実施形態では、リンカーの少なくとも1つは、切断不能リンカー、すなわち、生理的に安定なリンカーである。
一部の実施形態では、第1のリンカーおよび/または第2のリンカーは、約1~50、約1~40、約1~30、約1~20、約1~10、約1~5、約1~4、約1~3アミノ酸長、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50アミノ酸長である。特定の実施形態では、第1のリンカーは、切断可能リンカーであり、第2のリンカーは、切断不能リンカーである。一部の実施形態では、第1のリンカーは、切断不能リンカーであり、第2のリンカーは、切断可能リンカーである。一部の実施形態では、両方のリンカーが、切断可能リンカーである。
一部の実施形態では、切断可能リンカーは、少なくとも1つのプロテアーゼ切断部位を含む。適したプロテアーゼ切断部位および自己切断ペプチドは、当業者に公知である(例えば、Ryan et al., J. Gener. Virol. 78:699-722, 1997;およびScymczak et al., Nature Biotech. 5:589-594, 2004を参照されたい)。一部の実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、およびアスパラギン酸プロテアーゼのうちの1つまたは複数から選択されるプロテアーゼによって切断可能である。特定の実施形態では、プロテアーゼ切断部位は、MMP1、MMP2、MMP3、MMP4、MMP5、MMP6、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、TEVプロテアーゼ、マトリプターゼ、uPA、FAP、レグマイン、PSA、カリクレイン、カテプシンA、およびカテプシンBのうちの1つまたは複数から選択されるプロテアーゼによって切断可能である。
このように、ある特定の実施形態では、切断可能リンカーは、表S3から選択される。切断可能リンカーの追加の例としては、セリンプロテアーゼ、例えば、トロンビン、キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カリクレインまたはサブチリシンによって切断されるアミノ酸配列が挙げられる。トロンビンによって切断可能なアミノ酸配列の例示的な例としては、これらに限定されないが:-Gly-Arg-Gly-Asp-(配列番号115)、-Gly-Gly-Arg-、-Gly-Arg-Gly-Asp-Asn-Pro-(配列番号116)、-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-(配列番号117)、-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Lys-(配列番号118)、-Gly-Pro-Arg-、-Val-Pro-Arg-、および-Phe-Val-Arg-が挙げられる。エステラーゼによって切断可能なアミノ酸配列の例示的な例としては、これらに限定されないが:-Ala-Ala-Ala-、-Ala-Ala-Pro-Val-(配列番号119)、-Ala-Ala-Pro-Leu-(配列番号120)、-Ala-Ala-Pro-Phe-(配列番号121)、-Ala-Ala-Pro-Ala-(配列番号122)、および-Ala-Tyr-Leu-Val-(配列番号123)が挙げられる。
切断可能リンカーは、マトリクスメタロプロテナーゼ、例えば、コラゲナーゼ、ストロメライシンおよびゼラチナーゼによって切断することができるアミノ酸配列も含む。マトリクスメタロプロテナーゼによって切断可能なアミノ酸配列の例示的な例としては、これらに限定されないが:-Gly-Pro-Y-Gly-Pro-Z-(配列番号124)、-Gly-Pro-、Leu-Gly-Pro-Z-(配列番号125)、-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Z-(配列番号126)、および-Ala-Pro-Gly-Leu-Z-(配列番号127)が挙げられ、式中、YおよびZはアミノ酸である。コラゲナーゼによって切断可能なアミノ酸配列の例示的な例としては、これらに限定されないが:-Pro-Leu-Gly-Pro-D-Arg-Z-(配列番号128)、-Pro-Leu-Gly-Leu-Leu-Gly-Z-(配列番号129)、-Pro-Gln-Gly-Ile-Ala-Gly-Trp-(配列番号130)、-Pro-Leu-Gly-Cys(Me)-His-(配列番号131)、-Pro-Leu-Gly-Leu-Tyr-Ala-(配列番号132)、-Pro-Leu-Ala-Leu-Trp-Ala-Arg-(配列番号133)、および-Pro-Leu-Ala-Tyr-Trp-Ala-Arg-(配列番号134)が挙げられ、式中、Zはアミノ酸である。ストロメライシンによって切断可能なアミノ酸配列の例示的な例は、-Pro-Tyr-Ala-Tyr-Tyr-Met-Arg-(配列番号135)であり、ゼラチナーゼによって切断可能なアミノ酸配列の例は、-Pro-Leu-Gly-Met-Tyr-Ser-Arg-(配列番号136)である。
切断可能リンカーは、アンジオテンシン変換酵素によって切断することができるアミノ酸配列、例えば-Asp-Lys-Pro-、-Gly-Asp-Lys-Pro-(配列番号137)、および-Gly-Ser-Asp-Lys-Pro-(配列番号138)なども含む。切断可能リンカーは、カテプシンBによって分解することができるアミノ酸配列、例えばVal-Cit、Ala-Leu-Ala-Leu-(配列番号139)、Gly-Phe-Leu-Gly-(配列番号140)およびPhe-Lysなども含む。
特定の実施形態では、切断可能リンカーは、pH7.4、25℃で、例えば生理的pH、ヒト体温(例えば、in vivo、血清中、所定の組織)で約30分もしくはそれ未満、約1時間もしくはそれ未満、約2時間もしくはそれ未満、約3時間もしくはそれ未満、約4時間もしくはそれ未満、約5時間もしくはそれ未満、約6時間もしくはそれ未満、約12時間もしくはそれ未満、約18時間もしくはそれ未満、約24時間もしくはそれ未満、約36時間もしくはそれ未満、約48時間もしくはそれ未満、約72時間もしくはそれ未満、または約96時間もしくはそれ未満の半減期、またはその間の任意の半減期を有する。
典型的に、第1のまたは第2のリンカーのうちの少なくとも1つは切断不能リンカーである。例示的な切断不能リンカーとしては、Maratea et al., Gene 40:39-46, 1985;Murphy et al., PNAS USA. 83:8258-8262, 1986;米国特許第4,935,233号および米国特許第4,751,180号に開示されるリンカーが挙げられる。特定の切断不能リンカー配列は、Gly、Ser、および/またはAsn残基を含有する。他のほぼ中性のアミノ酸、例えばThrおよびAlaもまた、望ましい場合ペプチドリンカー配列に用いてもよい。
ある特定の模範的な切断不能リンカーとしては、Gly、Serおよび/またはAsn含有リンカーが挙げられ、以下の通りである:[G]x、[S]x、[N]x、[GS]x、[GGS]x、[GSS]x、[GSGS]x(配列番号141)、[GGSG]x(配列番号142)、[GGGS]x(配列番号143)、[GGGGS]x(配列番号144)、[GN]x、[GGN]x、[GNN]x、[GNGN]x(配列番号145)、[GGNG]x(配列番号146)、[GGGN]x(配列番号147)、[GGGGN]x(配列番号148)リンカー、式中のxは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であるか、またはそれより大きい。これらおよび関連するアミノ酸の他の組合せは当業者に明らかである。
切断不能リンカーの追加の例としては、以下のアミノ酸配列が挙げられる:Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-(配列番号149);Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-(配列番号150);Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-(配列番号151);Asp-Ala-Ala-Ala-Lys-Glu-Ala-Ala-Ala-Lys-Asp-Ala-Ala-Ala-Arg-Glu-Ala-Ala-Ala-Arg-Asp-Ala-Ala-Ala-Lys-(配列番号152);およびAsn-Val-Asp-His-Lys-Pro-Ser-Asn-Thr-Lys-Val-Asp-Lys-Arg-(配列番号153)。
切断不能リンカーのさらに非制限的な例としては、DGGGS(配列番号154);TGEKP(配列番号155)(例えば、Liu et al., PNAS. 94:5525-5530, 1997を参照されたい);GGRR(配列番号156)(Pomerantz et al. 1995);(GGGGS)n(配列番号144)(Kim et al., PNAS. 93:1156-1160, 1996);EGKSSGSGSESKVD(配列番号157)(Chaudhary et al., PNAS. 87:1066-1070, 1990);KESGSVSSEQLAQFRSLD(配列番号158)(Bird et al., Science. 242:423-426, 1988)、GGRRGGGS(配列番号159);LRQRDGERP(配列番号160);LRQKDGGGSERP(配列番号161);LRQKd(GGGS)2ERP(配列番号162)が挙げられる。具体的な実施形態では、リンカーは、3つのグリシン残基を含むGly3リンカー配列を含む。特定の実施形態では、フレキシブルリンカーは、DNA結合部位およびペプチドそのものの両方をモデリングすることが可能なコンピュータープログラム(Desjarlais & Berg, PNAS. 90:2256-2260, 1993;およびPNAS. 91:11099-11103, 1994)を使用して、またはファージディスプレイ法によって合理的に設計することができる。
一部の実施形態では、リンカーは、免疫グロブリン(Ig)/抗体ヒンジ領域またはその断片、例えばIgG1抗体から得たまたはそれに由来するヒンジ領域を含む。一部の実施形態では、用語Ig「ヒンジ」領域は、必要に応じてジスルフィド結合が免疫グロブリンの2つの重鎖を連結するシステイン残基を含む、天然に存在するIgヒンジ領域配列の一部と配列同一性または類似性を共有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。本発明のヒンジ領域リンカーと天然に存在する免疫グロブリンヒンジ領域アミノ酸配列との配列類似性は、少なくとも50%から約75~80%の範囲、および典型的には約90%より高い類似性であり得る。
一部の実施形態では、リンカーは、切断可能エレメントを切断に関与する酵素により近づきやすくするために、スペーサーエレメントおよび切断可能エレメントを含む。
前述のリンカーの任意の1つまたは複数を、本明細書に記載の結合部分、IL-2タンパク質、IL-2結合タンパク質および/または精製タグの任意の1つまたは複数と組み合わせて、本開示の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体を形成することができることは、理解される。
アフィニティ精製タグ。ある特定の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、少なくとも1つのアフィニティ精製タグを含む。ポリヒスチジンタグ(必要に応じてヘキサヒスチジンタグ)、VSV-Gタグ(YTDIEMNRLGK;配列番号163)、ユニバーサルタグ(HTTPHH;配列番号164)、Strepタグ(WSHPQFEK;配列番号165)またはAWAHPQPGG;配列番号166)、Sタグ(KETAAAKFERQHMDS;配列番号167)、S1タグ(NANNPDWDF;配列番号168)、Pheタグ(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11または約12のPhe残基で構成される)、Cysタグ(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11または約12のCys残基で構成される)、Aspタグ(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11または約12のAsp残基で構成される)、Argタグ(例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11または約12のArg残基で構成される)、Mycエピトープタグ(CEQKLISEEDL、配列番号169)、KT3エピトープタグ(KPPTPPPEPET、配列番号170)、HSVエピトープタグ(QPELAPED;配列番号171)、ヒスチジンアフィニティタグ(KDHLIHNVHKEFHAHAHNK;配列番号172)、ヘマグルチニン(HA)タグ、FLAGエピトープタグ(DYKDDDK;配列番号173)、E2エピトープタグ(SSTSSDFRDR;配列番号174)、V5タグ(GKPIPNPLLGLDST;配列番号175)、T7タグ(MASMTGGQQMG;配列番号176)、AU5エピトープタグ(TDFYLK;配列番号177)、およびAU1エピトープタグ(DTYRYI;配列番号178)を含む模範的なアフィニティ精製タグ。
追加のドメイン。ある特定の活性化可能プロタンパク質は、1つまたは複数の追加のドメイン、例えば結合ドメインを含む。一部の実施形態では、活性化可能プロタンパク質におけるポリペプチドの各々は、さらに、一方の遊離の末端でタンパク質ドメインA、および/または他方の遊離の末端でタンパク質ドメインBを含む。
一部の実施形態では、タンパク質ドメインAおよびBは、同じであるかまたは異なる。特定の実施形態では、タンパク質ドメインAおよびBは、細胞受容体標的化部分、必要に応じて二重特異性標的化部分、抗原結合ドメイン、必要に応じて二重特異性抗原結合ドメイン、細胞膜受容体細胞外ドメイン(ECD)、Fcドメイン、ヒト血清アルブミン(HSA)、Fc結合ドメイン、HSA結合ドメイン、サイトカイン、ケモカイン、および可溶性タンパク質リガンドのうちの1つまたは複数から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の追加のタンパク質ドメインを使用して、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの活性化可能プロタンパク質の複合体を形成することができ、これらは追加のドメイン(複数可)を介して互いに結合する。
活性化可能プロタンパク質およびその予想される切断産物のいくつかについての例示的な例を、以下の表S4に提供する(実施例も参照されたい)。
このように、ある特定の実施形態では、活性化可能プロタンパク質は、表S4から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む、それからなる、またはそれから本質的になる第1のポリペプチドを含む。ある特定の実施形態では、前述の配列(表S4からの)の任意の1つまたは複数についてのプロテアーゼ(proteast)切断部位(例えば、TEVプロテアーゼ切断部位)は、ヒトプロテアーゼ切断部位、すなわち、ヒトプロテアーゼ、例えば、がん組織またはがん細胞において発現されるヒトプロテアーゼによって切断可能な切断部位で置き換えられている(例えば、模範的な切断可能リンカーについては表S3を参照されたい)。
使用方法および医薬組成物
ある特定の実施形態は、それを必要とする対象における疾患もしくは状態を処置する、その症状を軽快させる、および/またはその進行を低減する方法であって、本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を対象に投与するステップを含む方法を含む。同様に、対象における免疫応答を増強する方法であって、本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を対象に投与するステップを含む方法も含まれる。特定の実施形態では、疾患は、がん、ウイルス感染症、および免疫障害のうちの1つまたは複数から選択される。
一部の実施形態では、投与後、活性化可能プロタンパク質は、細胞または組織におけるプロテアーゼによる切断を通して活性化され、ホモ二量体を放出し、または開き、in vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γc鎖に結合するIL-2タンパク質の結合部位を露出させ、それによって活性化タンパク質を生成する(例えば、図4A~4Dを参照されたい)。特定の実施形態では、プロテアーゼによる切断は、がん細胞もしくはがん組織、またはウイルス感染細胞もしくはウイルス感染組織で起こる。典型的には、活性化タンパク質は、例えばin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γc鎖に結合することによって、およびそれによって免疫細胞を刺激することによって、少なくとも1つの免疫刺激IL-2活性を有する。特定の実施形態では、免疫細胞は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、単球、およびマクロファージのうちの1つまたは複数から選択される。
一部の実施形態では、活性化タンパク質を生成するための活性化可能プロタンパク質の投与および活性化は、対象における免疫応答を、対照と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増加させる。一部の例では、免疫応答は、抗がんまたは抗ウイルス免疫応答である。一部の実施形態では、活性化タンパク質を生成するための活性化可能プロタンパク質の投与および活性化は、対象における細胞殺滅を、対照と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増加させる。一部の実施形態では、細胞殺滅は、がん細胞の殺滅またはウイルス感染細胞の殺滅である。
一部の実施形態では、活性化タンパク質を生成するための活性化可能プロタンパク質の投与および活性化は、制御性T細胞(Treg)上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に対する活性化タンパク質の結合を有意に増加させない。例えば、ある特定の活性化タンパク質において、IL-2タンパク質とIL-2結合タンパク質との間の結合(例えば、IL-2タンパク質とIL-2Rαタンパク質との間のジスルフィド結合)は、リンカーの切断後に維持され、Treg上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に結合するIL-2タンパク質(複数可)の結合部位を隠し、それによってTregに対する活性化タンパク質の結合を妨害する。このように、ある特定の実施形態では、活性化タンパク質は、活性化可能プロタンパク質と比較して、(Treg)の増殖および/または活性化を有意に刺激も増強もしない。
一部の実施形態では、疾患はがんであり、すなわちそれを必要とする対象は、がんを有するかまたはがんを有することが疑われる。このため、ある特定の実施形態は、それを必要とする対象におけるがんを処置する、がんの症状を軽快させる、またはがんの進行を阻害する方法であって、本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を対象に投与するステップを含む方法を含む。特定の実施形態では、がんは原発がんまたは転移がんである。具体的な実施形態では、がんは、黒色腫(必要に応じて転移性黒色腫)、腎臓がん(必要に応じて腎細胞癌)、膵臓がん、骨がん、前立腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、中皮腫、白血病(必要に応じてリンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、または再発した急性骨髄性白血病)、多発性骨髄腫、リンパ腫、ヘパトーマ(肝細胞癌)、肉腫、B細胞悪性腫瘍、乳がん、卵巣がん、結腸直腸がん、神経膠腫、多形性膠芽腫、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、原発性CNSリンパ腫、原始神経外胚葉性腫瘍(髄芽腫)、膀胱がん、子宮がん、食道がん、脳がん、頭頸部がん、子宮頸がん、精巣がん、甲状腺がん、および胃がんのうちの1つまたは複数から選択される。
一部の実施形態では、上記のように、がんは転移がんである。上記のがんに加えて、例示的な転移がんとしては、これらに限定されないが、中でも骨、肝臓、および/または肺に転移している膀胱がん;骨、脳、肝臓、および/または肺に転移している乳がん;肝臓、肺、および/または腹膜に転移している結腸直腸がん;副腎、骨、脳、肝臓、および/または肺に転移している腎臓がん;副腎、骨、脳、肝臓、および/または肺の他の部位に転移している肺がん;骨、脳、肝臓、肺、および/または皮膚/筋肉に転移している黒色腫;肝臓、肺、および/または腹膜に転移している卵巣がん;肝臓、肺、および/または腹膜に転移している膵臓がん;副腎、骨、肝臓、および/または肺に転移している前立腺がん;肝臓、肺、および/または腹膜に転移している胃がん;骨、肝臓、および/または肺に転移している甲状腺がん;ならびに骨、肝臓、肺、腹膜、および/または膣に転移している子宮がんが挙げられる。
がんを処置する方法を、他の治療モダリティと組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載の併用療法を、症状に対するケア、放射線療法、手術、移植、ホルモン療法、光線力学的療法、抗生物質療法、またはそのいずれかの組合せを含む他の治療介入の前、間、または後に対象に投与することができる。症状に対するケアは、脳浮腫、頭痛、認知機能障害、および嘔吐を低減するためのコルチコステロイドの投与、ならびに発作を低減するための抗けいれん剤の投与を含む。放射線療法は、全脳照射、分割放射線療法、および放射線手術、例えば定位放射線手術を含み、これらを従来の手術とさらに組み合わせることができる。
このように、ある特定の実施形態は、それを必要とする対象におけるがんを処置する、その症状を軽快させる、またはその進行を阻害する方法を含む、がんを処置するための併用療法であって、本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を、少なくとも1つの追加の薬剤、例えば化学療法剤、ホルモン療法剤、および/またはキナーゼ阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む併用療法を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を投与することは、追加の薬剤(例えば、化学療法剤、ホルモン療法剤、およびまたはキナーゼ阻害剤)に対するがんの感受性を、追加の薬剤単独と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増強する。
ある特定の併用療法は、1つまたは複数の化学療法剤、例えば、低分子化学療法剤を用いる。化学療法剤の非制限的な例としては、中でもアルキル化剤、抗代謝剤、細胞傷害性抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤(I型またはII型)、抗微小管剤が挙げられる。
アルキル化剤の例としては、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、ムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、およびブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、N-ニトロソ-N-メチルウレア(MNU)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(MeCCNU)、フォテムスチン、およびストレプトゾトシン)、テトラジン(例えば、ダカルバジン、ミトゾロミド、およびテモゾロミド)、アジリジン(例えば、チオテパ、マイトマイシン、およびジアジコン(AZQ))、シスプラチンおよびその誘導体(例えば、カルボプラチンおよびオキサリプラチン)、ならびに非古典的アルキル化剤(必要に応じてプロカルバジンおよびヘキサメチルメラミン)が挙げられる。
抗代謝剤の例としては、抗葉酸剤(例えば、メトトレキサートおよびペメトレキセド)、フルオロピリミジン(例えば、5-フルオロウラシルおよびカペシタビン)、デオキシヌクレオシドアナログ(例えば、アンシタビン、エノシタビン、シタラビン、ゲムシタビン、デシタビン、アザシチジン、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、およびペントスタチン)、およびチオプリン(例えば、チオグアニンおよびメルカプトプリン)が挙げられる。
細胞傷害性抗生物質の例としては、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、およびミトキサントロン)、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、およびアクチノマイシンが挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤の例としては、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、ドキソルビシン、ミトキサントロン、テニポシド、ノボビオシン、メルバロン、およびアクラルビシンが挙げられる。
抗微小管剤の例としては、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)が挙げられる。
本明細書に記載の様々な化学療法剤を、本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質の任意の1つまたは複数と組み合わせることができ、本明細書に記載の方法または組成物の任意の1つまたは複数に従って使用することができることは、当業者には理解される。
ある特定の併用療法は、少なくとも1つのホルモン療法剤を用いる。ホルモン療法剤の一般的な例としては、ホルモンアゴニストおよびホルモンアンタゴニストが挙げられる。ホルモンアゴニストの特定の例としては、プロゲストゲン(プロゲスチン)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)、インスリン様成長因子、VEGF由来血管新生因子およびリンパ管新生因子(例えば、VEGF-A、VEGF-A145、VEGF-A165、VEGF-C、VEGF-D、PIGF-2)、線維芽細胞成長因子(FGF)、ガレクチン、肝細胞成長因子(HGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)-ベータ、アンドロゲン、エストロゲン、ならびにソマトスタチンアナログが挙げられる。ホルモンアンタゴニストの例としては、ホルモン合成阻害剤、例えばそのアナログを含むアロマターゼ阻害剤および性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト(例えば、リュープロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ヒストレリン)が挙げられる。同様に、ホルモン受容体アンタゴニスト、例えば選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン)および抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド)が挙げられる。
同様に、ホルモン経路阻害剤、例えばホルモン受容体に対する抗体も含まれる。例としては、IGF受容体の阻害剤(例えば、IGF-IR1)、例えばシクスツムマブ、ダロツズマブ、フィギツムマブ、ガニツマブ、イスチラツマブ、およびロバツムマブ;血管内皮成長因子受容体1、2、または3(VEGFR1、VEGFR2、またはVEGFR3)の阻害剤、例えばアラシズマブペゴル、ベバシズマブ、イクルクマブ、ラムシルマブ;TGF-ベータ受容体R1、R2、およびR3の阻害剤、例えばフレソリムマブおよびメテリムマブ;c-Metの阻害剤、例えばナキシタマブ;EGF受容体の阻害剤、例えばセツキシマブ、デパツキシズマブマホドチン、フツキシマブ、イムガツズマブ、ラプリツキシマブエムタンシン、マツズマブ、モドツキシマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、パニツムマブ、トムゾツキシマブ、およびザルツムマブ;FGF受容体の阻害剤、例えばアプルツマブイキサドチンおよびベマリツズマブ;ならびにPDGF受容体の阻害剤、例えばオララツマブおよびトベツマブが挙げられる。
本明細書に記載の様々なホルモン治療剤を、本明細書に記載の様々な活性化可能プロタンパク質の任意の1つまたは複数と組み合わせることができ、本明細書に記載の方法または組成物の任意の1つまたは複数に従って使用することができることは、当業者には理解される。
ある特定の併用療法は、チロシンキナーゼ阻害剤を含む少なくとも1つのキナーゼ阻害剤を用いる。キナーゼ阻害剤の例としては、これらに限定されないが、アダボセルチブ、アファニチブ、アフリベルセプト、アキシチニブ、ベバシズマブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セツキシマブ、コビメチニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エントレクチニブ、エルダフィチニブ、エルロチニブ、フォスタマチニブ(fostamitinib)、ゲフィチニブ、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ポナチニブ、ラニビズマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トファシチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、およびベムラフェニブ(vemuafenib)が挙げられる。
本明細書に記載の様々なキナーゼ阻害剤を、本明細書に記載の様々な活性化可能プロタンパク質の任意の1つまたは複数と組み合わせることができ、本明細書に記載の方法または組成物の任意の1つまたは複数に従って使用することができることは、当業者には理解される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および医薬組成物は、対象の生存期間の中央値を4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、15週間、20週間、25週間、30週間、40週間、またはそれより長く延長する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および医薬組成物は、対象の生存期間の中央値を1年、2年、3年、またはそれより長く延長する。一部の実施形態では、方法および医薬組成物は、無増悪生存期間を、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、またはそれより長く延長する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および医薬組成物は、無増悪生存期間を1年、2年、3年、またはそれより長く延長する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および治療組成物は、生存腫瘍の量の統計学的に有意な減少、例えば腫瘍塊の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またはそれより多くの減少、または変更された(例えば、統計学的に有意に減少した)スキャン寸法によって示される腫瘍退縮をもたらすために十分である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および治療組成物は、安定な疾患をもたらすために十分である。
一部の実施形態では、疾患は、ウイルス疾患またはウイルス感染症である。ある特定の実施形態では、ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、カリシウイルス関連下痢症、ロタウイルス性下痢症、Haemophilus influenzae B型肺炎および侵襲性疾患、インフルエンザ、麻疹、ムンプス、風疹、パラインフルエンザ関連肺炎、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペス2型性器潰瘍、デング熱、日本脳炎、ダニ媒介性脳炎、ウエストナイルイルス関連疾患、黄熱病、エプスタインバーウイルス、ラッサ熱、クリミアコンゴ出血熱、エボラ出血熱、マールブルグ出血熱、狂犬病、リフトバレー熱、天然痘、上気道および下気道感染症、ならびに灰白髄炎のうちの1つまたは複数から選択される。具体的な実施形態では、対象はHIV陽性である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および医薬組成物は、抗ウイルス免疫応答を、対照と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増加させる。
一部の実施形態では、免疫障害は、1型糖尿病、血管炎、および免疫不全のうちの1つまたは複数から選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および医薬組成物は、対象における免疫機能を、対照と比較して、例えば約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く改善する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および治療組成物は、熟練臨床医に公知の特定の疾患兆候の症状の臨床的に適切な低減をもたらすために十分である。
上記のように、ヒトまたは非ヒト哺乳動物疾患の処置または試験のためにin vivoで使用する場合、本明細書に記載の作用剤は一般的に、投与前に、獣医学での治療組成物を含む1つまたは複数の治療組成物または医薬組成物に一般的に組み入れられる。
このように、ある特定の実施形態は、本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を含む医薬組成物または治療組成物に関する。一部の例では、医薬組成物または治療組成物は、薬学的または生理的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質の1つまたは複数を含む。ある特定の医薬組成物または治療組成物はさらに、少なくとも1つの追加の薬剤、例えば本明細書に記載の化学療法剤、ホルモン療法剤、および/またはキナーゼ阻害剤を含む。
一部の治療組成物は、1つのみの活性化可能プロタンパク質を含む(およびある特定の方法はこれを利用する)。ある特定の治療組成物は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの異なる活性化可能プロタンパク質の混合物を含む(およびある特定の方法はこれを利用する)。
特定の実施形態では、少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質を含む医薬組成物または治療組成物は、タンパク質に基づいてまたは重量-重量に基づいて実質的に純粋であり、例えば組成物は、タンパク質に基づいてまたは重量-重量に基づいて、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の純度を有する。
ある特定の実施形態では、切断の前の第1および第2のポリペプチドは、組成物もしくは他の生理溶液中、または生理条件下、例えば、in vivo条件下で、実質的にホモ二量体形態である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質は、当技術分野で公知のように凝集体を形成しない、所望の溶解度を有する、および/またはヒトにおいて使用するのに適した免疫原性プロファイルを有する。このように、一部の実施形態では、活性化可能プロタンパク質を含む治療組成物は、実質的に凝集体を含まない。例えば、ある特定の組成物は、約10%未満(タンパク質に基づいて)の高分子量凝集タンパク質、または約5%未満の高分子量凝集タンパク質、または約4%未満の高分子量凝集タンパク質、または約3%未満の高分子量凝集タンパク質、または約2%未満の高分子量凝集タンパク質、または約1%未満の高分子量凝集タンパク質を含む。一部の組成物は、その見かけの分子質量に関して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%単分散である活性化可能プロタンパク質を含む。
一部の実施形態では、活性化可能プロタンパク質は、約もしくは少なくとも約0.1mg/ml、約もしくは少なくとも約0.2mg/ml、約もしくは少なくとも約0.3mg/ml、約もしくは少なくとも約0.4mg/ml、約もしくは少なくとも約0.5mg/ml、約もしくは少なくとも約0.6、約もしくは少なくとも約0.7、約もしくは少なくとも約0.8、約もしくは少なくとも約0.9、約もしくは少なくとも約1mg/ml、約もしくは少なくとも約2mg/ml、約もしくは少なくとも約3mg/ml、約もしくは少なくとも約4mg/ml、約もしくは少なくとも約5mg/ml、約もしくは少なくとも約6mg/ml、約もしくは少なくとも約7mg/ml、約もしくは少なくとも約8mg/ml、約もしくは少なくとも約9mg/ml、約もしくは少なくとも約10mg/ml、約もしくは少なくとも約11、約もしくは少なくとも約12、約もしくは少なくとも約13、約もしくは少なくとも約14、または約もしくは少なくとも約15mg/mlまで濃縮され、生物療法用途のために製剤化される。
治療組成物または医薬組成物を調製するために、1つまたは複数の作用剤の有効量または所望の量を、特定の作用剤および/または投与様式にとって適切であることが当業者に公知の任意の医薬担体(複数可)または賦形剤と混合する。医薬担体は、液体、半液体、または固体であり得る。非経口、皮内、皮下、または局所的適用のために使用される液剤または懸濁剤としては、例えば、滅菌希釈剤(例えば、水)、食塩水溶液(例えばリン酸緩衝食塩水;PBS)、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールおよびメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸および亜硫酸水素ナトリウム)、およびキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、およびリン酸塩)が挙げられ得る。静脈内投与される(例えば、IV注入による)場合、適した担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、ならびに増粘剤および溶解剤、例えばグルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびその混合物を含有する溶液を含む。
純粋な形態での、または適切な治療組成物もしくは医薬組成物中の本明細書に記載の作用剤の投与は、類似の有用性を果たすために作用剤の許容される投与様式のいずれかを介して実行することができる。治療組成物または医薬組成物は、作用剤含有組成物を、適切な生理的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせることによって調製することができ、固体、半固体、液体、またはガス様形態の調製物、例えば錠剤、カプセル剤、粉剤・散剤(powder)、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア剤、およびエアロゾル剤に製剤化してもよい。加えて、他の薬学的に活性な成分(本明細書の他所で記載される他の低分子を含む)、および/または適した賦形剤、例えば塩、緩衝剤、および安定化剤もまた、組成物内に存在してもよいが、必ずしも存在する必要はない。
投与は、経口、非経口、鼻、静脈内、皮内、筋肉内、皮下、または局所的を含む多様な経路によって達成され得る。好ましい投与様式は、処置または防止される状態の性質に依存する。特定の実施形態はIV注入による投与を含む。
担体は、例えば用いられる投薬量および濃度でそれに曝露される細胞または哺乳動物に対して毒性ではない、薬学的もしくは生理的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤を含み得る。しばしば、生理的に許容される担体は、水性pH緩衝溶液である。生理的に許容される担体の例としては、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリシン;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えばEDTA;糖アルコール、例えばマンニトールもしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート20(TWEEN(登録商標))、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポロキサマー(PLURONICS(登録商標))等が挙げられる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤を、例えばコアセルベーション技術または界面重合によって調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセル、およびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、およびナノカプセル)またはマクロエマルションに捕捉することができる。そのような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Oslo, A., Ed., (1980)に開示されている。粒子またはリポソームは、他の治療剤または診断剤をさらに含み得る。
正確な投薬量および処置の期間は、処置される疾患の関数であり、公知の試験プロトコールを使用して、または当技術分野で公知のモデル系において組成物を試験し、そこから外挿することによって経験的に決定され得る。比較臨床試験もまた実施され得る。投薬量はまた、軽減される状態の重症度によっても変化し得る。医薬組成物は一般的に、望ましくない副作用を最小限にしながら治療的に有用な作用を発揮するように製剤化され、投与される。組成物を1回投与してもよく、または時間間隔を置いて投与されるいくつかのより小さい用量に分割してもよい。任意の特定の対象に関して、具体的な投薬量レジメンは、個体の必要性に応じて経時的に調整され得る。
これらのおよび関連する治療組成物または医薬組成物の典型的な投与経路は、これらに限定されないが、経口、局所的、経皮、吸入、非経口、舌下、頬側、直腸、膣、および鼻腔内を含む。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術を含む。本開示のある特定の実施形態に従う治療組成物または医薬組成物は、対象または患者への組成物の投与時に、その中に含有される活性成分を生物学的に利用することができるように製剤化される。対象または患者に投与される組成物は、1つまたは複数の投薬単位の形態をとり得、例えば錠剤は単一の投薬単位であり得、エアロゾル形態での本明細書に記載の作用剤の容器は、複数の投薬単位を保持し得る。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に公知であるか、または明らかであり、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (Philadelphia College of Pharmacy and Science, 2000)を参照されたい。投与される組成物は典型的には、目的の疾患または状態の処置のために、本明細書に記載の作用剤の治療有効量を含有する。
治療組成物または医薬組成物は、固体または液体の形態であり得る。一実施形態では、担体(複数可)は、微粒子であり、そのため組成物は、例えば錠剤または粉剤・散剤形態である。担体(複数可)は液体であってもよく、この場合、組成物は例えば経口のオイル、注射可能な液体またはエアロゾルであり、これは例えば吸入投与において有用である。経口投与が意図される場合、医薬組成物は、好ましくは固体または液体形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁液、およびゲルの形態は、固体または液体のいずれかとして本明細書において検討される形態の中に含まれる。ある特定の実施形態は、滅菌注射液剤を含む。
経口投与のための固体組成物として、医薬組成物は、粉剤・散剤、顆粒剤、圧縮錠、丸剤、カプセル剤、ガム剤、ウェハー等に製剤化され得る。そのような固体組成物は典型的に、1つまたは複数の不活性希釈剤または食用担体を含有する。加えて、以下の1つまたは複数が存在してもよい:結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、トラガカントゴム、またはゼラチン;賦形剤、例えばデンプン、ラクトース、またはデキストリン、崩壊剤、例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、コーンスターチ等;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、またはSterotex;滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例えばスクロースまたはサッカリン;香味料、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料;および着色剤。医薬組成物がカプセル剤、例えばゼラチンカプセルの形態である場合、上記のタイプの材料に加えて、液体担体、例えばポリエチレングリコールまたはオイルを含有してもよい。
治療組成物または医薬組成物は、液体の形態、例えばエリキシル剤、シロップ剤、液剤、乳剤、または懸濁剤であり得る。液体は、2つの例として経口投与のためまたは注射による送達のためであり得る。経口投与が意図される場合、好ましい組成物は、本発明の化合物に加えて、甘味料、保存剤、色素/着色料、および香味増強剤のうちの1つまたは複数を含有する。注射によって投与されることが意図される組成物では、界面活性剤、保存剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定化剤、および等張剤のうちの1つまたは複数を含めてもよい。
液体治療組成物または医薬組成物は、それらが溶液、懸濁液、または他の類似の形態であるかどうかによらず、以下の補助剤の1つまたは複数を含み得る:滅菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水溶液、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム、固定油、例えば溶媒または懸濁媒体として役立ち得る合成モノグリセリドまたはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩、および等張性を調整する剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロース。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジ、またはガラスもしくはプラスチック製の多用量バイアルに封入することができる。生理食塩水は、好ましい補助剤である。注射用医薬組成物は、好ましくは無菌である。
非経口または経口投与のいずれかが意図される液体の治療組成物または医薬組成物は、適した投薬量が得られるように薬剤の量を含有すべきである。典型的には、この量は、組成物中の目的の薬剤の少なくとも0.01%である。経口投与が意図される場合、この量は、組成物の重量の0.1~約70%の間で変動し得る。ある特定の経口治療組成物または医薬組成物は、目的の薬剤の約4%~約75%を含有する。ある特定の実施形態では、治療組成物または医薬組成物および調製物は、非経口投薬単位が希釈前に目的の薬剤の0.01~10重量%を含有するように調製される。
治療組成物または医薬組成物は、局所的投与が意図されてもよく、この場合、担体はふさわしくは溶液、エマルション、軟膏、またはゲル基剤を含み得る。例えば基剤は、以下の1つまたは複数を含み得る:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱物油、希釈剤、例えば水およびアルコール、ならびに乳化剤および安定化剤。増粘剤は、局所的投与のための治療組成物または医薬組成物に存在してもよい。経皮投与が意図される場合、組成物は、経皮パッチまたはイオントフォレーシスデバイスを含み得る。
治療組成物または医薬組成物は、例えば直腸内で融解して薬物を放出する坐剤の形態での直腸投与が意図され得る。直腸内投与のための組成物は、適した非刺激性賦形剤としての油性基剤を含有し得る。そのような基剤としては、これらに限定されないが、ラノリン、ココアバター、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
治療組成物または医薬組成物は、固体または液体投薬単位の物理的形態を改変する様々な材料を含み得る。例えば、組成物は、活性成分周囲にコーティングシェルを形成する材料を含み得る。コーティングシェルを形成する材料は、典型的には不活性であり、例えば糖、シェラック、および他の腸溶コーティング剤から選択され得る。あるいは、活性成分をゼラチンカプセルに封入してもよい。固体または液体形態の治療組成物または医薬組成物は、作用剤に結合し、それによって化合物の送達を補助する構成成分を含み得る。この能力において作用し得る適した構成成分は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、1つまたは複数のタンパク質またはリポソームを含む。
治療組成物または医薬組成物は、エアロゾルとして投与することができる投薬単位から本質的になり得る。エアロゾルという用語は、コロイド性質の系から加圧包装からなる系に及ぶ多様な系を指すために使用される。送達は、液化もしくは加圧ガスによって、または活性成分を分配する適したポンプ系によって行われ得る。エアロゾルは、活性成分(複数可)を送達するために単相、二相、または三相系で送達され得る。エアロゾルの送達は、必要な容器、アクチベーター、バルブ、サブ容器等を含み、これらは一緒になってキットを形成し得る。当業者は、過度の実験を行うことなく、好ましいエアロゾルを決定し得る。
本明細書に記載の組成物は、持続放出製剤またはコーティングなどの、体からの迅速な排泄に対して作用剤を保護する担体を用いて調製され得る。そのような担体は、埋込物および微小封入送達系、および生物分解性、生物適合性のポリマー、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、および当業者に公知の他のものなどの、しかしこれらに限定されない制御放出製剤を含む。
治療組成物または医薬組成物は、薬学的技術分野で周知の方法論によって調製され得る。例えば、注射によって投与されることが意図される治療組成物または医薬組成物は、溶液を形成するために、滅菌蒸留水と共に塩、緩衝剤、および/または安定化剤のうちの1つまたは複数を含み得る。均一な溶液または懸濁液の形成を容易にするために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、水性送達系において作用剤の溶解または均一な懸濁を容易にするために、作用剤と非共有結合により相互作用する化合物である。
治療組成物または医薬組成物は、治療有効量で投与され得るが、これは用いられる具体的な化合物の活性;化合物の代謝安定性および作用期間;対象の年齢、体重、全身健康、性別、および食事;投与様式および投与時間;排泄速度;薬物の組合せ;特定の障害または状態の重症度;ならびに治療を受けている対象を含む多様な要因に応じて変動する。一部の例では、治療的に有効な日用量は、(70kgの哺乳動物の場合)約0.001mg/kg(すなわち、約0.07mg)~約100mg/kg(すなわち、約7.0g)であり;好ましくは、治療有効用量は(70kgの哺乳動物の場合)約0.01mg/kg(すなわち、約0.7mg)~約50mg/kg(すなわち、約3.5g)であり;より好ましくは、治療有効用量は、(70kgの哺乳動物の場合)約1mg/kg(すなわち、約70mg)~約25mg/kg(すなわち、約1.75g)である。一部の実施形態では、治療有効用量は、毎週、隔週、または毎月投与される。具体的な実施形態では、治療有効用量は、例えば約1~10mg/kgもしくは約1~5mg/kg、または約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、もしくは約10mg/kgの用量で毎週、隔週、または毎月投与される。
本明細書に記載の併用療法は、活性化可能プロタンパク質および追加の治療剤(例えば、化学療法剤、ホルモン療法剤、キナーゼ阻害剤)を含有する単一の医薬投与製剤の投与、ならびにそれ自身の個別の医薬投与製剤中に活性化可能プロタンパク質および追加の治療剤を含む組成物の投与を含み得る。例えば、活性化可能プロタンパク質および追加の治療剤は、単一の経口投与組成物、例えば錠剤もしくはカプセル剤で一緒に対象に投与することができるか、または各作用剤を個別の経口投与製剤で投与することができる。同様に、活性化可能プロタンパク質および追加の治療剤を、単一の非経口投与組成物、例えば食塩水溶液もしくは他の生理的に許容される溶液中で共に対象に投与することができるか、または各作用剤を個別の非経口投与製剤で投与することができる。別の例として、細胞に基づく治療に関して、活性化可能プロタンパク質を投与前に細胞と混合する、個別の組成物の一部として投与する、またはその両方を行うことができる。個別の投与製剤を使用する場合、組成物を本質的に同じ時間、すなわち併せて、または個々に交互の時間に、すなわち連続的および任意の順序で投与することができ;併用療法は、これらの全てのレジメンを含むと理解される。
同様に、(a)本明細書に記載の少なくとも1つの活性化可能プロタンパク質;および必要に応じて(b)少なくとも1つの追加の薬剤(例えば、化学療法剤、ホルモン療法剤、キナーゼ阻害剤)を含む患者のケアキットも含まれる。ある特定のキットでは、(a)および(b)は、個別の治療組成物に存在する。一部のキットでは、(a)および(b)は同じ治療組成物に存在する。
本明細書に記載のキットはまた、処置される適応症にとってまたは望ましい診断用途にとって、適したまたは望ましい1つまたは複数の追加の治療剤または他の構成成分も含み得る。本明細書に記載のキットはまた、意図される送達様式を容易にするために必要なまたは望ましい1つまたは複数のシリンジまたは他の構成成分(例えば、ステント、植込み型デポー等)も含み得る。
一部の実施形態では、患者のケアキットは、組成物(複数可)および情報資料(複数可)のための個別の容器、仕切り、または区画を含有する。例えば、組成物(複数可)は、ボトル、バイアル、またはシリンジに含有され、情報資料(複数可)を容器に付随して含有することができる。一部の実施形態では、キットの個別の要素は、単一の仕切りのない容器内に含有される。例えば、組成物は、情報資料がラベルの形態でそれに添付されているボトル、バイアル、またはシリンジに含有される。一部の実施形態では、キットは、複数の(例えば、パックの)個々の容器を含み、各々は活性化可能プロタンパク質の1つまたは複数の単位剤形(例えば、本明細書に記載の剤形)および必要に応じて少なくとも1つの追加の治療剤を含有する。例えば、キットは、各々が単一単位用量の活性化可能プロタンパク質および必要に応じて少なくとも1つの追加の治療剤を含有する、複数のシリンジ、アンプル、ホイルパケット、またはブリスターパックを含む。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、水分の変化または蒸発に対して不透過性)、および/または遮光性であり得る。
患者ケアキットは、必要に応じて組成物の投与に適したデバイス、例えばシリンジ、吸入器、点滴器(例えば、点眼器)、スワブ(例えば、綿棒または木製スワブ)、または任意のそのような送達デバイスを含む。一部の実施形態では、デバイスは、作用剤(複数可)の一定用量を分配する植込み型デバイスである。同様に、例えば本明細書に記載の構成成分を組み合わせることによって、キットを提供する方法も含まれる。
発現および精製系
ある特定の実施形態は、本明細書に記載の活性化可能プロタンパク質を発現させるおよび精製するための方法および関連組成物を含む。そのような組換え活性化可能プロタンパク質は、例えばSambrook, et al., (1989、上記)、特に16および17章;Ausubel et al., (1994、上記)、特に10および16章;ならびにColigan et al., Current Protocols in Protein Science (John Wiley & Sons, Inc. 1995-1997)、特に1、5および6章に記載されている標準的なプロトコールを使用して、簡便に調製することができる。1つの一般的な例として、活性化可能プロタンパク質は、以下のステップ:(a)1つまたは複数の調節エレメントに作動可能に連結した、ホモ二量体の個々のポリペプチド鎖をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチド配列を含む、1つまたは複数のベクターまたは構築物を調製するステップ;(b)1つまたは複数のベクターまたは構築物を1つまたは複数の宿主細胞に導入するステップ;(c)1つまたは複数の宿主細胞を培養して、互いに結合して活性化可能プロタンパク質ホモ二量体を形成するポリペプチドを発現させるステップ;ならびに(d)宿主細胞から活性化可能プロタンパク質ホモ二量体を単離するステップ、の1つまたは複数を含む手順によって調製され得る。あるいは、ポリペプチド鎖を先ず単離することおよび宿主細胞において産生することができ、次いで、適した条件下でインキュベートして活性化可能プロタンパク質ホモ二量体を形成することができる。
所望のポリペプチドを発現させるために、活性化可能プロタンパク質の第1および/または第2のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を、適切な発現ベクター、すなわち、挿入されたコード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含有するベクターに挿入してもよい。当業者に周知の方法を使用して、目的のポリペプチドをコードする配列ならびに適切な転写および翻訳制御エレメントを含有する発現ベクターを構築してもよい。これらの方法は、in vitro組換えDNA技術、合成技術、およびin vivo遺伝子組換えを含む。そのような技術は、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (1989)、およびAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (1989)に記載されている。
多様な発現ベクター/宿主系が公知であり、ポリヌクレオチド配列を含有および発現させるために利用され得る。これらとしては、これらに限定されないが、微生物、例えば組換えバクテリオファージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターによって形質転換された細菌;酵母発現ベクターによって形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;ウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)によって、もしくは細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)によって形質転換した植物細胞系;または哺乳動物細胞およびより具体的にはヒト細胞系を含む動物細胞系が挙げられる。
発現ベクターに存在する「制御エレメント」または「調節配列」は、転写および翻訳を実行するために宿主細胞タンパク質と相互作用するベクターの非翻訳領域、すなわちエンハンサー、プロモーター、5’および3’非翻訳領域である。そのようなエレメントは、その強度および特異性が異なり得る。利用されるベクター系および宿主に応じて、構成的および誘導型プロモーターを含む任意の数の適した転写および翻訳エレメントを使用してもよい。例えば、細菌系においてクローニングする場合、誘導型プロモーター、例えばPBLUESCRIPTファージミド(Stratagene、La Jolla、Calif.)またはPSPORT1プラスミド(Gibco BRL、Gaithersburg、Md.)のハイブリッドlacZプロモーター等を使用してもよい。哺乳動物細胞系では、哺乳動物遺伝子からのまたは哺乳動物ウイルスからのプロモーターが一般的に好ましい。ポリペプチドをコードする配列の複数のコピーを含有する細胞系を生成する必要がある場合、SV40またはEBVに基づくベクターは、適切な選択可能マーカーと共に都合よく使用され得る。
細菌系では、発現されるポリペプチドが意図された使用に応じて、いくつかの発現ベクターを選択してもよい。例えば、大量に必要である場合、容易に精製される融合タンパク質の高レベル発現を方向付けるベクターを使用してもよい。そのようなベクターとしては、これらに限定されないが、多機能のE.coliクローニングおよび発現ベクター、例えば目的のポリペプチドをコードする配列がアミノ末端Metの配列とその後のβ-ガラクトシダーゼの7残基とインフレームでベクターにライゲーションされ、ハイブリッドタンパク質が産生され得るBLUESCRIPT(Stratagene);pINベクター(Van Heeke & Schuster, J. Biol. Chem. 264:5503 5509 (1989))等が挙げられる。pGEXベクター(Promega、Madison、Wis.)もまた、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現させるために使用され得る。一般的に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン-アガロースビーズに吸着させた後、遊離のグルタチオンの存在下で溶出させることによって、溶解した細胞から容易に精製することができる。そのような系で作製されたタンパク質を、目的のクローニングされたポリペプチドをGST部分から意のままに放出させることができるように、ヘパリン、トロンビン、またはXA因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計してもよい。
ある特定の実施形態は、E.coliに基づく発現系(例えば、Structural Genomics Consortium et al., Nature Methods. 5:135-146, 2008を参照されたい)を用いる。これらおよび関連する実施形態は、適した発現ベクターを産生するためにライゲーション非依存性クローニング(LIC)に部分的または完全に依存し得る。具体的な実施形態では、タンパク質発現は、T7 RNAポリメラーゼ(例えば、pETベクターシリーズ)によって制御され得る。これらおよび関連する実施形態は、発現宿主株BL21(DE3)、すなわちT7媒介発現を支持し、標的タンパク質の安定性を改善させるためにlonおよびompTプロテアーゼが欠損しているBL21のλDE3溶原菌を利用してもよい。同様に、E.coliにおいてまれに使用されるtRNAをコードするプラスミドを有する発現宿主株、例えばROSETTA(商標)(DE3)およびRosetta2(DE3)株も含まれる。細胞の溶解および試料の取り扱いはまた、商標BENZONASE(登録商標)ヌクレアーゼおよびBUGBUSTER(登録商標)タンパク質抽出試薬として販売される試薬を使用して改善され得る。細胞培養に関して、自己誘導培地は、ハイスループット発現系を含む多くの発現系の効率を改善することができる。このタイプの培地(例えば、OVERNIGHT EXPRESS(商標)自己誘導システム)は、IPTGなどの人工誘導剤を添加することなく、代謝シフトを通してタンパク質発現を徐々に誘発する。特定の実施形態は、ヘキサヒスチジンタグ(例えば、商標HIS・TAG(登録商標)融合体として販売されるタグ)の後に固定された金属アフィニティクロマトグラフィー(IMAC)精製または関連技術を用いる。しかし、ある特定の態様では、臨床等級のタンパク質を、アフィニティタグを使用することなく(without or without)、E.coli封入体から単離することができる(例えば、Shimp et al., Protein Expr Purif. 50:58-67, 2006を参照されたい)。さらなる例として、ある特定の実施形態は、低温でのEscherichia coliにおけるタンパク質の過剰発現が、その溶解度および安定性を改善することから、寒冷ショック誘導E.coli高収量産生系を用いてもよい(例えば、Qing et al., Nature Biotechnology. 22:877-882, 2004を参照されたい)。
同様に、高密度細菌発酵系も含まれる。例えば、Ralstonia eutrophaの高細胞密度培養は、150g/Lを超える細胞密度でのタンパク質産生を可能にし、組換えタンパク質は、10g/Lを超える力価で発現される。
酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、構成的または誘導型プロモーター、例えばアルファ因子、アルコールオキシダーゼ、およびPGHを含有するいくつかのベクターを使用してもよい。総説に関しては、Ausubel et al. (上記)およびGrant et al., Methods Enzymol. 153:516-544 (1987)を参照されたい。同様に、Pichia pandoris発現系(例えば、Li et al., Nature Biotechnology. 24, 210-215, 2006;およびHamilton et al., Science, 301:1244, 2003を参照されたい)も含まれる。ある特定の実施形態は、中でもヒト化されたN-グリコシル化経路を有する酵母を含む、タンパク質を選択的にグリコシル化するように操作された酵母系を含む(例えば、Hamilton et al., Science. 313:1441-1443, 2006;Wildt et al., Nature Reviews Microbiol. 3:119-28, 2005;およびGerngross et al., Nature-Biotechnology. 22:1409 -1414, 2004;米国特許第7,629,163号;第7,326,681号;および第7,029,872号を参照されたい)。単なる例として、組換え酵母培養物を、中でもFernbachフラスコまたは15L、50L、100L、および200L発酵槽で成長させることができる。
植物発現ベクターを使用する場合、ポリペプチドをコードする配列の発現は、いくつかのプロモーターのいずれかによって駆動され得る。例えば、ウイルスプロモーター、例えばCaMVの35Sおよび19Sプロモーターを単独で、またはTMVからのオメガリーダー配列と組み合わせて使用してもよい(Takamatsu, EMBO J. 6:307-311 (1987))。あるいは、植物プロモーター、例えばRUBISCOの小サブユニットまたは熱ショックプロモーターを使用してもよい(Coruzzi et al., EMBO J. 3:1671-1680 (1984);Broglie et al., Science 224:838-843 (1984);およびWinter et al., Results Probl. Cell Differ. 17:85-105 (1991))。これらの構築物を、直接DNA形質転換または病原体媒介トランスフェクションによって植物細胞に導入することができる。そのような技術は、一般的に利用可能ないくつかの総説に記載されている(例えば、Hobbs in McGraw Hill, Yearbook of Science and Technology, pp. 191-196 (1992)を参照されたい)。
昆虫系もまた、目的のポリペプチドを発現させるために使用され得る。例えば1つのそのような系では、Autographa californica核多核体病ウイルス(AcNPV)をベクターとして使用して、Spodoptera frugiperda細胞またはTrichoplusia細胞において外来遺伝子を発現させる。ポリペプチドをコードする配列を、ウイルスの非必須領域、例えばポリへドリン遺伝子にクローニングし、ポリへドリンプロモーターの制御下に置く。ポリペプチドコード配列の挿入が成功すれば、ポリへドリン遺伝子は不活性となり、コートタンパク質を欠如する組換えウイルスを産生する。次に、組換えウイルスを使用して、例えば、S.frugiperda細胞またはTrichoplusia細胞に感染させ、目的のポリペプチドを発現させてもよい(Engelhard et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:3224-3227 (1994))。同様に、SF9、SF21、およびT.ni細胞を利用する系を含むバキュロウイルス発現系(例えば、Murphy and Piwnica-Worms, Curr Protoc Protein Sci. Chapter 5:Unit5.4, 2001を参照されたい)も含まれる。昆虫系は、哺乳動物系と類似の翻訳後修飾を提供することができる。
哺乳動物宿主細胞では、いくつかのウイルスに基づく発現系が一般的に利用可能である。例えば、アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、目的のポリペプチドをコードする配列を、後期プロモーターおよび三分節(tripartite)リーダー配列からなるアデノウイルス転写/翻訳複合体にライゲーションしてもよい。ウイルスゲノムの非必須E1またはE3領域における挿入を使用して、感染した宿主細胞においてポリペプチドを発現させることが可能な生存ウイルスを得てもよい(Logan & Shenk, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:3655-3659 (1984))。加えて、転写エンハンサー、例えばラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーを使用して、哺乳動物宿主細胞において発現を増加させてもよい。
有用な哺乳動物宿主細胞系の例としては、SV40によって形質転換されたサル腎CV1細胞系(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児腎細胞系(293または浮遊培養で成長させるためにサブクローニングした293細胞、Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977));ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TR1細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;およびヒトヘパトーマ系(Hep G2)が挙げられる。他の有用な哺乳動物宿主細胞系としては、DHFR-CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub et al., PNAS USA 77:4216 (1980));ならびに骨髄腫細胞系、例えばNSOおよびSp2/0が挙げられる。タンパク質産生に適したある特定の哺乳動物宿主細胞系の総説に関して、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B. K.C Lo, ed., Humana Press, Totowa, N.J., 2003), pp. 255-268を参照されたい。ある特定の好ましい哺乳動物細胞発現系は、CHOおよびHEK293細胞に基づく発現系を含む。哺乳動物発現系は、当技術分野で公知の中でも、例えばT-フラスコ、ローラーボトル、もしくは細胞工場における接着細胞系、または例えば1Lおよび5Lスピナー、5L、14L、40L、100L、および200L攪拌タンクバイオリアクター、もしくは20/50Lおよび100/200L WAVEバイオリアクターにおける浮遊培養を利用することができる。
同様に、タンパク質の無細胞発現も含まれる。これらおよび関連する実施形態は、典型的には精製されたRNAポリメラーゼ、リボソーム、tRNAおよびリボヌクレオチドを利用する;これらの試薬は、細胞からまたは細胞に基づく発現系からの抽出によって産生され得る。
具体的な開始シグナルもまた、目的のポリペプチドをコードする配列のより効率的な翻訳を達成するために使用され得る。そのようなシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。ポリペプチドをコードする配列、その開始コドン、および上流の配列が適切な発現ベクターに挿入されている場合、追加の転写または翻訳制御シグナルは必要ではない。しかし、コード配列またはその一部のみを挿入する場合、ATG開始コドンを含む外因性の翻訳制御シグナルを提供すべきである。さらに、開始コドンは、インサート全体の翻訳を確実にするために正しいリーディングフレームにあるべきである。外因性の翻訳エレメントおよび開始コドンは、天然および合成の両方の様々な起源のものであり得る。発現効率は、文献に記載されるエンハンサーなどの、使用される特定の細胞系にとって適切なエンハンサーを含めることによって増強され得る(Scharf. et al., Results Probl. Cell Differ. 20:125-162 (1994))。
加えて、宿主細胞株を、それが挿入された配列の発現をモジュレートする能力または発現されたタンパク質を所望の様式で処理する能力に関して選択してもよい。ポリペプチドのそのような改変としては、これらに限定されないが、翻訳後改変、例えばアセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質付加、およびアシル化が挙げられる。タンパク質の「プレプロ」型を切断する翻訳後プロセシングもまた、正確な挿入、フォールディング、および/または機能を容易にするために使用され得る。細菌細胞に加えて、そのような翻訳後活性のための特異的細胞機構および特徴的機序を有するまたは欠如する異なる宿主細胞、例えば酵母、CHO、HeLa、MDCK、HEK293、およびW138を選択して、外来タンパク質の正確な修飾およびプロセシングを確実にしてもよい。
組換えタンパク質を長期間、高収率で産生するためには、安定な発現が一般的に好ましい。例えば、目的のポリヌクレオチドを安定に発現する細胞系を、同じまたは個別のベクター上にウイルスの複製開始点および/または内因性の発現エレメントおよび選択可能なマーカー遺伝子を含有し得る発現ベクターを使用して形質転換してもよい。ベクターの導入後、細胞を富化培地中で約1~2日間成長させた後、培地を選択培地に切り替えてもよい。選択可能マーカーの目的は、選択に対する抵抗性を付与することであり、その存在によって、導入された配列の発現に成功した細胞の成長および回収が可能となる。安定に形質転換された細胞の抵抗性クローンを、細胞タイプにとって適切な組織培養技術を使用して増殖させてもよい。例えば一過性のトランスフェクションまたは感染による一過性の産生も、同様に用いることができる。一過性の産生に適した例示的な哺乳動物発現系は、HEK293およびCHOに基づく系を含む。
任意の数の選択系を使用して、形質転換または形質導入された細胞系を回収してもよい。これらとしては、これらに限定されないが、それぞれ、tk-またはaprt-細胞において用いることができる単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al., Cell 11:223-232 (1977))およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al., Cell 22:817-823 (1990))遺伝子が挙げられる。同様に、代謝拮抗剤、抗生物質、または除草剤抵抗性;例えば、メトトレキサートに対する抵抗性を付与するdhfr(Wigler et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 77:3567-70 (1980));アミノグリコシドであるネオマイシンおよびG-418に対する抵抗性を付与するnpt(Colbere-Garapin et al., J. Mol. Biol. 150:1-14 (1981));ならびにクロルスルフロンおよびホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼに対する抵抗性をそれぞれ付与するalsまたはpat(Murry、上記)を選択の基礎として使用することができる。追加の選択可能遺伝子、例えば、トリプトファンの代わりにインドールを細胞に利用させるtrpB、またはヒスチジンの代わりにヒスチノールを細胞に利用させるhisD(Hartman & Mulligan, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:8047-51 (1988))が記載されている。可視マーカーの使用は、普及してきており、緑色蛍光タンパク質(GFP)および他の蛍光タンパク質(例えば、RFP、YFP)、アントシアニン、β-グルクロニダーゼおよびその基質GUS、ならびにルシフェラーゼおよびその基質ルシフェリンなどのマーカーは、形質転換体を同定するためのみならず、特異的ベクター系に起因する一過性または安定なタンパク質発現量を定量するためにも広く使用されている(例えば、Rhodes et al., Methods Mol. Biol. 55:121-131 (1995)を参照されたい)。
同様に、ハイスループットタンパク質産生系またはマイクロ産生系も含まれる。ある特定の態様は、例えば、金属キレート改変スライド表面またはMagneHis Ni粒子上のタンパク質発現および精製のためにヘキサヒスチジン融合タグを利用してもよい(例えば、Kwon et al., BMC Biotechnol. 9:72, 2009;およびLin et al., Methods Mol Biol. 498:129-41, 2009を参照されたい)。同様に、ハイスループット無細胞タンパク質発現系も含まれる(例えば、Sitaraman et al., Methods Mol Biol. 498:229-44, 2009を参照されたい)。
産物に対して特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体などの結合剤または抗体を使用して、ポリヌクレオチドコード産物の発現を検出および測定するための多様なプロトコールが、当技術分野で公知である。例としては、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ウェスタンイムノブロット、ラジオイムノアッセイ(RIA)、および蛍光活性化細胞選別(FACS)が挙げられる。これらおよび他のアッセイは、中でもHampton et al., Serological Methods, a Laboratory Manual (1990)およびMaddox et al., J. Exp. Med. 158:1211-1216 (1983)に記載される。
広く多様な標識およびコンジュゲーション技術が当業者に公知であり、様々な核酸およびアミノ酸アッセイにおいて使用され得る。ポリヌクレオチドに関連する配列を検出するための標識されたハイブリダイゼーションまたはPCRプローブを産生する手段は、標識されたヌクレオチドを使用するオリゴ標識、ニックトランスレーション、末端標識またはPCR増幅を含む。あるいは、配列またはその任意の部分を、mRNAプローブの産生のためにベクターにクローニングしてもよい。そのようなベクターは、当技術分野で公知であり、市販されており、これらを使用して、T7、T3、またはSP6などの適切なRNAポリメラーゼおよび標識ヌクレオチドの添加によってin vitroでRNAプローブを合成してもよい。これらの手順は、多様な市販のキットを使用して実施してもよい。使用され得る適したレポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光、化学発光、または発色剤、および基質、補因子、阻害剤、磁性粒子等が挙げられる。
目的の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培養からのタンパク質の発現および回収に適した条件下で培養され得る。ある特定の具体的な実施形態は、無血清細胞発現系を利用する。例としては、無血清培地中で成長することができるHEK293細胞およびCHO細胞が挙げられる(例えば、Rosser et al., Protein Expr. Purif. 40:237-43, 2005;および米国特許第6,210,922号を参照されたい)。
組換え細胞によって産生される活性化可能プロタンパク質は、使用される配列および/またはベクターに応じて分泌され得るか、または細胞内に含有され得る。当業者によって理解されるように、ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターは、原核細胞膜または真核細胞膜を通してコードされたポリペプチドの分泌を方向付けるシグナル配列を含有するように設計され得る。他の組換え構築を使用して、可溶性タンパク質の精製および/または検出を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列に、目的のポリペプチドをコードする配列を連結してもよい。そのようなドメインの例としては、切断可能および切断不能なアフィニティ精製およびエピトープタグ、例えばアビジン、FLAGタグ、ポリヒスチジンタグ(例えば、6×His)、cMycタグ、V5タグ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)タグなどが挙げられる。
組換え細胞によって産生されたタンパク質は、当業者に公知の多様な技術に従って精製および特徴付けすることができる。タンパク質精製を実施するためおよびタンパク質純度を分析するための例示的な系は、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)(例えば、AKTAおよびBio-Rad FPLC系)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、BeckmanおよびWaters HPLC)が挙げられる。精製のための例示的な化学としては、当技術分野で公知の中でも、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、Q、S)、サイズ排除クロマトグラフィー、塩勾配、アフィニティ精製(例えば、Ni、Co、FLAG、マルトース、グルタチオン、プロテインA/G)、ゲル濾過、逆相、セラミックHYPERD(登録商標)イオン交換クロマトグラフィー、および疎水性相互作用カラム(HIC)が挙げられる。同様に、SDS-PAGE(例えば、クマシー、銀染色)、イムノブロット、ブラッドフォード、およびELISAなどの分析法も含まれ、これらは、典型的にはタンパク質組成物の純度を測定するために、産生または精製プロセスのいずれかのステップの間に利用され得る。
同様に、活性化可能プロタンパク質を濃縮する方法、および濃縮された可溶性の活性化可能プロタンパク質を含む組成物も含まれる。一部の態様では、少なくとも1つの(at least tone)活性化可能プロタンパク質のそのような濃縮溶液は、約もしくは少なくとも約5mg/mL、約もしくは少なくとも約8mg/mL、約もしくは少なくとも約10mg/mL、約もしくは少なくとも約15mg/mL、約もしくは少なくとも約20mg/mL、またはそれより高い濃度でタンパク質を含む。
一部の態様では、そのような組成物は、実質的に単分散であり得、このことは、活性化可能プロタンパク質が、例えばサイズ排除クロマトグラフィー、動的光散乱、または分析用超遠心分離によって評価した場合に、1つの見かけの分子量形態で主に(すなわち、少なくとも約90%またはそれより多く)存在することを意味する。
一部の態様では、そのような組成物は、少なくとも約90%の純度(タンパク質に基づいて)、または一部の態様では少なくとも約95%の純度、または一部の実施形態では、少なくとも98%の純度を有する。純度は、当技術分野で公知の任意の日常的な分析方法を介して決定され得る。
一部の態様では、そのような組成物は、存在するタンパク質の全量と比較して、約10%未満の高分子量凝集体含有量を有するか、または一部の実施形態ではそのような組成物は、約5%未満の高分子量凝集体含有量を有するか、または一部の態様ではそのような組成物は約3%未満の高分子量凝集体含有量を有するか、または一部の実施形態ではそのような組成物は約1%未満の高分子量凝集体含有量を有する。高分子量凝集体含有量は、例えばサイズ排除クロマトグラフィー、動的光散乱、または分析用超遠心分離を含む多様な分析技術を介して決定され得る。
本明細書に企図される濃縮アプローチの例としては凍結乾燥を含み、これは、溶液が目的のタンパク質以外に少しの可溶性構成成分を含有する場合に典型的に用いられる。凍結乾燥はしばしば、HPLCのラン後に実施され、混合物からほとんどまたは全ての揮発性成分を除去することができる。同様に、タンパク質溶液を濃縮するために1つまたは複数の選択的透過性膜を典型的に用いる、超遠心分離技術も含まれる。膜は、水および低分子を通過させ、タンパク質を保持する;溶液を、他の技術の中でも機械的ポンプ、ガス圧、または遠心分離によって膜に押しつけることができる。
ある特定の実施形態では、組成物中の活性化可能プロタンパク質は、当技術分野で日常的な技術に従って測定した場合に、少なくとも約90%の純度を有する。診断組成物またはある特定の医薬組成物もしくは治療組成物などのある特定の実施形態では、活性化可能プロタンパク質組成物は、少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%の純度を有する。参照または研究試薬として使用される場合などの一部の実施形態では、活性化可能プロタンパク質は、より低い純度の活性化可能プロタンパク質であり得、少なくとも約50%、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%の純度を有し得る。純度は、全体として、または他のタンパク質などの選択された構成成分に関連して測定することができ、例えばタンパク質に基づく純度であり得る。
精製された活性化可能プロタンパク質はまた、その生物学的特徴に従って特徴付けすることもできる。結合親和性および結合速度論を、当技術分野で公知の多様な技術、例えば非標識相互作用体のリアルタイムでの検出を可能にする光学現象である、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用するBiacore(登録商標)および関連技術に従って測定することができる。SPRに基づくバイオセンサーを、親和性および速度論の両方に関する能動的濃縮、スクリーニング、および特徴付けの決定において使用することができる。1つまたは複数の生物活性の存在またはレベルは、少なくとも1つのIL-2受容体を利用するアッセイを含む、細胞に基づくアッセイに従って測定することができ、これは、必要に応じて本明細書に記載されるように生物活性の蛍光または発光指標などの読み出しまたは指標に機能的に連結されている。
ある特定の実施形態では、上記のように、活性化可能プロタンパク質組成物は、例えば、約95%エンドトキシンフリー、好ましくは約99%エンドトキシンフリー、より好ましくは約99.99%エンドトキシンフリーを含む、実質的にエンドトキシンフリーである。エンドトキシンの存在は、本明細書に記載されるように、当技術分野で日常的な技術に従って検出することができる。具体的な実施形態では、活性化可能プロタンパク質組成物は、実質的に無血清培地中で哺乳動物またはヒト細胞などの真核細胞から作製される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるように、活性化可能プロタンパク質組成物は、約10EU/mg活性化可能プロタンパク質未満、または約5EU/mg活性化可能プロタンパク質未満、約3EU/mg活性化可能プロタンパク質未満、または約1EU/mg活性化可能プロタンパク質未満のエンドトキシン含有量を有する。
ある特定の実施形態では、活性化可能プロタンパク質組成物は、約10wt/wt%未満の高分子量凝集体、または約5wt/wt%未満の高分子量凝集体、または約2wt/wt%未満の高分子量凝集体、または約1wt/wt%未満の(less than about or less than about 1% wt/wt)高分子量凝集体を含む。
同様に、例えば他の特徴の中でもタンパク質の純度、サイズ、溶解度、および凝集の程度を評価するために使用することができる、タンパク質に基づく分析アッセイおよび方法も含まれる。タンパク質の純度は、いくつかの方法で評価することができる(can be assessed a number of ways)。例えば、純度は、一次構造、高次構造、サイズ、電荷、疎水性、およびグリコシル化に基づいて評価することができる。一次構造を評価するための方法の例は、NおよびC末端シーケンシングおよびペプチドマッピング(例えば、Allen et al., Biologicals. 24:255-275, 1996を参照されたい)が挙げられる。高次構造を評価するための方法の例としては、円偏光二色性(例えば、Kelly et al., Biochim Biophys Acta. 1751:119-139, 2005を参照されたい)、蛍光分光法(例えば、Meagher et al., J. Biol. Chem. 273:23283-89, 1998を参照されたい)、FT-IR、アミド水素-重水素交換速度論、示差走査熱量測定、NMR分光法、立体構造感受性抗体との免疫反応性が挙げられる。高次構造はまた、pH、温度、または付加された塩などの多様なパラメーターの関数として評価することもできる。サイズなどのタンパク質特徴を評価するための方法の例としては、分析用超遠心分離およびサイズ排除HPLC(SEC-HPLC)が挙げられ、電荷を測定するための例示的な方法としては、イオン交換クロマトグラフィーおよび等電点電気泳動(isolectric focusing)が挙げられる。疎水性は、例えば、逆相HPLCおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーHPLCによって評価することができる。グリコシル化は、薬物動態(例えば、クリアランス)、立体構造または安定性、受容体結合、およびタンパク質機能に影響を及ぼし得、例えば質量分析法および核磁気共鳴(NMR)分光法によって評価することができる。
上記のように、ある特定の実施形態は、純度、サイズ(例えば、サイズの均一性)もしくは凝集の程度などのタンパク質特徴を評価するために、および/または他の使用の中でもタンパク質を精製するために、SEC-HPLCの使用を含む。ゲル濾過クロマトグラフィー(GFC)およびゲル透過クロマトグラフィー(GPC)も含むSECは、そのサイズ、またはより具体的にはその流体力学的体積、拡散係数、および/もしくは表面特性に基づいて多孔性材料中で溶液中の分子が分離されるクロマトグラフィー方法を指す。プロセスは一般的に、生物学的分子を分離するために、およびポリマーの分子量および分子量分布を決定するために使用される。典型的には、生物試料またはタンパク質試料(例えば、本明細書に提供されるおよび当技術分野で公知のタンパク質発現方法に従って産生されたタンパク質抽出物)を、定義された静止相(多孔性材料)、好ましくは試料中のタンパク質と相互作用しない相を有する選択されたサイズ排除カラムにロードする。ある特定の態様では、静止相は、ガラスまたはスチール製のカラム内で密な三次元マトリックスとなるように充填された不活性粒子で構成される。移動相は、純水、水性緩衝液、有機溶媒、またはその混合物であり得る。静止相粒子は典型的に、ある特定のサイズより小さい分子のみが中に入ることができる小さい孔および/またはチャネルを有する。したがって、大きい粒子はこれらの孔およびチャネルから排除され、静止相とのその限定的な相互作用によって、それらは実験の最初に「完全に排除された」ピークとして溶出する。孔に適合することができるより小さい分子は、流動する移動相から除去され、それらが静止相の孔に固定されて留まる時間は、部分的にそれらが浸透する孔までの距離に依存する。移動相流からのその除去は、それらがカラムから溶出するためにより長い時間を要し、その結果そのサイズの差に基づく粒子間の分離をもたらす。所定のサイズ排除カラムは、分離することができる分子量範囲を有する。全体として、上限より大きい分子は、静止相に捕捉されず、下限より小さい分子は固相に完全に入り、単一のバンドとして溶出し、範囲内の分子は、流体力学的体積などのその特性によって定義された様々な速度で溶出する。薬学的タンパク質の実践におけるこれらの方法の例としては、Bruner et al., Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis. 15: 1929-1935, 1997を参照されたい。
臨床応用のためのタンパク質純度もまた、例えばAnicetti et al. (Trends in Biotechnology. 7:342-349, 1989)によって考察されている。タンパク質の純度を分析するためのより最近の技術としては、タンパク質および核酸の迅速な分析のための自動プラットフォームであるLabChip GXIIが挙げられるがこれに限定されるわけではなく、これはタンパク質の力価、サイジング、および純度分析のハイスループット分析を提供する。ある特定の非制限的な実施形態では、臨床等級の活性化可能プロタンパク質は、他の方法の中でも少なくとも2つの直交ステップでクロマトグラフィー材料の組合せを利用することによって得ることができる(例えば、Therapeutic Proteins: Methods and Protocols. Vol. 308, Eds., Smales and James, Humana Press Inc., 2005を参照されたい)。典型的には、タンパク質作用剤(例えば、活性化可能プロタンパク質)は、当技術分野で公知のおよび本明細書に記載の技術に従って測定した場合に、実質的にエンドトキシンフリーである。
タンパク質溶解度アッセイも同様に含まれる。そのようなアッセイは、例えば組換え産生のための最適な成長および精製条件を決定するために、バッファー(複数可)の選択を最適にするために、ならびに活性化可能プロタンパク質およびそのバリアントの選択を最適にするために利用することができる。溶解度または凝集は、温度、pH、塩、および他の添加剤の存在または非存在を含む多様なパラメーターに従って評価することができる。溶解度スクリーニングアッセイの例としては、これらに限定されないが、中でもエンドポイントとして濁度もしくは他の尺度を使用してタンパク質の溶解度を測定するマイクロプレートに基づく方法、精製組換えタンパク質の溶解度の分析のためのハイスループットアッセイ(例えば、Stenvall et al., Biochim Biophys Acta. 1752:6-10, 2005を参照されたい)、in vivoでタンパク質のフォールディングおよび溶解度をモニターおよび測定するための遺伝子マーカータンパク質の構造相補を使用するアッセイ(例えば、Wigley et al., Nature Biotechnology. 19:131-136, 2001を参照されたい)、ならびに走査型電気化学顕微鏡法(SECM)を使用したEscherichia coliにおける組換えタンパク質の溶解度の電気化学的スクリーニング(例えば、Nagamine et al., Biotechnology and Bioengineering. 96:1008-1013, 2006を参照されたい)が挙げられる。溶解度が増加した(または凝集が低減した)活性化可能プロタンパク質は、タンパク質溶解度に関する単純なin vivoアッセイ(例えば、Maxwell et al., Protein Sci. 8:1908-11, 1999を参照されたい)を含む、当技術分野で日常的な技術に従って同定または選択することができる。
タンパク質溶解度および凝集はまた、動的光散乱技術によっても測定することができる。凝集は、可溶性/不溶性、共有結合/非共有結合、可逆的/非可逆的、ならびに天然/変性した相互作用および特徴を含むいくつかのタイプの相互作用または特徴を包含する一般的な用語である。タンパク質治療薬の場合、凝集体の存在は、凝集体が免疫原性反応を引き起こし得る(例えば、小さい凝集体)、または投与の際に有害事象を引き起こし得る(例えば、微粒子)という懸念から、典型的に望ましくないと考えられる。動的光散乱は、懸濁液中の小さい粒子または溶液中のタンパク質などのポリマーのサイズ分布プロファイルを決定するために使用することができる技術を指す。この技術は、光子相関分光法(PCS)または準弾性光散乱法(QELS)とも呼ばれ、散乱光を使用してタンパク質粒子の拡散速度を測定する。溶液中の分子および粒子のブラウン運動による散乱強度の変動を観察することができる。この運動データを従来のように処理して試料のサイズ分布を誘導することができ、この場合、サイズはタンパク質粒子のストークス半径または流体力学的半径によって与えられる。流体力学的サイズは、質量および形状(立体構造)の両方に依存する。動的散乱は、大きい質量範囲を含有する試料においても、凝集したタンパク質の非常に少量(<0.01重量%)の存在を検出することができる。同様に、これを使用して、例えば上昇した温度での変化のリアルタイムモニタリングに依存する応用を含む、異なる製剤の安定性を比較することができる。したがって、ある特定の実施形態は、本開示の活性化可能プロタンパク質を含有する試料中の溶解度および/または凝集体の存在を分析するための動的光散乱の使用を含む。
前述の実施形態は、理解を明快にする目的のために例証および例によって一部詳細に記載してきたが、ある特定の変化および改変を、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく本開示に行うことができることは、本開示の教示に照らして当業者に容易に明らかとなる。以下の実施例は例証のみのために提供されるのであって、限定のためではない。当業者は、変化または改変することができるが本質的に類似の結果を生じる多様な重要ではないパラメーターを容易に認識する。
(実施例1)
「IL-2-リンカー-IL-2Rα」および「IL-2Rα-リンカー-IL-2」活性化可能プロタンパク質の操作
IL-2関連治療薬の毒性を低減させるため、IL-2-リンカー-IL-2Rα融合タンパク質(本明細書ではILR融合タンパク質と呼ぶ)およびIL-2Rα-リンカー-IL-2融合タンパク質(本明細書ではRLI融合タンパク質と呼ぶ)を、プロドラッグ、または活性化可能プロタンパク質として生成した。プロドラッグは、それらの活性化形態で非常に低い活性を有する。プロドラッグ内で設計されたプロテアーゼ特異的リンカー配列のプロテアーゼによる切断によって、完全なまたはほぼ完全な活性を復活させることができる(例えば、図4A~4Eを参照されたい)。
IL-2Rαに対してより高い結合親和性を有する、V69A、Q74PおよびI128Tの三重変異を有するヒトIL-2-T3を模範的な融合タンパク質では使用した。IL-2の活性を復活させるために、TEVプロテアーゼ切断部位を使用して、概念実証を提供した。
Fc融合を伴うまたは伴わない一本鎖IL-2-リンカー-IL-2Rα(ILR)およびIL-2Rα-リンカー-IL-2(RLI)をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成よって構築し、続いてpTT5発現ベクターへサブクローニングした。例示的なILR融合タンパク質フォーマットの概略図を、図2A、2B、2D、2E、2Gおよび2Hに示す。例示的なRLI融合タンパク質フォーマットの概略図を、図3A、3B、3D、3E、3Gおよび3Hに示す。
C末端Hisタグを有するIL-2-安定なリンカー-IL-2Rαフォーマット(図2A)の例示的なタンパク質としては、P1522およびP1525が挙げられる。C末端Hisタグを有するIL-2-TEV-IL-2Rαフォーマット(図2B)の例示的なタンパク質としては、P1630、P1664、およびP1667が挙げられる。Fc-TEV-IL-2-安定なリンカー-IL-2Rαフォーマット(図2D)の例示的なタンパク質としては、P1523およびP1526が挙げられる。Fc-安定なリンカー(liner)-IL-2-TEV-IL-2Rαフォーマット(図2E)の例示的なタンパク質としては、P1631、P1665、およびP1668が挙げられる。IL-2-安定なリンカー-IL-2Rα-TEV-Fcフォーマット(図2G)の例示的なタンパク質としては、P1524およびP1527が挙げられる。IL-2-TEV-IL-2Rα-安定なリンカー-Fcフォーマット(図2H)の例示的なタンパク質としては、P1632、P1666、およびP1669が挙げられる。
C末端Hisタグを有するIL-2Rα-安定なリンカー-IL-2フォーマット(図3A)の例示的なタンパク質としては、P1528およびP1531が挙げられる。C末端Hisタグを有するIL-2Rα-TEV-IL-2フォーマット(図3B)の例示的なタンパク質としては、P1633、P1773、およびP1776が挙げられる。Fc-TEV-IL-2Rα-安定なリンカー-IL-2フォーマット(図3D)の例示的なタンパク質としては、P1529およびP1532が挙げられる。Fc-安定なリンカー(liner)-IL-2Rα-TEV-IL-2フォーマット(図3E)の例示的なタンパク質としては、P1634、P1774、およびP1777が挙げられる。IL-2Rα-安定なリンカー-IL-2-TEV-Fcフォーマット(図3G)の例示的なタンパク質としては、P1530およびP1533が挙げられる。IL-2Rα-TEV-IL-2-安定なリンカー-Fcフォーマット(図3H)の例示的なタンパク質としては、P1635、P1775、およびP1778が挙げられる。
P1522、P1523、P1524、P1528、P1529、およびP1530において、リンカー長は、IL-2とIL-2Rαとの間で5アミノ酸である。P1525、P1526、P1527、P1531、P1532、およびP1533において、リンカー長は、IL-2とIL-2Rαとの間で10アミノ酸である。P1630、P1631、P1632、P1633、P1634、およびP1635において、リンカー長は、IL-2とIL-2Rαとの間で11アミノ酸である。P1664、P1665、P1666、P1773、P1774、およびP1775において、リンカー長は、IL-2とIL-2Rαとの間で15アミノ酸である。P1667、P1668、P1669、P1776、P1777、およびP1778において、リンカー長は、IL-2とIL-2Rαとの間で19アミノ酸である。
ILRフォーマットについては、実際のプロテアーゼ切断部位(PS)をIL-2とIL-2Rαとの間のリンカーに導入した。IL-2における潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換した(T3A)。E61CをIL-2におよびK38CをIL-2Rαに導入することによって、IL-2とIL-2Rαとの間にジスルフィド結合を導入した。例示的なタンパク質としては、P1719(IL-2-PS-IL-2Rα-His6)、P1720(Fc-安定なリンカー-IL-2-PS-IL-2Rα)、P1721(IL-2-PS-IL-2Rα-安定なリンカー-Fc)、P1722(IL-2-PS-IL-2Rα-His6)、P1723(Fc-安定なリンカー-IL-2-PS-IL-2Rα)、およびP1724(IL-2-PS-IL-2Rα-安定なリンカー-Fc)が挙げられる。
Fc-安定なリンカー-IL-2Rα-PS-IL-2フォーマットについては、実際のプロテアーゼ切断部位(PS)をIL-2RαとIL-2との間のリンカーに導入した。IL-2における潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換した(T3A)。ジスルフィド結合をIL-2とIL-2Rαとの間に導入した。少なくとも1つのシステイン変異を、IL-2のK35、R38またはE61に、およびIL-2RαのD04、H120、K38またはS39に導入した。例示的なタンパク質としては、P1725、P1726、P1727、P1728、P1729およびP1730が挙げられる。
活性化可能プロタンパク質設計のために、実際のプロテアーゼ切断部位(PS)を、IL-2-PS-IL-2Rα-安定なリンカー-FcフォーマットについてIL-2とIL-2Rαとの間のリンカーに導入した。IL-2における潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換した(T3A)。IL-2-PS-IL-2Rα-安定なリンカー-Fcをコードするプラスミドを標準的な遺伝子合成によって構築し、プロテアーゼ切断部位に隣接しているリンカーを有するpTT5発現ベクターへサブクローニングした。例示的なタンパク質としては、P1779、P1780、P1781、P1782、P1783、P1784、およびP1785が挙げられる。P1786は、IL-2とIL-2Rαとの間に切断部位がない対照タンパク質として生成した。
活性化可能プロタンパク質設計のために、異なる実際のプロテアーゼ切断部位(PS)をそれぞれFc/IL-2とIL-2/IL-2Rαの間のリンカーに導入した。IL-2における潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換した(T3A)。IL-2Rにおける潜在的N-グリコシル化部位を1つの構築物においてアラニンで置換した(N49AおよびN68A)。1つの構築物ではIL-2-D10も試験した。Fc-PS1-IL-2-PS2-IL2Rαをコードするプラスミドを標準的な遺伝子合成によって構築し、プロテアーゼ切断部位に隣接しているリンカーを有するpTT5発現ベクターへサブクローニングした。例示的なタンパク質としては、P1834、P1835、P1836、P1837、P1838、P1839、P1840、P1841、P1842、P1843、P1844、P1845、P1846、P1847、P1848、P1849、およびP1850が挙げられる。
野生型IL-2およびIL-2Rαに対してより低い結合親和性を有するIL-2ムテインも、Fc-安定なリンカー-IL-2-TEV-IL-2Rαフォーマットで試験した。潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換した(T3A)。試験したIL-2ムテインは、IL-2-F42A、IL-2-Y45A、およびIL-2-F42A-Y45Aを含む。例示的なタンパク質としては、P1946、P1947、P1948、およびP1949が挙げられる。IL-2-E61S/IL-2Rα-K38Sの組合せも試験した。例示的なタンパク質としては、P1972が挙げられる。
ILRフォーマットを抗体融合フォーマットでも試験した。重鎖とIL-2との間またはIL-2とIL-2Rαとの間のプロテアーゼ切断部位を用いて、抗体重鎖のC末端にILRを融合させた。IL-2における潜在的O-グリコシル化部位をアラニンで置換し(T3A)、重鎖上のC末端リシン(K)を欠失させた。IgG4-Fdを使用したので、重鎖上のシステイン217をセリンで置換した。例示的なタンパク質としては、P14501950、P14501951、P14501952、およびP14501953が挙げられる。
産生、精製および特徴付け。Fc融合タンパク質を、Expi293細胞における一過性のトランスフェクションによって産生し、MabSelect SuReクロマトグラフィー(GE Healthcare)およびサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 200、GE Healthcare)を含む2ステップ精製プロセスによって精製した。Hisタグ付きタンパク質を、Expi293細胞における一過性のトランスフェクションによって産生し、ニッケルアフィニティクロマトグラフィー(GE Healthcare)およびサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 200、GE Healthcare)を含む2ステップ精製プロセスによって精製した。
精製タンパク質を、純度評価のためにSDS-PAGEによって特徴付けしたところ、例えば、図6A、6B、10A、10B、13A、13B、16A、16B、19A、19B、22A、22B、25A、25B、27A、および27Bに示されているような、良好な純度が示された。
プロテアーゼによる切断を、対応切断部位を有する精製タンパク質について行なった。試験したプロテアーゼは、次の通りであった:TEV、uPA(R&D、カタログ番号1310-SE-010)、マトリプターゼ(R&D、カタログ番号3946-SEB-010)およびMMP-2(R&D、カタログ番号902-MP-010)。図6Cに示されているように、P1529、P1532、P1630、P1631およびP1632をTEVによって切断することができなかったが、他のタンパク質をTEVによって切断することができた。図10Cに示されているように、P1664、P1665、P1666、P1667、P1668およびP1669をTEVによって切断することができた。図13Cに示されているように、P1719、P1721、P1722、P1723、P1724、P1725およびP1726を部分的にuPAプロテアーゼによって切断することができた。図16Cに示されているように、P1773、P1774、P1775、P1776、P1777、およびP1778をTEVによって切断することができ、P1779、P1780、P1781、P1782、P1783、P1784、およびP1785をuPAプロテアーゼによって切断することができた。
図19Cに示されているように、精製タンパク質を、uPA、マトリプターゼまたはMMP-2によって部分的にまたは完全に切断することができた。図19Dに示されているように、P1842およびP1847を、uPAおよびMMP-2によって同時に切断することができた。図22Cに示されているように、P1946、P1947、P1948、およびP1949を、部分的にTEVによって切断することができた。図25Cに示されているように、P14501950、P14501951、P14501952およびP14501953を、完全にまたは部分的に、MMP-2、uPAまたはマトリプターゼによって切断することができた。図27Cに示されているように、P1972を部分的にTEVによって切断することができた。
精製タンパク質を、均一性の評価のために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっても特徴付けした。HPLC分析は、Nanofilm SEC-250カラム(Sepax)およびAgilent 1260を使用して、製造業者の指示に従って行なった。代表的なHPLC結果を、図7A~7J、11A~11F、14A~14D、17A~17D、20A~20D、23A~23D、26A~26D、および27Dに示す。タンパク質の大部分は、良好な均一性を示す1つの単一ピークを示した。
機能的アッセイ-増殖。増殖アッセイを、切断の前および後で精製タンパク質について実施した。M-07e細胞(IL-2Rβ/γc)を、20%ウシ胎児血清(FBS)、1%非必須アミノ酸(NEAA)、および10%5637細胞培養上清を補充したRPMI1640中で培養した。サイトカイン依存的細胞増殖を測定するために、Mo7e細胞を、その対数成長期で収集し、PBSによって2回洗浄した。細胞浮遊液(細胞2×104個/ウェル)90μlを、96ウェルプレートに播種し、アッセイ培地(10%FBSおよび1%NEAAを補充したRPMI1640)中、37℃および5%CO2でサイトカイン枯渇のために4時間インキュベートした。アッセイにおいて使用したIL-2対照および精製タンパク質試料を、アッセイ培地中で初回濃度300nMに調製し、その後1/3の段階希釈を行った。希釈したタンパク質10μlを対応するウェルに添加し、37℃および5%CO2で72時間インキュベートした。細胞計数キット-8(CCK-8、Dojindo、CK04)を使用する比色分析アッセイを実施し、生存細胞の量を測定した。結果を、図8A~8L、9A~9E、12A~12F、15A~15E、18A~18N、21A~21Q、24A~24D、および28に示す。
IL-2-安定なリンカー-IL-2Rαフォーマット(P1522およびP1525)およびIL-2Rα-安定なリンカー-IL-2フォーマット(P1528およびP1531)からのTEV切断部位のない融合タンパク質については活性が検出されなかった。
Fc-TEV-IL-2-安定なリンカー-IL-2Rαフォーマット(P1523およびP1526)、IL-2-安定なリンカー-IL-2Rα-TEV-Fcフォーマット(P1524およびP1527)、Fc-TEV-IL-2Rα-安定なリンカー-IL-2フォーマット(P1529およびP1532)およびIL-2Rα-安定なリンカー-IL-2-TEV-Fcフォーマット(P1530およびP1533)からのTEVによる切断前の融合タンパク質については活性が検出されなかった。これらの融合タンパク質については、TEVによる切断後にIL-2活性が復活しなかった。
IL-2とIL-2Rαとの間にTEV切断部位があるフォーマットについては、P1630、P1631、およびP1632は、TEVによる切断前に活性を示さず、これらをTEVによって切断することができず;P1635は、TEVによる切断前にも後にも活性を示さず;P1633およびP1634は、TEVによる切断前に低い活性を示し、TEVによる切断後に完全なまたは部分的な活性が復活した。
IL-2とIL-2Rαとの間により長い切断可能リンカー(TEV切断部位)を有する融合タンパク質については、P1664、P1665、P1666、P1667、P1668、P1669、P1773、P1774、P1776、およびP1777は、TEVによる切断前に非常に低い活性を示し、TEVによる切断後に完全なまたは部分的な活性が復活した。P1775およびP1778は、TEVによる切断前に活性を示さなかったかまたは非常に低い活性を示し、TEVによる切断後に活性を回復させることができなかった。
IL-2とIL-2Rαとの間のリンカー内に実際のプロテアーゼ切断部位を有する融合タンパク質については、P1779、P1780、P1781、P1782、P1783、およびP1785は、プロテアーゼによる切断前に活性を示さなかったかまたは非常に低い活性を示し、プロテアーゼによる切断後に活性が回復した。陰性対照としてのP1786は、プロテアーゼによる切断前にも切断後にも活性を示さなかった。
IL-2とIL-2Rαとの間にジスルフィド結合を有するILRフォーマットについては、P1719 P1721、P1722、P1723、およびP1724は、プロテアーゼによる切断前に活性を示さなかったかまたは低い活性を示し、プロテアーゼによる切断後に活性が部分的にまたは完全に回復した。
Fc-PS1-IL-2-PS2-IL2Rαフォーマットについては、図21A~21Oに示されているように、融合タンパク質は、プロテアーゼによる切断前に活性を示さなかったかまたは非常に低い活性を示し、PS2でのプロテアーゼによる切断後に活性が部分的に回復した。P1842およびP1847については、異なる切断の組合せ:PS1での単一の切断、PS2での単一の切断、およびPS1とPS2の両方での二重切断を試験した。P1842については、PS1またはPS2での単一の切断後に低い活性が回復し、PS1とPS2の両方での二重切断後に完全な活性が復活した。スーパーカインD10を有するP1847については、低い活性がプロテアーゼによる切断の前に検出され、PS1またはPS2での単一の切断後およびPS1とPS2の両方での二重切断後に完全な活性が回復し、実際、二重切断(double cleavable)後にこの構築物は、野生型IL-2より高い活性を示した。
野生型IL-2またはIL-2Rαに対してより低い結合親和性を有するIL-2ムテインとの融合タンパク質について、P1946、P1947、P1948、およびP1949は、プロテアーゼによる切断前に低い活性を示し、切断後に完全な活性が復活した。IL-2ムテインを有するP1947、P1948およびP1949は、プロテアーゼによる切断前にP1946より高い活性を示した。
IL-2-E61SおよびIL-2Rα-K38Sを有するP1972は、TEVによる切断前に低い活性を示し、切断後に完全な活性が回復した。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む活性化可能プロタンパク質ホモ二量体であって、
(a)前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2結合タンパク質を含み;または
(b)前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、結合部分、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、およびIL-2タンパク質を含み、
前記第1のポリペプチドの前記結合部分が、前記第2のポリペプチドの前記結合部分に結合し、前記第1のポリペプチドの前記IL-2タンパク質が、前記第2のポリペプチドの前記IL-2結合タンパク質に結合し、前記第1のポリペプチドの前記IL-2結合タンパク質が、前記第2のポリペプチドの前記IL-2タンパク質に結合し、前記結合が、in vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc鎖に、前記結合がない場合には結合するIL-2タンパク質(複数可)の結合部位を隠し、前記第1または前記第2のリンカーの少なくとも1つが、切断可能リンカーであり;あるいは
(c)前記第1および前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、IL-2タンパク質、第1のリンカー、IL-2結合タンパク質、第2のリンカー、およびアフィニティ精製タグを含み;または
(d)前記第1および前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向もしくはCからN末端方向に、IL-2結合タンパク質、第1のリンカー、IL-2タンパク質、第2のリンカー、およびアフィニティ精製タグを含み、
前記第1のポリペプチドの前記IL-2タンパク質が、前記第2のポリペプチドの前記IL-2結合タンパク質に結合し、前記第1のポリペプチドの前記IL-2結合タンパク質が、前記第2のポリペプチドの前記IL-2タンパク質に結合し、前記結合が、in vitroまたはin vivoで免疫細胞の表面上に存在するIL-2Rβ/γcおよび/またはIL-2Rα/β/γc鎖に、前記結合がない場合には結合するIL-2タンパク質(複数可)の結合部位を隠し、前記第1のリンカーが、切断可能リンカーである、活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目2)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、表S1から選択されるアミノ酸配列、必要に応じて配列番号1(全長の野生型ヒトIL-2)のアミノ酸21~153と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、必要に応じて配列番号1によって定義されるC145X(Xは任意のアミノ酸である)またはC145S置換を含む、項目1に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目3)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、配列番号2(C125S置換を有する成熟ヒトIL-2)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、必要に応じて前記IL-2タンパク質が、配列番号2によって定義されるS125残基を保持する、項目1または2に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目4)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、配列番号2によって定義されるK35C、R38C、T41C、F42C、E61C、およびV69Cから選択される1つまたは複数の置換を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホ
モ二量体。
(項目5)
必要に応じて項目4に記載のシステインの1つまたは複数ならびに前記第1および第2のIL-2結合タンパク質(複数可)における1つまたは複数のシステインを介して、前記第1のIL-2タンパク質が、前記第2のIL-2結合タンパク質とジスルフィド結合を形成し、前記第2のIL-2タンパク質が、前記第1のIL-2結合タンパク質とジスルフィド結合を形成する、項目4に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目6)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、配列番号2によって定義される69、74、および/または128位で1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、必要に応じて前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、配列番号2によって定義されるV69A、Q74P、およびI128Tから選択される、項目1から5のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質。
(項目7)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、配列番号2によって定義されるT3、R38、F42、Y45、E61、E62、E68、および/またはL72位で1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、必要に応じて前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、その組合せを含む、T3A;R38AおよびR38K;F42A、F42G、F42S、F42T、F42Q、F42E、F42N、F42D、F42R、F42K、およびF42I;Y45A、Y45G、Y45S、Y45T、Y45Q、Y45E、Y45N、Y45D、Y45R、およびY45K;E61S;E62AおよびE62L;E68AおよびE68V;ならびにL72A、L72G、L72S、L72T、L72Q、L72E、L72N、L72D、L72R、およびL72K、必要に応じてF42A、Y45A、およびL72G;R38K、F42Q、Y45N、E62L、およびE68V;R38K、F42Q、Y45E、およびE68V;R38A、F42I、Y45N、E62L、およびE68V;R38K、F42K、Y45R、E62L、およびE68V;R38K、F42I、Y45E、およびE68V;ならびにR38A、F42A、Y45A、およびE62Aから選択される組合せから選択される、項目1から6のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目8)
前記第1および第2のIL-2タンパク質が、配列番号3(成熟ヒトIL-2「D10」バリアント)と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、必要に応じて前記IL-2タンパク質が、配列番号3によって定義されるQ74H、L80F、R81D、L85V、I86V、および/またはI92F置換のうちの任意の1つまたは複数を保持する、項目1から7のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目9)
前記第1および第2のIL-2結合タンパク質が、第1および第2のIL-2Rαタンパク質、または前記IL-2タンパク質(複数可)に特異的に結合する第1および第2の抗体もしくはその抗原結合性断片、必要に応じて二重特異性抗体もしくはその抗原結合性断片を含む、項目1から8のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目10)
前記第1および第2のIL-2Rαタンパク質が、表S2から選択されるアミノ酸配列、必要に応じて配列番号4(全長の野生型ヒトIL-2Rα)のアミノ酸22~187と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む、それからなる、またはそれから本質的になる、項目9に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目11)
前記第1および第2のIL-2Rαタンパク質が、配列番号6(ヒトIL-2Rα Sushi1~Sushi2ドメイン)によって定義されるD4C、D6C、N27C、K38C、S39C、L42C、Y43C、I118C、およびH120Cから選択される1つもしくは複数のシステイン置換、ならびに/またはK38S置換を含む、項目9または10に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目12)
必要に応じて項目11に記載のシステインの1つまたは複数、および前記IL-2タンパク質における1つまたは複数のシステイン、必要に応じて項目4に記載のシステインの1つまたは複数、必要に応じてIL2-K35CおよびIL2Rα-D4C、IL2-R38CおよびIL2Rα-D6C、IL2-R38CおよびIL2Rα-H120C、IL2-T41CおよびIL2Rα-I118C、IL2-F42CおよびIL2Rα-N27C、IL2-E61CおよびIL2Rα-K38C、IL2-E61CおよびIL2Rα-S39C、ならびにIL2-V69CおよびIL2Rα-L42Cから選択される1つまたは複数のシステイン対を介して、前記第1のIL-2Rαタンパク質が、前記第2のIL-2タンパク質とジスルフィド結合を形成し、前記第2のIL-2Rαタンパク質が、前記第1のIL-2タンパク質とジスルフィド結合を形成し、
前記IL-2タンパク質と前記IL-2Rαタンパク質との間のジスルフィド結合が、T
reg
上に発現されるIL-2Rα/β/γc鎖に優先的に結合する前記IL-2タンパク質の結合部位を隠す、項目9から11のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目13)
前記第1および第2のIL-2Rαタンパク質が、配列番号6によって定義される49および/または68位でアラニン置換を含む、項目9から12のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目14)
前記IL-2タンパク質に特異的に結合する前記第1および第2の抗体またはその抗原結合性断片が、抗体全体、Fab、Fab’、F(ab’)2、単一特異性Fab2、二重特異性Fab2、FV、一本鎖Fv(scFv)、scFV-Fc、ナノボディ、ダイアボディ、ラクダ抗体、およびミニボディのうちの1つまたは複数から選択され、必要に応じて前記抗体が、NARA1またはその抗原結合性断片である、項目9に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目15)
(a)および/または(b)の前記結合部分が、前記IL-2タンパク質にも前記IL-2結合タンパク質にも結合しない、項目1から14のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目16)
(a)および/または(b)の前記結合部分が、前記IL-2タンパク質に結合する、項目1から14のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目17)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、少なくとも1つの非共有結合による相互作用を介して互いに結合し、必要に応じてホモ二量体を形成する、項目1から16のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目18)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、少なくとも1つの共有結合を介して互いに結合し、必要に応じてホモ二量体を形成する、項目1から17のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目19)
前記少なくとも1つの共有結合が、少なくとも1つのジスルフィド結合を含む、項目
18に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目20)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、表M1から選択される、項目1から19のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目21)
(a)または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、その抗原結合性断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンの抗原結合ドメインを含む、項目1から20のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目22)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、その断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンのCH1、CH2、CH3、CH1CH3、CH2CH3、CH1CH2CH3、および/またはCLドメインを含む、項目1から21のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質。
(項目23)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、NからC末端方向に:(1)その抗原結合性断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンの抗原結合ドメイン;ならびに(2)その断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンのCH1、CH2、CH3、CH1CH3、CH2CH3、CH1CH2CH3、および/またはCLドメインを含む、項目21または22に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目24)
前記抗原結合ドメインが、その抗原結合性断片およびバリアントを含む、免疫グロブリンのVHまたはVLドメインを含む、項目21から23のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目25)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、抗原に結合しない、項目1から24のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目26)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、免疫グロブリンのCH2CH3ドメインを含む、項目1から25のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目27)
前記免疫グロブリンが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgE、およびIgMから選択される免疫グロブリンクラスに由来する、項目21から26のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目29)
(a)および/または(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドの前記結合部分が、ロイシンジッパーペプチドを含む、項目1から28のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目30)
(c)および/または(d)の前記アフィニティ精製タグが、ポリヒスチジンタグ(必要に応じてヘキサヒスチジンタグ)、VSV-Gタグ、ユニバーサルタグ、Strepタグ、Sタグ、S1タグ、Pheタグ、Cysタグ、Aspタグ、Argタグ、Mycエピトープタグ、KT3エピトープタグ、HSVエピトープタグ、ヒスチジンアフィニティタグ、ヘマグルチニン(HA)タグ、FLAGエピトープタグ、E2エピトープタグ、V5タグ、T7タグ、AU5エピトープタグ、およびAU1エピトープタグから選択される、項目1から29のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目31)
前記切断可能リンカーがプロテアーゼ切断部位を含み、必要に応じて前記切断可能リンカーが表S3から選択される、項目1から30のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目32)
前記プロテアーゼ切断部位が、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、およびアスパラギン酸プロテアーゼのうちの1つまたは複数から選択されるプロテアーゼによって切断可能である、項目31に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目33)
プロテアーゼ切断部位が、MMP1、MMP2、MMP3、MMP4、MMP5、MMP6、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、TEVプロテアーゼ、マトリプターゼ、uPA、FAP、レグマイン、PSA、カリクレイン、カテプシンA、およびカテプシンBのうちの1つまたは複数から選択されるプロテアーゼによって切断可能である、項目31または32に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目34)
前記第1のリンカーおよび/または前記第2のリンカーが、約1~50、約1~40、約1~30、約1~20、約1~10、約1~5、約1~4、約1~3アミノ酸長であるか、または約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50アミノ酸長である、項目1から33のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目35)
(a)および/または(b)の前記第1のリンカーが切断可能リンカーであり、(a)および/または(b)の前記第2のリンカーが切断不能リンカーである、項目1から34のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目36)
(a)および/または(b)の前記第1のリンカーの切断、必要に応じてプロテアーゼによる切断が、in vitroまたはin vivoで前記免疫細胞の前記表面上に存在する前記IL-2Rβ/γc鎖に結合する前記第1および/または第2のIL-2タンパク質の前記結合部位(複数可)を露出させる、項目35に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目37)
(a)および/または(b)の前記第1のリンカーが切断不能リンカーであり、(a)および/または(b)の前記第2のリンカーが切断可能リンカーである、項目1から34のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目38)
(a)および/または(b)の前記第2のリンカーの切断、必要に応じてプロテアーゼによる切断が、in vitroまたはin vivoで前記免疫細胞の前記表面上に存在する前記IL-2Rβ/γc鎖に結合する前記第1および/または第2のIL-2タンパク質の前記結合部位(複数可)を露出させる、項目37に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目39)
(c)および/または(d)の前記第1のリンカーの切断、必要に応じてプロテアーゼによる切断が、in vitroまたはin vivoで前記免疫細胞の前記表面上に存在する前記IL-2Rβ/γc鎖に結合する前記第1および/または第2のIL-2タン
パク質の前記結合部位(複数可)を露出させる、項目1から34のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目40)
前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、単球、およびマクロファージのうちの1つまたは複数から選択される、項目1から39のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目41)
(a)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記結合部分、前記第1のリンカー、前記IL-2タンパク質、前記第2のリンカー、および前記IL-2結合タンパク質を含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目42)
(a)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記IL-2結合タンパク質、前記第1のリンカー、前記IL-2タンパク質、前記第2のリンカー、および前記結合部分を含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目43)
(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記結合部分、前記第1のリンカー、前記IL-2結合タンパク質、前記第2のリンカー、および前記IL-2タンパク質を含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目44)
(b)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記IL-2タンパク質、前記第1のリンカー、前記IL-2結合タンパク質、前記第2のリンカー、および前記結合部分を含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目45)
(c)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記IL-2タンパク質、前記第1のリンカー、前記IL-2結合タンパク質、前記第2のリンカー、および前記アフィニティ精製タグを含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目46)
(d)の前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、NからC末端方向に、前記IL-2結合タンパク質、前記第1のリンカー、前記IL-2タンパク質、前記第2のリンカー、および前記アフィニティ精製タグを含む、項目1から40のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目47)
前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、表S4から選択される配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%同一であるアミノ酸配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、必要に応じて前記TEVプロテアーゼ切断部位が、ヒトプロテアーゼによって切断可能な切断部位、必要に応じて表S3から選択される切断可能リンカーで置き換えられている、項目1から46のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目48)
生理溶液中、または生理条件下、必要に応じてin vivo条件下で、実質的にホモ二量体形態である、項目1から47のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体。
(項目49)
項目1から48のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体をコー
ドする組換え核酸分子。
(項目50)
項目49に記載の組換え核酸分子を含むベクター。
(項目51)
項目44に記載の組換え核酸分子または項目50に記載のベクターを含む宿主細胞。
(項目52)
活性化可能プロタンパク質を産生する方法であって、活性化可能プロタンパク質ホモ二量体の発現に適した培養条件下で項目51に記載の宿主細胞を培養するステップ、および培養物から前記活性化可能プロタンパク質を単離するステップを含む方法。
(項目53)
項目1から48のいずれか一項に記載の活性化可能プロタンパク質ホモ二量体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項目54)
対象における疾患を処置する方法、および/または対象における免疫応答を増強する方法であって、項目53に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与するステップを含む方法。
(項目55)
前記疾患が、がん、ウイルス感染症、および免疫障害のうちの1つまたは複数から選択される、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記がんが、原発がんまたは転移がんであり、黒色腫(必要に応じて転移性黒色腫)、腎臓がん(必要に応じて腎細胞癌)、膵臓がん、骨がん、前立腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、中皮腫、白血病(必要に応じてリンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、または再発した急性骨髄性白血病)、多発性骨髄腫、リンパ腫、ヘパトーマ(肝細胞癌)、肉腫、B細胞悪性腫瘍、乳がん、卵巣がん、結腸直腸がん、神経膠腫、多形性膠芽腫、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、原発性CNSリンパ腫、原始神経外胚葉性腫瘍(髄芽腫)、膀胱がん、子宮がん、食道がん、脳がん、頭頸部がん、子宮頸がん、精巣がん、甲状腺がん、および胃がんのうちの1つまたは複数から選択される、項目55に記載の方法。
(項目57)
投与後、前記活性化可能プロタンパク質ホモ二量体が、細胞または組織、必要に応じてがん細胞またはがん組織におけるプロテアーゼによる切断を通して活性化され、前記切断が、in vitroまたはin vivoで前記免疫細胞の前記表面上に存在する前記IL-2Rβ/γc鎖に結合する前記第1および/または第2のIL-2タンパク質の前記結合部位(複数可)を露出させ、それによって活性化タンパク質を生成する、項目54から56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
前記活性化タンパク質が、前記IL-2タンパク質を介してin vitroまたはin vivoで免疫細胞の前記表面上に存在する前記IL-2Rβ/γc鎖に結合する、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、単球、およびマクロファージのうちの1つまたは複数から選択される、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記活性化タンパク質における前記IL-2タンパク質(複数可)とIL-2結合タンパク質(複数可)との間の結合(必要に応じて前記IL-2タンパク質(複数可)とIL-2Rαタンパク質(複数可)との間のジスルフィド結合)が、T
reg
上に発現される前記IL-2Rα/β/γc鎖に結合する前記IL-2タンパク質(複数可)の前記結合部位を隠し、それによってT
reg
に対する前記活性化タンパク質の結合を妨害する、請
求項57から59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記活性化可能プロタンパク質の投与および活性化が、前記対象における免疫応答を、対照と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増加させ、必要に応じて前記免疫応答が、抗がんまたは抗ウイルス免疫応答である、項目54から60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記活性化可能プロタンパク質の投与および活性化が、前記対象における細胞殺滅を、対照と比較して、約もしくは少なくとも約5%、約もしくは少なくとも約10%、約もしくは少なくとも約15%、約もしくは少なくとも約20%、約もしくは少なくとも約25%、約もしくは少なくとも約30%、約もしくは少なくとも約35%、約もしくは少なくとも約40%、約もしくは少なくとも約45%、約もしくは少なくとも約50%、約もしくは少なくとも約60%、約もしくは少なくとも約70%、約もしくは少なくとも約80%、約もしくは少なくとも約90%、約もしくは少なくとも約100%、約もしくは少なくとも約200%、約もしくは少なくとも約300%、約もしくは少なくとも約400%、約もしくは少なくとも約500%、約もしくは少なくとも約600%、約もしくは少なくとも約700%、約もしくは少なくとも約800%、約もしくは少なくとも約900%、約もしくは少なくとも約1000%、約もしくは少なくとも約2000%、またはそれより多く増加させ、必要に応じて前記細胞殺滅が、がん細胞の殺滅またはウイルス感染細胞の殺滅である、項目54から61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記ウイルス感染症が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎、カリシウイルス関連下痢症、ロタウイルス性下痢症、Haemophilus influenzae B型肺炎および侵襲性疾患、インフルエンザ、麻疹、ムンプス、風疹、パラインフルエンザ関連肺炎、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペス2型性器潰瘍、デング熱、日本脳炎、ダニ媒介性脳炎、ウエストナイルウイルス関連疾患、黄熱病、エプスタインバーウイルス、ラッサ熱、クリミアコンゴ出血熱、エボラ出血熱、マールブルグ出血熱、狂犬病、リフトバレー熱、天然痘、上気道および下気道感染症、ならびに灰白髄炎のうちの1つまたは複数から選択され、必要に応じて前記対象がHIV陽性である、項目55に記載の方法。
(項目64)
前記免疫障害が、I型糖尿病、血管炎、および免疫不全のうちの1つまたは複数から選択される、項目55に記載の方法。
(項目65)
前記医薬組成物が、非経口投与によって前記対象に投与される、項目54から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記非経口投与が静脈内投与である、項目65に記載の方法。
(項目67)
対象における疾患を処置するための、および/または対象における免疫応答を増強する
ための医薬の調製における、項目53に記載の医薬組成物の使用。
(項目68)
対象における疾患の処置における、および/または対象における免疫応答の増強のために使用するための、項目53に記載の医薬組成物。