JP7645894B2 - プラスチックシンチレーションファイバ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献2、3、4においてはいずれも、特に特許文献3に開示されたイメージ検出のような空間分解能を重視した検出では、シンチレータと波長変換ファイバとを組み合わせる後加工が多数必要となる。
中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備え、
前記コア及び前記クラッド層を含む波長変換ファイバと、当該波長変換ファイバの外周面を覆う前記最外周層とが一体形成されている。
中性子が照射されると、中性子反応断面積が水素よりも大きいリチウム6、ホウ素10、ガドリニウムなどの元素は通常のプラスチックシンチレータを構成する炭素、酸素、水素などの元素よりもはるかに多くの放射線を発する。本発明のプラスチックシンチレーションファイバでは、最外周層を構成するプラスチック材料において、このような放射線が発生し、その放射線によってシンチレーション光が発生する。このような機構により、中性子線を高感度に検出できる。また、最外周層はコアのように光を伝送するために必要な高い透明性が必要ではないため、上記有機化合物を高濃度で添加できる。
あるいは、前記有機化合物が、ホウ素10を含んでもよい。ここで、前記有機化合物が、カルボラン系化合物でもよい。カルボラン化合物は、分子量に占めるホウ素の比率が高く、効率的にホウ素10原子を添加できる。さらに、前記有機化合物の分子量に占めるホウ素の比率が、50%以上でもよい。このような構成によって、高濃度でホウ素10を含有させることができ、中性子反応性が高くなる。
あるいは、前記有機化合物が、ガドリニウムを含んでもよい。
前記反射膜は金属膜でもよい。当該構成によって、薄い厚みで高い反射率が得られる。
中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備えたプラスチックシンチレーションファイバの製造方法であって、
前記最外周層用の第1円筒体の内部に前記クラッド層用の第2円筒体を挿入し、当該第2円筒体の内部に前記コア用のロッドを挿入し、プリフォームを作製する工程と、
前記プリフォームを加熱しつつ線引き加工する工程と、を備える。
中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備えたプラスチックシンチレーションファイバの製造方法であって、
前記コア及び前記クラッド層を含む波長変換ファイバの表面に、前記最外周層をコーティングする。
<プラスチックシンチレーションファイバの構成>
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバについて説明する。図1は、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバの断面図である。
図1に示すように、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバは、最外周層1、コア2、クラッド層3を備えている。
光ファイバとして長距離伝送を行うためには、コア2の透明性と同じくクラッド層3の透明性も重要である。長距離伝送のためには、最外周層1の透明性はさほど重要でない。
なお、最外周層1のさらに外側に、最外周層を保護する保護層(不図示)を一体形成してもよい。保護層によって、プラスチックシンチレーションファイバの耐久性等が向上する。
図2は、実施の形態1の変形例に係るプラスチックシンチレーションファイバの断面図である。図2に示すように、最外周層1もしくは保護層の表面に反射層5を設けてもよい。最外周層1で発光したシンチレーション光や、コア2で波長変換された光が、反射層5で反射することによって、ファイバ側面から外部に漏れ難くなり、高発光となる。ここで、反射層5を金属膜とすることによって、薄い厚みで高い反射率が得られ、好適である。
シンチレータ層である最外周層1は、中性子線の照射によってシンチレーション光を発する透明樹脂すなわちプラスチック材料からなる。ここで、透明樹脂は、中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有する。
リチウム6を含む有機化合物としては、メタクリル酸リチウム、フェニルサリシル酸リチウム、ピバリン酸リチウムなどのリチウムのカルボン酸塩などが好適に用いられる。
コア2に用いられる材料は、透明樹脂であれば、制約はない。中でもメチルメタクリレートに代表されるメタクリル酸エステルモノマー群、メチルアクリレートに代表されるアクリル酸エステルモノマー群及びスチレンに代表されるビニル基を持った芳香族モノマー群のいずれかからなる単独重合体、もしくは共重合体が好適である。
上述の波長変換蛍光体を単体で使用してもよいし、複数の波長変換蛍光体を併用してもよい。各波長変換蛍光体では、量子収率が高く、吸収スペクトルと発光スペクトルの重なりが少ない(ストークスシフトが大きい)ことが好ましい。プラスチックファイバの特性として、長波長である程、可視光は伝送損失が小さいため、より長波長で発光する波長変換蛍光体が好ましく、適宜2種以上併用してもよい。波長変換蛍光体は、コア2を構成する透明樹脂に可溶であることが好ましい。
クラッド層3に用いられる材料は、コア2より低屈折率を有する透明樹脂であれば、制約はない。中でも、メチルメタクリレートに代表されるメタクリル酸エステルモノマー群及びパーフルオロアルキルメタクリレート等のフッ素化モノマー群、メチルアクリレートに代表されるアクリル酸エステルモノマー群及びパーフルオロアルキルアクリレート等のフッ素化モノマー群のいずれかを原料とする単独重合体もしくは共重合体が好適である。
クラッド層4に用いられる材料は、クラッド層3よりさらに低屈折率を有する透明樹脂であればよい。クラッド層3のモノマー群などからから選択できる。特に、低屈折率を有する含フッ素モノマー群から選択することが好ましい。
反射層5を構成する材料は、ファイバ側面から出射する光を高反射率で反射できる材料であれば制約はない。中でも金属膜は、例えば白色の反射塗料等に比べ、より薄い厚みで高い反射率が得られ、特にファイバとして細い径が要求される場合に好ましい。
図4は、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバの製造方法を示す斜視図である。図4は、図1に示したプラスチックシンチレーションファイバを製造するための母材(プリフォーム)を示す。
第2円筒体13は、ロッド12より低い屈折率を有し、透明な熱可塑性樹脂からなる円筒体である。第2円筒体13は、線引き加工後にクラッド層3を構成する。
図3に示した変形例に係るプラスチックシンチレーションファイバも、同様の製造方法によって製造できる。
次に図5を参照して、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバの応用例について説明する。図5は、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバの応用例を示す斜視図である。当該応用例では、実施の形態1に係るプラスチックシンチレーションファイバPSFが、基板上にアレイ状に配列されている。
なお、当然のことながら、図5に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面である。
中性子反応断面積が水素よりも大きいホウ素10を含む有機化合物であるm-カルボランを5質量%、蛍光体2-(4-t-ブチルフェニル)-5-(4-ビフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(b-PBD)1質量%をスチレンモノマーに添加して重合し、その重合物を外径50mm、内径40mmの最外周層用円筒体(図4の第1円筒体11)を成形した。
実施例1と同様に、外径50mm、内径40mmの最外周層用円筒体(図4の第1円筒体11)を成形した。また、実施例1と同様に、ポリスチレン(屈折率1.59)からなる直径28mmのコア用ロッド(図4のロッド12)と、ポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)からなる外径33mm、内径30mmのインナークラッド層用円筒体(図4の第2円筒体13)とを準備した。コア用ロッドには、波長変換蛍光体として、BBOTを300質量ppmの濃度で溶解させた。
そして、最外周層用円筒体の内部にアウタークラッド層用円筒体を挿入し、その内部にインナークラッド層用円筒体を挿入し、その内部にコア用ロッドを挿入することによって、プリフォームを作製した。
中性子反応断面積が水素よりも大きいリチウム6を含む有機化合物であるピバリン酸リチウムを1.9質量%、蛍光体2-(4-t-ブチルフェニル)-5-(4-ビフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(b-PBD)質量%をスチレンモノマーに添加して重合し、それを外径50mm、内径40mmの最外周層用円筒体(図4の第1円筒体11)を成形した。
実施例1に係るプラスチックシンチレーションファイバの表面に蒸着法によりアルミニウム膜を約50nmの厚みで成膜した。
最外周層1で発光したシンチレーション光や、コア2で波長変換された光が、反射層5で反射することによって、ファイバ側面から外部に漏れ難くなり、高発光となった。
2 コア
3 クラッド層(インナークラッド層)
4 クラッド層(アウタークラッド層)
5 反射層
11 第1円筒体
12 ロッド
13 第2円筒体
PSF プラスチックシンチレーションファイバ
Claims (14)
- 中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料と、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第1蛍光体と、を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記第1蛍光体が発する光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第2蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備え、
前記コア及び前記クラッド層を含む波長変換ファイバと、当該波長変換ファイバの外周面を覆う前記最外周層とが一体形成されており、
前記第1蛍光体が吸収する前記シンチレーション光は、波長250~350nmの紫外光であり、
前記第2蛍光体は、前記第1蛍光体が発する波長350~400nmの光を吸収し、さらに長波長側の光に変換する、
プラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記有機化合物が、リチウム6を含む、
請求項1に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記有機化合物が、ホウ素10を含む、
請求項1に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記有機化合物が、カルボラン系化合物である、
請求項3に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記有機化合物の分子量に占めるホウ素の比率が、50%以上である、
請求項3又は4に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記有機化合物が、ガドリニウムを含む、
請求項1に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記波長変換ファイバと前記最外周層とが、線引き加工によって一体形成されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記最外周層のさらに外側に、前記最外周層を保護する保護層が一体形成されている、
請求項1~7のいずれか一項に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記クラッド層が、
インナークラッド層と、
前記インナークラッド層の外周面を覆うと共に、前記インナークラッド層よりも低い屈折率を有するアウタークラッド層と、を含むマルチクラッド構造を有している、
請求項1~8のいずれか一項に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記最外周層よりも外側に反射層を有する、
請求項1~7のいずれか一項に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記保護層よりも外側に反射層を有する、
請求項8に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 前記反射層が金属膜である、
請求項10又は11に記載のプラスチックシンチレーションファイバ。 - 中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料と、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第1蛍光体と、を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記第1蛍光体が発する光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第2蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備えたプラスチックシンチレーションファイバの製造方法であって、
前記最外周層用の第1円筒体の内部に前記クラッド層用の第2円筒体を挿入し、当該第2円筒体の内部に前記コア用のロッドを挿入し、プリフォームを作製する工程と、
前記プリフォームを加熱しつつ線引き加工する工程と、を備え、
前記第1蛍光体が吸収する前記シンチレーション光は、波長250~350nmの紫外光であり、
前記第2蛍光体は、前記第1蛍光体が発する波長350~400nmの光を吸収し、さらに長波長側の光に変換する、
プラスチックシンチレーションファイバの製造方法。 - 中性子反応断面積が水素よりも大きい元素を含む有機化合物を含有し、中性子線の照射によってシンチレーション光を発するプラスチック材料と、前記シンチレーション光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第1蛍光体と、を含む最外周層と、
前記最外周層の内部に設けられており、前記第1蛍光体が発する光を吸収して長波長に波長変換する少なくとも1種類の第2蛍光体を含む高屈折率のコアと、
前記コアの外周面を覆うと共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッド層と、を備えたプラスチックシンチレーションファイバの製造方法であって、
前記コア及び前記クラッド層を含む波長変換ファイバの表面に、前記最外周層をコーティングし、
前記第1蛍光体が吸収する前記シンチレーション光は、波長250~350nmの紫外光であり、
前記第2蛍光体は、前記第1蛍光体が発する波長350~400nmの光を吸収し、さらに長波長側の光に変換する、
プラスチックシンチレーションファイバの製造方法。
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