JP7648906B2 - 磁気検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気検出装置に関する。
特許文献1には、感磁体としてのアモルファス磁性ワイヤおよび検出コイルを用いて、検出対象磁場の強さを検出する磁気検出装置が開示されている。アモルファス磁性ワイヤは、マグネトインピーダンス効果(MI効果)を生じる性質を有する。すなわち、アモルファス磁性ワイヤは、励磁電流が供給された際に、アモルファス磁性ワイヤに作用する磁場の強さに対応して磁化変化を生じる性質を有する。より詳細には、アモルファス磁性ワイヤは、作用する磁場の強さに対応して円周方向の透磁率が変化することにより、インピーダンスが変化する。検出コイルは、アモルファス磁性ワイヤに巻回されており、アモルファス磁性ワイヤの磁化変化により生じる誘導電圧を出力する。
アモルファス磁性ワイヤに供給する励磁電流は、例えば、パルス電流または高周波電流とされる。例えば、アモルファス磁性ワイヤにパルス電流または高周波電流が供給されると、電流の立ち上がりのタイミングに、アモルファス磁性ワイヤには、作用する磁場の強さに対応した磁化変化が生じる。検出コイルには、アモルファス磁性ワイヤにおける磁化変化に起因する誘導電圧が発生する。
検出コイルに生じる誘導電圧を検出するために、検出コイルに検出回路が接続されている。特許文献1には、検出回路として、検波回路、増幅回路、帰還回路を備える構成が開示されている。検波回路は、励磁電流の供給のタイミングに対応してオン動作するスイッチ、および、スイッチのオン動作の際の電圧をホールドするためのホールドコンデンサを備える。増幅回路は、オペアンプにより構成されており、ホールドコンデンサにホールドされた電圧を増幅する。帰還回路は、増幅回路の出力端子と検出コイルの一端とを接続し、磁気的に負帰還をかけるように構成されている。
特許第5924503号公報
特許文献1に開示された磁気検出装置を構成する検出回路は、帰還回路により、磁気的に負帰還をかけている。そのため、アモルファス磁性ワイヤに検出対象磁場が作用している状態において、検出コイルに帰還電流が流れることになり、検出対象磁場を相殺することが可能な帰還磁場を発生させることができる。従って、検出対象磁場が帰還磁場によって相殺されれば、アモルファス磁性ワイヤには、磁場が作用しない状態となる。
ここで、帰還電流が検出コイルに流れることによって発生する帰還磁場は、帰還電流の大きさに依存する。そのため、検出対象磁場が強い場合において、検出コイルが検出対象磁場を相殺するための帰還磁場を発生するためには、帰還電流を大きくする必要がある。
特許文献1に開示された検出回路においては、帰還回路が検出コイルの一端に接続されており、検出コイルの他端は接地されている。従って、検出コイルに流れる帰還電流は、帰還回路が生成した帰還電圧と接地電圧との電位差に対応した大きさとなる。
当該検出回路において帰還電流を大きくするための手段として、帰還電流が流れる回路における抵抗を小さくする手段が考えられる。しかし、当該抵抗を小さくすると、帰還電圧におけるノイズが大きくなる。帰還電圧のノイズが大きくなることにより、帰還電流のノイズが大きくなり、検出コイルに発生させる帰還磁場にノイズが生じることになる。従って、検出コイルに所望の帰還磁場を発生させるためには、帰還電流が流れる回路における抵抗を小さくすることは適切ではない。また、帰還電流を大きくするための他の手段として、帰還回路における電源電圧を大きくする手段が考えられる。しかし、電源電圧を大きくすると、検出回路が大型化する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、帰還回路を備える場合において、帰還電流が流れる回路の抵抗を小さくせず、かつ、電源電圧を大きくせずに、検出コイルに流れる帰還電流を大きくすることができる磁気検出装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、励磁電流が供給された際に磁場の強さに対応して磁化変化を生じる感磁体、および、前記感磁体に巻回され前記感磁体の前記磁化変化により生じる誘導電圧を出力する検出コイルを備えるマグネトインピーダンスセンサ素子と、
反転入力端子および非反転入力端子の一方が前記検出コイルの第一端に接続され、かつ、反転入力端子および非反転入力端子の他方が前記検出コイルの前記第一端とは反対側の第二端に接続されたメインオペアンプと、
前記メインオペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第一端との間に接続され、前記検出コイルに帰還電流を生じさせるための第一帰還電圧を生成する第一帰還回路と、
前記メインオペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第二端との間に接続され、前記検出コイルに前記帰還電流を生じさせるために、所定基準電圧を基準とした場合に前記第一帰還電圧に対して極性を反転させた第二帰還電圧を生成する第二帰還回路と、
を備える、磁気検出装置にある。
上記態様における磁気検出装置は、検出コイルに接続されるメインオペアンプと、メインオペアンプの出力端子と検出コイルとを接続する帰還回路とを備える。当該構成により、感磁体に検出対象磁場が作用している状態において、検出コイルには帰還電流に生じ、検出コイルが、検出対象磁場を相殺するための帰還磁場を発生する。仮に、帰還磁場が検出対象磁場を完全に相殺する状態になれば、帰還電流が、検出対象磁場の強さに対応する状態となる。つまり、帰還磁場が検出対象磁場を完全に相殺できれば、帰還電流、または、帰還電流に対応する物理量を検出することで、高精度に検出対象磁場を検出することができる。
帰還磁場が検出対象磁場を相殺している状態においては、感磁体に磁場が作用していない状態となる。そのため、検出対象磁場に対応する帰還電流は、感磁体の電磁特性に依存しない。そして、検出対象磁場と帰還電流との関係が、線形性を有するような関係となる。従って、帰還電流または帰還電流に対応する物理量を検出することにより、検出対象磁場の検出精度を向上することができる。
さらに、上記態様における磁気検出装置によれば、マグネトインピーダンスセンサ素子の検出コイルの両端が、メインオペアンプの反転入力端子と非反転入力端子に接続される。さらに、磁気検出装置は、2つの帰還回路を備える。2つの帰還回路としての一方は、メインオペアンプの出力端子と検出コイルの第一端との間に接続される第一帰還回路である。2つの帰還回路の他方は、メインオペアンプの出力端子と検出コイルの第二端との間に接続される第二帰還回路である。
このように構成されることで、検出コイルに生じる帰還電流は、第一帰還回路により生成される第一帰還電圧と、第二帰還回路により生成される第二帰還電圧との電位差に応じた電流となる。つまり、上述した帰還電流に対応する物理量は、例えば、第一帰還電圧と第二帰還電圧との電位差とすることができる。
そして、第二帰還電圧は、所定基準電圧を基準とした場合に第一帰還電圧に対して極性を反転させた電圧としている。従って、第一帰還電圧と第二帰還電圧との電位差を大きくすることができる。つまり、帰還電流を大きくすることができる。そして、帰還電流を大きくするために、帰還電流が流れる回路の抵抗を小さくすることもなく、電源電圧を大きくすることもない。
以上のごとく、上記態様によれば、帰還回路を備える場合において、帰還電流が流れる回路の抵抗を小さくせず、かつ、電源電圧を大きくせずに、検出コイルに流れる帰還電流を大きくすることができる磁気検出装置を提供することができる。
実施形態1の磁気検出装置の構成を示す図である。 実施形態1の磁気検出装置を構成するマグネトインピーダンスセンサ素子の動作を示す図である。 実施形態1の磁気検出装置の動作を説明する図である。 比較例の磁気検出装置の構成を示す図である。 比較例の磁気検出装置の動作を説明する図である。 実施形態1と比較例とにおける検出対象磁場の範囲を説明する図である。 実施形態2の磁気検出装置の構成を示す図である。
磁気検出装置は、磁場の強さを検出する目的であれば、種々適用可能である。例えば、磁気検出装置は、電子コンパス、異物検知センサ、磁気ポジショニングシステムなどに用いることができる。
前記磁気検出装置において、前記マグネトインピーダンスセンサ素子を構成する前記感磁体は、磁性ワイヤ、特に、アモルファス磁性ワイヤを用いることができる。なお、前記感磁体は、励磁電流が供給された際に磁場の強さに対応して磁化変化を生じる性質を有すれば、アモルファス磁性ワイヤ以外を適用することもできる。また、前記感磁体に供給される前記励磁電流は、例えば、パルス電流または高周波電流などの周期的な電流を適用することができる。
また、前記磁気検出装置において、前記第一帰還回路は、入力端子が前記メインオペアンプの出力端子側に接続され、かつ、出力端子が前記検出コイルの前記第一端側に接続された第一帰還用オペアンプを備え、前記第二帰還回路は、入力端子が前記メインオペアンプの出力端子側に接続され、かつ、出力端子が前記検出コイルの前記第二端側に接続された第二帰還用オペアンプを備えるように構成することもできる。
この場合、前記第一帰還電圧は、前記第一帰還用オペアンプの出力端子の電圧であり、前記第二帰還電圧は、前記第二帰還用オペアンプの出力端子の電圧であり、前記第一帰還用オペアンプが前記メインオペアンプの出力端子側に接続される入力端子と、前記第二帰還用オペアンプが前記メインオペアンプの出力端子側に接続される入力端子とにおいて、一方の入力端子が反転入力端子であり、他方の入力端子が非反転入力端子である。
このように構成することで、第一帰還電圧と第二帰還電圧とを、所定基準電圧に対して反転した電圧にすることができる。従って、第一帰還電圧と第二帰還電圧との電位差を大きくすることができ、帰還電流を大きくすることができる。
また、前記第一帰還回路の増幅率と前記第二帰還回路の増幅率とは、同一に設定されることで、前記第二帰還電圧は、前記所定基準電圧を基準とした場合に前記第一帰還電圧を反転した電圧とすることができる。なお、前記第一帰還回路の増幅率と前記第二帰還回路の増幅率とは、異なる値に設定することもできる。
また、前記磁気検出装置において、前記第一帰還回路は、前記第一帰還用オペアンプと、前記第一帰還用オペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第一端との間に接続され、前記検出コイルにより出力される前記誘導電圧が前記第一帰還用オペアンプ側へ移動することを抑制する第一インピーダンス回路と、を備えるように構成することができる。さらに、前記第二帰還回路は、前記第二帰還用オペアンプと、前記第二帰還用オペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第二端との間に接続され、前記検出コイルにより出力される前記誘導電圧が前記第二帰還用オペアンプ側へ移動することを抑制する第二インピーダンス回路と、を備えるように構成することができる。
上記のように構成することにより、前記感磁体が磁化変化することにより前記検出コイルに前記誘導電圧が発生した場合において、前記誘導電圧が、第一帰還用オペアンプ側へ移動することを抑制でき、かつ、第二帰還用オペアンプへ移動することを抑制できる。その結果、前記帰還電流を、検出対象磁場を相殺するための帰還磁場を発生させることができる大きさの電流とすることができる。
また、前記第一インピーダンス回路のインピーダンスと前記第二インピーダンス回路のインピーダンスは、同一に設定することができる。このように構成することで、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧とを、所望の反転した電圧にすることができる。なお、前記第一インピーダンス回路のインピーダンスと前記第二インピーダンス回路のインピーダンスとは、異なる値に設定することができる。
さらに、前記磁気検出装置は、前記メインオペアンプの出力端子に接続され、前記メインオペアンプの出力電圧に対して位相調整処理、微分処理および積分処理の少なくとも1つの処理を行い、前記第一帰還回路および前記第二帰還回路に対する共通帰還入力電圧を生成する共通帰還入力電圧生成回路を備えることもできる。
前記第一帰還回路および前記第二帰還回路に対する入力電圧として、上記処理を行った電圧を生成する場合において、別々の帰還入力電圧生成回路を設ける場合に比べて、1つの共通帰還入力電圧生成回路を設けることにより、回路構成を簡易化することができる。
また、前記磁気検出装置は、さらに、前記検出コイルの前記第一端と前記メインオペアンプの前記反転入力端子との間に接続され、所定タイミング時における前記第一端の電圧をホールドし、ホールドした前記第一端の電圧を前記メインオペアンプの前記反転入力端子に入力する第一入力回路と、前記検出コイルの前記第二端と前記メインオペアンプの前記非反転入力端子との間に接続され、前記所定タイミングと同一のタイミング時における前記第二端の電圧をホールドし、ホールドした前記第二端の電圧を前記メインオペアンプの前記非反転入力端子に入力する第二入力回路と、を備えることができる。このように、前記第一入力回路および前記第二入力回路を設けることにより、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧とを、所望の反転した電圧にすることができる。
また、前記所定基準電圧は、正電圧とすることができる。つまり、前記第一帰還電圧および前記第二帰還電圧は、正電圧である所定基準電圧に対して反転した電圧とすることができる。これにより、検出回路を正電圧の範囲にて動作可能に構成することができる。この場合、メインオペアンプとして、単電源オペアンプを適用することができる。なお、前記所定基準電圧は、接地電圧とすることもできる。この場合は、検出回路が正電圧および負電圧にて動作可能であると良い。
さらに、前記磁気検出装置は、前記第一帰還回路および前記第二帰還回路に前記所定基準電圧としての前記正電圧を印加する共通基準電源を備えることができる。前記第一帰還回路に対する基準電源と、前記第二帰還回路に対する基準電源とを、別々の電源とする場合に比べて、小さな回路とすることができる。
また、前記磁気検出装置は、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧との電位差、または、前記帰還電流を、前記感磁体に作用する検出対象磁場の強さを表す検出信号として出力する信号出力部を備えることができる。上述したように、前記帰還電流は、検出対象磁場の強さに対応する大きさとなる。従って、帰還電流が検出信号として出力されることで、検出対象磁場を確実に検出することができる。また、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧との電位差は、帰還電流に対応する物理量である。そこで、前記磁気検出装置を構成する信号出力部は、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧との電位差を、検出信号として出力することもできる。
(実施形態1)
1.磁気検出装置1の構成
実施形態1における磁気検出装置1について、図1を参照して説明する。図1に示すように、本形態の磁気検出装置1は、マグネトインピーダンスセンサ素子2(以下において、「MIセンサ素子」という。)と、検出回路3とを備える。
MIセンサ素子2は、MIセンサ素子2に作用する磁場BACTの強さに対応した電圧を出力するように構成されている。MIセンサ素子2は、感磁体11と、検出コイル12とを備える。感磁体11は、励磁電流が供給された際に、感磁体11に作用する磁場BACTの強さに対応して磁化変化を生じる。詳細には、感磁体11は、励磁電流としてパルス電流または高周波電流が供給された際に、作用する磁場BACTの強さに対応して円周方向の透磁率が変化することにより、インピーダンスが変化する。つまり、感磁体11に磁場BACTが作用している状態において、感磁体11に励磁電流が供給されると、感磁体11は、磁化変化を生じる。感磁体11は、例えば、磁性ワイヤ、特に、アモルファス磁性ワイヤを適用する。以下において、感磁体11に作用する磁場BACTを、適宜、「作用磁場」ともいう。
ここで、感磁体11に作用する作用磁場BACTは、感磁体11に作用している外部磁場である検出対象磁場BIN、および、後述する帰還磁場BFBの合成磁場である。従って、帰還磁場BFBが検出対象磁場BINを完全に相殺する場合には、感磁体11には、磁場が作用していないことになる。つまり、感磁体11に検出対象磁場BINが作用していたとしても、帰還磁場BFBを生じさせることにより、感磁体11における作用磁場BACTは、ほぼゼロとなる。
検出コイル12は、感磁体11に巻回されている。感磁体11に磁場BACTが作用しており、励磁電流が供給されると、感磁体11の磁化変化により、検出コイル12には誘導電圧が生じる。従って、検出コイル12は、感磁体11の磁化変化により生じる誘導電圧を出力する。
検出回路3は、MIセンサ素子2に電気的に接続し、感磁体11に作用する検出対象磁場BINの強さを検出するように構成される。検出回路3は、励磁回路21、メイン増幅回路22、第一入力回路23、第二入力回路24、第一帰還回路25、第二帰還回路26、信号出力部27、および、基準電源28を備える。
励磁回路21は、感磁体11に励磁電流IINとしてのパルス電流または高周波電流を供給する。さらに、励磁回路21は、検出コイル12の誘導電圧をホールドするためのスイッチタイミング信号Sgを出力する。
メイン増幅回路22は、検出コイル12の第一端12aと第二端12bとの電位差を増幅する。検出コイル12の第二端12bは、第一端12aの反対側の端である。メイン増幅回路22は、メインオペアンプOP_Mを備える。本形態では、メイン増幅回路22は、増幅率を定義するための抵抗R1,R2などを備える。ただし、メイン増幅回路22は、所定の増幅率で信号を増幅することができる構成であれば、種々のアンプ形式のものを採用可能である。
メインオペアンプOP_Mの反転入力端子および非反転入力端子の一方が、検出コイル12の第一端12aに接続され、反転入力端子および非反転入力端子の他方が、検出コイル12の第二端12bに接続される。本形態では、メインオペアンプOP_Mの反転入力端子が、検出コイル12の第一端12aに接続され、非反転入力端子が、検出コイル12の第二端12bに接続される。また、メインオペアンプOP_Mは、単電源オペアンプにより構成される。そこで、メインオペアンプOP_Mの正電源端子には、基準電源28が接続されており、基準電源28の最大電圧Vcc_Aが印加される。メインオペアンプOP_Mの負電源端子は、接地されている。
第一入力回路23は、検出コイル12の第一端12aとメインオペアンプOP_Mの反転入力端子および非反転入力端子の一方との間に接続される。第一入力回路23は、所定タイミング時における第一端12aの電圧をホールドし、ホールドした第一端12aの電圧をメインオペアンプOP_Mの反転入力端子および非反転入力端子の一方に入力する。本形態では、第一入力回路23は、検出コイル12の第一端12aとメインオペアンプOP_Mの反転入力端子との間に接続される。
第一入力回路23は、ハイパスフィルタを構成するコンデンサC1および抵抗R3と、所定タイミング時にオン動作を行うスイッチSw1と、ホールドコンデンサC2とを備える。ハイパスフィルタにより、検出コイル12の第一端12aにおけるカットオフ周波数より大きな周波数の電圧を出力する。ハイパスフィルタを構成する抵抗R3は、インダクタなどの所定のインピーダンスを持つ部品に置換することも可能である。スイッチSw1は、上述した励磁回路21によりスイッチタイミング信号Sgが出力されたタイミングにオン動作を行う。
ホールドコンデンサC2は、スイッチSw1がオン動作を行った際の電圧をホールドする。ここで、ホールドコンデンサC2の一端は、スイッチSw1に接続され、ホールドコンデンサC2の他端は、所定の基準電位Vcc_Bに接続されている。
第二入力回路24は、検出コイル12の第二端12bとメインオペアンプOP_Mの反転入力端子および非反転入力端子の他方との間に接続される。第二入力回路24は、所定タイミング時における第二端12bの電圧をホールドし、ホールドした第二端12bの電圧をメインオペアンプOP_Mの反転入力端子および非反転入力端子の他方に入力する。本形態では、第二入力回路24は、検出コイル12の第二端12bとメインオペアンプOP_Mの非反転入力端子との間に接続される。第二入力回路24がホールドする所定タイミングは、第一入力回路23がホールドする所定タイミングと同一タイミングである。
第二入力回路24は、第一入力回路23と対称に配置されており、第一入力回路23と同様の回路を構成する。第二入力回路24は、ハイパスフィルタを構成するコンデンサC3および抵抗R4と、所定タイミング時にオン動作を行うスイッチSw2と、ホールドコンデンサC4とを備える。ハイパスフィルタにより、検出コイル12の第二端12bにおけるカットオフ周波数より大きな周波数の電圧を出力する。ハイパスフィルタを構成する抵抗R4は、インダクタなどの所定のインピーダンスを持つ部品に置換することも可能である。スイッチSw2は、上述した励磁回路21によりスイッチタイミング信号Sgが出力されたタイミングにオン動作を行う。
ホールドコンデンサC4は、スイッチSw2がオン動作を行った際の電圧をホールドする。ここで、ホールドコンデンサC4の一端は、スイッチSw2に接続され、ホールドコンデンサC4の他端は、所定の基準電位Vcc_Bに接続されている。
第一帰還回路25は、メインオペアンプOP_Mの出力端子と検出コイル12の第一端12aとの間に接続される。第一帰還回路25は、検出コイル12に帰還電流IFBを生じさせるための第一帰還電圧VFB1を生成する。
第一帰還回路25は、第一帰還用オペアンプOP_FB1により構成された回路25aと、第一インピーダンス回路25bとを備える。第一帰還用オペアンプOP_FB1により構成された回路25aは、増幅回路としても良いし、バッファ回路としても良い。本形態では、当該回路25aは、反転増幅回路を例示する。
第一帰還用オペアンプOP_FB1は、単電源オペアンプにより構成される。第一帰還用オペアンプOP_FB1の正電源端子には、基準電源28が接続されており、基準電源28の最大電圧Vcc_Aが印加される。第一帰還用オペアンプOP_FB1の負電源端子は、接地されている。
第一帰還用オペアンプOP_FB1の入力端子は、メインオペアンプOP_Mの出力端子側に接続される。本形態では、第一帰還用オペアンプOP_FB1の反転入力端子が、抵抗R5を介してメインオペアンプOP_Mの出力端子側に接続される。第一帰還用オペアンプOP_FB1において、反転入力端子の電圧は、非反転入力端子の電圧に一致するように動作する。
第一帰還用オペアンプOP_FB1の非反転入力端子は、抵抗R7を介して基準電源28に接続される。例えば、抵抗R7における第一帰還用オペアンプOP_FB1とは反対側の端には、基準電源28の最大電圧Vcc_Aを半分にした電圧「Vcc_A/2」が印加される。電圧「Vcc_A/2」が、所定基準電圧VBである。本形態では、所定基準電圧VBは、正電圧に設定されている。
第一帰還用オペアンプOP_FB1の出力端子は、検出コイル12の第一端12a側に接続される。第一帰還電圧VFB1は、第一帰還用オペアンプOP_FB1の出力端子の電圧である。また、第一帰還用オペアンプOP_FB1を構成する回路25aは、反転増幅回路であるため、抵抗R5,R6の比によって、増幅率が決定される。
第一インピーダンス回路25bは、第一帰還用オペアンプOP_FB1の出力端子と検出コイル12の第一端12aとの間に接続される。第一インピーダンス回路25bは、検出コイル12により出力される誘導電圧が第一帰還用オペアンプOP_FB1側へ移動することを抑制するように構成される。本形態では、第一インピーダンス回路25bは、抵抗R8とインダクタL1により構成される。ただし、第一インピーダンス回路25bは、種々のインピーダンス回路を適用することができる。
第二帰還回路26は、メインオペアンプOP_Mの出力端子と検出コイル12の第二端12bとの間に接続される。第二帰還回路26は、検出コイル12に帰還電流IFBを生じさせるための第二帰還電圧VFB2を生成する。
第二帰還回路26は、第二帰還用オペアンプOP_FB2により構成された回路26aと、第二インピーダンス回路26bとを備える。第二帰還用オペアンプOP_FB2により構成された回路26aは、増幅回路としても良いし、バッファ回路としても良い。ただし、当該回路26aは、第一帰還回路25を構成する回路25aとは反転された回路を構成する。本形態では、当該回路26aは、非反転増幅回路を例示する。
第二帰還用オペアンプOP_FB2は、単電源オペアンプにより構成される。第二帰還用オペアンプOP_FB2の正電源端子には、基準電源28が接続されており、基準電源28の最大電圧Vcc_Aが印加される。第二帰還用オペアンプOP_FB2の負電源端子は、接地されている。
第二帰還用オペアンプOP_FB2の入力端子は、メインオペアンプOP_Mの出力端子側に接続される。本形態では、第二帰還用オペアンプOP_FB2の反転入力端子は、抵抗R9を介して基準電源28に接続される。抵抗R9における第二帰還用オペアンプOP_FB2とは反対側の端には、基準電源28の最大電圧Vcc_Aを半分にした電圧「Vcc_A/2」が印加される。電圧「Vcc_A/2」が、所定基準電圧VBである。抵抗R9は、第一帰還回路25における抵抗R7と同一抵抗とする。そして、第二帰還用オペアンプOP_FB2において、反転入力端子の電圧は、非反転入力端子の電圧に一致するように動作する。
第二帰還用オペアンプOP_FB2の非反転入力端子が、抵抗R11を介してメインオペアンプOP_Mの出力端子側に接続される。本形態では、抵抗R11は、第一帰還回路25における抵抗R5と同一抵抗とする。
第二帰還用オペアンプOP_FB2の出力端子は、検出コイル12の第二端12b側に接続される。第二帰還電圧VFB2は、第二帰還用オペアンプOP_FB2の出力端子の電圧である。また、第二帰還用オペアンプOP_FB2を構成する回路26aは、非反転増幅回路であるため、抵抗R9,R10の比によって、増幅率が決定される。
上記のように、第一帰還回路25および第二帰還回路26が構成されることで、第二帰還電圧VFB2は、所定基準電圧VBを基準とした場合に第一帰還電圧VFB1に対して極性を反転させた電圧となる。ここでの極性とは、所定基準電圧VBをゼロとした場合に、正の極性であるか負の極性であるかを意味する。
本形態においては、第二帰還回路26における非反転増幅回路を構成する回路26aの増幅率は、第一帰還回路25における反転増幅回路を構成する回路25aの増幅率と同一に設定されている。従って、第二帰還電圧VFB2は、第一帰還電圧VFB1を所定基準電圧VBに対して反転した電圧とすることができる。この場合、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの差の絶対値と、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの差の絶対値との比が、1となる。
ただし、回路25aの増幅率と回路26aの増幅率とは、異なる値に設定可能である。この場合、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの差の絶対値と、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの差の絶対値との比が、1以外の値となる。
第二インピーダンス回路26bは、第二帰還用オペアンプOP_FB2の出力端子と検出コイル12の第二端12bとの間に接続される。第二インピーダンス回路26bは、検出コイル12により出力される誘導電圧が第二帰還用オペアンプOP_FB2側へ移動することを抑制するように構成される。本形態では、第二インピーダンス回路26bは、抵抗R12とインダクタL2により構成される。ただし、第二インピーダンス回路26bは、種々のインピーダンス回路を適用することができる。第二インピーダンス回路26bのインピーダンスは、第一インピーダンス回路25bのインピーダンスと同一に設定されている。
信号出力部27は、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVx、または、帰還電流IFBを、感磁体11に作用する検出対象磁場BINの強さを表す検出信号として出力する。
ここで、本形態においては、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差、および、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの電位差は、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxの半分の値である。従って、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差、および、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの電位差も、検出対象磁場BINに対応している。そこで、信号出力部27は、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差、または、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの電位差を、感磁体11に作用する検出対象磁場BINの強さを表す検出信号として出力することもできる。
基準電源28は、メインオペアンプOP_M、第一帰還用オペアンプOP_FB1、第二帰還用オペアンプOP_FB2の正電源端子に電源電圧を印加する。さらに、基準電源28は、第一帰還用オペアンプOP_FB1および第二帰還用オペアンプOP_FB2に、所定基準電圧VBとしての正電圧を印加する共通の電源としても機能する。
2.MIセンサ素子2の動作
次に、MIセンサ素子2の動作について図2を参照して説明する。ここでは、MIセンサ素子2は、図1に示す検出回路3に接続されていない場合とする。つまり、MIセンサ素子2単体としての動作を説明する。
図2(a)には、感磁体11に供給される励磁電流IINがパルス電流である場合を示す。MIセンサ素子2は、パルス電流の立ち上がりの変化に対して、誘導電圧の応答速度を異なるように設計することが可能である。図2(b)には、MIセンサ素子2に磁場が作用している場合に、MIセンサ素子2が高応答の場合の誘導電圧Vs1を示す。また、図2(c)には、MIセンサ素子2に磁場が作用している場合に、MIセンサ素子2が低応答の場合の誘導電圧Vs2を示す。
図2(a)に示すように、パルス電流である励磁電流IINが感磁体11に供給されると、パルス電流の立ち上がりの変化によって、感磁体11に作用している磁場の強さに対応して、感磁体11が磁化変化する。感磁体11の磁化変化によって、図2(b)または図2(c)に示すように、検出コイル12に誘導電圧が生じる。
図2(b)に示すように、MIセンサ素子2が高応答の場合には、パルス電流の立ち上がり直後において、誘導電圧Vs1は、減衰振動を示す。そして、時刻Tのときに、誘導電圧Vs1がピーク値となる。誘導電圧Vs1のピーク値が、MIセンサ素子2に作用している磁場の強さに対応している。なお、MIセンサ素子2が高応答の場合には、パルス電流の立ち下がり直後においても、誘導電圧Vs1は、減衰振動を示す。
図2(c)に示すように、MIセンサ素子2が低応答の場合には、誘導電圧Vs2は、パルス電流の立ち上がり直後から緩やかに上昇する。そして、時刻Tのときに、誘導電圧Vs2がピーク値となる。誘導電圧Vs2のピーク値が、MIセンサ素子2に作用している磁場の強さに対応している。そして、誘導電圧Vs2は、パルス電流の立ち下がり直後から緩やかに低下する。
本形態の磁気検出装置1において、MIセンサ素子2は、高応答の構成を適用することもできるし、低応答の構成を適用することもできる。
3.磁気検出装置1の動作
次に、磁気検出装置1の動作について図3を参照して説明する。図3において、検出対象磁場BINが感磁体11に作用している場合に、検出回路3における各部位の電圧V1~V5、第一帰還電圧VFB1、第二帰還電圧VFB2、帰還電流IFB、帰還磁場BFB、作用磁場BACTの挙動について説明する。
図3(a)に示すように、感磁体11に作用する検出対象磁場BINは、周期的に磁場方向が変化する場合とし、さらに、磁場の強さが正弦波のように変化する場合を例にあげる。ただし、検出対象磁場BINは、説明を分かりやすくするための挙動を例にあげており、実際には任意の挙動を示す。
仮に、検出回路3が第一帰還回路25および第二帰還回路26を備えない場合には、図2を用いて説明したように、検出コイル12の両端の電位差は、感磁体11に作用する検出対象磁場BINの強さに応じて変動する。しかし、本形態においては、検出回路3は、上述したように、第一帰還回路25および第二帰還回路26を備える。従って、検出コイル12の両端の電位差がゼロとなるように、帰還電流IFBが生成される。
本形態において、図3(h)に示すように、帰還電流IFBが生成され、帰還電流IFBが検出コイル12に流れると、図3(i)に示すように、検出コイル12には、帰還磁場BFBが発生する。帰還磁場BFBが検出対象磁場BINを完全に相殺することができれば、図3(j)に示すように、感磁体11に作用する作用磁場BACTがゼロとなる。
つまり、感磁体11に検出対象磁場BINが作用しているとしても、感磁体11に作用する作用磁場BACTは、ほぼゼロとなる。従って、感磁体11は、励磁電流IINが供給されたとしても、作用磁場BACTがほぼゼロであるため、検出コイル12の誘導電圧はほぼゼロとなる。図3(b)(c)に示すように、検出コイル12の両端電圧V1,V2は、ほぼゼロとなる。
検出コイル12の両端電圧V1,V2がほぼゼロであるため、図3(d)(e)に示すように、メイン増幅回路22の反転入力端子および非反転入力端子における電圧V3,V4も、ほぼゼロとなる。従って、図3(f)に示すように、メイン増幅回路22の出力端子の電圧V5も、ほぼゼロとなる。
上述したように、検出回路3が第一帰還回路25および第二帰還回路26を備えることにより、帰還電流IFBが生成される。帰還電流IFBは、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVx、および、検出コイル12に流れる回路におけるインピーダンスにより決定される。本形態においては、検出コイル12に流れる回路におけるインピーダンスは、第一インピーダンス回路25bのインピーダンスおよび第二インピーダンス回路26bのインピーダンスの合成となる。
そして、第二帰還電圧VFB2は、所定基準電圧VBを基準とした場合に第一帰還電圧VFB1に対して極性を反転させた電圧となる。本形態では、第二帰還電圧VFB2は、第一帰還電圧VFB1を所定基準電圧VBに対して反転させた電圧となる。
従って、第一帰還電圧VFB1および第二帰還電圧VFB2は、図3(g)に示すような挙動を示す。第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxは、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差よりも大きな値となる。本形態では、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxは、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差の倍の値となり、第二帰還電圧VFB2と所定基準電圧VBとの電位差の倍の値となる。
このように、第一帰還電圧VFB1および第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxを大きくすることにより、大きな帰還電流IFBを発生させることが可能となる。大きな帰還電流IFBを発生させることができるということは、帰還磁場BFBを大きくすることができるということである。つまり、大きな検出対象磁場BINを相殺するための帰還磁場BFBを発生させることができるため、大きな検出対象磁場BINを検出することができるようになる。
4.比較例の磁気検出装置100
比較例の磁気検出装置100の構成について図4を参照して説明する。磁気検出装置100は、MIセンサ素子2と、検出回路103とを備える。MIセンサ素子2は、上述した実施形態1におけるMIセンサ素子2と同一である。
検出回路103は、励磁回路121、メイン増幅回路122、入力回路123、帰還回路124を備える。検出回路103の各構成において、実施形態1の構成と同一構成には、同一符号を付す。
励磁回路121は、感磁体11に励磁電流IINを供給し、入力回路123のスイッチSw1に、検出コイル12の誘導電圧をホールドするためのスイッチタイミング信号Sgを出力する。メイン増幅回路122は、メインオペアンプOP_Mにより構成される。比較例においては、メインオペアンプOP_Mは、両電源オペアンプにより構成される。入力回路123は、実施形態1の第一入力回路23と同様の構成を有する。帰還回路124は、実施形態1の第一帰還回路25と実質的に同様の構成を有する。帰還回路124は、帰還用オペアンプOP_FBにより構成された回路124a、および、インピーダンス回路124bを備える。帰還用オペアンプOP_FBは、両電源オペアンプにより構成される。
比較例の磁気検出装置100の動作について図5を参照して説明する。図5(a)に示すように、感磁体11に作用する検出対象磁場BINは、周期的に磁場方向が変化する場合とし、さらに、磁場の強さが正弦波のように変化する場合を例にあげる。
この場合、検出回路103が帰還回路124を備えるため、図5(b)(c)に示すように、検出コイル12の両端電圧V11,V12は、ほぼゼロとなる。検出コイル12の両端電圧V11,V12がほぼゼロであるため、図5(d)に示すように、メイン増幅回路122の入力端子における電圧V13も、ほぼゼロとなる。従って、図5(e)に示すように、メイン増幅回路122の出力端子の電圧V14も、ほぼゼロとなる。
そして、検出回路103が帰還回路124を備えることにより、帰還電流IFBが生成される。帰還電流IFBは、帰還電圧VFBと所定基準電圧である接地電圧との電位差ΔVy、および、検出コイル12に流れる回路におけるインピーダンスにより決定される。比較例においては、検出コイル12に流れる回路におけるインピーダンスは、インピーダンス回路124bのインピーダンスとなる。
従って、帰還電圧VFBは、図5(f)に示すような挙動を示す。帰還電圧VFBと接地電圧との電位差ΔVyに応じた帰還電流IFBが検出コイル12に発生し、帰還磁場BFBが発生する。検出対象磁場BINが帰還磁場BFBに相殺される状態になれば、感磁体11に作用する作用磁場BACTは、ほぼゼロとなる。
5.実施形態1と比較例との比較
図6を参照して、実施形態1の磁気検出装置1と比較例の磁気検出装置100とを比較する。図6には、実線により、実施形態1の磁気検出装置1において、検出対象磁場BINと、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxとの関係を示す。第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxは、帰還電流IFBに対応する。従って、実施形態1において、検出対象磁場BINと帰還電流IFBとの関係も同様の関係となる。
また、図6には、太破線により、比較例の磁気検出装置100において、検出対象磁場BINと、帰還電圧VFBと接地電圧との電位差ΔVyとの関係を示す。比較例において、検出コイル12の第二端12bが接地されているため、帰還電圧VFBと接地電圧との電位差ΔVyは、帰還電流IFBに対応する。従って、比較例において、検出対象磁場BINと帰還電流IFBとの関係も同様の関係となる。なお、検出コイル12の第二端12bが接地されているため、帰還電圧VFBと接地電圧との電位差ΔVyは、帰還電圧VFBに一致する。
実施形態1において、検出対象磁場BINがゼロを中心とするΔBxの範囲では、検出対象磁場BINと電位差ΔVxとの関係は、線形性を有する。つまり、ΔBxの範囲では、検出対象磁場BINが大きくなるほど、電位差ΔVxが大きくなり、増加率は一定である。
しかし、検出対象磁場BINが一方方向の磁場の強さがBx_maxより大きくなると、電位差ΔVxが正の上限値に達してしまうため、より大きな帰還電流IFBを生じさせることができなくなる。そのため、検出対象磁場BINが一方方向の磁場の強さがBx_maxより大きくなったとしても、電位差ΔVxは、正の上限値のままとなる。なお、第一帰還電圧VFB1が上限値に達すると、電位差ΔVxが正の上限値に達することになる。
同様に、検出対象磁場BINが他方方向の磁場の強さがBx_minの絶対値より大きくなると、電位差ΔVxが負の下限値に達してしまうため、より大きな帰還電流IFBを生じさせることができなくなる。そのため、検出対象磁場BINが他方方向の磁場の強さがBx_minの絶対値より大きくなったとしても、電位差ΔVxは、負の下限値のままとなる。なお、第二帰還電圧VFB2が上限値に達すると、電位差ΔVxが負の下限値に達することになる。
一方、比較例においては、検出対象磁場BINがゼロを中心とするΔByの範囲では、検出対象磁場BINと電位差ΔVyとの関係は、線形性を有する。つまり、ΔByの範囲では、検出対象磁場BINが大きくなるほど、電位差ΔVyが大きくなり、増加率は一定である。
しかし、検出対象磁場BINが一方方向の磁場の強さがBy_maxより大きくなると、電位差ΔVyが正の上限値に達してしまうため、より大きな帰還電流IFBを生じさせることができなくなる。そのため、検出対象磁場BINが一方方向の磁場の強さがBy_maxより大きくなったとしても、電位差ΔVyは、正の上限値のままとなる。なお、帰還電圧VFBが正の上限値に達すると、電位差ΔVyが正の上限値に達することになる。
同様に、検出対象磁場BINが他方方向の磁場の強さがBy_minの絶対値より大きくなると、電位差ΔVyが負の下限値に達してしまうため、より大きな帰還電流IFBを生じさせることができなくなる。そのため、検出対象磁場BINが他方方向の磁場の強さがBy_minの絶対値より大きくなったとしても、電位差ΔVyは、負の下限値のままとなる。なお、帰還電圧VFBが負の下限値に達すると、電位差ΔVyが負の下限値に達することになる。
つまり、実施形態1の磁気検出装置1においても、比較例の磁気検出装置100においても、検出対象磁場BINの検出可能な範囲ΔBx、ΔByは、帰還電流IFBの最大値に依存する。
実施形態1の磁気検出装置1において、帰還電流IFBの最大値は、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVx(図3(g)に示す)の大きさに依存する。第二帰還電圧VFB2は、所定基準電圧VBを基準とした場合に第一帰還電圧VFB1に対して極性を反転させた電圧となる。特に、第二帰還電圧VFB2は、第一帰還電圧VFB1を所定基準電圧VBに対して反転させた電圧となる。従って、第一帰還電圧VFB1および第二帰還電圧VFB2は、図3(g)に示すような挙動を示す。第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxは、第一帰還電圧VFB1と所定基準電圧VBとの電位差の倍の値となる。
一方、比較例の磁気検出装置100において、帰還電流IFBの最大値は、帰還電圧VFBと接地電圧との電位差ΔVy(図5(f)に示す)の大きさに依存する。
実施形態1における第一帰還電圧VFB1および第二帰還電圧VFB2の最大値、ならびに、比較例における帰還電圧VFBの最大値は、電源が印加可能な最大電圧に依存する。また、帰還電流IFBは、検出コイル12を流れる回路におけるインピーダンスに依存する。
従って、実施形態1と比較例とにおいて、電源が印加可能な最大電圧が同一であって、検出コイル12に流れる回路のインピーダンスが同一である場合には、実施形態1の帰還電流IFBの最大値は、比較例の帰還電流IFBの最大値の2倍となる。つまり、実施形態1の磁気検出装置1は、比較例の磁気検出装置100に対して、電源電圧およびインピーダンスを同一としたとしても、検出対象磁場BINの検出可能な範囲を2倍にすることができる。
6.実施形態1の効果
本形態の磁気検出装置1は、検出コイル12に接続されるメインオペアンプOP_Mと、メインオペアンプOP_Mの出力端子と検出コイル12とを接続する帰還回路25,26とを備える。当該構成により、感磁体11に検出対象磁場BINが作用している状態において、検出コイル12には帰還電流IFBに生じ、検出コイル12が、検出対象磁場BINを相殺するための帰還磁場BFBを発生する。仮に、帰還磁場BFBが検出対象磁場BINを完全に相殺する状態になれば、帰還電流IFBまたは帰還電圧VFBが、検出対象磁場BINの強さに対応する状態となる。つまり、帰還磁場BFBが検出対象磁場BINを完全に相殺できれば、帰還電流IFB、または、帰還電流IFBに対応する物理量を検出することで、高精度に検出対象磁場BINを検出することができる。
帰還磁場BFBが検出対象磁場BINを相殺している状態においては、感磁体11に磁場が作用していない状態となる。そのため、検出対象磁場BINに対応する帰還電流IFBは、感磁体11の電磁特性に依存しない。そして、検出対象磁場BINと帰還電流IFBとの関係が、線形性を有するような関係となる。従って、帰還電流IFBまたは帰還電流IFBに対応する物理量を検出することにより、検出対象磁場BINの検出精度を向上することができる。
さらに、本形態の磁気検出装置1によれば、MIセンサ素子2の検出コイル12の両端が、メインオペアンプOP_Mの反転入力端子と非反転入力端子に接続される。さらに、磁気検出装置1は、2つの帰還回路25,26を備える。2つの帰還回路25,26としての一方は、メインオペアンプOP_Mの出力端子と検出コイル12の第一端12aとの間に接続される第一帰還回路25である。2つの帰還回路25,26の他方は、メインオペアンプOP_Mの出力端子と検出コイル12の第二端12bとの間に接続される第二帰還回路26である。
このように構成されることで、検出コイル12に生じる帰還電流IFBは、第一帰還回路25により生成される第一帰還電圧VFB1と、第二帰還回路26により生成される第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxに応じた電流となる。つまり、上述した帰還電流IFBに対応する物理量は、例えば、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxとすることができる。
そして、第二帰還電圧VFB2は、所定基準電圧VBを基準とした場合に第一帰還電圧VFB1に対して極性を反転させた電圧としている。特に、第二帰還電圧VFB2は、第一帰還電圧VFB1を所定基準電圧VBに対して反転した電圧としている。従って、第一帰還電圧VFB1と第二帰還電圧VFB2との電位差ΔVxを大きくすることができる。つまり、帰還電流IFBを大きくすることができる。そして、帰還電流IFBを大きくするために、帰還電流IFBが流れる回路の抵抗を小さくすることもなく、電源電圧を大きくすることもない。
以上のごとく、本形態によれば、帰還回路25,26を備える場合において、帰還電流IFBが流れる回路の抵抗を小さくせず、かつ、電源電圧を大きくせずに、検出コイル12に流れる帰還電流IFBを大きくすることができる磁気検出装置1を提供することができる。
(実施形態2)
本形態の磁気検出装置1について図7を参照して説明する。本形態の磁気検出装置1は、MIセンサ素子2と、検出回路4とを備える。検出回路4は、実施形態1の検出回路3に対して、共通帰還入力電圧生成回路29を追加で備える。
共通帰還入力電圧生成回路29の他は、実施形態1と同様である。検出回路4は、実施形態1の検出回路3と同様に信号出力部27および基準電源28を備えるが、図7においては省略する。なお、実施形態2において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
共通帰還入力電圧生成回路29(以下、単に「生成回路29」という。)は、メインオペアンプOP_Mの出力端子に接続され、メインオペアンプOP_Mの出力電圧に対して位相調整処理、微分処理および積分処理の少なくとも1つの処理を行う。生成回路29は、第一帰還回路25および第二帰還回路26に対する共通帰還入力電圧を生成する。つまり、生成回路29は、第一帰還回路25を構成する第一帰還用オペアンプOP_FB1の反転入力端子、および、第二帰還回路26を構成する第二帰還用オペアンプOP_FB2の非反転入力端子に接続される。
生成回路29は、オペアンプOP_Sにより構成される。また、生成回路29は、目的の機能に応じて、抵抗R13,R14、コンデンサC5,C6を備えるように構成される。また、オペアンプOP_Sは、単電源オペアンプにより構成される。
本形態によれば、第一帰還回路25および第二帰還回路26に対する入力電圧として、上記処理を行った電圧を生成する場合において、別々の生成回路を設ける場合に比べて、1つの生成回路29を設けることにより、回路構成を簡易化することができる。
さらに、本形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
なお、生成回路29が、微分処理および積分処理を行う回路である場合、入出力信号の位相が180°反転する。この場合、メインオペアンプOP_Mの非反転入力端子が、検出コイル12の第一端12aに接続され、反転入力端子が、検出コイル12の第二端12bに接続されるようにすると良い。
(その他)
実施形態1,2において、各オペアンプOP_M、OP_FB1、OP_FB2、OP_Sは、単電源オペアンプにより構成したが、両電源オペアンプにより構成することも可能である。この場合、所定基準電圧VBが正電圧ではなく、接地電位付近とすることもできる。
また、実施形態1において、第一帰還回路25および第二帰還回路26は、メイン増幅回路22の出力端子に直接接続した。この他に、A-D変換回路およびD-A変換回路を介在するように接続しても良い。これにより、デジタル信号処理を施すことも可能である。
1 磁気検出装置
2 マグネトインピーダンスセンサ素子(MIセンサ素子)
12 検出コイル
12a 検出コイルの第一端
12b 検出コイルの第二端
25 第一帰還回路
26 第二帰還回路
OP_M メインオペアンプ
FB1 第一帰還電圧
FB2 第二帰還電圧
VB 所定基準電圧

Claims (10)

  1. 励磁電流が供給された際に磁場の強さに対応して磁化変化を生じる感磁体、および、前記感磁体に巻回され前記感磁体の前記磁化変化により生じる誘導電圧を出力する検出コイルを備えるマグネトインピーダンスセンサ素子と、
    反転入力端子および非反転入力端子の一方が前記検出コイルの第一端に接続され、かつ、反転入力端子および非反転入力端子の他方が前記検出コイルの前記第一端とは反対側の第二端に接続されたメインオペアンプと、
    前記メインオペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第一端との間に接続され、前記検出コイルに帰還電流を生じさせるための第一帰還電圧を生成する第一帰還回路と、
    前記メインオペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第二端との間に接続され、前記検出コイルに前記帰還電流を生じさせるために、所定基準電圧を基準とした場合に前記第一帰還電圧に対して極性を反転させた第二帰還電圧を生成する第二帰還回路と、
    を備える、磁気検出装置。
  2. 前記第一帰還回路は、入力端子が前記メインオペアンプの出力端子側に接続され、かつ、出力端子が前記検出コイルの前記第一端側に接続された第一帰還用オペアンプを備え、
    前記第二帰還回路は、入力端子が前記メインオペアンプの出力端子側に接続され、かつ、出力端子が前記検出コイルの前記第二端側に接続された第二帰還用オペアンプを備え、
    前記第一帰還電圧は、前記第一帰還用オペアンプの出力端子の電圧であり、
    前記第二帰還電圧は、前記第二帰還用オペアンプの出力端子の電圧であり、
    前記第一帰還用オペアンプが前記メインオペアンプの出力端子側に接続される入力端子と、前記第二帰還用オペアンプが前記メインオペアンプの出力端子側に接続される入力端子とにおいて、一方の入力端子が反転入力端子であり、他方の入力端子が非反転入力端子である、請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記第一帰還回路の増幅率と前記第二帰還回路の増幅率とは、同一に設定され、
    前記第二帰還電圧は、前記所定基準電圧を基準とした場合に前記第一帰還電圧を反転した電圧とされる、請求項2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記第一帰還回路は、
    前記第一帰還用オペアンプと、
    前記第一帰還用オペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第一端との間に接続され、前記検出コイルにより出力される前記誘導電圧が前記第一帰還用オペアンプ側へ移動することを抑制する第一インピーダンス回路と、
    を備え、
    前記第二帰還回路は、
    前記第二帰還用オペアンプと、
    前記第二帰還用オペアンプの出力端子と前記検出コイルの前記第二端との間に接続され、前記検出コイルにより出力される前記誘導電圧が前記第二帰還用オペアンプ側へ移動することを抑制する第二インピーダンス回路と、
    を備える、請求項2または3に記載の磁気検出装置。
  5. 前記第一インピーダンス回路のインピーダンスと前記第二インピーダンス回路のインピーダンスは、同一に設定されている、請求項4に記載の磁気検出装置。
  6. さらに、前記メインオペアンプの出力端子に接続され、前記メインオペアンプの出力電圧に対して位相調整処理、微分処理および積分処理の少なくとも1つの処理を行い、前記第一帰還回路および前記第二帰還回路に対する共通帰還入力電圧を生成する共通帰還入力電圧生成回路を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
  7. さらに、
    前記検出コイルの前記第一端と前記メインオペアンプの前記反転入力端子との間に接続され、所定タイミング時における前記第一端の電圧をホールドし、ホールドした前記第一端の電圧を前記メインオペアンプの前記反転入力端子に入力する第一入力回路と、
    前記検出コイルの前記第二端と前記メインオペアンプの前記非反転入力端子との間に接続され、前記所定タイミングと同一のタイミング時における前記第二端の電圧をホールドし、ホールドした前記第二端の電圧を前記メインオペアンプの前記非反転入力端子に入力する第二入力回路と、
    を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
  8. 前記所定基準電圧は、正電圧である、請求項1~7のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
  9. さらに、前記第一帰還回路および前記第二帰還回路に前記所定基準電圧としての前記正電圧を印加する共通の基準電源を備える、請求項8に記載の磁気検出装置。
  10. さらに、前記第一帰還電圧と前記第二帰還電圧との電位差、または、前記帰還電流を、前記感磁体に作用する検出対象磁場の強さを表す検出信号として出力する信号出力部を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
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