以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて、本発明に係る空調装置の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本発明に係る空調装置を、電気自動車に搭載された車両用空調装置1に適用している。電気自動車は、走行用の駆動力を電動モータから得る車両である。車両用空調装置1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調を行う。
車両用空調装置1は、図1の全体構成図に示すように、冷凍サイクル装置10、室内空調ユニット30を有している。
まず、冷凍サイクル装置10について説明する。冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、車室内へ送風される送風空気の温度を調整する。冷凍サイクル装置10は、運転モードに応じて、冷媒を循環させる冷媒回路を切り替え可能に構成されている。
冷凍サイクル装置10では、冷媒として、HFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。冷凍サイクル装置10は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油は、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)である。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、車室の前方側の駆動装置室内に配置されている。駆動装置室は、走行用の駆動力を出力するための駆動用装置(例えば、電動モータ)等の少なくとも一部が配置された車室外空間である。
圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて回転駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置60から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。
圧縮機11の吐出口には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
室内凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と送風空気とを熱交換させる熱交換器である。室内凝縮器12では、高圧冷媒の有する熱を送風空気に放熱させて、高圧冷媒を凝縮させるとともに、送風空気を加熱する。従って、室内凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として送風空気を加熱する加熱部である。
室内凝縮器12の冷媒出口には、四方弁13の1つの流入出口側が接続されている。四方弁13は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を循環させる冷媒回路を切り替える冷媒回路切替部である。四方弁13は、制御装置60から出力される制御電圧によって、その作動が制御される電気式の切替弁である。
四方弁13は、具体的に、室内凝縮器12の冷媒出口側と第1膨張弁14aの一方の流入出口側とを接続すると同時に、後述する室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側と圧縮機11の吸入口側とを接続する冷媒回路に切り替えることができる。さらに、四方弁13は、室内凝縮器12の冷媒出口側と後述する室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側とを接続すると同時に、第1膨張弁14aの一方の流入出口側と圧縮機11の吸入口側とを接続する冷媒回路に切り替えることができる。
四方弁13の別の流入出口には、第1膨張弁14aの一方の流入出口側が接続されている。第1膨張弁14aは、冷媒を減圧させる第1減圧部である。第1膨張弁14aは、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する第1冷媒流量調整部である。
第1膨張弁14aは、絞り開度を変化させる弁体、および弁体を変位させる電動アクチュエータを有する電気式の可変絞り機構である。第1膨張弁14aは、制御装置60から出力される制御信号(制御パルス)によって、その作動が制御される。さらに、第1膨張弁14aは、弁開度を全開とすることで、冷媒減圧作用および流量調整作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。
第1膨張弁14aの他方の流入出口には、室内蒸発器15の一方の冷媒出入口側が接続されている。室内蒸発器15は、室内空調ユニット30のケーシング31内であって、室内凝縮器12よりも送風空気流れ上流側に配置されている。
室内蒸発器15は、第1膨張弁14aまたは第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒と送風空気とを熱交換させる熱交換器である。室内蒸発器15は、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、冷却対象物を冷却する冷却用熱交換部である。室内蒸発器15は、冷却対象物として室内凝縮器12へ流入する前の送風空気を冷却する空気冷却用熱交換部である。
さらに、本実施形態では、室内蒸発器15として、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器を採用している。タンクアンドチューブ型の熱交換器は、複数の冷媒チューブおよび一対の冷媒タンクを有する。
冷媒チューブは、内部に冷媒を流通させる金属製の管である。複数の冷媒チューブは、間隔を空けて所定方向に積層配置されている。そして、隣り合うチューブ同士の間には、送風空気を流通させる空気通路が形成されている。空気通路には、冷媒と送風空気との熱交換を促進する熱交換フィンが配置されている。熱交換フィンは、金属薄板を波形に折り曲げて形成したコルゲートフィンである。
冷媒タンクは、複数の冷媒チューブの積層方向に延びる金属製の有底筒状部材である。一対の冷媒タンクは、それぞれ冷媒チューブの両端部に接続されている。冷媒タンクの内部には、複数の冷媒チューブへ冷媒を分配する分配空間、および複数の冷媒チューブから流出した冷媒を集合させる集合空間が形成されている。従って、タンクアンドチューブ型の熱交換器では、主に冷媒チューブおよび熱交換フィンによって冷媒と送風空気とを熱交換させる熱交換コア部が形成される。
室内蒸発器15では、熱交換コア部の外表面にデシカント材15aが塗布されている。デシカント材15aは、送風空気に含まれる水分を吸着する吸着部である。つまり、室内蒸発器15は、吸着部を有している。
室内蒸発器15の他方の冷媒出入口には、第2膨張弁14bの一方の流入出口側が接続されている。第2膨張弁14bは、冷媒を減圧させる第2減圧部である。第2膨張弁14bは、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する第2冷媒流量調整部である。第2膨張弁14bの基本的構成は、第1膨張弁14aと同様である。
第2膨張弁14bの他方の冷媒流入出口には、室外熱交換器16の他方の冷媒出入口側が接続されている。室外熱交換器16は、内部を流通する冷媒と図示しない外気ファンから送風された外気とを熱交換させる室外用熱交換部である。室外熱交換器16は、駆動装置室内の前方側に配置されている。このため、車両走行時には、室外熱交換器16に外気として走行風を当てることができる。
室外熱交換器16の一方の冷媒出入口には、前述の如く、四方弁13の別の流入出口側が接続されている。四方弁13のさらに別の流入出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車両用空調装置1において、適切な温度に調整された送風空気を、車室内の適切な箇所へ向けて吹き出すためのユニットである。室内空調ユニット30は、車室内の最前部に配置された計器盤(すなわち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、内部に送風空気の空気通路を形成するケーシング31を有している。ケーシング31内に形成された空気通路には、室内凝縮器12、室内蒸発器15等が配置されている。ケーシング31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて形成されている。
ケーシング31の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置33が配置されている。内外気切替装置33は、ケーシング31内へ導入される内気(すなわち、車室内空気)および外気(すなわち、車室外空気)の導入割合を調整する。従って、内外気切替装置33は、室内蒸発器15へ流入する送風空気における内気と外気との割合を調整する内外気割合調整部である。
内外気切替装置33は、内外気ドア33a、内外気ドア用の電動アクチュエータ等を有している。内外気ドア用の電動アクチュエータは、内外気ドア33aを変位させる。これにより、内外気ドア33aは、ケーシング31内の空気通路へ内気を導入する内気導入口の開口面積と空気通路へ外気を導入する外気導入口の開口面積との面積比を調整する。内外気ドア用の電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、室内送風機32が配置されている。室内送風機32は、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。室内送風機32は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。室内送風機32は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
室内送風機32の送風空気流れ下流側は、複数の空気通路に区画されている。さらに、室内送風機32の送風空気流れ下流側の空気通路には、室内蒸発器15と室内凝縮器12が、送風空気流れに対して、この順に配置されている。つまり、室内蒸発器15は、室内凝縮器12よりも、送風空気流れ上流側に配置されている。
より詳細には、室内蒸発器15の下流側の空気通路は、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bに区画されている。室内凝縮器12は、加熱用通路35aに配置されている。加熱用通路35aは、室内蒸発器15を通過した送風空気を、さらに、室内凝縮器12を通過させて下流側へ流す通路である。冷風バイパス通路35bは、室内蒸発器15を通過した送風空気を、室内凝縮器12を迂回させて下流側へ流す通路である。
また、室内送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器15を迂回させて送風空気を流す外気バイパス通路35cが形成されている。外気バイパス通路35cの空気流れ最下流部は、後述する補助外気導入口31aに接続されている。
室内蒸発器15の送風空気流れ下流側であって、かつ、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bの送風空気流れ上流側の空気通路には、エアミックスドア34が配置されている。エアミックスドア34は、室内蒸発器15を通過した送風空気のうち、加熱用通路35aへ流入させる風量と冷風バイパス通路35bへ流入させる風量との風量割合を調整する。
具体的には、エアミックスドア34は、加熱用通路35aの入口の開口面積と冷風バイパス通路35bの入口の開口面積との面積比を調整することによって、風量割合を調整する。エアミックスドア34を駆動するエアミックスドア用の電動アクチュエータ34aは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ここで、エアミックスドア34が、加熱用通路35aの入口の開口面積を変化させると、加熱用通路35aを通過する送風空気の量が変化する。そして、加熱用通路35aを通過する送風空気の量が変化すると、室内凝縮器12における冷媒と送風空気との熱交換量も変化する。従って、エアミックスドア34は、室内凝縮器12における送風空気の加熱量を調整する加熱量調整部である。
加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bの送風空気流れ下流側には、混合空間36が配置されている。混合空間36は、加熱用通路35aを通過して室内凝縮器12にて加熱された送風空気と、冷風バイパス通路35bを通過して室内凝縮器12にて加熱されていない送風空気とを混合させる空間である。
さらに、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間36にて混合された送風空気(空調風)を、車室内へ吹き出すための図示しない複数の開口穴が形成されている。
このため、エアミックスドア34が、加熱用通路35aを通過させる風量と冷風バイパス通路35bを通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間36にて混合された送風空気の温度を調整することができる。すなわち、エアミックスドア34を変位させることによって、各開口穴から車室内へ吹き出される送風空気の温度を調整することができる。
開口穴としては、具体的に、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらの開口穴の上流側には、図示しない吹出モード切替ドアが配置されている。吹出モード切替ドアは、各開口穴を開閉することによって、空調風を吹き出す開口穴を切り替える。吹出モード切替ドア駆動用の電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、ケーシング31の加熱用通路35aを形成する部位には、補助外気導入装置37が配置されている。補助外気導入装置37は、後述する脱離行程時に、エアミックスドア34の下流側から室内凝縮器12へ外気を導入する補助外気導入部である。
補助外気導入装置37は、補助外気導入口31aを開閉する補助外気ドア37a、および補助外気ドア用の電動アクチュエータを有している。補助外気導入口31aは、ケーシング31の加熱用通路35aと外気バイパス通路35cとを区画する部位に設けられている。補助外気導入装置用の電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
そして、補助外気導入装置用の電動アクチュエータが、補助外気導入口31aを開くように補助外気ドア37aを変位させると、外気バイパス通路35cへ流入した送風空気が補助外気導入口31aを介して室内凝縮器12へ導入される。
また、ケーシング31の冷風バイパス通路35bの最下流側には、排気装置38が配置されている。排気装置38は、後述する除湿暖房モードの脱離行程時に、冷風バイパス通路35bを流通した送風空気を車室外へ排気する排気部である。
排気装置38は、ケーシング31に形成された排気口31bを開閉する排気ドア38a、および排気ドア用の電動アクチュエータを有している。排気ドア用の電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
そして、排気ドア用の電動アクチュエータが、排気口31bを全開させるように排気ドア38aを変位させると、排気口31bが開口するだけでなく、冷風バイパス通路35bと混合空間36との連通部が閉塞される。これにより、冷風バイパス通路35bを流通した全風量の送風空気が、排気口31bから車室外へ排出される。
また、排気ドア用の電動アクチュエータが、排気口31bを全閉させるように排気ドア38aを変位させると、冷風バイパス通路35bと混合空間36との連通部が開く。これにより、冷風バイパス通路35bを流通した全風量の送風空気が、室外へ排気されることなく混合空間36へ流入する。
次に、図2を用いて、車両用空調装置1の電気制御部の概要について説明する。制御装置60は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置60は、ROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器11、13、14a、14b、32、33、34a、37、38等の作動を制御する。
制御装置60の入力側には、図2に示すように、各種の制御用センサが接続されている。制御用センサとしては、内気温センサ61a、外気温センサ61b、日射量センサ61cが含まれる。さらに、制御用センサとしては、高圧圧力センサ61d、空調風温度センサ61e、蒸発器温度センサ61f、蒸発器圧力センサ61g、室外器温度センサ61h、室外器圧力センサ61iが含まれる。
内気温センサ61aは、車室内の温度である内気温Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ61bは、車室外の温度である外気温Tamを検出する外気温検出部である。日射量センサ61cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。これらの検出部の検出値は、後述する目標吹出温度TAOの算出する際等に用いられる。
高圧圧力センサ61dは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒の圧力である高圧圧力Pdを検出する高圧圧力検出部である。空調風温度センサ61eは、混合空間36から車室内へ吹き出される吹出空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
蒸発器温度センサ61fは、室内蒸発器15における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。蒸発器温度センサ61fは、具体的に、室内蒸発器15の熱交換フィンの温度を検出している。
蒸発器圧力センサ61gは、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力Peを検出する蒸発器圧力検出部である。本実施形態の蒸発器圧力センサ61gは、具体的に室内蒸発器15の一方の冷媒出入口側(第1膨張弁14aが接続される冷媒出入口側)の冷媒の圧力を検出している。
室外器温度センサ61hは、室外熱交換器16を流通する冷媒の温度である室外器冷媒温度(室外器温度)Toutを検出する室外器温度検出部である。本実施形態の室外器温度センサ61hは、具体的に、室外熱交換器16の他方の冷媒出入口側(第2膨張弁14bが接続される冷媒出入口側)の温度を検出している。
室外器圧力センサ61iは、室外熱交換器16を流通する冷媒の圧力である室外器冷媒圧力Poutを検出する室外器温度検出部である。本実施形態の室外器圧力センサ61iは、具体的に、室外熱交換器16の他方の冷媒出入口側(第2膨張弁14bが接続される冷媒出入口側)の圧力を検出している。
さらに、制御装置60の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル62が接続され、この操作パネル62に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル62に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、エアコンスイッチ、オートスイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。
エアコンスイッチは、室内蒸発器15で送風空気の冷却を行うことを要求するための操作スイッチである。オートスイッチは、冷凍サイクル装置10の自動制御運転を設定あるいは解除するための操作スイッチである。風量設定スイッチは、室内送風機32の風量をマニュアル設定するための操作スイッチである。温度設定スイッチは、車室内の目標温度Tsetを設定するための操作スイッチである。
また、本実施形態の制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。つまり、制御装置60において、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(すなわち、ハードウェアおよびソフトウェア)は、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部となる。
例えば、制御装置60のうち、冷媒回路切替部である四方弁13の作動を制御する構成は、冷媒回路制御部60aである。内外気割合調整部である内外気切替装置33の作動を制御する構成は、内外気切替制御部60bである。エアミックスドア用の電動アクチュエータ34aの作動を制御する構成は、加熱量制御部60cである。
次に、車両用空調装置1の作動について説明する。車両用空調装置1では、車室内の空調を行うために、種々の運転モードを切り替える。運転モードの切り替えは、予め制御装置60に記憶されている空調制御プログラムが実行されることによって行われる。空調制御プログラムは、操作パネル62のオートスイッチが投入(ON)されると実行される。
空調制御プログラムでは、上述した制御用センサの検出信号および操作パネル62の操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標吹出温度TAOを算定する。さらに、空調制御プログラムでは、目標吹出温度TAO、制御用センサの検出信号、および操作パネル62の操作信号に基づいて、運転モードを切り替える。以下に、各運転モードの作動を詳細に説明する。
(a)冷房モード
冷房モードは、冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行う運転モードである。
冷房モードは、外気温センサ61bによって検出された外気温Tamが基準外気温KTam以上であって、かつ、目標吹出温度TAOが冷房基準温度KTao以下となっている際に実行される。
基準外気温KTamは、外気温Tamが基準外気温KTam以上になっている際に、一般的に、車両窓ガラスの内面に窓曇りが生じ難いと判断される値に設定されている。冷房基準温度KTaoは、目標吹出温度TAOが冷房基準温度KTao以下となっている際に、一般的に、車室内の冷房が必要と判断される温度に設定されている。
冷房モードでは、制御装置60が、第1膨張弁14aを全開状態とし、第2膨張弁14bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。また、制御装置60は、室内凝縮器12の冷媒出口側と室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側とを接続すると同時に、第1膨張弁14aの一方の流入出口側と圧縮機11の吸入口側とを接続するように四方弁13の作動を制御する。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、図1の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器12、四方弁13、室外熱交換器16、第2膨張弁14b、室内蒸発器15、全開状態となっている第1膨張弁14a、四方弁13、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、圧縮機11へ出力される制御信号については、制御装置60は、蒸発器温度センサ61fによって検出された蒸発器温度Tefinが、目標蒸発器温度TEOに近づくように決定する。
目標蒸発器温度TEOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置60に記憶されている冷房モード用の制御マップを参照して決定される。冷房モード用の制御マップでは、目標蒸発器温度TEOは、室内蒸発器15の着霜を抑制可能な温度(具体的には、1℃以上)に決定される。
また、内外気切替装置33へ出力される制御信号については、制御装置60は、内気導入口を全閉とし、外気導入口を全開とするように決定する。なお、冷房モードであっても、高い冷房性能を得たい場合は、内気導入口を全開とし、外気導入口を全閉とするように内外気切替装置33へ出力される制御信号を決定してもよい。
また、室内送風機32へ出力される制御電圧については、制御装置60は、目標吹出温度TAOに基づいて決定する。また、エアミックスドア用の電動アクチュエータ34aへ出力される制御信号については、制御装置60は、空調風温度センサ61eによって検出された吹出空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように決定する。
また、補助外気導入装置37へ出力される制御信号については、制御装置60は、補助外気導入口31aを閉塞させるように決定する。また、排気装置38へ出力される制御信号については、制御装置60は、排気口31bを閉塞させるように決定する。
そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
空調制御プログラムでは、車室内の空調の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、検出信号および操作信号の読み込み、目標吹出温度TAOの算出、運転モードの決定、運転モードに応じた各種制御対象機器へ出力される制御信号等の決定、決定された制御信号等の出力といった制御ルーチンを繰り返す。このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モードでも同様に行われる。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12および室外熱交換器16が、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷房モードの冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12にて、冷媒が送風空気に放熱することによって、送風空気が加熱される。室内蒸発器15にて、冷媒が蒸発して吸熱作用を発揮することによって、送風空気が冷却される。
また、冷房モードの室内空調ユニット30では、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された外気が、送風空気として室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された送風空気は、室内蒸発器15を通過する際に冷却される。室内蒸発器15にて冷却された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入する。
加熱用通路35aへ流入した送風空気は、室内凝縮器12を通過する際に加熱される。室内凝縮器12にて加熱された送風空気は、混合空間36へ流入する。冷房モードでは、補助外気導入装置37が補助外気導入口31aを閉塞している。このため、加熱用通路35aへ補助外気導入口31aを介して外気が流入することはない。
冷風バイパス通路35bへ流入した送風空気は、混合空間36へ流入する。冷房モードでは、排気装置38が排気口31bを閉塞している。このため、冷風バイパス通路35bを流通した全風量の送風空気が、混合空間36へ流入する。
混合空間36では、加熱用通路35aを介して流入した送風空気(温風)と冷風バイパス通路35bを介して流入した送風空気(冷風)が混合されて、適切な温度の送風空気(空調風)となる。混合空間36にて混合されて温度調整された送風空気は、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の冷房が実現される。
ここで、室内蒸発器15には、吸着部であるデシカント材15aが塗布されている。このため、デシカント材15aの吸着量が飽和量に達する迄は、送風空気が室内蒸発器15を通過する際に、送風空気に含まれる水分がデシカント材15aに吸着される。
但し、冷房モードでは、外気温Tamが基準外気温KTam以上となっているので、車両窓ガラスに窓曇りが生じ難い。このため、冷房モードでは、デシカント材15aの吸着量が飽和量に達しても、デシカント材15aから水分を脱離させて再生する脱離行程の運転を実行しない。従って、冷房モードでは、連続的に車室内の冷房を行うことができる。
(b)除湿暖房モード
除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を行う運転モードである。除湿暖房モードは、外気温Tamが基準外気温KTamよりも低くなっている際、または、目標吹出温度TAOが冷房基準温度KTaoよりも高い温度になっている際に実行される。
車両用空調装置1では、車室内の除湿暖房を行う際に、デシカント材15aの吸着作用を利用して送風空気の除湿を行う。このため、除湿暖房モードでは、デシカント材15aの吸着量が飽和量に達する前に、デシカント材15aから水分を脱離させて再生する必要がある。
そこで、除湿暖房モードでは、送風空気の除湿のためにデシカント材15aに水分を吸着させる吸着行程と、デシカント材15aの再生のためにデシカント材15aから水分を脱離させる脱離行程とを、所定の周期で切り替える。
まず、除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態または全開とする。また、制御装置60は、室内凝縮器12の冷媒出口側と第1膨張弁14aの一方の流入出口側とを接続すると同時に、室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側と圧縮機11の吸入口側とを接続するように四方弁13の作動を制御する。
従って、吸着行程の冷凍サイクル装置10では、図1の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器12、四方弁13、第1膨張弁14a、室内蒸発器15、第2膨張弁14b、室外熱交換器16、四方弁13、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、圧縮機11へ出力される制御信号については、制御装置60は、高圧圧力センサ61dによって検出された高圧圧力Pdが、目標高圧PDOに近づくように決定する。目標高圧PDOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置60に記憶されている除湿暖房モード用に制御マップを参照して決定される。
また、内外気切替装置33へ出力される制御信号については、制御装置60は、内気導入口を全開とし、外気導入口を全閉とするように決定する。つまり、吸着行程では、内外気切替装置33が、室内蒸発器15へ流入する送風空気における内気の割合を外気の割合よりも増加させる。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等については、冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、吸着行程の冷凍サイクル装置10では、図3のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図3のa3点)が、室内凝縮器12へ流入する。室内凝縮器12へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して凝縮する(図3のa3点→b3点)。室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14aにて減圧されて(図3のb3点→c3点)、室内蒸発器15へ流入する。
室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図3のc3点→d3点)。室内蒸発器15から流出した冷媒は、全開となっている第2膨張弁14bを介して、室外熱交換器16へ流入する。なお、図3では、第2膨張弁14bを全開とした例を記載している。室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気と熱交換して蒸発する(図3のd3点→e3点)。
室外熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図3のf3点→a3点)。なお、図3におけるe3点とf3点との圧力の相違は、圧縮機11の吸入圧損である。吸入圧損は、以下のモリエル線図においても同様に示している。
つまり、吸着行程の冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15および室外熱交換器16が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。吸着行程の冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12にて、送風空気が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。
また、吸着行程の室内空調ユニット30では、図3のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された内気が、送風空気として室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された送風空気は、室内蒸発器15を通過する際に冷却されて除湿される。さらに、吸着行程では、デシカント材15aの吸着作用によって、室内蒸発器15を通過する送風空気の除湿がなされる。
室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入する。加熱用通路35aへ流入した送風空気は、室内凝縮器12にて加熱される。加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入した送風空気は、冷房モードと同様に、混合空間36にて混合される。混合空間36にて混合された送風空気は、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の除湿暖房が実現される。
次に、除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、第1膨張弁14aを全開状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とする。また、制御装置60は、室内凝縮器12の冷媒出口側と第1膨張弁14aの一方の流入出口側とを接続すると同時に、室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側と圧縮機11の吸入口側とを接続するように四方弁13の作動を制御する。
従って、脱離行程の冷凍サイクル装置10では、図1の黒塗り矢印で示すように、吸着行程と同じ順で冷媒が循環する冷媒回路となる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、内外気切替装置33へ出力される制御信号については、制御装置60は、内気導入口を全閉とし、外気導入口を全開とするように制御信号を決定する。つまり、脱離行程では、内外気切替装置33は、室内蒸発器15へ流入する送風空気における外気の割合を内気の割合よりも増加させる。
また、補助外気導入装置37へ出力される制御信号については、制御装置60は、補助外気導入口31aを開くように決定する。また、排気装置38へ出力される制御信号については、制御装置60は、排気口31bを全開とするように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等については、吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、脱離行程の冷凍サイクル装置10では、図4のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図4のa4点)が、室内凝縮器12へ流入する。室内凝縮器12へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して凝縮する(図4のa4点→b4点)。室内凝縮器12から流出した冷媒は、全開となっている第1膨張弁14aを介して、室内蒸発器15へ流入する。
室内蒸発器15へ流入した冷媒は、外気およびデシカント材15aへ放熱して凝縮する(図4のb4点→c4点)。室内蒸発器15aから流出した冷媒は、第2膨張弁14bにて減圧されて(図4のc4点→d4点)、室外熱交換器16へ流入する。室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気と熱交換して蒸発する(図4のd4点→e4点)。室外熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図4のf4点→a4点)。
つまり、脱離行程の冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12および室内蒸発器15が、凝縮器として機能し、室外熱交換器16が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。脱離行程の冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12にて、送風空気が加熱される。
また、脱離行程の室内空調ユニット30では、図4のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された外気が、室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された外気は、室内蒸発器15を通過する際に加熱されるとともに、デシカント材15aから脱離した水分によって加湿される。これにより、デシカント材15aの再生がなされる。
室内蒸発器15を通過した外気は、エアミックスドア34が加熱用通路35aの入口を全閉としているので、冷風バイパス通路35bへ流入する。冷風バイパス通路35bへ流入した外気は、排気装置38が排気口31bを全開としているので、排気口31bを介して車室外へ排気される。
補助外気導入口31aから加熱用通路35aへ流入した外気は、図4のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、送風空気として室内凝縮器12を通過する際に加熱される。室内凝縮器12にて加熱された送風空気は、混合空間36へ流入する。混合空間36へ流入した送風空気は、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、脱離行程時にも、車室内の暖房を継続することができる。
(c)除霜モード
除霜モードは、室外熱交換器16に着いた霜を取り除く運転モードである。除霜モードは、除湿暖房モードの実行中に、予め定めた着霜条件が成立した際に実行される。
本実施形態の空調制御プログラムでは、除湿暖房モードの実行中に、室外器温度センサ61hによって検出された室外器温度Toutが連続して予め定めた基準着霜温度KToutf以下になっている着霜時間Tmfを計測する。そして、着霜時間Tmfが、基準着霜時間KTmf以上となった際に、着霜条件が成立したと判定している。
除霜モードでは、制御装置60は、第1膨張弁14aを全開状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とする。また、制御装置60は、室内凝縮器12の冷媒出口側と室外熱交換器16の一方の冷媒出入口側とを接続すると同時に、第1膨張弁14aの一方の流入出口側と圧縮機11の吸入口側とを接続するように四方弁13の作動を制御する。
従って、除霜モードの冷凍サイクル装置10では、図1の白抜き矢印で示すように、冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、圧縮機11へ出力される制御信号については、制御装置60は、除湿暖房モード時よりも低い回転数となるように決定する。圧縮機11へ出力される制御信号は、冷媒に混入された冷凍機油を圧縮機11へ戻すことができる範囲で決定される。
また、内外気切替装置33へ出力される制御信号については、制御装置60は、内気導入口を全開とし、外気導入口を全閉とするように決定する。また、室内送風機32へ出力される制御信号については、制御装置60は、除湿暖房モード時よりも低い回転数となるように決定する。
また、エアミックスドア用の電動アクチュエータ34aへ出力される制御信号については、制御装置60は、除湿暖房モードよりも加熱用通路35aの入口の開口面積を所定量減少させるように決定する。これにより、除霜モードでは、除湿暖房モードよりも室内凝縮器12における送風空気の加熱量を減少させる。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等については、除湿暖房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、除霜モードの冷凍サイクル装置10では、図5のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図5のa5点)が、室内凝縮器12へ流入する。室内凝縮器12へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して凝縮する(図5のa5点→b5点)。室内凝縮器12から流出した冷媒は、室外熱交換器16へ流入する。
室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気および室外熱交換器16へ放熱して凝縮する(図5のb5点→c5点)。室外熱交換器16から流出した冷媒は、第2膨張弁14bにて減圧されて(図5のc5点→d5点)、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図5のd5点→e5点)。室内蒸発器15から流出した冷媒は、全開となっている第1膨張弁14aを介して、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図5のf5点→a5点)。
つまり、除霜モードの冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12および室外熱交換器16が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
除霜モードの冷凍サイクル装置10では、室内凝縮器12にて、送風空気が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。さらに、室外熱交換器16では、室内凝縮器12から流出した冷媒の有する熱によって、室外熱交換器16についた霜が融解されて取り除かれる。すなわち、室外熱交換器16の除霜がなされる。
また、除霜モードの室内空調ユニット30では、図5のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された内気が、送風空気として室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された送風空気は、室内蒸発器15を通過する際に冷却されて除湿される。さらに、除霜モードでは、デシカント材15aの吸着作用によっても、室内蒸発器15を通過する送風空気の除湿がなされる。
室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入する。加熱用通路35aへ流入した送風空気は、室内凝縮器12にて加熱される。加熱用通路35aへ流入した送風空気と冷風バイパス通路35bへ流入した送風空気は、冷房モードと同様に、混合空間36へ流入して混合される。混合空間36にて混合された送風空気は、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。
除霜モードでは、除湿暖房モードよりも圧縮機11の回転数を低下させる。さらに、除湿暖房モードよりも加熱用通路35aの入口の開口面積が低下するようにエアミックスドア34を変位させる。このため、除湿暖房モードよりも室内凝縮器12における送風空気の加熱量が減少してしまうものの、車室内の除湿暖房を継続することができる。
また、除霜モードは、予め定めた終了条件が成立した際に終了する。除霜モードが終了すると、除湿暖房モードへ移行する。本実施形態の空調制御プログラムでは、除霜モードの実行時間Tmdfが、基準除霜時間KTmdf以上となり、かつ、室外器温度Toutが予め定めた基準除霜温度KToutdf以上となった際に、終了条件が成立したと判定している。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1によれば、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用空調装置1では、室内蒸発器15にデシカント材15aが塗布されている。従って、除湿暖房モードの吸着行程時に、デシカント材15aの吸着作用を利用して送風空気の除湿を行うことができる。これによれば、除湿のために消費される圧縮機11の消費動力を低減させて、冷凍サイクル装置10の成績係数を向上させることができる。その結果、車両用空調装置1の作動効率を向上させることができる。
また、除霜モード時には、室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気を室内凝縮器12にて再加熱することができる。従って、圧縮機11へ冷凍機油を適切に戻すことができる程度に、圧縮機11の回転数を決定しても車室内の温度低下を抑制することができる。
すなわち、本実施形態の車両用空調装置1によれば、デシカント材15aの塗布された室内蒸発器15を備えることによる作動効率の向上効果を得つつ、いずれの運転モードに切り替えても冷凍機油を圧縮機11へ適切に戻すことができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1では、除湿暖房モード時に、吸着行程と脱離行程とを切り替える。そして、除湿暖房モードの吸着行程では、内外気切替装置33が、室内蒸発器15へ流入する送風空気における内気の割合を外気よりも増加させる。
これによれば、吸着行程時に、外気よりも高温多湿となる内気を、外気よりも多く室内蒸発器15へ導入することができる。従って、送風空気を再加熱するために消費される圧縮機11の消費動力を低減させて、より一層、冷凍サイクル装置10の成績係数を向上させることができる。その結果、より一層、車両用空調装置1の作動効率を向上させることができる。
さらに、除湿暖房モードの脱離行程では、内外気切替装置33が、室内蒸発器15へ流入する送風空気における外気の割合を内気よりも増加させる。これによれば、脱離行程時に、内気よりも低湿度の外気を、内気よりも多く室内蒸発器15へ導入することができる。従って、効率的に、デシカント材15aの再生を行うことができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1では、補助外気導入装置37を備えている。これによれば、脱離行程時に、内気よりも低湿度の外気を室内凝縮器12にて再加熱して車室内へ吹き出すことができる。従って、除湿暖房モードの実行時に、吸着行程から脱離行程へ切り替えても、車室内の暖房を継続することができる。さらに、脱離行程時に、車両窓ガラスの窓曇りが発生してしまうことも抑制することができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1では、除霜モード時に、室内凝縮器12における送風空気の加熱量を減少させる。これによれば、除霜モード時に圧縮機11から吐出された冷媒の有する熱を、送風空気を加熱することに優先して、室外熱交換器16の除霜のために利用することができる。従って、室外熱交換器16の除霜を速やかに完了させることができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1では、排気装置38を備え、除湿暖房モードの脱離行程時に室内蒸発器15通過後の空気を車室外に排気している。これによれば、デシカント材15aから脱離させた水分によって、車室内の湿度が上昇してしまうことを確実に抑制することができる。すなわち、脱離行程時に、車両窓ガラスの窓曇りが発生してしまうことを効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図6、図7の全体構成図に示す車両用空調装置1aについて説明する。車両用空調装置1aは、車室内の空調を行うだけでなく、作動時に発熱する発熱機器であるバッテリ80を冷却する機能を有している。従って、車両用空調装置1aは、発熱機器冷却機能付きの空調装置である。
車両用空調装置1aは、冷凍サイクル装置10a、室内空調ユニット30、高温側熱媒体回路40、および低温側熱媒体回路50を有している。
冷凍サイクル装置10aの圧縮機11の吐出口には、水冷媒熱交換器12aの冷媒通路の入口側が接続されている。水冷媒熱交換器12aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を流通させる冷媒通路と、高温側熱媒体回路40を循環する高温側熱媒体を流通させる水通路とを有している。
水冷媒熱交換器12aは、冷媒通路を流通する高圧冷媒と、水通路を流通する高温側熱媒体とを熱交換させる熱媒体加熱用熱交換部である。水冷媒熱交換器12aでは、高圧冷媒の有する熱を高温側熱媒体に放熱させて、高圧冷媒を凝縮させるとともに、高温側熱媒体を加熱する。
水冷媒熱交換器12aの冷媒通路の出口には、第1三方継手17aの流入口側が接続されている。第1三方継手17aは、互いに連通する3つの流入出口を有する。第1三方継手17aとしては、複数の配管を接合して形成された部材や、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けることによって形成された部材等を採用することができる。
さらに、冷凍サイクル装置10aは、後述するように、第2三方継手17b~第4三方継手17dを備えている。第2三方継手17b~第4三方継手17dの基本的構成は、第1三方継手17aと同様である。
第1三方継手17a~第4三方継手17dは、3つの流入出口のうち1つが流入口として用いられ、2つが流出口として用いられると、1つの流入口から流入した冷媒の流れを分岐することができる。本実施形態では、第1三方継手17aが分岐部となる。また、3つの流入出口のうち2つが流入口として用いられ、1つが流出口として用いられると、2つの流入口から流入した冷媒の流れを合流させることができる。
第1三方継手17aの一方の流出口には、暖房用膨張弁14cの入口側が接続されている。第1三方継手17aの他方の流出口には、バイパス通路22aを介して、第2三方継手17bの一方の流入口側が接続されている。
バイパス通路22aには、高圧開閉弁13aが配置されている。高圧開閉弁13aは、バイパス通路22aを開閉する電磁弁である。高圧開閉弁13aは、制御装置60から出力される制御電圧によって、開閉作動が制御される。
さらに、冷凍サイクル装置10aは、後述するように、低圧開閉弁13bを備えている。低圧開閉弁13bの基本的構成は、高圧開閉弁13aと同様である。高圧開閉弁13aおよび低圧開閉弁13bは、冷媒通路を開閉することで、各運転モードの冷媒回路を切り替えることができる。従って、高圧開閉弁13aおよび低圧開閉弁13bは、本実施形態の冷媒回路切替部である。
暖房用膨張弁14cは、後述する除湿暖房モード時等に、室外熱交換器16へ流入する冷媒を減圧させる室外用減圧部である。暖房用膨張弁14cは、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する室外用冷媒流量調整部である。暖房用膨張弁14cの基本的構成は、第1実施形態で説明した第1膨張弁14aと同様である。
さらに、冷凍サイクル装置10aは、後述するように、冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eを備えている。冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eの基本的構成についても、第1膨張弁14aと同様である。
暖房用膨張弁14c、冷房用膨張弁14d、および冷却用膨張弁14eは、前述した全開機能に加えて、弁開度を全閉にすることで、冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。従って、暖房用膨張弁14c、冷房用膨張弁14d、および冷却用膨張弁14eは、全閉機能を発揮することによって、冷媒回路を切り替える冷媒回路切替部としての機能を兼ね備えている。
もちろん、暖房用膨張弁14c、冷房用膨張弁14d、および冷却用膨張弁14eを、全閉機能を有していない可変絞り機構と開閉弁とを組み合わせて形成してもよい。この場合は、開閉弁が冷媒回路切替部となる。
暖房用膨張弁14cの出口には、室外用熱交換部である室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器16の冷媒出口には、第3三方継手17cの流入口側が接続されている。第3三方継手17cの一方の流出口には、暖房用通路22bを介して、蒸発圧力調整弁20の1つの入口側が接続されている。暖房用通路22bには、暖房用通路22bを開閉する低圧開閉弁13bが配置されている。
第3三方継手17cの他方の流出口には、第2三方継手17bの他方の流入口側が接続されている。第3三方継手17cの他方の流出口側と第2三方継手17bの他方の流入口側とを接続する冷媒通路には、逆止弁18が配置されている。逆止弁18は、第3三方継手17c側から第2三方継手17b側へ冷媒が流れることを許容し、第2三方継手17b側から第3三方継手17c側へ冷媒が流れることを禁止する。
第2三方継手17bの流出口には、第4三方継手17dの流入口側が接続されている。第4三方継手17dの一方の流出口には、冷房用膨張弁14dの入口側が接続されている。第4三方継手17dの他方の流出口には、冷却用膨張弁14eの入口側が接続されている。冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eは、いずれも冷媒を減圧させる冷却用減圧部である。
より詳細には、冷房用膨張弁14dは、後述する単独冷房モード時等に、室内蒸発器15へ流入する冷媒を減圧させる空気冷却用減圧部である。冷房用膨張弁14dは、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する空気用冷媒流量調整部である。
冷房用膨張弁14dの出口には、室内蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器15は、冷却対象物を冷却するために冷房用膨張弁14dにて減圧された冷媒を蒸発させる冷却用熱交換部である。より詳細には、室内蒸発器15は、送風空気を冷却するための空気冷却用熱交換部である。
また、冷却用膨張弁14eは、後述する冷却冷房モード時等に、チラー19へ流入する冷媒を減圧させる熱媒体冷却用減圧部である。冷却用膨張弁14eは、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する機器冷却用冷媒流量調整部である。
冷却用膨張弁14eの出口には、チラー19の冷媒通路の入口側が接続されている。チラー19は、冷却用膨張弁14eにて減圧された低圧冷媒を流通させる冷媒通路と、低温側熱媒体回路50を循環する低温側熱媒体を流通させる水通路とを有している。
チラー19は、冷媒通路を流通する低圧冷媒と、水通路を流通する低温側熱媒体とを熱交換させる熱交換器である。チラー19では、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、低温側熱媒体を冷却する。チラー19の冷媒通路の出口には、蒸発圧力調整弁20の第3入口側が接続されている。
蒸発圧力調整弁20は、室外熱交換器16における冷媒圧力、室内蒸発器15における冷媒圧力、およびチラー19における冷媒圧力を個別に調整する圧力調整部である。さらに、蒸発圧力調整弁20は、室外熱交換器16から流出した冷媒、室内蒸発器15から流出した冷媒、およびチラー19から流出した冷媒のうち、少なくとも2つ以上の冷媒の流れを合流させて、下流側へ流出させる。
具体的には、蒸発圧力調整弁20は、室外熱交換器16、室内蒸発器15、およびチラー19の下流側に接続された3つの電動式の可変絞り機構と、合流部17gとを一体化させたものである。蒸発圧力調整弁20は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
蒸発圧力調整弁20の合流部17gの冷媒出口には、アキュムレータ21の入口側が接続されている。アキュムレータ21は、蒸発器として機能する熱交換器から流出した低圧冷媒の気液を分離する低圧側の気液分離器である。アキュムレータ21は、分離された液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として貯える。
従って、蒸発圧力調整弁20の合流部17gは、室外熱交換器16から流出した冷媒の流れ、室内蒸発器15から流出した冷媒の流れ、およびチラー19から流出した冷媒の流れを合流させて、圧縮機11の吸入側へ流出させる。
次に、高温側熱媒体回路40について説明する。高温側熱媒体回路40は、高温側熱媒体を循環させる熱媒体循環回路である。高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用している。高温側熱媒体回路40には、水冷媒熱交換器12aの水通路、高温側熱媒体ポンプ41、ヒータコア42等が配置されている。
高温側熱媒体ポンプ41は、高温側熱媒体を水冷媒熱交換器12aの水通路の入口側へ圧送する水ポンプである。高温側熱媒体ポンプ41は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
水冷媒熱交換器12aの水通路の出口には、ヒータコア42の熱媒体入口側が接続されている。ヒータコア42は、室内空調ユニット30のケーシング31内に第1実施形態で説明した室内凝縮器12と同様に配置されている。
ヒータコア42は、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体と送風空気とを熱交換させる空気加熱用熱交換部である。ヒータコア42では、高温側熱媒体の有する熱を送風空気に放熱させて、送風空気を加熱する。ヒータコア42の熱媒体出口には、高温側熱媒体ポンプ41の吸入口側が接続されている。
従って、本実施形態では、水冷媒熱交換器12aおよび高温側熱媒体回路40の各構成機器によって、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として、送風空気を加熱する加熱部が形成されている。
また、高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41が、ヒータコア42へ流入する高温側熱媒体の流量を調整することによって、ヒータコア42における高温側熱媒体と送風空気との熱交換量も変化する。従って、高温側熱媒体ポンプ41は、室内凝縮器12における送風空気の加熱量を調整する加熱量調整部である。
次に、低温側熱媒体回路50について説明する。低温側熱媒体回路50は、低温側熱媒体を循環させる熱媒体循環回路である。低温側熱媒体としては、高温側熱媒体と同種の流体を採用することができる。低温側熱媒体回路50には、チラー19の水通路、低温側熱媒体ポンプ51、バッテリ80の冷却水通路80a等が配置されている。
低温側熱媒体ポンプ51は、低温側熱媒体をチラー19の水通路の入口側へ圧送する水ポンプである。低温側熱媒体ポンプ51の基本的構成は、高温側熱媒体ポンプ41と同様である。チラー19の水通路の出口には、バッテリ80の冷却水通路80aの入口側が接続されている。
バッテリ80は、電動モータ等の車載機器へ供給される電力を蓄える二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。バッテリ80は、作動時(すなわち、充放電時)に発熱する発熱機器である。バッテリ80の温度は、バッテリ80の充放電容量を充分に活用するために、適切な温度範囲内(本実施形態では、15℃以上、かつ、55℃以下)に維持されている必要がある。
冷却水通路80aは、バッテリ80の電池セルを収容する電池用ケースの内部に形成された熱媒体機器熱交換部である。冷却水通路80aは、電池用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した構成となっている。これにより、冷却水通路80aは、全ての電池セルを均等に冷却できるようになっている。冷却水通路80aの出口には、低温側熱媒体ポンプ51の吸入口側が接続されている。
従って、本実施形態では、チラー19および低温側熱媒体回路50の各構成機器によって、作動時に発熱するバッテリ80を冷却する機器冷却用冷却部が形成されている。さらに、チラー19は、冷却対象物を冷却するために冷却用膨張弁14eにて減圧された冷媒を蒸発させる冷却用熱交換部である。より詳細には、チラー19は、バッテリ80を冷却するための熱媒体冷却用熱交換部である。
次に、図8を用いて、車両用空調装置1aの電気制御部の概要について説明する。本実施形態の制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器11、13a、13b、14c~14e、20、32、33、34a、37、38、41、61等の作動を制御する。
また、制御装置60の入力側には、図8に示すように、第1実施形態で説明した各種の制御用センサに加えて、バッテリ温度センサ61j、高温側熱媒体温度センサ61k、低温側熱媒体温度センサ61m等が追加されている。
バッテリ温度センサ61jは、バッテリ80の温度であるバッテリ温度TBを検出するバッテリ温度検出部である。バッテリ温度センサ61jは、複数の温度検出部を有し、バッテリ80の複数の箇所の温度を検出している。このため、制御装置60では、バッテリ80の各部の温度差を検出することもできる。さらに、バッテリ温度TBとしては、複数の温度センサの検出値の平均値を採用している。
高温側熱媒体温度センサ61kは、水冷媒熱交換器12aの水通路から流出した高温側熱媒体の温度である高温側熱媒体温度TWHを検出する高温側熱媒体温度検出部である。低温側熱媒体温度センサ61mは、チラー19の水通路から流出した低温側熱媒体の温度である低温側熱媒体温度TWLを検出する低温側熱媒体温度検出部である。
また、本実施形態では、制御装置60のうち、冷媒回路切替部である高圧開閉弁13aおよび低圧開閉弁13bの作動を制御する構成は、冷媒回路制御部60aである。高温側熱媒体ポンプ41の作動を制御する構成は、高温側ポンプ制御部60dである。低圧側熱媒体ポンプ61の作動を制御する構成は、低圧側ポンプ制御部60eである。
次に、車両用空調装置1aの作動について説明する。車両用空調装置1aでは、車室内の空調を行うだけでなく、バッテリ80を冷却するために、種々の運転モードを切り替える。運転モードの切り替えは、第1実施形態と同様に、予め制御装置60に記憶されている空調制御プログラムが実行されることによって行われる。以下に、各運転モードの作動を説明する。
(a)冷房モード
車両用空調装置1aの冷房モードには、単独冷房モードと冷却冷房モードがある。単独冷房モードは、バッテリ80の冷却を行うことなく、車室内の冷房を行う運転モードである。単独冷房モードは、第1実施形態と同様の冷房モードの実行条件が成立しており、かつ、バッテリ80の冷却が必要ではないと判定された際に実行される。
冷却冷房モードは、バッテリ80の冷却を行うとともに、車室内の冷房を行う運転モードである。冷却冷房モードは、第1実施形態と同様の冷房モードの実行条件が成立しており、かつ、バッテリ80の冷却が必要であると判定された際に実行される。
バッテリ80の冷却が必要であるか否かの判定は、バッテリ温度センサ61jによって検出されたバッテリ温度TBが予め定めた基準冷却温度KTB以上となっている際に、バッテリ80の冷却が必要であると判定する。また、バッテリ温度TBが基準冷却温度KTBより低くなっている際に、バッテリ80の冷却は必要でないと判定する。バッテリ80の冷却が必要であるか否かの判定は、以下の運転モードにおいても同様に行われる。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードでは、制御装置60が、高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、図6の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、逆止弁18、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51を停止させるように決定する。具体的には、制御電圧を0Vに決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aおよび室外熱交換器16が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。
また、単独冷房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体は、ヒータコア42へ流入する。
また、単独冷房モードの室内空調ユニット30では、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された外気が、送風空気として室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された送風空気は、室内蒸発器15を通過する際に冷却される。室内蒸発器15にて冷却された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入する。
加熱用通路35aへ流入した送風空気は、ヒータコア42を通過する際に加熱される。ヒータコア42にて加熱された送風空気は、第1実施形態の冷房モードと同様に、混合空間36へ流入する。冷風バイパス通路35bへ流入した送風空気は、第1実施形態の冷房モードと同様に、混合空間36へ流入する。
そして、混合空間36にて混合されて温度調整された送風空気が、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の冷房が実現される。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードでは、制御装置60が、高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、図6の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、逆止弁18、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、逆止弁18、冷却用膨張弁14e、チラー19、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
つまり、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、第4三方継手17dにて分岐された一方の冷媒が冷房用膨張弁14dおよび室内蒸発器15側へ流入し、他方の冷媒が冷却用膨張弁14eおよびチラー19側へ流入する。そして、室内蒸発器15から流出した冷媒とチラー19から流出した冷媒が、蒸発圧力調整弁20の合流部17gにて合流する冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、室内蒸発器15およびチラー19が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、蒸発圧力調整弁20へ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力およびチラー19における冷媒蒸発圧力が適切な値となるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、単独冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aおよび室外熱交換器16が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。
また、冷却冷房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路50では、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、バッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、冷房電池冷却モードの室内空調ユニット30では、単独冷房モードと同様に、送風空気の温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の冷房が実現される。
(b)除湿暖房モード
車両用空調装置1aの除湿暖房モードには、単独除湿暖房モードと冷却除湿暖房モードがある。単独除湿暖房モードは、バッテリ80の冷却を行うことなく、車室内の除湿暖房を行う運転モードである。単独除湿暖房モードは、第1実施形態と同様の除湿暖房モードの実行条件が成立しており、かつ、バッテリ80の冷却が必要ではないと判定された際に実行される。
冷却除湿暖房モードは、バッテリ80の冷却を行うとともに、車室内の除湿冷房を行う運転モードである。冷却除湿暖房モードは、第1実施形態と同様の除湿暖房モードの実行条件が成立しており、かつ、バッテリ80の冷却が必要であると判定された際に実行される。
また、車両用空調装置1aにおいても、除湿暖房モード時にデシカント材15aの吸着作用を利用して送風空気の除湿を行う。そのため、除湿暖房モードでは、第1実施形態と同様に、吸着行程と脱離行程とを、所定の周期で切り替える。
(b-1)単独除湿暖房モード
単独除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、高圧開閉弁13aを開き、低圧開閉弁13bを開く。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、図7の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、第1三方継手17a、暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、暖房用通路22b、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、第1三方継手17a、バイパス通路22a、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。
つまり、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、第1三方継手17aにて分岐された一方の冷媒が暖房用膨張弁14cおよび室外熱交換器16側へ流入し、他方の冷媒が冷房用膨張弁14dおよび室内蒸発器15側へ流入する。そして、室外熱交換器16から流出した冷媒と室内蒸発器15から流出した冷媒が、蒸発圧力調整弁20の合流部17gにて合流する冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、室外熱交換器16および室内蒸発器15が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51を停止させるように決定する。
また、蒸発圧力調整弁20へ出力される制御信号については、制御装置60は、室外熱交換器16における冷媒蒸発圧力および室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力が適切な値となるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、図9のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図9のa9点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して凝縮する(図9のa9点→b9点)。水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒の流れは、第1三方継手17aにて分岐される。
第1三方継手17aにて分岐された一方の冷媒は、暖房用膨張弁14cにて減圧されて(図9のb9点→c9点)、室外熱交換器16へ流入する。室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気と熱交換して蒸発する(図9のc9点→d9点)。
第1三方継手17aにて分岐された他方の冷媒は、冷房用膨張弁14dにて減圧されて(図9のb9点→e9点)、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図9のe9点→f9点)。室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁20にて、室外熱交換器16から流出した冷媒と同等の圧力になるまで減圧される(図9のf9点→d9点)。
室内蒸発器15から流出した冷媒と室外熱交換器16から流出した冷媒は、合流部17gにて合流する。合流部17gから流出した冷媒は、アキュムレータ21へ流入して気液分離される。アキュムレータ21から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図9のg9点→a9点)。
つまり、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室外熱交換器16および室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。
また、単独除湿暖房モードの吸着行程の高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、単独除湿暖房モードの吸着行程の室内空調ユニット30では、図9のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された内気が、送風空気として室内送風機32に吸入される。室内送風機32から送風された送風空気は、室内蒸発器15を通過する際に冷却されて除湿される。
さらに、吸着行程では、デシカント材15aの吸着作用によっても、室内蒸発器15を通過する送風空気の除湿がなされる。室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア34の開度に応じて、加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入する。加熱用通路35aへ流入した送風空気は、ヒータコア42を通過する際に、高温側熱媒体と熱交換して加熱される。
なお、図9では、加熱用通路35aへ流入した送風空気が、あたかも水冷媒熱交換器12aを通過するように図示しているが、図9では、送風空気と冷媒との熱の授受を模式的に示している。つまり、図9では、加熱用通路35aへ流入した送風空気が、水冷媒熱交換器12aにて冷媒が放熱した熱を熱源として加熱されることを示している。このことは、以下の水冷媒熱交換器12aやチラー19を用いたモリエル線図においても同様である。
加熱用通路35aおよび冷風バイパス通路35bへ流入した送風空気は、単独冷房モードと同様に、混合空間36にて混合される。混合空間36にて混合されて温度調整された送風空気は、開口穴を介して、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の除湿暖房が実現される。
次に、単独除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、高圧開閉弁13aを開き、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全閉状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、図7の斜線ハッチング付き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、バイパス通路22a、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に循環する。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、圧縮機11へ出力される制御信号については、予め定めた脱離行程用の冷媒吐出能力を発揮するように決定する。
また、冷房用膨張弁14dへ出力される制御信号については、予め定めた脱離行程用の基準絞り開度となるように決定する。脱離行程用の基準絞り開度は、室内蒸発器15へ流入する冷媒の温度が、デシカント材15aから水分を脱離させることが可能な温度となるように決定されている。さらに、脱離行程用の基準絞り開度は、室内蒸発器15へ流入する冷媒の圧力が、室内蒸発器15の耐圧性を超えないように決定されている。従って、脱離行程時には、冷房用膨張弁14が全開となっていてもよい。
また、蒸発圧力調整弁20へ出力される制御信号については、制御装置60は、アキュムレータ21内の冷媒蒸発圧力が適切な値となるように決定する。
また、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧、および低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、吸着行程と同様に決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の除湿暖房モードの脱離行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、図10のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図10のa10点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して放熱する(図10のa10点→b10点)。
水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、バイパス通路22aを介して、冷房用膨張弁14dへ流入して減圧される(図10のb10点→c10点)。冷房用膨張弁14dにて減圧された冷媒は、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、外気およびデシカント材15aへ放熱する(図10のc10点→d10点)。
室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁20へ流入して減圧される(図10のd10点→e10点)。蒸発圧力調整弁20にて減圧された冷媒は、アキュムレータ21へ流入する。アキュムレータ21から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図10のd10点→a10点)。
つまり、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aおよび室内蒸発器15が、放熱器として機能する、いわゆるホットガスサイクルが構成される。脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。
また、単独除湿暖房モードの脱離行程の高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、単独除湿暖房モードの脱離行程の室内空調ユニット30では、内外気切替装置33を介してケーシング31内へ導入された外気が、室内送風機32に吸入される。
室内送風機32から送風された外気の一部は、図10のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、室内蒸発器15を通過する際に、デシカント材から脱離した水分によって加湿される。これにより、デシカント材15aの再生がなされる。室内蒸発器15を通過した外気は、第1実施形態の除湿暖房モードの脱離行程と同様に、排気装置38の排気口31bから、車室外へ排気される。
室内送風機32から送風された外気の別の一部は、外気バイパス通路35cを介して、補助外気導入口31aから加熱用通路35aへ流入する。加熱用通路35aへ流入した外気は、第1実施形態の除湿暖房モードの脱離行程と同様に、送風空気としてヒータコア42を通過する際に、水冷媒熱交換器12aにて冷媒が放熱した熱を熱源として加熱されて、車室内へ吹き出される。これにより、単独除湿暖房モードの脱離行程時にも、車室内の暖房を行うことができる。
(b-2)冷却除湿暖房モード
冷却除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、高圧開閉弁13aを開き、低圧開閉弁13bを開く。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。
従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、図7の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、第1三方継手17a、暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、暖房用通路22b、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、第1三方継手17a、バイパス通路22a、第4三方継手17d、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、第1三方継手17a、バイパス通路22a、第4三方継手17d、冷却用膨張弁14e、チラー19、蒸発圧力調整弁20、アキュムレータ21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。
つまり、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、第1三方継手17aにて分岐された一方の冷媒が暖房用膨張弁14cおよび室外熱交換器16側へ流入し、他方の冷媒が第4三方継手17dへ流入する。さらに、第4三方継手17dにて分岐された一方の冷媒が冷房用膨張弁14dおよび室内蒸発器15側へ流入し、他方の冷媒が冷却用膨張弁14eおよびチラー19側へ流入する。
そして、室外熱交換器16から流出した冷媒、室内蒸発器15から流出した冷媒、およびチラー19から流出した冷媒が、蒸発圧力調整弁20の合流部17gにて合流する冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、室外熱交換器16、室内蒸発器15、およびチラー19が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、蒸発圧力調整弁20へ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力、室外熱交換器16における冷媒蒸発圧力、およびチラー19における冷媒蒸発圧力が適切な値となるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室外熱交換器16、室内蒸発器15およびチラー19が蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の高温側熱媒体回路40では、単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の低温側熱媒体回路50では、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、バッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の室内空調ユニット30では、単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に、送風空気の除湿と温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の除湿暖房が実現される。
次に、冷却除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、高圧開閉弁13aを開き、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全閉状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、単独除湿暖房モードの脱離行程と同じ順で冷媒が循環する冷媒回路が形成される。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧、および低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、吸着行程と同様に決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の除湿暖房モードの脱離行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、冷却除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、水冷媒熱交換器12aおよび室内蒸発器15が、放熱器として機能するホットガスサイクルが構成される。そして、脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の低温側熱媒体回路50では、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体が循環する。従って、脱離行程の実行中は、吸着行程時に冷却された低温側熱媒体によって、バッテリ80の冷却を継続することができる。つまり、低温側熱媒体の封入量は、脱離行程時にバッテリ80の冷媒を継続できる程度の熱容量を有するように決定されている。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の室内空調ユニット30では、単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、室内蒸発器15のデシカント材15aの再生がなされる。室内蒸発器15と通過する際に加湿された外気は、排気装置38の排気口31bから、車室外へ排気される。
さらに、外気バイパス通路35cを介して、加熱用通路35aへ流入した外気は、送風空気としてヒータコア42を通過する際に、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体と熱交換して加熱されて、車室内へ吹き出される。これにより、冷却除湿暖房モードの脱離行程時にも、車室内の暖房を行うことができる。
(c)除霜モード
車両用空調装置1aの除霜モードには、単独除霜モードと廃熱除霜モードがある。単独除霜モードは、バッテリ80の冷却を行うことなく、室外熱交換器16の除霜を行う運転モードである。単独除霜モードは、単独除湿暖房モードの実行中に、着霜条件が成立した際に実行される。単独除霜モードは、終了条件が成立した際に終了する。除霜モードが終了すると、単独除湿暖房モードへ移行する。
廃熱除霜モードは、バッテリ80の冷却を行うとともに、室外熱交換器16の除霜を行う運転モードである。廃熱除霜モードは、冷却除湿暖房モードの実行中に、着霜条件が成立した際に実行される。廃熱除霜モードは、終了条件が成立した際に終了する。除霜モードが終了すると、冷却除湿暖房モードへ移行する。
(c-1)単独除霜モード
単独除霜モードでは、制御装置60が、高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、図6の白抜き矢印で示すように、単独冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、単独除湿暖房モード時よりも低い圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51を停止させるように決定する。
また、圧縮機11については、制御装置60は、単独除湿暖房モード時よりも低い回転数となるように、圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。圧縮機11へ出力される制御信号は、冷媒に混入された冷凍機油を圧縮機11へ戻すことができる範囲で決定される。
また、エアミックスドア用の電動アクチュエータ34aへ出力される制御信号については、制御装置60は、除湿暖房モードよりも加熱用通路35aの入口の開口面積を所定量減少させるように決定する。これにより、除霜モードでは、除湿暖房モードよりも室内凝縮器12における送風空気の加熱量を減少させる。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等については、第1実施形態の除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、図11のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図11のa11点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して凝縮する(図11のa11点→b11点)。水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒の流れは、全開となっている暖房用膨張弁14cを介して、室外熱交換器16へ流入する。
室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気および室外熱交換器16へ放熱して凝縮する(図11のb11点→c11点)。室外熱交換器16から流出した冷媒は、冷房用膨張弁14dにて減圧されて(図11のc11点→d11点)、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図11のd11点→e11点)。
室内蒸発器15から流出した冷媒は、アキュムレータ21へ流入して気液分離される。アキュムレータ21から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図11のf11点→a11点)。
つまり、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aおよび室外熱交換器16が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。さらに、室外熱交換器16では、室内凝縮器12から流出した冷媒の有する熱によって、室外熱交換器16についた霜が融解されて取り除かれる。すなわち、室外熱交換器16の除霜がなされる。
また、単独除霜モードの高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、単独除霜モードの室内空調ユニット30では、図11のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気が、ヒータコア42を通過する際に、水冷媒熱交換器12aにて冷媒が放熱した熱を熱源として再加熱される。
単独除霜モードでは、単独除湿暖房モードよりも圧縮機11の回転数を低下させる。単独除湿暖房モードよりも加熱用通路35aの入口の開口面積が低下するようにエアミックスドア34を変位させる。さらに、単独除湿暖房モードよりも高温側熱媒体ポンプ41の圧送能力を低下させる。このため、単独除湿暖房モードよりもヒータコア42における送風空気の加熱量が減少してしまうものの、車室内の除湿暖房を継続することができる。
(c-2)廃熱除霜モード
廃熱除霜モードでは、制御装置60が、高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。従って、廃熱除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、図6の黒塗り矢印で示すように、冷却冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、単独除湿暖房モード時よりも低い圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、蒸発圧力調整弁20へ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力およびチラー19における冷媒蒸発圧力が適切な値となるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第1実施形態の除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、廃熱除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aおよび室外熱交換器16が、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
廃熱除霜モードの冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却されて除湿される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。さらに、室外熱交換器16では、室内凝縮器12から流出した冷媒の有する熱によって、室外熱交換器16についた霜が融解されて取り除かれる。すなわち、室外熱交換器16の除霜がなされる。
また、廃熱除霜モードの高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、廃熱除霜モードの低温側熱媒体回路50では、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、バッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、廃熱除霜モードの室内空調ユニット30では、単独除霜モードと同様に、車室内の除湿暖房が実現される。廃熱除霜モードでは、冷却除湿暖房モードよりもヒータコア42における送風空気の加熱量が減少してしまうものの、単独除霜モード等と同様に、車室内の除湿暖房を継続することができる。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1aによれば、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調および発熱機器の適切な冷却を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用空調装置1aでは、室内蒸発器15にデシカント材15aが塗布されているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の車両用空調装置1aによれば、デシカント材15aの塗布された室内蒸発器15を備えることによる作動効率の向上効果を得つつ、いずれの運転モードに切り替えても冷凍機油を圧縮機11へ適切に戻すことができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1aでは、冷却用減圧部として冷却用膨張弁14eを備え、冷却用熱交換部としてチラー19を備えている。これによれば、バッテリ80の冷却を行うことができる。さらに、廃熱除湿モードでは、室外熱交換器16から流出した冷媒を冷却用膨張弁14eへ流入させる冷媒回路に切り替えている。これによれば、バッテリ80の廃熱を、室外熱交換器16の除霜のための熱源として利用することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図12、図13の全体構成図に示す車両用空調装置1bについて説明する。車両用空調装置1bは、第2実施形態で説明した車両用空調装置1a等と同様に、車室内の空調を行うだけでなく、バッテリ80を冷却する機能を有している。従って、車両用空調装置1bは、発熱機器冷却機能付きの空調装置である。
車両用空調装置1bは、冷凍サイクル装置10b、室内空調ユニット30、高温側熱媒体回路40、および低温側熱媒体回路50を有している。
なお、図12、図13では、図示の明確化のため、室内空調ユニット30の図示を省略している。従って、冷凍サイクル装置10bの室内蒸発器15は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。高温側熱媒体回路40のヒータコア42は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
冷凍サイクル装置10bでは、アキュムレータ21が廃止されており、レシーバ23が採用されている。レシーバ23は、凝縮器として機能する熱交換器から流出した高圧冷媒の気液を分離する高圧側の気液分離器である。レシーバ23は、分離された液相冷媒の一部を下流側へ流出させ、残余の液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として貯える。
冷凍サイクル装置10bの第1三方継手17aの一方の流出口には、第1高圧開閉弁13cおよび第5三方継手17eを介して、暖房用膨張弁14cの入口側が接続されている。第1三方継手17aの他方の流出口には、入口側通路22cを介して、レシーバ23の入口側が接続されている。入口側通路22cには、第2高圧開閉弁13dおよび第2三方継手17bが配置されている。
第1高圧開閉弁13cは、第1三方継手17aの一方の流出口から第5三方継手17eの一方の流入口へ至る冷媒通路を開閉する電磁弁である。第5三方継手17eの他方の流入口には、出口側通路22dを介して、レシーバ23の出口側が接続されている。出口側通路22dには、第6三方継手17fおよび第2逆止弁18bが配置されている。第6三方継手17fの残りの流出口には、第4三方継手17dの流入口側が接続されている。
第2逆止弁18bは、第6三方継手17f側から第5三方継手17e側へ冷媒が流れることを許容し、第5三方継手17e側から第6三方継手17f側へ冷媒が流れることを禁止している。換言すると、第2逆止弁18bは、レシーバ23の出口側から暖房用膨張弁14cの入口側へ冷媒が流れることを許容し、暖房用膨張弁14cの入口側からレシーバ23の出口側へ冷媒が流れることを禁止している。
第5三方継手17eおよび第6三方継手17fの基本的構成は、第1三方継手17a等と同様である。第1高圧開閉弁13cおよび第2高圧開閉弁13dの基本的構成は、第1実施形態で説明した高圧開閉弁13a等と同様である。第1高圧開閉弁13cおよび第2高圧開閉弁13dは、冷媒回路切替部である。第2逆止弁18bの基本的構成は、第1実施形態で説明した逆止弁18と同様である。
なお、本実施形態では、説明の明確化のため、第1実施形態で説明した逆止弁18を第1逆止弁18aと記載する。その他の車両用空調装置1bの構成は、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aと同様である。
次に、車両用空調装置1bの作動について説明する。車両用空調装置1bでは、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aと同様の運転モードを実行することができる。以下に、各運転モードの作動を説明する。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードでは、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを開き、第2高圧開閉弁13dを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、図12の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、第1逆止弁18a、レシーバ23、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、冷房用膨張弁14dに出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒が予め定めた目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の単独冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、単独冷房モードの車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、車室内の冷房を行うことができる。
さらに、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、サイクルの余剰冷媒をレシーバ23に貯えるので、室内蒸発器15の出口側冷媒に過熱度を持たせることができる。従って、サイクルの余剰冷媒をアキュムレータに貯えるサイクルよりも、室内蒸発器15における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の冷却能力を向上させることができる。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードでは、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを開き、第2高圧開閉弁13dを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、図12の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、第1逆止弁18a、レシーバ23、第4三方継手17d、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、全開となっている暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、第1逆止弁18a、レシーバ23、第4三方継手17d、冷却用膨張弁14e、チラー19、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、第2実施形態と同様に、室内蒸発器15およびチラー19が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、冷房用膨張弁14dへ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。また、冷却用膨張弁14eへ出力される制御信号については、制御装置60は、チラー19の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の冷却冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、冷却冷房モードの車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、バッテリ80の冷却を行うことができるとともに、車室内の冷房を行うことができる。
さらに、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、室内蒸発器15の出口側冷媒およびチラー19の出口側冷媒に過熱度を持たせることができる。従って、単独冷房モードと同様に、室内蒸発器15における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の冷却能力を向上させることができる。さらに、チラー19における冷媒の吸熱量を増加させて、バッテリ80の冷却能力を向上させることができる。
(b-1)単独除湿暖房モード
単独除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを閉じ、第2高圧開閉弁13dを開き、低圧開閉弁13bを開く。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10bでは、図13の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、出口側通路22dの第6三方継手17f、暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、暖房用通路22b、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、出口側通路22dの第6三方継手17f、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。
すなわち、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10bでは、第2実施形態と同様に、室外熱交換器16および室内蒸発器15が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、暖房用膨張弁14cへ出力される制御信号については、制御装置60は、室外熱交換器16の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。また、冷房用膨張弁14dへ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、デシカント材15aの吸着作用を利用して、車室内の除湿暖房を行うことができる。
さらに、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10bでは、室外熱交換器16の出口側冷媒および室内蒸発器15の出口側冷媒に過熱度を持たせることができる。従って、室外熱交換器16における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の加熱能力を向上させることができる。さらに、室内蒸発器15における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の冷却能力を向上させることができる。
次に、単独除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを閉じ、第2高圧開閉弁13dを開き、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全閉状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10bでは、図13の斜線ハッチング付き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。
さらに、制御装置60は、第2実施形態の単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。
このため、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10bでは、水冷媒熱交換器12aおよび室内蒸発器15が、放熱器として機能するホットガスサイクルが構成される。さらに、脱離行程の冷凍サイクル装置10bでは、高温の気相冷媒がレシーバ23へ流入するため、レシーバ23は冷媒通路として機能する。
従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の車両用空調装置1bでは、第2実施形態の単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、デシカント材15aの再生、および車室内の暖房を行うことができる。
(b-2)冷却除湿暖房モード
冷却除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを閉じ、第2高圧開閉弁13dを開き、低圧開閉弁13bを開く。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。
従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10bでは、図13の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、出口側通路22dの第6三方継手17f、暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16、暖房用通路22b、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、出口側通路22dの第6三方継手17f、第4三方継手17d、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、入口側通路22c、レシーバ23、出口側通路22dの第6三方継手17f、第4三方継手17d、冷却用膨張弁14e、チラー19、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。
すなわち、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10bでは、第2実施形態と同様に、室外熱交換器16、室内蒸発器15およびチラー19が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、暖房用膨張弁14cへ出力される制御信号については、制御装置60は、室外熱交換器16の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。
また、冷房用膨張弁14dへ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。また、冷却用膨張弁14eへ出力される制御信号については、制御装置60は、チラー19の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の冷却除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、バッテリ80の冷却、および車室内の除湿暖房を行うことができる。
さらに、冷却除湿暖房モードの吸着行程冷凍サイクル装置10bでは、室外熱交換器16の出口側冷媒、室内蒸発器15の出口側冷媒、およびチラー19の出口側冷媒に過熱度を持たせることができる。
従って、室外熱交換器16における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の加熱能力を向上させることができる。室内蒸発器15における冷媒の吸熱量を増加させて、送風空気の冷却能力を向上させることができる。さらに、チラー19における冷媒の吸熱量を増加させて、バッテリ80の冷却能力を向上させることができる。
次に、冷却除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを閉じ、第2高圧開閉弁13dを開き、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全閉状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、冷却除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10bでは、図13の斜線ハッチング付き矢印で示すように、単独除湿暖房モードの脱離行程と同じ順で冷媒が循環する冷媒回路となる。
さらに、制御装置60は、第2実施形態の単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。従って、冷却除湿暖房モードの脱離行程の車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、デシカント材15aの再生、バッテリ80の冷却の継続、および車室内の暖房を行うことができる。
(c-1)単独除霜モード
単独除霜モードでは、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを開き、第2高圧開閉弁13dを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10bでは、図12の白抜き矢印で示すように、単独冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、冷房用膨張弁14dに出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒が予め定めた目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の単独除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、単独除霜モードの車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、室外熱交換器16の除霜、および車室内の除湿暖房を継続することができる。
(c-2)廃熱除霜モード
廃熱除霜モードでは、制御装置60が、第1高圧開閉弁13cを開き、第2高圧開閉弁13dを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。また、制御装置60は、暖房用膨張弁14cを全開状態とし、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。従って、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10bでは、図12の黒塗り矢印で示すように、単独冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、冷房用膨張弁14dへ出力される制御信号については、制御装置60は、室内蒸発器15の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。また、冷却用膨張弁14eへ出力される制御信号については、制御装置60は、チラー19の出口側冷媒の過熱度が目標過熱度に近づくように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の廃熱除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。従って、廃熱除霜モードの車両用空調装置1bでは、第2実施形態と同様に、バッテリ80の冷却、室外熱交換器16の除霜、および車室内の除湿暖房を継続することができる。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1bによれば、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調および発熱機器の適切な冷却を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用空調装置1bにおいても、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aと同様の効果を得ることができる。すなわち、デシカント材15aの塗布された室内蒸発器15を備えることによる作動効率の向上効果を得つつ、いずれの運転モードに切り替えても冷凍機油を圧縮機11へ適切に戻すことができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10bでは、蒸発器として機能する熱交換器の出口側冷媒に過熱度を持たせることができるので、蒸発器として機能する熱交換器における冷媒の吸熱量を増加させることができる。これにより、冷凍サイクル装置10bの成績係数を向上させて、より一層、車両用空調装置1bの作動効率を向上させることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、図14~図19の全体構成図に示す車両用空調装置1cについて説明する。車両用空調装置1cは、第2実施形態で説明した車両用空調装置1a等と同様に、発熱機器冷却機能付きの空調装置である。
車両用空調装置1cは、冷凍サイクル装置10c、室内空調ユニット30、高温側熱媒体回路40a、および低温側熱媒体回路50aを有している。
なお、図14~図19では、第3実施形態と同様に、図示の明確化のため、室内空調ユニット30の図示を省略している。従って、冷凍サイクル装置10cの室内蒸発器15は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。高温側熱媒体回路40aのヒータコア42は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
冷凍サイクル装置10cでは、第2実施形態で説明した冷凍サイクル装置10aに対して、第1三方継手17a、暖房用膨張弁14c、室外熱交換器16等が廃止されている。このため、水冷媒熱交換器12aの冷媒通路の出口に、レシーバ23を介して、第4三方継手17dの流入口側が接続されている。このため、冷凍サイクル装置10cでは、第4三方継手17dが分岐部となる。
第4三方継手17dの一方の流出口には、第2実施形態と同様の冷房用膨張弁14dの入口側が接続されている。本実施形態の冷房用膨張弁14dは、第4三方継手17dにて分岐された一方の冷媒を減圧させる空気冷却用減圧部である。
冷房用膨張弁14dの出口には、第1実施形態と同様の室内蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。本実施形態の室内蒸発器15は、冷房用膨張弁14dにて減圧された冷媒を蒸発させて送風空気を冷却する空気冷却用熱交換部である。
第4三方継手17dの他方の流出口には、第2実施形態と同様の冷却用膨張弁14eの入口側が接続されている。本実施形態の冷却用膨張弁14eは、第4三方継手17dにて分岐された他方の冷媒を減圧させる冷却用減圧部である。
冷却用膨張弁14eの出口には、第2実施形態と同様のチラー19の冷媒通路の入口側が接続されている。本実施形態のチラー19は、冷却用膨張弁14eにて減圧された冷媒と低温側熱媒体回路50aを循環する低温側熱媒体とを熱交換させる冷却用熱交換部である。
室内蒸発器15の冷媒出口およびチラー19の冷媒通路の出口には、蒸発圧力調整弁20の入口側が接続されている。本実施形態の蒸発圧力調整弁20は、室内蒸発器15における冷媒圧力、およびチラー19における冷媒圧力を個別に調整する。その他の冷凍サイクル装置10cの基本的構成は、第2実施形態で説明した冷凍サイクル装置10aと同様である。
次に、高温側熱媒体回路40aについて説明する。高温側熱媒体回路40aでは、第2実施形態で説明した高温側熱媒体回路40aに対して、高温側三方弁43、高温側ラジエータ44、高温側合流部45が追加されている。
高温側熱媒体回路40aでは、水冷媒熱交換器12aの水通路の出口に、高温側三方弁43の流入口側が接続されている。高温側三方弁43は、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体のうち、高温側ラジエータ44側へ流出させる熱媒体流量とヒータコア42側へ流出させる熱媒体流量とを連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。
高温側三方弁43は、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体を、高温側ラジエータ44およびヒータコア42のいずれか一方へ流入させることもできる。従って、高温側三方弁43は、高温側回路切替部である。高温側三方弁43は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
高温側ラジエータ44は、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体と図示しない外気ファンから送風された外気とを熱交換させる高温側外気熱交換部である。高温側ラジエータ44は、第2実施形態で説明した室外熱交換器16と同様に、駆動装置室内の前方側に配置されている。高温側ラジエータ44の熱媒体出口には、高温側合流部45の一方の流入口側が接続されている。
高温側合流部45は、高温側ラジエータ44から流出した熱媒体の流れとヒータコア42から流出した熱媒体の流れとを合流させる。高温側合流部45は、第4三方継手17d等と同様の三方継手である。従って、本実施形態のヒータコア42の熱媒体出口には、高温側合流部45の他方の流入口側が接続されている。高温側合流部45の流出口には、高温側熱媒体ポンプ41の吸入口側が接続されている。
次に、低温側熱媒体回路50aについて説明する。低温側熱媒体回路50aでは、第2実施形態で説明した低温側熱媒体回路50に対して、低温側三方弁53、低温側ラジエータ54、低温側合流部55が配置されている。
低温側熱媒体回路50aでは、チラー19の水通路の出口に、低温側三方弁53の流入口側が接続されている。低温側三方弁53は、チラー19から流出した低温側熱媒体のうち、低温側ラジエータ54側へ流出させる熱媒体流量と熱媒体機器熱交換部であるバッテリ80の冷却水通路80a側へ流出させる熱媒体流量とを連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。
低温側三方弁53の基本的構成は、高温側三方弁43と同様である。低温側三方弁53は、チラー19から流出した低温側熱媒体を、低温側ラジエータ54およびバッテリ80の冷却水通路80aのいずれか一方へ流入させることもできる。従って、低温側三方弁53は、低温側回路切替部である。
低温側ラジエータ54は、チラー19にて冷却された低温側熱媒体と図示しない外気ファンから送風された外気とを熱交換させる低温側外気熱交換部である。低温側ラジエータ54は、駆動装置室内の前方側であって、高温側ラジエータ44の外気流れ下流側に配置されている。
従って、低温側ラジエータ54は、高温側ラジエータ44通過後の外気と低温側熱媒体とを熱交換させる。さらに、本実施形態の高温側ラジエータ44と低温側ラジエータ54は、高温側熱媒体の有する熱および低温側熱媒体の有する熱を、互いに伝熱可能に一体化されている。
具体的には、本実施形態の高温側ラジエータ44と低温側ラジエータ54では、一部の構成部品(本実施形態では、熱交換フィン)を共通する部材で形成している。そして、共通する一部の構成部品を介して、高温側熱媒体の有する熱および低温側熱媒体の有する熱を、互いに熱移動可能としている。これにより、例えば、高温側ラジエータ44を流通する高温側熱媒体の有する熱を、低温側ラジエータ54へ伝熱させることができる。
高温側熱媒体回路40aの高温側三方弁43は、圧縮機11から吐出された冷媒の有する熱によって加熱された高温側熱媒体のうち、ヒータコア42へ供給される熱媒体流量と高温側ラジエータ44へ供給される熱媒体流量とを調整することができる。
つまり、高温側三方弁43は、ヒータコア42にて高温側熱媒体から送風空気へ放熱される熱量と高温側ラジエータ44を介して低温側ラジエータ54へ伝熱される熱量とを調整することができる。従って、高温側三方弁43は、加熱部へ供給される熱量と、高温側外気熱交換部を介して低温側外気熱交換部へ供給される熱量とを分配する熱量分配部となる。
次に、図20を用いて、車両用空調装置1cの電気制御部の概要について説明する。本実施形態の制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器11、14d、14e、20、32、33、34a、37、38、41、43、61、53等の作動を制御する。また、本実施形態では、制御装置60のうち、高温側三方弁43の作動を制御する構成は、高温側回路制御部60fである。低温側回路切替部である低温側三方弁53の作動を制御する構成は、低温側回路制御部60gである。
その他の車両用空調装置1cの構成は、第2実施形態で説明した、車両用空調装置1aと同様である。
次に、車両用空調装置1cの作動について説明する。車両用空調装置1cでは、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aと同様の運転モードを実行することができる。以下に、各運転モードの作動を説明する。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードでは、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。
従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、図14の白抜き矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、レシーバ23、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51を停止させるように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図14の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が高温側ラジエータ44およびヒータコア42の双方へ流入する熱媒体回路になるように決定する。さらに、単独冷房モードでは、制御装置60は、高温側ラジエータ44へ流入する熱媒体流量が、ヒータコア42へ流入する熱媒体流量よりも多くなるように高温側三方弁43の作動を制御する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の単独冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。
また、単独冷房モードの高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42および高温側ラジエータ44へ流入する。高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気に放熱する。ヒータコア42へ流入した高温側熱媒体は、エアミックスドア34の開度に応じて、送風空気に熱交換して放熱する。
また、単独冷房モードの室内空調ユニット30では、第3実施形態の単独冷房モードと同様に、送風空気の温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の冷房が実現される。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードでは、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、図15の黒塗り矢印で示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、レシーバ23、冷房用膨張弁14d、室内蒸発器15、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器12a、レシーバ23、冷却用膨張弁14e、チラー19、蒸発圧力調整弁20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、室内蒸発器15およびチラー19が冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図15の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が高温側ラジエータ44およびヒータコア42の双方へ流入する熱媒体回路になるように決定する。さらに、冷却冷房モードでは、制御装置60は、高温側ラジエータ44へ流入する熱媒体流量が、ヒータコア42へ流入する熱媒体流量よりも多くなるように高温側三方弁43の作動を制御する。
また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、低温側三方弁53については、制御装置60は、図15の破線矢印で示すように、チラー19から流出した低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aへ流入する熱媒体回路になるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の冷却冷房モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。チラー19にて低温側熱媒体が冷却される。
また、単独冷房モードの高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42および高温側ラジエータ44へ流入する。高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気に放熱する。
また、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路50aでは、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、バッテリ80の冷却水通路80aへ流入する。バッテリ80の冷却水通路80aへ流入した低温側熱媒体は、バッテリ80から吸熱する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、冷却冷房モードの室内空調ユニット30では、第3実施形態の冷却冷房モードと同様に、送風空気の温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。これにより、車室内の冷房が実現される。
(b-1)単独除湿暖房モード
単独除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、図16の黒塗り矢印で示すように、冷却冷房モードと同様に、冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図16の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が、ヒータコア42へ流入するように高温側三方弁43の作動を制御する。
また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、低温側三方弁53については、制御装置60は、図16の破線矢印で示すように、チラー19から流出した低温側熱媒体が、低温側ラジエータ54へ流入するように低温側三方弁53の作動を制御する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、図21のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図21のa21点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して凝縮する(図21のa21点→b21点)。水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒の流れは、第4三方継手17dにて分岐される。
第4三方継手17dにて分岐された一方の冷媒は、冷房用膨張弁14dにて減圧されて(図21のb21点→e21点)、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図21のe21点→f21点)。
第4三方継手17dにて分岐された他方の冷媒は、冷却用膨張弁14eにて減圧されて(図21のb21点→c21点)、チラー19へ流入する。チラー19へ流入した冷媒は、低温側熱媒体と熱交換して蒸発する(図21のc21点→d21点)。
冷房用膨張弁14dから流出した冷媒とチラー19から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁20にて同等の圧力に調整されて、合流部17gにて合流する。合流部17gから流出した冷媒は、アキュムレータ21へ流入して気液分離される。アキュムレータ21から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図21のg21点→a21点)。
つまり、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。なお、図21では、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力が、チラー19における冷媒圧力よりも高くなっている例を説明したが、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力が、チラー19における冷媒圧力よりも低くなっていてもよい。
そして、単独除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。換言すると、チラー19では、低圧冷媒が低温側熱媒体から吸熱して蒸発する。
また、単独除湿暖房モードの吸着行程の高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、単独除湿暖房モードの吸着行程の低温側熱媒体回路50aでは、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は低温側ラジエータ54へ流入する。低温側ラジエータ54へ流入した低温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気の有する熱を吸熱する。
また、単独除湿暖房モードの吸着行程の室内空調ユニット30では、図21のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、第2実施形態の単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に、送風空気の温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の車両用空調装置1cでは、第2実施形態と同様に、デシカント材15aの吸着作用を利用して、車室内の除湿暖房を行うことができる。
次に、単独除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、図17の白抜き矢印で示すように、冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図17の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が、ヒータコア42へ流入するように高温側三方弁43の作動を制御する。
また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51を停止させるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第2実施形態の単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、図22のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図22のa22点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して放熱する(図22のa22点→b22点)。
水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、レシーバ23を介して、冷房用膨張弁14dへ流入して減圧される(図22のb22点→c22点)。冷房用膨張弁14dにて減圧された冷媒は、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、外気およびデシカント材15aへ放熱する(図22のc22点→d22点)。
室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁20にて減圧される(図22のd22点→e22点)。蒸発圧力調整弁20から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図22のe22点→a22点)。
つまり、単独除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aおよび室内蒸発器15が、放熱器として機能するホットガスサイクルが構成される。脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。さらに、脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、高温の気相冷媒がレシーバ23へ流入するため、レシーバ23は冷媒通路として機能する。
また、単独除湿暖房モードの脱離行程の高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、単独除湿暖房モードの脱離行程の室内空調ユニット30では、図22のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、第2実施形態と同様に、室内送風機32から送風された外気の一部が室内蒸発器15を通過して加湿される。これにより、デシカント材15aの再生がなされる。室内蒸発器15を通過して加湿された外気は、排気装置38の排気口31bから、車室外へ排気される。
室内送風機32から送風された外気の別の一部は、外気バイパス通路35cを介して、補助外気導入口31aから加熱用通路35aへ流入する。加熱用通路35aへ流入した外気は、送風空気としてヒータコア42にて加熱されて、車室内へ吹き出される。これにより、単独除湿暖房モードの脱離行程時にも、車室内の暖房を行うことができる。
(b-2)冷却除湿暖房モード
冷却除湿暖房モードの吸着行程では、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、図18の黒塗り矢印で示すように、冷却冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図18の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が、ヒータコア42へ流入するように高温側三方弁43の作動を制御する。
また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、低温側三方弁53については、制御装置60は、図18の破線矢印で示すように、チラー19から流出した低温側熱媒体が、低温側ラジエータ54およびバッテリ80の冷却水通路80aの双方へ流入するように低温側三方弁53の作動を制御する。
なお、バッテリ80の有する熱によって、送風空気を充分に再加熱することができる場合は、チラー19から流出した低温側熱媒体の全流量が、バッテリ80の冷却水通路80aへ流入するように低温側三方弁53の作動を制御してもよい。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の冷却除湿暖房モードの吸着行程と同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却除湿暖房モードの吸着行程の冷凍サイクル装置10cでは、単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。換言すると、チラー19では、低圧冷媒が、低温側熱媒体から吸熱して蒸発する。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の低温側熱媒体回路50aでは、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、低温側ラジエータ54およびバッテリ80の冷却水通路80aへ流入する。
低温側ラジエータ54へ流入した低温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気の有する熱を吸熱する。バッテリ80の冷却水通路80aへ流入した低温側熱媒体は、バッテリ80の有する熱を吸熱する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、冷却除湿暖房モードの吸着行程の室内空調ユニット30では、単独除湿暖房モードの吸着行程と同様に、送風空気の温度調整がなされて、車室内の適切な箇所へ吹き出される。従って、単独除湿暖房モードの吸着行程の車両用空調装置1cでは、デシカント材15aの吸着作用を利用して、車室内の除湿暖房を行うことができる。
次に、冷却除湿暖房モードの脱離行程では、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、冷却除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、図19の白抜き矢印で示すように、単独除湿暖房モードと同様の順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41へ出力される制御電圧については、制御装置60は、高温側熱媒体ポンプ41が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、図19の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が、ヒータコア42へ流入するように高温側三方弁43の作動を制御する。
また、低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、制御装置60は、低温側熱媒体ポンプ51が予め定めた圧送能力を発揮するように決定する。
また、低温側三方弁53については、制御装置60は、図19の破線矢印で示すように、チラー19から流出した低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aへ流入する熱媒体回路になるように決定する。
従って、冷却除湿暖房モードの脱離行程の冷凍サイクル装置10cでは、単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、水冷媒熱交換器12aおよび室内蒸発器15が、放熱器として機能するホットガスサイクルが構成される。そして、脱離行程の冷凍サイクル装置10aでは、水冷媒熱交換器12cにて、高温側熱媒体が加熱される。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42へ流入する。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の低温側熱媒体回路50aでは、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体が、チラー19とバッテリ80の冷却水通路80aとの間で循環する。従って、脱離行程の実行中は、第2実施形態と同様に、吸着行程時に冷却された低温側熱媒体によって、バッテリ80の冷却を継続することができる。
また、冷却除湿暖房モードの脱離行程の室内空調ユニット30では、単独除湿暖房モードの脱離行程と同様に、室内蒸発器15のデシカント材15aの再生がなされる。室内蒸発器15と通過する際に加湿された外気は、排気装置38の排気口31bから、車室外へ排気される。
さらに、外気バイパス通路35cを介して、加熱用通路35aへ流入した外気は、送風空気としてヒータコア42を通過する際に、水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体と熱交換して加熱されて、車室内へ吹き出される。これにより、冷却除湿暖房モードの脱離行程時にも、車室内の暖房を行うことができる。
(c)除霜モード
車両用空調装置1cでは、除湿暖房モード時に、低温側ラジエータ54にて、低温側熱媒体が外気から吸熱した熱を熱源として、送風空気を加熱している。このため、除湿暖房モード時に、低温側ラジエータ54に着霜が生じることがある。そこで、本実施形態の除霜モードでは、低温側ラジエータ54の除霜を行う。
(c-1)単独除霜モード
単独除霜モードでは、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。従って、単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、図14の白抜き矢印で示すように、単独冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41、および低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、単独冷房モードと同様に決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、単独冷房モードと同様に、図14の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が高温側ラジエータ44およびヒータコア42の双方へ流入する熱媒体回路になるように決定する。このため、熱量分配部である高温側三方弁43は、単独除霜モード時に、単独除湿暖房モード時よりも、高温側ラジエータ44へ流入させる高温側熱媒体の流量を増加させる。
前述の如く、本実施形態の高温側ラジエータ44と低温側ラジエータ54は、高温側熱媒体の有する熱を、低温側ラジエータ54へ伝熱させることができるように一体化されている。従って、高温側三方弁43は、単独除霜モード時に、単独除湿暖房モード時よりも、低温側ラジエータ54へ供給される熱量を増加させている。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の単独除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10cでは、図23のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図23のa23点)が、水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、高温側熱媒体と熱交換して凝縮する(図23のa23点→b23点)。
水冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、冷房用膨張弁14dにて減圧されて(図23のb23点→c23点)、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した冷媒は、送風空気と熱交換して蒸発する(図23のd23点→e23点)。室内蒸発器15から流出した冷媒は、アキュムレータ21を介して、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される(図23のf23点→a23点)。
つまり、単独除霜モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。
また、単独除霜モードの高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42および高温側ラジエータ44へ流入する。
高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体の有する熱は、一体化されている低温側ラジエータ54へ伝熱される。これにより、低温側ラジエータ54についた霜が融解されて取り除かれる。すなわち、低温側ラジエータ54の除霜がなされる。
また、単独除霜モードの室内空調ユニット30では、図23のモリエル線図に模式的に破線矢印で示すように、室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気が、ヒータコア42を通過する際に、水冷媒熱交換器12aにて冷媒が放熱した熱を熱源として再加熱される。従って、車室内の除湿暖房を継続することができる。
(c-2)廃熱除霜モード
廃熱除霜モードでは、制御装置60が、冷房用膨張弁14dを絞り状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。従って廃熱除霜モードの冷凍サイクル装置10cでは、図15の黒塗り矢印で示すように、冷却冷房モードと同じ順で冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
さらに、制御装置60は、各種制御対象機器へ出力される制御信号を適宜決定する。例えば、高温側熱媒体ポンプ41、および低温側熱媒体ポンプ51へ出力される制御電圧については、冷却冷房モードと同様に決定する。
また、高温側三方弁43については、制御装置60は、冷却冷房モードと同様に、図15の実線矢印で示すように、水冷媒熱交換器12aから流出した高温側熱媒体が高温側ラジエータ44およびヒータコア42の双方へ流入する熱媒体回路になるように決定する。このため、高温側三方弁43は、廃熱除霜モード時に、冷却除湿暖房モード時よりも、高温側ラジエータ44へ流入させる高温側熱媒体の流量を増加させる。
また、低温側三方弁53については、制御装置60は、冷却冷房モードと同様に、図15の破線矢印で示すように、チラー19から流出した低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aへ流入する熱媒体回路になるように決定する。
その他の制御対象機器へ出力される制御信号等の決定については、第3実施形態の廃熱除霜モードと同様に決定される。そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、廃熱除霜モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aが、凝縮器として機能し、室内蒸発器15およびチラー19が、蒸発器として機能する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。単独冷房モードの冷凍サイクル装置10cでは、水冷媒熱交換器12aにて、高温側熱媒体が加熱される。室内蒸発器15にて、送風空気が冷却される。チラー19にて、低温側熱媒体が冷却される。
また、廃熱除霜モードの高温側熱媒体回路40aでは、高温側熱媒体ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器12aへ流入する。水冷媒熱交換器12aにて加熱された高温側熱媒体がヒータコア42および高温側ラジエータ44へ流入する。
高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体の有する熱は、一体化されている低温側ラジエータ54へ伝熱される。これにより、低温側ラジエータ54についた霜が融解されて取り除かれる。すなわち、低温側ラジエータ54の除霜がなされる。
また、廃熱除霜モードの低温側熱媒体回路50aでは、低温側熱媒体ポンプ51から圧送された低温側熱媒体がチラー19へ流入する。チラー19にて冷却された低温側熱媒体は、バッテリ80の冷却水通路80aへ流入する。バッテリ80の冷却水通路80aへ流入した低温側熱媒体は、バッテリ80から吸熱する。これにより、バッテリ80が冷却される。
また、単独除霜モードの室内空調ユニット30では、第3実施形態の廃熱除霜モードと同様に、室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気をヒータコア42にて再加熱することによって、車室内の除湿暖房を継続することができる。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1cによれば、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調および発熱機器の適切な冷却を実現することができる。
さらに、本実施形態の車両用空調装置1cでは、室内蒸発器15にデシカント材15aが塗布されている。従って、第1実施形態の車両用空調装置1と同等に、作動効率を向上させることができる。
また、除霜モード時には、高温側三方弁43が高温側ラジエータ44へ流入させる高温側熱媒体の流量を除湿暖房モード時よりも増加させる。つまり、除霜モード時には、高温側ラジエータ44を介して低温側ラジエータ54へ供給される熱量を除湿暖房モード時よりも増加させる。従って、低温側ラジエータ54について霜を融解して取り除くことができる。
さらに、除霜モード時には、高温側三方弁43がヒータコア42にも高温側熱媒体を供給する。従って、除霜モード時に、室内蒸発器15にて送風空気が冷却されてもヒータコア42にて再加熱することができる。その結果、圧縮機11へ冷凍機油を適切に戻すことができるように、圧縮機11の回転数を決定しても空調対象空間の温度低下を抑制することができる。
従って、本実施形態の車両用空調装置1cによれば、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様の効果を得ることができる。すなわち、デシカント材15aの塗布された室内蒸発器15を備えることによる作動効率の向上効果を得つつ、いずれの運転モードに切り替えても冷凍機油を圧縮機11へ適切に戻すことができる。
また、本実施形態の車両用空調装置1cでは、熱媒体機器熱交換部としてバッテリ80の冷却水通路80aを備えている。これによれば、バッテリ80の冷却を行うことができる。
さらに、廃熱除湿モード時に、低温側三方弁53が、低温側熱媒体をチラー19とバッテリ80の冷却水通路80aとの間で循環させるように低温側熱媒体回路50aを切り替える。これによれば、バッテリ80の廃熱を、室外熱交換器16の除霜のための熱源として利用することができる
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係る空調装置を車両用空調装置1~1cに適用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、本発明に係る空調装置を定置型の空調装置に適用してもよい。
また、車両用空調装置1a~1cでは、発熱機器としてバッテリ70を冷却する例を説明したが、これに限定されない。例えば、走行用の駆動力を出力する走行用の電動モータ、電動モータに電力を供給するインバータ、動力伝達機構であるトランスアクスル、先進運転支援システム用の制御装置等、作動時に発熱する車載機器を冷却してもよい。定置型の空調装置に適用した場合は、その他の発熱機器を冷却してもよい。
(2)車両用空調装置1~1cが実行可能な運転モードは、上述の実施形態で説明したものに限定されない。車両用空調装置1~1cでは、少なくとも各実施形態で説明した除湿暖房モードと除霜モードとを切り替えることができれば、上述した効果を得ることができる。すなわち、吸着部を有する熱交換器を備えることによる作動効率の向上効果を得つつ、冷凍機油を圧縮機11へ適切に戻すことができる。
従って、車両用空調装置1~1cが、別の運転モードを実行可能であってもよい。例えば、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aにおいて、別の除湿暖房モードとして、直列除湿暖房モードを実行してもよい。
具体的には、冷凍サイクル装置10aの高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを閉じる。暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。その他の構成機器については、除湿暖房モードと同様に制御すればよい。従って、直列除湿暖房モードでは、室外熱交換器16および室内蒸発器15が冷媒流れに対して直列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、例えば、第2実施形態で説明した車両用空調装置1aにおいて、さらに、暖房モードを実行してもよい。暖房モードでは、室内蒸発器15にて送風空気を冷却して除湿することなく、車室内へ加熱された送風空気を吹き出す。
具体的には、冷凍サイクル装置10aの高圧開閉弁13aを閉じ、低圧開閉弁13bを開く。さらに、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。その他の構成機器については、冷房モードと同様に制御すればよい。これによれば、ヒータコア42にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を実現することができる。
また、例えば、第3実施形態で説明した車両用空調装置1bにおいて、暖房モードを実行してもよい。
具体的には、冷凍サイクル装置10bの低圧開閉弁13bを開き、第1高圧開閉弁13cを閉じ、第2高圧開閉弁13dを開く。さらに、暖房用膨張弁14cを絞り状態とし、冷房用膨張弁14dおよび冷却用膨張弁14eを全閉状態とする。その他の構成機器については、冷房モードと同様に制御すればよい。これによれば、ヒータコア42にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を実現することができる。
また、例えば、第4実施形態で説明した車両用空調装置1cにおいて、暖房モードを実行してもよい。
具体的には、冷凍サイクル装置10cの冷房用膨張弁14dを全閉状態とし、冷却用膨張弁14eを絞り状態とする。また、予め定めた圧送能力を発揮するように、高温側熱媒体ポンプ41および低温側熱媒体ポンプ51を作動させる。また、高温側熱媒体が、ヒータコア42側へ流入するように、高温側三方弁43を作動させる。また、低温側熱媒体が、低温側ラジエータ54へ流入するように、低温側三方弁53を作動させる。
これによれば、ヒータコア42にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を実現することができる。
また、第2~第4実施形態で説明した車両用空調装置1a~1cにおいて、発熱機器の廃熱のみを熱源として除霜を行ってもよい。具体的には、廃熱除霜モード時に冷房用膨張弁14dを全閉状態とすればよい。
(3)各運転モードを実行するための実行条件、あるいは、運転モードを切り替えるための切替条件は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、除湿暖房モードの実行中に、外気温Tamが連続して基準着霜外気温Ktamf以下となっている時間Tmf2が、基準着霜時間KTmf以上となった際に、着霜条件が成立したと判定してもよい。例えば、除霜モードの実行中に、室外器温度Toutが予め定めた基準除霜温度KToutdf以上となった際に、終了条件が成立したと判定してもよい。
例えば、各運転モードの実行中に、低温側熱媒体温度センサ61mによって検出された低温側熱媒体温度TWLが予め定めた基準熱媒体温度KTWL以上となっている際に、バッテリ80の冷却が必要であると判定してもよい。また、低温側熱媒体温度TWLが基準熱媒体温度KTWLよりも低くなっている際に、バッテリ80の冷却が必要でないと判定してもよい。
例えば、除湿暖房モード時には、高温側熱媒体温度センサ61kによって検出された高温側熱媒体温度TWHが目標高温側熱媒体TWHOに近づくように、圧縮機11へ出力される制御信号を決定してもよい。
(4)冷凍サイクル装置10、10a~10cの各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
冷凍サイクル装置10では、冷媒回路切替部として四方弁13を採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、複数(例えば、4つ)の開閉弁を組み合わせることによって、冷媒回路切替部を形成してもよい。
冷凍サイクル装置10a~10cでは、圧力調整部として蒸発圧力調整弁20を採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、室内蒸発器15の冷媒出口から合流部17gへ至る冷媒流路に、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力以上に維持する機械式の蒸発圧力調整弁を配置してもよい。機械式の蒸発圧力調整弁としては、室内蒸発器15の冷媒出口側の冷媒の圧力上昇に伴って、弁開度を増加させる可変絞り機構を採用することができる。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR1234yfを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C等を採用してもよい。または、これらのうち複数の冷媒を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
(5)室内空調ユニット30の構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、ケーシング31内に専ら内気のみを流通させる内気専用通路および専ら外気のみを流通させる外気専用通路を形成してもよい。そして、内気専用通路および外気専用通路の双方に、加熱用通路および冷風バイパス通路を形成してもよい。
また、上述の実施形態の除湿暖房モードの吸着行程では、内気導入口を全開とし、外気導入口を全閉とするように内外気切替装置33の作動を制御した例を説明したが、これに限定されない。吸着行程では、室内蒸発器15へ流入する送風空気における内気の割合が外気の割合よりも多くなるように内外気切替装置33の作動を制御すればよい。
同様に、除湿暖房モードの脱離行程では、内気導入口を全閉とし、外気導入口を全開とするように内外気切替装置33の作動を制御した例を説明したが、これに限定されない。脱離行程では、室内蒸発器15へ流入する送風空気における外気の割合が内気の割合よりも多くなるように内外気切替装置33の作動を制御すればよい。
また、冷房モードおよび除霜モードでは、内気導入口を全閉とし、外気導入口を全開とするように内外気切替装置33の作動を制御した例を説明したが、これに限定されない。冷房モードおよび除霜モードでは、室内蒸発器15へ流入する送風空気における外気の割合が内気の割合よりも多くなるように内外気切替装置33の作動を制御すればよい。
また、上述の実施形態では、外気バイパス通路35cを設けた例を説明したが、外気バイパス通路35cを廃止して、補助外気導入口31aから直接外気を導入するようにしてもよい。この場合は、補助外気導入口31aへ外気を流入させるための専用の補助外気送風機を設けることが望ましい。そして、制御装置60が、補助外気導入口31aを開いた際に、補助外気送風機を作動させるようにすればよい。
(6)高温側熱媒体回路40、40a、および低温側熱媒体回路50、50aの各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、高温側熱媒体回路40に、高温側熱媒体を加熱する補助熱源としての電気ヒータを配置してもよい。
また、高温側熱媒体回路40に、ヒータコア42を迂回させて高温側熱媒体を流すバイパス通路を設け、ヒータコア42へ流入させる高温側熱媒体流量とバイパス通路へ流入させる高温側熱媒体流量との流量比を調整する三方弁を配置してもよい。そして、三方弁を、加熱量調整部としてもよい。
また、上述の実施形態では、高温側熱媒体および低温側熱媒体としてエチレングリコール水溶液を採用した例を説明したが、熱媒体はこれに限定されない。例えば、ジメチルポリシロキサン、あるいはナノ流体等を含む溶液、不凍液、アルコール等を含む水系の液冷媒、オイル等を含む液媒体等を採用してもよい。
(7)また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
例えば、第1実施形態で説明した車両用空調装置1の加熱部として、水冷媒熱交換器12aおよび高温側熱媒体回路40の各構成機器を採用してもよい。同様に、第2、第3実施形態で説明した車両用空調装置1a、1bの加熱部として、室内凝縮器12を採用してもよい。