JP7655728B2 - 化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法に関するものである。
セルロースを微細化して得られるセルロースナノファイバーやミクロフィブリルセルロース繊維は、繊維幅がナノ~マイクロオーダーの微細な繊維であり、高強度、高弾性、チキソ性等、通常のパルプにはない機能を有する新規材料として様々な分野での利用が期待されている。
例えば、製紙分野においては、紙の強度を向上させるために紙力向上剤を用いる場合があり、その効果を補強するためにセルロースナノファイバーを添加することが検討されている(特許文献1等)。
特開2016-166444号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、セルロースナノファイバーが高価であるため、セルロースナノファイバーの添加により、得られる紙のコストが上昇するという問題があった。また、セルロースナノファイバーは非常に繊維幅が小さいため、製紙原料に添加して抄紙する際に、抄紙機のワイヤーパートでの脱水や、プレスパートでの搾水により水とともに排出されてしまい、得られる紙の強度が十分に上がらないという問題もあった。
発明者らは、セルロースナノファイバーに代えて、セルロースナノファイバーよりも解繊の程度が低いミクロフィブリルセルロース繊維のうち、BET比表面積が高いものを用いることで、低コストで強度の高い紙を製造することができるとの着想を得た。このような特性のミクロフィブリルセルロース繊維を製造する方法として、シングルディスクリファイナーを用いることが検討されているが、処理量を増やすことが難しいという問題があった。
本発明の目的は、BET比表面積が高く、平均繊維幅が特定範囲の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維を得ることが可能な、生産効率に優れた化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法を提供することである。
本発明は、以下を提供する。
(1) BET比表面積が50m/g以上、平均繊維幅が500nm以上である化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法であって、原料パルプを化学変性して化学変性パルプを得る化学変性工程と、前記化学変性工程で得た化学変性パルプを固形分濃度15重量%以下の条件で、2個のディスクとしてDAおよびDBと、その間に存在するディスクとしてDMとを備え、前記DAおよび前記DB又は前記DMの何れか一方が固定され、他方が回転するダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理する叩解処理工程と、を含む化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(2) 前記叩解処理工程におけるパス数が、30回以下である(1)に記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(3) 前記化学変性が、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物と、酸化剤を用いて実施する酸化である、(1)又は(2)記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(4) 前記化学変性が、カルボキシメチル変性である、(1)又は(2)記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(5) 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2よりも大きいことを特徴とする、(1)~(4)の何れかに記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(6) 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2よりも小さいことを特徴とする、(1)~(4)の何れかに記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
(7) 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2と同一であることを特徴とする、(1)~(4)の何れかに記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
本発明によれば、BET比表面積が高く、平均繊維幅が特定範囲の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維を得ることが可能な、生産効率に優れた化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法に用いるダブルディスクリファイナーの一例を示す概略図である。
以下、以下、図面を参照して本発明の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法について説明する。本発明において「~」は端値を含む。すなわち「X~Y」はその両端の値XおよびYを含む。
本発明のBET比表面積が高く、平均繊維幅が特定範囲である化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法は、原料パルプを化学変性して化学変性パルプを得る化学変性工程と、前記化学変性工程で得た化学変性パルプを固形分濃度15重量%以下の条件で、2個のディスクとしてDAおよびDBと、その間に存在するディスクとしてDMとを備え、前記DAおよび前記DB又は前記DMの何れか一方が固定され、他方が回転するダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理する叩解処理工程とを含む。
(化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維)
ミクロフィブリルセルロース繊維(以下「MFC」ともいう)とは、パルプ等のセルロース系原料を解繊して得られる500nm以上の平均繊維幅を有する繊維であり、化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維(以下「化学変性MFC」ともいう)とは、化学変性セルロース系原料を解繊して得られるMFCである。本発明において平均繊維幅とは長さ加重平均繊維幅であり、当該繊維幅はABB株式会社製ファイバーテスターやバルメット社製フラクショネータで測定できる。当該繊維径の下限は好ましくは500nm以上であり、上限は特に限定されないが60μm以下程度である。MFCは、セルロース系原料をビーターやディスパーザーなどで比較的弱く解繊または叩解処理して得られる。したがってMFCは、高圧ホモジナイザーなどでセルロース系原料を強く解繊処理して得られるセルロースナノファイバーと比較して繊維幅が大きく、また繊維自体の微細化を抑制しながら効率的に繊維表面を毛羽立たせた(外部フィブリル化した)形状を有する。
(BET比表面積)
本発明の製造方法により得られる化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維は、BET比表面積が50m/g以上であり、好ましくは70m/g以上である。BET比表面積が高いと、例えば製紙用添加剤として用いた場合にパルプに結合しやすくなり、歩留まりが向上する、紙への強度付与の効果が高まるなどの利点がある。BET比表面積は、窒素ガス吸着法(JISZ8830)を参考に以下の方法により測定できる:
(1)化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の約2%スラリー(分散媒:水)を、固形分が約0.1gとなるように取り分け遠心分離の容器に入れ、100mLのエタノールを加える。
(2)攪拌子を入れ、500rpmで30分以上攪拌する。
(3)撹拌子を取り出し、遠心分離機で、7000G、30分、30℃の条件で化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維を沈降させる。
(4)化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維をできるだけ除去しないようにしながら、上澄みを除去する。
(5)100mLエタノールを加え、撹拌子を加え、(2)の条件で攪拌、(3)の条件で遠心分離、(4)の条件で上澄み除去をし、これを3回繰り返す。
(6)(5)の溶媒をエタノールからt-ブタノールに変え、t-ブタノールの融点以上の室温下で、(5)と同様にして撹拌、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返す。
(7)最後の溶媒除去後、t-ブタノールを30mL加え、軽く混ぜた後ナスフラスコに移し、氷浴を用いて凍結させる。
(8)冷凍庫で30分以上冷却する。
(9)凍結乾燥機に取り付け、3日間凍結乾燥する。
(10)BET測定装置(Micromeritics(マイクロメリティックス)社製)を用いてBET測定を行う(前処理条件:窒素気流下105℃2時間、相対圧0.01~0.30、サンプル量30mg程度)。
(粘度)
本発明の製造方法により得られる化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維は、1重量%、60rpm、25℃の条件におけるB型粘度が、解繊の進み度合の観点から、好ましくは10~6000mPa・s、より好ましくは20~5000mPa・s、さらに好ましくは50~4000mPa・sである。
(化学変性工程)
化学変性工程では、原料パルプを化学変性して化学変性パルプを得る。
(原料パルプ)
原料パルプとしては、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹未漂白サルファイトパルプ(LUSP)、広葉樹漂白サルファイトパルプ(LBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、加圧砕木パルプ(PGW)、リファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)、リンター、ジュート、麻、コウゾ、ミツマタ、ケナフ等の草本由来のパルプ、竹由来のパルプ、再生パルプ、古紙パルプ等が挙げられるが、これらに限定されない。
(化学変性)
化学変性とはパルプに官能基を導入することであり、化学変性はアニオン変性であることが好ましい、すなわち化学変性パルプはアニオン性基を有することが好ましい。アニオン性基としてはカルボキシル基、カルボキシル基含有基、リン酸基、リン酸基含有基、硫酸エステル基等の酸基が挙げられる。カルボキシル基含有基としては、-COOH基、-R-COOH(Rは炭素数が1~3のアルキレン基)、-O-R-COOH(Rは炭素数が1~3のアルキレン基)が挙げられる。リン酸基含有基としては、ポリリン酸基、亜リン酸基、ホスホン酸基、ポリホスホン酸基等が挙げられる。これらの酸基は反応条件によっては、塩の形態(例えばカルボキシレート基(-COOM、Mは金属原子))で導入されることもある。本発明において化学変性は酸化またはエーテル化が好ましい。
酸化は公知のとおりに実施できる。例えばN-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群より選択される物質との存在下で、酸化剤を用いて水中で原料パルプを酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、アルデヒド基、カルボキシル基、およびカルボキシレート基からなる群より選ばれる基が生じる。あるいは、オゾン酸化方法が挙げられる。この酸化反応によればセルロースを構成するグルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であればいずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)およびその誘導体(例えば4-ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。
カルボキシル基量の測定方法の一例を以下に説明する。酸化セルロースの0.5重量%スラリー(水分散液)60mLを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定する。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる。
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/酸化セルロース重量〔g〕
このようにして測定した酸化セルロース中のカルボキシル基の量は、絶乾重量に対して、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.5mmol/g以上、さらに好ましくは0.8mmol/g以上である。当該量の上限は、好ましくは3.0mmol/g以下、より好ましくは2.5mmol/g以下、さらに好ましくは2.0mmol/g以下である。従って、当該量は0.1mmol/g以上3.0mmol/g以下が好ましく、0.5mmol/g以上2.5mmol/g以下がより好ましく、0.8mmol/g以上2.0mmol/g以下がさらに好ましい。
エーテル化としては、カルボキシメチル(エーテル)化、メチル(エーテル)化、エチル(エーテル)化、シアノエチル(エーテル)化、ヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピル(エーテル)化、エチルヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピルメチル(エーテル)化などが挙げられる。この中でもカルボキシメチル化が好ましい。カルボキシメチル化は、例えば、発底原料としての原料パルプをマーセル化し、その後エーテル化する方法により実施できる。
カルボキシメチル化セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定は例えば、次の方法による。すなわち、1)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。2)硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)を水素型カルボキシメチル化セルロースにする。3)水素型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5g以上2.0g以下程度精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。4)80%メタノール15mLで水素型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。5)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定する。6)カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する:
A=[(100×F’-(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾重量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:水素型カルボキシメチル化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのHSOのファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
カルボキシメチル化セルロース中の無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上がさらに好ましい。当該置換度の上限は、0.50以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.35以下がさらに好ましい。従って、カルボキシメチル基置換度は、0.01以上0.50以下が好ましく、0.05以上0.40以下がより好ましく、0.10以上0.30以下がさらに好ましい。
(叩解処理工程)
本工程では、固形分濃度を15重量%以下に調整した化学変性パルプに対して、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理を行う。化学変性パルプに対して叩解処理を行うと、繊維長、繊維幅が小さくなる微細化、および繊維の毛羽立ちが多くなるフィブリル化が進行する。本発明の叩解処理工程においては、ダブルディスクリファイナーを用いた叩解処理を循環処理としてもよいし、複数台のダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理を連続して行う連続処理としてもよい。本発明において、ダブルディスクリファイナーを用いた叩解処理を循環処理または連続処理とした場合における叩解処理のパス数は、所望の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維が得られる限り特に制限はないが、生産性の観点、および繊維の過剰な短小化や処理時に発生する熱による劣化を抑える観点から、30回以下が好ましく、20回以下がより好ましく、10回以下がさらに好ましく、5回以下がさらに好ましい。
なお、本発明においては、叩解処理を循環処理とした場合であって、部分循環とした場合における叩解処理のパス数は、処理する原料が1台のダブルディスクリファイナーを通過して回収された回数に、下記nを乗じた数とする。
n=1/(1-a)
ここで、a=循環割合である。(循環率50%の場合、a=0.5であり、循環率75%の場合、a=0.75である)
部分循環を行うダブルディスクリファイナーを複数台用いて連続処理をする場合における叩解処理のパス数は、1台のリファイナーごとに上記の方法でパス数を算出し、足し合わせるものとする。
叩解処理を循環処理とした場合であって、完全循環によるバッチ処理を行う場合における叩解処理のパス回数は、処理する原料が回収するまでにダブルディスクリファイナーを通過した回数とする。
また、本発明においては、複数台のダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理を連続処理とした場合における叩解処理のパス数は、処理する原料が1台のダブルディスクリファイナーを通過する毎に1増えるものとする。
(ディスクリファイナー)
ディスクリファイナーとは、叩解刃のついた円盤(ディスクプレート(単に「ディスク」ということがある。))が至近距離で向い合い、一方のみまたは相互に逆方向に所定の回転数で回転して、その間を通過するスラリーに対して加圧叩解の効果と遠心力による連続送り出し効果とを与える装置をいう。ディスクリファイナーのうち、ディスクプレートによって形成される叩解間隙の数が一つのものを、シングルディスクリファイナー(「SDR」と略記することがある。)といい、ディスクプレートによって形成される叩解間隙の数が二つのものを、ダブルディスクリファイナー(「DDR」と略記することがある。)という。
(ダブルディスクリファイナー)
ダブルディスクリファイナーは、2個のディスクDAおよびDBと、その間にディスクDMを備え、DAおよびDBまたはDMの何れか一方が固定され、他方が回転する構成、もしくは、DAおよびDBとDMとが逆方向に回転する構成をとる。ダブルディスクリファイナーとして、2個のディスクDA、DBが固定ディスクであり、DMがその間で自由に回転するフローティングディスクである構成をとるものとしては、例えば、相川鉄工株式会社製のダブルディスクリファイナー、三菱重工業/ベロイト(ジョーンズ)製のダブルディスクリファイナー、石川島産業機械/ブラック・クローソン製のツインハイドラディスク、日立造船(日立造船富岡機械)/エッシャーウイス製のツインディスクリファイナー等が挙げられる。
本発明においては、シングルディスクリファイナーと比較して処理量を増やすことができ、生産効率に優れる観点から、ダブルディスクリファイナーを用いる。
2個のディスクDAおよびDBの刃幅としては、0.3~1.5mmが好ましく、0.5~1.3mmであることがより好ましい。DAおよびDBの溝幅としては、0.5~2.0mmが好ましく、0.8~1.7mmがより好ましい。DAおよびDBの刃幅および溝幅は、同じであっても良いし、異ならせても良い。刃角度は特に制限するものではないが、0~40°が好ましく、5~20°が特に好ましい。
ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式によりモノフロー式とデュオフロー式の二種類に大別される。モノフロー式は、原料が、原料流入側に近い叩解間隙から、他方の叩解間隙へ流れる方式であり、デュオフロー式は、原料が中心部より挿入され、DMの両面に形成される叩解間隙を平行に流れる方式である。本発明の製造方法においては、効率よく解繊が進む観点から、原料の流れ方式として、モノフロー式が好ましい。
本発明に用いることができるダブルディスクリファイナーの一例を、図1を用いて説明する。図1は、原料の流れ方式としてモノフロー式のダブルディスクリファイナーの概略を示す断面図である。なお、本発明に用いることができるダブルディスクリファイナーは、図1に示すものに限られるものではない。
図1に示すダブルディスクリファイナー2は、原料入口4から投入されたパルプ原料を叩解する叩解室6内に回転ディスクDM8を配置し、回転ディスクDM8の両面には、所定の刃幅および溝幅を有する刃物が取り付けられている。叩解室6の内壁には、回転ディスクDM8の両面に取り付けられた刃物に対向して、固定ディスクDA10および固定ディスクDB12がそれぞれ配置されている。固定ディスクDA10および固定ディスクDB12には、所定の刃幅および溝幅を有する刃物が取り付けられている。回転ディスクDM8は、駆動軸14に取り付けられており、駆動軸14は、モーター16に連結され、回転駆動される。叩解室6には、叩解された原料を叩解室6に循環させるための循環配管18と、叩解された原料を叩解室6外へ排出する排出口20と、排出口20から回収用タンク(図示せず)に送るための出口配管22が設けられており、循環配管18と出口配管22の流量は、手動バルブ24で調節される。
ダブルディスクリファイナー2を用いて、パルプ原料を叩解処理する場合には、パルプ原料がダブルディスクリファイナー2の原料入口4から投入され、叩解室6に送られる。叩解室6に送られた原料は、はじめに固定ディスクDA10および回転ディスクDM8の間に形成される叩解間隙で叩解され、次に固定ディスクDB12および回転ディスクDM8の間に形成される叩解間隙で叩解され、原料の一部は循環配管18を経由して、再び叩解室6に送られる。叩解された原料は、排出口20から排出され、出口配管22を経由して、回収用タンクに送られる。循環する原料の量と排出口から排出される原料の量は、手動バルブ24によって調節される。
原料の流れ方式として、モノフロー式である場合は、2個のディスクDAおよびDBのうち、原料入口4側から数えて第1のディスクであるDAの刃幅(X1)と第2のディスクであるDBの刃幅(X2)の関係により、下記のようなメリットがある。
X1=X2:得られるMFCの繊維幅、繊維長がそろいやすい。
X1>X2:原料が、広い刃上で叩解されフィブリル化された後に狭い刃で叩解されてカッティングが進むため、原料が未解繊のまま通過しにくくなる。
X1<X2:原料が幅の狭い刃で叩解されてカッティングが進んだ後に、広い刃上で叩解されてフィブリル化が進むため、フィブリル化が進んだ微細な繊維分が得られやすい。
また、原料の流れ方式として、モノフロー式である場合は、2個のディスクDAおよびDBのうち、原料入口4側から数えて第1のディスクであるDAの溝幅(Y1)と第2のディスクであるDBの溝幅(Y2)の関係により、下記のようなメリットがある。
Y1=Y2:得られるMFCの繊維幅、繊維長がそろいやすい。
Y1>Y2:原料が、広い叩解間隙を通過した後に狭い叩解間隙を通過するため、余剰な負荷がかかりにくく、粘度が高いものを処理するのに適する。
Y1<Y2:最初に狭い叩解間隙を通過する際に解繊が進み、粘度が上がりやすいものの、次に広い叩解間隙を通過することになり、原料が滞ることなく通過できる。
本発明の製造方法において、ダブルディスクリファイナーを用いる場合の運転条件としては、DAとDMおよびDBとDMとのクリアランスは0.6mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。下限は特に制限しないが、メタルタッチを避けるため、0.02mm以上が好ましい。運転温度としては、5~120℃が好ましい。なお、所望の繊維幅を有する化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維が得られるように、流量、処理時間またはその他条件等は、適宜調整される。
本発明の製造方法において、叩解処理工程に供する化学変性パルプの固形分濃度は、パルプスラリー移送の観点から15重量%以下であり、0.3~10重量%が好ましく、0.5~6重量%がより好ましい。固形分濃度が低すぎると叩解時プレートの刃にかからず、叩解効率が悪い。固形分濃度は叩解処理を含む機械的処理中に変動しうるが、本発明においては、叩解処理開始時の固形分濃度を、叩解処理工程における固形分濃度という。
化学変性パルプの固形分濃度を15重量%以下に調整する方法としては、希釈が挙げられる。
叩解処理工程に供する化学変性パルプのpHは、解繊のしやすさの観点から6以上が好ましく、7以上がより好ましい。pHを上記範囲とするための方法としては、NaOHやKOH、炭酸水素ナトリウム等の薬品の添加、または化学変性後の酸性薬品添加量を減らす等が挙げられる。化学変性パルプのpHは叩解処理を含む機械的処理中に変動しうるが、本発明においては、叩解処理開始時のpHを、叩解処理工程におけるpHとする。
叩解処理工程に供する化学変性パルプは、アルカリ処理を施したものであっても良い。このアルカリ処理には、NaOHやKOH等の任意のアルカリを用いることができる。本発明に用いる化学変性パルプがアニオン変性パルプの場合、アルカリを添加することにより変性基の末端がNa型等となり、繊維同士の反発が大きくなる。そのため、繊維の静電反発を利用して、効率的に叩解や離解、解繊などの機械的処理を進めることができる。
叩解処理工程に供する化学変性パルプは、酸処理を施したものであっても良い。本発明に用いる化学変性パルプがアニオン変性パルプの場合、酸処理を施すことにより変性基の末端がH型となり、水への親和性が低下する。
なお、本発明の製造方法においては、上記のダブルディスクリファイナーを用いた叩解処理工程の前後に、ダブルディスクリファイナー以外の装置を用いた機械的処理を行う機械的処理工程を1以上有するものであっても良い。また、叩解処理工程の前後に、固形分濃度が15重量%より高い化学変性パルプに対して機械的処理を行う機械的処理工程を有するものであっても良い。
本発明において機械的処理とは、繊維を混合しさらに微細化またはフィブリル化することをいい、叩解、解繊、分散、混練等を含む。ここで、固形分濃度が15重量%より高い条件での機械的処理を「高濃度機械的処理」ということがあり、特に機械的処理が叩解である場合は「高濃度叩解」ともいう。同様に、固形分濃度15重量%以下の条件での機械的処理を「低濃度機械的処理」ということがあり、特に機械的処理が叩解である場合は、「低濃度叩解」ともいう。本発明においは、ダブルディスクリファイナーを用いて低濃度叩解する叩解処理工程を、少なくとも1回行うものであれば、機械的処理を複数回実施しても良い。
本発明においては、機械的処理を循環運転(バッチ処理)としても良いし、部分循環運転としても良いし、複数台の装置を用いた機械的処理を連続して行う連続処理としても良い。高濃度機械的処理と低濃度機械的処理とを組み合わせて実施してもよく、これらの機械的処理を組み合わせる場合、処理の順番は限定されないが、濃縮のしやすさの観点から高濃度機械的処理を先に行うことが好ましい。例えば、化学変性パルプを高濃度機械的処理した後に、当該処理で得られた化学変性パルプを15重量%以下に希釈して、ダブルディスクリファイナーを用いた低濃度叩解処理を行うことにより、MFCを得ることができる。
低濃度機械的処理に用いることができる装置としては、例えば高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などのタイプの装置が挙げられ、高圧または超高圧ホモジナイザー、コニカル型リファイナー等のリファイナー、ビーター、PFIミル、ニーダー、ディスパーザー、トップファイナー、セブンファイナー、ビートファイナー、ツインビートファイナー、ヘンシェルミキサー、ホモミックラインミルなど回転軸を中心として金属または刃物とパルプ繊維を作用させるもの、あるいはパルプ繊維同士の摩擦によるもの、あるいはキャビテーションや水流または水圧によってパルプ繊維を分散または解繊するものを使用することができる。
高濃度機械的処理に用いることができる装置としては、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などのタイプの装置が挙げられ、高圧または超高圧ホモジナイザー、リファイナー、ビーター、PFIミル、ニーダー、ディスパーザー、トップファイナーなど回転軸を中心として金属または刃物とパルプ繊維を作用させるもの、あるいはパルプ繊維同士の摩擦によるものを使用することができる。
本発明によれば、BET比表面積が高く、平均繊維幅が特定範囲の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維を得ることが可能な、生産効率に優れた化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法においては、化学変性されたパルプを原料としており、化学変性により導入された置換基の静電的な反発が生じるため、ダブルディスクリファイナーを用いた叩解処理により、効率的に、MFCを得ることができる。
本発明の製造方法によって得られた化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維は、化学変性パルプを原料としており、繊維表面に官能基が配されているため、官能基由来の様々な機能性を有する。このため本発明の製造方法により得られた化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維は種々の用途に使用でき、一般的に添加剤が用いられる様々な分野において、増粘剤、ゲル化剤、糊剤、食品添加剤、賦形剤、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、研磨剤、ゴム・プラスチック用配合材料、保水材、保形剤、泥水調整剤、ろ過助剤、溢泥防止剤、混和剤等として使用することができる。当該分野としては、食品、飲料、化粧品、医薬、製紙、各種化学用品、塗料、スプレー、農薬、土木、建築、電子材料、難燃剤、家庭雑貨、接着剤、洗浄剤、芳香剤、潤滑用組成物等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
<化学変性パルプの調製1>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%:日本製紙株式会社製)40kg(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社製)312g(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム4112g(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液4000Lに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応混合物に塩酸を添加してpH2に調整した後、脱水と水での希釈を繰り返してパルプを十分に水洗し、最終的にパルプ固形分濃度が20重量%となるまで脱水して化学変性パルプ(TEMPO酸化パルプ)を得た。パルプ収率は90%であり、カルボキシル基量は1.41mmol/gであった。
得られたTEMPO酸化パルプを水道水に分散し、水酸化ナトリウムを加えて攪拌することにより、pH7.7、固形分濃度1.1重量%のTEMPO酸化パルプの水分散液を得た。
<叩解>
得られたTEMPO酸化パルプの水分散液3000kgをモノフロー式のダブルディスクリファイナー(相川鉄工株式会社製 AWN20、プレート:刃幅(X1):0.8mm、溝幅(Y1):1.3mm、刃幅(X2):0.6mm、溝幅(Y2):1.0mm)を用い、クリアランス:0.4mm以下、循環率75.5%の条件で45分間運転を行い、叩解処理して、TEMPO酸化パルプをMFCとした。なお、叩解処理のパス数は8.1回であった。次いで、後述する方法によって、当該MFCを評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で得られた固形分濃度20重量%のTEMPO酸化パルプを水道水に分散させ、水酸化ナトリウムを加えて攪拌することにより、pH7.6、固形分濃度1.1重量%のTEMPO酸化パルプの水分散液を得た。
このTEMPO酸化パルプの水分散液3000kgを、プレートを刃幅(X1):0.6mm、溝幅(Y1):1.0mm、刃幅(X2):0.6mm、溝幅(Y2):1.0mmのものに変更したこと以外は、実施例1と同様に叩解処理することによりMFCを得た。次いで、後述する方法によって、当該MFCを評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で得られた固形分濃度20重量%のTEMPO酸化パルプを水道水に分散させ、水酸化ナトリウムを加えて攪拌することにより、pH7.6、固形分濃度1.1重量%のTEMPO酸化パルプの水分散液を得た。
このTEMPO酸化パルプの水分散液3000kgを、プレートを刃幅(X1):0.6mm、溝幅(Y1):1.0mm、刃幅(X2):0.8mm、溝幅(Y2):1.3mmのものに変更したこと以外は、実施例1と同様に叩解処理することによりMFCを得た。次いで、後述する方法によって、当該MFCを評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で得られた固形分濃度20重量%のTEMPO酸化パルプをイオン交換水に分散させ、水酸化ナトリウムを加えて攪拌することにより、pH8.8、固形分濃度2重量%のTEMPO酸化パルプの水分散液を得た。
このTEMPO酸化パルプの水分散液74kgを、シングルディスクリファイナー(相川鉄工株式会社製 14インチラボリファイナー(RF-14型)、プレート:刃幅:0.6mm、溝幅:1.0mm)を用い、クリアランス0.23~0.25mmの条件で10分間循環運転を行い、叩解処理して、TEMPO酸化MFCとした。次いで、後述する方法によって、当該MFCを評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で得られた固形分濃度20重量%のTEMPO酸化パルプをイオン交換水に分散させ、水酸化ナトリウムを加えて攪拌することにより、pH8.6、固形分濃度4重量%のTEMPO酸化パルプの水分散液を得た。
このTEMPO酸化パルプの水分散液58kgを、シングルディスクリファイナー(相川鉄工株式会社製 14インチラボリファイナー(RF-14型)、プレート:刃幅:0.8mm、溝幅:1.5mm)を用い、クリアランス0.23~0.25mmの条件で10分間循環運転を行い、叩解処理して、TEMPO酸化MFCとした。次いで、後述する方法によって、当該MFCを評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007655728000001
表1からわかる通り、原料パルプを化学変性して化学変性パルプを得る化学変性工程と、前記化学変性工程で得た化学変性パルプを固形分濃度15重量%以下の条件で、2個のディスクとしてDAおよびDBと、その間に存在するディスクとしてDMとを備え、前記DAおよび前記DB又は前記DMの何れか一方が固定され、他方が回転するダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理する叩解処理工程とを含む化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法は、シングルディスクリファイナーを用いた方法と比較して、生産性に優れ、電力原単位が小さく、すなわち効率良く、BET比表面積が50m/g以上、平均繊維幅が500nm以上である化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維を製造することができた。
以下のようにして物性および特性を評価した。
<平均繊維長、平均繊維幅(測定方法A)>
化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維のスラリーを固形分濃度が0.25%となるように水で希釈し、流速5.7L/min、水温25±1℃、全流出量22Lの条件で約250gずつ(うち50gが測定に供される)2回フラクショネータにかけ、フラクショネータに付属のCCDカメラで装置内部にて、流量で分級された化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の画像およそ2000枚を取得した。
解析ソフトIMG(Metso社)の繊維解析パラメーターを表2~4のように設定し、取得したおよそ2000枚の画像を解析し、平均繊維長・平均繊維幅、繊維長分布等のデータを得た。2回測定・解析を行った平均値を測定データとして採用した。
Figure 0007655728000002

・平均繊維長(Length):長さ加重平均繊維長
・平均繊維幅(Width):長さ加重平均繊維幅
・繊維長分布(Fraction percentage of length weighted distribution):長さ加重繊維長分布(各フラクションの設定は表2に記載した通り。)
Figure 0007655728000003
Figure 0007655728000004
<平均繊維長、平均繊維幅(測定方法B)>
解析ソフトIMG(Metso社)の繊維解析パラメーターを表5~7の通り設定した以外は、測定条件Aと同様にして実施した。
Figure 0007655728000005
Figure 0007655728000006
Figure 0007655728000007
繊維長分布(長さ加重)における、繊維長が0~0.2mmの繊維の割合(%)は、測定方法Aにて評価した。また、繊維幅分布(長さ加重)における、繊維幅が0~5μmの繊維の割合(%)は、測定方法Aにて評価した。
<粘度>
処理後の分散液にイオン交換水を加えて1重量%スラリーを調製し、25℃で3時間放置した後、PRIMIX社製ホモディスパー(3000rpm)で5分間攪拌し、攪拌直後にB型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.1~4のうち適切なローターを使用して回転数60rpmで1分後の粘度を測定した。
<BET比表面積>
BET比表面積は、窒素ガス吸着法(JIS Z 8830)を参考に以下の方法により測定した:
(1)処理後の分散液に、必要に応じてイオン交換水を加えて約2%スラリー(分散媒:水)を調製し、これを固形分が約0.1gとなるように取り分け遠心分離の容器に入れ、100mLのエタノールを加えた。
(2)攪拌子を入れ、500rpmで30分以上攪拌した。
(3)撹拌子を取り出し、遠心分離機で、7000G、30分、30℃の条件でフィブリル化された化学変性セルロース繊維を沈降させた。
(4)フィブリル化された化学変性セルロース繊維をできるだけ除去しないようにしながら、上澄みを除去した。
(5)100mLエタノールを加え、撹拌子を加え、(2)の条件で攪拌、(3)の条件で遠心分離、(4)の条件で上澄み除去をし、これを3回繰り返した。
(6)(5)の溶媒をエタノールからt-ブタノールに変え、t-ブタノールの融点以上の室温下で、(5)と同様にして撹拌、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返した。
(7)最後の溶媒除去後、t-ブタノールを30mL加え、軽く混ぜた後ナスフラスコに移し、氷浴を用いて凍結させた。
(8)冷凍庫で30分以上冷却した。
(9)凍結乾燥機に取り付け、3日間凍結乾燥した。
(10)BET測定装置(Micromeritics(マイクロメリティックス)社製)を用いてBET測定を行った(前処理条件:窒素気流下105℃2時間、相対圧0.01~0.30、サンプル量30mg程度)。
<生産性>
生産性は、下記式の通り求めた。
生産性(BDkg/h)= 処理量(有姿kg)×処理時濃度(%)×0.01÷処理時間(h)
<電力原単位>
電力原単位は、下記式の通り求めた。
電力原単位(kwh/BDT)=処理時負荷(kw)/生産性(BDkg/h)×1000
2…ダブルディスクリファイナー、4…原料入口、6…叩解室、8…回転ディスクDM、10…固定ディスクDA、12…固定ディスクDB、14…駆動軸、16…モーター、18…循環配管、20…排出口、22…出口配管、24…手動バルブ

Claims (6)

  1. BET比表面積が50m/g以上、平均繊維幅が500nm以上である化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法であって、
    原料パルプを化学変性して化学変性パルプを得る化学変性工程と、
    前記化学変性工程で得た化学変性パルプを固形分濃度0.3~10重量%の条件で、2個のディスクとしてDAおよびDBと、その間に存在するディスクとしてDMとを備え、前記DAおよび前記DB又は前記DMの何れか一方が固定され、他方が回転するダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理する叩解処理工程と、を含み、
    前記叩解処理工程におけるパス数が10回未満である
    化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
  2. 前記化学変性が、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物と、酸化剤を用いて実施する酸化である、請求項1記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
  3. 前記化学変性が、カルボキシメチル変性である、請求項1記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
  4. 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2よりも大きいことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
  5. 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2よりも小さいことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
  6. 前記ダブルディスクリファイナーは、原料の流れ方式がモノフロー式であり、前記DAおよび前記DBの、原料流入側から数えて第1のディスクの刃幅X1が、第2のディスクの刃幅X2と同一であることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の化学変性ミクロフィブリルセルロース繊維の製造方法。
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