JP7655812B2 - 打撃工具 - Google Patents
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Description
とりわけ特許文献1では、コードレス式の大型ハンマにおけるバッテリの配置最適化に関する技術が開示されている。
とりわけ、近年のESG(ないしSDGs)を重視した技術開発の一環として、環境負荷低減・高効率性や人間工学的設計の訴求が強く求められており、大型ハンマの開発もその例外ではない。
先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具が構成される。
前記打撃作業の遂行補佐を行う所定の機能部材と、前記コントローラを保持するコントローラケースと、を有し、
前記コントローラケースは、さらに前記機能部材を保持するよう構成される。
特に大型ハンマでは、モータ駆動制御のためのコントローラや、打撃作業の遂行補佐を行う機能部材が多く存在するため、これらの部材の配置設計を合理化する要請が高い。
このため、前記打撃工具では、モータ駆動制御のためのコントローラを保持するコントローラケースを採用するとともに、打撃作業の遂行補佐を行う所定の機能部材につき、当該コントローラケースが併せて保持するように構成している。
コントローラケースが、コントローラのみならず、各種の機能部材を併せて保持することで、打撃工具の装置設計および組立につき、合理化・容易化が実現される。
なおコントローラケースは、コントローラを部分的に保持する態様または全部を収容保持する態様と、複数の機能部材の一部を保持する態様または全部を保持する態様の中から、適宜に選択して設定することができる。
前記コントローラケースは、前記第1方向につき、前記本体部の長軸(中心線)を含む位置に設けられることができる。
これによれば、例えば打撃工具の幅方向および厚さ方向のいずれに対しても、(左右および/または前後)対照的にワイヤハーネスを配することができ、部材構成の一層の合理化が図られる。
前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記コントローラケースは、前記モータの上方側に設けられることができる。
これにより、モータに対するワイヤハーネスの取り回し等の容易化が図られることになる。
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体とを設け、
前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジグに設けられ、前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記機能部材は、作業者が前記ハンドルを押圧操作して打撃作業を開始する場合に、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する相対移動動作を検知するための検知機構を含み、
前記コントローラは、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して押圧されない状態として定義される無負荷駆動状態において、前記モータを所定の第1速度で駆動するとともに、前記検知機構の検知に基づき、前記モータを、前記第1速度での駆動状態から、前記第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態へと切り替えるよう構成することができる。
コントローラケースは防振側の第2ハウジングに設けられて、第1ハウジング側に生じる振動の伝達が抑制された状態に置かれるが、当該コントローラケースを検知機構の保持に用いることで、部材構成の一層の合理化が図られる。
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体とを設け、前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジグに設けられ、前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジング間で冷却風を移送するダクト部材を有し、前記機能部材は、前記ダクト部材を含むことができる。
上記検知機構の場合と同様に、コントローラケースをダクト部材の保持に利用することで、部材構成の一層の合理化が図られる。
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体を設け、前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジグに設けられ、前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記コントローラケースは、前記弾性体を取付けるための弾性体取付部を有し
前記機能部材は、前記弾性体取付部を介して前記コントローラケースに取付けられる前記弾性体を構成要素とすることができる。
前記機能部材は、前記コントローラに接続されるリード線を保持するために、前記コントローラケースに形成されたワイヤハーネス挿通開口を構成要素とすることができる。
リード線は、単体の電線ないし複数本の電線の結束体のいずれであってもよい。
リード線は、特に振動でバラけ易くなり勝ちであるが、コントローラケースに形成されたワイヤハーネス挿通開口によって安定的に保持することができる。
前記コントローラによる前記モータの駆動制御を行うための主電源スイッチを設け、前記機能部材は、前記主電源スイッチを構成要素とすることもできる。
当該主電源スイッチは、典型的には、打撃工具を通電するためのマスタースイッチとして定義される。
前記打撃工具とともに作業に供されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に対し駆動制御信号を送信する通信ユニットとを設け、前記機能部材は、前記通信ユニットを構成要素とすることもできる。
アタッチメント部材としては、例えば打撃作業中に生じるダストを集塵するための集塵装置や照明装置等が該当する。
前記コントローラによる前記モータの駆動制御を行うための主電源スイッチと、前記打撃工具とともに作業に供されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に対し駆動制御信号を送信する通信ユニットとを設け、前記機能部材は、前記主電源スイッチおよび前記通信ユニットを構成要素とするとともに、前記主電源スイッチおよび前記通信ユニットは、互いに隣接状に前記本体部に設けられてもよい。
これによれば、作業者の使用頻度が高い主電源スイッチとアタッチメント部材のための通信ユニットとを本体部に隣接状に配置することで一層の操作性向上が図られる。
図1、図2、図3に、打撃工具100の全体構成が正面斜視図、背面斜視図、平面図としてそれぞれ示される。
また図4、5に打撃工具100の正面断面図、側面断面図がそれぞれ示され、図6に打撃工具100の側面の一部拡大断面図、図7に、打撃工具100の上部構図の正面拡大断面図が示される。
なお本実施形態では、便宜上、作業者に向かう側を打撃工具100の正面としている。
また、長軸方向と交差する幅方向(左右方向とも称呼:図1において紙面左右方向)を第2方向D2と定義する。
また、当該第1方向D1および第2方向D2に直交する方向である打撃工具100の厚さ方向を第3方向D3と定義する。
更に第1方向D1に関し、図1における紙面の下に向かう方向をD1D、紙面の上に向かう方向をD1Uと定義する。
図1~図6に示すように、打撃工具100は、外観視において、概括的に、第1ハウジング110、第2ハウジング120を有する。
第2ハウジング120は、第1方向D1に関し、第1ハウジング110の上方側に連接され、当該第1ハウジング110と相対移動可能とされている。
(第1ハウジング110の構成)
第1ハウジング110は、長尺状に形成されて、上方側駆動機構収容部111および下方側駆動機構収容部112、先端領域113を有する。
また上方側駆動機構収容部111、下方側駆動機構収容部112の第2方向D2側部分には側方領域114が形成される。
上方側駆動機構収容部111、下方側駆動機構収容部112、先端領域113は、第1方向D1に関して、この順で上方側から下方側に連接状に配置されている。
モータ210、運動変換機構170および打撃機構180の詳細は後述する。
先端領域113には、ツールホルダ240およびリテーナ250が設けられる。
ツールホルダ240は、打撃作業に供されるツール装着部材であり、リテーナ250はツールホルダ240に装着された先端工具の抜け止め部材として機能する。
なお図面においては、便宜上、先端工具の図示は割愛されている。
第2ハウジング120は、第1方向D1において、第1ハウジング110の上方側に連接状に設けられている。第2ハウジング120は、ヘッドケース121、ハンドル取付部122、バッテリ装着部123を有する。
ヘッドケース121は、第2ハウジング120の外郭を構成するとともに、主として、コントローラ260、コントローラケース270を収容する(図10、図11等を併せて参照)。またヘッドケース121の第1方向上方D1Uにおける天面部には、冷却風吸気口127が設けられている。
バッテリ装着部123は、第2方向D2について対状に設けられ、ハンドル取付部122の第1方向下方D1D側にそれぞれ連接されるとともに、後述するバッテリ150がそれぞれ装着される。
またバッテリ装着部123は、バッテリ装着時のスライドガイド124および給電端子125を有する(図4参照)。
また各バッテリ装着部123は、当該バッテリ装着部123に装着された状態のバッテリ150の外郭を外力から保護するためのバッテリプロテクタ128を有する。
ハンドル130は、第1ハウジング110から第2方向D2へとそれぞれ突出状に延在する、一対の第1ハンドル部131、第2ハンドル部141を有する。
典型的には、第1ハンドル部131は作業者の右手での把持、第2ハンドル部141は作業者の左手での把持にそれぞれ供される。
図3に詳しく示すように、第1ハンドル部131は、第1ハンドル基部132、第1ハンドル把持部133、自由端部領域134を有する。第1ハンドル把持部133にトリガ135が設けられている。トリガ135は、常時にオフ位置に付勢されるとともに、第1ハンドル部131を把持しつつ手動押圧操作することで、当該オフ位置への付勢力に抗しつつオン位置へと移動可能とされる。図1~図4では、オフ位置に置かれた状態(初期状態)のトリガ135が示されている。
第2ハンドル部141は、第2ハンドル基部142、第2ハンドル把持部143、自由端部領域144を有する。
図1~図3に示すように、バッテリ150は、バッテリ前面部151、バッテリ上面部152、バッテリ底面部153、バッテリ後面部154を有する概ね矩形立法体状とされ、複数の電池による組電池を収容したパッケージ体として構成される。
またバッテリ上面部152の、バッテリ後面部154への近接領域には、ロック解除部155が設けられる。ロック解除部155は、バッテリ150を第2ハウジング120から取り外す際に手動操作される。
バッテリ150は、図3に示すように、バッテリ装着方向156へとスライド動作することで第2ハウジング120のバッテリ装着部123に装着される。これによりバッテリ150は、バッテリ装着部123におけるスライドガイド124に係合した状態で、給電端子125と電気的に接続され、打撃工具100に対して給電可能状態に置かれる。
一方、バッテリ150は、ロック解除部155を手動操作しつつ、バッテリ装着方向156と反対方向にスライド動作することで、第2ハウジング120から取外される。換言すれば、バッテリ装着方向156および取外し方向(バッテリ装着方向156と反対の方向)は、第1方向D1および第2方向D2に対して交差状(直交)とされる。
換言すれば、バッテリプロテクタ128は、バッテリ前面部151,バッテリ上面部152、バッテリ底面部153の全部または一部を覆うカバー部材としての構成を有する。
また図4に示すように、バッテリプロテクタ128の下面(第1方向下方D1D)には先端領域113ないし先端工具の端部を照射するLEDライト129が設けられている。LEDライト129は、打撃作業の遂行補佐を行う機能部材の一つである。
これにより、バッテリ装着部123に装着されたバッテリ150およびバッテリプロテクタ128が、打撃作業の妨げとなることが回避される。また万が一、打撃工具100が転倒した場合に、バッテリ150(およびバッテリプロテクタ128)は、接地線として想定される仮想線HLの内側に配置されることで、転倒時の衝撃を回避することができ、外力からの保護性がより向上する。
図5,図6に示すように、モータ210は、ステータ211、ロータ212、ロータ212に一体状に連接された出力軸213および、出力軸213に一体状に連接された冷却ファン214を主体として構成される。冷却ファン214として、本実施形態では遠心式のファンが採用されている。
モータ210の各要素は、モータハウジング215内に収容されるとともに、第1ハウジング110内に配置される。
出力軸213は、第3方向D3において作業者と反対側において、上記した運動変換機構170の第1中間軸171と、所定の減速比にて回転伝達可能に連接され、モータ210からの回転出力が出力軸213から第1中間軸171を経由して運動変換機構170に伝達される。
また本実施形態では、モータ210として、比較的小型サイズでありながら相対的に大出力を得るために、ブラシレスモータが採用されている。ブラシレスモータの構造自体は周知技術に属するため、その詳細な説明について、本明細書では省略している。
図5,図6に示すように、運動変換機構170は、第1中間軸171、第2中間軸172、クランク機構173、シリンダ174、ピストン175、空気室176および制振機構177を主体として構成される。
第1中間軸171は、上記の通り、モータ210の出力軸213と回転伝達可能に連接され、更に第1中間軸171は、所定の減速比にて第2中間軸172と回転伝達可能に連接される。
第2中間軸172は、クランク機構173と一体連結されるとともに、制振機構177を駆動可能に連接される。
図5、図6に示すように、打撃機構180は、ストライカ181、インパクトボルト182を主体として構成される。上記の通り、シリンダ174内の空気室176に圧力変動が生じると、同じくシリンダ174内に、空気室176を挟んでピストン175と対向して配置されたストライカ181が第1方向D1に直線運動し、インパクトボルト182を第1方向D1に直線運動させる。
なお、第1方向D1における先端工具の抜け止めはリテーナ250によって行われる。
リテーナ250は、図5において回転中心251周りに回転することで、先端工具の抜け止め位置(図5に対応)および解除位置の間で移動可能とされる。
上記した通り、第1ハウジング110および第2ハウジング120は、第1方向D1に関して相対移動が可能に構成されている。
そして本実施形態では、図7~図9に示すように、当該相対移動動作の円滑化のために、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200が設けられている。
第1摺動ガイド部材190は、第1方向D1に関し、ハンドル130の近接位置(ハンドル130と略同等の高さ位置)に設けられる。第1摺動ガイド部材190は、第1ハウジング110側の構成要素であるパイプ状部材191、第2ハウジング120側の構成要素である二股部材192を有する。二股部材192は、文字通り二股状に分岐した対状部分を有する部材であって、フォーク状部材ないし分岐部材とも称呼される(forked memberないしbifurcated member)
パイプ状部材191は、金属製であって、断面円形状に形成されるとともに、その長軸が第1方向D1を向くように第1ハウジング110に固定状に配置される。
二股部材192は、樹脂製であって、第2ハウジング120のハンドル取付部122に対して、ハンドル130と一体化されて固定される。二股部材192は、二股部分がパイプ状部材191の外周面に沿った状態で、当該パイプ状部材191に遊嵌状に配置され、当該パイプ状部材191に対し、第1方向D1へと摺動状に相対移動可能に構成されている。
本実施形態では、第1摺動ガイド部材190は、第1方向D1周りに複数配置(図8に示すように、対向状かつ対状に2つ配置)されている。
第2摺動ガイド部材200は、上記した第1摺動ガイド部材190よりも第1方向下方D1D側に配置される。具体的には、第1方向D1に関し、バッテリ150の近接位置(バッテリ150と略同等の高さ位置)に設けられる。
第2摺動ガイド部材200は、凸状部材201、凹状部材202、摺動ガイド203を有する。
凹状部材202は、樹脂製で、第2ハウジング120側に設けられて、図9に示すように、第1方向D1に相対摺動可能な状態で凸状部材201と嵌合する。
摺動ガイド203は、薄板状の板金を曲折して形成されており、図9に示すように、第1ハウジング110に溶着固定されるとともに、凸状部材201と凹状部材202の間に介在配置されて、凸状部材201と凹状部材202の相対摺動動作を、剛性補強しつつガイドする。
更に本実施形態では、第2摺動ガイド部材200は、第1方向D1周りに複数配置される(図9に示すように、対向状かつ対状に2つ配置される)。
緩衝部材当接座126は、断面がクサビ状とされ、第2ハウジング120のバッテリ装着部123に一体状に形成されている。
緩衝部材205は、ゴム・ウレタン・スポンジ等の弾性体で形成され、第1ハウジング110に固定状に取付けられる。具体的には、緩衝部材205は、図9に示すように凸状部材201の裏面側に設けられる。
緩衝部材205は、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに近接する方向に相対移動する場合に、第2ハウジング120側の緩衝部材当接座126によって圧縮される。そして、当該圧縮によって第1ハウジング110と第2ハウジング120の間の相対移動動作が緩衝される。
ストッパ204は、図7に示すように、第2ハウジング120側の二股部材192を受けることで、第1方向D1に関し、第1ハウジング110と第2ハウジング120間の相対移動の最大距離(すなわち可動ストローク距離)を規定する。
本実施形態では、第1方向D1に関し、第1摺動ガイド部材190がハンドル近接側摺動ガイド部材を構成し、第2摺動ガイド部材200がハンドル離間側摺動ガイド部材を構成する。第1ハウジング110および第2ハウジング120の相対移動動作を、第1方向D1において複数の摺動ガイド部材でサポートすることで、動作の安定性を確保する構成である。
また図8,図9に示すように、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200が、それぞれ第1方向D1周りに複数配置されることで、更に第1ハウジング110および第2ハウジング120の相対移動動作の安定性が確保される構成である。
図4、図7に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120は、第1弾性体161および第2弾性体162が介在配置されることで、第1方向D1において、付勢力が作用した状態で、互いに(近接・離間の)相対移動をすることが可能に構成されている。
本実施形態における第1弾性体161および第2弾性体162では、それぞれ金属製のコイルスプリングが用いられている。他に、例えばリーフ・スプリング、ゴム、軟質性樹脂、アクチュエータ等を用いることも可能である。
第1弾性体161の下端部は、図7に示すように、上方側駆動機構収容部111に設けられた第1弾性体取付座120Aに取付けられる。
一方、第1弾性体161の上端部は、押圧座120Cが取付けられつつ、自由端状態に置かれる。
押圧座120Cは、図7における正面視では、L字状断面を有するとともに、当該L字状断面の底部が、第1弾性体171の上端部に嵌合される。一方、L字状断面の上端部は、第1ハウジング110側の二股部材192に対向状に配置される。
また第1弾性体161は、第1摺動ガイド部材190の第1方向D1直下領域に配置されており、ハンドル130に対する防振作用の向上が図られている。
本実施形態では、第2弾性体162は一対のペア構造として構成される(図10等を併せて参照)。
各第2弾性体162の一方側(第1方向上方D1U側)の端部は、コントローラケース270の第2弾性体取付部278(第2ハウジング120側)に取付けられる。なおコントローラケース270の詳細な構造は、併せて図12、図13に示される。一方、各第2弾性体162の他方側の端部(第1方向下方D1D側)は、第2弾性体取付座120B(第1ハウジング110側)に取付けられる。
かくして、第2弾性体162が、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在配置される。
「第1弾性体161の弾性係数>第2弾性体162の弾性係数」
となるように設定されている。
具体的には、第1弾性体161(本実施形態ではコイルスプリング)は、打撃作業時に第1ハウジング110側に生じる振動が、第2ハウジング120側に伝達されることを効果的に抑制可能な程度、すなわち打撃工具100の防振ハウジング構造を十分に担保可能に、相対的に大きな弾性係数となるように定められる。
(1) 打撃作業が行われない場合に、第2ハウジング120と、当該第2ハウジングに装着される各機能部材およびバッテリ150の重量に相当する程度、換言すれば第2ハウジング120側の重量物を、第1ハウジング110から離間した状態で保持できれば足りる程度であって、
かつ、
(2) 打撃作業を開始する場合には、作業者がハンドル130を第1方向下方D1Dに押圧して、第2ハウジング120を第1ハウジング110側に相対移動することが可能な程度、換言すれば、手動で容易に第2ハウジング120を第1ハウジング110側に押圧可能な程度、の弾性定数となるように定められる。
図1に示すヘッドケース121を取り外した状態での、打撃工具100の上方側内部構成が、図10および図11に示される。
第1方向上方D1U側において、第1ハウジング110に連接された第2ハウジング120は、コントローラ260、当該コントローラ260を保持するコントローラケース270、主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290を保持する。
主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290は、いずれも打撃工具100による打撃作業遂行の補佐を行うための機能部材280を構成する。
また図11に示すように、ダクトカバー220とコントローラケース270の間には、ダクト部材230が連接される。
(コントローラケース270の構成)
コントローラケース270の詳細な構成が、図12、図13に示される。このうち図12は、コントローラケース270上面側斜視図であり、図13は、コントローラケース270の底面側斜視図である。
コントローラケース270は、コントローラ260の保持部として機能する枠体構造のフレーム271を主体として構成され、当該フレーム271に、ダクト部材取付部272、ヘッドケース取付部273、検知機構取付部274、主電源スイッチ取付部275、通信ユニット取付部276、ワイヤハーネス挿通開口277、第2弾性体取付部278が一体状に成形されている。
また特に図示しないものの、コントローラ260を、バッテリ150、モータ210、電気スイッチ136等と電気的に接続するためのリード線(電線)が、ワイヤハーネス挿通開口277に挿通・保持される。リード線は、単線(単一)、ないしは複数を結束した状態、いずれも採用可能である。
ダクトカバー220の詳細な構造が、斜視図として図14、図15に示される。
図14は、ダクトカバー220の正面側斜視図であり、図15は、ダクトカバー220を、被着部材であるモータ210側から視た斜視図である。
ダクトカバー220は、内部空間221、モータ取付座222、フランジ223、冷却風誘導路224、ダクト部材取付部225を有する。上記したコントローラ260を冷却した冷却風は、ダクトカバー220のダクト部材取付部225,冷却風誘導路224、内部空間221を通じて、モータ210へと送られるように構成される(図11を併せて参照)。
図6に示すように、ダクトカバー220は、第3方向D3に関し、モータ210の出力軸213における、冷却ファン214が取付けられる側の端部とは反対の端部側(作業者側)において、モータハウジング215に取付けられる。従って、出力軸213とともに冷却ファン214が回転すると、冷却風は、当該冷却ファン214の軸流作用により、図15に示すダクトカバー220内のダクト部材取付部225,冷却風誘導路224,内部空間221を経由してモータハウジング215に送られ、更に出力軸213に沿って第3方向D3へとモータハウジング215内を移流する。これによりモータハウジング215に収容されたモータ210が冷却されるよう構成される。
図11、図16、図17に示すようにダクト部材230の詳細が示される。
このうち図16は、図11におけるダクトホース231の第1端部232の中心軸を通るように第1方向D1に切った左側面の第2方向断面視、図17は、図11におけるダクトホース231の第2端部233の中心軸を通るように第1方向D1に切った左側面の第2方向断面視である。
ダクト部材230は、コントローラ260を冷却した冷却風を、モータハウジング215に供給するための部材であり、ダクトホース231を主体として構成される。
これにより、ダクト部材230は、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在状に配置されることになる。
また図17に示すように、ダクトホース231の第2端部233は、モータ210に連接されたダクトカバー220のダクト部材取付部225に直接的かつ嵌合状に取付けられる。換言すれば、第2端部233は、別にアダプタ等の補助機器を介することなく(アダプタ非介在状に)、ダクト部材取付部225にダイレクト嵌合される。
そして本実施形態では、初期状態から所定量だけ伸張された状態のダクトホース231が、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に連接状に配置される。従って、ダクトホース231は、初期状態へ復帰するように収縮側へと付勢力が常時に作用した状態に置かれる。
これより、ダクトホース231は常時に収縮しようとするので、打撃工具100内で無駄に弛むことがなく、第1ハウジング110と第2ハウジング120が相対移動する場合であっても、他部材と擦れて摩耗することを回避可能な構造が得られる。
具体的には、防振構造の採用により、ダクトホース231による第1ハウジング110と第2ハウジング120間の連接距離は、初期状態よりも短縮化される。この場合、仮にダクトホース231に収縮側への付勢力が生じないと、当該ダクトホース231には、連接距離の短縮化に起因して不要の弛みが発生し、当該弛みが他部材との擦れ等の原因となってしまう。本実施形態では、所定の初期状態へと復帰するように収縮側に付勢力が作用するダクトホース231を採用することで、かかる問題が未然に防止されることになる。
一方、ダクトホース231の第2端部233,すなわち第1方向下方D1D側である、ダクトカバー220側の端部断面は、第1方向D1および第2方向D2で形成される面とされる。換言すれば、ダクトホース231の下端側の中心軸が第3方向D3に沿う構成である。
更に図16等に示すように、ヘッドケース121においては、少なくとも、コントローラケース270のダクト部材取付部272と対向する側の端部に対応するように、冷却風吸気口127Aが設けられている。冷却風吸気口127Aから、対向側端部に位置するダクト部材取付部272に取付けられたダクトホース231の第1端部232に至るまで、冷却風が長く流動することで、コントローラ260の冷却効果が向上するための構成である。なお、本実施形態では、ダクト部材取付部272と対向する側の端部のみならず、ヘッドケース121の天面の中央部にも冷却風吸気口127が形成されており、冷却風の吸入効率向上が図られている。
また図11に示すように、ダクトホース231は、モータハウジング215に設けられたダクト部ガイドリブ116によって、概ね央部の湾曲形状が保持された状態に置かれる。
本実施形態では、図3,図10、図11に示すように、打撃工具100による打撃作業遂行の補佐を行う各種の機能部材280の一例として、主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290が設けられている。
主電源スイッチ281は、打撃工具100を通電状態に置くための起動スイッチである。作業者が、主電源スイッチ281を手動で投入することにより、バッテリ150からの給電を介し、コントローラ260による打撃工具100の駆動制御が開始される。
主電源スイッチ281は、作業者が手動でオン位置に投入すると、基本的には、更に手動でオフ位置への復帰操作がなされるまで、当該オン位置が維持される。
但し、本実施形態では、省エネ等の観点で、オン位置投入後に無操作状態が60秒間継続すると、自動的にオフ位置への復帰がなされる設定とされている。
また主電源スイッチ281がオン状態に投入されると、作動ランプ点灯によって、投入状態が作業者に視認できるように報知される。
アタッチメント部材としては、本実施形態では集塵装置が用いられている。
また通信手法として、Wifi、ブルーツース等が使用される。
更に上記機能部材280の構成要素の一つである検知機構290の構成について説明する。
図18、図19に検知機構290の基本構成が示される。
検知機構290は、アセンブリ体基部291、磁性体が設けられた可動部材292、可動部材付勢弾性体293および磁気式のセンサ294を有する。
検知機構290は、コントローラケース270の検知機構取付部274(図12,図13も併せて参照)に取付けられる。
また検知機構290は、便宜上図示しないワイヤハーネスによってコントローラ260に接続される(図10等参照)。
可動部材292の下端部は、図19に示すように、ダクトカバー220の上端部に臨むとともに、打撃作業が遂行される前の初期状態では、所定のクリアランス290CLが形成されるように構成されている。本実施形態では、当該クリアランス290CLは1mm(ミリメートル)に設定されている。
一方、図20に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに近接するように相対移動する場合、当該相対移動に伴ってクリアランス290CLがなくなり、可動部材292の下端部とダクトカバー220の上端部が当接した状態に置かれる。
すなわち検知機構290は、いわゆるプッシュドライブセンサとしての役割を果たす。
本実施形態では、当該押圧検知により、打撃工具100の無負荷駆動状態から負荷駆動状態へ切り替えられるが、その詳細な動作態様については後述する。
以下、本実施形態に係る打撃工具100の動作態様について説明する。
本実施形態に係る打撃工具100は、いわゆる大型ハンマとして構成され、打撃工具100自体の自重によって垂下した状態で、下方に向かって打撃作業を行う作業態様を常態としている。
なお、ここでいう「垂下」ないし「下方」は、第1方向下方D1Dに完全一致する方向のみならず、それ以外の方向成分を含むことができる。
作業者が、打撃工具100を用いて打撃作業を行う場合、まずハンドル130を手で把持し、打撃工具100が自重で垂下した状態(ツールホルダ240が第1方向下方D1Dに向いた状態)に置くとともに、主電源スイッチ281を手動で投入する。
更に作業者は、ハンドル130を把持した状態で、トリガ135を手動投入する。コントローラ260は、主電源スイッチ281の投入およびトリガ135の投入に基づき、モータ210を、所定の第1速度(第1回転速度)R1にて回転駆動する。
本実施形態では、上記のように、モータ210にブラシレスモータが採用されており、主電源スイッチ281およびトリガ135の投入を受けて、コントローラ260は、いわゆるPWM制御によってモータ210の駆動制御を行う。
本実施形態においては、モータ210が駆動された状態で、かつ、第2ハウジング120が第1ハウジング110に対して押圧操作されていない状態を「無負荷駆動状態」と定義づける。
この「無負荷駆動状態」は、以下の状態としても定義づけ可能である。すなわち
(1)打撃作業開始前の初期状態。
(2)先端工具に、自重を除く負荷が作用してない状態、すなわち先端工具が加工作業対象に対して(自重を除いて)意図的に押し付けられておらず、「無負荷」で駆動される状態。
あるいは、
(3)作業者がハンドル130を押圧操作していない状態、すなわち第1ハウジング110と第2ハウジング120との間で相対移動動作が行われていない状態、あるいは第1弾性体161および第2弾性体162がいずれも圧縮されていない状態。
なお、当該無負荷駆動状態は、「ノーロード駆動状態」等とも称呼される。
モータ210が回転駆動されると、図5、図6に示すように、モータ210の出力軸213の第3方向D3周りの回転出力は、第1中間軸171、第2中間軸172へと伝達され、クランク機構173によって第1方向D1への直線運動に変換され、これによってピストン175がシリンダ174内で第1方向D1へと直線運動する。同様に、カウンタウェイト178を主体とする制振機構177がシリンダ174外周において第1方向D1へと異なる位相で直線運動を行う。
本実施形態では、この状態に関し、無負荷駆動状態において相対的に低速である第1速度R1でモータ210を駆動する態様について「ソフトノーロードスタート」と定義付ける。
ソフトノーロードスタートは、制振機構177による振動発生を極小化した状態で、モータ210を低速回転しておき、続く通常の打撃作業に対する応答特性を向上させるための作動態様である。
(1) 図7に示す第1弾性体161は非圧縮状態、すなわち付勢力非作用状態に置かれる。そして、第1摺動ガイド部材190の二股部材192と押圧座120Cの間には、クリアランス190CL(本実施形態では2mm)が確保される。
(2) 図7に示す第2弾性体162は非圧縮状態、すなわち付勢力非作用状態に置かれる。
(3) 図19に示す検知機構290においては、可動部材292とダクトカバー220の間にはクリアランス290CL(本実施形態では1mm)が確保される。
上記した無負荷駆動状態における打撃工具100につき、作業者がハンドル130を第1方向下方D1Dに押圧することで、ハンドル130と一体状とされた第2ハウジング120は、第1方向下方D1D側の第1ハウジング110に近接する。すると第2ハウジング120の構成部材であるコントローラケース270も併せて第1方向下方D1D側に移動することで、図7に示す第2弾性体取付部278を介して、第2弾性体162が圧縮される。圧縮状態に置かれた第2弾性体162は、第1ハウジング110および第2ハウジング120の双方に付勢力を作用させる。
更に第2ハウジング120が、第1方向下方D1D側に移動すると、可動部材292は、(相対的に近接しようとする)ダクトカバー220に押されて、可動部材付勢弾性体293の付勢力に抗しつつ、第1方向上方D1U側へと移動する。
可動部材292が第1方向上方D1Uに移動することで、センサ294による磁気の検出が解除される。これに基づき、コントローラ260は、検知機構290を通じて、第2ハウジング120の第1ハウジング110への押圧を検知し、これにより無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切替がなされる。
本実施形態においては、モータ210が駆動された状態で、かつ、第2ハウジング120が第1ハウジング110に対して押圧操作された状態を「負荷駆動状態」と定義づける。
この「負荷駆動状態」は、
(1) 先端工具に、打撃工具100の自重以外に負荷が作用する状態、すなわち先端工具が加工作業対象に対して押し付けられ、(自重以外の)「負荷」が作用しながら駆動される状態であり、
(2) 第1弾性体161および第2弾性体162の双方が圧縮された状態、あるいは、少なくとも第2弾性体162が圧縮されて検知機構290による押圧検知がなされた状態、等としても定義づけ可能である。
また負荷駆動状態は、「ロード駆動状態」とも称呼される。
すなわち本実施形態においては、検知機構290による検知に基づいて、モータ210の回転速度が増大し(あるいは静止状態から通常回転状態に切り替えられ)、無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切り替えがなされる。
換言すれば、検知機構290による検知によって、上記したソフトノーロードが解除(キャンセル)され、通常の駆動パターンへの切り替えが行われる構成とされている。
第2速度R2の具体的な設定値としては、例えば、大型ハンマである打撃工具100の通常駆動運転(負荷駆動状態)での要求出力、消費電力量などのパラメータを総合的に判断して設定する。
第1速度R1から第2速度R2への切り替えは、直ちに切り替える態様、ある程度の切り替え時間を設定して逐次的に増大させていく態様、多段式に増大させていく態様、あるいはそれらの組合わせ等から適宜に設定することができる。
本実施形態では、押圧検知に基づき、直ちに第1速度R1から第2速度R2に切り替える態様が採用されている。
負荷駆動状態にてモータ210が第2速度R2で回転駆動される場合、運動変換機構170の動作態様は、速度が異なる以外は、無負荷駆動状態にてモータ210が第1速度R1で低速回転駆動される場合と実質同等である。すなわち図5、図6に示すように、モータ210の出力軸213の第3方向D3周りの回転出力は、第1中間軸171、第2中間軸172へと伝達され、クランク機構173によって第1方向D1への直線運動に変換され、これによってピストン175がシリンダ174内で第1方向D1へと直線運動する。同様に、カウンタウェイト178を主体とする制振機構177がシリンダ174外周において第1方向D1へと直線運動を行う。
従って、負荷駆動状態では、シリンダ174内でのピストン175の直線運動に起因する空気室176内の圧力変動により、打撃機構180において、ストライカ181が直線運動し、インパクトボルト182を駆動させる。これにより(図示しない)先端工具が打撃作業を遂行することになる。当該作業態様はハンマモードと定義される。
また制振機構177も、第1速度R1よりも高速の第2速度R2に対応して高速駆動されるため、負荷駆動状態で第1ハウジング110側に発生する相対的に大きな振動に対する制振効果が高く維持されることになる。換言すれば、打撃作業に応じてしっかりと振動を抑制できるため、良好な作業環境が提供されることになる。
負荷駆動状態においては、作業者がハンドル130を把持し、第1方向下方D1Dへと押圧した状態で打撃作業が遂行されるが、打撃機構180や、先端工具による打撃作業に起因して第1ハウジング110側に振動が発生する状況が想定される。
この場合、当該振動に起因して第1ハウジング110と第2ハウジング120の間で相対移動動作が生じ、図7に示す第1弾性体161が、第1ハウジング110と第2ハウジング120間で付勢力を作用させることで、当該振動が第1ハウジング110側から第2ハウジング120側へと伝達されることが極力抑制される。上記の通り、第2ハウジング120には、作業者が把持するハンドル130、モータ210を駆動制御するコントローラ260、コントローラケース270に配置された各種の機能部材280、バッテリ装着部123、および当該バッテリ装着部123に装着されたバッテリ150が、一体状に配置されている。そして、かかる第2ハウジング120に対する第1ハウジング110からの振動伝達抑制により、作業者の負担が軽減され、また精密機材であるコントローラ260、機能部材280およびバッテリ装着部123の保護が徹底される。
(1) 第1弾性体161が付勢力を作用させ、
(2) 作業者の押圧によって圧縮されている第2弾性体162も付勢力を
作用させ、
(3) 作業者の押圧によって圧縮されている可動部材付勢弾性体293
(図20等参照)も付勢力を作用させており、
これら(1)(2)(3)の付勢力それぞれが、第1ハウジング110および第2ハウジング120間に作用していることになる。
しかし上記したように、第2弾性体162の弾性定数は相対的に小さく設定されており、更に可動部材付勢弾性体293の弾性定数は、可動部材292に初期位置(図19参照)復帰用の付勢力を与えられれば十分な程度に、極小値に設定されている。従って、本実施形態における防振機能については、強い弾性力を働かせることが可能な第1弾性体161が主体的役割を果たす。
本実施形態では、ソフトノーロード解除のための「初動用」の弾性体(すなわち第2弾性体162)と、防振のための弾性体(すなわち第1弾性体161)をそれぞれ別個に設けて、それぞれの用途に最適化しているため、このような問題が生じない。
本実施形態に係る打撃工具100では、
(1)図7に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120の相対移動を、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200を用いて、第1方向D1の複数個所において摺動ガイドすることで、安定的な作動が確保される。
(2)図7に示すように、防振機構の主体的役割を果たす第1弾性体161が、第1方向D1について、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200の間に配置されることで、安定的な防振作用が発揮される。
(3)図8、図9に示すように、第1摺動ガイド部材190、第2摺動ガイド部材200ともに、第1方向D1周りに複数個配置することで、更に安定的な作動が確保される。
(4)第1摺動ガイド部材190、第2摺動ガイド部材200の各構成要素につき、剛性に優れた金属製のパイプ状部材191や板金製の摺動ガイド203を用いる一方、かかる高剛性部材と対をなす側の部材(二股部材192等)には樹脂材を用いることで、強度と軽量化の両立が図られている。
(5)第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200によって、単に摺動ガイドを行うのみならず、ストッパ204が、相対移動の最大可動距離を規定し、更に、当該最大可動距離未満の所定距離だけ相対移動した状態から、最大可動距離に至るまで、緩衝部材205が相対移動動作を継続的に緩衝することで、合理的な防振構造が構築される。
なお、ストッパ204および緩衝部材205は、第1摺動ガイド190および第2摺動ガイド200の少なくとも一方に配置する態様、第1摺動ガイド190および第2摺動ガイド200とは別に(独立して)配置する態様のいずれも可能である。
上記のように、本実施形態に係る打撃工具100では、図4~図7等に示すように、モータ210の中で最も大寸法となり易い出力軸213が、打撃工具100の厚さ方向である第3方向D3を向いて延在するよう配置されている。そして、第3方向D3沿いにモータ210の大寸法部分を割り当て、代わりに、打撃工具100の幅方向である第2方向D2沿いの、他の機能部材配置用に形成される空間を、拡張スペースSとして大きく確保している。すなわち図1、図4に示すように、第1ハウジング110の、第2方向D2における側方領域114に、他の機能部材用のスペースを相対的に大きく確保している。
本実施形態では、これにより、比較的大重量であるバッテリ150を、第2方向D2に関して、極力、打撃工具100の重心(第1方向D1に沿った中心軸に位置)に近接させることが可能となり、打撃工具100に無用な偶力が発生することを大きく抑制することができる。
またバッテリ装着方向156を第3方向D3に沿うように設定することで、打撃作業時に振動が発生しやすい第1方向D1と、バッテリ装着方向156を交差させることができ、振動によってバッテリ150に不測の外力が作用して、不意に離脱してしまう等の不具合を未然に防止できる。
本実施形態では、図10~図13,図18~図20等に示すように、検知機構290につき、アセンブリ体として、第2ハウジング120側の構成部材であるコントローラケース270に、検知機構取付部274を介して、一体状に取付けられる構成が採用されている。
検知機構290は、第1ハウジング110と第2ハウジング120の相対移動動作を検知するための部材である。従って、一般的には、その構成要素を第1ハウジング110と第2ハウジング120の双方に配分して設けるのが普通であるが、本実施形態では、これを第2ハウジング120側に配分するとともに、第1ハウジング110の既存の構成部材であるダクトカバー220に、可動部材292の作動媒体としての機能を持たせている。
また、図19、図20に示すように、可動部材292の作動媒体であるダクトカバー220との間にクリアランス290CLを形成することで、第1ハウジング110と第2ハウジング120との組付け誤差等についても吸収して、動作不良ひいては検知不確実のリスクを抑制することができる。
このような場合に、押圧力の減少を理由に、その都度、負荷駆動状態からソフトノーロードへと切替えるのは却って不便であるため、本実施形態では、負荷駆動状態において押圧力が低下した場合であっても、一定時間が経過するまでは(例えば1秒)ソフトノーロードへと切替えず、負荷駆動状態を維持するように設定されている。これにより、更に打撃作業時の利便性が向上している。
本実施形態に係る打撃工具100では、図7、図10、図11等に示すように、モータ駆動制御のためのコントローラ260は、コントローラケース270に保持されている。
本実施形態に係るコントローラケース270については、例えば以下の特徴が掲げられる。
(1) コントローラ260のみならず、各種の機能部材280を併せて保持する構成として、装置構成および組立が合理化・容易化され、全体構成のコンパクト化に資する。
(2)フレーム271を主体とし、軽量で高剛性構造とされる。
(3) 防振側である第2ハウジング120に配置されることで、第1ハウジング110で生じる振動に対して免震構造とされる。
(4) モータ210の直上領域に配置されることで、当該モータ210に対するワイヤハーネス(配線)の取り回しが容易である。
(5) 打撃工具100の第1方向D1における中心線上に配置されることで、第2方向(幅方向)D2、第3方向(厚さ方向)D3のいずれについても、対称的にワイヤハーネス(配線)を配することができ、設計・組立の容易化が図れる。
(6) 上記したように本実施形態では、モータ210として大出力を維持しながら小型化し易いブラシレスモータを採用し、その出力軸213が第3方向D3に沿って延在し、側方領域114に拡張スペースSを形成したが、モータ210の直上領域にコントローラケース270を配置することで、当該拡張スペースSをワイヤハーネスの配置等に利用し易く、効率性の高い内部空間利用が可能とされる。
本実施形態に係る打撃工具100においては、要冷却部材への冷却風供給ルートとして、上記の通り、モータ210の冷却ファン214の軸流作用を介して、「冷却風吸気口127から吸気」―「ヘッドケース121の内部を流通」―「コントローラ260を冷却」―「ダクトホース231の第1端部232」―「ダクトホース231内」―「ダクトホース231の第2端部233」―「ダクトカバー220」―「モータハウジング215内部」と経由し、コントローラ260、モータ210の順で冷却を行う。
更にモータ210を冷却した冷却風は、第1ハウジング110内の「上方側駆動機構収容部111」―「下方側駆動機構収容部112」を経由し、運動変換機構170および打撃機構180(の一部)を冷却した上で、打撃工具100の外部に排出される。なお、モータ210より下流側の冷却風通路等については、便宜上、詳細な図示を省略している。
(1) ダクトホース231につき、所定の初期状態から伸張された場合に、当該初期状態へと復帰するように、収縮側へと付勢力が作用する部材を用い、初期状態から所定量だけ伸張された状態で、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に連接状に配置している。これによりダクトホース231は、初期状態へ復帰するように収縮側へと付勢力が常時に作用した状態に置かれる。従って、第1ハウジング110と第2ハウジング120とが相対移動した場合であっても、ダクトホース231が弛んで他部材と接触して摩耗することがなく、また過度のテンションや捩れ等が生じにくく、互いに相対移動する部材間で効果的に冷却風を移送することができる。
110:第1ハウジング(本体部)
111:上方側駆動機構収容部
112:下方側駆動機構収容部
113:先端領域
114:側方領域
115:モータハウジング
116:ダクト部ガイドリブ
120:第2ハウジング(本体部)
120A:第1弾性体取付座
120B:第2弾性体取付座
120C:押圧座
121:ヘッドケース
122:ハンドル取付部
123:バッテリ装着部
124:スライドガイド
125:給電端子
126:緩衝部材当接座
127:冷却風吸気口
128:バッテリプロテクタ
129;LEDライト
130:ハンドル
131:第1ハンドル部(ハンドルR)
132:第1ハンドル基部
133:第1ハンドル把持部
134:自由端部領域
135:トリガ
136:電気スイッチ
141;第2ハンドル(ハンドルL)
142:第2ハンドル基部
143:第2ハンドル把持部
144:自由端部領域
130A:ハンドル直下領域
150:バッテリ
151:バッテリ前面部
152:バッテリ上面部
153:バッテリ底面部
154:バッテリ後面部
155:ロック解除部
156:バッテリ装着方向
161:第1弾性体
162:第2弾性体
170:運動変換機構
171:第1中間軸
172:第2中間軸
173:クランク機構
174:シリンダ
174A:通気孔
175:ピストン
176:空気室
177:制振機構
178:カウンタウェイト
180:打撃機構
181:ストライカ
182:インパクトボルト
190:第1摺動ガイド部材(ハンドル近接側摺動ガイド部材)
191:パイプ状部材(第1ハウジング側構成要素)
192:二股部材(第2ハウジング側構成要素)
190CL:クリアランス
200:第2摺動ガイド部材(ハンドル離間側摺動ガイド部材)
201:凸状部材
202:凹状部材
203:板金製摺動ガイド
204:ストッパ
205:緩衝部材
210:モータ
211:ステータ
212:ロータ
213:出力軸
214:冷却ファン
215:モータハウジング
220:ダクトカバー
221:内部空間
222:モータ取付座
223:フランジ
224:冷却風誘導路
225:ダクト部材取付部
230:ダクト部材
231:ダクトホース
232:第1端部
233:第2端部
240:ツールホルダ
250:リテーナ
260:コントローラ
261:放熱フィン
270:コントローラケース
271:フレーム
272:ダクト部材取付部
273:ヘッドケース取付部
274:検知機構取付部
275:主電源スイッチ取付部
276:通信ユニット取付部
277:ワイヤハーネス挿通開口
278:第2弾性体取付部
280 :機能部材
281:主電源スイッチ
282:通信ユニット
290:検知機構
291:アセンブリ体基部
292:可動部材
293:可動部材付勢弾性体
294:センサ
290CL:クリアランス
D1:第1方向(長軸方向)
D1D:第1方向下方
D1U:第1方向上方
D2:第2方向(幅方向)
D3:第3方向(厚さ方向)
AX:長軸
HL:仮想線
MS:初動距離
S :拡張スペース
Claims (10)
- 先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具であって、
前記先端工具を前記第1方向に駆動する駆動機構と、
前記駆動機構を駆動するモータ出力軸が設けられたモータと、
前記モータを駆動制御するコントローラと、
前記打撃作業の遂行を行う所定の機能部材と、
前記コントローラを保持するコントローラケースと、を有し、
前記コントローラケースは、前記コントローラに適合する形状および大きさを有し、前記コントローラを部分的に収容するフレームと、前記フレームから外側に向けて突出し、前記機能部材が取り付けられる機能部材取付部と、を有することを特徴とする打撃工具。 - 先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具であって、
前記先端工具を前記第1方向に駆動する駆動機構と、
前記駆動機構を駆動するモータ出力軸が設けられたモータと、
前記モータを駆動制御するコントローラと、
前記打撃作業の遂行を行う所定の機能部材と、
前記コントローラを保持するコントローラケースと、
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体と、を有し、
前記コントローラケースは、さらに前記機能部材を保持するよう構成されており、
前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、
前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジングに設けられ、
前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記打撃工具は、さらに、前記第1ハウジングと前記第2ハウジング間で冷却風を移送するダクト部材を有し、
前記機能部材は、前記ダクト部材を含むことを特徴とする打撃工具。 - 先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具であって、
前記先端工具を前記第1方向に駆動する駆動機構と、
前記駆動機構を駆動するモータ出力軸が設けられたモータと、
前記モータを駆動制御するコントローラと、
前記打撃作業の遂行を行う所定の機能部材と、
前記コントローラを保持するコントローラケースと、
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体と、を有し、
前記コントローラケースは、さらに前記機能部材を保持するよう構成されており、
前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、
前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジングに設けられ、
前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記コントローラケースは、前記弾性体を取付けるための弾性体取付部を有し、
前記機能部材は、前記弾性体取付部を介して前記コントローラケースに取付けられる前記弾性体を構成要素とすることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1から3までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記コントローラケースは、前記第1方向につき、前記本体部の長軸を含む位置に設けられることを特徴とする打撃工具。
- 請求項1から4までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記コントローラケースは、前記モータの上方側に設けられることを特徴とする打撃工具。
- 請求項1から5までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、
前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体と、を有し、
前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、
前記一対のハンドルおよび前記コントローラケースは、前記第2ハウジングに設けられ、
前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
前記機能部材は、作業者が前記ハンドルを押圧操作して打撃作業を開始する場合に、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する相対移動動作を検知するための検知機構を含み、
前記コントローラは、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して押圧されない状態として定義される無負荷駆動状態において、前記モータを所定の第1速度で駆動するとともに、前記検知機構の検知に基づき、前記モータを、前記第1速度での駆動状態から、前記第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態へと切り替えるよう構成されていることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1から6までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記機能部材は、前記コントローラに接続されるリード線を保持するために、前記コントローラケースに形成されたワイヤハーネス挿通開口を構成要素とすることを特徴とする打撃工具。
- 請求項1から7までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記コントローラによる前記モータの駆動制御を行うための主電源スイッチを有し、
前記機能部材は、前記主電源スイッチを構成要素とすることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1から8までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記打撃工具とともに作業に供されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に対し駆動制御信号を送信する通信ユニットとを有し、
前記機能部材は、前記通信ユニットを構成要素とすることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1から7までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記コントローラによる前記モータの駆動制御を行うための主電源スイッチと、前記打撃工具とともに作業に供されるアタッチメント部材と、前記アタッチメント部材に対し駆動制御信号を送信する通信ユニットとを有し、
前記機能部材は、前記主電源スイッチおよび前記通信ユニットを構成要素とするとともに、前記主電源スイッチおよび前記通信ユニットは、互いに隣接状に前記本体部に設けられることを特徴とする打撃工具。
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