JP7655883B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールローダ等の車体が屈曲して操舵される作業車両に関する。
例えば、作業機を構成するリフトアームと、リフトアームの先端に傾斜可能に取り付けられたバケットとを有し、このバケットにより土砂などを掬う掘削、掬った土砂の移動および掬った土砂の運搬車両などへの積み込みを行う、ホイールローダのような作業車両が知られている。ホイールローダは、作業機の他に車両を走行させるための走行装置及び車体の屈曲により操舵させる操舵装置を備えている。ホイールローダに取り付けられるバケットは、幅寸法が長いものが使用されることから移動する範囲の広い作業機を周囲の障害物に接触させないように走行を制御する必要がある。特に、自律運転機能を備えた作業車両においては障害物回避が要求される重要な機能となる。
このような障害物回避に係る従来技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、障害物近くの走行範囲を車両の横方向位置について狭く制限することにより車体と障害物の間隔を確保し、障害物との接触を回避する技術が開示されている。
国際公開第2017/163790号
しかしながら、上記従来技術においては、車体の代表位置と障害物の間隔を確保するのみであり、車体の幅方向の占有幅が変化するようなホイールローダ等の車両については考慮されていない。具体的には、車両の前輪と後輪の間の屈曲機構によって車体を屈曲させることで操舵を実現する屈曲式の作業車両においては、屈曲により車体の幅方向への張り出し量が変化するため、車体の幅方向位置について規制するのみでは障害物への接触を回避できない虞がある。特に、幅寸法が長いバケットを有した作業機を備えた作業車両においては、屈曲点から作業機までのオーバーハング量が大きくなるために屈曲による横方向への車体の張り出し量がより大きくなることから、障害物への接触回避はさらに難しくなる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、車体を屈曲させることで操舵を実現する作業車両において障害物への接触を抑制することができる作業車両を提供することを目的とする。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、左右一対の車輪を有する前車体と、前記前車体に対して左右方向に回動可能に連結され、左右一対の車輪を有する後車体と、前記前車体の前方に設けられた作業機とを備え、前記前車体と前記後車体とが屈曲可能に設けられた作業車両において、前記作業車両の周囲に存在する障害物の位置及び形状を検出する障害物検出装置と、前記前車体と前記後車体の屈曲角を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記前車体と前記後車体の屈曲角の変化によって前記作業車両が占める領域である最大車体占有領域を演算し、前記最大車体占有領域に前記障害物が存在すると判定した場合には、前記障害物検出装置により検出された検出結果に基づいて前記作業車両と前記障害物との距離を算出し、算出された前記距離に基づいて前記作業車両が前記障害物と接触しない前記屈曲角の限界値を算出し、前記前車体と前記後車体の屈曲角が前記限界値を越えないように制御するものとする。
本発明によれば、車体を屈曲させることで操舵を実現する作業車両において障害物への接触を抑制することができる。
作業車両の一例であるホイールローダの外観を概略的に示す側面図である。 ホイールローダの屈曲角を制御する制御装置の全体構成を関連構成とともに概略的に示す図である。 最大車体占有領域の例を示す図である。 車体の屈曲角の制御に係る処理のフローチャートである。 作業車両が行う作業の一例として、ホッパへの土砂投入の様子を模式的に示す図である。 第2の実施の形態に係るホイールローダの屈曲角を制御する制御装置の全体構成を関連構成とともに概略的に示す図である。 作業現場において自車両と他車両が稼働している様子を模式的に示す図である。 ホイールローダにおける作業機の角度の違いによるオーバーハング量の違いを示す図である。 オーバーハング量の違いによる最大車体占有領域の違いを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態においては、作業車両の一例としてアーティキュレート式のホイールローダを示して説明するが、アーティキュレート式のダンプトラックのような他の作業車両においても本願発明を適用することが可能である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1~図5を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダの外観を概略的に示す側面図である。
図1に示すように、ホイールローダ1は、左右一対の前輪4a(車輪)を有するフロントボディ11(前車体)と、フロントボディ11に対して左右方向に屈曲可能(回動可能)に連結され、左右一対の後輪4b(車輪)を有するリアボディ12(後車体)と、フロントボディ11の前方に設けられたリフトアーム2及びバケット3からなる作業機とを備えたアーティキュレート式の作業車両である。リアボディ12には、運転室5、エンジン6が載置されるエンジン室等が含まれる。なお、以降、フロントボディ11やリアボディ12、バケット3、前輪4a、後輪4bなど、ホイールローダ1を構成する部材をまとめて「車体」と称することがある。
ホイールローダ1は、フロントボディ11の前端に左右一対のリフトシリンダ7により上下方向に揺動自在に取り付けられた左右一対のリフトアーム2と、リフトアーム2の先端部分に上下方向に回転自在に連結されてバケットシリンダ8により上下方向に回動駆動されるバケット3とにより構成された作業機を有する。バケット3は、ベルクランク9及びバケットリンク10を介して接続されたバケットシリンダ8の伸縮により上下方向に回動することで開口の向きが上下する。
リフトシリンダ7は、ボトム室に圧油が供給されると伸長してリフトアーム2を上方向に回動(リフト上げ)させ、ロッド室に圧油が供給されると縮退してリフトアーム2を下方向に回動(リフト下げ)させる。バケットシリンダ8は、ボトム室に圧油が供給されると伸長してバケット3を上方向に回動(チルト)させ、ロッド室に圧油が供給されると縮退してバケット3を下方向に回動(ダンプ)させる。
フロントボディ11とリアボディ12はセンターピン13により左右方向に回転可能(屈曲可能)に接続されている。フロントボディ11には左右一対の前輪4aが設けられ、リアボディ12には左右一対の後輪4bが設けられている。フロントボディ11とリアボディ12の接続部(センターピン13の左右)には、フロントボディ11とリアボディ12との間に左右一対のステアリングシリンダ14が設けられており、ステアリングシリンダ14の伸縮によりフロントボディ11とリアボディ12が相対的に左右方向に回動することでホイールローダ1を操舵することができる。例えば、右側のステアリングシリンダ14が縮退し、左側のステアリングシリンダ14が伸長すると、ホイールローダ1は右側に屈曲する。また、右側のステアリングシリンダ14が伸長し、左側のステアリングシリンダ14が縮退すると、ホイールローダ1は左側に屈曲する。ホイールローダ1が屈曲したときの、センターピン13回りの回転角を屈曲角と称し、屈曲していない状態をゼロとして右側への屈曲をプラスに取ることとする。
ホイールローダ1は、前輪4a及び後輪4b(以降、まとめて車輪4a,4bと称することがある)を回転させることで走行を行う。一般的なトルコン式走行駆動システムを搭載したホイールローダ1では、前後の車輪4a,後輪4bは、エンジン6及び図示しないドライブトレーン、すなわちトルクコンバータ、変速機プロペラシャフトディファレンシャルなどを介して回転可能に接続されている。エンジン6によって発生したトルクをトルクコンバータ等で構成されるパワートレーンを介して車輪4a,4bに伝達することでホイールローダ1を前後に走行させることが出来る。また、ホイールローダ1の屈曲動作により、走行中の操舵を実現している。
ホイールローダ1の、例えば、運転室5の上部などのように周囲が見通せる位置には、ホイールローダ1の周囲の障害物の位置及び形状を検出する障害物検知装置15が設置されている。障害物検知装置15には、例えば、障害物の計測方法については周囲に照射したレーザ光の反射が戻るまでの時間により距離を、照射角度から方位を計測するLiDARや、主に複数の画像の解析から距離と方位を算出するカメラ等が用いられる。ただし、計測方法はこれらに限定されるものではなく、周囲障害物の距離と方位のデータ群から障害物の位置及び形状を計測可能であれば、他の計測方法を用いても良い。障害物検知装置15の車体に対する取付位置は設計情報等から既知であるため、車体に対する障害物の相対位置を検知することが可能である。
運転室5後方のリアボディ12の上部には、ホイールローダ1の作業現場における位置を検出する車体位置計測装置16が設けられている。車体位置計測装置16は、現場座標系(或いは、地球座標系)における座標を計測するものであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)などである。車体位置計測装置16の車体に対する取付位置、すなわち、計測位置は設計情報等から既知であるため、現場座標系における車体の各部の位置を算出することが可能である。
図2は、ホイールローダの屈曲角を制御する制御装置の全体構成を関連構成とともに概略的に示す図である。
図2に示すように、ホイールローダ1は、自律運転機能を実現する自律走行システム300を有している。制御装置200は、自律走行システム300からの情報に基づいて、車体と障害物との位置関係を考慮したホイールローダ1の屈曲角(操舵角度)を算出し、算出した操舵角度を自律走行システム300に返すことにより、障害物への接触をより確実に防止するものである。制御装置200は、軌跡追従部201、障害物位置算出部202、障害物干渉判定部203、クリアランス算出部204、限界屈曲角算出部205、及び目標屈曲角設定部206を備えている。
軌跡追従部201は、自律走行システム300から提示されるホイールローダ1の走行軌跡に基づいて、ホイールローダ1が走行軌跡に追従する(走行軌跡に沿って走行する)ための車体の屈曲角を算出する。自律走行システム300から提示される走行軌跡は、作業現場においてホイールローダ1が一連の作業において走行すべき経路であり、現場地図情報上に連続する座標情報などの形式で予め定められている。軌跡追従部201では、例えば、前方注視モデルに基づいた操舵量の算出を行う。これはホイールローダ1が進むべき通過点として、走行すべき走行軌跡上かつこれはホイールローダ1の前方に設定した前方注視点を決定し、前方注視点とこれはホイールローダ1の自己位置及び方位とを比較した方位差分に基づいて操舵量を決定する操舵モデルである。なお、軌跡追従のための操舵モデルは多数提案されており、操舵モデルは前方注視モデルに限定されるものではない。軌跡追従部201は、操舵モデル等で算出した操舵量から車体の屈曲角を算出し、目標屈曲角として目標屈曲角設定部206に出力する。
障害物位置算出部202は、障害物検知装置15からの検知結果に基づいて、車体に対する障害物の相対的な位置および形状を算出する。障害物検知装置15の車体に対する取付位置は設計情報等から既知であるため、障害物検知装置15の検知結果から、車体に対する障害物の相対位置を算出することが可能である。障害物位置算出部202は、算出した障害物の位置及び形状を障害物干渉判定部203及びクリアランス算出部204に出力する。
障害物干渉判定部203は、障害物位置算出部202からの算出結果に基づいて、障害物と車体との干渉可能性の有無を判定する。
図3は、最大車体占有領域の例を示す図である。
障害物干渉判定部203は、例えば、図3に示すように、ホイールローダ1の車体の屈曲角が最大限に変化した場合、すなわち、屈曲角が0(ゼロ)の状態(基準線301参照)からセンターピン13を中心に左最大屈曲時の車体の状態302から右最大屈曲時の車体の状態303への変化時に車体が通過する領域を最大車体占有領域304として演算し算出する。すなわち、最大車体占有領域304は、屈曲角の変化によってホイールローダ1の車体が占める領域、すなわち、車体を上面からみたときの平面上の車体が占める領域である。そして、最大車体占有領域304と障害物位置算出部202で算出された障害物の位置及び形状から求まる障害物の占有領域とが重複するか否かを判定することで、車体と障害物とが干渉する可能性があるか否かを判定する。障害物干渉判定部203は、判定結果を目標屈曲角設定部206に出力する。
クリアランス算出部204は、障害物位置算出部202からの算出結果に基づいて、現在の車体の状態(屈曲角)における車体と障害物との距離(クリアランス情報)を算出する。クリアランス算出部204は、現在の車体の屈曲状態における車体輪郭と障害物との最近傍距離をクリアランス情報として算出する。クリアランス情報では、車体から見て障害物が存在する向きについても符号などにより表現される。例えば、右屈曲を正と定義した場合には、車体の右側の障害物までの間隔を正、左側の障害物までの距離を負として表現する。クリアランス算出部204は、算出結果を限界屈曲角算出部205に出力する。
限界屈曲角算出部205は、クリアランス算出部204からの算出結果、すなわち、車体と障害物との間隔に基づいて、障害物に接触しない条件での車体の最大の屈曲角、すなわち、車体の屈曲角の限界値(限界屈曲角)を決定する。限界屈曲角算出部205は、算出結果を目標屈曲角設定部206に出力する。
目標屈曲角設定部206は、障害物干渉判定部203の判定結果が、いかなる屈曲角においても周囲の障害物と車体とが干渉しない(干渉の可能性がない)とするものである場合には、軌跡追従部201から入力された目標屈曲角をそのまま採用し、目標屈曲角の設定値として自律走行システム300に出力する。一方で、障害物干渉判定部203の判定結果が、車体と障害物とが干渉する可能性があるとするものである場合には、限界屈曲角算出部205で算出された限界屈曲角に基づいて、目標屈曲角の制限を行う。すなわち、目標屈曲角設定部206は、軌跡追従部201から入力された目標屈曲角と限界屈曲角のうち同符号で絶対値の小さい側の角度を目標屈曲角の設定値として採用し、自律走行システム300に出力する。
自律走行システム300は、目標屈曲角設定部206にて設定された目標屈曲角に基づいて、ステアリングシリンダ14を制御して車体の屈曲角を制御することにより、ホイールローダ1が走行軌跡を追従するよう所望の操舵を実現しつつ屈曲による障害物への接触を抑制する。
図4は、車体の屈曲角の制御に係る処理のフローチャートである。
図4に示すように、まず、軌跡追従部201は、軌跡に追従するための操舵屈曲角を算出する(ステップS400)。
次に、障害物検知装置15は、障害物の位置及び形状を計測し、障害物位置算出部202は、車体に対する相対的な障害物の位置及び形状を算出する(ステップS410)
次に、障害物干渉判定部203は、障害物位置算出部202で算出した障害物の位置及び形状に基づいて、障害物と車体との干渉可能性の有無を判定し(ステップS420)、判定結果が障害物と車体との干渉が有るとするものであるか否かを判定する(ステップS430)。
ステップS430での判定結果がNOの場合、すなわち、車体と障害物との干渉可能性無しと判定された場合には、目標屈曲角設定部206は、目標屈曲角の設定値として自律走行システム300から入力した操舵角(すなわち、目標屈曲角)を自律走行システム300に返し(ステップS461)、自律走行システム300は目標屈曲角設定部206からの目標屈曲角の設定値に基づいてステアリングシリンダ14の制御を行い(ステップS480)、処理を終了する。
また、ステップS430での判定結果がYESの場合、すなわち、車体と障害物との干渉可能性ありと判定された場合には、クリアランス算出部204は車体と障害物の間隔を算出し(ステップS440)、限界屈曲角算出部205は、算出された車体と障害物の間隔に基づき、車体が障害物に接触しない車体屈曲角の限界値(限界屈曲角)を決定する(ステップS450)。
続いて、自律走行システム300から入力された操舵角(目標屈曲角)が限界屈曲角よりも大きいか否かを判定し(ステップS460)、判定結果がNOの場合、すなわち、車体が障害物に接触しない場合には、目標屈曲角設定部206は、目標屈曲角の設定値として自律走行システム300から入力した操舵角(すなわち、目標屈曲角)を自律走行システム300に返し(ステップS461)、自律走行システム300は目標屈曲角設定部206からの目標屈曲角の設定値に基づいてステアリングシリンダ14の制御を行い(ステップS480)、処理を終了する。
また、ステップS460での判定結果がYESの場合、すなわち、車体が障害物に接触する可能性がある場合には、目標屈曲角設定部206は、限界屈曲角を上限として制限するため、限界屈曲角を目標屈曲角の設定値として自律走行システム300に返し(ステップS461)、自律走行システム300は目標屈曲角設定部206からの目標屈曲角の設定値に基づいてステアリングシリンダ14の制御を行い(ステップS480)、処理を終了する。
以上のように構成した本実施の形態における効果、すなわち、車体と障害物との接触の抑制効果について説明する。
図5は、作業車両が行う作業の一例として、ホッパへの土砂投入の様子を模式的に示す図である。
図5に示すように、作業車両であるホイールローダ1の作業としては、土砂などの移動が最も重要な作業であり、例えば、ストックパイルの土砂を掘削・運搬してダンプトラックの荷台に積み込むという作業が代表的である。また、プラントなどへ材料となる土砂を投入する作業では、建屋に設置されたホッパ503への土砂投入作業も多く見られる。その場合、ダンプトラックのように積み込まれる対象の位置が積込む毎に変化する可能性はないが、ダンプトラックの荷台に比べて小さい領域に正確に土砂を投入しなければならない。また、ホッパ503は建屋の中に設置されることも多く、雨除けの屋根が設置されていることも多いため、ホッパ周囲には雨除けを支持する柱502a,502b,502c,502dなどが存在することもある。この場合には作業機のバケット3の幅と柱502a,502b間の間隔に十分な余裕をとれない場合が多い。このようなホッパ503へのアプローチ走行時には、バケット3と建屋の間隔504は非常に狭く、操舵による横方向の張り出しによって車体が建屋に接触する可能性はかなり高い状況である。本実施の形態においては、このような作業環境において、バケット3と建屋(例えば、柱502a)の間隔504に基づいて、車体と障害物の接触が生じないように車体の屈曲角を制限することが出来るため、ホイールローダ1と建屋の柱502a等への接触を効果的に抑制することが可能となる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6を参照しつつ説明する。
第1の実施の形態においては、自律走行システム300により提示される走行軌跡に基づいて、車体の目標屈曲角を算出するように構成したのに対して、本実施の形態では、外部より与えられた操舵指令によって為された現在の屈曲角から将来の走行軌跡を予測し、予測された将来の走行軌跡周囲、すなわち走行によって車体が移動する軌跡周囲の車体可動範囲内において車体と障害物が干渉するか否かを判定することで、現在の車両周囲だけでなく将来の車両位置周囲の障害物との干渉の有無を判定するものである。また、本実施の形態においては、車体の屈曲角を決定する操舵指令が外部より与えられる構成であるため、自律走行を行う場合だけでなくオペレータによる手動操舵走行時にも適用が可能となる。
本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係るホイールローダの屈曲角を制御する制御装置の全体構成を関連構成とともに概略的に示す図である。
図6に示すように、ホイールローダ1は、運転機能を実現する走行システム300Aを有している。制御装置200Aは、運転室5に設置されたハンドル507からの情報に基づいて、車体と障害物との位置関係を考慮したホイールローダ1の屈曲角(操舵角度)を算出し、算出した操舵角度を走行システム300Aに出力することにより、障害物への接触をより確実に防止するものである。制御装置200Aは、走行軌跡予測部501、障害物位置算出部202、障害物干渉判定部203a、クリアランス算出部204a、限界屈曲角算出部205a、及び目標屈曲角設定部206aを備えている。
走行軌跡予測部501は、現在の車体屈曲角に基づき、ホイールローダ1の将来の走行軌跡の予測値を算出する。なお、ここでは詳述しないが、屈曲型の作業車両における旋回時の幾何学的関係から、走行軌跡の曲率は車体の屈曲角に概比例して算出されるため、例えば、この関係を用いて将来の走行軌跡の予測値を定式化可能である。走行軌跡予測部501は、算出した走行軌跡予測値を障害物干渉判定部203a及びクリアランス算出部204aに出力する。
障害物位置算出部202は、障害物検知装置15からの検知結果に基づいて、車体に対する障害物の相対的な位置および形状を算出する。障害物検知装置15の車体に対する取付位置は設計情報等から既知であるため、障害物検知装置15の検知結果から、車体に対する障害物の相対位置を算出することが可能である。障害物位置算出部202は、算出した障害物の位置及び形状を障害物干渉判定部203a及びクリアランス算出部204aに出力する。
障害物干渉判定部203aは、障害物位置算出部202からの算出結果に基づいて、走行軌跡予測部501からの走行軌跡予測値と照合し、障害物と車体との干渉可能性の有無を判定する。障害物干渉判定部203aは、判定結果を目標屈曲角設定部206aに出力する。
クリアランス算出部204aは、障害物位置算出部202からの算出結果に基づいて、走行軌跡予測部501からの走行軌跡予測値と照合し、将来の車体と障害物との距離(クリアランス情報)を算出する。クリアランス算出部204aは、算出結果を限界屈曲角算出部205aに出力する。
限界屈曲角算出部205aは、クリアランス算出部204aからの算出結果、すなわち、将来の車体と障害物との間隔に基づいて、障害物に接触しない条件での車体の最大の屈曲角、すなわち、車体の屈曲角の限界値(限界屈曲角)を決定する。限界屈曲角算出部205aは、算出結果を目標屈曲角設定部206aに出力する。
目標屈曲角設定部206aは、障害物干渉判定部203aの判定結果が、ホイールローダ1の予測される走行軌跡において周囲の障害物と車体とが干渉しない(干渉の可能性がない)とするものである場合には、ハンドル507から入力された目標屈曲角をそのまま採用し、目標屈曲角の設定値として走行システム300Aに出力する。一方で、障害物干渉判定部203aの判定結果が、ホイールローダ1の予測される走行軌跡において車体と障害物とが干渉する可能性があるとするものである場合には、限界屈曲角算出部205aで算出された限界屈曲角に基づいて、目標屈曲角の制限を行う。すなわち、目標屈曲角設定部206aは、ハンドル507によって入力された目標屈曲角と限界屈曲角のうち同符号で絶対値の小さい側の角度を目標屈曲角の設定値として採用し、走行システム300Aに出力する。
走行システム300Aは、目標屈曲角設定部206aにて設定された目標屈曲角に基づいて、ステアリングシリンダ14を制御して車体の屈曲角を制御することにより、ホイールローダ1がオペレータの所望する操舵を実現しつつ屈曲による障害物への接触を抑制する。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、手動操舵走行を行う作業車両において障害物との干渉を回避する場合を例示しているが、操舵指令の入力を図示しない自律走行システムから与えるように構成することで、自律走行システムにも本願発明を適用可能である。
<第1及び第2の実施の形態の変形例>
本発明の第1及び第2の実施の形態の変形例について説明する。本変形例において、第1及び第2の実施の形態と同様の構成には同じ符号を用い、説明を省略する。
第1及び第2の実施の形態においては、運転室5の上部など周囲が見通せる位置に、周囲に照射したレーザ光の反射が戻るまでの時間により距離を、照射角度から方位を計測するLiDARや、主に複数の画像の解析から距離と方位を算出するカメラ等の障害物検知装置15を接地する場合を例示して説明した。これに対して、本変形例においては、予め作成した車両周囲地図に記載された障害物情報を用いる。
例えば、位置及び形状が予め明確に分かっている建屋などの固定障害物情報は予め地図に記載しておいて、自車両位置と照合することで周囲障害物の位置及び形状を再構成することが可能である。また、自車両に搭載していない障害物計測装置、具体的には周囲車両が収集した障害物情報であるとか、地上に固定した計測装置を用いて収集した障害物情報等を用いて作成した地図をデータ通信などを介して供給し、利用することも可能である。この場合、収集した障害物情報を集約して地図として統合する処理装置を、地上基地局に備えることなどが考えられる。
その他の構成は第1及び第2の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本変形例においても第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1及び第2の実施の形態で示した障害物検知装置からの検知結果と、本変形例で示した地図上に予め記載した障害物情報とを併せて用いることで、障害物を検知するように構成しても良い。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図7を参照しつつ説明する。
第1及び第2の実施の形態においては、運転室5の上部など周囲が見通せる位置に、周囲に照射したレーザ光の反射が戻るまでの時間により距離を、照射角度から方位を計測するLiDARや、主に複数の画像の解析から距離と方位を算出するカメラ等の障害物検知装置15を接地する場合を例示して説明した。また、第1及び第2の実施の形態の変形例においては予め作成された地図に基づいて障害物情報を得るものとした。これに対して、本実施の形態は、自車両の近傍に存在する他の車両から無線通信手段などを介して送付される位置及び姿勢情報に基づいて、障害物情報を取得するものである。
本実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
図7は、作業現場において自車両と他車両が稼働している様子を模式的に示す図である。
図7に示すように、作業現場においては、自車両であるホイールローダ1などの作業車両の他に、ダンプトラック1A,1Bなどの他の作業車両が稼働している。すなわち、作業現場においては、自車両であるホイールローダ1の周囲で協働して作業を遂行する他の作業車両が障害物となる状況も考えられる。例えば、自車両であるホイールローダ1が掘削移動した土砂などを運搬するダンプトラック1A,1Bなどが障害物となる場合である。
自律作業を行う現場であれば、ダンプトラック1A,1Bなどの他車両も自律走行をする必要性から、車体位置計測装置16a,16bなどによって、それぞれの車両の自己位置及び姿勢情報を計測することが必須となる。若しくは、有人手動走行であっても車両管理の観点から位置及び姿勢情報を計測することが考えられる。
そこで、本実施の形態におけるホイールローダ1では、他の車両(ダンプトラック1A,1Bなど)の位置及び姿勢情報と、予め分かっている当該車両の寸法情報とを通信装置905,905a,905bを介して取得し、取得した情報から他の車両の輪郭情報を算出し、障害物の位置及び形状を示す情報として用いる。そして、他の車両から取得した情報より得られる障害物情報と自車両であるホイールローダ1の輪郭情報(図3の最大車体占有領域304を参照)とを照合することで、車体(自車両)と障害物(他車両)の干渉可能性を判定することができる。
その他の構成は第1及び第2の実施の形態、及びその変形例と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態、及びその変形例と同様の効果を得ることができる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を図8及び図9を参照しつつ説明する。
本実施の形態においては、車体前後のオーバーハング量の変化を考慮して、最大車体占有領域を算出するものである。本実施の形態において、第1及び第2の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
図8は、ホイールローダにおける作業機の角度の違いによるオーバーハング量の違いを示す図である。
図8に示すように、ホイールローダ1では、リフトアーム2及びバケット3により構成される作業機の角度によって車体の前方におけるオーバーハング量が変化する。例えば、センターピン13の位置を基準とした場合、リフトアーム下げ時のオーバーハング量71は、リフトアーム上げ時のオーバーハング量72よりも大きくなる。また、オーバーハング量が変化すると、車体の大きさを用いてから求められる最大車体占有領域(例えば、図3の最大車体占有領域304を参照)も変化する。
図9は、オーバーハング量の違いによる最大車体占有領域の違いを示す図である。
図9に示すように、リフトアーム下げ時のバケット3の位置802では、センターピン13からの距離が遠くなるため、最大車体占有領域804が得られる。また、リフトアーム上げ時のバケット3の位置803は、センターピン13からの距離が相対的に近くなるため、最大車体占有領域805が得られる。
そこで、例えば、リフトアーム2のフロントボディ11側の回動軸に設けた角度センサ70からの検出結果と、車体の寸法情報とに基づいてオーバーハング量を算出し、このオーバーハング量から最大車体占有領域を算出する。これにより、より正確な最大車体占有領域を算出することができる。また、このようにして算出した最大車体占有領域を用いることにより、障害物干渉判定部203,203aでの判定をより高精度に行うことができる。
その他の構成は第1及び第2の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
1…ホイールローダ、1A,1B…ダンプトラック、2…リフトアーム、3…バケット、4a…前輪、4b…後輪、5…運転室、6…エンジン、7…リフトシリンダ、8…バケットシリンダ、9…ベルクランク、10…バケットリンク、11…フロントボディ、12…リアボディ、13…センターピン、14…ステアリングシリンダ、15…障害物検知装置、16,16a,16b…車体位置計測装置、70…角度センサ、71,72…オーバーハング量、200,200A…制御装置、201…軌跡追従部、202…障害物位置算出部、203,203a…障害物干渉判定部、204,204a…クリアランス算出部、205,205a…限界屈曲角算出部、206,206a…目標屈曲角設定部、300…自律走行システム、300A…走行システム、304…最大車体占有領域、501…走行軌跡予測部、502a,502b,502c,502d…柱、503…ホッパ、504…間隔、507…ハンドル、804,805…最大車体占有領域、905,905a,905b…通信装置

Claims (6)

  1. 左右一対の車輪を有する前車体と、前記前車体に対して左右方向に回動可能に連結され、左右一対の車輪を有する後車体と、前記前車体の前方に設けられた作業機とを備え、前記前車体と前記後車体とが屈曲可能に設けられた作業車両において、
    前記作業車両の周囲に存在する障害物の位置及び形状を検出する障害物検出装置と、
    前記前車体と前記後車体の屈曲角を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記前車体と前記後車体の屈曲角の変化によって前記作業車両が占める領域である最大車体占有領域を演算し、
    前記最大車体占有領域に前記障害物が存在すると判定した場合には、
    前記障害物検出装置により検出された検出結果に基づいて前記作業車両と前記障害物との距離を算出し、算出された前記距離に基づいて前記作業車両が前記障害物と接触しない前記屈曲角の限界値を算出し、前記前車体と前記後車体の屈曲角が前記限界値を越えないように制御することを特徴とする作業車両。
  2. 請求項1記載の作業車両において、
    前記制御装置は、
    予め定めた走行軌跡に沿って前記作業車両が走行するように、前記前車体と前記後車体の屈曲角を制御する際に、前記屈曲角が前記限界値を越えないように制御することを特徴とする作業車両。
  3. 請求項1記載の作業車両において、
    前記制御装置は、
    現在の屈曲角から将来の予測走行軌跡を算出し、
    前記障害物検出装置からの検出結果と前記予測走行軌跡とに基づいて、前記作業車両と前記障害物との予想距離を算出し、
    前記予想距離に基づいて、前記予測走行軌跡での走行によって前記作業車両が前記障害物と接触しない前記屈曲角の限界値を算出し、
    前記屈曲角が前記限界値を越えないように制御することを特徴とする作業車両。
  4. 請求項2又は3に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、前記作業車両の周辺について予め作成された周囲地図に含まれる障害物の位置及び形状の情報を取得することを特徴とする作業車両。
  5. 請求項2又は3に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、前記作業車両の近傍に存在する他の作業車両から送信される前記他の作業車両の位置及び姿勢の情報に基づいて、障害物の位置及び形状の情報を取得することを特徴とする作業車両。
  6. 請求項2又は3に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、前記作業車両の作業機の姿勢情報に基づいて、前記作業車両と前記障害物との距離を算出することを特徴とする作業車両。
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