JP7664170B2 - 水電解用の触媒担持多孔質基体、水電解用電極、気体拡散層、水電解用スタックセル、及び、水電解用セルモジュール - Google Patents
水電解用の触媒担持多孔質基体、水電解用電極、気体拡散層、水電解用スタックセル、及び、水電解用セルモジュール Download PDFInfo
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Description
そして、従来の膜電極接合体(MEA)では、一例を図1(b)、図2(b)及び図2(c)に示したように、触媒が層を形成して存在し、すなわち触媒層として膜電極接合体(MEA)中に存在する。そして、該触媒層に気体拡散層が接触していて、発生する気体を取り出せるようになっている。
そして、この製造方法における製造工程については、以下のように記されている。電解質膜を用意し、電極触媒層を用意し、用意した電解質膜及び電極触媒層を用いて触媒層形成膜を作製し、ガス拡散層を用意し、作製した触媒層形成膜及び用意したガス拡散層を用いて膜電極接合体(MEA)を作製する。
言い換えれば、水電解性能やその耐久性に優れた水電解用電極と、該水電解用電極に用いられる触媒担持多孔質基体を提供することにある。
そして、多孔質基体を構成している孔や、多孔質基体を形成している繊維に触媒を担持させれば、水電解性能やその耐久性に優れるようになることを見出した。
該触媒が、該多孔質基体が有している孔の側面、又は、該多孔質基体を形成している繊維の側面に担持されて、該多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在し、
かつ、アイオノマーが、該触媒に接触しつつ、該多孔質基体の表面から内部に向かって、該多孔質基体の厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されていることを特徴とする触媒担持多孔質基体を提供するものである。
言い換えれば、上記触媒が膜で担持されている場合はその膜厚が、又は、上記触媒が粒子で担持されている場合はその粒径が、「『上記孔』及び/又は『上記繊維の間の隙間』である空隙」のサイズより小さい上記の触媒担持多孔質基体を提供するものである。
そして、該触媒担持多孔質基体(水電解用電極)を用いた水電解単セルや水電解用スタックセルを提供することができる。
このような「触媒(膜若しくは粒子)の脱離」は、特に、前記した「特定の形態での触媒の多孔質基体への担持」と、上記した「特定の形態でのアイオノマー層の存在」とが相乗的に作用して効果的に防止・抑制される。
本発明の触媒担持多孔質基体は、水電解用単セルにおいて、高分子電解質膜(PEM(Polymer Electrolyte Membrane))を挟んで存在しており、該高分子電解質膜(PEM)に接触して陰極又は陽極を構成し、気体拡散層としても機能する構造を有している、触媒が担持された多孔質基体であって、
該触媒が、該多孔質基体が有している孔の側面、又は、該多孔質基体を形成している繊維の側面に担持されて、該多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在し、
かつ、アイオノマーが、該触媒に接触しつつ、該多孔質基体の表面から内部に向かって、該多孔質基体の厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されていることを特徴とする。
本発明の触媒担持多孔質基体3は、図1(a)、図2(a)、図5等に記載の通り、水電解用単セル1において、高分子電解質膜(PEM)5を挟んで存在しており、該高分子電解質膜(PEM)5に接触して、水電解用電極2(陰極又は陽極)を構成している。
ただし、陰極と陽極における、実際の触媒3c、多孔質基体3p、等の種類や形態、更には、その製造方法等は、陰極と陽極とでは、それぞれの極性に合わせて異なっていてもよい。
図3、図4(a)(b)及び図5に断面図を示したが、本発明の触媒担持多孔質基体3は、気体の拡散が可能な多孔質担持体に触媒が担持されている。すなわち、触媒担持多孔質基体3の触媒近傍で発生した気体は、該触媒担持多孔質基体自体が、気体拡散層としても機能して、気体を移動(拡散)させて外部に取り出せるようになっている。
本発明において、「多孔質」とは、内部にまで触媒が担持できるような構造(を有する性質)のことを言うが、平面(上面)に単に孔が開いているような形態には限定されず、化学的・物理的なエッチング、スパッタリング等で粗面化された状態;多孔状態;有空間状態等になっている形態;繊維状のものの集合体;編物、織物、不織布の状態;等の全てのことを言う。上記した「孔」や「繊維状のものが集合体を成してできた空隙」は、厚み方向に不規則な空隙を形成していてもよい。また、「多孔質」とは、通気性を有する状態・性質のことを言う。
また、「チタン族の金属の化合物」としては、例えば、窒化チタン(チタンナイトライド(TiN))、炭化チタン(チタンカーバイド(TiC))、ホウ化チタン(チタンジボライド(TiB2))等が挙げられる。
また、炭素(C)としては、グラファイト構造(グラフェン構造)を有するものが好ましい。
本発明における多孔質基体3pは、チタン繊維若しくはチタン合金繊維の集合体、又は、炭素繊維の集合体であることが特に好ましい。
本発明においては、前記した通り、触媒は多孔質基体3p自体の表面から内部にかけて存在しているが、具体的には、該触媒は、該多孔質基体3pが有している孔の側面、又は、該多孔質基体3pを形成している繊維3qの側面に担持されて、該多孔質基体3p自体の表面から内部にかけて存在している(図3~5)。
図5は、本発明の触媒担持多孔質基体3の概略断面図であるが、炭素繊維、チタン繊維等の繊維3qが多孔質基体3pを構成し、該多孔質基体3p自体の表面の繊維3qの表面のみならず、該多孔質基体3p自体の内部の繊維3qの表面にまで、触媒粒子が担持されている。
本発明においては、上記触媒は、多孔質基体3p自体の表面のみに触媒層として堆積されているものではなく、上記多孔質基体3pが有している孔の側面、又は、上記多孔質基体3pを形成している繊維3qの側面に担持されて、上記多孔質基体3p自体の表面から内部にかけて存在していることが好ましい(図3~5参照)。
なお、本発明の上記好ましい態様においては、多孔質基体3pにどのような形態・組成で触媒が形成されているか、どのような形態で触媒粒子が担持されているか等は、直接特定することもパラメーター等で特定することも、不可能であるかおよそ実際的でない。そのため、上記好ましい構成(態様)は、その製造方法で特定するしかない。
すなわち、本発明における触媒は、塗布液の塗布・乾燥によって、「金属触媒又は金属触媒前駆体」を、多孔質基体3pの孔の側面又は繊維3qの側面に付着させて、次いで焼成してなるものであることが特に好ましい。
ここで、塗布の方法は、特に限定はされず、スプレーによる噴霧塗布、浸漬塗布、筆塗り塗布、刷毛塗り塗布、スクリーン印刷による塗布等が挙げられる。塗布の後には、要すれば、常法に従って乾燥して塗布溶媒を留去する。
焼成時間が上記下限以上であると、上記焼成温度が前記下限以上のときと同様の効果が得られ、焼成時間が上記上限以下であると、上記焼成温度が前記上限以下のときと同様の効果が得られ、好適に触媒の担持が可能である。
本発明によれば、(一般には熱に強い傾向のある)多孔質基体3pに、金属触媒又は金属触媒前駆体を付着させて焼成して、(そこに担持された)触媒を得ることができるので、単に塗布・乾燥して付着させている場合と比較して、多孔質基体3pへの密着性が高まり、優れた態様・組成の触媒が利用可能であり、また使用できる触媒の幅が広がる。
更に、後記するアイオノマー4が、多孔質基体3pの表面から内部に向かって、該多孔質基体3pの厚み方向に濃度勾配を有しながら充填され易くなる場合がある。
言い換えれば、本発明における触媒は、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、及び、ニッケル(Ni)よりなる群から選ばれる1種以上の金属又は金属含有化合物であることが好ましい。
通常、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)等は、膜の形で、孔又は繊維3qの側面等に担持され、白金(Pt)等は、粒子の形で、孔又は繊維3qの側面等に担持される。
更に、それに加えて、本発明の場合は、後述するように、特に、多孔質基体3pの内部にまで触媒粒子が入り込み難く、多孔質基体3pの内部に担持され難い場合がある。
一方、小さ過ぎると、多孔質基体3pの孔の側面や繊維3qの側面からミクロな深部に潜り込んでしまう場合等がある。ただし、複数の微小粒子が隣接・結合することで、触媒表面積を大きくすることができれば、必ずしも上記粒径範囲にとらわれない。
なお、「セル電圧」とは、水の電気分解のために水電解セルの陰極と陽極の間に印加する電解電圧のことを言う。
本発明の触媒担持多孔質基体3は、少なくとも高分子電解質膜(PEM)5に隣接する側に、アイオノマー4が存在することが好ましい。
ここで「アイオノマー」は、陽イオン交換ポリマー、側鎖に強酸基を有するポリマー、プロトン伝導性ポリマー、イオン伝導性ポリマー等とも言われており、「アイオノマー」とは、上記のような化学構造や物性を有するポリマーを言う。
また、本発明においては、触媒は多孔質基体3pの内部にも存在するので、更には、多くの触媒は多孔質基体3pの内部にも存在するので、アイオノマー4がなければ、触媒と高分子電解質膜(PEM)との接触が、ますます十分でなくなる。
アイオノマーの濃度が高い方向は、触媒担持多孔質体における高分子電解質膜(PEM)5と接触する側であるが(図6(b))、更にそれに加えて、その反対側、すなわち給電体6と接触する側も濃度が高く、その表面から内部に向かって、該多孔質基体3pの厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されていることも好ましい(図6(a))。
図6(b)に示したように、多孔質基体3pの深部(すなわち、高分子電解質膜(PEM)5と接触する側とは反対側)(に担持された触媒の)近傍には、アイオノマー4がなくてもよく又は少なくてもよく、更には、透過性の点から、アイオノマー4がない部分がある方が又は少ない部分がある方が好ましい。
また、図6(a)に示したように、多孔質基体3pの深部(すなわち、PEM5及び給電体6との接触面から離れた部分)(に担持された触媒)近傍には、アイオノマー4がなくてもよく又は少なくてもよく、更には、透過性の点から、アイオノマー4がない部分がある方が又は少ない部分がある方が好ましい。
従って、該アイオノマー4は、触媒担持多孔質基体3の内部に向かって充填されることで、「高分子電解質膜(PEM)とは直接接触することができない『給電体及び/又は樹脂槽体側の触媒』」で発生したプロトンを陰極側へ伝導することができ、触媒の利用効率を上げることができる。
従って、必ずしも限定はされないが、該触媒担持多孔質基体3が有する空隙体積のうち、アイオノマー4により該空隙が充填される体積量の割合(以下、「充填率」と言う場合がある)は、10体積%以上90体積%以下であることが好ましく、20体積%以上80体積%以下であることがより好ましく、30体積%以上70体積%以下であることが特に好ましい。
本発明は、上記アイオノマー4が、上記触媒を上記多孔質基体3pに担持させた後に、該アイオノマー4の溶液を塗布し乾燥させて、該多孔質基体3pの表面から内部に向かって濃度勾配を持たせて充填して得られる上記の触媒担持多孔質基体3でもある。
高分子電解質膜(PEM)5と接触することになる側から塗布して、図6(b)のような濃度勾配のある触媒担持多孔質基体3を得てもよいし、更にそのようにした上で、給電体6と接触することになる側からも塗布して、図6(a)のような両側に濃度勾配のある触媒担持多孔質基体3を得てもよい。
アイオノマー分散液(アイオノマー溶液)を塗布後、60℃前後で溶媒(分散媒)を揮発させ、その後、好ましくは120℃以上250℃以下で、特に好ましくは140℃以上200℃以下で、また、好ましくは1分以上1時間以下で、特に好ましくは3分以上30分以下で熱処理を行うことが好ましい。
上記アイオノマー4は、イオン伝導性、特にプロトン伝導性を有し、水電解用単セル1において使用可能のものならば特に限定はない。すなわち、本発明の「アイオノマー」とは、プロトン伝導性ポリマーのことを言う。
該アイオノマー4は、特に限定はなく、分子内にフッ素原子を有するフッ素系アイオノマー4であってもよく、分子内にフッ素原子を有さない非フッ素系アイオノマー4であってもよい。
特に限定はされないが、本発明に用いられるより好ましいアイオノマー4の例を以下に示す。
式(1)で表されるアイオノマーの等価質量(EW:equivalent weight)(1モルのプロトンを供給するのに必要なポリマーの質量)は、限定はされないが、900g/mol~1200g/molであることが特に好ましい。式(1)のmの好ましい範囲は、該等価質量から計算できる範囲である。
式(1)で表される長側鎖(LSC)アイオノマーとしては、ナフィオン(Nafion(登録商標))(EW=1100g/mol、式(1)のm=6.6)等が好ましい。
式(2)又は式(3)で表されるアイオノマーの等価質量(EW)は、限定はされないが、700g/mol~950g/molであることが特に好ましい。式(2)のpの好ましい範囲と、式(3)のnの好ましい範囲は、該等価質量からそれぞれ計算できる範囲である。
本発明の触媒担持多孔質基体3は、多孔質基体3pに担持された触媒の膜厚又は粒径が、多孔質基体3pの「孔及び/又は繊維の間の隙間よりなる空隙」の平均差し渡し長さより小さいことが好ましい。大きい場合には、触媒が多孔質基体3pを構成する材料に好適に担持され難い場合がある。
また、上記空隙は、焼成等によって触媒を担持した後の多孔質基体3pの有する空隙のことであるが、焼成等によって触媒を担持する前の多孔質基体3pの有する空隙も、担持して得られる触媒のサイズ(膜厚又は粒径)より大きいことが好ましい。小さい場合には、触媒塗布液中に溶解又は微分散した「金属触媒又は金属触媒前駆体」が、該多孔質内部にまで入り込み難い場合があり、その結果、触媒を多孔質基体3p自体の表面から内部にかけて存在させられない場合がある。
空隙率(体積%)
=100×[触媒担持多孔質基体の空隙の体積]/[触媒担持多孔質基体の体積] (1)
触媒粒子(触媒膜)の体積は、上記空隙の体積に比べれば十分小さいので、「多孔質基体の空隙」は「触媒担持多孔質基体の空隙」とほぼ等しい。
該空隙率はアイオノマー4を付与(充填)させる前に測定することが好ましい。
空隙率が小さ過ぎると、触媒を担持させ難く、多孔質基体3pの内部にまで担持させられない場合がある。また、アイオノマー溶液・分散液が、多孔質基体3pの内部にまで行き渡り難く、アイオノマー4を多孔質基体3pの内部にまで充填させられない場合や、多孔質基体3pの厚み方向に濃度勾配を有しながら充填させられない場合等がある。また、気体の拡散性が悪くなり、気体拡散層としての機能が劣る場合がある。
一方、空隙率が大き過ぎると、触媒担持多孔質基体3の強度が落ちる場合や、電導度が低下する場合がある。
上記マクロ面積は、例えば、触媒担持多孔質基体3が長方形の場合には、その縦と横をかけて求められる。
上記「接触面積倍率」は、上記ミクロ面積を上記マクロ面積で割ることで求められるので、そのようにして求めた値として定義される。
該接触面積倍率が小さ過ぎると、前記した種々の「アイオノマー4の(充填されている)効果」が得られない場合があり、大き過ぎると、触媒担持多孔質基体3の製造が困難な場合がある。
前記した通り、本発明は、本発明の上記触媒担持多孔質基体3であることを特徴とする水電解用電極2でもある。
また、前記した通り、本発明は、本発明の上記の触媒担持多孔質基体3であることを特徴とする気体拡散層でもある。
すなわち、前記した通り、本発明の触媒担持多孔質基体3の有する形態と機能から、本発明の触媒担持多孔質基体3は、水電解用電極2としても機能し使用されるし、また、本発明の触媒担持多孔質基体3は、気体拡散層としても機能し使用される。
本発明は、高分子電解質膜(PEM)5を、本発明の上記触媒担持多孔質基体3で挟んでなる構造を有することを特徴とする水電解用単セル1でもある。
本発明の水電解用単セル1は、一例を図1(a)に示したように、高分子電解質膜(PEM)5を、本発明の触媒担持多孔質基体3で挟んでなる構造を有し、更にそれを、具体的には、ガスケット、給電体6、樹脂槽体7等で挟んでなる。また、本発明の水電解用単セル1は、図5のような触媒担持多孔質基体3(水電解用電極)を、上記構造体で挟んでなる。
該給電体6、該樹脂槽体7等の構造体としては、特に限定はなく、公知のものが用いられ得る。
なお、本発明の水電解用単セル1の発明は、上記したものや図示したものの他に、他の層や他の部材・構造体等の使用(併用)を排除するものではない。
本発明は、高分子電解質膜(PEM)5を触媒担持多孔質基体3で挟んだ構造を1個の水電解用単セル1としたときに、上記の水電解用単セルを2個以上積層してなることを特徴とする水電解用スタックセル9でもある。
本発明の水電解用スタックセル9の概略を図7に示す。本発明の水電解用スタックセル9は、図7に示したように、上記本発明の水電解用単セル1で双極板8を挟んで構成される。
積層個数が少な過ぎると、水電解効率(水素発生効率)が悪くなる場合等があり、一方、積層個数が多過ぎると、水電解に要する電圧が大きくなる場合等がある。
図8(a)(b)に、本発明の水電解用スタックセル9に、更に、陰極配線、陽極配線、水入口、水出口、水素排出配管(水素出口)、酸素排出配管(酸素出口)等が設置された概念図を示す。水出口と酸素排出配管(酸素出口)は同一(共用)でもよい。
本発明は、上記水電解用スタックセル9を、2次元又は3次元に配列させてなることを特徴とする水電解用セルモジュール10でもある。
図9に、本発明の水電解用スタックセル9を3次元に配列させてなる水電解用セルモジュール10の概略斜視図を示す。
また、図9に示したように、設置ボードを設け、一部の水電解用スタックセル9だけを抜き出して、交換したり、メンテナンスしたり、通電を止めたり(休電期間を設けたり)でき、運転の効率を上げることもできる。
以下、特に断りのない限り、比や%に関する値は、質量比や質量%である。
<触媒担持多孔質基体、水電解用電極の製造>
繊維径50μmのチタン繊維を平板のようにして集合体化した多孔質基体3pに、触媒として、金属触媒(金属前駆体)として、塩化イリジウム(IV)酸六水和物を含有したアルコール系の塗布液を、スプレーを用いて、ムラのないように塗布した。
その際、塗布液が多孔質基体3p自体の表面から内部へ浸み込んでいく様子を確認した。
その際、この分散液が触媒担持多孔質基体3の表面から内部へ染み込んでいく様子を確認した。
実施例1において、チタン繊維よりなる多孔質基体3pに代えて、カーボン繊維よりなる多孔質基体3pを用いた以外は、実施例1と同様にして、触媒担持多孔質基体3(水電解用電極2)を得た。
途中、触媒の塗布液が、多孔質基体3p自体の表面から内部へ浸み込んでいく様子を確認した。
また、途中、アイオノマー分散液が、触媒担持多孔質基体3の表面から内部へ染み込んでいく様子を確認した。
また、アイオノマー4が、触媒に接触しつつ、多孔質基体3pの表面から内部に向かって、厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されていた(特に、図4(b)、図6(b)参照)。
実施例1において、イリジウム触媒に代えて、白金触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、触媒担持多孔質基体3(水電解用電極2)を得た。
途中、触媒の塗布液が、多孔質基体3p自体の表面から内部へ浸み込んでいく様子を確認した。
また、途中、アイオノマー分散液が、触媒担持多孔質基体3の表面から内部へ染み込んでいく様子を確認した。
また、アイオノマー4が、触媒に接触しつつ、多孔質基体3pの表面から内部に向かって、厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されていた(特に、図5、図6(b))。
実施例1において、(多孔質)基体として、空隙率が1体積%であるチタン繊維からなる基体を用いた以外は、実施例1と同様にして、水電解用電極2(触媒層形成基体)を得た。
(多孔質)基体として用いた空隙率が1体積%のチタン繊維からなる基体は、その孔(空隙)が金属触媒粒子より小さいために、触媒の塗布液が、多孔質基体3p自体の表面から内部へ浸み込んでいき難かった。
実施例1において、アイオノマー4を充填しない、すなわち、アイオノマー4の分散液を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、触媒担持多孔質基体3を得た。
従来の膜電極接合体(MEA)を水電解用電極とした。
用いた膜電極接合体(MEA)は、PEMの片面に、カーボン粒子と「触媒となる白金粒子」が、もう片面に、「触媒となる酸化イリジウム粒子」がそれぞれ塗布された後、乾燥されて固着したものであった。
<水電解用単セルの組み立て>
図1(a)に示す構成で水電解用単セル1を組み立てた。
具体的には、高分子固体電解質膜(PEM)を中央に配し、その両外側に、上記実施例で得た「金属触媒3cとアイオノマー4を有する触媒担持多孔質基体3(水電解用電極2)」、又は、比較例で得た水電解用電極を配した。
更にその両外側に給電体6を配し、更にその両外側に樹脂槽体7を配した後、その両端をボルトで締めつけることで各構成物を挟み込み、水電解用単セル1を組み立てた。
上記実施例・比較例で得られた水電解用単セル1に、温度20℃の純水をポンプで循環させ、該水電解用セルの陽極側に電解用の純水を供給し、直流電源を用いて所定の電流密度における水電解時のセル電圧の値を記録した。
上記した初期性能評価と同様に、純水を循環させて水電解用単セル1に供給し、直流電源を用いて電流密度が100A/dm2となるように電流値を設定し、連続的に電解を行い、セル電圧を記録した。
<水電解用スタックセルの組み立て>
図7に示す構成で、水電解用単セル1をスタックして、水電解用スタックセル9を組み立てた。
具体的には、「触媒担持多孔質基体(陽極)/高分子電解質膜(PEM)/触媒担持多孔質基体(陰極)」を、1個の水電解用単セル1として、該単セル同士を、双極板8を介して5個積み重ねて(スタックして)、1個の水電解用スタックセル9とした。なお、図7では、単セルを2個積み重ねているが、評価例2では5個積み重ねた。
「前記実施例・比較例で得られた水電解用単セル」を、上記したように5個積み重ねた水電解用スタックセル9に、温度20℃の純水をポンプで循環させ、水電解用セルの陽極側に電解用の純水を供給し(図8参照)、直流電源を用いて所定の電流密度における水電解時のスタックセル電圧の値を記録した。
実施例1で得られた触媒担持多孔質基体3(水電解用電極2)を評価例2のように積み重ねて得た水電解用スタックセル9を用い、水の電気分解を電流値一定の条件で連続的に行い、スタックセル電圧の変化を記録した。
また、耐久試験後も、その値を維持した。
一方、比較例の水電解用電極2、水電解用単セル1、及び、水電解用スタックセル9は、水電解開始時にセル電圧(必要印加電圧)が高く、耐久試験後も高い値であった。
2 水電解用電極
3 触媒担持多孔質基体
3p 多孔質基体
3q 多孔質基体を形成する繊維
3c 金属触媒又は金属酸化物触媒
4 アイオノマー
5 高分子電解質膜(PEM)
6 給電体
7 樹脂槽体
8 双極板
9 水電解用スタックセル
10 水電解用セルモジュール
Claims (18)
- 水電解用単セルにおいて、高分子電解質膜(PEM)を挟んで存在しており、該高分子電解質膜(PEM)に接触して陰極又は陽極を構成し、気体拡散層としても機能する構造を有している、触媒が担持された多孔質基体であって、
該触媒が、該多孔質基体が有している孔の側面、又は、該多孔質基体を形成している繊維の側面に担持されて、該多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在し、
かつ、アイオノマーが、該触媒に接触しつつ、該多孔質基体の表面から内部に向かって、該多孔質基体の厚み方向に濃度勾配を有しながら充填されており、
該アイオノマーが、該触媒を該多孔質基体に担持させた後に、該アイオノマーの溶液又 は分散液を塗布し乾燥させて、該多孔質基体の表面から内部に向かって濃度勾配を持たせ て充填して得られるものであることを特徴とする触媒担持多孔質基体。 - 焼成前の多孔質基体が有している孔の側面、又は、焼成前の多孔質基体を形成している繊維の側面に、金属触媒又は金属触媒前駆体を付着させて焼成する工程を有して得られる請求項1に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記触媒の膜厚又は粒径が、「上記孔及び/又は上記繊維の間の隙間よりなる空隙」の平均差し渡し長さより小さい請求項1又は請求項2に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記触媒が、多孔質基体自体の表面のみに触媒層として堆積されているものではなく、上記多孔質基体が有している孔の側面、又は、上記多孔質基体を形成している繊維の側面に担持されて、上記多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在している請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- アイオノマーを除いた触媒担持多孔質基体の下記定義式(1)で表される空隙率が、3体積%以上80体積%以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
空隙率(体積%)
=100×[触媒担持多孔質基体の空隙の体積]/[触媒担持多孔質基体の体積] (1) - 上記アイオノマーが、上記触媒担持多孔質基体の有する空隙内に充填されており、該触媒担持多孔質基体が有する空隙の体積全体に対して、該アイオノマーにより該空隙が充填されている体積の割合が10体積%以上90体積%以下である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 「上記多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在する上記触媒」が上記アイオノマーに接触しているミクロ面積の総和が、触媒担持多孔質基体の上記高分子電解質膜(PEM)に接している面のマクロ面積の2倍以上である請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記触媒が、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、及び、ニッケル(Ni)よりなる群から選ばれる、1種以上の金属又は金属含有化合物である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記多孔質基体の材質が、チタン(Ti)若しくはチタン(Ti)合金、又は、炭素(C)である請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記多孔質基体が、チタン繊維若しくはチタン合金繊維、又は、炭素繊維の集合体である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 上記アイオノマーが、プロトン伝導性ポリマーである請求項1ないし請求項10の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体。
- 請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体であることを特徴とする水電解用電極。
- 請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体であることを特徴とする気体拡散層。
- 高分子電解質膜(PEM)を、請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の触媒担持多孔質基体で挟んでなる構造を有することを特徴とする水電解用単セル。
- 高分子電解質膜(PEM)を触媒担持多孔質基体で挟んだ構造を1個の水電解用単セルとしたときに、請求項14に記載の水電解用単セルを2個以上積層してなることを特徴とする水電解用スタックセル。
- 請求項15に記載の水電解用スタックセルを、2次元又は3次元に配列させてなることを特徴とする水電解用セルモジュール。
- 水電解用単セルにおいて、高分子電解質膜(PEM)を挟んで存在しており、該高分子電解質膜(PEM)に接触して陰極又は陽極を構成し、気体拡散層としても機能する構造を有している、触媒が担持された多孔質基体の製造方法であって、
該触媒が、該多孔質基体が有している孔の側面、又は、該多孔質基体を形成している繊維の側面に担持されて、該多孔質基体自体の表面から内部にかけて存在しており、
アイオノマーを、該触媒を該多孔質基体に担持させた後に、該アイオノマーの溶液又は 分散液を塗布し乾燥させて、該アイオノマーを該触媒に接触させつつ、該多孔質基体の表 面から内部に向かって濃度勾配を持たせて充填することを特徴とする触媒担持多孔質基体の製造方法。 - 焼成前の多孔質基体が有している孔の側面、又は、焼成前の多孔質基体を形成している繊維の側面に、金属触媒又は金属触媒前駆体を付着させて焼成する工程を有する請求項1 7に記載の触媒担持多孔質基体の製造方法。
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