JP7664656B2 - 多能性幹細胞の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多能性幹細胞の製造方法に関するものである。
ヒト多能性幹細胞は、その再生医療への応用が世界的に注目されている。現在、臨床応用に使われている人工多能性幹細胞(以下「iPS細胞」と記す)は血液中の細胞にプラスミドベクターで初期化因子を導入することで作られている。この方法の問題点はプラスミドベクターがiPS細胞のゲノムDNAに挿入されてしまうことである。そのため、出荷前にプラスミドベクターの挿入がないことを確認する試験が必要となる。センダイウイルスにより初期化因子を導入することも可能であるが、プラスミドベクターと同様にウイルスの残存を出荷前に確認する必要がある。また、センダイウイルスはバイオセイフティーレベル2での取り扱いが必要であり、製造現場での制約が出てしまう。
初期化因子遺伝子のmRNAを体細胞に導入して初期化因子を発現させてリプログラミングすることによりiPS細胞を作る方法は、初期化因子残存の心配がないという大きなメリットがあるうえに、一般に初期化効率も高い(非特許文献1)。しかしながら、血液細胞では、初期化因子遺伝子のmRNAの導入によるiPS細胞の作製は未だ達成されていない。従来、主に皮膚より採取した線維芽細胞がiPS細胞の作製に用いられているが、より侵襲性の低い血液細胞は、iPS細胞作製の有用な体細胞ソースの1つであることから、体細胞の種類にかかわりなく、mRNA導入法を用いて効率よくiPS細胞を作製する方法の確立が求められている。
特許文献1には、改変ラミニンの存在下で、核初期化物質を体細胞に接触させる工程を含むiPS細胞の樹立方法が開示されている。この方法で用いられる改変ラミニンは、ラミニンまたはヘテロ3量体を形成しているラミニンフラグメントに細胞増殖制御分子が結合した構造を有する複合分子である。具体的には、改変ラミニンの存在下で成人皮膚由来線維芽細胞にエピソーマルプラスミドベクターを用いて初期化遺伝子を導入し、ヒトiPS細胞を樹立したことが開示されている。
WO2012/137970
Kogut et al., Nature Communications, 2018 Feb 21;9(1):745.
本発明は、初期化因子遺伝子のmRNAを血液細胞に導入して多能性幹細胞を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は上記の課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1]体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する工程1と、該mRNAが導入された体細胞を培養する工程2を含む多能性幹細胞の製造方法であって、前記工程1において、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの存在下で体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入することを特徴とする製造方法。
[2]前記初期化因子遺伝子がMDM4遺伝子を含む、前記[1]に記載の製造方法。
[3]前記体細胞が浮遊性細胞である、前記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記浮遊性細胞が末梢血単核球である、前記[3]に記載の製造方法。
[5]前記工程1が、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメント、トランスフェクション試薬、および初期化因子遺伝子のmRNAを含む培地中で前記体細胞を培養することにより行われる、前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]α5鎖を有するラミニンがラミニンα5β1γ1またはラミニンα5β2γ1である前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]インテグリン結合活性を有するフラグメントがラミニンE8フラグメントである前記[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記工程1が、体細胞への初期化因子遺伝子のmRNAの導入を2回以上繰り返す、前記[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]2回目以降のmRNAの導入がα5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの非存在下で行われる、前記[8]に記載の製造方法。
本発明により、初期化因子遺伝子のmRNAを血液細胞に導入して多能性幹細胞を製造する方法を提供することができる。
本発明の製造方法の実施例1において、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)に初期化因子遺伝子のmRNA(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、E3, K3 and B18R(EKB))を4回導入し、1回目の導入から9日後の細胞の位相差顕微鏡画像を示す図である。 本発明の製造方法の実施例1において、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)に初期化因子遺伝子のmRNA(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)を4回導入し、1回目の導入から9日後の各群の細胞に生じたiPS細胞様コロニー数を比較した結果を示す図である。 ヒト末梢血単核細胞(PBMC)をラミニン511E8フラグメントと一緒に播種し、翌日プレートに付着している生細胞数を測定した結果を示す図である。 本発明の製造方法において、細胞外マトリックスとして、iMatrix-511(商品名)、iMatrix-221(商品名)、iMatrix-411(商品名)、Geltrex(商品名)、ビトロネクチン、I型コラーゲン、フィブロネクチン、マウスEHS肉腫由来ラミニン溶液を用いて実施例1と同様の実験を行い、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から生じたiPS細胞様コロニー数を比較した結果を示す図である。 本発明の製造方法において、実施例1で使用した初期化因子のmRNA(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)に、p53阻害物質であるMDM4(mouse double minute 4)のmRNAを加えて実施例1と同様の実験を行い、1回目のmRNA導入から14日後に取得した、細胞(コロニー)の位相差顕微鏡画像および抗TRA-1-60抗体による免疫染色画像を示す図である。 本発明の製造方法において、実施例1で使用した初期化因子のmRNA(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)に、p53阻害物質としてp53のドミナントネガティブ変異体(p53DN)、MDM2(mouse double minute 2)およびMDM4の各mRNAをそれぞれ加えて実施例1と同様の実験を行い、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から生じたiPS細胞様コロニー数を比較した結果を示す図である。 図6の実験と同じ実験を、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を用いて行い、生じたiPS細胞様コロニー数を比較した結果を示す図である。 本発明の製造方法において、実施例1で使用した初期化因子のmRNA(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)のうち、NANOGおよび/またはLIN28を使用しない場合について、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を用いて実施例1と同様の実験を行い、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から生じたiPS細胞様コロニー数を比較した結果を示す図である。
本発明は、多能性幹細胞の製造方法(以下「本発明の製造方法」と記す)を提供する。本発明の製造方法は、体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する工程1と、該mRNAが導入された体細胞を培養する工程2を含み、工程1において、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの存在下で体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入するものであればよい。
多能性幹細胞は、生体に存在するすべての細胞に分化可能な多能性を有し、かつ、増殖能を併せもつ幹細胞を意味する。多能性幹細胞としては、例えば、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)、核移植により得られるクローン胚由来の胚性幹細胞(ntES細胞)、精子幹細胞(GS細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、培養線維芽細胞や骨髄幹細胞由来の多能性細胞(Muse細胞)などが挙げられる。本発明の製造方法により製造される多能性幹細胞は、体細胞のリプログラミングにより製造されるiPS細胞である。
ラミニンは基底膜の主要な細胞接着分子であり、α鎖、β鎖およびγ鎖の3本のサブユニット鎖からなるヘテロ三量体で、分子量約80万の巨大な糖タンパク質である。3本のサブユニット鎖はC末端側で会合してコイルドコイル構造を作り、ジスルフィド結合によって安定化したヘテロ三量体分子を形成している。α鎖はα1~α5の5種類、β鎖はβ1~β3の3種類、γ鎖はγ1~γ3の3種類が知られており、それらの組み合わせで少なくとも12種類以上のアイソフォームが存在する(表1参照)。本明細書において、ラミニンのアイソフォームを、例えばラミニン111のように表記する。また、本明細書において単に「ラミニン」と表記した場合は「全長ラミニン」を意味する。本発明の製造方法に用いられるα5鎖を有するラミニンには、ラミニン511およびラミニン521が含まれる。
Figure 0007664656000001
ラミニンのインテグリン結合活性の発現には、少なくともα鎖C末端側の3つの球状ドメイン(LG1-3)とγ鎖C末端領域が関与することが知られている。したがって、インテグリン結合活性を有するラミニンフラグメントはラミニンのα鎖C末端側のLG1-3とγ鎖C末端領域を含むフラグメントであり、これらがβ鎖のC末端領域とともにヘテロ三量体を形成するラミニンフラグメントであることが好ましい。インテグリン結合活性を有するラミニンフラグメントとしてラミニンE8フラグメント(以下「ラミニンE8」または「E8」と記す場合がある)を好適に用いることができる。したがって、本発明の製造方法に用いられるラミニンフラグメントは、ラミニン511E8フラグメント(ラミニン511E8)またはラミニン521E8フラグメント(ラミニン521E8)であってもよい。
ラミニンE8は、マウスラミニン111をエラスターゼで消化して得られたヘテロ三量体を形成しているフラグメントであり、強い細胞接着活性をもつフラグメントとして同定されたものである(Edgar D et al., J. Cell Biol., 105:589-598, 1987)。マウスラミニン111以外のラミニンについてもエラスターゼで消化した際にマウスラミニン111E8に相当するフラグメントの存在が推定されるが、マウスラミニン111以外のラミニンをエラスターゼで消化してE8を分離、同定した報告はない。したがって、本発明の製造方法に用いるα5鎖を有するラミニンE8は、α5鎖を有するラミニンのエラスターゼ消化産物であることを要するものではなく、類似の構造を有するα5鎖を有するラミニンのフラグメントであればよい。
α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントはどのような生物のラミニンでもよいが、哺乳動物のラミニンが好ましい。哺乳動物としては、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ等が挙げられるが、限定されない。なかでもヒトが好ましい。
ラミニンおよびラミニンフラグメントは公知の遺伝子組換え技術を適宜用いることにより、組み換えタンパク質として製造することができる。主要な哺乳動物のラミニンを構成するα鎖、β鎖、γ鎖をコードする遺伝子の塩基配列情報および各鎖のアミノ酸配列情報は、公知のデータベース(NCBI等)から取得することができる。また、ヒト組み換え全長ラミニン511(BioLamina)、ヒト組み換え全長ラミニン521(BioLamina)、ヒト組み換えラミニン511E8フラグメント(ニッピ、商品名:iMatrix-511)等の市販品を用いることができる。
体細胞は、卵子、卵母細胞、ES細胞などの生殖系列細胞および分化全能性細胞を除くあらゆる動物細胞を意味する。体細胞には、胎児の体細胞、新生児の体細胞、成熟した健全なもしくは疾患性の体細胞のいずれも包含される。また、初代培養細胞および株化細胞のいずれも包含される。具体的には、体細胞は、例えば(1)神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、歯髄幹細胞等の組織幹細胞(体性幹細胞)、(2)組織前駆細胞、(3)リンパ球、上皮細胞、内皮細胞、筋肉細胞、線維芽細胞(皮膚細胞等)、毛細胞、肝細胞、胃粘膜細胞、腸細胞、脾細胞、膵細胞(膵外分泌細胞等)、脳細胞、肺細胞、腎細胞、脂肪細胞等の分化した細胞などが例示される。
本発明の製造方法に用いる体細胞は、接着性細胞であってもよく、浮遊性細胞であってもよい。接着性細胞としては、例えば、皮膚線維芽細胞、間葉系幹細胞、上皮細胞などが挙げられる。浮遊性細胞としては、例えば、末梢血単核細胞(Peripheral Blood Mononuclear Cells;PBMC)、骨髄由来細胞、臍帯血由来細胞などの血球系細胞が挙げられる。好ましくは浮遊性細胞であり、より好ましくは血球系細胞であり、さらに好ましくは末梢血単核細胞である。また、本発明の製造方法に用いる体細胞は哺乳動物の体細胞が好ましく、哺乳動物としては、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ等が挙げられる。このうち、ヒトまたはマウスがより好ましく、最も好ましくはヒトである。
初期化因子としては、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3、Glis1等が挙げられる。初期化因子は単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。初期化因子の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO 2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu D, et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26: 795-797、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 2: 525-528、Eminli S, et al. (2008), Stem Cells. 26:2467-2474、Huangfu D, et al. (2008), Nat Biotechnol. 26:1269-1275、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3, 568-574、Zhao Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3:475-479、Marson A, (2008), Cell Stem Cell, 3, 132-135、Feng B, et al. (2009), Nat Cell Biol. 11:197-203、R.L. Judson et al., (2009), Nat. Biotech., 27:459-461、Lyssiotis CA, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:8912-8917、Kim JB, et al. (2009), Nature. 461:649-643、Ichida JK, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:491-503、Heng JC, et al. (2010), Cell Stem Cell. 6:167-74、Han J, et al. (2010), Nature. 463:1096-100、Mali P, et al. (2010), Stem Cells. 28:713-720、Maekawa M, et al. (2011), Nature. 474:225-9.に記載の組み合わせが例示される。初期化因子の組み合わせは、OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、およびmicroRNA302/367の組み合わせであってもよい。なお、microRNA302/367は、多能性幹細胞で高発現し、未分化状態の維持に重要なマイクロRNAであり、同様の発現特性と機能を有するマイクロRNAに置換してもよい。
上記初期化因子には、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤[例えば、バルプロ酸 (VPA)、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA(例、HDAC1 siRNA Smartpool (Millipore)、HuSH 29mer shRNA Constructs against HDAC1 (OriGene)等)等の核酸性発現阻害剤など]、MEK阻害剤(例えば、PD184352、PD98059、U0126、SL327およびPD0325901)、Glycogen synthase kinase-3阻害剤(例えば、BioおよびCHIR99021)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、5-azacytidine)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、BIX-01294 等の低分子阻害剤、Suv39hl、Suv39h2、SetDBlおよびG9aに対するsiRNAおよびshRNA等の核酸性発現阻害剤など)、L-channel calcium agonist(例えばBayk8644)、酪酸、TGFβ阻害剤またはALK5阻害剤(例えば、LY364947、SB431542、616453およびA-83-01)、p53阻害剤(例えば、p53に対するsiRNAおよびshRNA、p53のドミナントネガティブ変異体(p53DN)、MDM2(mouse double minute 2)、MDM4(mouse double minute 4)等)、ARID3A阻害剤(例えば、ARID3Aに対するsiRNAおよびshRNA)、miR-291-3p、miR-294、miR-295およびmir-302などのmiRNA、Wnt Signaling(例えばsoluble Wnt3a)、神経ペプチドY、プロスタグランジン類(例えば、プロスタグランジンE2およびプロスタグランジンJ2)、hTERT、SV40LT、UTF1、IRX6、GLISl、PITX2、DMRTBl等の初期化効率(iPS細胞樹立効率)を高めることを目的として用いられる因子も含まれており、本明細書においては、これらの初期化効率の改善目的にて用いられた因子についても初期化因子と別段の区別をしないものとする。
本発明の製造方法において使用する初期化因子の組み合わせは、例えば、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、およびEKB」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、LIN28、microRNA302/367、およびEKB」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、microRNA302/367、およびEKB」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、microRNA302/367、およびEKB」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB、およびMDM4」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、LIN28、microRNA302/367、EKB、およびMDM4」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、microRNA302/367、EKB、およびMDM4」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、microRNA302/367、EKB、およびMDM4」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB、およびp53DN」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、LIN28、microRNA302/367、EKB、およびp53DN」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、microRNA302/367、EKB、およびp53DN」、「OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、microRNA302/367、EKB、およびp53DN」などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。なお、EKBは、RNA導入によって細胞内で惹起される炎症反応を抑制する効果が知られており、同様の効果を奏し得る他の因子に置換してもよい。
本発明の製造方法の工程1は、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの存在下で体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する操作を含む。α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの存在下で体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する操作において、ラミニンまたはラミニンフラグメントは培地に溶解された状態で存在してもよく、培養容器にコーティングされた状態で存在してもよい。好ましくは培地に溶解された状態である。ラミニンまたはラミニンフラグメントを培地に溶解する場合、その濃度は、例えば、0.1μg/mL以上、0.2μg/mL以上、0.3μg/mL以上、0.4μg/mL以上、0.5μg/mL以上、0.6μg/mL以上、0.7μg/mL以上であってもよく、2.0μg/mL以下、1.9μg/mL以下、1.8μg/mL、1.7μg/mL以下、1.6μg/mL以下であってもよい。
ラミニンまたはラミニンフラグメントを培養容器にコーティングする場合、そのコーティング濃度は、例えば、0.05μg/cm2以上、0.1μg/cm2以上、0.15μg/cm2以上、0.2μg/cm2以上、0.25μg/cm2以上、0.3μg/cm2以上、0.35μg/cm2以上であってもよく、1.0μg/cm2以下、0.95μg/cm2以下、0.9μg/cm2以下、0.85μg/cm2以下、0.8μg/cm2以下であってもよい。ラミニンまたはラミニンフラグメントのコーティングは、ラミニンまたはラミニンフラグメントを適当な溶媒、例えばPBS、生理食塩水、トリスヒドロキシメチルアミノメタンあるいは4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルフォン酸で中性pHとした生理的食塩水などで希釈し、この溶液を培養容器に添加して、室温~37℃程度で約1~約12時間程度静置することにより行うことができる。
初期化因子遺伝子のmRNAは、例えば、初期化因子をコードするDNAが挿入された発現ベクターを構築し、該発現ベクターからインビトロ転写することにより作製することができる。インビトロ転写は、例えば市販の試薬(例えば、商品名:MEGAscript T7 Transcription Kit(Thermo Fisher Scientific)等)を用いて行うことができる。初期化因子をコードするDNAの塩基配列情報は、公知のデータベース(NCBI等)から取得することができる。
初期化因子遺伝子のmRNAを体細胞へ導入する方法は特に限定されず、例えば、リポソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、DEAEデキストラン法などの公知の方法から適宜選択して用いることができる。市販のRNA導入用トランスフェクション試薬(例えば、商品名:Lipofectamine MessengerMAX(Thermo Fisher Scientific)等)を用いてもよい。
初期化因子遺伝子のmRNAを体細胞へ導入する方法は、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメント、トランスフェクション試薬、および初期化因子遺伝子のmRNAを含有する培地に体細胞を懸濁し、培養容器に播種して培養することにより、体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する方法であってもよい。また、初期化因子遺伝子のmRNAを体細胞へ導入する方法は、トランスフェクション試薬と初期化因子遺伝子のmRNAを含有する培地に体細胞を懸濁し、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントがコーティングされた培養容器に播種して培養することにより、体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する方法であってもよい。
接着性の体細胞を用いる場合、予めα5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントがコーティングされた培養容器で体細胞を接着培養し、トランスフェクション試薬と初期化因子遺伝子のmRNAを含有する培地に培地交換して培養することにより、体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する方法を用いてもよい。または、ラミニンまたはラミニンフラグメントがコーティングされていない培養容器で体細胞を接着培養し、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントとトランスフェクション試薬と初期化因子遺伝子のmRNAを含有する培地に培地交換して培養することにより、体細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する方法を用いてもよい。
細胞懸濁液の細胞数は、2×105個/mL~4×105個/mLであってもよく、好ましくは2.5×105個/mL~3.5×105個/mLである。ラミニンまたはラミニンフラグメントの濃度は上記のとおりである。初期化因子遺伝子のmRNAの添加量は、300ng/mL~700ng/mLであってもよく、好ましくは400ng/mL~600ng/mLである。トランスフェクション試薬の濃度は、用いるトランスフェクション試薬、細胞数およびmRNAの添加量に応じて、取り扱い説明書によって推奨される濃度を採用してもよい。使用する培養容器は多能性幹細胞の培養に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス製またはプラスチック製のシャーレ、フラスコ、マルチウェルプレートなどを用いることができる。播種細胞数は使用する培養容器に応じて適宜変更することができる。例えば24ウェルプレートを用いる場合は、上記細胞濃度の懸濁液を1ウェルあたり0.5mL~1.5mLを播種してもよい。培養時間は16~32時間であってもよく、好ましくは18時間~30時間であり、より好ましくは22時間~26時間である。
所定の培養時間終了後、工程2で用いる培地に交換して工程2に進むことができる。あるいは、工程2に進まずに、体細胞への初期化因子遺伝子のmRNAの導入を繰り返してもよい。体細胞への初期化因子遺伝子のmRNAの導入回数は特に限定されず、2回であってもよく、3回であってもよく、4回であってもよく、5回以上であってもよい。例えば、予備検討により最も多能性幹細胞へのリプログラミング効率が高い回数を設定してもよい。
2回目以後のmRNA導入の培養系には、ラミニンまたはラミニンフラグメントが含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。すなわち、1回目のmRNA導入を行った体細胞を回収し、トランスフェクション試薬と初期化因子遺伝子のmRNAを含有し、ラミニンまたはラミニンフラグメントを含有しない新たな培地に回収した体細胞を懸濁し、再度播種して培養してもよい。1回目のmRNA導入においてラミニンまたはラミニンフラグメントがコーティングされた培養容器を用いた場合、2回目以後のmRNA導入には、ラミニンまたはラミニンフラグメントがコーティングされていない培養容器を用いてもよい。また、2回目以降において体細胞に導入する初期化因子遺伝子のmRNAは、既に導入された初期化因子遺伝子のmRNAと同じものでもよく、異なるものでもよい。好ましくは、既に導入された初期化因子遺伝子のmRNAと同じものである。所定の回数初期化因子遺伝子のmRNAが導入された体細胞は、工程2で用いる培地に交換して工程2に進むことができる。
本発明の製造方法の工程2では、工程1で初期化因子遺伝子のmRNAが導入された体細胞を培養する。工程2で用いる培地としては、例えば、10~15%FBSを含有するDMEM、DMEM/F12またはDME培養液(これらの培養液にはさらに、LIF、penicillin/streptomycin、puromycin、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)を用いることができる。また、ES/iPS細胞培養用の市販の培地、例えば、ReproMed iPSC Medium(リプロセル)、mTeSR1(Stemcell Technology)、Essential 8(Thermo Fisher Scientific)、StemFit AK03N(AJINOMOTO)などを用いることができる。
培養方法は、例えば、37℃、5% CO2存在下にて、フィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上で10%FBS含有DMEM培養液(これにはさらに、LIF、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)で培養し、約25~約30日またはそれ以上後にiPS細胞様コロニーを生じさせることができる。フィーダー細胞の代わりに初期化される体細胞そのものを用いる(Takahashi K, et al. (2009), PLoS One. 4:e8067またはWO2010/137746)方法、細胞外マトリックス(例えば、ラミニン511E8(ニッピ)、マトリゲル(BD Biosciences)等)を用いる方法であってもよい。
iPS細胞は、形成したコロニーの形状により選択することができ、具体的には、単層で扁平な上皮細胞様の形状を示すコロニーをiPS細胞様コロニーとして選択することができる。また、体細胞が初期化された場合に発現する遺伝子(例えば、Oct3/4、Nanog、TRA-1-60)の発現を確認することによって、iPS細胞様コロニーまたはiPS細胞を選択することもできる。
ある実施形態において、本願の方法は、工程1の前に体細胞を拡大培養する工程を含むことができる。培養条件は当業者が適宜定めればよく、特に限定されない。例えば、前記体細胞が末梢血単核球(PBMC)である場合、CD34陽性細胞用培地中で培養してCD34陽性細胞を増やしてもよい。CD34陽性細胞用培地としては公知のものを適宜使用することができ、例えばIL-6、SCF、TPO、Flt-3L、IL-3およびG-CSFに代表されるサイトカインを含む培地が挙げられる。拡大培養の期間は当業者が適宜定めればよく特に限定されないが、適宜培地を交換しつつ、1日~14日、3日~10日、例えば4~7日であり得る。また、自動化培養装置などを用いることで、連続的に培地交換(灌流培養)を行うこともできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例および参考例では、特に断りがない限り、非被覆の培養容器を使用した。
〔実施例1:末梢血単核細胞からのiPS細胞の製造〕
1.実験方法
凍結保存した末梢血単核細胞(PBMC)を解凍し、6種類の増殖因子(IL-6, IL-3, TPO, SCF, G-CSF, Flt3L)を含有するStemSpan ACF(STEMCELL Technologies、以下「SS6F」と記す。なお、他の実施例では同等品であるStemSpan AOFを使用した場合もある)を用いて培養を開始した(=Day0)。Day4に、初期化因子遺伝子のmRNA(StemRNA-3rd Gen Reprogramming Kit(リプロセル)に付属のOCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)、トランスフェクション試薬(MessengerMAX、Thermo Fisher Scientific)、およびラミニン511E8フラグメント(iMatrix-511、ニッピ)を含むSS6FにPBMCを懸濁して、24ウェルプレートに2.5×105個/800μL/wellで播種し、初期化因子遺伝子のmRNAをPBMCにトランスフェクションした。初期化因子遺伝子のmRNA量は400ng/wellとした。ラミニン511E8フラグメント量は、0.3125μg/well、0.625μg/wellまたは1.25μg/wellとし、ラミニン511E8フラグメントを含まない対照群を設けた。
24時間後(Day5)に、新たに調製した初期化因子遺伝子のmRNAとトランスフェクション試薬を含みラミニン511E8フラグメントを含まないSS6Fに交換することで2回目のmRNA導入を行った。24時間後(Day6)に、新たに調製した初期化因子遺伝子のmRNAとトランスフェクション試薬を含みラミニン511E8フラグメントを含まないSS6Fに交換することで3回目のmRNA導入を行った。24時間後(Day7)に、新たに調製した初期化因子遺伝子のmRNAとトランスフェクション試薬を含みラミニン511E8フラグメントを含まないSS6Fに交換することで4回目のmRNA導入を行った。24時間後(Day8)に、培地をSS6FとStemFit AK03N(bFGF+)を1:1で混合した培地に交換した。3日後(Day11)に、培地をStemFit AK03N(bFGF+)のみに交換し培養を継続した。以後、2日ごとに培地をStemFit AK03N(bFGF+)で交換した。
2.結果
初期化因子遺伝子のmRNA導入から9日後(Day13)の位相差顕微鏡画像を図1に示す。ラミニン511E8フラグメントを使用していない群ではiPS細胞様コロニーは認められなかった。一方、ラミニン511E8フラグメントを使用した群では、いずれも複数のiPS細胞様コロニーが認められた。これまで、血液細胞はmRNA法を用いて初期化することができないと認識されていたところ、本発明の製造方法により、mRNA法を用いて血液細胞を初期化してiPS細胞が作製できることが明らかになった。
各群の1ウェルあたりのiPS細胞様コロニー数を比較した結果を図2に示す。iPS細胞様コロニー数はラミニン511E8フラグメントの濃度に依存して増加し、0.625μg付近にピークがあることが明らかになった。図2に示したように、ラミニン511E8フラグメントを0.625μg/wellで使用した場合には、2.5×105個のPBMCから約50個ものiPS細胞様コロニーが得られた(初期化効率=0.02%)。本発明の製造方法を用いてPBMCからiPS細胞を製造すれば、iPS細胞の出荷前にベクターの残存を確認する必要がなく、バイオセイフティーレベル2での取り扱いも必要ない点で、製造現場の負担を大幅に減少させることができる。また、上記の初期化効率は、iPS細胞の製造現場において十分実用可能な数値である。
なお、参考までに、本発明者の研究室において、ヒト皮膚線維芽細胞からmRNA法(ラミニン511E8フラグメント不使用)でiPS細胞を作製する際の初期化効率は約0.5%であり、PBMCからセンダイウイルス法(SeV法)でiPS細胞を作製する際の初期化効率は約0.45%であった。
〔参考例1:ラミニン511E8フラグメントによる末梢血単核細胞の接着性への影響〕
前述した通り、接着性のHDFではmRNA法でも非常に高い初期化効率が得られる。そこで、実施例1ではラミニン511E8フラグメントがPBMCの接着性を改善し、それゆえiPS細胞様コロニーが得られた可能性を検証した。
1.実験方法
ラミニン511E8フラグメントを添加した培地中で末梢血単核細胞(PBMC)を培養し、翌日Cell Counting Kit-8(DOJINDO)を使って、プレートに付着している生細胞数を450 nmの吸光度で測定した。
結果を図3に示す。予想に反し、前記吸光度はラミニン511E8フラグメントの添加により却って下がる傾向が伺えた。さらに、前記吸光度はラミニン511E8フラグメントの濃度によって大きくは変化せず、少なくとも実施例1で得られたiPS細胞様コロニー数の結果(図2)とは相関しないことも明らかになった。
よって、PBMCの培養容器への接着性は培地中のラミニン511E8フラグメントによって改善されないこと、少なくとも、mRNA法によってPBMCが十分に初期化できる範囲の該フラグメント濃度では接着性は改善されないことが示された。この結果から、培地へのラミニン511E8フラグメント添加により、PBMCの強制接着が起こって初期化効率が上昇したのではないことが示された。
〔実施例2:ラミニン511以外の細胞外マトリックスの検討〕
実施例1では細胞外マトリックスとしてラミニン511E8(iMatrix-511、ニッピ)を使用したが、実施例2では、ラミニン511E8以外に、ラミニン221E8(iMatrix-221、ニッピ)、ラミニン411E8(iMatrix-411)、Geltrex(商品名、Thermo Fisher Scientific)、ビトロネクチン(富士フイルム和光純薬)、I型コラーゲン(ニッピ)、フィブロネクチン(富士フイルム和光純薬)、ラミニン溶液、マウスEHS肉腫由来(富士フイルム和光純薬)を使用した。
1.実験方法
凍結保存したPBMC(実施例1と異なるロット)を解凍し、実施例1と同様にSS6Fを用いて培養を開始した(=Day0)。上記8種類の細胞外マトリックスを濃度1.25μg/wellで用いた以外は実施例1と同じ方法で、初期化因子遺伝子のmRNA(StemRNA-3rd Gen Reprogramming Kit(リプロセル)に付属のOCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)の導入を4回繰り返した。実験は、各細胞外マトリックスについて、24ウェルプレートの1ウェル(各群n=1)で行った。1回目のmRNA導入から9日後(Day13)に、位相差顕微鏡でiPS細胞様コロニー数をカウントした。
2.結果
結果を図4に示す。ラミニン511E8を用いたウェルでiPS細胞様コロニーが得られたが、ラミニン511E8以外の細胞外マトリックスではiPS細胞様コロニーが出現しなかった。よって、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメント以外の細胞外マトリックスでは、mRNA法による初期化効率の促進効果が得られないことが明らかになった。なお、本発明者らは、使用するPBMCのロットによって出現するiPS細胞様コロニー数には大きなばらつきがあることを経験している。
〔実施例3:p53阻害物質による初期化促進効果の検討(1)〕
p53の機能を抑制すると初期化効率が向上することが知られている。そこで、実施例1で使用した8種類の初期化因子(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)に、p53阻害物質の1種であるMDM4を追加し、MDM4の初期化に対する効果を評価した。
1.実験方法
p53阻害物質として、MDM4を追加して実験を行った。凍結保存したPBMC(実施例1、2と異なるロット)を解凍し、実施例1と同様にSS6Fを用いて培養を開始した(=Day0)。実施例1で使用した8種類の初期化因子のmRNAを使用する群(コントロール群)と、さらにMDM4遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM4群)を設け、実施例1と同じ方法で、mRNA導入を4回繰り返した。ラミニン511E8(iMatrix-511)の使用量は1.25μg/wellとした。1回目のmRNA導入から14日後(Day18)に、コロニーの位相差顕微鏡画像を取得した。さらに抗TRA-1-60抗体を用いて免疫染色を行い、コロニーの蛍光顕微鏡画像を取得した。
2.結果
各群の代表的な画像を図5に示す。左がコントロール群、右が+MDM4群、上段が位相差顕微鏡画像、下段が免疫染色後の蛍光顕微鏡画像である。図5に示されるように、+MDM4群では、TRA-1-60陽性のiPS細胞様コロニーが多数認められた。よって、MDM4のmRNAを加えることにより、初期化効率が大幅に向上することが示された。
〔実施例4:p53阻害物質による初期化促進効果の検討(2)〕
1.実験方法
p53阻害物質として、MDM4の他にp53のドミナントネガティブ変異体(p53DN)およびMDM2を用いた。凍結保存したPBMC(実施例1、2、3と異なるロット)を解凍し、実施例1と同様にSS6Fを用いて培養を開始した(=Day0)。実施例1で使用した8種類の初期化因子のmRNAにmCherry(赤色蛍光タンパク質)遺伝子のmRNAを追加した群(+mCherry群、コントロール)、p53DN遺伝子のmRNAを追加した群(+p53DN群)、MDM2遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM2群)およびMDM4遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM4群)の4群を設け(各群n=4)、実施例1と同じ方法で、mRNA導入を4回繰り返した。ラミニン511E8(iMatrix-511)の使用量は1.25μg/wellとした。1回目のmRNA導入から11日後(Day15)に、位相差顕微鏡で各群のiPS細胞様コロニー数をカウントした。
2.結果
結果を図6に示す。(A)は各群の1ウェルあたりのiPS細胞様コロニー数を比較した図であり、(B)は+mCherry群の平均コロニー数を1としたときの、各群の平均iPS細胞様コロニー数の比率を算出して評価した図である。+p53DN群は+mCherry群と比較して初期化効率が向上する傾向が認められた。+MDM4群は+mCherry群と比較して顕著に初期化効率が向上し、+p53DN群と比較しても2倍以上の初期化効率の向上が認められた。一方で、意外なことに、+MDM2群では初期化効率の向上は認められなかった。
〔実施例5:p53阻害物質による初期化促進効果の検討(3)〕
1.実験方法
PBMCに代えてヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を用いて実験を行った。実施例1で使用した8種類の初期化因子のmRNAにEGFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子のmRNAを追加した群(+EGFP群、コントロール)、p53DN遺伝子のmRNAを追加した群(+p53DN群)、MDM2遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM4群)およびMDM4遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM4群)の4群を設け(各群n=3)、実施例1と同じ方法で、mRNA導入を4回繰り返した。ラミニン511E8(iMatrix-511)の使用量は0.625μg/wellとした。1回目のmRNA導入から11日後(Day15)に、位相差顕微鏡で各群のiPS細胞様コロニー数をカウントした。
さらに、実施例1で使用した8種類の初期化因子のmRNAにEGFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子のmRNAを追加した群(+EGFP群、コントロール)、p53DN遺伝子のmRNAを追加した群(+p53DN群)およびMDM4遺伝子のmRNAを追加した群(+MDM4群)の3群で、再度同じ実験を行った(各群n=5)。
2.結果
結果を図7に示す。(A)は1回目の実験結果、(B)は2回目の実験結果である。HDFでは、+p53DN群および+MDM4群は+EGFP群と比較して有意に初期化効率が向上し、+p53DN群および+MDM4群の初期化効率は同等であった。そして、+MDM2群では、+p53DN群よりは遥かに小さいものの、初期化効率が向上する傾向が見られた。
よって、実施例3~5の結果より、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの存在下で初期化因子遺伝子のmRNAを体細胞に導入して初期化する方法において、初期化因子としてMDM4が追加されると、p53のドミナントネガティブ変異体を追加した場合と同程度またはそれ以上の顕著な初期化促進効果が得られることが明らかになった。そして、この促進効果は血球系細胞の初期化において特に顕著になることも示された。
〔実施例6:初期化因子の種類の検討〕
実施例1で使用した初期化因子(OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB)のうち、NANOGおよび/またはLIN28を使用しない場合の初期化効率を検討した。
1.実験方法
細胞にはHDFを用いた。実施例1と同じスケジュールで初期化因子遺伝子のmRNA導入を4回繰り返した。ラミニン511E8(iMatrix-511)の使用量は0.625μg/wellとした。1回目のmRNA導入から9日後(Day13)に、位相差顕微鏡でiPS細胞様コロニー数をカウントした。同じ実験を2回行った。
各群(n=5)の初期化因子の組み合わせを以下に示す。
NK :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB
NK-N :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、LIN28、microRNA302/367、EKB
NK-L :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、microRNA302/367、EKB
NK-NL :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、microRNA302/367、EKB
NK+M4 :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、LIN28、microRNA302/367、EKB、MDM4
NK+M4-N :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、LIN28、microRNA302/367、EKB、MDM4
NK+M4-L :OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、NANOG、microRNA302/367、EKB、MDM4
NK+M4-NL:OCT4、SOX2、KLF4、c-MYC、microRNA302/367、EKB、MDM4
2.結果
結果を図8に示す。(A)は1回目の実験結果、(B)は2回目の実験結果である。
いずれの群においてもiPS細胞様コロニーが観察されたことから、実施例1で用いた8種類の初期化因子(NK群)または該8種類の初期化因子にMDM4を追加した9種類の初期化因子(NK+M4群)からNANOGまたはLIN28を抜いても、さらにはNANOGおよびLIN28を抜いても、初期化できることが示された。さらに、結果は割愛するが、前記8種類からKLF4を抜いた7種類の初期化因子でも多数のiPS様コロニーが得られ、MDM4の追加によってiPS様コロニー数が顕著に増加することが確認された。よって、本発明に係る初期化方法にはさまざまな初期化因子遺伝子の組み合わせが使用できることが明らかになった。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。

Claims (7)

  1. 血液細胞に初期化因子遺伝子のmRNAを導入する工程1と、該mRNAが導入された血液細胞を培養する工程2を含む多能性幹細胞の製造方法であって、前記工程1が、α5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメント、トランスフェクション試薬、および初期化因子遺伝子のmRNAを含む培地中で前記血液細胞を培養することにより行われる、製造方法。
  2. 前記初期化因子遺伝子がMDM4遺伝子を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記血液細胞が末梢血単核球である、請求項1に記載の製造方法。
  4. α5鎖を有するラミニンがラミニンα5β1γ1またはラミニンα5β2γ1である請求項1に記載の製造方法。
  5. インテグリン結合活性を有するフラグメントがラミニンE8フラグメントである請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記工程1が、血液細胞への初期化因子遺伝子のmRNAの導入を2回以上繰り返す、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 2回目以降のmRNAの導入がα5鎖を有するラミニンまたはそのインテグリン結合活性を有するフラグメントの非存在下で行われる、請求項6に記載の製造方法。
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