以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
従来、基板処理システムにおいて、リン酸(H3PO4)水溶液に基板を浸漬することで、かかる基板に形成された窒化膜をエッチング処理する技術が知られている。
たとえば、リン酸水溶液に基板を浸漬することで、基板上に積層されたシリコン窒化膜(SiN)およびシリコン酸化膜(SiO2)のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングすることができる。
また、このシリコン窒化膜のエッチング処理では、シリコン窒化膜から生成されるポリシロキサンなどのケイ酸化合物(以下、単に「ケイ酸」とも呼称する。)がエッチング液中に溶解する。
そして、このシリコン窒化膜のエッチング処理では、エッチング液中のケイ酸濃度に応じてエッチングレートが変化するため、エッチング液中のケイ酸濃度を所与の値で維持する濃度維持処理が行われる場合がある。
かかる濃度維持処理は、たとえば、エッチング処理中にリン酸水溶液を一定の流量で処理槽に供給するとともに、処理槽に貯留されるエッチング液の貯留量およびリン酸濃度が維持されるように、エッチング液の排出量を制御することにより行われる。
一方で、かかる濃度維持処理では、処理槽に供給されるリン酸水溶液中のリン酸濃度が変化した場合、エッチング液中のケイ酸濃度を安定して維持できない恐れがあった。これにより、基板のエッチング処理を安定して実施することが困難であった。
そこで、上述の問題点を克服し、基板のエッチング処理を安定して実施することができる技術の実現が期待されている。
<基板処理システムの構成>
まず、実施形態に係る基板処理システム1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。基板処理システム1は、基板処理装置の一例である。
図1に示すように、実施形態に係る基板処理システム1は、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御装置7とを備える。
キャリア搬入出部2は、キャリアステージ20と、キャリア搬送機構21と、キャリアストック22、23と、キャリア載置台24とを備える。
キャリアステージ20は、外部から搬送された複数のフープHを載置する。フープHは、複数(たとえば、25枚)のウェハWを水平姿勢で上下に並べて収容する容器である。ウェハWは、基板の一例である。キャリア搬送機構21は、キャリアステージ20、キャリアストック22、23およびキャリア載置台24の間でフープHの搬送を行う。
キャリア載置台24に載置されたフープHからは、処理される前の複数のウェハWが後述する基板搬送機構30によりロット処理部6に搬出される。また、キャリア載置台24に載置されたフープHには、処理された複数のウェハWが基板搬送機構30によりロット処理部6から搬入される。
ロット形成部3は、基板搬送機構30を有し、ロットを形成する。ロットは、1または複数のフープHに収容されたウェハWを組合せて同時に処理される複数(たとえば、50枚)のウェハWで構成される。1つのロットを形成する複数のウェハWは、互いの板面を対向させた状態で一定の間隔をあけて配列される。
基板搬送機構30は、キャリア載置台24に載置されたフープHとロット載置部4との間で複数のウェハWを搬送する。
ロット載置部4は、ロット搬送台40を有し、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットを一時的に載置(待機)する。ロット搬送台40は、ロット形成部3で形成された処理される前のロットを載置する搬入側載置台41と、ロット処理部6で処理されたロットを載置する搬出側載置台42とを有する。搬入側載置台41および搬出側載置台42には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで載置される。
ロット搬送部5は、ロット搬送機構50を有し、ロット載置部4とロット処理部6との間やロット処理部6の内部でロットの搬送を行う。ロット搬送機構50は、レール51と、移動体52と、基板保持体53とを有する。
レール51は、ロット載置部4およびロット処理部6に渡って、X軸方向に沿って配置される。移動体52は、複数のウェハWを保持しながらレール51に沿って移動可能に構成される。基板保持体53は、移動体52に配置され、起立姿勢で前後に並んだ複数のウェハWを保持する。
ロット処理部6は、1ロット分の複数のウェハWに対し、エッチング処理や洗浄処理、乾燥処理などを一括で行う。ロット処理部6には、2台のエッチング処理装置60と、洗浄処理装置70と、洗浄処理装置80と、乾燥処理装置90とが、レール51に沿って並んで配置される。
エッチング処理装置60は、1ロット分の複数のウェハWに対してエッチング処理を一括で行う。洗浄処理装置70は、1ロット分の複数のウェハWに対して洗浄処理を一括で行う。洗浄処理装置80は、基板保持体53の洗浄処理を行う。
乾燥処理装置90は、1ロット分の複数のウェハWに対して乾燥処理を一括で行う。なお、エッチング処理装置60、洗浄処理装置70、洗浄処理装置80および乾燥処理装置90の台数は、図1の例に限られない。
エッチング処理装置60は、エッチング処理用の処理槽61と、リンス処理用の処理槽62と、基板昇降機構63、64とを備える。
処理槽61は、起立姿勢で配列された1ロット分のウェハWを収容可能であり、エッチング処理用の薬液(以下、「エッチング液」とも呼称する。)が貯留される。処理槽61の詳細については後述する。
処理槽62には、リンス処理用の処理液(脱イオン水など)が貯留される。基板昇降機構63、64には、ロットを形成する複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
エッチング処理装置60は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構63で保持し、処理槽61のエッチング液L(図2参照)に浸漬させてエッチング処理を行う。エッチング処理は、たとえば、1時間~3時間程度行われる。
処理槽61においてエッチング処理されたロットは、ロット搬送部5によって処理槽62に搬送される。そして、エッチング処理装置60は、搬送されたロットを基板昇降機構64にて保持し、処理槽62のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。処理槽62においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で洗浄処理装置70の処理槽71に搬送される。
洗浄処理装置70は、洗浄用の処理槽71と、リンス処理用の処理槽72と、基板昇降機構73、74とを備える。洗浄用の処理槽71には、洗浄用の薬液(以下、「洗浄薬液」とも呼称する)が貯留される。洗浄薬液は、たとえば、SC-1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)などである。
リンス処理用の処理槽72には、リンス処理用の処理液(脱イオン水など)が貯留される。基板昇降機構73、74には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
洗浄処理装置70は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構73にて保持し、処理槽71の洗浄液に浸漬させることによって洗浄処理を行う。
処理槽71において洗浄処理されたロットは、ロット搬送部5によって処理槽72に搬送される。そして、洗浄処理装置70は、搬送されたロットを基板昇降機構74にて保持し、処理槽72のリンス液に浸漬させることによってリンス処理を行う。処理槽72においてリンス処理されたロットは、ロット搬送部5で乾燥処理装置90の処理槽91に搬送される。
乾燥処理装置90は、処理槽91と、基板昇降機構92とを有する。処理槽91には、乾燥処理用の処理ガスが供給される。基板昇降機構92には、1ロット分の複数のウェハWが起立姿勢で前後に並んで保持される。
乾燥処理装置90は、ロット搬送部5で搬送されたロットを基板昇降機構92で保持し、処理槽91内に供給される乾燥処理用の処理ガスを用いて乾燥処理を行う。処理槽91で乾燥処理されたロットは、ロット搬送部5でロット載置部4に搬送される。
洗浄処理装置80は、ロット搬送機構50の基板保持体53に洗浄用の処理液を供給し、さらに乾燥ガスを供給することで、基板保持体53の洗浄処理を行う。
制御装置7は、基板処理システム1の各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6など)の動作を制御する。制御装置7は、スイッチや各種センサなどからの信号に基づいて、基板処理システム1の各部の動作を制御する。
制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御装置7は、たとえば、記憶部9(図4参照)に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。かかる制御装置7の詳細については後述する。
<エッチング処理装置の構成>
次に、ウェハWのエッチング処理を実施するエッチング処理装置60の構成について、図2および図3を参照しながら説明する。図2および図3は、実施形態に係るエッチング処理装置60の構成を示す概略ブロック図である。
エッチング処理装置60は、リン酸供給部100と、基板処理部110とを備える。なお、エッチング処理装置60のうち、図2は、リン酸供給部100の詳細な構成を示す図であり、図3は、基板処理部110の詳細な構成を示す図である。
最初に、上流側のリン酸供給部100の詳細について、図2を用いて説明する。リン酸供給部100は、リン酸を含む混合液Mを生成して基板処理部110に供給する。混合液Mは、リン酸水溶液の一例である。
リン酸供給部100は、リン酸水溶液供給部200と、析出抑制剤供給部210と、タンク220と、循環路230とを備える。循環路230は、第3循環路の一例である。
リン酸水溶液供給部200は、リン酸水溶液をタンク220に供給する。かかるリン酸水溶液供給部200は、リン酸水溶液供給源201と、リン酸水溶液供給路202と、流量調整器203とを有する。
リン酸水溶液供給源201は、たとえば、リン酸水溶液を貯留するタンクである。リン酸水溶液供給路202は、リン酸水溶液供給源201とタンク220とを接続し、リン酸水溶液供給源201からタンク220にリン酸水溶液を供給する。
流量調整器203は、リン酸水溶液供給路202に設けられ、タンク220に供給されるリン酸水溶液の流量を調整する。流量調整器203は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
析出抑制剤供給部210は、析出抑制剤をタンク220に供給する。かかる析出抑制剤供給部210は、析出抑制剤供給源211と、析出抑制剤供給路212と、流量調整器213とを有する。
析出抑制剤供給源211は、たとえば、析出抑制剤を貯留するタンクである。析出抑制剤供給路212は、析出抑制剤供給源211とタンク220とを接続し、析出抑制剤供給源211からタンク220に析出抑制剤を供給する。
流量調整器213は、析出抑制剤供給路212に設けられ、タンク220に供給される析出抑制剤の流量を調整する。流量調整器213は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
実施形態に係る析出抑制剤は、シリコン酸化物の析出を抑止する成分を含むものであればよい。たとえば、リン酸水溶液に溶解したシリコンイオンを溶解した状態で安定化させてシリコン酸化物の析出を抑制するような成分を含んでもよい。また、その他の公知の方法でシリコン酸化物の析出を抑制するような成分を含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤には、たとえば、フッ素成分を含むヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)水溶液を用いることができる。また、水溶液中のヘキサフルオロケイ酸を安定化させるため、アンモニアなどの添加物を含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤としては、たとえば、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NH4)2SiF6や、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na2SiF6)などを用いることができる。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、イオン半径が0.2Åから0.9Åの陽イオンである元素を含む化合物であってもよい。ここで、「イオン半径」とは、結晶格子の格子定数から得られる陰イオンと陽イオンの半径の和から経験に求められたイオンの半径である。
実施形態に係る析出抑制剤は、たとえば、アルミニウム、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、モリブデン、ハフニウム、ニッケルおよびクロムのいずれかの元素の酸化物を含んでもよい。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、上述のいずれかの元素の酸化物に代えてまたは加えて、上述のいずれかの元素の窒化物、塩化物、臭化物、水酸化物および硝酸塩のうち少なくとも1つを含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤は、たとえば、Al(OH)3、AlCl3、AlBr3、Al(NO3)3、Al2(SO4)3、AlPO4およびAl2O3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、KCl、KBr、KOHおよびKNO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。さらに、実施形態に係る析出抑制剤は、LiCl、NaCl、MgCl2、CaCl2およびZrCl4のうち少なくとも1つを含んでもよい。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、水溶性の有機溶媒を含有する。かかる有機溶媒としては、たとえば、エタノールやメタノール、アセトン、1-プロピルアルコール、2-プロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノールなどが挙げられる。
タンク220は、リン酸水溶液供給部200から供給されるリン酸水溶液と、析出抑制剤供給部210から供給される析出抑制剤とを貯留する。また、タンク220は、リン酸水溶液と析出抑制剤とを混合して生成される混合液Mを貯留する。
循環路230は、タンク220から出て、かかるタンク220に戻る循環ラインである。循環路230は、タンク220の底部に設けられる入口と、タンク220の上部に設けられる出口とを有し、かかる入口から出口に向かって流れる循環流を形成する。なお、実施形態では、タンク220に貯留される混合液Mの液面の上方に出口が配置される。
循環路230には、タンク220を基準として、上流側から順にポンプ231と、フィルタ232と、ヒータ233と、分岐部234と、分岐部235と、バルブ236とが設けられる。ポンプ231は、第3ポンプの一例であり、ヒータ233は、第2ヒータの一例である。
ポンプ231は、タンク220から出て、循環路230を通り、タンク220に戻る混合液Mの循環流を形成する。
フィルタ232は、循環路230内を循環する混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質を除去する。なお、循環路230には、かかるフィルタ232をバイパスするバイパス流路237が設けられ、かかるバイパス流路237にはバルブ238が設けられる。
そして、制御部8(図4参照)は、かかるバルブ238を開閉することにより、フィルタ232をバイパスする循環流と、フィルタ232を流れる循環流とのいずれかを形成することができる。
ヒータ233は、循環路230内を循環する混合液Mを加温する。実施形態では、かかるヒータ233で混合液Mを加温することによって、タンク220に貯留される混合液Mが加温される。
分岐部234からは、処理槽61(図3参照)の内槽111(図3参照)に混合液Mを送る第1送液路101が分岐し、分岐部235からは、処理槽61の外槽112(図3参照)に混合液Mを送る第2送液路102が分岐する。
第1送液路101には、流量調整器103が設けられる。かかる流量調整器103は、処理槽61の内槽111に供給される混合液Mの流量を調整する。流量調整器103は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
第2送液路102には、上流側から順に、バルブ250と、温度計251と、分岐部252と、定圧弁104と、絞り弁105と、分岐部106と、バルブ107とが設けられる。
温度計251は、第2送液路102を流れる混合液Mの温度を測定する。分岐部252からは、タンク220に混合液Mを戻す帰還路253が分岐している。かかる帰還路253は、背圧弁254を有する。背圧弁254は、帰還路253における背圧弁254よりも上流側(たとえば、分岐部252)の圧力を調整する。
定圧弁104は、第2送液路102における定圧弁104よりも下流側の圧力を調整する。絞り弁105は、第2送液路102を流れる混合液Mの流量を調整する。
分岐部106からは、タンク220に混合液Mを戻す帰還路108が分岐している。このように、実施形態では、帰還路253および帰還路108が第2送液路102から分岐し、第2送液路102を流れる混合液Mをタンク220に戻す。帰還路108は、バルブ109を有する。
制御部8は、バルブ107とバルブ109とを互い違いに開閉する。これにより、制御部8は、混合液Mを外槽112またはタンク220に切り替えて送液することができる。
バルブ236は、第1送液路101または第2送液路102を用いて混合液Mが基板処理部110に供給される際に、閉状態になるように制御される。
ここまで説明したリン酸供給部100では、制御部8が、タンク220でリン酸水溶液と析出抑制剤とを所定の割合で混合し、混合液Mを生成する。さらに、制御部8は、ポンプ231を動作させて生成中の混合液Mを循環路230内で循環させる。これにより、リン酸水溶液と析出抑制剤との混合性を向上させることができる。
また、実施形態では、混合液Mの生成処理が終了した後、循環路230を循環する混合液Mをヒータ233で所与の温度(たとえば、170(℃)程度)に加温する。これにより、混合液Mを効率的に加温することができる。
また、制御部8は、かかる加温処理の際に、バルブ238を開状態にすることにより、混合液Mの循環流がフィルタ232をバイパスするように制御する。そして、加温処理が終了した際に、バルブ238を閉状態にすることにより、混合液Mの循環流がフィルタ232を通流するように制御する。これにより、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が除去される。
このように、実施形態では、混合処理および加温処理でフィルタ232をバイパスするように循環路230の循環流を制御する。これにより、循環路230において、フィルタ232で発生する圧力損失を低減することができることから、タンク220に貯留された混合液Mを効率よく循環させることができる。
なお、加温処理が完了するまでは、フィルタ232で混合液Mを濾過する必要はないことから、バイパス流路237を介して循環させたとしても特に問題はない。
つづいて、下流側の基板処理部110の詳細について、図3を参照しながら説明する。基板処理部110では、リン酸供給部100から供給される混合液Mと、ケイ酸溶液供給部140から供給されるケイ酸溶液とでエッチング液Lが生成される。
さらに、基板処理部110は、生成されたエッチング液LにウェハWを浸漬させることにより、かかるウェハWをエッチング処理する。エッチング液Lは、処理液の一例である。
実施形態では、たとえば、ウェハW上に積層されたシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングすることができる。
基板処理部110は、処理槽61と、基板昇降機構63と、循環路120と、DIW供給部130と、ケイ酸溶液供給部140と、バブリングガス供給部150と、排出部160とを備える。循環路120は、第1循環路の一例であり、DIW供給部130は、純水供給部の一例である。
処理槽61は、内槽111と、外槽112と、液面センサ113とを有する。液面センサ113は、液量センサの一例である。
内槽111は、エッチング液LにウェハWを浸漬させるための槽であり、浸漬用のエッチング液Lを収容する。内槽111は、上部に開口部111aを有し、エッチング液Eが開口部111a付近まで貯留される。
内槽111では、基板昇降機構63を用いて複数のウェハWがエッチング液Lに浸漬されることで、ウェハWに対するエッチング処理が行われる。かかる基板昇降機構63は、昇降可能に構成され、複数のウェハWを垂直姿勢で前後に並べて保持する。
外槽112は、内槽111を囲むように内槽111の外側に配置され、内槽111の開口部111aから流出するエッチング液Lを受ける。図2に示すように、外槽112の液位は、内槽111の液位よりも低く維持される。
液面センサ113は、外槽112に貯留されるエッチング液Lの液面の高さを測定する。制御部8(図4参照)は、液面センサ113で測定される外槽112の高さに基づいて、処理槽61に貯留されるエッチング液Lの液量(以下、「エッチング液Lの貯留量」とも呼称する。)を測定することができる。
なぜなら、内槽111および循環路120の内部はエッチング液Lで満たされていることから液量は常に一定であるため、外槽112内部の液量を液面センサ113の測定値に基づいて測定することにより、処理槽61全体の液量を求めることができるからである。
外槽112と内槽111とは、循環路120によって接続される。循環路120の一端は外槽112の底部に接続され、循環路120の他端は内槽111内に位置する処理液供給ノズル126に接続される。
循環路120には、上流側である外槽112側から順に、ポンプ121と、ヒータ122と、分岐部123と、フィルタ124と、濃度センサ125が位置する。ポンプ121は、第1ポンプの一例であり、ヒータ122は、第1ヒータの一例である。
ポンプ121は、外槽112から循環路120を経て内槽111に送られるエッチング液Lの循環流を形成する。また、エッチング液Lは、内槽111の開口部111aからオーバーフローすることで、再び外槽112へと流出する。
このようにして、エッチング処理装置60では、基板処理部110内にエッチング液Lの循環流が形成される。換言すると、かかる循環流は、外槽112、循環路120および内槽111において形成される。
ヒータ122は、循環路120を循環するエッチング液Lの温度を調整する。フィルタ124は、循環路120を循環するエッチング液Lを濾過する。濃度センサ125は、循環路120を循環するエッチング液L中のリン酸濃度を検出する。濃度センサ125で生成された信号は、制御部8に送信される。
DIW供給部130は、DIW供給源131と、DIW供給路132と、流量調整器133とを有する。DIW供給部130は、処理槽61に貯留されるエッチング液Lの濃度を調整するため、外槽112にDIW(DeIonized Water:脱イオン水)を供給する。
DIW供給源131は、たとえば、DIWを貯留するタンクである。DIW供給路132は、DIW供給源131と外槽112とを接続し、DIW供給源131から外槽112に所与の温度のDIWを供給する。
流量調整器133は、DIW供給路132に配置され、外槽112へ供給されるDIWの供給量を調整する。流量調整器133は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。流量調整器133によってDIWの供給量が調整されることで、エッチング処理装置60内のエッチング液Lの温度、リン酸濃度、ケイ酸濃度および析出抑制剤濃度が調整される。
ケイ酸溶液供給部140は、ケイ酸化合物が含まれる溶液(以下、「ケイ酸溶液」とも呼称する。)を内槽111に供給する。かかるケイ酸溶液供給部140は、ケイ酸溶液供給源141と、ケイ酸溶液供給路142と、流量調整器143とを有する。
ケイ酸溶液供給源141は、たとえば、ケイ酸溶液を貯留するタンクである。ケイ酸溶液供給路142は、ケイ酸溶液供給源141と処理槽61の内槽111とを接続し、ケイ酸溶液供給源141から処理槽61の内槽111にケイ酸溶液を供給する。
流量調整器143は、ケイ酸溶液供給路142に配置され、処理槽61の内槽111に供給されるケイ酸溶液の流量を調整する。流量調整器143は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。実施形態に係るケイ酸溶液は、たとえば、コロイダルシリコンを分散させた溶液である。
バブリングガス供給部150は、内槽111に貯留されるエッチング液L中に不活性ガス(たとえば窒素ガス)の気泡を吐出する。バブリングガス供給部150は、不活性ガス供給源151と、不活性ガス供給路152と、流量調整器153と、ガスノズル154とを有する。
不活性ガス供給源151は、たとえば、不活性ガスを貯蔵するボンベである。不活性ガス供給路152は、不活性ガス供給源151とガスノズル154とを接続し、不活性ガス供給源151からガスノズル154に不活性ガス(たとえば窒素ガス)を供給する。
流量調整器153は、不活性ガス供給路152に配置され、ガスノズル154へ供給される不活性ガスの供給量を調整する。流量調整器153は、開閉弁、流量制御弁および流量計などを有する。
ガスノズル154は、たとえば、内槽111内においてウェハWおよび処理液供給ノズル126の下方に位置する。ガスノズル154は、内槽111に貯留されるエッチング液Lに不活性ガスの気泡を吐出する。
実施形態に係るエッチング処理装置60は、ガスノズル154から不活性ガスの気泡を吐出することにより、内槽111内に並んで位置する複数のウェハWの間の隙間に速い流れのエッチング液Lを供給することができる。したがって、実施形態によれば、複数のウェハWを効率よくかつ均等にエッチング処理することができる。
排出部160は、エッチング処理で使用されたエッチング液Lの全部、または一部を入れ替える際などに、エッチング液LをドレインDRに排出する。排出部160は、排出路161と、バルブ162と、流量計163と、定圧弁164と、絞り弁165と、冷却タンク166とを有する。
排出路161は、循環路120の分岐部123に接続される。排出路161には、分岐部123を基準として、上流側から順にバルブ162と、流量計163と、定圧弁164と、絞り弁165と、冷却タンク166とが設けられる。
流量計163は、排出路161を流れるエッチング液Lの流量を測定する。定圧弁164は、排出路161における定圧弁164よりも下流側の圧力を調整する。絞り弁165は、排出路161を流れるエッチング液Lの流量を調整する。冷却タンク166は、排出路161を流れてきたエッチング液Lを一時的に貯留するとともに冷却する。
実施形態に係る基板処理では、まず、制御部8が、第1送液路101を用いて内槽111に混合液M(図2参照)を供給するとともに、ケイ酸溶液供給部140を用いて内槽111にケイ酸溶液を供給する。
さらに、制御部8は、混合液Mおよびケイ酸溶液を内槽111から外槽112にオーバーフローさせるとともに、ポンプ121を動作させて循環路120内に循環流を形成する。
これにより、所与のリン酸濃度、ケイ酸濃度および析出抑制剤濃度を有する所与の量のエッチング液Lが生成される。すなわち、実施形態では、ウェハWのエッチング処理開始時に所望のケイ酸濃度を有するエッチング液Lを準備することができる。
したがって、実施形態によれば、ウェハWに対するエッチング処理の開始時点から、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチングの選択比を向上させることができる。
また、実施形態では、制御部8が、混合液Mとケイ酸溶液とをいずれも処理槽61の内槽111に供給する。これにより、実施形態では、内槽111から外槽112にオーバーフローさせながら混合液Mとケイ酸溶液とを混合することができることから、混合液Mとシリコン溶液との混合性を向上させることができる。
つづいて、実施形態に係る基板処理では、制御部8が、所与の量のエッチング液Lが貯留される処理槽61の内槽111にウェハWを浸漬して、かかるウェハWのエッチング処理を行う。一方で、かかるエッチング処理では、ウェハWからケイ酸化合物がエッチング液L中に溶解することから、そのままではエッチング液L中のケイ酸濃度が上昇する。
そこで、実施形態では、エッチング処理の際に、制御部8が、ケイ酸を含まない混合液Mをリン酸供給部100の第2送液路102を介して外槽112に供給するとともに、ケイ酸を含んだエッチング液Lを排出部160によって処理槽61から排出する。
これにより、ウェハWのエッチング処理において、エッチング液L中のケイ酸濃度を所与の値で維持することができる。したがって、実施形態によれば、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
さらに、実施形態に係るエッチング処理では、エッチング液Lが高温(たとえば、170(℃)程度)に昇温されていることから、エッチング液L中の水分が蒸発してしまうため、そのままではエッチング液L中のリン酸濃度が上昇する。
そこで、実施形態では、エッチング処理の際に、制御部8が、DIW供給部130を動作させてエッチング液LにDIWを適宜補充する。これにより、ウェハWのエッチング処理において、エッチング液L中のリン酸濃度を所与の値で維持することができる。したがって、実施形態によれば、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
<実施形態>
次に、実施形態に係る基板処理の詳細について、図4~図8を参照しながら説明する。図4は、実施形態に係る制御装置7の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置7は、制御部8と、記憶部9とを備える。
なお、制御装置7は、図4に示す機能部以外にも、既知のコンピュータが有する各種の機能部、たとえば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能部を有することとしてもかまわない。
制御部8は、たとえば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などによって、記憶部9に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
制御部8は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されるようにしてもよい。
記憶部9は、たとえば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部9は、制御部8での処理に用いる情報を記憶する。
制御部8は、液量測定部8aと、濃度測定部8bと、排出量維持部8cと、供給量制御部8dとを有し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部8の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
液量測定部8aは、処理槽61(図3参照)に貯留されるエッチング液L(図3参照)の貯留量を測定する。具体的には、液量測定部8aは、液面センサ113(図3参照)の測定値に基づいて外槽112(図3参照)内部の貯留量を測定することにより、処理槽61全体の貯留量を求める。
濃度測定部8bは、処理槽61に貯留されるエッチング液L中のリン酸濃度を測定する。具体的には、濃度測定部8bは、濃度センサ125(図3参照)の測定値に基づいてエッチング液L中のリン酸濃度を測定する。
排出量維持部8cは、処理槽61から排出されるエッチング液Lの時間当たりの排出量を所与の値で維持する。図5は、実施形態に係る基板処理における排出量、貯留量および供給量の推移の一例を示すタイミングチャートである。
例えば、図5に示すように、排出量維持部8cは、ウェハWのエッチング処理の際にリン酸濃度及びケイ酸濃度を維持する濃度維持処理において、この濃度維持処理が開始された時間T0から、時間当たりのエッチング液L(図3参照)の排出量を所与の排出量D1で維持する。
排出量維持部8cは、この排出量維持処理において、絞り弁165(図3参照)を用いて流量の粗調整を行い、流量計163(図3参照)および定圧弁164(図3参照)を用いて流量の微調整を行っている。
そして、排出量維持部8cは、定圧弁164で流量計163内のエッチング液Lの圧力をフィードバック制御することにより、流量計163内のエッチング液Lの流量を排出量D1で維持する。これにより、エッチング液Lをより正確な量排出することができることから、排出量維持処理を安定かつ精度よく行うことができる。
図4の説明に戻る。供給量制御部8dは、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度がそれぞれ所与の値で維持されるように、処理槽61に供給される混合液MおよびDIWの供給量を制御する。
たとえば、図5に示すように、供給量制御部8dは、処理槽61(図3参照)の貯留量が所与の貯留量Vthを維持するように、混合液M(図2参照)およびDIWの供給量を制御する。図5の例では、濃度維持処理が開始された時間T0において、処理槽61の貯留量が貯留量Vthよりも多い貯留量V1であることから、供給量制御部8dは、混合液MおよびDIWの供給量を少なめの供給量S1で制御する。
そして、処理槽61の貯留量が徐々に少なくなると、供給量制御部8dは、混合液MおよびDIWの供給量を徐々に多くする。さらに、処理槽61の貯留量が貯留量Vthに達すると、かかる貯留量Vthを維持するように混合液MおよびDIWの供給量を制御する。
これにより、供給量制御部8dは、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量を貯留量Vthで維持することができる。なお、供給量制御部8dは、定圧弁104(図3参照)および流量調整器133(図3参照)を制御することにより、混合液MおよびDIWの供給量を制御することができる。
また、図5には示していないが、供給量制御部8dは、処理槽61に供給される混合液MおよびDIWの比率を適宜制御することにより、処理槽61におけるエッチング液L中のリン酸濃度を所与の値で維持することができる。
ここまで説明したように、実施形態に係る基板処理では、濃度維持処理において、エッチング液Lの排出量を所与の値(排出量D1)で固定制御するとともに、混合液MおよびDIWの供給量を可変制御する。かかる制御の効果について以下に説明する。
図6は、参考例における濃度維持処理における各液の供給量および排出量のバランスの一例を示す図である。かかる参考例(図6の例)では、濃度維持処理において、実施形態とは逆に、エッチング液L(図3参照)の排出量を可変制御するとともに、混合液M(図2参照)の供給量を固定制御する。
また、図6の(a)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61(図3参照)に対して、リン酸供給部100(図2参照)から処理槽61と同じリン酸濃度90(%)の混合液Mが供給される場合について示している。なお、混合液M内の析出抑制剤は少量であることから、理解を容易にするため、図6および図8の説明において析出抑制剤は考慮されていない。
図6の(a)の例において、リン酸供給部100から供給量一定で1.0(L)の混合液Mが供給される場合、かかる混合液Mには0.9(L)のリン酸と0.1(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、排出部160(図3参照)から0.9(L)のリン酸を排出する必要がある。そのため、この場合、排出部160から0.1(L)のDIWを含む合計1.0(L)のリン酸濃度90(%)のエッチング液Lが排出される。
さらに、処理槽61のエッチング液Lは高温であることから、処理槽61からは多く(たとえば、0.3(L))のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130(図3参照)から0.3(L)のDIWが供給される。
このように、排出部160からの排出量およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図6の(a)の例では、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
図6の(b)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61に対して、リン酸供給部100から図6の(a)の例よりも低いリン酸濃度85(%)の混合液Mが供給される場合について示している。
なぜなら、図2に示したリン酸供給部100は、ヒータ233を用いて混合液Mを加温処理していることから、タンク220に貯留される混合液Mから水分が蒸発するため、混合液M中のリン酸濃度がばらつく場合があるからである。
かかる図6の(b)の例において、リン酸供給部100から供給量一定で1.0(L)の混合液Mが供給される場合、かかる混合液Mには0.85(L)のリン酸と0.15(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、排出部160から0.85(L)のリン酸を排出する必要がある。そのため、この場合、排出部160から約0.1(L)のDIWを含む合計約0.95(L)のリン酸濃度90(%)のエッチング液Lが排出される。
さらに、処理槽61からは0.3(L)のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130から0.25(L)のDIWが供給される。なぜなら、リン酸供給部100から供給される混合液Mには図6の(a)の例よりも多い0.15(L)のDIWが含まれるからである。
このように、排出部160からの排出量およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図6の(b)の例でも、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
一方で、処理槽61に供給される混合液Mのリン酸濃度が図6の(a)の例よりも低い図6の(b)の例では、排出部160からのエッチング液Lの排出量が少なくなっている。すなわち、図6の(b)の例では、図6の(a)の例に比べて、エッチング液Lの排出性能が低下している。
これにより、図6の(b)の例では、エッチング処理によってウェハWからエッチング液Lに溶解するケイ酸化合物の排出性能が低下するため、エッチング液L中のケイ酸濃度が徐々に上昇してしまう。
図7は、参考例におけるエッチング液L(図3参照)中のケイ酸濃度の推移の一例を示す図である。図7に示すように、供給される混合液M(図2参照)中のリン酸濃度が処理槽61(図3参照)に貯留されるエッチング液Lと同じ90(%)である場合、エッチング時間が経過してもケイ酸濃度が一定に維持される。
一方で、供給される混合液M中のリン酸濃度が処理槽61に貯留されるエッチング液Lよりも低い85(%)である場合、エッチング時間が経過するとケイ酸濃度が徐々に上昇することがわかる。これにより、参考例では、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することが困難である。
図6の説明に戻る。図6の(c)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61に対して、リン酸供給部100から図6の(a)の例よりも高いリン酸濃度95(%)の混合液Mが供給される場合について示している。
かかる図6の(c)の例において、リン酸供給部100から供給量一定で1.0(L)の混合液Mが供給される場合、かかる混合液Mには0.95(L)のリン酸と0.05(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、排出部160から0.95(L)のリン酸を排出する必要がある。そのため、この場合、排出部160から約0.1(L)のDIWを含む合計約1.05(L)のリン酸濃度90(%)のエッチング液Lが排出される。
さらに、図6の(a)の例と同様、処理槽61からは0.3(L)のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130から0.35(L)のDIWが供給される。なぜなら、リン酸供給部100から供給される混合液Mには図6の(a)の例よりも少ない0.05(L)のDIWが含まれるからである。
このように、排出部160からの排出量およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図6の(c)の例でも、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
一方で、処理槽61に供給される混合液Mのリン酸濃度が図6の(a)の例よりも高い図6の(c)の例では、排出部160からのエッチング液Lの排出量が多くなっている。すなわち、図6の(c)の例では、図6の(a)の例に比べて、エッチング液Lの排出性能が過剰になっている。
これにより、図6の(c)の例では、エッチング処理によってウェハWからエッチング液Lに溶解するケイ酸化合物の排出性能が過剰になるため、エッチング液L中のケイ酸濃度が徐々に低下してしまう。
図7に示すように、供給される混合液M中のリン酸濃度が処理槽61に貯留されるエッチング液Lよりも高い95(%)である場合、エッチング時間が経過するとケイ酸濃度が徐々に低下することがわかる。これにより、参考例では、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することが困難である。
図8は、実施形態に係る濃度維持処理における各液の供給量および排出量のバランスの一例を示す図である。上述したように、実施形態では、濃度維持処理において、エッチング液L(図3参照)の排出量を固定制御するとともに、混合液M(図2参照)の供給量を可変制御する。
また、図8の(a)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61(図3参照)に対して、リン酸供給部100(図2参照)から処理槽61と同じリン酸濃度90(%)の混合液Mが供給される場合について示している。
図8の(a)の例において、排出部160(図3参照)から排出量一定で1.0(L)のエッチング液Lが排出される場合、かかるエッチング液Lには0.9(L)のリン酸と0.1(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、リン酸供給部100(図2参照)から0.9(L)のリン酸を供給する必要がある。そのため、この場合、リン酸供給部100から0.1(L)のDIWを含む合計1.0(L)のリン酸濃度90(%)の混合液Mが供給される。
さらに、エッチング液Lは高温であることから、処理槽61からは0.3(L)のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130(図3参照)から0.3(L)のDIWが供給される。
このように、リン酸供給部100およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図8の(a)の例では、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
図8の(b)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61に対して、リン酸供給部100から図8の(a)の例よりも低いリン酸濃度85(%)の混合液Mが供給される場合について示している。
かかる図8の(b)の例において、排出部160から排出量一定で1.0(L)のエッチング液Lが排出される場合、かかるエッチング液Lには0.9(L)のリン酸と0.1(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、リン酸供給部100から0.9(L)のリン酸を供給する必要がある。そのため、この場合、リン酸供給部100から約0.15(L)のDIWを含む合計約1.05(L)のリン酸濃度85(%)の混合液Mが供給される。
さらに、図8の(a)の例と同様、処理槽61からは0.3(L)のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130から0.25(L)のDIWが供給される。なぜなら、リン酸供給部100から供給される混合液Mには図8の(a)の例よりも多い約0.15(L)のDIWが含まれるからである。
このように、リン酸供給部100およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図8の(b)の例でも、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
さらに、実施形態では、処理槽61に供給される混合液Mのリン酸濃度が図8の(a)の例よりも低い図8の(b)の例でも、排出部160からのエッチング液Lの排出量は1.0(L)で維持される。すなわち、図8の(b)の例では、図8の(a)の例に対してエッチング液Lの排出性能が維持される。
これにより、図8の(b)の例では、エッチング処理によってウェハWからエッチング液Lに溶解するケイ酸化合物の排出性能が維持されるため、エッチング液L中のケイ酸濃度を所与の値に維持することができる。
図8の(c)の例は、リン酸濃度90(%)のエッチング液Lが貯留される処理槽61に対して、リン酸供給部100から図8の(a)の例よりも高いリン酸濃度95(%)の混合液Mが供給される場合について示している。
かかる図8の(c)の例において、排出部160から排出量一定で1.0(L)のエッチング液Lが排出される場合、かかるエッチング液Lには0.9(L)のリン酸と0.1(L)のDIWとが含まれる。
この際、処理槽61中のリン酸濃度を維持するためには、リン酸供給部100から0.9(L)のリン酸を供給する必要がある。そのため、この場合、リン酸供給部100から約0.05(L)のDIWを含む合計約0.95(L)のリン酸濃度95(%)の混合液Mが供給される。
さらに、図8の(a)の例と同様、処理槽61からは0.3(L)のDIWが蒸発する。そこで、処理槽61の貯留量およびリン酸濃度を維持するため、DIW供給部130から0.35(L)のDIWが供給される。なぜなら、リン酸供給部100から供給される混合液Mには図8の(a)の例よりも少ない約0.05(L)のDIWが含まれるからである。
このように、リン酸供給部100およびDIW供給部130からの供給量を適宜制御することにより、図8の(c)の例でも、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度が維持される。
さらに、実施形態では、処理槽61に供給される混合液Mのリン酸濃度が図8の(a)の例よりも高い図8の(c)の例でも、排出部160からのエッチング液Lの排出量は1.0(L)で維持される。すなわち、図8の(c)の例では、図8の(a)の例に対してエッチング液Lの排出性能が維持される。
これにより、図8の(c)の例では、エッチング処理によってウェハWからエッチング液Lに溶解するケイ酸化合物の排出性能が維持されるため、エッチング液L中のケイ酸濃度を所与の値に維持することができる。
このように、実施形態に係る濃度維持処理では、エッチング液Lの排出量を固定制御すると共に混合液Mの供給量を可変制御することで、リン酸供給部100で生成される混合液M中のリン酸濃度がばらついた場合でも、エッチング液L中のケイ酸濃度を維持できる。
したがって、実施形態によれば、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
また、実施形態では、リン酸供給部100で生成される混合液M中のリン酸濃度がばらついた場合でも、エッチング液L中のケイ酸濃度を維持できることから、リン酸供給部100に混合液Mのリン酸濃度を測定する濃度センサを設ける必要がなくなる。
したがって、実施形態によれば、エッチング処理装置60の製造コストを低減することができる。
また、実施形態では、基板処理部110において、外槽112に設けられる液面センサ113を用いて、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量を測定するとよい。これにより、内槽111および外槽112を有する処理槽61において、エッチング液Lの貯留量を簡便に測定することができる。
また、実施形態では、ポンプ121で循環流が形成される循環路120にヒータ122を設けることにより、エッチング液Lを効率的に加温することができる。
また、実施形態では、循環路120のポンプ121よりも下流側(分岐部123)に排出部160が接続されるとよい。これにより、エッチング液Lの混合処理や加温処理の際に用いられるポンプ121によってエッチング液Lを排出部160から排出することができる。
すなわち、実施形態では、エッチング液Lの排出処理のために別途ポンプを備える必要がなくなることから、低コストでエッチング液Lを排出することができる。
また、実施形態では、リン酸供給部100において、ポンプ231で循環流が形成される循環路230にヒータ233を設けることにより、混合液Mを効率的に加温することができる。
また、実施形態では、循環路230のポンプ231よりも下流側(分岐部234、235)にそれぞれ第1送液路101および第2送液路102が接続されるとよい。これにより、混合液Mの混合処理や加温処理の際に用いられるポンプ231によって混合液Mをリン酸供給部100から基板処理部110に供給することができる。
すなわち、実施形態では、混合液Mの供給処理のために別途ポンプを備える必要がなくなることから、低コストで混合液Mを供給することができる。
<変形例>
つづいて、実施形態に係る基板処理システム1の変形例について、図9を参照しながら説明する。図9は、実施形態の変形例に係るエッチング処理装置60の構成を示す概略ブロック図であり、実施形態の図3に対応する図である。なお、図9では、図3に示したバブリングガス供給部150の不活性ガス供給源151などの図示を省略している。
図9に示すように、変形例に係るエッチング処理装置60では、排出部160の構成が実施形態と異なる。具体的には、処理槽61に循環路120とは別の循環路170が設けられ、かかる循環路170に排出部160が接続される。循環路170は、第2循環路の一例である。
循環路170は、処理槽61の外槽112から出て、かかる外槽112に戻る循環ラインである。循環路170は、外槽112の底部に設けられる入口と、外槽112の上部に設けられる出口とを有し、かかる入口から出口に向かって流れる循環流を形成する。
循環路170には、外槽112を基準として、上流側から順にポンプ171と、分岐部172と、背圧弁173とが設けられる。ポンプ171は、第2ポンプの一例である。
ポンプ171は、外槽112から出て、循環路170を通り、外槽112に戻るエッチング液Lの循環流を形成する。背圧弁173は、循環路170における背圧弁173よりも上流側(たとえば、分岐部172)の圧力を調整する。
変形例に係る排出部160は、排出路161と、バルブ162と、流量計163と、定圧弁164と、絞り弁165と、冷却タンク166と、バルブ181と、帰還路182と、バルブ183とを有し、エッチング液LをドレインDRに排出する。
排出路161は、循環路170の分岐部172に接続される。排出路161には、分岐部172を基準として、上流側から順にバルブ162と、流量計163と、定圧弁164と、絞り弁165と、分岐部180と、バルブ181と、冷却タンク166とが設けられる。
流量計163は、排出路161を流れるエッチング液Lの流量を測定する。定圧弁164は、排出路161における定圧弁164よりも下流側の圧力を調整する。絞り弁165は、排出路161を流れるエッチング液Lの流量を調整する。
冷却タンク166は、排出路161を流れてきたエッチング液Lを一時的に貯留するとともに冷却する。分岐部180からは、外槽112にエッチング液Lを戻す帰還路182が分岐している。かかる帰還路182は、バルブ183を有する。
ここまで説明した構成を有する排出部160によっても、実施形態と同様に、濃度維持処理においてエッチング液Lの排出量を固定制御するとともに、混合液Mの供給量を可変制御する。
これにより、リン酸供給部100で生成される混合液M中のリン酸濃度がばらついた場合でも、エッチング液L中のケイ酸濃度を維持できることから、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
また、変形例では、制御部8(図4参照)が、処理槽61からのエッチング液Lの排出が不要である場合に、排出路161を流れるエッチング液Lを帰還路182から処理槽61に戻すとよい。
すなわち、制御部8は、処理槽61からのエッチング液Lの排出が不要である場合に、バルブ181を閉状態に変更するとともにバルブ183を開状態に変更して、エッチング液Lを循環路170、排出路161および帰還路182を用いて循環させるとよい。
これにより、排出路161からエッチング液Lが吐出される状態(すなわち、エッチング液Lの排出が必要な状態)と、排出路161からエッチング液Lが排出されない状態(すなわち、エッチング液Lの排出が不要な状態)とを揃えることができる。
したがって、変形例によれば、エッチング液Lをより精度よく排出することができることから、排出量維持処理をより精度よく実施することができる。
また、変形例では、循環路170を形成する配管の内径が循環路120を形成する配管の内径よりも小さく、かつポンプ171の容量がポンプ121の容量よりも小さいとよい。たとえば、変形例では、ポンプ171で生成される循環路170の循環流量が10(L/min)未満であるとよい。
これにより、ポンプ171の脈動を小さくすることができることから、かかる脈動に起因するエッチング液Lの時間当たりの排出量のばらつきを低減することができる。したがって、変形例によれば、ウェハWのエッチング処理をさらに安定して実施することができる。
また、変形例では、制御部8が、エッチング液Lの排出処理の際に、背圧弁173を絞り状態にするとよい。これにより、制御部8は、循環路170における分岐部172の圧力を高めることができることから、分岐部172から排出路161を介してエッチング液LをドレインDRに排出するために必要な圧力を確保することができる。
実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、処理槽61と、液量センサ(液面センサ113)と、濃度センサ125と、リン酸供給部100と、純水供給部(DIW供給部130)と、排出部160と、制御部8と、を備える。処理槽61は、ケイ酸化合物およびリン酸を含む処理液(エッチング液L)に基板(ウェハW)を浸漬して処理する。液量センサ(液面センサ113)は、処理槽61に貯留される処理液(エッチング液L)の貯留量を測定する。濃度センサ125は、処理槽61に貯留される処理液(エッチング液L)中のリン酸濃度を測定する。リン酸供給部100は、処理槽61にリン酸を含むリン酸水溶液(混合液M)を供給する。純水供給部(DIW供給部130)は、処理槽61に純水(DIW)を供給する。排出部160は、処理槽61から処理液(エッチング液L)を排出する。制御部8は、各部を制御する。また、制御部8は、排出量維持部8cと、供給量制御部8dと、を有する。排出量維持部8cは、排出部160からの処理液(エッチング液L)の時間当たりの排出量を所与の値(排出量D1)で維持する。供給量制御部8dは、処理槽61における処理液(エッチング液L)の貯留量およびリン酸濃度がそれぞれ所与の値で維持されるように、リン酸供給部100および純水供給部から処理槽61にそれぞれ供給されるリン酸水溶液および純水の供給量を制御する。これにより、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、処理槽61は、内槽111と外槽112とを有する。内槽111は、上部に開口部111aを有し、処理液(エッチング液L)を貯留する。外槽112は、内槽111の外側に配置され、開口部111aから流出する処理液を受ける。また、液量センサは、外槽112に設けられる液面センサ113である。これにより、内槽111および外槽112を有する処理槽61において、エッチング液Lの貯留量を簡便に測定することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、処理槽61は、第1循環路(循環路120)と、第1ポンプ(ポンプ121)および第1ヒータ(ヒータ122)と、を有する。第1循環路(循環路120)は、処理槽61から出て処理槽61に戻る。第1ポンプ(ポンプ121)および第1ヒータ(ヒータ122)は、第1循環路(循環路120)に設けられる。これにより、エッチング液Lを効率的に加温することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、排出部160は、排出路161と、流量計163および定圧弁164とを有する。排出部160は、第1循環路(循環路120)において第1ポンプ(ポンプ121)の下流側から分岐する。流量計163および定圧弁164は、排出路161に設けられる。また、排出量維持部8cは、流量計163の測定値が所与の値(排出量D1)で維持されるように定圧弁164の弁開度を制御する。これにより、排出量維持処理を安定かつ精度よく行うことができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、排出部160は、第2循環路(循環路170)と、第2ポンプ(ポンプ171)と、排出路161と、流量計163および定圧弁164と、を有する。第2循環路(循環路170)は、処理槽61から出て処理槽61に戻る。第2ポンプ(ポンプ171)は、第2循環路(循環路170)に設けられる。排出路161は、第2循環路(循環路170)において第2ポンプ(ポンプ171)の下流側から分岐する。流量計163および定圧弁164は、排出路161に設けられる。また、排出量維持部8cは、流量計163の測定値が所与の値(排出量D1)で維持されるように定圧弁164の弁開度を制御する。これにより、排出量維持処理を安定かつ精度よく行うことができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、第2ポンプ(ポンプ171)で生成される第2循環路(循環路170)の循環流量は、10(L/min)未満である。これにより、ウェハWのエッチング処理をさらに安定して実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、排出部160は、第2循環路(循環路170)において排出路161の分岐点よりも下流側に設けられる背圧弁173、を有する。これにより、分岐部172から排出路161を介してエッチング液LをドレインDRに排出するために必要な圧力を確保することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、リン酸供給部100は、タンク220と、第3循環路(循環路230)と、第3ポンプ(ポンプ231)および第2ヒータ(ヒータ233)と、を有する。タンク220は、リン酸水溶液(混合液M)を貯留する。第3循環路(循環路230)は、タンク220から出てタンク220に戻る。第3ポンプ(ポンプ231)および第2ヒータ(ヒータ233)は、第3循環路(循環路230)に設けられる。また、リン酸供給部100は、リン酸水溶液(混合液M)を第2ヒータ(ヒータ233)で昇温しながら第3循環路(循環路230)で循環させる。これにより、混合液Mを効率的に加温することができる。
<制御処理の手順>
つづいて、実施形態および変形例に係る制御処理の手順について、図10を参照しながら説明する。図10は、実施形態に係る基板処理システム1が実行する制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
実施形態に係る制御処理では、まず、制御部8が、処理槽61で行われるウェハWのエッチング処理において、エッチング液Lの濃度を維持する濃度維持処理を開始する(ステップS101)。
次に、制御部8は、処理槽61に貯留されるエッチング液Lの貯留量を測定する(ステップS102)。そして、制御部8は、処理槽61に貯留されるエッチング液L中のリン酸濃度を測定する(ステップS103)。
次に、制御部8は、処理槽61から排出されるエッチング液Lの時間当たりの排出量を所与の値で維持する(ステップS104)。そして、制御部8は、処理槽61におけるエッチング液Lの貯留量およびリン酸濃度がそれぞれ所与の値で維持されるように、処理槽61に供給される混合液MおよびDIWの供給量を制御する(ステップS105)。
次に、制御部8は、処理槽61で行われるウェハWのエッチング処理が終了したか否かを判定する(ステップS106)。そして、処理槽61で行われるウェハWのエッチング処理が終了した場合(ステップS106,Yes)、一連の制御処理を終了する。一方で、処理槽61で行われるウェハWのエッチング処理が終了していない場合(ステップS106,No)、ステップS102の処理に戻る。
実施形態に係る基板処理方法は、液量測定工程(ステップS102)と、濃度測定工程(ステップS103)と、排出量維持工程(ステップS104)と、供給量制御工程(ステップS105)と、を含む。液量測定工程(ステップS102)は、ケイ酸化合物およびリン酸を含む処理液(エッチング液L)に基板(ウェハW)を浸漬して処理する処理槽61に貯留される処理液(エッチング液L)の貯留量を測定する。濃度測定工程(ステップS103)は、処理槽61に貯留される処理液(エッチング液L)中のリン酸濃度を測定する。排出量維持工程(ステップS104)は、処理槽61から排出される処理液(エッチング液L)の時間当たりの排出量を所与の値で維持する。供給量制御工程(ステップS105)は、処理槽61における処理液(エッチング液L)の貯留量およびリン酸濃度がそれぞれ所与の値で維持されるように、処理槽61に供給されるリン酸水溶液(混合液M)および純水(DIW)の供給量を制御する。これにより、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、ウェハW上に形成されるデバイス構造が、積層されたシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜である場合について示したが、ウェハW上に形成されるデバイス構造はかかる例に限られない。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。