JP7664946B2 - 走行記録装置および走行記録システム - Google Patents

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Description

本発明は、走行記録装置に関する。特に、マラソンレースの走行状況を記録する装置に関する。
近年、世界各地で仮想的なマラソン大会が開催されている。各競技者が異なる日時に競技に参加可能とし、インターネットなどの通信回線を用いて、各競技者の競技タイムを集計して、仮想のマラソン大会の開催を実現する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-299535号公報
しかしながら、仮想的なマラソン大会では、出場者ごとに競技に参加する日時が異なるため、異なる場所で同時に進行するようなイベントとしては実施が難しく、競技の一体感にも欠けるおそれがあった。
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、同時性を保った公平なマラソンレースを実施できるシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の走行記録装置は、所定時刻を走行時間の起点として走行する第1の走者の位置情報と、所定時刻と同時刻を走行時間の起点として走行する第2の走者の位置情報と、を取得する位置取得部と、第1の走者の走行環境を示す環境情報と、第2の走者の走行環境を示す環境情報と、を取得する環境取得部と、所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する第1の走者と第2の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう位置情報により算出される走行情報を環境情報に基づいて調整をする調整部と、を備える。
本発明の別の態様は、走行記録システムである。この走行記録システムは、所定時刻を走行時間の起点として走行する走者の位置情報を取得する位置取得部と、走者の走行環境を示す環境情報を取得する環境取得部と、を有する走行記録端末と、所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する他の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう位置情報により算出される走行情報を環境情報に基づいて調整をする調整部を有する走行記録サーバと、を備える。
本発明のさらに別の態様は、走行記録装置である。この装置は、所定時刻を走行時間の起点として走行する走者の位置情報を取得する位置取得部と、走者の走行環境を示す環境情報を取得する環境取得部と、所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する他の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう位置情報により算出される走行情報を環境情報に基づいて調整をする調整部と、調整がなされた走行情報を、所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する他の走者の調整がなされた走行情報と比較した結果を取得する比較部と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、走行記録方法である。この方法は、所定時刻を走行時間の起点として走行する第1の走者の位置情報と、所定時刻と同時刻を走行時間の起点として走行する第2の走者の位置情報と、を取得する過程と、第1の走者の走行環境を示す環境情報と、第2の走者の走行環境を示す環境情報と、を取得する過程と、所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する第1の走者と第2の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう位置情報により算出される走行情報を環境情報に基づいて調整をする過程と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記憶した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、同時性を保った公平なマラソンレースを実施できるシステムを提供することができる。
走行記録システムの構成を示す機能ブロック図である。 走行記録端末のハードウェア構成を示す図である。 走行記録端末と走行記録サーバの間でなされる情報の送受信、走行時間の調整、および順位決定の処理過程を示すフローチャートである。 ユーザの携帯端末における画面表示例を示す図である。 第1実施形態のリモートマラソンレースにおける各出場者の順位を表示する画面表示例を示す図である。 変形例におけるユーザの携帯端末の画面表示例を示す図である。 現在位置表示の変形例を示す図である。 走行記録端末と走行記録サーバの間でなされる情報の送受信、走行時間の調整、および順位決定の処理過程を示すフローチャートである。 ユーザの携帯端末における画面表示例を示す図である。 第2実施形態のリモートマラソンレースにおける各出場者の順位を表示する画面表示例を示す図である。 変形例におけるユーザの携帯端末の画面表示例を示す図である。
(第1実施形態)
第1実施形態においては、遠隔地同士等、異なる場所で同時にマラソン距離を計測した時間を競うマラソンレース(以下、「リモートマラソンレース」と呼ぶ)を実施する。リモートマラソンレースでは、出場者ごとの走行環境を示す環境情報に基づいて走行時間を走行中に調整し、調整後の走行時間と走行距離によって他の出場者と比較した現在の順位を走行中に逐次出力する。一般的なマラソンレースでは、競技開始を知らせる号砲が鳴ってからフィニッシュラインに達するまでの時間であるグロスタイムと、スタートラインを通過してからフィニッシュラインに達するまでの時間であるネットタイムが計測される。リモートマラソンレースでは、同一の日時を起点とする一斉スタートの時刻からフィニッシュの距離に達するまでの時間であるグロスタイムと、出場者ごとに計測開始した時刻からフィニッシュの距離に達するまでの走行時間であるネットタイムが計測される。さらに、実測値の走行時間と調整後の走行時間を区別して出力する。特に調整後の走行時間をリモートタイムと呼ぶ。リモートマラソンレースでは、出場者同士で調整後の走行時間を比較して順位を決定することで、環境による身体への負担の違いを吸収し、より公平な結果を出場者に提供する。
図1は、走行記録システム200の構成を示す機能ブロック図である。走行記録システム200は、複数の走行記録端末10と、これらと接続する走行記録サーバ100とで構成される。走行記録端末10は、例えばリモートマラソンレースの各出場者が携帯するスマートフォンやスマートウォッチ等の携帯端末である。走行記録端末10は、環境取得部12、位置取得部14、状況判定部20、情報記憶部30、比較部40、登録処理部42、通信部50、出力部60、入力部62を備える。走行記録端末10の構成は、ハードウェアコンポーネントでいえば、図2に示す各構成によって実現されるが、図1ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
入力部62は、ユーザの操作入力による指示を受け付ける。登録処理部42は、ユーザからの指示に基づき、未登録ユーザに対してはユーザIDとパスワードによりユーザアカウントの発行を処理するとともに、レースへの出場登録を処理する。登録処理部42は、通信部50経由で走行記録サーバ100へユーザアカウントの発行をリクエストするとともに、発行されたユーザIDおよびパスワードを情報記憶部30に登録する。登録処理部42は、ユーザからの指示に基づき、ユーザが希望するリモートマラソンレースへの出場登録を、通信部50経由で走行記録サーバ100へリクエストするとともに、出場登録されたリモートマラソンレースを示すレースIDを情報記憶部30に登録する。
位置取得部14は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムから受信する現在地の位置情報を取得し、取得日時を示す情報とともに状況判定部20へ送る。位置情報は、主に協定世界時の日時情報、緯度経度情報、高度情報、移動速度情報、移動方向情報等を含む。位置取得部14は、数秒間隔で位置情報を取得するが、一定の時間間隔で取得してもよいし、不定間隔で、例えば後述のモーションセンサにより特異な動きの変化が検出されるたびに取得してもよい。
環境取得部12は、現在地の環境情報を取得して状況判定部20へ送る。環境情報は、例えば温度、湿度、風速、風向き、気圧、高度、路面状況(舗装路/未舗装路/陸上トラック/トレッドミル)等を示す情報である。環境情報の詳細は後述する。
状況判定部20は、時間計測部22、距離計測部24、ペース計測部26、調整部28を含む。時間計測部22は、タイマからの時間情報をもとに走行時間を計測する。時間計測部22は、出場登録したリモートマラソンレースの一斉スタート時刻を示す開始日時の情報を走行記録サーバ100から取得し、その開始日時から走行時間の記録開始までのスタート遅延時間を計測するとともに、記録開始時点からの経過時間を計測する。なお、記録された走行時間のうち、出場登録したリモートマラソンレースの一斉スタート時刻からそのレースの制限時間までの記録部分を有効とするとともに、記録した走行時間をネットタイムとし、そのネットタイムにスタート遅延時間を足した時間をグロスタイムとする。時間計測部22は、所定距離間の移動時間であるラップタイムを計測する。ラップタイムを計測する所定距離は、例えば1キロメートルまたは1マイルである。
距離計測部24は、走行記録サーバ100からレース距離(例えば、マラソン距離である42.195kmまたは26.2マイル等の総距離)の情報を取得し、記録開始時点から位置情報をもとにした距離の累積値である走行距離や残り距離を算出する。距離計測部24は、位置情報が取得された複数の測位点間の距離を測定し、一連の取得距離を繋げた累積的な走行距離を計測する。ただし、各位置情報は誤差を含むため、距離計測部24は、3点以上の測位点を結ぶ線が滑らかになるように標準偏差等を用いた統計的解析、モーションセンサからの加速度情報を用いた解析、異常値の除去、といった各種手法により距離を補正してもよい。距離計測部24は、補正後の軌跡上における点の位置を取得し、その位置を補正後の位置情報として扱うことができる。距離計測部24が計測する距離は、補正後の位置情報同士を結ぶ線の距離である。距離計測部24により計測された走行距離が所定距離、例えば10mずつ伸びるたびにその10mごとの地点の通過時間を算出するため、距離計測部24は10mごとの地点(以下、「時間計測点」とも呼ぶ)を挟む2つの測位点を特定し、時間計測部22がその2つの測位点間の走行時間と距離に基づいて時間計測点の通過時間を推定する。また、距離Xのコースが1km間隔でK個の区間S,S,・・・,Sに分けられる。
ペース計測部26は、補正後の複数の測位点間の距離を時間で除して走行ペースを算出する。ペース計測部26は、測位点間の移動ペースだけでなく、所定距離間のペースをさらに算出する。所定距離間のペースは、例えば1km間隔の区間ごとの平均ペースや、現在の区間の始点から現在地までの間の平均ペース、記録開始時点から現在地までの平均ペースである。時間計測部22、距離計測部24、ペース計測部26により算出された走行時間、走行距離、ペースの情報は出力部60へ送られ、位置取得部14から取得された位置情報および距離計測部24によって補正された位置情報の一方または双方が取得した日時情報とともに情報記憶部30に記録される。
調整部28は、環境取得部12によって取得された複数種類の環境情報に基づき、時間計測部22によって計測された走行時間を調整する。ある2つの測位点間の時間間隔は、通常は測位時刻の差であるが、調整部28はその測位時刻差を複数種類の環境情報に基づいて調整する。調整部28は、現在走行中の区間における走行時間の調整に必要な情報を通信部50経由で走行記録サーバ100へ調整値決定リクエストとともに送信し、その応答として走行記録サーバ100によって算出された調整値を受信する。調整部28は、受信した調整値を現在走行中の区間における走行時間に加算することによって走行時間を調整する。調整部28が走行記録サーバ100へ送信する情報は、例えば走行時間、走行距離、環境情報等の情報である。変形例として、調整値は走行記録サーバ100ではなく調整部28によって算出してもよい。調整部28は、区間S,S,・・・,Sにおける走行時間T,T,・・・,Tに対応して、各区間における走行時間の調整値A,A,・・・,Aを走行記録サーバ100から取得する。全体の距離Xが42.195kmの場合、SからS42までの各区間は1kmであり、S43の区間だけ0.195kmとなる。また、例えばS13の区間を走行中においては、12km地点から現在地までの走行時間が調整対象となり、13km地点を通過するまでその区間の走行距離が10m伸びるごとに調整値A13が更新される。現在のリモートタイムは、全出場者共通の開始日時である一斉スタートの時刻から現在までの走行時間に、現在までの各区間の調整値を累積した累積調整値を加算したタイムである。
調整値は、環境値e(t)をパラメータとする学習済みモデルの関数f(e(t))を用いて算出される。関数f(e(t))は、環境値e(t)を説明変数とし、走行時間の調整値を目的変数とする回帰分析による学習済みモデルとして、過去の環境情報および走行データをもとに生成してもよい。また、走行記録システム200によって蓄積された環境情報および走行データは、さらに学習結果として関数f(e(t))に反映され得る。調整値は、正の数である場合と負の数である場合とがあり、調整対象とする区間を示す情報に関連付けられて情報記憶部30に記録される。調整値は、出場者の環境情報に基づいて時間を単位として計算されたものであり、同じ実力であれば同じタイムとなるように調整される。
情報記憶部30は、位置取得部14により取得された位置情報を取得日時の情報とともに記憶するとともに、距離計測部24によって補正された位置情報を取得日時の情報とともに記憶する。情報記憶部30は、さらに調整部28によって取得された調整値の情報を、調整対象とした区間を示す情報と関連付けて記憶する。情報記憶部30は、ユーザのユーザID、パスワード、レースID等の情報をさらに記憶する。
比較部40は、現在走行中の区間の走行距離が10m伸びるたびに、順位決定に必要な情報を通信部50経由で走行記録サーバ100へ順位決定リクエストとともに送信し、その応答として走行記録サーバ100によって決定された現在の順位を示す順位情報を比較結果として受信する。比較部40が走行記録サーバ100へ送信する情報は、例えば走行距離とその地点におけるリモートタイムでよいし、位置情報、取得日時の情報、距離区間ごとの走行時間、調整値であってもよい。順位情報は、同じレースIDのレースに登録した全出場者共通の開始日時である一斉スタートの時刻を走行時間の起点とする他の出場者との間で比較された結果である。より具体的には、他の出場者の同じ時間計測点または距離区間における走行時間(グロスタイムに調整値の累積値を加算したリモートタイム)の比較によって決定された現時点での順位を示す値またはその順位が全出場者中の上位何%以内に含まれるかを示す値である。比較部40は、例えばS13の区間を走行中においては、10mごとの時間計測点のうち直近に通過した地点における順位情報または12km地点での順位情報を取得して出力部60へ送るなど、直近に通過した10mごとの地点または1kmごとの地点での順位を現在の順位として取得する。なお、比較部40は、上記の間隔よりさらに短い間隔、例えば1秒ごと等の所定時間間隔や1mごと等の所定距離間隔で、現在の走行距離とその距離地点の推定通過時間およびその調整値の情報を順位決定リクエストとともに走行記録サーバ100へ送信し、現在走行中の区間におけるリアルタイムの順序を取得するようにしてもよい。
変形例においては、走行記録端末10が調整値決定リクエストと順位決定リクエストを合わせた単一の決定リクエストとして走行記録サーバ100へ送信し、調整値と順位情報を取得する構成としてもよい。その場合、走行記録端末10は走行距離と走行時間と環境情報を走行記録サーバ100へ決定リクエストとともに送信すると、走行記録サーバ100は走行時間の調整値と順位情報を決定して調整値またはリモートタイムと順位情報を走行記録端末10へ送信する。
出力部60は、調整がなされた走行時間または走行距離に基づいて走行状況を出力する。出力部60は、例えばグロスタイム、調整後の走行時間(リモートタイム)、走行距離、現在順位等の走行状況を、これらを読み上げた音声の形で出力する。出力部60は、グロスタイム、リモートタイム、走行距離、現在順位等の走行状況をユーザの携帯端末の画面に表示する。
走行記録サーバ100は、状況判定部120、情報記憶部130、比較部140、登録処理部142、通信部150を備える。走行記録サーバ100の構成もまた、ハードウェアコンポーネントでいえば、CPU/GPU、RAM、ROM、通信モジュール等の各構成によって実現されるが、図1ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
通信部150は、インターネットを介して複数の走行記録端末10の通信部50と接続され、ユーザごとのユーザID、パスワード、レースID、位置情報、取得日時、走行距離、走行時間、環境情報、調整値決定リクエスト、リモートタイム、および順位決定リクエスト等の情報を受信する。登録処理部142は、走行記録端末10からのユーザアカウントの発行リクエストに応じてユーザIDおよびパスワードを情報記憶部130に登録する。また、登録処理部142は、走行記録端末10からのリモートマラソンレースへの出場リクエストに応じて出場者のユーザIDを出場するレースのレースIDに対応付けて情報記憶部130に登録する。情報記憶部130は、走行記録端末10から受信したユーザごとの位置情報、取得日時、走行距離、走行時間、環境情報、リモートタイム、およびスタート遅延時間の情報をさらに記憶する。
状況判定部120は、時間計測部122、距離計測部124、ペース計測部126、調整部128を含み、それぞれ走行記録端末10の時間計測部22、距離計測部24、ペース計測部26、調整部28に対応する。時間計測部122は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の走行時間を取得する。変形例においては、時間計測部122は、走行記録端末10から位置情報およびその取得日時情報を取得して、一斉スタート時刻と、走行中の区間の通過時刻との差分をグロスタイムとして算出し、最初に受信した位置情報の取得日時と最新の位置情報の取得日時との差分をネットタイムとして算出ししてもよい。距離計測部124は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の走行距離を取得する。変形例においては、距離計測部124は、走行記録端末10から位置情報およびその取得日時情報を取得して、最初に受信した位置情報から最新の位置情報までの距離の累積値を現在の走行距離として算出してもよい。ペース計測部126は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の所定距離間のペース、例えば10分間隔の区間ごとの平均ペースや現在の区間の始点からの平均ペース、記録開始時点から現在までの平均ペースを取得する。変形例においては、ペース計測部126は、走行記録端末10から位置情報およびその取得日時情報を取得して、所定距離間のペースを算出してもよい。
調整部128は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の走行中の区間における走行時間および環境情報を調整値決定リクエストとともに受信し、その環境情報に基づいて走行時間の調整値を算出し、算出した調整値を調整値決定リクエストの応答として走行記録端末10へ送信する。調整部128は、一斉スタートの時刻から現在までの走行時間に、現在までの各区間の調整値を累積した累積調整値を加算してリモートタイムを算出し、ユーザIDおよび走行距離と対応付けて情報記憶部130に記憶させる。
比較部140は、走行記録端末10の比較部40に対応し、複数の走行記録端末10から走行距離とその地点におけるリモートタイムを順位決定リクエストとともに受信する。比較部140は、順位決定リクエストに対する応答として、受信した走行距離の地点におけるリモートタイムを、同じレースIDのレースに出場登録した他の出場者の同じ地点におけるリモートタイムと比較する。すなわち、比較部140は、同じレースIDのレースに登録した全出場者共通の一斉スタート時刻を走行時間の起点とした走者同士で同じ地点でのリモートタイムを比較し、その比較結果としてユーザの順位を決定して走行記録端末10へ送信する。比較部140は、情報記憶部130に記憶される同じレースIDのレースに出場登録された他の出場者の有効なリモートタイム、すなわち一斉スタート時刻から制限時間までの範囲に含まれるリモートタイムの記録のうち同じ距離地点におけるリモートタイムとの比較によって走者の順位を決定する。
なお、仮に走行時間を調整しない従来の方式により、走行時間の短い順に配列される全出場者の一覧を生成した場合、後から1kmごとの区間を走行し終わった出場者が先に走行し終わった出場者より上位に追加されることは基本的にない。本実施形態においては、走行時間が調整される結果、後からその区間を走行し終わった出場者が先に走行し終わった出場者より上位に追加される可能性があるため、あくまで比較部140から走行記録端末10へ送信される順位情報は仮の順位にすぎず、後からその順位が変動することがある。
出力部144は、出場者以外の閲覧者にも各出場者の走行距離、走行時間、リモートタイム、順位等の情報を閲覧させるために、閲覧者端末152へ各出場者の情報をその閲覧リクエストに応じて通信部50経由で送信する。各出場者の情報は、出場者を特定するための情報と、各出場者の区間ごとの走行距離、走行時間およびリモートタイム、調整値、順位等の一覧である。
第1実施形態においては、走行時間および走行距離の計測と、位置情報の補正を走行記録端末10における状況判定部20の側で処理する例を説明した。変形例においては、状況判定部20による処理の一部または全部を走行記録サーバ100の状況判定部120の側で処理して走行記録端末10へ送り返す仕様としてもよい。その場合、走行記録端末10は通信部50を介して位置情報およびその取得日時の情報を走行記録サーバ100へ送信し、これらの情報を状況判定部120が通信部150を介して受信する。時間計測部122および距離計測部124は走行時間および走行距離を算出して走行記録端末10へ通信部150経由で送信する。別の変形例においては、走行時間の調整値を走行記録端末10の側で算出し、調整値またはリモートタイムの情報を走行記録端末10から走行記録サーバ100へ送信する仕様としてもよい。また、別の変形例においては、複数の走行記録端末10のうちいずれかがホスト機能として走行記録サーバ100の構成を兼ね備えることにより、実質的に複数の走行記録端末10のみでリモートマラソンレースを実現してもよい。
図2は、走行記録端末10のハードウェア構成を示す。走行記録端末10は、CPU/GPU70、RAM72、ROM74、カメラモジュール76、通信モジュール78、測位モジュール80、気圧高度センサ82、モーションセンサ84、タッチパネル86、スピーカ88がバス90を介して接続されて構成される。走行記録端末10は、例えばスマートフォン等の携帯端末の形で実現される。変形例としては、走行記録端末10は、スマートウォッチやGPSウォッチ、スマートグラスのように身体に装着する時計型または眼鏡型の情報端末の形で実現されてもよいし、スマートシューズのようなランニングシューズに内蔵させる小型の情報端末の形で実現されてもよい。眼鏡型の情報端末の形で実現される場合、着用者に視認される画面に走行時間、走行距離、調整値、順位等の走行状況を表示する他、AR(拡張現実)またはMR(複合現実)の映像手法により、先行する他の走者の像を視界に映すようにしてもよい。
CPU/GPU70は、走行記録端末10の各機能を実現するプログラムを実行するプロセッサユニットである。RAM72は、各プログラムの作業領域として利用されるメモリ領域である。ROM74は、各プログラムやデータが格納される不揮発性メモリである。CPU/GPU70、RAM72、ROM74は、これらがすべて含まれるSoC(System on a Chip)の形で構成されてもよい。カメラモジュール76は、静止画や動画を撮像するカメラである。通信モジュール78は、携帯電話通信、無線LAN、近距離無線通信等の通信インタフェースであり、機能的には主に通信部50に対応する。測位モジュール80は、GPS等の衛星測位システムから位置情報を取得するモジュールであり、機能的には主に位置取得部14に対応する。気圧高度センサ82は、現在時の気圧を検出するとともに、その気圧に基づいて高度を推定するセンサであり、機能的には主に環境取得部12に対応する。モーションセンサ84は、移動方向や移動速度を検出するための加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサを含み、機能的には主に環境取得部12に対応する。タッチパネル86は、ユーザのタッチ入力を受け付けるとともに、画面に文字や画像を表示し、機能的には主に出力部60および入力部62に対応する。スピーカ88は、音声を出力し、機能的には主に出力部60に対応する。
環境取得部12は、温度情報、湿度情報、天候情報、風速情報、風向き情報等を、走行記録端末10が温度センサや湿度センサを内蔵する場合はそれらのセンサから取得してもよいし、気象情報を公開する所定のサーバから、現在地の位置情報に対応する温度情報、湿度情報、天候情報、風速情報、風向き情報等を通信部50によって取得してもよい。環境取得部12は、気圧高度センサ82から気圧情報を取得する。環境取得部12は、気圧高度センサ82から高度情報を取得してもよいし、測位モジュール80から取得する位置情報と通信部50を介して取得する地図情報に基づいて高度情報を取得してもよい。環境取得部12は、現在地の高度情報と、一つ前の測位点の高度情報との差から、高度の昇降度合いを算出する。環境取得部12は、その高度情報と距離計測部24が計測する距離情報とに基づいて、またはモーションセンサ84が取得する移動方向の情報に基づいて、路面の傾斜角を算出する。環境取得部12は、記録開始前にユーザによるタッチパネル86を介した選択入力内容に基づいて、路面状況が舗装路、未舗装路、陸上トラック、トレッドミルのいずれであるかを判別してもよいし、測位モジュール80から取得する位置情報と通信部50を介して取得する地図情報に基づいて現在地の路面状況を判別してもよい。
なお、信号待ちや休憩でログ計測を一時停止にすることが考えられるが、一般的なマラソンレースでは計測の一時停止という概念がないのと同様に、出場者が自由に一時停止して休憩を挟んでから再スタートができるような仕様では他の出場者との間で公平性が保てない。そのため、一時停止のボタンを設けないようにしてもよいし、情報端末の不具合や操作ミス等により偶発的に計測が停止してしまったような場合は棄権扱いとするように処理してもよいし、記録を終了する処理をしてもよい。
図3は、走行記録端末10と走行記録サーバ100の間でなされる情報の送受信、走行時間の調整、および順位決定の処理過程を示すフローチャートである。リモートマラソンレースを走行中であるユーザの走行記録端末10では、時間計測部22および距離計測部24が位置情報およびその取得時間に基づいて走行時間および走行距離を算出し(S10)、環境取得部12が環境情報を取得し(S11)、走行距離が所定間隔、例えば10mごとの地点を通過するまで(S12のN)、S10、S11を繰り返す。走行距離が10mごとの地点を通過した場合(S12のY)、走行記録端末10は走行記録サーバ100へ調整値決定リクエストとして走行時間、走行距離、環境情報を送信する(S14)。調整値決定リクエストを受信した走行記録サーバ100では、調整部128が受信した走行時間、走行距離、環境情報に基づいて走行時間の調整値を算出し(S16)、算出した調整値を調整値決定リクエストの応答として走行記録端末10へ送信する(S18)。調整値を受信した走行記録端末10では、調整部28が受信した調整値を走行時間に加算して(S20)、リモートタイムを更新する(S22)。
走行記録端末10の比較部40は、走行記録サーバ100へ順位決定リクエストとして走行距離、リモートタイムを送信し(S24)、順位決定リクエストを受信した走行記録サーバ100では、比較部140が同じレースIDのレースに登録された他の出場者を情報記憶部130から特定する(S26)。比較部140は、特定した他の出場者のデータから順位決定リクエストに示される地点と同じ地点のリモートタイムを抽出し(S28)、順位決定リクエストに示されるリモートタイムと他の出場者のリモートタイムを比較することにより(S30)、順位決定リクエストの送信主体であるユーザの順位を決定し(S32)、順位情報を走行記録端末10へ順位決定リクエストの応答として送信する(S34)。順位情報を受信した走行記録端末10では、走行距離、リモートタイム、順位等を画面表示や音声等の形式で出力する(S36)。以上のフローを記録終了まで繰り返す。
図4は、ユーザの携帯端末における画面表示例を示す。走行時間160は、実測値としての走行時間(グロスタイム)を示す。リモートタイム162は、調整後の走行時間(リモートタイム)を示す。調整値163は、グロスタイムに加算する調整値の累積値を示す。走行距離164は、走行距離を示す。状況画像166は、ユーザ本人と先行者および後続者との位置関係をアニメーションで表す。状況画像166において、自分アイコン170はユーザ本人を示し、つねに中央に表示する。画面右側を進行方向として、先行者の位置を示す先行者アイコン172を右側に、後続者の位置を示す後続者アイコン174を左側に、それぞれユーザとの距離差に対応する位置に表示する。先行距離176は先行者との距離差を文字で示す。後続距離178は後続者との距離差を文字で示す。変形例においては、先行者および後続者との間隔を時間差で示してもよい。順位表示168は、ユーザの現在の順位および上位何%に位置するかを文字で示す。停止ボタン180は、記録停止を指示するボタンである。
なお、順位表示168で表示する順位や、アイコンで表示する先行者および後続者との距離差は、直近に通過した区間での順位である。変形例においては、直近に通過した区間までのリモートタイムと、その区間の通過後から現在位置までの走行時間およびその調整値とを加算した現在地点でのリモートタイムを、他の出場者の同じ10mごとの距離地点でのリモートタイムと比較した順位を表示するようにしてもよい。
図5は、第1実施形態のリモートマラソンレースにおける各出場者の順位を表示する画面表示例を示す。画面208は、主に出場者以外の人が閲覧できるように用意する閲覧者端末152の画面であり、例えばウェブブラウザを用いてパーソナルコンピュータやタブレット端末の画面に表示される。画面208には、順位表210と地図欄240が含まれる。順位表210には、リモートマラソンレースの出場者の一覧が、所定の地点におけるリモートタイムの早い順に表示される。第1欄220の列には各出場者の順位が表示され、第2欄222の列には各出場者の番号が表示され、第3欄224の列には各出場者の名前が表示される。第4欄226の列には各出場者のリモートタイムが表示され、第5欄228の列には各出場者の調整値が表示され、第6欄230の列には各出場者のグロスタイムが表示される。図の例では、「12km地点」におけるリモートタイムを基準にした順位で「231位」から「236位」までの7人が表示される。順位表210の右方には上スクロールボタン212と下スクロールボタン214が表示され、閲覧者が上スクロールボタン212を押下すると、より上位の出場者一覧に切り替わり、下スクロールボタン214を押下すると、より下位の出場者一覧に切り替わる。順位表210の上方には、左移動ボタン216と右移動ボタン218が表示され、閲覧者が左移動ボタン216を押下すると一つ前の距離地点である「11km地点」の一覧表示に切り替わり、右移動ボタン218を押下すると次の距離地点である「13km地点」の一覧表示に切り替わる。
例えば、順位が「233位」で番号が「2491」である「鈴木博」という出場者は、12km地点におけるリモートタイムとして「00:49:29」が表示される。このリモートタイムは、グロスタイムである「00:48:34」に、調整値である「00:55」が加算された走行時間である。同様に、順位「232位」で番号が「212」である「佐藤一郎」という出場者や、順位「236位」で番号が「1766」である「加藤二郎」という出場者もまた、それぞれ正の調整値がグロスタイムに加算されている。これらの出場者は相対的に走りやすい環境で走った結果として、その分だけ走行時間が遅くなるように正の調整値を加算して調整する趣旨である。一方、順位が「231位」で番号が「2389」である「山田太郎」という出場者や、順位が「234位」で番号が「804」である「田中太朗」という出場者、順位が「235位」で番号が「1082」である「伊東花子」という出場者は、それぞれ負の調整値がグロスタイムに加算されている。これらの出場者は相対的に走りにくい環境で走った結果として、その分だけ走行時間が早くなるように負の調整値を加算して調整する趣旨である。このようにして、同じレースにおいて同じ時刻である一斉スタート時刻を起点に走行する出場者ごとの走行環境の違いを調整値によって調整することで、順位の公平さを高めることができる。閲覧者が出場者一覧からいずれかを選択すると、選択された出場者の行が太枠の選択枠232で囲まれて強調表示される。選択された出場者とその前後の出場者の現在位置が地図欄240に表示される。
地図欄240には、仮想的に設定されたマラソンコースの地図が表示される。地図欄240の左方には、拡大ボタン242と縮小ボタン244が表示される。拡大ボタン242が押下されると地図欄240に表示される地図が拡大され、縮小ボタン244が押下されると地図欄240に表示される地図が縮小される。コース線246は、表示される地図上に設定されたマラソンコースを示す。選択枠232によって選択表示されたナンバー「2491」の出場者を示す選択出場者マーク248が地図欄240のおおむね中央付近に位置するようにコース線246の上の所定位置に表示される。コース線246における選択出場者マーク248の先の位置には、順位が直近上位であるナンバー「2389」と「212」の出場者を示す第1出場者マーク250と第2出場者マーク252がそれぞれ対応する位置に表示される。コース線246における選択出場者マーク248の後の位置には、順位が直近下位であるナンバー「804」と「1082」の出場者を示す第3出場者マーク254と第4出場者マーク256がそれぞれ対応する位置に表示される。選択出場者マーク248、第1出場者マーク250、第2出場者マーク252、第3出場者マーク254、第4出場者マーク256の各表示位置は、対応する各出場者のリモートタイムに基づく、それまでの平均ペースに応じた現在の推定位置に基づいて決定され、経過時刻とともに更新されて各マークがコース線246上を刻々と移動表示される。各マークの現在の推定位置は、例えば出場者ごとの計測開始から「12km地点」までのリモートタイムに基づく平均ペースをそのまま維持した場合の「12km地点」以降の現在の推定位置であってよい。あるいは、出場者ごとの直近の平均ペース、例えば一つ前の地点である「11km地点」から「12km地点」までの1km区間の平均ペースをそのまま維持した場合の「12km地点」以降の現在の推定位置であってもよい。
図6は、変形例におけるユーザの携帯端末の画面表示例を示す。本図の変形例においては、ユーザの現在地を実際に走行中の場所を示す地図上に表示するとともに、リモートタイムの順位における先行者と後続者の仮想位置を地図上に表示することにより、先行者および後続者との間隔を視覚的にユーザに示す。第1欄400には、走行距離、リモートタイム、グロスタイムを表示する。さらに調整値を表示してもよい。第2欄402には、ユーザの現在の順位および上位何%に位置するかを文字で示す。停止ボタン416は、記録停止を指示するボタンである。第3欄404には、ユーザの現在地を示す地図を表示し、その地図上に走行中のコースを示すコース線418を走行中の道に沿って表示するとともに、そのコース線418上にユーザと先行者および後続者の現在地をそれぞれのマークで示す。地図は、いわゆるヘディングアップ表示のように、つねに進行方向が画面の上を向くように表示される。自分マーク406は、ユーザの現在地を示すマークである。第1出場者マーク408、第2出場者マーク410は、先行する出場者の現在地を示すマークである。第3出場者マーク412、第4出場者マーク414は、後続の出場者の現在地を示すマークである。ここで、コース線418はユーザが走行した軌跡を示すとともに、現在以降に進行する方向を示すが、実際にはユーザの進路は決められておらず、いつどこで曲がるかは未定である。したがって、ユーザの現在地以降のコース線418は、あくまでユーザが進路を変更するまでの仮の進路を示すにすぎず、例えば角を曲がったときは角を曲がった先の道が画面の上方向を示すように地図を回転させるとともに、仮の進路を再び上方向に示す形でコース線418が表示される。なお、本図の例では二次元的にユーザおよび他の走者を地図上に並べる形で順位および間隔を視覚的に示す例を説明したが、例えばVR(仮想現実)の空間をユーザの携帯端末の画面に表示し、その仮想空間上をユーザおよび他の走者が走行する三次元映像を表示することで、順位および間隔を視覚的に表現する仕様としてもよい。
別の変形例においては、リモートマラソンレースとして実在する特定のマラソンレースのコースおよびその場所の地図を表示し、仮想的にそのマラソンコースを走行しているように表示するようにしてもよい。あるいは、リモートマラソンレースとして架空のマラソンレースのコースおよびその場所の地図を表示し、仮想的にそのマラソンコースを走行しているように表示するようにしてもよい。さらに別の変形例においては、スマートグラスの画面に走行距離、リモートタイム、グロスタイム、順位等を表示するようにしてもよい。その場合、ユーザの進行方向に先行する出場者を示すマークまたは走者の像をAR(拡張現実)またはMR(複合現実)の映像手法により表示するとともに、ユーザから先行する距離が三次元的に把握できるように先行者とユーザの距離に応じた縮尺にてマークまたは走者の像を縮小して表示する。
図7は、現在位置表示の変形例を示す。本図の例は、図6の第3欄404の地図表示に変わる現在位置表示として、リモートマラソンレースのコース全体をコース線460の長さで示すとともに、そのコース線460上で自分マーク450の表示位置によりユーザがどの辺りを走行中であるかを示す。例えばコースの総距離が10km程度の比較的短いリモートマラソンレースである場合や、出場者が3~10人程度の比較的少人数である場合に、コース全体および出場者全員を一つの軸上に表示するのに適する。第1出場者マーク452、第2出場者マーク454は、先行する出場者の現在地を示すマークである。第3出場者マーク456、第4出場者マーク458は、後続の出場者の現在地を示すマークである。本図の例では、コース全体をコース線460で表すため、ユーザと他の出場者との距離間隔までは必ずしも正確に把握できない場合があるものの、より単純化した図によってコースのどの辺りを走行中であるかと他の出場者との順序を同時に把握することが可能である。
以上のように、走行時間を環境情報に基づいて調整した調整後の時間を基準とした走行距離を他の出場者の同じ時間の走行距離と比較して順位を決定するようにし、またそのような調整後の順位を走行中にリアルタイムに出力できるようにしたことで、より公平な競争を担保することができる。また、リアルタイムに他の出場者の状況を把握できるようにして、異なる場所で同時にマラソンを実施する出場者同士の競技性を高めることができる。なお、ユーザ同士が走行記録システム200を利用して小規模なマラソンレースを自主的に開催することも容易となる。また、マラソンレースを複数会場で分散開催し、それぞれの会場の環境情報に基づいて会場ごとの共通パラメータで補正することで、公平性を担保することも可能である。例えば、スタート時の気温、スタート地点の高度や気圧、等の情報に基づいて出場者の距離や時間を調整することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態においては、調整部28が走行距離を調整する点で、走行時間を調整する第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
距離計測部24は、記録された走行距離のうち、出場登録したリモートマラソンレースの一斉スタート時刻からそのレースの制限時間までの記録部分を有効とするとともに、有効部分の走行距離をグロス距離とする。時間計測部22により計測されるグロスタイムが所定時間、例えば10秒進むたびにその10秒ごとの時間点における走行距離を算出するため、時間計測部22は10秒ごとの時間点(以下、「距離計測点」とも呼ぶ)を挟む2つの測位点を特定し、距離計測部24がその2つの測位点間の走行距離と時間に基づいて距離計測点における走行距離を推定する。また、走行時間は10分間隔の区間に分けられ、全体でn個の区間S,S,・・・,Sが形成される。
調整部28は、環境取得部12によって取得された複数種類の環境情報に基づき、距離計測部24によって計測された走行距離を調整する。調整部28は、ある2つの距離計測点間の距離間隔として、その走行距離を複数種類の環境情報に基づいて調整する。調整部28は、現在走行中の区間における走行距離の調整に必要な情報を通信部50経由で走行記録サーバ100へ調整値決定リクエストとともに送信し、その応答として走行記録サーバ100によって算出された調整値を受信する。調整部28は、受信した調整値を現在走行中の区間における走行距離に加算することによって走行距離を調整する。調整部28が走行記録サーバ100へ送信する情報は、例えば走行時間、走行距離、環境情報等の情報である。変形例として、調整値は走行記録サーバ100ではなく調整部28によって算出してもよい。調整部28は、区間S,S,・・・,Sにおける走行距離D,D,・・・,Dに対応して、各区間における走行距離の調整値A,A,・・・,Aを走行記録サーバ100から取得する。また、例えばSの区間を走行中においては、走行時間「0:50:00」から現在時刻までの走行距離が調整対象となり、走行時間「1:00:00」を経過するまで10秒おきに調整値Aが更新される。現在のリモート距離は、全出場者共通の開始日時である一斉スタートの時刻から現在までの走行距離に、現在までの各区間の調整値を累積した累積調整値を加算した距離である。
調整値は、環境値e(t)をパラメータとする学習済みモデルの関数f(e(t))を用いて算出される。関数f(e(t))は、環境値e(t)を説明変数とし、走行距離の調整値を目的変数とする回帰分析による学習済みモデルとして、過去の環境情報および走行データをもとに生成してもよい。また、走行記録システム200によって蓄積された環境情報および走行データは、さらに学習結果として関数f(e(t))に反映され得る。調整値は、正の数である場合と負の数である場合とがあり、調整対象とする区間を示す情報に関連付けられて情報記憶部30に記録される。調整値は、出場者の環境情報に基づいて距離を単位として計算されたものであり、同じ実力であれば同じ距離となるように調整される。
距離計測部124は、最初の位置情報から最新の位置情報までの距離の累積値に、調整値の累積値を加算した距離を調整後の走行距離(リモート距離)として算出する。比較部40は、現在走行中の区間の走行時間が10秒進むたびに、順位決定に必要な情報を通信部50経由で走行記録サーバ100へ順位決定リクエストとともに送信し、その応答として走行記録サーバ100によって決定された現在の順位を示す順位情報を比較結果として受信する。比較部40が走行記録サーバ100へ送信する情報は、例えば走行時間とその時点におけるリモート距離でよいし、位置情報、取得日時の情報、時間区間ごとの走行距離、調整値であってもよい。順位情報は、同じレースIDのレースに登録した全出場者共通の開始日時である一斉スタートの時刻を走行時間の起点とする他の出場者との間で比較された結果である。より具体的には、他の出場者の同じ距離計測点または時間区間における走行距離(グロス距離に調整値の累積値を加算したリモート距離)の比較によって決定された現時点での順位を示す値またはその順位が全出場者中の上位何%以内に含まれるかを示す値である。比較部40は、例えばSの区間を走行中においては、10秒ごとの距離計測点のうち直近に経過した時点における順位情報または走行時間「0:50:00」の時点での順位情報を取得して出力部60へ送るなど、直近に経過した10秒ごとの時点または10分ごとの時点での順位を現在の順位として取得する。なお、比較部40は、上記の間隔よりさらに短い間隔、例えば1秒ごと等の所定時間間隔や1mごと等の所定距離間隔で、現在の走行時間とその時間点での推定走行距離およびその調整値の情報を順位決定リクエストとともに走行記録サーバ100へ送信し、現在走行中の時間区間におけるリアルタイムの順序を取得するようにしてもよい。
変形例においては、走行記録端末10が調整値決定リクエストと順位決定リクエストを合わせた単一の決定リクエストとして走行記録サーバ100へ送信し、調整値と順位情報を取得する構成としてもよい。その場合、走行記録端末10は走行距離と走行時間と環境情報を走行記録サーバ100へ決定リクエストとともに送信すると、走行記録サーバ100は走行距離の調整値と順位情報を決定して調整値またはリモート距離と順位情報を走行記録端末10へ送信する。
出力部60は、例えばグロスタイム、グロス距離、調整後の走行距離(リモート距離)、現在順位等の走行状況を、これらを読み上げた音声の形で出力する。出力部60は、グロスタイム、グロス距離、リモート距離、現在順位等の走行状況を画面に表示する。出力部60は、グロスタイム、グロス距離、リモート距離、現在順位等の走行状況をユーザの携帯端末の画面に表示する。
走行記録サーバ100の状況判定部120において、時間計測部122、距離計測部124、ペース計測部126、調整部128は、それぞれ走行記録端末10の時間計測部22、距離計測部24、ペース計測部26、調整部28に対応する。調整部128は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の走行中の区間における走行距離および環境情報を調整値決定リクエストとともに受信し、その環境情報に基づいて走行距離の調整値を算出し、算出した調整値を調整値決定リクエストの応答として走行記録端末10へ送信する。調整部128は、記録開始時点から現在までの走行距離に、現在までの各区間の調整値を累積した累積調整値を加算してリモート距離を算出し、ユーザIDおよび走行時間と対応付けて情報記憶部130に記憶させる。
通信部150は、インターネットを介して複数の走行記録端末10の通信部50と接続され、ユーザごとのユーザID、パスワード、レースID、位置情報、取得日時、走行距離、走行時間、環境情報、調整値決定リクエスト、リモート距離、および順位決定リクエスト等の情報を受信する。情報記憶部130は、走行記録端末10から受信したユーザごとの位置情報、取得日時、走行距離、走行時間、環境情報、リモート距離、およびスタート遅延時間の情報をさらに記憶する。
調整部128は、複数の走行記録端末10からそれぞれのユーザである走者の走行中の区間における走行距離および環境情報を調整値決定リクエストとともに受信し、その環境情報に基づいて走行距離の調整値を算出し、算出した調整値を調整値決定リクエストの応答として走行記録端末10へ送信する。調整部128は、一斉スタートの時刻から現在までの走行距離に、現在までの各区間の調整値を累積した累積調整値を加算してリモート距離を算出し、ユーザIDおよび走行時間と対応付けて情報記憶部130に記憶させる。
比較部140は、走行記録端末10の比較部40に対応し、複数の走行記録端末10から走行時間とその時点におけるリモート距離を順位決定リクエストとともに受信する。比較部140は、順位決定リクエストに対する応答として、受信した走行時間の時点におけるリモート距離を、同じレースIDのレースに出場登録した他の出場者の同じ時点におけるリモート距離と比較する。すなわち、比較部140は、同じレースIDのレースに登録した全出場者共通の一斉スタート時刻を走行時間の起点とした走者同士で同じ時点でのリモート距離を比較し、その比較結果としてユーザの順位を決定して走行記録端末10へ送信する。比較部140は、情報記憶部130に記憶される同じレースIDのレースに出場登録された他の出場者の有効なリモート距離、すなわち一斉スタート時刻から制限時間までの範囲で走行したリモート距離の記録のうち同じ時点におけるリモート距離との比較によって走者の順位を決定する。
出力部144は、出場者以外の閲覧者にも各出場者の走行距離、走行時間、リモート距離、順位等の情報を閲覧させるために、閲覧者端末152へ各出場者の情報をその閲覧リクエストに応じて通信部50経由で送信する。各出場者の情報は、出場者を特定するための情報と、各出場者の区間ごとの走行時間、走行距離およびリモート距離、調整値、順位等の一覧である。
第2実施形態においては、走行時間および走行距離の計測と、位置情報の補正を走行記録端末10における状況判定部20の側で処理する例を説明した。変形例においては、状況判定部20による処理の一部または全部を走行記録サーバ100の状況判定部120の側で処理して走行記録端末10へ送り返す仕様としてもよい。その場合、走行記録端末10は通信部50を介して位置情報およびその取得日時の情報を走行記録サーバ100へ送信し、これらの情報を状況判定部120が通信部150を介して受信する。時間計測部122および距離計測部124は走行時間および走行距離を算出して走行記録端末10へ通信部150経由で送信する。別の変形例においては、走行距離の調整値を走行記録端末10の側で算出し、調整値またはリモート距離の情報を走行記録端末10から走行記録サーバ100へ送信する仕様としてもよい。
図8は、走行記録端末10と走行記録サーバ100の間でなされる情報の送受信、走行時間の調整、および順位決定の処理過程を示すフローチャートである。リモートマラソンレースを走行中であるユーザの走行記録端末10では、時間計測部22および距離計測部24が位置情報およびその取得時間に基づいて走行時間および走行距離を算出し(S40)、環境取得部12が環境情報を取得し(S41)、走行時間が所定間隔、例えば10秒おきの時点を経過するまで(S42のN)、S40、S41を繰り返す。走行時間が10秒おきの時点を経過した場合(S42のY)、走行記録端末10は走行記録サーバ100へ調整値決定リクエストとして走行時間、走行距離、環境情報を送信する(S44)。調整値決定リクエストを受信した走行記録サーバ100では、調整部128が受信した走行時間、走行距離、環境情報に基づいて走行距離の調整値を算出し(S46)、算出した調整値を調整値決定リクエストの応答として走行記録端末10へ送信する(S48)。調整値を受信した走行記録端末10では、調整部28が受信した調整値を走行距離に加算して(S50)、リモート距離を更新する(S52)。
走行記録端末10の比較部40は、走行記録サーバ100へ順位決定リクエストとして走行距離、リモート距離を送信し(S54)、順位決定リクエストを受信した走行記録サーバ100では、比較部140が同じレースIDのレースに登録された他の出場者を情報記憶部130から特定する(S56)。比較部140は、特定した他の出場者のデータから順位決定リクエストに示される時点と同じ時点のリモート距離を抽出し(S58)、順位決定リクエストに示されるリモート距離と他の出場者のリモート距離を比較することにより(S60)、順位決定リクエストの送信主体であるユーザの順位を決定し(S62)、順位情報を走行記録端末10へ順位決定リクエストの応答として送信する(S64)。順位情報を受信した走行記録端末10では、走行時間、リモート距離、順位等を画面表示や音声等の形式で出力する(S66)。以上のフローを記録終了まで繰り返す。
図9は、ユーザの携帯端末における画面表示例を示す。走行距離360は、実測値としての走行距離(グロス距離)を示す。リモート距離362は、調整後の走行距離(リモート距離)を示す。調整値363は、グロス距離に加算する調整値の累積値を示す。走行時間364は、グロスタイムを示す。状況画像366は、ユーザ本人と先行者および後続者との位置関係をアニメーションで表す。状況画像366において、自分アイコン370はユーザ本人を示し、つねに中央に表示する。画面右側を進行方向として、先行者の位置を示す先行者アイコン372を右側に、後続者の位置を示す後続者アイコン374を左側に、それぞれユーザとの距離差に対応する位置に表示する。先行距離376は先行者との距離差を文字で示す。後続距離378は後続者との距離差を文字で示す。変形例においては、先行者および後続者との間隔を時間差で示してもよい。順位表示368は、ユーザの現在の順位および上位何%に位置するかを文字で示す。停止ボタン380は、記録停止を指示するボタンである。
なお、順位表示368で表示する順位や、アイコンで表示する先行者および後続者との距離差は、直近に経過した時間区間での順位である。変形例においては、直近に経過した時間区間までのリモート距離と、その時間区間の経過後から現在時刻までの走行距離およびその調整値とを加算した現在時刻でのリモート距離を、他の出場者の同じ10秒ごとの時点でのリモート距離と比較した順位を表示するようにしてもよい。
図10は、第2実施形態のリモートマラソンレースにおける各出場者の順位を表示する画面表示例を示す。画面308は、主に出場者以外の人が閲覧できるように用意する閲覧者端末152の画面であり、例えばウェブブラウザを用いてパーソナルコンピュータやタブレット端末の画面に表示される。画面308には、順位表310と地図欄340が含まれる。順位表310には、リモートマラソンレースの出場者の一覧が、所定の走行時間または時刻におけるリモート距離の長い順に表示される。第1欄320の列には各出場者の順位が表示され、第2欄322の列には各出場者の番号が表示され、第3欄324の列には各出場者の名前が表示される。第4欄326の列には各出場者のリモート距離が表示され、第5欄328の列には各出場者の調整値が表示され、第6欄330の列には各出場者のグロス距離が表示される。図の例では、走行時間「0:50:00」におけるリモート距離を基準にした順位で「231位」から「236位」までの7人が表示される。順位表310の右方には上スクロールボタン312と下スクロールボタン314が表示され、閲覧者が上スクロールボタン312を押下すると、より上位の出場者一覧に切り替わり、下スクロールボタン314を押下すると、より下位の出場者一覧に切り替わる。順位表310の上方には、左移動ボタン316と右移動ボタン318が表示され、閲覧者が左移動ボタン316を押下すると一つ前(例えば10分前)の走行時間である「0:40:00」の一覧表示に切り替わり、右移動ボタン318を押下すると次(例えば10分後)の走行時間である「1:00:00」の一覧表示に切り替わる。
例えば、順位が「233位」で番号が「2491」である「鈴木博」という出場者は、走行時間「0:50:00」におけるリモート距離として「12.14km」が表示される。このリモート距離は、グロス距離である「11.92km」に、調整値である「0.22km」が加算された距離である。同様に、順位「232位」で番号が「212」である「佐藤一郎」という出場者や、順位「236位」で番号が「1766」である「加藤二郎」という出場者もまた、それぞれ正の調整値がグロス距離に加算されている。これらの出場者は相対的に走りにくい環境で走った結果として、その分だけ走行距離が長くなるように正の調整値を加算して調整する趣旨である。一方、順位が「231位」で番号が「2389」である「山田太郎」という出場者や、順位が「234位」で番号が「804」である「田中太朗」という出場者、順位が「235位」で番号が「1082」である「伊東花子」という出場者は、それぞれ負の調整値がグロス距離に加算されている。これらの出場者は相対的に走りやすい環境で走った結果として、その分だけ走行時間が短くなるように負の調整値を加算して調整する趣旨である。このようにして、同じレースにおいて同じ時刻である一斉スタート時刻を起点に走行する出場者ごとの走行環境の違いを調整値によって調整することで、順位の公平さを高めることができる。閲覧者が出場者一覧からいずれかを選択すると、選択された出場者の行が太枠の選択枠332で囲まれて強調表示される。選択された出場者とその前後の出場者の現在位置が地図欄340に表示される。
地図欄340には、仮想的に設定されたマラソンコースの地図が表示される。地図欄340の左方には、拡大ボタン342と縮小ボタン344が表示される。拡大ボタン342が押下されると地図欄340に表示される地図が拡大され、縮小ボタン344が押下されると地図欄340に表示される地図が縮小される。コース線346は、表示される地図上に設定されたマラソンコースを示す。選択枠332によって選択表示されたナンバー「2491」の出場者を示す選択出場者マーク348が地図欄340のおおむね中央付近に位置するようにコース線346の上の所定位置に表示される。コース線346における選択出場者マーク348の先の位置には、順位が直近上位であるナンバー「2389」と「212」の出場者を示す第1出場者マーク350と第2出場者マーク352がそれぞれ対応する位置に表示される。コース線346における選択出場者マーク348の後の位置には、順位が直近下位であるナンバー「804」と「1082」の出場者を示す第3出場者マーク354と第4出場者マーク356がそれぞれ対応する位置に表示される。選択出場者マーク348、第1出場者マーク350、第2出場者マーク352、第3出場者マーク354、第4出場者マーク356の各表示位置は、対応する各出場者のリモート距離に基づく、それまでの平均ペースに応じた現在の推定位置に基づいて決定され、経過時刻とともに更新されて各マークがコース線346上を刻々と移動表示される。各マークの現在の推定位置は、例えば出場者ごとの計測開始から「0:50:00」までの経過時間とリモート距離に基づく平均ペースをそのまま維持した場合の「0:50:00」以降の現在の推定位置であってよい。あるいは、出場者ごとの直近の平均ペース、例えば一つ前の走行時間である「0:40:00」から「0:50:00」までの平均ペースをそのまま維持した場合の「0:50:00」以降の現在の推定位置であってもよい。
図11は、変形例におけるユーザの携帯端末の画面表示例を示す。本図の変形例においては、ユーザの現在地を実際に走行中の場所を示す地図上に表示するとともに、リモート距離の順位における先行者と後続者の仮想位置を地図上に表示することにより、先行者および後続者との間隔を視覚的にユーザに示す。第1欄420には、グロスタイム、リモート距離、グロス距離を表示する。さらに調整値を表示してもよい。第2欄422には、ユーザの現在の順位および上位何%に位置するかを文字で示す。停止ボタン436は、記録停止を指示するボタンである。第3欄424には、ユーザの現在地を示す地図を表示し、その地図上に走行中のコースを示すコース線438を走行中の道に沿って表示するとともに、そのコース線438上にユーザと先行者および後続者の現在地をそれぞれのマークで示す。地図は、いわゆるヘディングアップ表示のように、つねに進行方向が画面の上を向くように表示される。自分マーク426は、ユーザの現在地を示すマークである。第1出場者マーク428、第2出場者マーク430は、先行する出場者の現在地を示すマークである。第3出場者マーク432、第4出場者マーク434は、後続の出場者の現在地を示すマークである。
以上のように、走行距離を環境情報に基づいて調整した走行距離を他の出場者の調整後の走行距離と比較して順位を決定するようにし、またそのような調整後の順位を走行中にリアルタイムに出力できるようにしたことで、より公平な競争を担保することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態においては、比較部40および比較部140が、環境情報の違いによって分類されたカテゴリ内での順位を決定する点で、出場者全体での順位を決定する第1,2実施形態と相違する。以下、第1,2実施形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
比較部40および比較部140は、環境情報に応じて複数のカテゴリのうちいずれに該当するかを判定し、ユーザをそのカテゴリに対応づけるとともに、同じカテゴリに属する他の出場者との間で走行距離を比較し、順位を決定する。例えば、高度情報、気圧情報、気温情報等に基づいて、カテゴリを分けてもよい。最も負荷度合いが高い「カテゴリA」は、例えば標高が1500mを超える場合、気圧が850hPa以下の場合、気温が25℃を超える場合等に該当する。次に負荷度合いが高い「カテゴリB」は、例えば標高が1000~1500mの場合、気圧が850~900hPaの場合、気温が15~25℃の場合等に該当する。相対的に負荷度合いが低い「カテゴリC」は、標高が1000m未満の場合、気圧が900hPa以上の場合、気温が15℃未満の場合等に該当する。
以上のように環境情報に応じてカテゴリを分ける場合、調整部28による走行時間または走行距離の調整をしなくともよく、その場合でもカテゴリによって環境情報の違いによる負荷の違いをおおむね吸収することができ、公平性を担保できる。
以上、本発明について実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、走行記録装置に関する。特に、マラソンレースの走行状況を記録する装置に関する。
10 走行記録端末、 12 環境取得部、 14 位置取得部、 20 状況判定部、 22 時間計測部、 24 距離計測部、 26 ペース計測部、 28 調整部、 30 情報記憶部、 40 比較部、 50 通信部、 60 出力部、 100 走行記録サーバ、 120 状況判定部、 122 時間計測部、 124 距離計測部、 126 ペース計測部、 128 調整部、 130 情報記憶部、 140 比較部、 150 通信部、 160 走行時間、 164 走行距離、 200 走行記録システム。

Claims (4)

  1. 所定時刻を走行時間の起点として走行する第1の走者の位置情報と、前記所定時刻と同時刻を走行時間の起点として走行する第2の走者の位置情報と、を取得する位置取得部と、
    前記第1の走者の走行環境を示す環境情報と、前記第2の走者の走行環境を示す環境情報と、を取得する環境取得部と、
    前記所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する前記第1の走者と前記第2の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう前記位置情報により算出される走行情報を前記環境情報に基づいて調整をする調整部と、
    前記調整がなされた前記第1の走者の走行情報と前記調整がなされた前記第2の走者の走行情報とを比較することにより、前記第1の走者および前記第2の走者の順位を決定する比較部と、
    を備え、
    前記走行情報は、前記所定時刻を起点とする走行時間を含み、
    前記調整部は、前記環境情報を説明変数とし、前記走行時間に対する調整値を目的変数とする回帰分析による学習モデルに基づいて前記環境情報から算出する調整値を用いて前記走行情報を調整し、
    前記比較部は、前記第1の走者および前記第2の走者をそれぞれの前記環境情報に基づく負荷度合いの高さに応じて複数のカテゴリのうちいずれに該当するかを判定して対応づけるとともに、前記第1の走者および前記第2の走者が同じカテゴリに属する場合にそれぞれの走行距離を比較して前記カテゴリにおける順位を決定することを特徴とする走行記録装置。
  2. 前記走行情報を出力する出力部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の走行記録装置。
  3. 前記走行情報は、走行距離を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の走行記録装置。
  4. 所定時刻を走行時間の起点として走行する走者の位置情報を取得する位置取得部と、
    前記走者の走行環境を示す環境情報を取得する環境取得部と、
    を有する走行記録端末と、
    前記所定時刻を起点とする同じ走行時間に走行する他の走者との間で生じ得る走行環境による走行への負荷の差を是正するよう前記位置情報により算出される走行情報を前記環境情報に基づいて調整をする調整部と、
    前記調整がなされた前記走者の走行情報と前記調整がなされた前記他の走者の走行情報とを比較することにより、前記走者の順位を決定する比較部と、
    を有する走行記録サーバと、
    を備え、
    前記走行情報は、前記所定時刻を起点とする走行時間を含み、
    前記調整部は、前記環境情報を説明変数とし、前記走行時間に対する調整値を目的変数とする回帰分析による学習モデルに基づいて前記環境情報から算出する調整値を用いて前記走行情報を調整し、
    前記比較部は、前記走者の前記環境情報に基づく負荷度合いの高さに応じて複数のカテゴリのうちいずれに該当するかを判定して対応づけるとともに、同じカテゴリに属する他の走者との間で走行距離を比較して前記カテゴリにおける順位を決定することを特徴とする走行記録システム。
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