JP7665923B2 - ポリプロピレンフィルムロール及び金属化ポリプロピレンフィルムロール - Google Patents
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Description
項1. ポリプロピレンフィルムがコアに巻き回されてなるポリプロピレンフィルムロールであって、
下記(1)及び(2)の物性を充足する、ポリプロピレンフィルムロール。
(1)下記(a)乃至(c)の手法により得られる、遅相軸角度の最大値と最小値の差が5°未満である。
(a)前記ポリプロピレンフィルムの幅方向全長を100%とした時、その両端から10%おきの位置を中心とする、50mm×50mmの測定用サンプルを9枚切り出す。
(b)前記測定用サンプルの前記幅方向を0°とし、前記測定用サンプルの幅方向と遅相軸とがなす鋭角の角度を遅相軸角度として測定する。
(c)9枚の測定用サンプルのうち、前記(b)で測定した遅相軸角度の最大値と最小値の差を求める。
(2)前記ポリプロピレンフィルムロールの両端位置、中央位置、及び中央位置から両端位置に向かって50mm間隔の位置で、それぞれ、円周長を測定した場合に、円周長の平均値Xaveに対する、円周長の最大値Xmaxと最小値Xminの差(Xmax-Xmin)の割合ΔXが、0.2%以下である。
項2. 前記ポリプロピレンフィルムは、応力25MPa時の長手方向の歪み率(ε1)と幅方向の歪み率(ε2)と対角方向の歪み率(ε3)が、それぞれ、0.6%以上1.5%以下の範囲にある、項1に記載のポリプロピレンフィルムロール。
項3. 前記ポリプロピレンフィルムの巻取り長さが、10,000m以上である、項1または2に記載のポリプロピレンフィルムロール。
項4. 前記ポリプロピレンフィルムは、幅が200mm以上である、項1~3のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
項5. 前記ポリプロピレンフィルムは、厚みが6.0μm以下である、項1~4のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
項6. 前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属膜を積層して、コンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルムを製造するために用いられる、項1~5のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
項7. 項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロールの前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属膜が積層されてなる、金属化ポリプロピレンフィルムロール。
(1)下記(a)乃至(c)の手法により得られる、遅相軸角度の最大値と最小値の差が5°未満である。
(a)前記ポリプロピレンフィルムの幅方向全長を100%とした時、その両端から10%おきの位置を中心とする、50mm×50mmの測定用サンプルを9枚切り出す。
(b)前記測定用サンプルの前記幅方向を0°とし、前記測定用サンプルの幅方向と遅相軸とがなす鋭角の角度を遅相軸角度として測定する。
(c)9枚の測定用サンプルのうち、前記(b)で測定した遅相軸角度の最大値と最小値の差を求める。
(2)前記ポリプロピレンフィルムロールの両端位置、中央位置、及び中央位置から両端位置に向かって50mm間隔の位置で、それぞれ、円周長を測定した場合に、円周長の平均値Xaveに対する、円周長の最大値Xmaxと最小値Xminの差(Xmax-Xmin)の割合ΔXが、0.2%以下である。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムロールは、ポリプロピレンフィルムがコアに巻回されてなり、前記(1)及び(2)の物性を充足することを特徴としている。
ポリプロピレン樹脂は、前記の(1)及び(2)の物性を備えるポリプロピレンフィルムロールが得られる限り特に制限されず、ポリプロピレンフィルムを形成するために用いられ得るものを広く使用することができる。ポリプロピレン樹脂としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等のプロピレンホモポリマー;プロピレンとエチレンとのコポリマー;長鎖分岐ポリプロピレン;超高分子量ポリプロピレン等が挙げられ、好ましくはプロピレンホモポリマーが挙げられ、中でも耐熱性の観点からより好ましくはアイソタクチックポリプロピレンが挙げられ、さらに好ましくはオレフィン重合用触媒の存在下でポリプロピレンを単独重合して得られるアイソタクチックポリプロピレンが挙げられる。ポリプロピレン樹脂は、1種単独であってもよいし、また、2種以上の組み合わせであってもよい。
(直鎖ポリプロピレン樹脂A-1)
230℃におけるメルトフローレート(MFR)が4.0~10.0g/10minである直鎖ポリプロピレン樹脂。
(直鎖ポリプロピレン樹脂A-2)
重量平均分子量Mwが34万以下である直鎖ポリプロピレン樹脂。
(直鎖ポリプロピレン樹脂A-3)
分子量分布Mw/Mnが8.8以上である直鎖ポリプロピレン樹脂。
である直鎖ポリプロピレン樹脂。
(直鎖ポリプロピレン樹脂B-1)
230℃におけるメルトフローレート(MFR)が4.0g/10min未満である直鎖ポリプロピレン樹脂。
(直鎖ポリプロピレン樹脂B-2)
重量平均分子量Mwが34万超えである直鎖ポリプロピレン樹脂。
(直鎖ポリプロピレン樹脂B-3)
分子量分布Mw/Mnが8.8未満である直鎖ポリプロピレン樹脂。
ポリプロピレンフィルムは、更に、添加剤を含むことができる。「添加剤」とは、一般的に、ポリプロピレン樹脂に使用される添加剤であって、ポリプロピレンフィルムを得ることができる限り特に制限されない。添加剤には、例えば、酸化防止剤、塩素吸収剤や紫外線吸収剤等の必要な安定剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤、着色剤等が含まれる。ポリプロピレンフィルムを製造するためのポリプロピレン樹脂は、そのような添加剤を、ポリプロピレンフィルムに悪影響を与えない量で含むことができる。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムロールは、ポリプロピレンフィルムがコアに巻き回されてなる。コアは、円柱状又は円筒状であり、コアの円周方向に沿ってポリプロピレンフィルムが巻回されている。
ポリプロピレンフィルムロールの製造方法としては、以下に限定されないが、例えば次の工程1~5をこの順に含む製造方法が挙げられる。
(1)ポリプロピレン原料樹脂を含む樹脂組成物を加熱溶融する工程1
(2)前記加熱溶融された樹脂組成物を押し出す工程2
(3)前記押し出された樹脂組成物を冷却及び固化してキャスト原反シートを得る工程3
(4)前記キャスト原反シートを流れ方向及び幅方向に延伸して二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得る工程4
(5)二軸延伸ポリプロピレンフィルムを所定の幅に断裁(スリット)しながらポリプロピレンフィルムをコアに巻き取り、ポリプロピレンフィルムロールを得る工程5
以下、ポリプロピレンフィルムロールの製造方法の詳細について説明する。
ポリプロピレンフィルムに含まれ得るポリプロピレン原料樹脂は、一般的に公知の重合方法を用いて製造することができる。ポリプロピレン樹脂の製造方法は、製造されたポリプロピレン樹脂を用いて最終的にポリプロピレンフィルムが得られる限り、特に制限されない。そのような重合方法として、例えば、気相重合法、塊状重合法及びスラリー重合法を例示できる。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造するための延伸前のシートである「キャスト原反シート」は、例えば、上記のようにして製造したポリプロピレン原料樹脂を用いて、前記の工程1~3を経て製造することができる。
工程4において、前記キャスト原反シートを流れ方向及び幅方向に延伸することにより製造する。延伸は、縦及び横に二軸に配向させる二軸延伸が行われ、延伸方法としては同時又は逐次の二軸延伸方法が挙げられるが、逐次二軸延伸方法が好ましい。
本実施形態の所望の物性を備えさせ易いという観点から、縦延伸温度は、好ましくは135~147℃、より好ましくは137~147℃、さらに好ましくは140~145℃である。縦延伸倍率が、遅相軸角度に影響する理由としては、縦延伸直後の縦延伸フィルムは縦延伸温度の影響で可塑性を有しており、前記のテンター入口速度比で発生した張力が作用することで、ポリマー分子鎖の配向に影響を与えるためと考えられる。
本実施形態の所望の物性を備えさせ易いという観点から、縦延伸倍率は、好ましくは4.00~4.95倍、より好ましくは4~4.9倍、さらに好ましくは4.2~4.8倍である。縦延伸倍率が好ましい範囲であると、製膜時の横延伸工程でフィルム破断が抑制され生産性に優れる。また、得られたフィルムは機械強度が適度に高く、加工性に優れる。4.0倍を下回ると、力を付与した際の歪み率(伸長変化)が大きくなる傾向であり、加工機の張力でシワが発生し易くなる。一方、4.95倍を超えると、歪み率が小さいため、巻回時にフィルムロールへの追従性が悪く、不均一に空気を巻き込む傾向にある。そのため、巻き重なったフィルム間の空気層が大きい部位でフィルムが変形し、加工の際にシワ・タルミが特定部位で発生し易くなる。
本実施形態の所望の物性を備えさせ易いという観点から、横延伸温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは155℃以上165℃以下、さらに好ましくは155℃以上160℃未満、特に好ましくは155℃以上159℃以下である。なお、横延伸温度を上記の範囲とするためには、テンター温度を上記の範囲に設定すればよい。
<横延伸倍率>
本実施形態の所望の物性を備えさせ易いという観点から、横延伸倍率は、好ましくは7~11倍、より好ましくは8~11倍、さらに好ましくは9~11倍である。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの遅相軸角度は、流れ方向に延伸して得られた縦延伸フィルムに対するテンター入口速度の比(テンター入口速度比)の影響を受ける。本実施形態の所望の物性を備えさせ易いという観点から、テンター入口速度比(テンター入口速度/MDフィルム速度)は、好ましくは0.98以上1.014以下、より好ましくは1.00以上1.014以下、さらに好ましくは1.001以上1.013以下、さらに好ましくは1.002以上1.012以下、特に好ましくは1.003~1.010である。この比を1.014以下に調整することで、縦延伸フィルムの張力を撓まない程度に低く抑えることが可能であり、遅相軸角度の幅方向の変動幅(最大-最小)を好適に小さく抑えることができる。遅相軸角度へ影響する理由としては、テンター入口速度比で発生した張力が、縦延伸工程内の縦延伸フィルムへ伝搬することで、ポリマー分子鎖の配向に影響を与えるためだと考えられる。テンター入口速度比(テンター入口速度/縦延伸フィルム速度)を上げる(高くする)と、遅相軸角度の幅方向の変動幅(最大-最小)は大きく、前記比を下げる(低くする)と遅相軸角度の幅方向の変動幅(最大-最小)は小さくなる傾向にある。
工程5において、工程4で得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを所定の幅に断裁(スリット)しながら、ポリプロピレンフィルムをコアに巻き取り、ポリプロピレンフィルムロールを得る。例えば、図2の模式図に示すように、工程4の二軸延伸ポリプロピレンフィルムをロールに巻回して、断裁前フィルムロールを準備する。次に、断裁前フィルムロールからフィルムを巻き出し、巻出し方向にスリッター(スリット部)にて断裁し、断裁されたポリプロピレンフィルムをコアに巻き取り、ポリプロピレンフィルムロールを得る。工程5において、断裁後のポリプロピレンフィルムを巻回する際は、接圧ロールを備える巻き取り装置を用いて、ポリプロピレンフィルムに巻取面圧を付与しながら巻回する方式が採用できる。この時、断裁時の巻取張力及び巻取面圧、さらに、接圧ロールのゴム硬度は、それぞれ、前記の(1)及び(2)の物性に与える影響の大きいパラメータである。
本実施形態は、その一態様において、ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属膜を有する金属化ポリプロピレンフィルムロール、さらには、当該金属化ポリプロピレンフィルムロールから巻き出された金属化ポリプロピレンフィルムも提供する。以下、本実施形態の金属化ポリプロピレンフィルムロール及び金属化ポリプロピレンフィルムについて詳細に説明する。本実施形態の金属化ポリプロピレンフィルムを巻回して得られるコンデンサは、初期耐電圧性、高温高電圧下での長期耐用性に優れる。
好ましい。
本発明は、その一態様において、本実施形態の金属化ポリプロピレンフィルムを含むコンデンサを提供する。以下、本実施形態のコンデンサについて詳細に説明する。
[実施例1-1.キャスト原反シートの作製]
ポリプロピレンA1(PP樹脂A1)と、ポリプロピレンB1(PP樹脂B1)とを、A1:B1=66:34の質量比で押出機へ供給し、樹脂温度230℃で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を95℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させてキャスト原反シート(厚さ0.11mm)を作製した。PP樹脂A1は、Mw=32万、Mw/Mn=9.3、差(DM)=11.2(「差(DM)」とは、分子量の微分分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値からLog(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差)、メソペンタッド分率[mmmm]=95%、MFR=4.9g/10min、プライムポリマー製である。また、PP樹脂B1は、Mw=35万、Mw/Mn=7.7、差(DM)=7.2、メソペンタッド分率[mmmm]=96.5%、MFR=3.8g/10min、大韓油化製である。
得られたキャスト原反シートを140℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に4.5倍に延伸(縦延伸)し、直ちに室温に冷却した。流れ方向に延伸して得られた延伸フィルム(MDフィルム)を、その搬送速度に対し1.010倍のテンター入口速度で(テンター入口速度比1.010倍で)、当該延伸フィルムをテンターへ導いた。その後、横延伸温度160℃で幅方向に10倍に延伸した後、緩和、及び熱固定温度166℃を施し、幅5,000mm、厚み2.5μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムをテンター出口の引取ロールでテンター速度の1.15倍の速度で引取りながら、78,000m巻き取った断裁前フィルムロールを得た。
図2の模式図に示すように、得られた断裁前フィルムロールからフィルムを巻き出し、幅方向にスリッターにて断裁した。断裁後のポリプロピレンフィルムを巻回する際は、繊維強化プラスチック製のコアを使用し、接圧ロールを備える巻き取り装置を用いて、ポリプロピレンフィルムに面圧を付与しながら巻回する方式を採用した。断裁条件は、速度300m/min、巻出張力40N/m、巻取張力50N/m、巻取面圧400N/mとし、接圧ロールはゴム製の外径152mm、表面硬度40°のものを使用し、幅820mm、長さ75,000mの二軸延伸ポリプロピレンロール(断裁後フィルムロール)を複数本仕上げた。幅820mmの複数本の断裁後フィルムロールのうち、断裁前のロールの幅方向で最も端の位置をスリットして得られたロールをロール1とした。また、幅820mmの複数本の断裁後フィルムロールのうち、断裁前のロールの幅方向の中心部分を含むロール(中心部分がスリットと重複する場合は、中心部分の両隣のいずれかのロール)を、ロール2とした。
<遅相軸角度の最大値と最小値の差の測定>
それぞれ、ロール1及びロール2の二軸延伸ポロプロピレンフィルムついて、それぞれ、以下の(a)乃至(c)の手法により、遅相軸角度の最大値と最小値との差を求めた。結果を表2に示す。
(a)ポリプロピレンフィルムの幅方向全長を100%とした時、その両端から10%おきの位置を中心とする、50mm×50mmの測定用サンプルを9枚切り出した。すなわち、幅820mmのロールであれば、各ロールの一端から、(820/9)mm、([820/9]×2)mm、([820/9]×3)mm、([820/9]×4)mm、([820/9]×5)mm、([820/9]×6)mm、([820/9]×7)mm、([820/9]×8)mm、([820/9]×9)mmの地点を中心とする50mm×50mmの測定用サンプルを合計9枚切り出した。
(b)次に測定用サンプルの前記幅方向を0°とし、前記測定用サンプルの幅方向と遅相軸とがなす鋭角の角度を遅相軸角度として測定した。測定装置及び測定条件は以下の通りである。
<測定装置、測定条件>
測定装置:大塚電子株式会社製レタデーション測定装置 RE-100
光源:レーザー発光ダイオード(LED)
バンドパスフィルター:550nm(測定波長)
測定間隔:0.1sec
積算回数:10time
測定点数:15point
ゲイン:10dB
測定環境:温度23℃、湿度60%
(c)9枚の測定用サンプルのうち、前記(b)で測定した遅相軸角度の最大値と最小値の差を求めた。
ロール1及びロール2について、それぞれ、両端位置、中央位置、及び中央位置から両端位置に向かって50mm間隔の位置で、それぞれ、円周長を測定した。測定には、JIS1級メジャーを使用した。次に、得られた円周長の平均値Xaveに対する、円周長の最大値Xmaxと最小値Xminの差(Xmax-Xmin)の割合ΔX((Xmax-Xmin)/Xave)を算出した。結果を表4に示す。
図1の模式図に示すように、得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムロールを、室温23℃、湿度60%の環境下、ロール トゥ ロールの巻出・巻取装置(NUINTEK製 NT-750)にセットし、巻出張力3N/m、速度2m/minの条件でポリプロピレンフィルムの巻き出しを開始し、1分後に、フィルムを巻き出しながら、剥離線の両端を結ぶ直線の中間点Pから、剥離線Sまでの最短距離ΔLを測定した。このとき、最短距離ΔLは、図1の模式図に示すように、ポリプロピレンフィルムの幅方向xに沿うようにして設けた基準線U(剥離線Sよりも巻き出し方向L側に存在する)について、ポリプロピレンフィルムの両端(端部x1,x2)と基準線Uとの距離(巻き出し方向Lにおける距離)と、基準線Uの幅方向xの中央位置から剥離線Sまでの最短距離とを測定して、間接的に最短距離ΔLを測定した。結果を表4に示す。
ロール1及びロール2から巻きだした二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを、マイクロメーター(JIS-B7502)を用いて、JIS-C2330に準拠して測定した。結果を表1に示す。
上記実施例1及び下記実施例2~14で得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの灰分を測定した。フィルム約200gを秤量し、白金皿へ移して800℃にて40分間で灰化した。得られた灰分残渣から灰分の割合(ppm)を測定した。結果はいずれの実施例のポリプロピレンフィルムも、灰分は20ppmであった。
引張圧縮試験機(ミネベア株式会社製)を用いて、試験条件(測定温度23℃、試験片長140mm、試験長100mm、試験片幅15mm、引張速度100mm/分)で引張試験を行った。引張試験は、MD,TD,対角(45°)の三方向について行った。次いで、同試験機に内蔵されたデータ処理ソフトにより、25MPa時の歪み率ε1(MD)、ε2(TD)、及びε3(対角)を求めた。結果を表3に示す。
次いで得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムロールを用いて、以下の通りコンデンサを作製した。株式会社ULVAC社製真空蒸着機を用いて二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、Tマージン蒸着パターンを蒸着抵抗15Ω/□にてアルミニウム蒸着を施すことにより、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に金属膜を含む金属化フィルムを得た。60mm幅にスリットした後に、2枚の金属化フィルムを相合わせて、株式会社皆藤製作所製、自動巻取機3KAW-N2型を用い、巻き取り張力250gにて、1076ターン巻回を行った。素子巻きした素子は、プレスしながら120℃にて15時間熱処理を施した後、素子端面に亜鉛金属を溶射し、扁平型コンデンサを得た。扁平型コンデンサの端面にリード線をはんだ付けし、その後エポキシ樹脂で封止した。
<蒸着膜ムラ評価>
前記[実施例1-4.コンデンサの作製]のスリット前金属化フィルムについて、スリット前金属化フィルムからロール1周分の全幅フィルムを1枚剥がし取った後、剥がし取った全幅フィルムのロール幅方向中央部から100mm角のフィルム片を切り出した。切り出したフィルム片を、10mm角の100箇所の領域に分割し、100箇所の各領域の中央部について、印字濃度測定機(X-Rite社製938型)を用いて、それぞれ色彩値(L*値、a*値、b*値)を測定した。なお、測定径は8mmのものを使用した。L*値、a*値、b*値のそれぞれについて、100箇所の最大値、最小値、および100箇所の平均値から、以下の式を用いてばらつきを求めた。L*値、a*値、b*値のばらつきのうち、最もばらつきが大きいものについて、以下のようにA~Cの3段階で評価した。結果を表5に示す。
L*値のばらつき(%)=(L*最大値-L*最小値)/100箇所のL*平均値×100
a*値のばらつき(%)=(a*最大値-a*最小値)/100箇所のa*平均値×100
b*値のばらつき(%)=(b*最大値-b*最小値)/100箇所のb*平均値×100
A:L*値、a*値、b*値のばらつきのうち最も大きいものが5%未満
B:L*値、a*値、b*値のばらつきのうち最も大きいものが5%以上、10%未満
C:L*値、a*値、b*値のばらつきのうち最も大きいものが10%以上、20%未満
D:L*値、a*値、b*値のばらつきのうち最も大きいものが20%以上
前記[実施例1-4.コンデンサの作製]において、工程搬送中のフィルムを目視確認し、シワが発生したものは全て不合格とした。また、巻きズレについては、コンデンサ素子の端面から観察したときに、0.2mm以上のズレが発生しているものを不合格とした。100個の素子を作成し、合格となったコンデンサ素子の個数割合を素子歩留率として算出し、以下の基準を与えて評価した。結果を表5に示す。
A:100%
B:90%以上、100%未満
C:80%以上、90%未満
D:80%未満
前記[実施例1-4.コンデンサの作製]で得られたコンデンサの試験前の初期静電容量(C0)を、日置電機株式会社製LCRハイテスター3522-50を用いて測定した。次に、コンデンサに450 V/μmの直流電圧を10秒印加した。電圧印加後のコンデンサの静電容量(C1)を同様に測定し、試験前後の容量変化率を、次の式により算出した。
A:全ての素子が、-0.5%以上
B:全ての素子が、-0.5%未満、-1%以上
C:1個以上の素子が、-1%未満
<静電容量の変化率ΔC>
前記[実施例1-4.コンデンサの作製]で得られたコンデンサ素子の試験前の初期静電容量(C0)を、日置電機株式会社製LCRハイテスター3522-50にて測定した。次に、105℃の高温槽中にて、コンデンサに直流300V/μmの単位厚み当たりの電圧を500時間負荷し続けた。500時間経過後の素子の容量(C500)をLCRハイテスターで測定し、電圧負荷前後の容量変化率(ΔC)を算出た。ここで、当該容量変化率とは、次の式により算出される。
A+:-0.5%以上
A:-0.5%未満、-1%以上
B:-1%未満、-5%以上
C:-5%未満、-10%以上
D:-10%未満
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.007倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した(表1)。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.005倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.012倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸倍率4.0倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸倍率4.9倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、フィルム厚みを2.3μmにしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、フィルム厚みを2.0μmにしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.005倍にしたこと以外は、実施例8と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.012倍にしたこと以外は、実施例8と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、フィルム厚みを2.8μmにしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度145℃、テンター入口速度比1.014倍にしたこと以外は、実施例11と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、断裁後のロール幅を620mmにしたこと以外は、実施例10と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.001倍にしたこと以外は、実施例8と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.020倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度150℃にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸倍率3.7倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸倍率5.2倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度150℃、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度150℃、テンター入口速度比1.007倍にしたこと以外は、実施例1と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例7と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例8と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度150℃にしたこと以外は、比較例9と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例11と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、縦延伸温度150℃、テンター入口速度比1.020倍にしたこと以外は、比較例11と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの作製において、テンター入口速度比1.015倍にしたこと以外は、実施例13と同様にフィルムロールを仕上げ、コンデンサを作製した。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びコンデンサ素子について、それぞれ、実施例1と同様に評価した。結果を表2~5に示す。
2 コア
10 ポリプロピレンフィルムロール
x1 剥離線の一方の端部
x2 剥離線の他方の端部
L 巻き出し方向
M 円周方向
ΔL 剥離線の両端を結ぶ直線の中間点から、剥離線までの最短距離
P 剥離線の両端を結ぶ直線の中間点
Q 中間点Pから剥離線までの最短点
S 剥離線
T 剥離線の両端を結ぶ直線
U 基準線
Claims (7)
- ポリプロピレンフィルムがコアに巻き回されてなるポリプロピレンフィルムロールであって、
前記ポリプロピレンフィルムは、厚みが0.5μm以上6.0μm以下、幅が600mm以上1200mm以下であり、
下記(1)及び(2)の物性を充足する、ポリプロピレンフィルムロール。
(1)下記(a)乃至(c)の手法により得られる、遅相軸角度の最大値と最小値の差が5°未満である。
(a)前記ポリプロピレンフィルムの幅方向全長を100%とした時、その両端から10%おきの位置を中心とする、50mm×50mmの測定用サンプルを9枚切り出す。
(b)前記測定用サンプルの前記幅方向を0°とし、前記測定用サンプルの幅方向と遅相軸とがなす鋭角の角度を遅相軸角度として測定する。
(c)9枚の測定用サンプルのうち、前記(b)で測定した遅相軸角度の最大値と最小値の差を求める。
(2)前記ポリプロピレンフィルムロールの両端位置、中央位置、及び中央位置から両端位置に向かって50mm間隔の位置で、それぞれ、円周長を測定した場合に、円周長の平均値Xaveに対する、円周長の最大値Xmaxと最小値Xminの差(Xmax-Xmin)の割合ΔXが、0.2%以下であり、
前記ポリプロピレンフィルムの巻取り長さが、10,000m以上である。 - 前記ポリプロピレンフィルムは、応力25MPa時の長手方向の歪み率(ε1)と幅方向の歪み率(ε2)と対角方向の歪み率(ε3)が、それぞれ、0.6%以上1.5%以下の範囲にある、請求項1に記載のポリプロピレンフィルムロール。
- 前記ポリプロピレンフィルムの巻取り長さが、30,000m以上である、請求項1または2に記載のポリプロピレンフィルムロール。
- 前記ポリプロピレンフィルムは、幅が600mm以上1000mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
- 前記ポリプロピレンフィルムは、厚みが4.0μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
- 前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属膜を積層して、コンデンサ用金属化ポリプロピレンフィルムを製造するために用いられる、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロール。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレンフィルムロールの前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属膜が積層されてなる、金属化ポリプロピレンフィルムロール。
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