JP7670286B2 - 情報処理システム、特定システムおよびプログラム - Google Patents
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<第1の実施形態>
図1は、状態特定システム1の全体構成例を示した図である。
情報処理システムの一例としての状態特定システム1は、生体の状態を特定するシステムである。生体としては、例えば、動物、植物、および微生物などが挙げられる。動物としては、例えば、陸生動物や水生動物などが挙げられる。また、動物には、人間も含まれる。また、植物には、農作物も含まれる。
サーバ装置10は、生体分子の物理量が示された情報を取得する。生体分子としては、例えば、タンパク質、アミノ酸、ペプチドなどが挙げられる。また、生体分子の物理量としては、生体分子の物質量、生体分子の分子量、生体分子の等電点、生体分子の電荷量などが挙げられる。等電点とは、電離後の生体分子の電荷の平均が0になるpHである。また、生体分子の物理量が示された情報には、例えば、生体分子の物理量の分布が示された情報も含まれる。なお、生体分子の物理量が示された情報を、以下では、分子情報と称することがある。また、対象生体の生体分子の物理量が示された情報を、以下では、対象分子情報と称することがある。また、比較生体の生体分子の物理量が示された情報を、以下では、比較分子情報と称することがある。
アミノ酸としては、例えば、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン等が挙げられる。アミノ酸は、血液や唾液などの体液に含まれるアミノ酸であってもよい。また、アミノ酸は、血清に含まれるアミノ酸であってもよい。また、アミノ酸は、生体の一部に含まれるアミノ酸であってもよい。すなわち、アミノ酸は、生体の成分に含まれるものであればよい。また、アミノ酸は、上述した何れの例とも異なるアミノ酸であってもよい。
また、サーバ装置10は、複数の対象分子情報を取得する。この複数の対象分子情報は、一の対象生体についてそれぞれ異なる時点の生体分子が示された分子情報である。
また、2次元電気泳動像には、生体分子の物質量の分布を示す情報が含まれる。すなわち、生体分子の分布には、生体分子の分子量の分布、生体分子の等電点の分布、生体分子の存在の分布、生体分子の物質量の分布が含まれる。2次元電気泳動像において生体分子の物質量を示す情報は、例えば、生体分子を示す画像の濃淡によって表示されてもよい。一例を挙げると、2次元電気泳動像において生体分子を示す画像の濃度が高いほど、生体分子の物質量が多いことを示してもよい。
また、ユーザは、生体分子解析装置20を用いて、比較生体ごとに、生体分子を含む比較生体の成分が得られた時点がそれぞれ異なる複数の比較分布情報を作成する。これにより、個々状態であった複数の時点での生体分子がそれぞれ示された複数の比較分布情報が、比較生体ごとに作成される。
また、ユーザは、生体分子解析装置20を用いて、複数の時点で得られた対象生体の成分を解析して、この成分に含まれる各生体分子の分布が示された複数の時点ごとの対象分布情報をそれぞれ作成する。この複数の時点は、状態特定システム1が対象生体の状態を特定する対象の時点である。
端末30は、例えば、コンピュータ、タブレット型情報端末、その他の情報処理装置により実現される。端末30は、例えば、スマートフォンであってもよい。すなわち、端末30は、何れの種類の端末であってもよい。
図2は、サーバ装置10および端末30のハードウェア構成例を示した図である。
図2に示すように、サーバ装置10および端末30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)10aと、主記憶手段であるメモリ10cとを備える。また、各装置は、外部デバイスとして、不揮発性記録デバイス10g、ネットワークインターフェイス10f、表示機構10d、音声機構10h、キーボードやマウス等の入力デバイス10i等を備える。
次に、サーバ装置10の機能構成について説明する。
図3は、サーバ装置10の機能構成例を示した図である。
サーバ装置10は、情報取得部101と、記憶部102と、領域識別部103と、区画部104と、物質量特定部105と、統計部106と、検出部107と、対象決定部108と、状態特定部109と、出力部110とを備える。
状態特定システム1のユーザは、比較分布情報に対応する個々状態情報を、比較分布情報ごとに端末30に入力する。比較分布情報に対応する個々状態情報とは、個々状態のうちの、比較分布情報に示された生体分子が得られた時点における状態を示す情報である。また、ユーザは、複数の比較分布情報に対応する包括状態情報を端末30に入力する。複数の比較分布情報に対応する包括状態情報とは、複数の比較分布情報に示された生体分子が得られた複数の時点を含む期間における包括状態を示す情報である。
本実施形態では、上述の通り、包括状態および個々状態が互いに同じである複数の比較生体について、個々状態であった時点ごとの比較分子情報が作成される。そのため、それぞれ異なる比較生体に係る比較分布情報であっても、これらの比較分子情報には、同一の内容の個々状態を示す個々状態情報や、同一の内容の包括状態を示す包括状態情報が関連付けられる。なお、情報取得部101は、分子情報を取得する分子情報取得手段としても捉えられる。
分布情報において生体分子が存在する領域の領域識別部103による識別の手法の一例を説明する。領域識別部103は、分布情報において生体分子が示された画像を検出するとともに、検出した画像が示された座標を特定することにより、生体分子が存在する領域を識別する。
分布情報において複数の生体分子が存在する場合、領域識別部103は、存在する生体分子ごとに、生体分子が存在する領域を識別する。また、領域識別部103は、分布情報ごとに、生体分子が存在する領域を識別する。領域識別部103は、対象の分布情報において生体分子が存在する領域を識別すると、識別した領域を示す領域情報を、対象の分布情報に関連付ける。
区画部104は、対象分布情報および比較分子情報の何れも、領域を区画する対象にする。
物質量特定部105は、対象分布情報および比較分子情報の何れも、生体分子の物質量を特定する対象にする。
統計部106は、記憶部102に記憶されている比較分布情報のうちの、同一の個々状態情報が関連付けられた比較分布情報を抽出する。そして、統計部106は、抽出した比較分布情報の各々において区画領域に含まれる生体分子の物質量の統計を、区画領域ごとに算出する。より具体的には、統計部106は、抽出した比較分布情報の各々において座標が同一である区画領域に含まれる生体分子の物質量の統計を、この区画領域に関連付けられた物質量情報に基づいて算出する。また、統計部106は、同一の個々状態情報が関連付けられた比較分布情報ごとに、生体分子の物質量の統計を算出する。これにより、個々状態ごとに、生体分子の物質量の統計が算出される。
また、統計部106は、一の包括状態に包括された個々状態ごとに生体分子の物質量の統計を算出すると、算出した各統計を、それぞれ対応する個々状態情報に関連付ける。これにより、統計部106に算出された統計を示す情報が個々状態ごとに作成される。個々状態ごとの統計部106に算出された統計を示す情報を、以下では、統計情報と称することがある。統計部106は、作成した統計情報を、この統計情報の対象である区画領域を識別する区画領域情報に関連付けて、記憶部102に記憶させる。
なお、統計情報は、統計された生体分子の物質量が示された情報である。そのため、統計情報も、広義には、分子情報として捉えられる。
検出部107は、二つの対象分布情報に係る物質量情報に基づいて、この二つの対象分布情報に示された生体分子の物質量を比較する。この二つの対象分布情報は、対象生体から異なる時点に得られた生体分子がそれぞれ示された分布情報である。なお、比較の対象である二つの対象分布情報のうちの、得られた時点が早い生体分子が示された対象分布情報を、以下では、前期分布情報と称することがある。また、比較の対象である二つの対象分布情報のうちの、得られた時点が遅い生体分子が示された対象分布情報を、以下では、後期分布情報と称することがある。また、比較の対象になる対象生体分子は、二つの対象分布情報において座標が同一である区画領域に含まれる生体分子である。
なお、複数の区画領域において生体分子が変化条件を満たす場合、検出部107は、この複数の区画領域における生体分子を何れも検出する。
対象決定部108は、検出分子が示された区画領域と座標が同一である区画領域を対象とする統計情報を、検出分子と比較する対象の統計情報に決定する。対象決定部108は、統計情報に関連付けられた区画領域情報を参照し、検出分子が示された区画領域と座標が同一である区画領域を対象とする統計情報を抽出する。また、複数の区画領域において検出分子が検出されている場合、対象決定部108は、検出分子ごとに、比較の対象にする統計情報を決定する。なお、検出分子との比較の対象として対象決定部108に決定された統計情報を、以下では、比較統計情報と称することがある。
状態特定部109は、比較統計情報に示された生体分子のうちの、同一類似条件を満たす生体分子を抽出する。同一類似条件は、検出分子についての検出値が示す生体分子の物質量の変化と同一または類似する生体分子の変化を特定するために定められた条件である。本実施形態では、比較統計情報に示された生体分子の物質量の変化と、検出値が示す生体分子の物質量の変化と、が同一または類似であることが、同一類似条件として定められている。また、同一類似条件の一例としては、比較統計情報に示された生体分子の物質量の変化と検出値との差が予め定められた値以下であることが挙げられる。状態特定部109は、同一類似条件を満たす比較統計情報に関連付けられた包括状態を、対象生体の状態として特定する。同一類似条件を満たす比較統計情報とは、同一類似条件を満たす生体分子が示された比較統計情報である。
次に、記憶部102に記憶されている情報の内容について説明する。
図4(A)および図4(B)は、生体情報管理テーブルの一例を示した図である。生体情報管理テーブルは、比較生体に関する情報を管理するためのテーブルである。この生体情報管理テーブルは、生体の種類ごとに設けられている。図4(A)には、動物の一種である「人間」の生体情報管理テーブルが示されており、図4(B)には、農作物の一種である「バナナ」の生体情報管理テーブルが示されている。
また、「日時」には、日時情報が示されている。
また、「分布」には、比較分布情報が示されている。より具体的には、「分布」には、分布情報から特定される生体分子の物理量の分布が、生体分子ごとに示されている。
「健康状態」には、比較生体の健康の状態が示されている。また、「肉体状態」には、比較生体の肉体の状態が示されている。また、「脳状態」には、比較生体の脳の状態が示されている。また、「美容状態」には、比較生体の美容の状態が示されている。「個々状態」には、比較生体の生育の状態が示されてもよい。
また、「包括状態」には、包括状態情報が示されている。
例えば、生体「A」の比較分布情報には、「包括状態」である「インフルエンザ」が関連付けられるとともに、「感染」や「発熱」等の「健康状態」が関連付けられている。「インフルエンザ」は、比較生体がインフルエンザである状態である。また、「感染」は、比較生体がインフルエンザウイルスに感染した状態である。また、「発熱」は、比較生体が発熱した状態である。
また、例えば、生体「H」の比較分布情報には、「包括状態」である「抗がん剤効果あり」が関連付けられるとともに、「抗がん剤摂取」や「倦怠感」等の「健康状態」が関連付けられている。「抗がん剤効果あり」は、比較生体が抗がん剤を摂取したことによる効果がある状態である。また、「抗がん剤摂取」は、比較生体が抗がん剤を摂取した状態である。また、「倦怠感」は、比較生体が倦怠感を有した状態である。
また、例えば、生体「I」の比較分布情報には、「包括状態」である「抗がん剤効果なし」が関連付けられるとともに、「抗がん剤摂取」や「頭痛」等の「健康状態」が関連付けられている。「抗がん剤効果なし」は、比較生体が抗がん剤を摂取したことによる効果がない状態である。また、「頭痛」は、比較生体が頭痛を有した状態である。
また、例えば、生体「J」の比較分布情報には、「包括状態」である「トレーニング効果なし」が関連付けられるとともに、「トレーニング実施」や「疲労感」等の「肉体状態」が関連付けられている。「トレーニング効果なし」は、比較生体がトレーニングを実施したことによる効果がない状態である。また、「疲労感」は、比較生体が疲労感を有する状態である。
また、例えば、生体「K」の比較分布情報には、「包括状態」である「記憶力向上」が関連付けられるとともに、「8時間睡眠」等の「肉体状態」や「3時間学習」等の「脳状態」が関連付けられている。「記憶力向上」は、比較生体の記憶力が向上した状態である。また、「8時間睡眠」は、比較生体が8時間睡眠した状態である。また、「3時間学習」は、比較生体が3時間学習した状態である。
また、例えば、生体「L」の比較分布情報には、「包括状態」である「記憶力低下」が関連付けられるとともに、「4時間睡眠」等の「肉体状態」や「3時間学習」等の「脳状態」が関連付けられている。「記憶力低下」は、比較生体の記憶力が低下した状態である。また、「4時間睡眠」は、比較生体が4時間睡眠した状態である。
また、例えば、生体「M」の比較分布情報には、「包括状態」である「肌年齢25歳」が関連付けられるとともに、「スキンクリームB使用」等の「美容状態」が関連付けられている。「肌年齢25歳」は、比較生体の肌年齢が25歳であると特定された状態である。また、「スキンクリームB使用」は、比較生体が「スキンクリームB」を使用した状態である。
また、「日時」には、日時情報が示されている。
また「分布」には、図4(A)の例と同じように、比較分布情報が示されている。
また、「個々状態」には、個々状態情報が示されている。本実施形態では、「個々状態」として、「品質状態」が示されている。「品質状態」は、比較生体の品質の状態である。
また、「包括状態」には、包括状態情報が示されている。
生体「X」の比較分布情報には、「包括状態」である「品質良」が関連付けられるとともに、「糖度20度」等の「品質状態」が関連付けられている。「品質良」は、比較生体の品質が良いと特定された状態である。また、「糖度20度」は、比較生体の糖度が20度として特定された状態である。
また、生体「Y」の比較分布情報には、「包括状態」である「品質悪」が関連付けられるとともに、「糖度10度」等の「品質状態」が関連付けられている。「品質悪」は、比較生体の品質が悪いと特定された状態である。また、「糖度10度」は、比較生体の糖度が10度として特定された状態である。
なお、図4(A)、(B)では記載が省略されているが、記憶部102には、比較生体の種類ごとに、生体情報管理テーブルが設けられている。
次に、統計作成処理の流れについて、統計情報が作成されるまでの一例を参照しながら説明する。統計作成処理は、サーバ装置10が統計情報を作成する処理である。本実施形態では、状態特定システム1のユーザが、一の包括状態を指定して統計作成処理の実行をサーバ装置10に指示すると、統計作成処理が開始される。なお、ユーザに指定された一の包括状態を、以下では、指定状態と称することがある。また、以下では、指定状態が「インフルエンザ」である場合について説明する。
図5は、統計作成処理の流れを示したフローチャートである。また、図6および図7は、統計情報が作成されるまでの一例を示した図である。
次に、サーバ装置10は、指定状態を示す包括状態情報が関連付けられた比較分布情報のうちの一つを指定する(S102)。ステップ102においてサーバ装置10に指定される比較分布情報は、指定生体の生体分子が示された比較分布情報である。また、ステップ102においてサーバ装置10に指定された比較分布情報を、以下では、指定分布情報と称することがある。
なお、図示の例では、分布情報において各生体分子が離間しているが、分布情報においては、複数の生体分子が隣接していてもよい。
区画部104は、指定分布情報において領域識別部103に識別された領域を区画する(S104)。
本例では、ステップ104において、区画部104は、指定分布情報において生体分子が示された領域を、図6(B)に示すように、領域1乃至領域20からなる二十の領域に区画する。図6(B)に示す例では、一の生体分子が、領域1乃至領域5からなる五つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域6からなる一つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域7からなる一つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域8乃至領域13からなる六つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域14および領域15からなる二つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域16乃至領域19からなる四つの領域に区画されている。また、一の生体分子が、領域20からなる一つの領域に区画されている。
本例では、ステップ105において、物質量特定部105は、図6(C)に示すように、区画領域に含まれる生体分子の物質量を特定する。図6(C)は、生体分子が得られた時点を図中横軸とし、生体分子の物質量を図中縦軸とした場合において、区画領域である領域20に存在する生体分子を示した図である。図6(C)において、「●」の記号は、生体「A」の生体分子を意味する。また、図6(C)に示された生体分子には、個々状態の一つである「感染」が関連付けられている。この「感染」は、図6(C)にて特定された生体「A」の生体分子が示された比較分布情報に関連付けられた個々状態(図4(A)参照)の一つである。なお、図6(C)の例では、領域20における生体分子のみが示されているが、ステップ105においては、領域1乃至領域20の各々の領域、すなわち指定分布情報における全ての区画領域について、生体分子の物質量が特定される。
指定状態を示す包括状態情報が関連付けられた比較分布情報の何れかについて生体分子の物質量が特定されていない場合(S106にてNO)、サーバ装置10は、物質量が特定されていない比較分布情報の一つを、新たに指定する(S102)。この後、ステップ103以降の処理が行われる。
なお、図6(D)の例では、領域20における生体分子のみが示されているが、ステップ102乃至ステップ106が繰り返されることにより、全ての区画領域における生体分子の物質量が特定される。
指定状態であった比較生体の何れかについては比較分布情報における生体分子の物質量が特定されていない場合(S107にてNO)、サーバ装置10は、比較分布情報における生体分子の物質量が特定されていない一の比較生体を新たに指定する(S101)。この後、ステップ102以降の処理が行われる。
本例では、統計部106が、個々状態のうちの同一の状態が関連付けられた生体「A」、生体「B」、および生体「C」の生体分子の物質量の統計を、個々状態ごとに算出することで、図7(F)に示す統計情報が作成される。図7(F)には、領域20における生体分子の物質量の統計が示されている。この統計情報には、個々状態ごとに、生体「A」、生体「B」、および生体「C」の各々の生体分子の物質量の統計が示されている。
次に、状態特定処理の流れについて、状態特定処理により特定された状態に関する情報が端末30に出力されるまでの一例を参照しながら説明する。状態特定処理は、サーバ装置10が対象生体の状態を特定する処理である。本実施形態では、状態特定システム1のユーザが、状態特定処理に用いられる対象分布情報を指定して状態特定処理の実行をサーバ装置10に指示すると、状態特定処理が開始される。なお、状態特定処理に用いられる対象分布情報としてユーザに指定された対象分布情報を、以下では、使用分布情報と称することがある。
なお、以下では、対象生体が生体「D」であり、且つ、図9(A)に示す二つの対象分布情報が使用分布情報である例について説明する。図9(A)には、使用分布情報として、生体「D」についての前期分布情報および後期分布情報が示されている。この前期分布情報および後期分布情報には、それぞれ、図6(A)に示した分布情報と同じように、互いに異なる七つの生体分子の分布が示されている。また、生体「D」は、例えば、人間である。
区画部104は、領域識別部103に識別された領域を、使用分布情報ごとに区画する(S202)。
本例では、ステップ202において、区画部104は、前期分布情報および後期分布情報において生体分子が示された領域を、図9(B)に示すように、領域1乃至領域20からなる二十の領域に区画する。すなわち、区画部104は、使用分布情報において生体分子が示された領域を、比較分布情報に対して行った区画(図6(B)参照)と同じように区画する。
本例では、図9(C)に示す、領域14、領域15、および領域20において、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量から変化している。より具体的には、領域14においては、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量よりも増加している。また、領域15および領域20においては、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量よりも減少している。そして、この領域14、領域15、および領域20にそれぞれ含まれる生体分子が、何れも、変化条件を満たすものとして検出部107に検出される。
本例では、対象決定部108は、領域20を対象とする統計情報の各々を、生体「D」について領域20に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。この比較統計情報には、図10(D)に示すように、包括状態である「インフルエンザ」が関連付けられ領域20を対象とする統計情報も含まれる。また、図示を省略するが、対象決定部108は、領域15を対象とする統計情報の各々を、生体「D」について領域15に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。さらに、対象決定部108は、領域14を対象とする統計情報の各々を、生体「D」について領域14に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。
本例では、状態特定部109は、図10(E)に示すように、二つの比較統計情報にそれぞれ示された生体分子が、何れも、生体「D」についての領域20に含まれる検出分子に対して同一類似条件を満たすと判定する。この二つの比較統計情報のうちの一方は、包括状態である「インフルエンザ」が関連付けられ領域20を対象とする比較統計情報である。この比較統計情報の図中破線箇所Aには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の減少が示されており、この箇所Aに示された生体分子が、生体「D」についての領域20に含まれる検出分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。なお、「インフルエンザ」が関連付けられ領域20を対象とするこの比較統計情報は、図7(F)に示した統計情報である。また、二つの比較統計情報のうちのもう一方は、包括状態である「COVID(Corona Virus Disease)-19」が関連付けられ領域20を対象とする比較統計情報である。この比較統計情報の図中破線箇所Bにもまた、時間の経過に伴う生体分子の物質量の減少が示されており、この箇所Bに示された生体分子が、生体「D」についての領域20に含まれる検出分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。
本例では、状態特定部109は、図11(F)に示すように、生体「D」についての領域14に示された検出分子と、「インフルエンザ」が関連付けられ領域14を対象とする比較統計情報に示された生体分子とを比較する。また、状態特定部109は、生体「D」についての領域14に示された検出分子と、「COVID-19」が関連付けられ領域14を対象とする比較統計情報に示された生体分子とを比較する。さらに、状態特定部109は、生体「D」についての領域15に示された検出分子と、「インフルエンザ」が関連付けられ領域15を対象とする比較統計情報に示された生体分子とを比較する。また、状態特定部109は、生体「D」についての領域15に示された検出分子と、「COVID-19」が関連付けられ領域15を対象とする比較統計情報に示された生体分子とを比較する。
一方で、「COVID-19」が関連付けられ領域14を対象とする比較統計情報には、時間が経過しても生体分子の物質量が変化しないことが示されている。そして、この生体分子は、生体「D」についての領域14に示された検出分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。また、「COVID-19」が関連付けられ領域15を対象とする比較統計情報には、時間が経過しても生体分子の物質量が変化しないことが示されている。そのため、この生体分子もまた、生体「D」についての領域15に示された検出分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。
この場合、状態特定部109は、「インフルエンザ」が関連付けられている統計情報に示された生体分子を、同一類似条件を満たす生体分子として抽出する。なお、同一類似条件を満たすものとして状態特定部109に抽出された生体分子が示された比較統計情報を、以下では、抽出統計情報と称することがある。
本例では、状態特定部109は、抽出統計情報に関連付けられている包括状態である「インフルエンザ」を、生体「D」の状態に特定する。
図11(G)に示すように、生体「D」についての領域7においては、前期分布情報に示された生体分子の物質量と、後期分布情報に示された生体分子の物質量とで、変化がない。また、「インフルエンザ」が関連付けられ領域7を対象とする比較統計情報においても、時間の経過に伴う生体分子の物質量の変化はない。一方で、「COVID-19」が関連付けられ領域7を対象とする比較統計情報の図中破線箇所Eには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の増加が示されている。そのため、生体「D」について、領域20における生体分子が図10(E)の箇所Bの変化を示し、領域7における生体分子が図11(G)の箇所Eの変化を示す場合、状態特定部109は、生体「D」の状態を「COVID-19」に特定する。
本例では、出力部110は、図12に示すように、端末30の表示部31に、状態通知画面40を表示させる。状態通知画面40は、特定状態をユーザに通知するための画面である。状態通知画面40には、生体識別部41と、状態通知部42と、時期通知部43と、将来状態通知部44とが表示されている。
なお、以下では、状態通知画面40が表示された日にちは、後期分布情報に示された生体分子が得られた日にちと同一であるものとする。
状態通知部42には、特定状態が示されている。図示の例では、状態通知部42には、「現在の状態」のテキスト、および、特定状態である「インフルエンザ」のテキストが示されている。
本例では、図7(F)に示す抽出統計情報において、同一類似条件を満たす生体分子、すなわち、図中破線箇所Aに示した生体分子が得られた時点は、個々状態のうちの一つである「1日」の時点である。また、比較生体が「インフルエンザ」になった時点は、個々状態のうちの一つである「感染」が関連付けられた生体分子が得られた時点であり、「1日」の時点の1日前である。そのため、状態特定部109は、対象生体が特定状態になった時期を、時期通知部43に表示された「1日前」に特定する。
本例では、図7(F)に示す統計情報において、将来状態である「発熱」および「平熱」が関連付けられた時点は、「2日目」および「6日目」であり、同一類似条件を満たす生体分子が得られた時点の1日後および5日後である。そのため、状態特定部109は、対象生体が将来状態である「発熱」および「平熱」になる時期を、将来状態通知部44に表示された「1日後」および「5日後」に特定する。
この場合、一の生体分子のみならず、複数の生体分子を用いて対象生体の状態を特定することができる。また、特定された対象生体の状態を踏まえて、この対象生体の状態を改善する方法が決定されてもよい。すなわち、対象生体への関わり方を決定するために、対象生体の状態の特定結果が用いられてもよい。
ここで、対象生体について特定する対象の状態に応じて、対象生体から何れの生体分子を採取するかを予め決定しておき、決定した生体分子のみを用いて、対象生体の状態を特定する手法も考えられる。しかしながら、この場合、決定した生体分子とは異なる他の生体分子が時間の経過に伴い変化した場合であっても、他の生体分子に応じて対象生体の状態を特定することができない。
そこで、本実施形態では、対象生体から得られた成分に含まれる全ての生体分子を用いて、対象生体の状態を特定している。
ここで、機能が既知である生体分子のみを用いて、対象生体の状態を特定する手法も考えられる。しかしながら、この場合、機能が既知である生体分子の何れも変化条件を満たさない場合には、対象生体の状態を特定できない。そこで、本実施形態では、機能が既知である生体分子のみならず、機能が未知である生体分子も用いて、対象生体の状態を特定している。
この場合、一の生体分子のみならず、複数の生体分子を用いて対象生体の状態に関する情報を出力することができる。
この場合、生体分子の全体としては、生体分子の変化について定められた条件を満たさない場合であっても、対象生体の状態を特定することができる。
この場合、複数の生体分子に応じて対象生体の状態を特定することができる。
この場合、変化条件を満たす生体分子の対象の物理量に応じて、対象生体の状態を特定することができる。
この場合、単一の生体分子における特定の対象が変化条件を満たすことのみに応じて対象生体の状態を特定する構成に比べて、対象生体の状態を特定する精度を向上させることができる。
この場合、第1生体分子における物理量の変化の傾向と、第2生体分子における物理量の変化の傾向とが異なる場合であっても、対象生体の状態を特定することができる。
この場合、第1状態と、第2状態とで、共通の生体分子が生体分子の変化について定められた条件を満たす場合であっても、対象生体の状態を特定することができる。
この場合、一の生体分子における一の部分が変化条件を満たすことのみに応じて対象生体の状態を特定する構成に比べて、対象生体の状態を特定する精度を向上させることができる。
この場合、第1部分における物理量の変化の傾向と、第2部分における物理量の変化の傾向とが異なる場合であっても、対象生体の状態を特定することができる。
生体分子のうち翻訳後修飾される箇所によって、この生体分子の状態が異なる場合がある。一例を挙げると、アミノ酸を含む特定の生体分子にリン酸基が付加される場合において、20番目のアミノ酸がリン酸化されている場合と、45番目のアミノ酸がリン酸化されている場合とで、この特定の生体分子の活性化状態や機能が異なる。本実施形態では、このような、生体分子の異なる状態から、対象生体のそれぞれの状態を特定することができる。より具体的には、それぞれ異なる状態である生体分子の物理量の変化から、対象生体のそれぞれの状態を特定することができる。
次に、図9(A)に示した例とは異なる対象分布情報が用いられる場合に行われる状態特定処理の例について説明する。
図13および図14は、状態特定処理により対象生体の状態が特定されるまでの一例を示した図である。
領域識別部103は、各使用分布情報において生体分子が存在する領域を識別する。また区画部104は、各使用分布情報において、生体分子が存在する領域を、比較分布情報に対して行った区画(図6(B)参照)と同じように、領域1乃至領域20からなる二十の領域に区画する。
本例では、図13(A)に示す、領域6、領域19、および領域20において、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量から変化している。より具体的には、領域6および領域19においては、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量よりも減少している。また、領域20においては、後期分布情報に示された生体分子の物質量が、前期分布情報に示された生体分子の物質量よりも増加している。そして、この領域6、領域19、および領域20の各々の前期分布情報と後期分布情報とに示された生体分子が、変化条件を満たすものとして検出部107に検出される。
本例では、対象決定部108は、図13(B)に示すように、領域20を対象とする統計情報の各々を、生体「E」について領域20に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。また、対象決定部108は、領域19を対象とする統計情報の各々を生体「E」について領域19に示された検出分子に対する比較統計情報に決定し、領域6を対象とする統計情報の各々を生体「E」について領域6に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。これらの比較統計情報には、図13(B)に示すように、包括状態である「抗がん剤効果あり」が関連付けられた統計情報、および、包括状態である「抗がん剤効果なし」が関連付けられた統計情報が含まれる。図13(B)は、状態特定部109に比較される情報を示した図である。より具体的には、図13(B)は、前期分布情報および後期分布情報に含まれる生体分子、「抗がん剤効果あり」が関連付けられた比較統計情報、および「抗がん剤効果なし」が関連付けられた比較統計情報を示した図である。また、図13(B)において、「●」の記号は、前期分布情報に示された生体分子を意味し、「▲」の記号は、後期分布情報に示された生体分子を意味する。
本例では、「抗がん剤効果あり」が関連付けられ領域20を対象とする比較統計情報の図中破線箇所aには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の増加が示されている。そして、この箇所aに示された生体分子が、生体「E」についての領域20に含まれる検出分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。また、「抗がん剤効果なし」が関連付けられ領域20を対象とする比較統計情報の図中破線箇所bには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の増加が示されている。そして、この箇所bに示された生体分子が、生体「E」についての領域20に含まれる検出分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。この場合、状態特定部109は、抽出した比較統計情報に示された生体分子と、比較が済んでいない区画領域に示された検出分子とを比較する。より具体的には、状態特定部109は、生体「E」についての領域19に含まれる検出分子と、領域19を対象とする比較統計情報とを比較する。また、状態特定部109は、生体「E」についての領域6に含まれる検出分子と、領域6を対象とする比較統計情報とを比較する。
一方で、「抗がん剤効果なし」が関連付けられ領域19を対象とする比較統計情報には、時間が経過しても生体分子の物質量が変化しないことが示されている。そして、この生体分子は、領域19に示された検出分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。また、「抗がん剤効果なし」が関連付けられ領域6を対象とする比較統計情報には、時間が経過しても生体分子の物質量が変化しないことが示されている。そして、この生体分子は、領域6に示された検出分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。
また、出力部110は、状態特定部109に特定された状態に関する状態通知画面40(図12参照)を、端末30の表示部31に表示させる。
図14(C)に示すように、生体「E」についての領域1においては、前期分布情報に示された生体分子の物質量と、後期分布情報に示された生体分子の物質量とで、変化がない。また、「抗がん剤効果あり」が関連付けられ領域1を対象とする比較統計情報においても、時間の経過に伴う生体分子の物質量の変化がない。一方で、「抗がん剤効果なし」が関連付けられ領域1を対象とする比較統計情報の図中破線箇所eには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の増加が示されている。そのため、生体「E」について、領域20に含まれる生体分子が図13(B)の箇所bの変化を示し、領域1に含まれる生体分子が図14(C)の箇所eの変化を示す場合には、状態特定部109は、生体「E」の状態を「抗がん剤効果なし」に特定する。
この場合、対象生体に特定の作用が働いたことによる対象生体への影響を特定することができる。
この場合、第1生体分子における特定の対象が変化条件を満たさないことのみに応じて対象生体の状態が第2状態に特定される構成に比べて、対象生体の状態を第2状態に特定する精度を向上させることができる。
例えば、使用分布情報において、領域19に含まれる生体分子が変化条件を満たし、領域6に含まれる生体分子が変化条件を満たさない場合において、「抗がん剤効果あり」が関連付けられ領域19を対象とする比較統計情報に示された生体分子が同一類似条件を満たす場合には、状態特定部109は、対象生体を「抗がん剤効果あり」に特定してもよい。すなわち、状態特定部109は、第1生体分子における特定の対象および第2生体分子における特定の対象が何れも変化条件を満たす場合に、対象生体の状態を第1状態に特定し、第1生体分子における特定の対象が変化条件を満たさずに第2生体分子における特定の対象が変化条件を満たす場合に、対象生体の状態を第1状態に特定してもよい。第1生体分子における特定の対象としては、例えば、生体分子のうちの領域19に含まれる部分が挙げられる。また、第2生体分子における特定の対象としては、例えば、生体分子のうちの領域6に含まれる部分が挙げられる(図13(A)、図13(B)参照)。
この場合、対象生体が第1状態であるにも関わらず対象生体が第1状態とは異なる状態であると特定されることを抑制することができる。
状態特定部109は、例えば、対象生体の生体分子の変化に基づいて、対象生体の状態を、個々状態としての肉体状態が関連付けられた包括状態に特定してもよい。一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体の状態を、肉体状態である「筋肉痛」(図4(A)参照)が関連付けられた「トレーニング効果あり」に特定してもよい。また、他の一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体の状態を、肉体状態である「疲労感」が関連付けられた「トレーニング効果なし」に特定してもよい。「トレーニング効果あり」および「トレーニング効果なし」は、対象生体によるトレーニングの実施に係る状態の一例である。また、トレーニングの実施は、特定の作用の一例である。
また、状態特定部109は、例えば、対象生体の生体分子の変化に基づいて、対象生体の状態を、個々状態としての脳状態が関連付けられた包括状態に特定してもよい。一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体の状態を、脳状態である「3時間学習」(図4(A)参照)および肉体状態である「8時間睡眠」が関連付けられた「記憶力向上」に特定してもよい。また、他の一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体の状態を、脳状態である「3時間学習」および肉体状態である「4時間睡眠」が関連付けられた「記憶力低下」に特定してもよい。このように、包括状態情報には、個々状態情報のうちの二つ以上の情報が関連付けられてもよい。「記憶力向上」および「記憶力低下」は、対象生体による学習に係る状態の一例である。また、学習は、特定の作用の一例である。また、特定の作用が働いた対象生体の状態として状態特定部109が特定する状態は、特定の作用が働いたことの効果がある状態および効果がない状態のみならず、特定の作用が働いたことにより良い影響が生じた状態および悪い影響が生じた状態の何れかであってもよい。
また、状態特定部109は、例えば、対象生体の生体分子の変化に基づいて、対象生体の状態を、個々状態としての美容状態が関連付けられた包括状態に特定してもよい。一例を挙げると、状態特定部109は、例えば、対象生体の状態を、美容状態である「スキンクリームA使用」(図4(A)参照)が関連付けられた「肌年齢40歳」に特定してもよい。また、他の一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体の状態を、美容状態である「スキンクリームB使用」が関連付けられた「肌年齢25歳」に特定してもよい。「肌年齢40歳」および「肌年齢25歳」は、対象生体によるスキンクリームの使用に係る状態の一例である。また、スキンクリームの使用は、特定の作用の一例である。
次に、図9(A)に示した例および図13(A)に示した例の何れとも異なる対象分布情報が用いられる場合に行われる状態特定処理の例について説明する。
図15および図16は、状態特定処理により対象生体の状態が特定されるまでの一例を示した図である。
本例では、横軸の座標が「9」であり縦軸の座標が「5」である領域、すなわち領域(9、5)においては、第2時点分布情報に示された生体分子の物質量が、第1時点分布情報に示された生体分子の物質量よりも減少している。また、領域(9、5)においては、第4時点分布情報に示された生体分子の物質量が、第3時点分布情報に示された生体分子の物質量よりも増加している。さらに、領域(3、7)においては、第3時点分布情報には生体分子が示されていない一方で、第4時点分布情報には生体分子が示されている。そして、この場合、検出部107は、領域(9、5)の第1時点分布情報と第2時点分布情報とに示された生体分子を、変化条件を満たすものとして検出する。また、検出部107は、領域(9、5)の第3時点分布情報と第4時点分布情報とに示された生体分子を、変化条件を満たすものとして検出する。さらに、検出部107は、領域(3、7)の第4時点分布情報に示された生体分子を、変化条件を満たすものとして検出する。
なお、領域(3、7)においては、第1時点分布情報と、第2時点分布情報と、第3時点分布情報とで、生体分子の物質量に変化はない。より具体的には、領域(3、7)においては、第1時点分布情報と、第2時点分布情報と、第3時点分布情報とで、生体分子が示されていない。
本例では、対象決定部108は、図16に示すように、領域(9、5)を対象とする統計情報の各々を、生体「F」について領域(9、5)に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。また、対象決定部108は、領域(3、7)を対象とする統計情報の各々を、生体「F」について領域(3、7)に示された検出分子に対する比較統計情報に決定する。これらの比較統計情報には、図16に示すように、包括状態である「品質良」が関連付けられた統計情報、および、包括状態である「品質悪」が関連付けられた統計情報が含まれる。図16は、状態特定部109に比較される情報を示した図である。より具体的には、図16は、使用分布情報の各々に示された生体分子、「品質良」が関連付けられた比較統計情報、および「品質悪」が関連付けられた比較統計情報を示した図である。
本例では、包括状態である「品質良」が関連付けられ領域(9、5)を対象とする比較統計情報の図中破線箇所アには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の減少が示されている。そして、この箇所アに示された生体分子が、第1時点分布情報および第2時点分布情報の領域(9、5)に示された生体分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。また、包括状態である「品質悪」が関連付けられ領域(9、5)を対象とする比較統計情報の図中破線箇所イには、時間の経過に伴う生体分子の物質量の減少が示されている。そして、この箇所イに示された生体分子が、第1時点分布情報および第2時点分布情報の領域(9、5)に示された生体分子に対して同一類似条件を満たすと状態特定部109に判定される。
一方で、包括状態である「品質悪」が関連付けられ領域(9、5)を対象とする比較統計情報には、時間の経過に伴う生体分子の物質量の増加は示されていない。この場合、この比較統計情報に示された生体分子は、第3時点分布情報および第4時点分布情報の領域(9、5)に示された生体分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。また、包括状態である「品質悪」が関連付けられ領域(3、7)を対象とする比較統計情報には、時間が経過しても生体分子の物質量が変化しないことが示されている。この場合、この比較統計情報に示された生体分子は、第4時点分布情報の領域(3、7)に示された生体分子に対して同一類似条件を満たさないと状態特定部109に判定される。
また、出力部110は、状態特定部109に特定された状態に関する状態通知画面40(図12参照)を、端末30の表示部31に表示させる。
この場合、生体分子が存在していなかった領域における生体分子の変化に応じて、対象生体の状態を特定することができる。
この場合、生体分子が単一の期間における変化について変化条件を満たすことのみに応じて対象生体の状態を特定する構成に比べて、対象生体の状態を特定する精度を向上させることができる。
この場合、特定の生体分子の複数の期間における変化に応じて対象生体の状態を特定することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、状態特定システム1が対象生体の状態を特定する点で、第1の実施形態と共通する。
一方で、第2の実施形態は、状態特定システム1のユーザが、対象生体について状態特定部109に何れの種類の状態を特定させるかを選択できる点で、第1の実施形態とは異なる。
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、以下で説明する点を除き、第1の実施形態と同じ構成である。また、以下では、第1の実施形態と異なる構成について説明し、第1の実施形態と同じ構成については、説明を省略することがある。
本実施形態においても、状態特定システム1のユーザが、状態特定処理に用いられる対象分布情報を指定して状態特定処理の実行をサーバ装置10に指示すると、状態特定処理が開始される。
選択促進部51には、状態特定部109に何れの種類の状態を特定させるかの選択をユーザに促すための情報が示されている。図示の例では、選択促進部51には、「知りたい状態の種類を選んでください」のテキストが示されている。
項目選択部521は、状態特定部109が特定する状態の種類について区分けされた項目が示される。図示の例では、項目選択部521には、状態特定部109が特定する状態について区分けされた「健康状態」、「肉体状態」、「脳状態」、「美容状態」を含む項目が示されている。また、図示の例では、項目選択部521において「健康状態」が選択されている。
項目部52の詳細選択部523には、選択項目部522に示された項目についてさらに区分けされた項目が示されている。詳細選択部523に示された項目は、ユーザが選択できる項目である。図示の例では、詳細選択部523には、選択項目部522に示された「健康状態」についてさらに区分けされた「インフルエンザ」、「COVID-19」、「ノロウイルス」、「肝炎」を含む項目が示されている。また、図示の例では、詳細選択部523において、「インフルエンザ」が選択されている。
また、詳細選択部523において「インフルエンザ」が選択されている状態で、ユーザが決定部55を選択すると、選択された状態の種類である「インフルエンザ」を示す種類情報が、端末30からサーバ装置10に送信される。
次に、対象決定部108は、ステップ303において抽出した統計情報に示された生体分子と比較する対象生体の生体分子を決定する(S305)。より具体的には、対象決定部108は、ステップ303において抽出された統計情報と対象の座標が同一である区画領域に含まれる生体分子を、比較の対象の生体分子に決定する。
図19(B)は、ステップ303において抽出された統計情報と、この統計情報との比較の対象として対象決定部108に決定された対象生体の生体分子を示した図である。図19(B)には、統計情報として、「インフルエンザ」がそれぞれ関連付けられ、領域20を対象とする統計情報、領域15を対象とする統計情報、および領域14を対象とする統計情報が示されている。また、図19(B)には、生体「G」の生体分子として、各使用分布情報において、領域20に含まれる生体分子、領域15に含まれる生体分子、および領域14に含まれる生体分子が示されている。図19(B)に示した各図において、横軸は生体分子が得られた時点であり、縦軸は生体分子の物質量である。
なお、対象決定部108に比較の対象として決定された対象生体の生体分子が、複数の区画領域における生体分子である場合がある。この場合、状態特定部109は、各区画領域に含まれる生体分子が、何れも特定条件を満たす場合に、対象生体の生体分子が特定条件を満たすと判定する。また、状態特定部109は、各区画領域に含まれる生体分子の何れかが特定条件を満たさない場合、対象生体の生体分子が特定条件を満たさないと判定する。
また、生体「G」について領域15に含まれる生体分子は、時間の経過に伴い物質量が増加している。この生体分子の物質量の変化は、「インフルエンザ」が関連付けられ領域15を対象とする統計情報に示された生体分子の物質量の減少とは逆の傾向の変化である。
さらに、生体「G」について領域14に含まれる生体分子は、時間が経過しても物質量が変化していない。
この場合、状態特定部109は、対象生体の生体分子が特定条件を満たさないと判定する。さらに、状態特定部109は、生体「G」が、統計情報に関連付けられた「インフルエンザ」ではない状態であると特定する。
本例では、出力部110は、図18(C)に示すように、端末30の表示部31に、状態通知画面40を表示させる。本実施形態の状態通知画面40には、生体識別部41と、状態通知部42と、注意喚起部45と、詳細促進部46と、否定部47と、決定部48とが示されている。
状態通知部42には、「現在の状態」のテキストと、状態特定部109に特定された状態を示す「インフルエンザではありません」のテキストとが示されている。
対象生体の生体分子の物質量が変化した場合、この変化に伴い対象生体の状態に変化が生じた場合がある。そこで、本実施形態のサーバ装置10は、使用分布情報に示された生体分子が変化条件を満たす場合には、対象生体の生体分子が特定条件を満たさない場合であっても、対象生体の状態についてユーザに注意喚起をする。
ユーザが否定部47を選択すると、対象生体の詳細な状態は特定されず、状態特定処理が終了する。
また、ユーザが決定部48を選択すると、図8に示す状態特定処理が実行される。これにより、対象生体について、対象生体の詳細な状態が特定されるとともに、特定された状態に関する状態通知画面40(図12参照)が端末30の表示部31に表示される。
この場合、複数の生体分子のうちの、対象生体について特定される対象の状態の項目によって定められた生体分子に応じて、対象生体の状態を特定することができる。
また、本実施形態において、使用分布情報が図13(A)に示した二つの対象分布情報であり、状態特定部109に特定される状態の種類として「抗がん剤の効果」が選択された場合、状態特定部109は、対象生体の状態を「抗がん剤効果あり」に特定する。また、出力部110は、状態特定部109に特定された状態に関する状態通知画面40を表示部31に表示する。
また、本実施形態において、使用分布情報が図15に示した四つの対象分布情報であり、状態特定部109に特定される状態の種類として「品質」が選択された場合、状態特定部109は、対象生体の状態を「品質良」に特定する。また、出力部110は、状態特定部109に特定された状態に関する状態通知画面40を表示部31に表示する。
本発明者は、生体の生体分子が複数示された2次元電気泳動像を、複数の時点で得られた生体分子についてそれぞれ作成し、作成した複数の2次元電気泳動像から、2次元電気泳動に示された各生体分子の物質量の時間の経過に伴う変化を調べた。この実施例においては、生体分子の物質量の変化を調べる対象の生体を、三頭の競走馬とした。この三頭の馬を個別に説明する場合、それぞれ、「馬A」、「馬B」、「馬C」と称する場合がある。また、生体分子の物質量の変化を調べる対象の馬を区別することなく説明する場合、対象馬と称する場合がある。本発明者は、対象馬から得られた血清を用いて、血清に含まれる各タンパク質が示された2次元電気泳動像を作成した。
なお、血清が得られた時点における対象馬の年齢は、何れも、2歳である。また、対象馬から血清が得られた時点において、馬Aの体重は、348kgであり、馬Bの体重は、379kgであり、馬Cの体重は、377kgであった。
本発明者は、各対象馬について、十五の時点で対象馬から血清を得て、得られた血清ごとに2次元電気泳動像を作成した。より具体的には、各対象馬をインフルエンザウイルスに感染させ、感染させた日から14日が経過するまでの各日で対象馬から血清を得て、得られた血清ごとに2次元電気泳動像を作成した。
また、実施例に対する比較例として、各対象馬について、対象馬がインフルエンザウイルスに感染した日から14日が経過するまでの各日において、体温を測定するとともに、対象馬から得られたタンパク質の一例としてのアミロイドAの物質量を測定した。
図21(A)は、対象馬の体温を示した図である。図21(A)において、横軸には、対象馬がインフルエンザウイルスに感染してから経過した日数が示され、縦軸には、対象馬の体温が示されている。また、図21(A)において、「●」の記号は、馬Aを示し、「▲」の記号は、馬Bを示し、「■」の記号は、馬Cを示す。
また、図21(B)は、対象馬から得られたアミロイドAの物質量を示した図である。図21(B)において、横軸には、対象馬がインフルエンザウイルスに感染してから経過した日数が示され、縦軸には、対象馬のアミロイドAの物質量が示されている。また、図21(B)において、「●」の記号は、馬Aを示し、「▲」の記号は、馬Bを示し、「■」の記号は、馬Cを示す。
なお、図22の各領域における数字の「1」は、馬Aのタンパク質の物質量を意味する。また、図22の各領域における数字の「2」は、馬Bのタンパク質の物質量を意味する。また、図22の各領域における数字の「3」は、馬Cのタンパク質の物質量を意味する。また、図22の各領域における実線は、各対象馬のタンパク質の物質量について算出された統計を意味する。
そのため、馬がインフルエンザウイルスに感染してから一日経過したときの図22に示すタンパク質の物質量の変化に基づいて、この馬がインフルエンザウイルスに感染していると特定される。すなわち、ユーザが、図22に示すタンパク質の物質量の変化から馬がインフルエンザウイルスに感染していることを特定するためには、馬がインフルエンザウイルスに感染してから一日を要する。言い換えると、ユーザが、生体の状態を特定するために、生体分子が示された2次元電気泳動像を用いる場合、生体の体温を用いる場合や生体のアミロイドAの物質量を用いる場合に比べて、早期に生体の状態を特定することができる。また、2次元電気泳動像に示された各生体分子の変化から生体の状態を特定するため、単一の生体分子の変化から生体の状態を特定する構成に比べて、生体の状態を特定する精度を向上させることができる。なお、本実施例において説明した手法は、機能が既知である生体分子のみならず機能が未知である生体分子も用いて対象生体の状態を特定する手法の一例として捉えられる。
情報取得部101は、例えば、単一の生体分子に関する情報である分子情報を、生体分子ごとに取得してもよい。すなわち、情報取得部101が分子情報を複数の生体分子について取得することには、複数の生体分子に関する情報である分子情報を取得すること、および、分子情報を生体分子ごとに複数取得することの何れも含まれる。
生体分子の物理量の分布を示す情報は、例えば、生体分子の電荷量の分布を示す情報であってもよい。また、例えば、2次元電気泳動像において、生体分子の等電点の分布が示される代わりに、生体分子の電荷量の分布が示されてもよい。また、生体分子の物理量の分布を示す情報は、例えば、生体分子の疎水性の分布を示す情報や、生体分子の立体構造を示す情報であってもよい。この場合において、2次元電気泳動像においては、x軸およびy軸の一方に生体分子の疎水性の分布が示され、他方に生体分子の分子量の分布が示された画像であってもよい。また、2次元電気泳動像においては、x軸およびy軸の一方に生体分子の立体構造が示され、他方に生体分子の等電点の分布が示された画像であってもよい。付言すると、2次元電気泳動像において、x軸に示される情報と、y軸に示される情報は、それぞれ異なる物性を示す情報であれば、何れの物性を示す情報であってもよい。また、生体分子解析装置20は、上述した物性を示す情報のうちの、それぞれ異なる物性を示す3つの情報が、x軸、y軸、z軸にそれぞれ示された3次元からなる電気泳動像を作成してもよい。そして、この3次元からなる電気泳動像が、生体の状態の特定に用いられてもよい。
例えば、生体分子の物質量を示す情報が、生体分子の等電点ごとや生体分子の電荷量ごとに作成されてもよい。また、生体分子の物質量を示す情報が、生体分子の分子量ごとに作成されてもよい。そして、サーバ装置10は、生体分子の等電点ごとに作成された情報、生体分子の電荷量ごとに作成された情報、生体分子の分子量ごとに作成された情報などから、生体分子の分布を特定してもよい。
分子情報は、例えば、生体分子が存在するか否かが示された情報であってもよい。すなわち、分子情報は、生体分子に関する情報であればよい。
統計部106により統計される対象の生体分子は、例えば、複数の生体が特定の包括状態になったときから経過した日数が同一であるときにこの複数の生体からそれぞれ得られた生体分子であってもよい。
統計部106により統計される対象の生体分子には、同一の生体の生体分子が含まれてもよい。
検出部107が比較する生体分子や、対象決定部108が比較の対象に決定する生体分子は、互いに対応する区画領域に含まれる生体分子であれば、それぞれ座標が異なる区画領域に含まれる生体分子であってもよい。この場合に、検出部107や対象決定部108は、比較の対象である生体分子が、それぞれ、予め定められた座標の範囲に示されていることを条件として、互いに対応する区画領域に含まれる生体分子を特定してもよい。また、検出部107や対象決定部108は、比較の対象である生体分子と他の生体分子との分布情報における配置の関係から、互いに対応する区画領域に含まれる生体分子を特定してもよい。
状態特定部109は、対象生体の状態を、同一類似条件を満たす生体分子が示された統計情報に関連付けられた個々状態の何れかに特定してもよい。
例えば、検出部107が、対象生体に係る分子情報から、生体分子の分子量の変化、生体分子の等電点の変化、生体分子の電荷量の変化、生体分子の存在の有無の変化等を検出してもよい。そして、状態特定部109は、検出部107に検出された変化に対応する変化があった比較生体に係る分子情報を抽出し、抽出した分子情報に関連付けられた比較生体の状態を、対象生体の状態に特定してもよい。すなわち、対象生体の状態の特定に用いられる生体分子の変化は、生体分子の物質量の変化に限定されない。
サーバ装置10は、特定の期間における生体分子の変化が示された情報など、時間の経過に伴う生体分子の変化が示された分子情報を取得してもよい。生体分子の変化としては、例えば、生体分子の特定の物理量の変化や、生体分子の存在の有無の変化等が挙げられる。また、特定の物理量としては、例えば、物質量、分子量、等電点、電荷量等が挙げられる。そして、サーバ装置10は、取得した分子情報から、時間の経過に伴う生体分子の変化を特定してもよい。すなわち、分子情報は、サーバ装置10による生体分子の変化の特定が可能な情報であれば、何れの態様の情報であってもよい。
例えば、生体分子が変化しないことが変化条件として定められてもよい。一例を挙げると、二つの生体分子の物質量の差が予め定められた値以下であることが、変化条件として定められてもよい。そして、状態特定部109は、変化条件を満たす生体分子に対応する比較生体の生体分子が示された分子情報を抽出し、抽出した分子情報に関連付けられた状態を、対象生体の状態に特定してもよい。
一例を挙げると、図9(B)に示す使用分布情報において、領域20に含まれる生体分子の物質量が変化しないことで変化条件を満たし、且つ、領域15に含まれる生体分子の物質量が変化しないことで変化条件を満たす場合に、対象生体の状態を、「インフルエンザ」および「COVID-19」の何れでもない他の状態に特定すること等が挙げられる。他の状態としては、例えば、対象生体が健康である状態等が挙げられる。
状態特定部109は、例えば、検出分子と、一の比較生体に係る比較分布情報に示された生体分子とを比較してもよい。そして、この比較分布情報に示された生体分子が同一類似条件を満たす場合には、この比較分布情報に関連付けられた状態を、対象生体の状態に特定してもよい。
対象生体は、比較生体と同一の生体であってもよい。
状態特定部109は、対象生体の生体分子と、対象生体とは異なる属性の生体である比較生体の生体分子とを比較することにより、対象生体の状態を特定してもよい。一例を挙げると、状態特定部109は、対象生体である人間の生体分子と、比較生体である馬の生体分子とを比較することにより、対象生体の状態を特定してもよい。この場合において、サーバ装置10は、生体分子の物理量についての特性を、生体の属性ごとに特定し、特定した特性に基づいて、比較分子情報に示される生体分子の物理量を、比較生体の属性ごとに補正してもよい。そして、サーバ装置10は、対象生体の生体分子と、比較分子情報における補正後の生体分子とを比較することにより、対象生体の状態を特定してもよい。
状態特定部109は、2次元電気泳動像に示された各生体分子の物質量の分布と、この2次元電気泳動像に示された生体分子が生体から得られた時点における生体の状態と、が関連付けられた分布情報および個々状態情報を教師データとして、生体分子の分布と生体の状態との関係を学習する。状態特定部109は、学習結果に基づいて、分布情報を入力として、個々状態情報を出力する学習モデルを生成する。そして、状態特定部109は、生成した学習モデルに基づき、対象生体に係る分布情報から、この対象生体の状態を特定してもよい。言い換えると、状態特定部109は、入力された分布情報に示された生体分子の分布を個々状態情報に関連付けてパターン認識することで、対象生体に係る分布情報に示された生体分子の分布のパターンから対象生体の状態を特定してもよい。このように、状態特定部109は、対象生体の生体分子を、他の生体分子と比較することなく、対象生体の状態を特定してもよい。なお、分布情報において状態特定部109にパターン認識された生体分子は、分子情報から特定される生体分子の変化について定められた条件を満たす生体分子の対象として捉えられる。また、分子情報から特定される生体分子の変化について定められた条件とは、分布情報から特定される生体分子が状態特定部109にパターン認識されることである。また、条件を満たす生体分子の対象は、分布情報に示された生体分子の分布である。
例えば、サーバ装置10と生体分子解析装置20とが一体化された装置が状態特定システム1に設けられてもよい。すなわち、状態特定システム1に設けられる一の装置を用いて、生体分子の解析、分子情報の作成、および、対象生体の状態の特定を行うようにしてもよい。
例えば、ビデオカメラ等の撮影手段を用いて生体を撮影してもよい。さらに、生体を解析する解析手段を用いて、撮影された動画に映っている生体を解析し、解析結果から、この生体の状態を示した個々状態情報や包括状態情報を作成し、作成した情報を情報取得部101に送信してもよい。このように、情報取得部101は、端末30とは異なる機能手段から情報を取得してもよい。
例えば、端末30がサーバ装置10の機能を有してもよい。言い換えると、端末30が、サーバ装置10の情報取得部101、記憶部102、領域識別部103、区画部104、物質量特定部105、統計部106、検出部107、対象決定部108、状態特定部109、出力部110等の機能を備えることとしてもよい。
Claims (16)
- 特定生体の複数の生体分子の各々が第1の物理量および第2の物理量の分布として示された分布画像を、複数の時点の前記分布について取得する取得手段と、
前記特定生体の状態の特定を行う特定手段と、
を備え、
前記第1の物理量と前記第2の物理量とは、生体分子の異なる物理量であり、
前記分布画像は、前記特定生体の前記複数の生体分子の各々について、生体分子を示す画像として表示された分子画像から前記第1の物理量および前記第2の物理量が特定される画像であり、
前記分子画像は、前記分布画像において、少なくとも前記第1の物理量に応じた領域に表示され、
前記特定手段による前記特定は、前記特定生体の前記状態が、複数の時点の前記分布について取得された複数の前記分布画像から特定される前記第2の物理量の変化について定められた変化条件を満たす前記分布画像の領域に応じて異なる状態に特定されるように行われ、
前記取得手段は、生体の生体分子の前記第2の物理量が示された分子情報を、当該生体の複数の生体分子について取得し、
前記特定手段による前記特定は、前記分布画像から特定される前記特定生体の生体分子の前記第2の物理量と、前記分子情報から特定される前記生体の生体分子の前記第2の物理量との比較によって行われ、
前記分布画像において前記比較に用いられる前記特定生体の生体分子は当該分布画像が前記取得手段に取得される前には定められず、前記分布画像に示された前記複数の生体分子が当該比較の候補であり、
前記特定手段による前記特定は、前記特定生体の生体分子の前記第2の物理量の前記変化との関係について定められた関係条件を満たす生体分子の前記第2の物理量の変化が特定される前記分子情報をもとに行われ、
前記関係は、前記変化条件を満たす前記分布画像の領域から特定される前記第1の物理量である前記特定生体の生体分子の前記第2の物理量の前記変化と、当該領域に対応する前記第1の物理量における、生体分子について前記分子情報から特定される前記第2の物理量の変化との関係である、情報処理システム。 - 前記特定手段は、
前記分布画像における第1領域が前記変化条件を満たす場合、前記特定生体について、生体の状態について区分けされた項目のうちの第1項目との関係を示す状態を特定せずに、当該項目のうちの当該第1項目とは異なる第2項目との関係を示す状態を特定し、
前記分布画像における前記第1領域とは異なる第2領域が前記変化条件を満たす場合、前記特定生体について、前記第2項目との関係を示す状態を特定せずに、前記第1項目との関係を示す状態を特定する、請求項1記載の情報処理システム。 - 前記特定手段は、前記特定生体の前記状態を、生体の状態について区分けされた複数の項目のうちの少なくとも一つの項目との関係を示す状態に特定し、
前記特定手段に前記関係が特定される前記項目が前記複数の項目のうちの何れであるかは、前記比較の前には定められず、
前記特定手段は、前記関係条件を満たす前記第2の物理量の変化が特定される前記分子情報を特定することに応じて、前記関係を特定する対象の前記項目と、当該項目との関係を示す前記状態とを特定する請求項1記載の情報処理システム。 - 前記変化条件を満たす前記分布画像の前記領域は、前記特定生体の生体分子の一部分に対応する前記分子画像が表示された領域である請求項1記載の情報処理システム。
- 前記分布画像の表示領域は、生体分子の前記第1の物理量に応じて複数の区分に分けられ、
前記変化条件は、前記複数の区分の各々について定められている請求項1記載の情報処理システム。 - 前記複数の区分には、前記分子画像が表示されていない区分が含まれる請求項5記載の情報処理システム。
- 前記特定生体の前記複数の生体分子には、第1生体分子と、当該第1生体分子とは異なる第2生体分子とが含まれ、
前記特定手段は、前記分布画像において、前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域と前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域とが何れも前記変化条件を満たすことに応じて、前記状態を特定する請求項1記載の情報処理システム。 - 前記分布画像における前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域は、前記第2の物理量の増加により前記変化条件を満たす領域であり、
前記分布画像における前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域は、前記第2の物理量の減少により前記変化条件を満たす領域である請求項7記載の情報処理システム。 - 前記特定生体の前記複数の生体分子には、前記第1生体分子および前記第2生体分子の何れとも異なる第3生体分子がさらに含まれ、
前記特定手段は、
前記分布画像において前記特定生体の前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域および前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たし且つ前記第3生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさない場合に、前記状態を第1状態に特定し、
前記分布画像において前記特定生体の前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域および前記第3生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たし且つ前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさない場合に、前記状態を第2状態に特定する請求項7記載の情報処理システム。 - 前記特定手段は、前記分布画像において、前記特定生体における前記複数の生体分子のうちの特定の生体分子の第1部分に係る前記分子画像が表示された領域と、当該特定の生体分子の当該第1部分とは異なる第2部分に係る前記分子画像が表示された領域とが何れも前記変化条件を満たすことに応じて、前記状態を特定する請求項1記載の情報処理システム。
- 前記分布画像において前記第1部分に係る前記分子画像が表示された領域は、前記第2の物理量の増加により前記変化条件を満たす領域であり、
前記分布画像において前記第2部分に係る前記分子画像が表示された領域は、前記第2の物理量の減少により前記変化条件を満たす領域である請求項10記載の情報処理システム。 - 前記取得手段は、前記特定生体に特定の作用が働く前の時点の前記分布が示された前記分布画像と、当該特定生体に当該作用が働いた以降の時点の前記分布が示された前記分布画像とを取得し、
前記特定手段は、
前記分布画像において前記複数の生体分子のうちの特定の生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たす場合に、前記状態を前記作用に係る第1状態に特定し、
前記分布画像における前記特定の生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさない場合に、前記状態を前記作用に係る第2状態に特定する請求項1記載の情報処理システム。 - 前記特定生体の前記複数の生体分子には、第1生体分子と、当該第1生体分子とは異なる第2生体分子とが含まれ、
前記特定の生体分子は、第1生体分子であり、
前記特定手段は、
前記分布画像において、前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たし、且つ、前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさない場合に、前記状態を前記第1状態に特定し、
前記分布画像において、前記第1生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさずに前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たす場合に、前記状態を前記第2状態に特定する請求項12記載の情報処理システム。 - 前記特定生体の前記複数の生体分子には、第1生体分子と、当該第1生体分子とは異なる第2生体分子とが含まれ、
前記特定の生体分子は、前記第1生体分子であり、
前記特定手段は、
前記分布画像において、前記第1の生体分子に係る前記分子画像が表示された領域および前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が何れも前記変化条件を満たす場合に、前記状態を前記第1状態に特定し、
前記分布画像において、前記第1の生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たさずに前記第2生体分子に係る前記分子画像が表示された領域が前記変化条件を満たす場合に、前記状態を前記第2状態に特定する請求項12記載の情報処理システム。 - 前記取得手段に取得される前記分布画像には、第1時点の前記分布が示された第1分布画像と、前記第1時点よりも後の第2時点の前記分布が示された第2分布画像とがあり、
前記特定手段は、前記第1分布画像において前記変化条件を満たす領域と、前記第2分布画像において前記変化条件を満たす領域とに応じて、前記状態を特定する請求項1記載の情報処理システム。 - コンピュータを、請求項1乃至15の何れかに記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
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