以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に第1実施例の造形装置10を示す。造形装置10は、搬送装置20と、造形ユニット22と、撮像ユニット24と、制御装置(図2参照)26とを備える。それら搬送装置20と造形ユニット22と撮像ユニット24とは、造形装置10のベース28の上に配置されている。ベース28は、概して長方形状をなしており、以下の説明では、ベース28の長手方向をX軸方向、ベース28の短手方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向と称して説明する。
搬送装置20は、X軸スライド機構30と、Y軸スライド機構32とを備えている。そのX軸スライド機構30は、X軸スライドレール34とX軸スライダ36とを有している。X軸スライドレール34は、X軸方向に延びるように、ベース28の上に配設されている。X軸スライダ36は、X軸スライドレール34によって、X軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、X軸スライド機構30は、電磁モータ(図2参照)38を有しており、電磁モータ38の駆動により、X軸スライダ36がX軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸スライド機構32は、Y軸スライドレール50とステージ52とを有している。Y軸スライドレール50は、Y軸方向に延びるように、ベース28の上に配設されており、X軸方向に移動可能とされている。そして、Y軸スライドレール50の一端部が、X軸スライダ36に連結されている。そのY軸スライドレール50には、ステージ52が、Y軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、Y軸スライド機構32は、電磁モータ(図2参照)56を有しており、電磁モータ56の駆動により、ステージ52がY軸方向の任意の位置に移動する。これにより、ステージ52は、X軸スライド機構30及びY軸スライド機構32の駆動により、ベース28上の任意の位置に移動する。
ステージ52は、基台60と、保持装置62と、昇降装置(図2参照)64とを有している。基台60は、平板状に形成され、上面にパレット(図4参照)70が載置される。保持装置62は、基台60のX軸方向の両側部に設けられている。そして、基台60に載置された基板のX軸方向の両縁部が、保持装置62によって挟まれることで、パレット70が固定的に保持される。また、昇降装置64は、基台60の下方に配設されており、基台60を昇降させる。
造形ユニット22は、ステージ52の基台60に載置されたパレット70の上に樹脂層を造形するユニットであり、印刷部72と、硬化部74とを有している。印刷部72は、インクジェットヘッド(図2参照)76を有しており、基台60に載置されたパレット70の上に紫外線硬化樹脂を吐出する。なお、インクジェットヘッド76は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式でもよく、樹脂を加熱して気泡を発生させノズルから吐出するサーマル方式でもよい。
硬化部74は、平坦化装置(図2参照)78と照射装置(図2参照)80とを有している。平坦化装置78は、インクジェットヘッド76によってパレット70の上に吐出された紫外線硬化樹脂の上面を平坦化するものであり、例えば、紫外線硬化樹脂の表面を均しながら余剰分の樹脂を、ローラもしくはブレードによって掻き取ることで、紫外線硬化樹脂の厚みを均一させる。また、照射装置80は、光源として水銀ランプもしくはLEDを備えており、パレット70の上に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、パレット70の上に吐出された紫外線硬化樹脂が硬化する。
撮像ユニット24は、ステージ52の基台60に載置されたパレット70を撮像するユニットであり、カメラ82を有している。カメラ82は、下方を向いた姿勢でベース28の上方に配設されており、ステージ52の基台60に載置されたパレット70の上面を上方から撮像する。
また、制御装置26は、図2に示すように、コントローラ84と、複数の駆動回路86と、画像処理装置87と、記憶装置88とを備えている。複数の駆動回路86は、上記電磁モータ38,56、保持装置62、昇降装置64、インクジェットヘッド76、平坦化装置78、照射装置80に接続されている。コントローラ84は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路86に接続されている。これにより、搬送装置20、造形ユニット22の作動が、コントローラ84によって制御される。また、コントローラ84は、画像処理装置87に接続されている。画像処理装置87は、カメラ82によって得られた撮像データを処理するものであり、コントローラ84は、撮像データから各種情報を取得する。また、記憶装置88は、造形物を造形するための各種データを記憶しており、コントローラ84に接続されている。これにより、コントローラ84は記憶装置88に記憶されているデータに従って搬送装置20、造形ユニット22の作動を制御する。
造形装置10では、上述した構成によって、記憶装置88に記憶されているデータに従って紫外線硬化樹脂がパレット70の上に吐出されて、紫外線の照射により硬化されることで、データに応じた形状の造形物が造形される。具体的には、ステージ52の基台60にパレット70がセットされる。なお、パレット70の上面には、図4に示すように、剥離フィルム100が敷かれている。そして、ステージ52の基台60にパレット70がセットされると、ステージ52が、造形ユニット22の下方に移動される。
そして、造形ユニット22において、インクジェットヘッド76が、記憶装置88に記憶されているデータに従って紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出して印刷する。記憶装置88には、例えば、図3に示すように、「FUJI」の文字を印刷するための印刷用データが記憶されている。なお、図3は、印刷用データを図式化したものであり、実際の印刷用データは、ピクセル毎の紫外線硬化樹脂を吐出する座標がデータ化されている。そして、インクジェットヘッド76が、記憶装置88に記憶されているデータに従って紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出することで、図4に示すように、パレット70の剥離フィルム100の上に「FUJI」の文字が印刷される。なお、インクジェットヘッド76は、記憶装置88に記憶されているデータに従って紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出する際に、1ピクセル毎に紫外線硬化樹脂を吐出する。そして、コントローラ84は、吐出の完了したピクセルの座標を順次記憶している。
続いて、紫外線硬化樹脂が吐出されてパレット70の上に「FUJI」の文字が印刷されると、硬化部74において、紫外線硬化樹脂の膜厚が均一となるように、紫外線硬化樹脂が平坦化装置78によって平坦化される。そして、照射装置80が、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、パレット70の上に「FUJI」の文字の造形物が造形される。
しかしながら、造形装置10において「FUJI」の文字が印刷されている途中でエラー等が発生し、作業者がパレット70を造形装置10の外部に取り出した後に、再度、作業者がパレット70をステージ52にセットして作業が再開された場合に、適切に印刷が実行されない虞がある。具体的には、造形ユニット22の印刷部72において、インクジェットヘッド76が紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出している途中でエラー等が発生し、作業者がエラーを解消するためにパレット70を造形装置10の外部に取り出す場合がある。この際、パレット70には、図5に示すように、「F」の文字のみが印刷されている場合がある。つまり、印刷部72においてインクジェットヘッド76が「F」の文字の印刷を完了し、「U」の文字を印刷する前のタイミングで、エラー等が発生し、作業者が、「F」の文字のみが印刷されたパレット70を造形装置10の外部に取り出す場合がある。そして、作業者がパレット70を造形装置10から取り出して、エラーを解消した後に、作業者は、作業を再開するべく、そのパレット70をステージ52の基台60に再セットする。
この際、作業者は、造形装置10から取り出した際のパレットのセット方向と同じ方向を向いた姿勢でパレット70を、基台60に再セットする必要がある。つまり、例えば、パレットを取り出す作業者からの視点において、図5に示すように、「F」の文字が正しい方向を向いた姿勢でパレットが基台60にセットされている場合に、作業者は、パレットを取り出した後に、「F」の文字が正しい方向を向いた姿勢でパレットを再セットする必要がある。しかしながら、図5に示すように、「F」の文字が正しい方向を向いた姿勢でパレットが基台60にセットされていたにも関わらず、作業者が、パレットを取り出した後に、図6に示すように、「F」の文字が上下方向に180度ひっくり返った姿勢でパレットを再セットする場合がある。そして、そのような状態で、造形装置10において印刷作業が再開されると、図7に示すように、上下方向にひっくり返った「F」の文字が印刷されているパレット70に、正しい方向を向いた「UJI」の文字が印刷される。なお、インクジェットヘッド76による印刷時には、上述したように、1ピクセル毎に紫外線硬化樹脂が吐出されており、吐出の完了したピクセルの座標をコントローラ84が記憶している。このため、「F」の文字が完了して印刷作業が停止した後に、印刷作業が再開された場合に、「UJI」の文字がパレットに印刷される。また、図7では、上下方向にひっくり返った「F」と、正しい方向を向いた「I」の文字とが全体的に重なっているため、「I」の文字を視認することができない。
このように、紫外線硬化樹脂の印刷途中にエラー等が発生し、作業者がパレット70を造形装置10の外部に取り出した後に、再度、作業者がパレット70をステージ52にセットして作業が再開された場合に、適切に印刷を行うことができない虞がある。このようなことに鑑みて、造形装置10では、撮像ユニット24において基台60にセットされたパレットが撮像されて、そのパレットのセット方向が特定され、そのパレットのセット方向に応じた印刷用データを用いてパレットへの紫外線硬化樹脂の印刷が行われる。
具体的には、図8に示すように、パレット70の4隅のうちの3隅に3個の基準マーク110が記されており、残りの1隅に基準マーク110は記されていない。なお、基準マーク110の記されていない1隅が右下に位置するパレットの姿勢(以下、「第1姿勢」と記載する:図8参照)と、基準マーク110の記されていない1隅が左上に位置するパレットの姿勢(以下、「第2姿勢」と記載する:図9参照)との何れかの姿勢で、パレット70は基台60にセットされる。つまり、パレット70が第1姿勢となるパレットのセット方向(以下、「第1セット方向」と記載する:図8参照)と、パレット70が第2姿勢となるパレットのセット方向(以下、「第2セット方向」と記載する:図9参照)との何れかのセット方向で、パレット70は基台60にセットされる。
そして、ステージ52の基台60にパレット70がセットされると、ステージ52が、撮像ユニット24の下方に移動され、撮像ユニット24において、カメラ82が、基台60にセットされたパレット70を撮像する。そして、その撮像による撮像データがコントローラ84において分析され、撮像データに基づいて、パレット70の基台60へのセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかが判断される。
次に、ステージ52は造形ユニット22の下方に移動される。そして、造形ユニット22の印刷部72において、インクジェットヘッド76が、コントローラ84で演算されたパレットのセット方向に応じた印刷用データに従って紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出して印刷する。なお、記憶装置88には、上述したように、「FUJI」の文字を印刷するための印刷用データ(図3参照)が記憶されているが、この印刷用データは、第1セット方向に応じた印刷用データ(以下、「第1印刷用データ」と記載する)である。つまり、第1姿勢で基台60にセットされたパレット70に「FUJI」の文字を印刷するための第1印刷用データが記憶装置88に記憶されている。一方、第2セット方向に応じた印刷用データ(以下、「第2印刷用データ」と記載する)、つまり、第2姿勢で基台60にセットされたパレット70に「FUJI」の文字を印刷するための第2印刷用データは、記憶装置88に記憶されていない。
そして、コントローラ84においてパレット70のセット方向が第1セット方向(図8参照)であると判断された場合には、造形ユニット22の印刷部72において、インクジェットヘッド76が、記憶装置88に記憶されている第1印刷用データに従って紫外線硬化樹脂をパレット70の上に吐出して印刷する。この際、インクジェットヘッド76が「F」の文字の印刷を完了し、「U」の文字を印刷する前のタイミングで、エラー等が発生し、作業者が、図10に示すように、「F」の文字のみが印刷されたパレット70を造形装置10の外部に取り出す場合がある。そして、作業者がパレット70を造形装置10から取り出して、エラーを解消した後に、作業者は、作業を再開するべく、そのパレット70をステージ52の基台60に再セットする。
続いて、パレット70が基台60に再セットされると、ステージ52が、撮像ユニット24の下方に移動され、撮像ユニット24において、カメラ82が、基台60にセットされたパレット70を撮像する。そして、その撮像による撮像データがコントローラ84において分析され、撮像データに基づいて、パレット70の基台60へのセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかが判断される。この際、パレット70のセット方向が第1セット方向(図10参照)であると判断された場合には、造形ユニット22の印刷部72において、インクジェットヘッド76が、記憶装置88に記憶されている第1印刷用データに従って、紫外線硬化樹脂を「UJI」の文字でパレット70に印刷する。なお、上述したように、吐出の完了したピクセルの座標をコントローラ84が記憶しているため、「F」の文字が印刷されたパレット70に、「UJI」の文字が印刷される。これにより、正しい方向を向いた「F」の文字が印刷されているパレット70(図10参照)に、正しい方向を向いた「UJI」の文字が印刷されることで、図11に示すように、「FUJI」の文字が適切にパレット70に印刷される。
一方で、パレット70の基台60への再セット後に、その再セットされたパレット70のセット方向が第2セット方向(図12参照)であると判断された場合には、造形ユニット22の印刷部72において、インクジェットヘッド76が、第2印刷用データに従って紫外線硬化樹脂をパレット70に印刷する。ただし、上述したように、記憶装置88に、第1セット方向のパレットに紫外線硬化樹脂を印刷するための第1印刷用データは記憶されているが、第2セット方向のパレットに紫外線硬化樹脂を印刷するための第2印刷用データは記憶されていない。このため、コントローラ84は、記憶装置88に記憶されている第1印刷用データに基づいて第2印刷用データを作成する。つまり、コントローラ84は、正しい方向を向いた「FUJI」の文字を印刷するための第1印刷用データ(図3参照)に基づいて、上下方向にひっくり返した「FUJI」の文字を印刷するための第2印刷用データ(図13参照)を作成する。なお、第2印刷用データの作成方法は、公知の技術であるため、詳細に説明しないが、例えば、ピクセルの座標を維持した状態で、紫外線硬化樹脂が吐出されるピクセルの位置を180度上下方向に回転させることで、第2印刷用データを作成することができる。
そして、コントローラ84により第2印刷用データが作成されると、インクジェットヘッド76が、第2印刷用データに従って、紫外線硬化樹脂を「UJI」の文字でパレット70に印刷する。これにより、上下方向にひっくり返った「F」の文字が印刷されているパレット70(図12参照)に、上下方向にひっくり返った「UJI」の文字が印刷されることで、図14に示すように、「FUJI」の文字が適切にパレット70に印刷される。
このように、パレットの撮像データに基づいて、パレットのセット方向が特定され、そのセット方向に応じた印刷用データを用いてパレットへの紫外線硬化樹脂の印刷を行うことで、印刷作業が中断された場合において適切な印刷作業を行うことができる。また、印刷作業が中断されない場合においても、パレットのセット方向に応じた形状に紫外線硬化樹脂を印刷することができる。
また、パレットのセット方向が所定の方向と異なる場合に、造形装置10の作動を停止させて、エラー画面などを表示することで、パレットのセット方向の修正を作業者に促すことも可能である。例えば、記憶装置88に第1印刷用データが記憶されているため、パレットのセット方向が第1セット方向である場合に、第1印刷用データに従った印刷処理を実行し、セット方向が第2セット方向である場合に、造形装置10の作動を停止して、エラー画面を表示することも可能である。しかしながら、このように、造形装置10の作動を停止させれば、造形装置の作業時間が長くなる。一方で、セット方向に応じた印刷用データを用いてパレットへの印刷処理を実行することで、造形装置の作動を停止させることなく、造形装置の作業を継続して実行することができる。これにより、作業時間の短縮を図ることが可能となる。
なお、第2印刷用データに従ったパレットへの紫外線硬化樹脂の印刷が完了した後に、第2印刷用データは消去される。また、第1印刷用データに従ったパレットへの紫外線硬化樹脂の印刷が中断せずに、パレット70に「FUJI」の文字が印刷された場合には、第2印刷用データは作成されない。つまり、第2印刷用データは、第2姿勢のパレットへの印刷が必要な場合にのみ作成され、第2印刷用データが作成された場合には、第2印刷用データに従った印刷が完了した後に第2印刷用データは消去される。これにより、記憶装置88の記憶容量の増大を抑制することができる。
また、コントローラ84は、図2に示すように、判定部120とデータ作成部122と印刷部124とを有している。判定部120は、撮像データに基づいてパレットのセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかを判定するための機能部である。データ作成部122は、第1印刷用データに基づいて第2印刷用データを作成するための機能部である。印刷部124は、パレットのセット方向に応じた印刷用データを用いて紫外線硬化樹脂を印刷するための機能である。
なお、上記実施例において、造形装置10は、印刷作業機の一例である。パレット70は、パレットの一例である。インクジェットヘッド76は、印刷装置の一例である。記憶装置88は、記憶装置の一例である。判定部120は、判定装置の一例である。データ作成部122は、データ作成装置の一例である。また、判定部120により実行される工程は、判定工程の一例である。印刷部124により実行される工程は、印刷工程の一例である。
また、上記第1実施例の造形装置10では、「FUJI」の文字の造形物が造形されているが、図15に示す第2実施例の作業システム150では、回路が形成される。詳しくは、作業システム150は、造形作業機152と装着作業機154とを備えている。
造形作業機152は、ステージ移動装置160と、樹脂層造形ユニット162と、配線造形ユニット164と、搬入装置166と、搬出装置168と、移載装置170と、制御装置(図16参照)172とを備える。それらステージ移動装置160と樹脂層造形ユニット162と配線造形ユニット164と搬入装置166と搬出装置168と移載装置170とは、造形作業機152のベース176の上に配置されている。ベース176は、概して長方形状をなしており、以下の説明では、ベース176の短手方向をX軸方向、ベース176の長手方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向と称して説明する。
ステージ移動装置160は、スライドレール180とステージ182とを有している。スライドレール180は、ベース176の中央においてY軸方向に延びるように配設されており、ステージ182がスライドレール180によってY軸方向にスライド可能に保持されている。そして、ステージ182は、電磁モータ(図16参照)184の駆動により、Y軸方向の任意の位置に移動する。ステージ182は、パレット70を載置するための載置台であり、ステージ182の上に載置されたパレット70の上に回路が形成される。
樹脂層造形ユニット162は、ステージ182に載置されたパレット70の上面に樹脂層を造形するユニットであり、樹脂吐出装置190と、平坦化装置192と、照射装置194とを有している。樹脂吐出装置190は、ガイドレール196とインクジェットヘッド198とにより構成されている。ガイドレール196は、ベース176のY軸方向での一方側の端部において、X軸方向に延びるようにベース176の上方に配設されており、インクジェットヘッド198がガイドレール196によってX軸方向にスライド可能に保持されている。そして、インクジェットヘッド198は、電磁モータ(図16参照)200の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、インクジェットヘッド198は、ステージ182に載置されたパレット70の上に紫外線硬化樹脂を吐出する。
平坦化装置192は、樹脂吐出装置190のY軸方向での隣において、スライドレール180の上方に配設されている。平坦化装置192は、インクジェットヘッド198によってパレット70の上に吐出された紫外線硬化樹脂の上面を平坦化するものである。また、照射装置194は、平坦化装置192を挟んで樹脂吐出装置190の反対側において、スライドレール180の上方に配設されている。照射装置194は、光源として水銀ランプもしくはLEDを備えており、パレット70の上に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。
配線造形ユニット164は、ステージ182に載置されたパレット70の上面に配線を造形するユニットであり、インク吐出装置202と、赤外線照射装置204とを有している。インク吐出装置202は、ガイドレール206とインクジェットヘッド208とにより構成されている。ガイドレール206は、照射装置194を挟んで平坦化装置192の反対側において、X軸方向に延びるようにベース176の上方に配設されており、インクジェットヘッド208がガイドレール206によってX軸方向にスライド可能に保持されている。そして、インクジェットヘッド208は、電磁モータ(図16参照)210の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、インクジェットヘッド208は、ステージ182に載置されたパレット70の上に、金属インクを線状に吐出する。金属インクは、金属の微粒子が溶剤中に分散されたものである。なお、インクジェットヘッド208は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式によって複数のノズルから導電性材料を吐出する。
赤外線照射装置204は、ベース176のY軸方向での樹脂吐出装置190が配設されている側と反対側の端部において、スライドレール180の上方に配設されている。赤外線照射装置204は、パレット70の上に吐出された金属インクに赤外線を照射する装置であり、赤外線の照射により金属インクが乾燥する。この際、金属インクの乾燥により、溶剤が気化し、金属微粒子が互いに接触または凝集することで、金属製の配線が形成される。若しくは、赤外線の照射により金属インクが焼成し、金属製の配線が形成される。なお、金属インクの焼成とは、エネルギーを付与することによって、溶媒の気化や金属微粒子の保護膜、つまり、分散剤の分解等が行われ、金属微粒子が接触または融着をすることで、導電率が高くなる現象である。
搬入装置166は、造形作業機152の内部にパレット70を搬入する装置であり、1対の搬送レーン212を有している。1対の搬送レーン212は、インク吐出装置202と赤外線照射装置204との間において、X軸方向に延びるようにベース176の上面に配設されている。そして、1対の搬送レーン212の上にパレット70が載置されることで、1対の搬送レーン212は、電磁モータ(図16参照)214の駆動により、パレット70を造形作業機152の内部に搬入し、ステージ移動装置160に向って搬送する。
搬出装置168は、造形作業機152から装着作業機154にパレット70を搬出する装置であり、1対の搬送レーン216を有している。1対の搬送レーン216は、ステージ移動装置160を挟んで搬入装置166の1対の搬送レーン212と対照的にベース176の上面に配設されている。そして、1対の搬送レーン216の上にパレット70が載置されることで、1対の搬送レーン216は、電磁モータ(図16参照)218の駆動により、パレット70をステージ移動装置160から離れる方向に搬送し、造形作業機152から装着作業機154に搬出する。
移載装置170は、パレット70を移載する装置であり、1対の搬送レーン212,216と赤外線照射装置204との間に配設されている。移載装置170は、ガイドレール220と保持装置222と昇降装置(図16参照)224とカメラ226とを有している。ガイドレール220は、1対の搬送レーン212,216と赤外線照射装置204との間において、X軸方向に延びるようにベース176の上方に配設されており、保持装置222がガイドレール220によってX軸方向にスライド可能に保持されている。そして、保持装置222は、電磁モータ(図16参照)228の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、保持装置222は、パレット70を保持する装置であり、1対の搬送レーン212,216の上方に向って延び出している。保持装置222は、1対のアーム230と、1対のアーム230を接近・離間可能に保持する装置本体232と、1対のアーム230を接近・離間させるエアシリンダ(図16参照)234とにより構成されている。そして、保持装置222は、エアシリンダ234の駆動により、1対のアーム230を接近させることでパレット70を保持し、1対のアーム230を離間させることで保持したパレット70を離脱する。また、昇降装置224は保持装置222を昇降させる。また、カメラ226は、保持装置222の装置本体232の下面に下方を向いた姿勢で配設されており、ステージ182に載置されたパレット70の上面を上方からの視点において撮像する。
このような構造により、移載装置170は、搬入装置166により搬入されてきたパレット70をステージ移動装置160のステージ182の上に移載する。詳しくは、搬入装置166の1対の搬送レーン212によりパレット70が造形作業機152の内部に搬入され、ステージ移動装置160と対向する位置まで搬送される。この際、ステージ移動装置160では、ステージ182が搬入装置166と搬出装置168との間に位置している。そして、保持装置222が、搬入装置166により搬送されてきたパレット70の上方に移動する。次に、保持装置222が昇降装置224の駆動により下降し、搬入装置166により搬入されてきたパレットを保持する。続いて、保持装置222が、昇降装置224の駆動により上昇した後に、ステージ182の上方に移動する。そして、保持装置222が昇降装置224の駆動により下降し、保持しているパレット70を離脱する。これにより、造形作業機152の内部に搬入されてきたパレット70がステージ182の上に移載される。
また、移載装置170は、ステージ182の上に載置されているパレット70を搬出装置168に移載する。詳しくは、保持装置222がステージ182の上方に移動する。次に、保持装置222が昇降装置224の駆動により下降し、ステージ182の上に載置されているパレット70を保持する。続いて、保持装置222が、昇降装置224の駆動により上昇した後に、搬出装置168の1対の搬送レーン216の上方に移動する。そして、保持装置222が昇降装置224の駆動により下降し、保持しているパレット70を離脱する。これにより、ステージ182の上のパレット70が搬出装置168の1対の搬送レーン216の上に移載される。
また、制御装置172は、図16に示すように、コントローラ250と、複数の駆動回路252と、画像処理装置254と、記憶装置256とを備えている。複数の駆動回路252は、上記電磁モータ184,200,210,214,218,228、インクジェットヘッド198、平坦化装置192、照射装置194、インクジェットヘッド208、赤外線照射装置204、昇降装置224、エアシリンダ234に接続されている。コントローラ250は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路252に接続されている。これにより、ステージ移動装置160、樹脂層造形ユニット162、配線造形ユニット164、搬入装置166、搬出装置168、移載装置170の作動が、コントローラ250によって制御される。また、コントローラ250は、画像処理装置254に接続されている。画像処理装置254は、カメラ226によって得られた撮像データを処理するものであり、コントローラ250は、撮像データから各種情報を取得する。また、記憶装置256は、造形物を造形するための各種データを記憶しており、コントローラ250に接続されている。これにより、コントローラ250は記憶装置256に記憶されているデータに従ってステージ移動装置160、樹脂層造形ユニット162、配線造形ユニット164等の作動を制御する。
また、装着作業機154は、図15にしめすように、造形作業機152の隣に並んで配設されており、搬送装置260と、移動装置262と、装着ヘッド264と、供給装置266と、カメラ268と、制御装置(図17参照)270とを備えている。
搬送装置260は、X軸方向に延びる1対のコンベアベルト272と、コンベアベルト272を周回させる電磁モータ(図17参照)274とを有している。なお、搬送装置260の1対のコンベアベルト272は、造形作業機152の搬出装置168の1対の搬送レーン216に連結されている。これにより、搬出装置168により造形作業機152から搬出されたパレット70が、搬送装置260の1対のコンベアベルト272によって支持されて、電磁モータ274の駆動により、装着作業機154の内部においてX軸方向に搬送される。また、搬送装置260は、基板保持装置(図12参照)276を有している。基板保持装置276は、コンベアベルト272によって支持されたパレット70を、所定の位置において固定的に保持する。
移動装置262は、X軸方向スライド機構280とY軸方向スライド機構282とによって構成されている。X軸方向スライド機構280は、X軸方向に移動可能に設けられたX軸スライダ286を有している。そのX軸スライダ286は、電磁モータ(図17参照)288の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸方向スライド機構282は、Y軸方向に移動可能にX軸スライダ286に設けられたY軸スライダ290を有している。そのY軸スライダ290は、電磁モータ(図17参照)292の駆動により、Y軸方向の任意の位置に移動する。そのY軸スライダ290には、装着ヘッド264が取り付けられている。このような構造により、装着ヘッド264は、移動装置262によって任意の位置に移動する。
装着ヘッド264は、電子部品を装着するものである。装着ヘッド264は、下端面に設けられた吸着ノズル300を有している。吸着ノズル300は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図17参照)302に通じている。吸着ノズル300は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド264は、吸着ノズル300を昇降させるノズル昇降装置(図17参照)304を有している。そのノズル昇降装置304によって、装着ヘッド264は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
供給装置266は、フィーダ型の供給装置であり、複数のテープフィーダ306を有している。テープフィーダ306は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ306は、送り装置(図17参照)308によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置266は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
カメラ268は、移動装置262のY軸スライダ290に下を向いた状態で固定されており、移動装置262の作動により任意の位置に移動する。これにより、カメラ268は、基板保持装置276に保持されたパレット70を撮像する。
また、制御装置270は、コントローラ310と、複数の駆動回路312と、画像処理装置314とを備えている。複数の駆動回路312は、上記電磁モータ274,288,292、基板保持装置276、正負圧供給装置302、ノズル昇降装置304、送り装置308に接続されている。コントローラ310は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路312に接続されている。これにより、搬送装置260、移動装置262等の作動が、コントローラ310によって制御される。また、コントローラ310は、画像処理装置314にも接続されている。画像処理装置314は、カメラ268により撮像された撮像データを処理するための装置である。これにより、コントローラは、撮像データから各種情報を取得する。なお、造形作業機152の制御装置172と装着作業機154の制御装置270とは、通信可能とされており、造形作業機152の制御装置172と装着作業機154の制御装置270との間で情報の送受信が行われる。
作業システム150では、上述した構成によって、パレット70の上に回路が形成される。具体的には、搬入装置166の1対の搬送レーン212によりパレット70が造形作業機152の内部に搬入される。なお、パレット70には、上述したように、パレット70の4隅のうちの3隅に3個の基準マーク110が記されており、残りの1隅に基準マーク110は記されていない。そして、第1姿勢(図8参照)と第2姿勢(図9参照)との何れかの姿勢でのみ、パレット70は搬入装置166の1対の搬送レーン212により搬送可能とされている。そして、移載装置170の作動により、搬入装置166の1対の搬送レーン212からステージ182の上にパレット70が移載される。このため、パレット70は、第1姿勢と第2姿勢との何れかの姿勢でステージ182の上にセットされる。つまり、第1セット方向(図8参照)と第2セット方向(図9参照)との何れかのセット方向で、パレット70はステージ182にセットされる。なお、パレット70の上には、剥離フィルム100が敷かれている。
そして、ステージ182にセットされたパレット70の剥離フィルム100の上に、樹脂層造形ユニット162において、図18に示すように、樹脂積層体330が形成される。樹脂積層体330は、インクジェットヘッド198からの紫外線硬化樹脂の吐出と、吐出された紫外線硬化樹脂への照射装置194による紫外線の照射とが繰り返されることにより形成される。
詳しくは、ステージ182にパレット70が載置されると、ステージ182は、樹脂層造形ユニット162の樹脂吐出装置190の下方に移動する。そして、樹脂吐出装置190において、インクジェットヘッド198が、パレット70の上面に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。続いて、紫外線硬化樹脂が薄膜状に吐出されると、ステージ182が平坦化装置192の下方に移動して、紫外線硬化樹脂の膜厚が均一となるように、紫外線硬化樹脂が平坦化装置192によって平坦化される。そして、ステージ182が照射装置194の下方に移動して、照射装置194が、その薄膜状の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、パレット70の剥離フィルム100の上に薄膜状の樹脂層332が形成される。
次に、ステージ182が樹脂吐出装置190の下方に移動して、インクジェットヘッド198が、その薄膜状の樹脂層332の上に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。続いて、ステージ182が平坦化装置192の下方に移動して、平坦化装置192によって薄膜状の紫外線硬化樹脂が平坦化される。そして、ステージ182が照射装置194の下方に移動して、照射装置194が、その薄膜状に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで、薄膜状の樹脂層332の上に薄膜状の樹脂層332が積層される。このように、薄膜状の樹脂層332の上への紫外線硬化樹脂の吐出と、紫外線の照射とが繰り返され、複数の樹脂層332が積層されることで、樹脂積層体330が形成される。
上述した手順により樹脂積層体330が形成されると、ステージ182が配線造形ユニット164のインク吐出装置202の下方に移動する。そして、インク吐出装置202において、図19に示すように、インクジェットヘッド208が、樹脂積層体330の上面に金属インク336を、回路パターンに応じて線状に吐出する。次に、ステージ182が赤外線照射装置204の下方に移動して、赤外線照射装置204が、金属インク336に赤外線を照射する。これにより、金属インク336が乾燥し、樹脂積層体330の上に配線338が形成される。
続いて、パレット70の剥離フィルム100の上に樹脂積層体330及び配線338が形成されると、ステージ182が搬入装置166と搬出装置168との間に移動する。続いて、パレット70が、移載装置170によりステージ182の上から搬出装置168の1対の搬送レーン216の上に移載される。そして、パレット70が、搬出装置168の作動により造形作業機152から搬出されて、装着作業機154の内部に搬入される。
装着作業機154では、搬入されたパレット70が、搬送装置260の1対のコンベアベルト272により作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置276によって固定的に保持される。また、テープフィーダ306は、テープ化部品を送り出し、電子部品(図20参照)340を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド264が電子部品340の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル300によって電子部品340を吸着保持する。続いて、装着ヘッド264がパレット70の上方に移動し、保持している電子部品340を、図20に示すように、パレット70に形成されている樹脂積層体330の上面に装着する。この際、電子部品340の電極342が配線338に接触するように、電子部品340は樹脂積層体330の上面に装着される。これにより、樹脂積層体330の上面において配線338に接続された電子部品340を含む回路が形成される。
このように回路を形成する作業システム150の造形作業機152においても、上記第1実施例と同様に、ステージ182にセットされたパレット70がカメラ226により撮像され、その撮像による撮像データに基づいて、パレット70のセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかが判断される。そして、パレットのセット方向に応じた印刷用データに従って紫外線硬化樹脂の印刷および、金属インクの印刷が実行される。以下に、パレットのセット方向に応じた印刷用データに従った印刷について説明する。ただし、第1セット方向に応じた紫外線硬化樹脂の第1印刷用データと、第2セット方向に応じた紫外線硬化樹脂の第2印刷用データとは、図式化した場合に、相違が解り難いため、パレットのセット方向に応じた印刷用データに従って金属インクが印刷される際について説明する。
まず、ステージ182にパレット70がセットされると、カメラ226によってステージ182が撮像される。そして、その撮像による撮像データが制御装置172のコントローラ250において分析され、撮像データに基づいて、パレット70のセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかが判断される。
次に、ステージ182は樹脂層造形ユニット162の下方に移動し、上述した手順に従って、パレット70の剥離フィルム100の上に樹脂積層体330が形成される。この際、紫外線硬化樹脂は、パレットのセット方向に応じた印刷用データに従って印刷されるが、ここでの紫外線硬化樹脂の印刷手法は、先に説明した第1実施例での紫外線硬化樹脂の印刷手法と同様であるため、説明を省略する。そして、パレット70の剥離フィルム100の上に樹脂積層体330が形成されると、ステージ182は、配線造形ユニット164の下方に移動し、配線造形ユニット164において、インクジェットヘッド208が、パレットのセット方向に応じた印刷用データに従って金属インクを樹脂積層体330の上に吐出して印刷する。
なお、金属インクの印刷用データとして、記憶装置256は、第1姿勢でステージ182にセットされたパレット70に金属インクを印刷するための第1印刷用データを記憶している。その第1印刷用データを図式化したものを図21に示す。一方で、第2姿勢でステージ182にセットされたパレット70に金属インクを印刷するための第2印刷用データは、記憶装置256に記憶されていない。つまり、第2実施例においても、第1実施例と同様に、第2印刷用データは記憶装置256に記憶されておらず、第1印刷用データのみが記憶装置256に記憶されている。
そして、撮像データに基づいてパレット70のセット方向が第1セット方向(図8参照)であると判断された場合には、配線造形ユニット164において、インクジェットヘッド208が、記憶装置256に記憶されている第1印刷用データに従って金属インクを吐出する。そして、第1印刷用データに従った金属インクの印刷が完了すると、図22に示すように、樹脂積層体330の上に金属インク336が印刷される。なお、金属インクの印刷が中断された場合の説明は、第1実施例の説明と重複するため、省略する。
一方で、撮像データに基づいてパレット70のセット方向が第2セット方向(図9参照)であると判断された場合には、配線造形ユニット164において、インクジェットヘッド208が、第2印刷用データに従って金属インクを吐出する。ただし、上述したように、記憶装置256に、第1セット方向のパレットに金属インクを印刷するための第1印刷用データは記憶されているが、第2セット方向のパレットに金属インクを印刷するための第2印刷用データは記憶されていない。このため、コントローラ250は、記憶装置256に記憶されている第1印刷用データに基づいて第2印刷用データを作成する。この際、例えば、図21に示す第1印刷用データでの金属インクの吐出位置を示すピクセルの位置を180度回転させることで、図23に示すように図式化される第2印刷用データが作成される。そして、配線造形ユニット164において、インクジェットヘッド208が、第2印刷用データに従って金属インクを吐出する。この際、第2印刷用データに従った金属インクの印刷が完了すると、図24に示すように、樹脂積層体330の上に金属インク336が印刷される。
このように、作業システム150の造形作業機152においても、上記造形装置10と同様に、パレット70のセット方向に応じた印刷用データに従って金属インクを印刷することが可能となり、上記造形装置10と同様の効果を得ることができる。また、作業システム150では、造形作業機152で造形された樹脂積層体330の上に、装着作業機154において電子部品340が装着される。この際、装着作業機154において、パレット70がカメラ268により撮像されて、その撮像による撮像データに基づいて電子部品340の装着位置を決定している。
詳しくは、造形作業機152において、インクジェットヘッド208によって、パレット70のセット方向に応じた印刷用データに従って金属インクが印刷されると、赤外線照射装置204によって、金属インクに赤外線が照射されて、配線が形成される。そして、パレットが造形作業機152から搬出されて、装着作業機154に搬入される。続いて、装着作業機154において、パレットが搬送装置260により作業位置まで搬送されて、基板保持装置276により保持されると、カメラ268によりパレットが撮像される。そして、制御装置270のコントローラ310において、撮像データに基づいて3個の基準マーク110の位置が演算される。
また、コントローラ310には、基準マーク110の位置に応じた電子部品の装着位置が設定されている。具体的には、3個の基準マーク110が図25に示す位置にある場合、つまり、パレットのセット方向が第1セット方向である場合に、電子部品340の装着位置A(X1,Y1)が設定されている。また、3個の基準マーク110が図26に示す位置にある場合、つまり、パレットのセット方向が第2セット方向である場合に、電子部品340の装着位置B(X2,Y2)が設定されている。なお、装着位置A(X1,Y1)は、第1印刷用データに従って印刷された金属インクにより形成された配線338と、電子部品340の電極342とが接触する位置に設定されている。一方、装着位置B(X2,Y2)は、第2印刷用データに従って印刷された金属インクにより形成された配線338と、電子部品340の電極342とが接触する位置に設定されている。そして、撮像データに基づいて3個の基準マーク110が図25に示す位置にあると演算された場合に、電子部品は装着位置A(X1,Y1)に装着される。一方、撮像データに基づいて3個の基準マーク110が図26に示す位置にあると演算された場合に、電子部品は装着位置B(X2,Y2)に装着される。これにより、パレットのセット方向が第1セット方向と第2セット方向との何れの場合においても、電子部品340を適切な位置に装着することができる。
また、造形作業機152で特定されたパレットのセット方向を利用することでも、装着作業機において電子部品340を適切な位置に装着することができる。具体的には、造形作業機152の記憶装置256に、装着位置A(X1,Y1)及び装着位置B(X2,Y2)を記憶させておき、装着位置A(X1,Y1)と第1セット方向とを関連付させて、装着位置B(X2,Y2)と第2セット方向とを関連付させておく。そして、造形作業機152においてパレットのセット方向が第1セット方向であると判断された場合に、造形作業機152の制御装置172が、その第1セット方向と関連付けられている装着位置A(X1,Y1)への装着指令を、装着作業機154の制御装置270に送信する。一方、造形作業機152においてパレットのセット方向が第2セット方向であると判断された場合に、造形作業機152の制御装置172が、その第2セット方向と関連付けられている装着位置B(X2,Y2)への装着指令を、装着作業機154の制御装置270に送信する。そして、装着作業機154の制御装置270は、造形作業機152の制御装置172から受信した装着位置に電子部品340を装着する。これにより、装着作業機154においてカメラ268によりパレットを撮像しなくても、電子部品340を適切な位置に装着することが可能となり、カメラ268による撮像時間の短縮を図ることができる。
また、造形作業機152の制御装置172のコントローラ250は、図16に示すように、判定部350とデータ作成部352と印刷部354とを有している。判定部350は、撮像データに基づいてパレットのセット方向が第1セット方向であるか第2セット方向であるかを判定するための機能部である。データ作成部352は、第1印刷用データに基づいて第2印刷用データを作成するための機能部である。印刷部354は、パレットのセット方向に応じた印刷用データを用いて金属インクを印刷するための機能である。
なお、上記実施例において、作業システム150は、作業システムの一例である。造形作業機152は、印刷作業機の一例である。装着作業機154は、装着作業機の一例である。インクジェットヘッド208は、印刷装置の一例である。記憶装置256は、記憶装置の一例である。判定部350は、判定装置の一例である。データ作成部352は、データ作成装置の一例である。また、判定部350により実行される工程は、判定工程の一例である。印刷部354により実行される工程は、印刷工程の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、記憶装置88,256に第1印刷用データが記憶されており、その第1印刷用データに基づいて第2印刷用データが作成されているが、記憶装置88,256に第1印刷用データと第2印刷用データとが記憶されていてもよい。
また、上記実施例では、ステージ52,182に第1姿勢と第2姿勢との何れかの姿勢でパレットがセットされている。つまり、所定の姿勢と、その所定の姿勢を180度回転させた姿勢でパレットがセットされている。一方で、所定の姿勢と、その所定の姿勢を180度以外の角度で回転させた姿勢でパレットがセットされてもよい。例えば、所定の姿勢と、その所定の姿勢を90度の倍数の角度で回転させた姿勢でパレットがセットされてもよい。このような場合には、所定の姿勢を90度の倍数の角度で回転させた姿勢でセットされるパレットに紫外線硬化樹脂などの粘性流体を印刷するための印刷用データが必要である。さらに言えば、ステージ52,182に任意の回転角度でパレットがセットされてもよい。このような場合には、パレットの回転角度を演算し、その回転角度でセットされるパレットに紫外線硬化樹脂などの粘性流体を印刷するための印刷用データが必要である。
また、上記実施例では、粘性流体として紫外線硬化樹脂、金属インクが採用されているが、熱硬化性樹脂、粘性接着剤、クリームはんだ等、種々の粘性流体を採用することができる。
また、上記第2実施例では、造形作業機152から装着作業機154に、パレットのセット方向に応じた装着位置の指令、つまり、パレットのセット方向に関する情報が送信されているが、そのセット方向に関する情報は限定されず、種々の情報を採用することができる。例えば、セット方向自体であってもよく、セット方向を特定するための情報であってもよい。このセット方向を特定するための情報は、基準マーク110の位置情報であってもよく、パレットの撮像データであってもよい。
また、上記実施例では、文字の造形物,回路を造形する技術に本発明が適用されているが、フィギュアなどの3次元造形物を造形する技術に本発明が適用されてもよい。