JP7670964B2 - 二重容器の予備剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二重容器の予備剥離方法に関する。
特許文献1には、内袋と外殻とを有する二重容器が開示されている。
特開2020-193023号公報
内袋の予備剥離には外気導入部が必要である。外殻底部には製造工程で生じる喰切部があり、この喰切部を割れば外気導入部を形成できる。しかし喰切部を割る力を外殻底部に加えると、その力は内袋にも伝わる。外殻を割る一方で、内袋の損傷は抑制したい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内袋の損傷を抑制しつつ予備剥離を行うことができる、二重容器の予備剥離方法を提供するものである。
本発明によれば、外殻と内袋とを有する二重容器の予備剥離方法であって、剥離工程を備え、前記剥離工程は、前記内袋の内部を負圧にした状態で前記外殻の底部に設けられた喰切部を割ることで前記内袋を前記外殻から剥離する、方法が提供される。
本発明では、負圧で内袋が縮もうとしている状態で喰切部を割ることができる。喰切部が割れて外気導入が起きるのに応じて内袋が縮むことができるので、内袋の損傷を抑制しつつ予備剥離を行うことができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記剥離工程は、前記底部における前記喰切部からずらした部位に力を加えることで前記喰切部を割る。
好ましくは、検査工程をさらに備え、前記検査工程は、前記剥離工程の後に前記内袋の内部を増圧した時に得られるデータに基づいて前記内袋にピンホールが存在するか否かを検査する。
好ましくは、前記外殻の前記底部の直径が14~25mmである。
二重容器の一例の側面図である。 図1のA―A線に沿う断面図である。 二重容器の底面図である。 予備剥離装置の構成を表すブロック図である。 吸引ヘッドの一例の分解斜視図である。 吸引ヘッドに二重容器をセットし且つ当接部の偏位量を設定した状態を表す断面図である。 剥離工程において当接部の先端面が二重容器の底部に当たる様子を表す断面図である。 図7における二重容器の底部付近のB破線領域を拡大した拡大断面図である。 剥離工程において内袋が縮む様子の一例を表す模式的な断面図である。 剥離工程の後に内袋を戻してリーク検査工程を行う様子を示す断面図である。 内袋の内部の増圧時に計測される、時間と流量の関係を模式的に表すグラフである。 当接部の位置の変形例(偏位量ゼロ)を表す断面図である。 当接部の変形例(凹曲面)を表す断面図である。 当接部の変形例(台形凹部)を表す断面図である。 当接部の変形例(凹部内に小さく盛り上がった凸曲面)を表す断面図である。 当接部の変形例(凹部内の偏位凸曲面)を表す断面図である。 吸引ヘッドの他の例の分解斜視図である。 吸引ヘッドの他の例に二重容器をセットした状態を表す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.予備剥離の対象となる二重容器の例
図1~図3を用いて、予備剥離の対象となる二重容器1について説明する。図1に示すように、二重容器1は、有底筒状であり、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。収容部7は、胴部7aと、底部7bを備える。
図2には図1のA-A断面が表される。二重容器1は、外殻12と内袋14とを有する二重構造の容器である。内袋14は、二重容器1の口端以外の部位において外殻12内に配置されている。内袋14は、内容物の吐出に伴って外殻12から離れて収縮可能に構成されている。その際に、後述する外気導入部15(外気導入孔)を通じて、内袋14と外殻12の間の中間空間に外気が導入されるので、外殻12は、収縮せずに元の形状が維持される。
本実施形態の二重容器1は、一例では、内容物を吸い出して噴霧する吸い出し装置としてのネブライザを取り付けて用いる樹脂製の容器(カートリッジ)である。本実施形態において、内容物は液体(例えば、喘息治療用の薬液)とされる。二重容器1には、内容物を充填した後に、貫通孔を有するキャップが装着された後に、貫通孔がフィルムで封止される。ネブライザは、中空の穿刺針を有しており、穿刺針がフィルムを突き破った後、貫通孔を通じて二重容器1の内部に挿入され、穿刺針を通じて内容物が吸い出される。
底部7bは下方に出張った断面凸状であり、底部7bの中央に喰切部7dが設けられる。喰切部7dは、外殻12と内袋14のそれぞれの底部を閉塞させている。この喰切部7dは、ダイレクトブロー成形によって二重容器1を形成する場合に、一対の分割金型でパリソンが押し潰されることで形成される。喰切部7dにおいてパリソンの対向する面同士が溶着されることよって二重容器1の底が閉じられている。
図3の底面図にも喰切部7dが図示されている。図3に示すように、喰切部7dは、底部7bの中心点Cを通りながら底部7bを縦断する。
外殻12の材料は、剛性を高めるという観点で、ホモポリプロピレンを含むことが好ましく、耐衝撃性を高めるという観点で、ランダムポリプロピレンを含むことが好ましく、ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンの両方を含むことが好ましい。内袋14の材料は、柔軟性を高めるという観点で、LDPEとLLDPEの少なくとも一方を含むことが好ましく、LDPEを含むことが好ましい。外殻12と内袋14との間には図示しない中間層が設けられてもよい。中間層は外殻12の材料と内袋14の材料との一方又は両方と剥離可能な樹脂で構成される。中間層は、好ましくは、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)樹脂を含むEVOH層である。
二重容器1は、一例として内容量が1~20mLとされる。二重容器1の内容量は、好ましくは、1~10mlであり、より好ましくは、3~5mlである。二重容器1の内容量は、具体的には例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。図3に示す二重容器1の底部直径Dは、一例として14~25mmであってもよく、14~16mmであってもよい。底部直径Dは、具体的には例えば、14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
2.予備剥離装置の構成
図4~図6を用いて、実施の形態の予備剥離方法に用いられる予備剥離装置2の一例を説明する。予備剥離とは、内袋14内に内容物を充填する前に、内袋14を外殻12から剥離させる工程を意味する。予備剥離を行うことによって、内袋14内に内容物を充填した後に、内袋14が外殻12から離れて収縮しやすくなる。
2-1.ブロック構成図
図4に示すように予備剥離装置2は、吸引装置3と、電磁弁4と、減圧系統5と、加圧系統6と、配管8を備える。吸引装置3は、吸引ヘッド3a(図5参照)とステージ3b(図6参照)とを備える。配管8は、吸引ヘッド3aと電磁弁4を連結する配管8aと、減圧系統5と電磁弁4を連結する配管8bと、加圧系統6と電磁弁4を連結する配管8cを備える。電磁弁4を制御することによって減圧系統5と加圧系統6の何れを吸引ヘッド3aに連結するのかを切り替えることが可能になっている。減圧系統5によって吸引ヘッド3aを通じたエアーの吸い込みが可能になっている。加圧系統6によって吸引ヘッド3aを通じてエアーの吹き込みが可能になっている。
減圧系統5は、電磁弁4側から順に、レギュレータ53と、真空ポンプ54を備える。真空ポンプ54は、配管8b内のエアーを排出して配管8b内を減圧する。レギュレータ53は、配管8bを流れるエアーの流量又は配管8b内のエアーの圧力を制御する。
加圧系統6は、電磁弁4側から順に、流量計64と、圧力計65と、スピードコントローラ61と、レギュレータ62と、コンプレッサ63を備える。コンプレッサ63は、配管8c内に圧縮エアーを供給する。レギュレータ62は、配管8c内のエアーの圧力の制御を行う。スピードコントローラ61は、配管8c内を流れるエアーの流量の制御を行う。圧力計65は、配管8c内のエアーの圧力を計測する。流量計64は、配管8c内を流れるエアーの流量を計測する。加圧系統6に含まれる構成要素は、適宜、順序を変更したり、省略したりしてもよい。
予備剥離装置2は、駆動機構71と当接部72と制御部73とをさらに備える。駆動機構71は一例としてエアシリンダである。当接部72は、吸引ヘッド3aと対向する位置に配置される(図6参照)。駆動機構71は、吸引装置3の側へ当接部72を進退駆動したり、当接部72を任意の位置で静止させたりする。制御部73は、駆動機構71を制御することで、吸引ヘッド3aに対する当接部72の位置制御や、進退の繰り返し回数(つまり往復回数)、当接部72の移動速度制御を行う。これにより当接部72の接触相手に加わる衝撃力や押圧力の大きさ等を調節できる。
2-2.吸引ヘッド3aの構成
図5に示す吸引ヘッド3aは、ヘッドベース31とパッキン32と挿入部材33とパッキン34とを備える。ヘッドベース31及びパッキン32には、それぞれ、配管8aの内部に連通する貫通孔31a,32aが設けられている。パッキン32は、ヘッドベース31の収容凹部31b内に配置されている。パッキン32は、エラストマーなどの気密性を高めることができる材料で構成されている。
挿入部材33は、棒状部33aと、棒状部33aの基端において径方向に突出するフランジ部33bを備える。パッキン34には、貫通孔34aが設けられており、棒状部33aは、貫通孔34aに挿通されている。パッキン34の材料は、パッキン32と同様である。棒状部33aは、棒状の部位であり、二重容器1の口部9の内径よりも細くされる。
2-3.ステージ3bと当接部72の構成
図6は、予備剥離装置2に二重容器1をセットした状態を表す。吸引ヘッド3aは、ステージ3bの中央凹部3b1に設置されている。二重容器1の口部9が吸引ヘッド3aに被せられ、口部9がステージ3bの中央凹部3b1に収容される。中央凹部3b1の深さは、一例として二重容器1の胴部7aを取り囲む程度の深さでもよい。
図6に示すように、挿入部材33の内部には貫通孔33cが設けられている。棒状部33aには、貫通孔33cに連通する吸込口33dが設けられている。吸込口33dは、棒状部33aの先端33a1に設けられている。
図6における吸引ヘッド3aの上方(換言すると底部7bの上方)に、当接部72が配置される。当接部72は、ステージ3b付近に設置された駆動機構71(図6では不図示)に接続されている。当接部72は先端面72aを持つ。先端面72aは、吸引ヘッド3aの上方に位置する。図6では当接部72の先端面72aがドーム状凸曲面(半球面)である。当接部72の他の構造例として図13~図16を含めて様々なものがあり、この点は後ほど変形例で説明する。
なお図6では一例として偏位量Eが予め設定される。この偏位量Eについて図3および図8を参照して説明する。図3は底部7bを二重容器1の中心軸線に沿って視た平面視図である。接触部位Fは、先端面72aと底部7bとが接触する点を底部7bの平面視領域内に示したものである。偏位量Eは、図3の平面視において接触部位Fが中心点Cからどの程度ずれているかを表す。偏位量Eが設定されると、図8に示すように、当接部72を下降させたときに喰切部7dからずらされた部位に先端面72aを当てることができる。
図3には底部半径Rが図示されており、RはDの1/2である。Cを原点とし、係数kを用いて、偏位量EがE=k×Rで規定されてもよい。kは例えば0.1以下、0.2以下又は0.5以下でもよく、例えばk=0.05~0.5でもよい。k=0.5のとき、接触部位Fが中心点Cから外径方向へとちょうどRの半分だけずらされる。係数kは、具体的には例えば、0.05、0.10、0.15,0.20、0.25,0.30,0.40,0.50,0.60等でもよく、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。後述の変形例で述べるように偏位量Eはゼロでもよく、この場合は係数k=0である。
接触部位Fは、先端面72aの形状や湾曲の程度に応じて変わる。先端面72aと底部7bとが点接触するとみなせる場合は、接触点である接触部位Fと中心点Cとの二点間距離を偏位量Eとすることができる。先端面72aと底部7bとがある程度大きな範囲で面接触するのであれば、例えば接触面内領域の中央点を接触部位Fとみなして、この中央点と中心点Cとの二点間距離を偏位量Eとすることもできる。
3.予備剥離方法
実施の形態の予備剥離方法は、剥離工程とリーク検査工程とを備える。
3-1.剥離工程
図6に示すように、二重容器1が予備剥離装置2にセットされる。ヘッドベース31と、フランジ部33bと、口部9の端面がパッキン32、34を介して密着する。この密着により内袋14の内部が貫通孔31a,32a,33cのみを通じて外部に連通する状態となる。減圧系統5又は加圧系統6による、内袋14内部の減圧又は加圧が可能になる。
次に、減圧系統5で吸引ヘッド3aの吸引を開始する。吸引により内袋14内部が減圧される。内袋14内部が負圧になることで、内袋14が縮もうとする状態がつくり出される。なお、吸引開始のタイミングは、遅くとも底部7bに先端面72aを当てるまでに内袋14の内部を負圧とするように設定される。
次に、当接部72を降下させて図7のように先端面72aを底部7bに当てる。実施の形態では一例として偏位量Eが設定されるので、底部7bにおける喰切部7dからずらした接触部位Fに先端面72aが当たる。図8の拡大断面図には、元の底面位置7b1を破線で図示している。先端面72aが当たることで底部7bの片側に鉛直下向きの力がはたらく。これにより喰切部7dが割れて外気導入部15が形成される。
外殻12では喰切部7dの強度が特に弱い。このため外殻12に力を加えることによって、図8に示すように喰切部7dを開いて外気導入部15を形成できる。外気導入部15からの外気の導入とともに、内袋14が縮もうとする力(図8に下方を向く多数の矢印で表す力)がはたらくことで、内袋14と外殻12との間に剥離隙間Gが生ずる。図8には剥離隙間Gの一例が模式的に表される。外気導入部15を通じて外殻12と内袋14の間の剥離隙間Gに外気を導入することができる。
ここで、先端面72aによる底部7bへの力の与え方には、様々なバリエーションがある。駆動機構71で当接部72を素早く降下させて、底部7bに衝撃力を加えてもよい。駆動機構71で当接部72を比較的緩やかに降下させて、底部7bに押圧力を加えてもよい。当接部72を上下方向へ複数回往復させて、複数回、底部7bに先端面72aを当接させてもよい。この「複数回」は、例えば2回でも3回でもよく、あるいは4回以上でもよいが、喰切部7dを確実に割ることと工程の時間を短くすることとを両立するために、例えば3回とされてもよい。なお、複数回の当接のなかの一回~数回(具体的には例えば最後の一回)では、当接部72を下降位置で一定時間停止させて、底部7bを押し下げた状態を保持してもよい。小型の二重容器1で底部7bの面積が小さいと、一回の当接のみでは剥離しにくい場合がある。この場合には衝撃力を複数回与えることで確実に剥離を生じさせてもよい。
なお図8では図示していないが、当接部72を底部7bに当てたときに二重容器1が下方に押し付けられる力を、ある程度までパッキン32、34で吸収してもよい。この場合、当接部72を底部7bに当てたときにパッキン32、34が厚さ方向に縮むことで、ある程度、二重容器1が下方に変位してもよい。これにより外殻12に加わる衝撃力または押圧力が調節されてもよい。
図9には、予備剥離により内袋14が縮む様子の一例が模式的に表される。喰切部7dを割って外気導入部15が形成されると、これに応じて速やかに、図9のように内袋14が縮むことができる。吸引によって内袋14の内部を負圧にしているので、負圧で内袋14が縮もうとしている状態で喰切部7dを割ることができるからである。これにより内袋14の損傷を抑制しつつ予備剥離を行うことができる。
予備剥離の後、加圧系統6によって吸引ヘッド3aを通じて内袋14にエアーの吹き込みが行われる。これにより図10のように内袋14が元の位置に戻るまで膨らむ。
3-2.リーク検査工程
実施の形態では、一例として、予備剥離工程に続いてリーク検査工程が行われる。リーク検査工程では、剥離工程の後に内袋14の内部を増圧した時に得られるデータに基づいて、内袋14にピンホールが存在するか否かが検査される。
具体的には、図10のように内袋14が元どおりに膨らんだ状態で、流量計64でピンホールの有無をチェックする。ピンホールがあれば空気漏れに伴う流量が発生する。
図11に示すように、加圧の開始後、流量計64で計測されるエアーの流量は急速に増大するが、内袋14の膨張に伴って、流量が徐々に低下する。内袋14にピンホールが存在していない場合には、内袋14が膨らみきった時点で、エアーの流量が非常に小さい値(ほぼ0)になる。一方、内袋14にピンホールが存在していると、内袋14が膨らみきってもピンホールを通じてエアーが内袋14外へ流出するので、内袋14から吸い出されるエアーの流量は、内袋14にピンホールが存在していない場合よりも多くなる。このため、所定時間Tの経過後に、内袋14から漏れ出すエアーの流量に基づいて(より具体的には、この流量が閾値Thを超えているかどうかを確認することによって)、内袋14にピンホールが存在しているかどうかを判定することができる。
また、内袋14にピンホールが存在している場合には、内袋14の内部の密閉度が低くなるので、内袋14内が加圧されにくくなる。このため、コンプレッサ63の設定圧力を基準値に設定した状態で、所定時間経過後に圧力計65で検出される圧力に基づいて、内袋14にピンホールが存在しているかどうかを判定してもよい。さらに、流量や圧力以外にも、内袋14の膨張態様や膨張時間などのデータに基づいてピンホールの有無を判定してもよい。但し、精度の観点から流量に基づく判定が好ましい。
以上説明した実施の形態の予備剥離方法によれば、喰切部7dが割れて外気導入が起きるのに応じて内袋14を縮ませることができる。これにより、内袋14の損傷を抑制しつつ予備剥離を行うことができる。また、予備剥離に続いてリーク検査も実施できるので、効率的である。なお図6でセットされる二重容器1は例えば成形直後のものでもよい。つまり二重容器1を成形する成形工程に続いて速やかに剥離工程が実施されてもよい。
4.変形例
実施の形態の構成は様々に変形可能である。以下に述べる複数の変形例が、一つまたは組み合わせて適用されてもよい。
例えば実施の形態のリーク検査工程が省略されてもよく、あるいは剥離工程の後に他の方法でリーク検査が行われてもよい。
変形例として、図12のように、偏位量Eがゼロとされてもよい。具体的には、図12のように喰切部7dの鉛直上方に先端面72aの中心部Cを配置して剥離工程を開始してもよく、底部7bの中心点Cに先端面72aの中心部Cを当ててもよい。この場合ちょうど中心部Cと中心点Cと接触部位Fとが鉛直線上に重なるので、偏位量Eがゼロとなる。
当接部72の形状は様々に変形されうる。例えば図13~図16で図示される変形例が提供されてもよい。図13のように、凹曲面(あるいは逆ドーム状)の先端面72bが設けられてもよい。図14のように、逆台形凹部の側面と底面とを構成する先端面72c1、72c2が設けられてもよい。この図14の例では、平面形状の先端面72c1によって底部7bに力が加えられる。図15のように、図14の先端面72c1が、凹部内に小さく盛り上がった凸曲面の先端面72dに置換されてもよい。図16のように、凹曲面の先端面72e1内に、凹部内に小さく盛り上がり且つ偏位した凸曲面状の先端面72e2が設けられてもよい。なお他の変形例として、図14の先端面72c2を取り除くことで当接部72を単なる有底筒状としてもよく、その底面(つまり先端面72c1)を底部7bに当ててもよい。なお、図13~図15の例では図12の例と同じく偏位量Eがゼロとなり、図16の例では先端面72e2の偏りにより偏位量Eが設けられる。
図6、図12~図15の各々の当接部72の立体形状は、中心軸線CLまわりの回転対称形状とすることができるが、これに限定されない。変形例として、これらの図において当接部72の輪郭を各図面の奥行方向(厚さ方向)へ押し出した押出形状が適用されてもよい。なお図16の当接部72は、中心軸線CLに対して非対称形状であり、図16の図面奥行き方向へ押し出した押出形状を用いることができる。
二重容器1の底部7bの構成も様々に変形できる。一例として、底部7bが平らな底面を持つように変形されてもよい。他の変形例として、底部7bが収容部7の内側へ凹んでもよく、この場合は底部7bが凹曲面となる。これらの場合、先端面72aは凸形状が好ましい。また、底部7bの凸高さ、つまり底部7bの突出具合が図6で例示したものに比べて小さくされてもよい。
上記変形例によれば、底部7bと先端面72aとの形状の組み合わせが多数存在することが理解される。便宜上、形状の組み合わせを「(底部7bの形状)/(先端面72aの形状)」で表した場合に、少なくとも「凸形状/凸形状(図6参照)」と「凸形状/凹形状(図13参照)」と「凸形状/平面形状(図14参照)」と「平面形状/凸形状」と「凹形状/凸形状」という複数の組み合わせが存在する。
なお、底部7bと先端面72aとがいずれも凸または凹に湾曲している場合、両者の湾曲度合いの大小は様々に設定されうる。一例として、先端面72aの凸曲面と比べて、底部7bの凸形状のほうが緩やかな湾曲(つまり小さな湾曲)を持ってもよく、あるいはその逆でもよい。湾曲度合いは曲率半径で比較してもよいが、断面が円形でない場合は外接円の曲率半径で比較してもよい。
なお実施の形態では底部7bの一箇所にのみ力を加えているが、これに限定されない。変形例として、複数の箇所に対して、同時に力を加えてもよく或いは任意の順番で逐次的に力を加えてもよい。複数の当接部72が凸形状の先端面72aを複数個備えてもよい。力が加えられる複数の領域は、喰切部7dの両脇に設定されてもよい。
以上の各々の変形例において、底部7bへの力の与え方(回数、速度、強さ)も、実施の形態で述べたように様々なバリエーションから任意の与え方を適用できる。
吸引ヘッド3aは様々に変形される。吸込口33dは、棒状部33aの先端以外の部位に設けてもよい。吸込口33dを棒状部33aの周面に設ける場合、内袋14が吸込口33dを閉塞しにくい位置(例:棒状部33aの根本の近傍)に設けることが好ましい。吸込口33dの数は、2つ以上であってもよい。吸引ヘッド3aの他の変形例として、図17に示すように挿入部材33とパッキン34が省略されても良い。この場合も図18のように二重容器1がセットされた状態で吸引が可能である。
駆動機構71はエアシリンダに限定されない。往復駆動する他の任意の機械要素がエアシリンダの代わりに用いられてもよく、任意の電磁アクチュエータで当接部72が駆動されてもよい。
下記表1は、実施の形態の予備剥離装置2において数種類(No.1~No.6)の当接部72を用いて、剥離工程の試験を行った結果を示す。数種類の当接部72は互いに先端面形状(底部7dとの接触面形状)が異なる。表1の各試験条件No.1~No.6は、先端面形状(凸、凹、平面)と偏位有無(偏位量Eの有無)において違いがある。駆動機構71としてエアシリンダが用いられ、エアシリンダ押圧力は0.2MPaに設定された。この設定で当接部72が被接触部に加える力をプッシュブルゲージで測定したところ、60Nであった。各試験条件でサンプルに使用した二重容器1は同じ形状である。サンプルの二重容器1は、成形後に時間が経ち、冷えていたので、熱風で軽く(5秒程度)温めてから試験に用いた。試験条件No.1~No.6それぞれで二重容器1のサンプル数はN=3とした。
表1では、喰切部7dの割れを主眼においた三段階の評価結果(◎、○、△)が示されている。試験条件No.1,2,5,6のサンプルでは、全数(3つ)のサンプルで、喰切部7dが良好に割れ、しかも内袋14の剥離も良好であった(結果◎)。試験No.4条件のサンプルでは、喰切部7dが割れたが、剥離具合は劣り、一部のサンプルにおいてある程度まで剥離した(結果○)。試験条件No.3のサンプルでは、喰切部7dが割れたが、剥離は不十分であった(結果△)。先端面形状で比較すると凸形状が有利であった。
なお、喰切部7dの割れやすさは外殻12の材質、厚さおよび底部7bの形状等にも依存するので、二重容器1の構造材質に応じて先端面形状が選択されてもよい。また、例えば二重容器1の成形後に速やかに実施の形態の剥離工程を適用したり、駆動機構71で加える力の大きさや回数を増やしたり、吸引装置3の吸引力を高めて予備剥離を促進したりするなどの方法も考えられる。
1 :二重容器
2 :予備剥離装置
3 :吸引装置
3a :吸引ヘッド
3b :ステージ
3b1 :中央凹部
4 :電磁弁
5 :減圧系統
6 :加圧系統
7 :収容部
7a :胴部
7b :底部
7b1 :元の底面位置
7d :喰切部
8、8a、8b、8c :配管
9 :口部
12 :外殻
14 :内袋
15 :外気導入部
31 :ヘッドベース
31a、32a、33c、34a :貫通孔
31b :収容凹部
32 :パッキン
33 :挿入部材
33a :棒状部
33a1 :先端
33b :フランジ部
33d :吸込口
34 :パッキン
53 :レギュレータ
54 :真空ポンプ
61 :スピードコントローラ
62 :レギュレータ
63 :コンプレッサ
64 :流量計
65 :圧力計
71 :駆動機構
72 :当接部
72a、72b、72c1、72c2、72d、72e1、72e2 :先端面
73 :制御部
:中心点
:中心部
:底部直径
:底部半径
:偏位量
:接触部位
:剥離隙間
T :所定時間
Th :閾値

Claims (3)

  1. 外殻と内袋とを有する二重容器の予備剥離方法であって、
    剥離工程を備え、
    前記剥離工程は、前記内袋の内部を負圧にした状態で前記外殻の底部に設けられた喰切部を割ることで前記内袋を前記外殻から剥離し、
    前記剥離工程は、前記底部における前記喰切部からずらした部位に力を加えることで前記喰切部を割る、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    検査工程をさらに備え、
    前記検査工程は、前記剥離工程の後に前記内袋の内部を増圧した時に得られるデータに基づいて前記内袋にピンホールが存在するか否かを検査する、方法。
  3. 請求項1又は請求項に記載の方法であって、
    前記外殻の前記底部の直径が14~25mmである、方法。
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