JP7671440B2 - ポリイミド含有耐熱離型シート、及び、被成形物の加圧成形方法 - Google Patents

ポリイミド含有耐熱離型シート、及び、被成形物の加圧成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド含有耐熱離型シート、及び、当該ポリイミド含有耐熱離型シートを用いた被加工物の加圧方法に関する。
熱板プレス、ロールラミネータ、ダブルベルトプレス等は、成形加工、積層加工において広く使われている装置である。成形加工、積層加工を行うための装置として熱板プレス法やダブルベルト法を用いて行う方法が知られている。熱板プレス法とは、一対の離型処理したスチールシート又はフッ素樹脂シート材のような離型性に優れる樹脂シート材をキャリアシート(搬送用シート)とし、このキャリアシートの間に被加工物を挟み込み、これを加熱されているプレス間に送り込んで所定時間加圧する方法である。また、ダブルベルト法とは、一対のエンドレススチールベルト間にキャリアシート及び被加工物を連続的に送り込み、ベルト間で挟んだ状態で移動させつつ加熱しながら加圧を行う方法である。かかる装置において成形加工、積層加工する際に加圧体と、被加工物(被成形物、被積層物)とが接着してしまうことを避けるために離型シートが用いられている。特に高温、高圧での成形加工、積層加工においては、耐熱性と機械的強度に優れる耐熱離型シートが必要になる。
従来、これらの離型シートとして多くの提案がなされている。耐熱離型シートとしては、シリコーンゴムシート、フッ素樹脂シートなどが多用されている。かかるシリコーンゴムシートやフッ素樹脂シートは、機械的強度に乏しく、繰り返し用いられることにより次第に変形を生じ、再現よく成形物を得ることが困難であった。また、厚さ精度が低いために被成型物の厚さ斑を生じやすく、必ずしも高精度な要求には応えることができなかった。さらに、シリコーンゴムシートやフッ素樹脂は必ずしも高温での耐久性が十分ではなく、長期間使用した場合に樹脂成分の劣化分解が進み、比較的低分子量のシリコーン樹脂やフッ素樹脂が被成形体表面に移行し、種々の問題を生ずることがあった。
また、キャリアシートは通常環境では少なからず水分を含んでおり、温度上昇時にキャリアシートから水分が蒸発し、それに伴う寸法変化によって、被成形物がキャリアシートに引っ張られてしまい、シワなどの原因となることが多かった。
これらの課題を解決するため、近年多数の提案がなされている。例えば、板厚0.05~0.5mmの金属板の片面にエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体フィルムを積層してなる離型シート(特許文献1参照)、シート基材と、このシート基材の表面に被覆された剥離層とを装備する離型シートであって、剥離層がフッ素樹脂とアクリル樹脂とを含有する離型シート(特許文献2参照)、膨張黒鉛シートの片面または両面に耐熱性と離型性がある樹脂層を有する耐熱離型シートであって、前記樹脂層が熱硬化性ポリイミド樹脂又はフッ素樹脂からなる耐熱離型シート(特許文献3参照)などが提案されている。
特開2000-062089号公報 特開2000-290897号公報 特開2003-127267号公報
しかしながら、これらの離型シートにおいても、繰り返し使用することにより、成形物の再現性が低下する等の課題を抱えている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、繰り返し使用しても、高精度で再現よく成形物を得ることが可能なポリイミド含有耐熱離型シートを提供することにある。また、当該ポリイミド含有耐熱離型シートを使用した被加工物の加圧加工方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリイミド含有耐熱離型シート、及び、当該ポリイミド含有耐熱離型シートを使用した被加工物の加圧加工方法について鋭意研究を行った。その結果、下記の構成を採用することにより、繰り返し使用しても、高精度で再現よく成形物を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
厚さ斑の平均値が5%以下であり、
表面粗さRaが0.05μm以下であり、
引張弾性率が6GPa以上であり、
下記式(1)を満たすことを特徴とするポリイミド含有耐熱離型シート。
100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
(ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
前記構成によれば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有するため、水分蒸発による寸法変化が小さく、下記式(1)を満たすことが可能となる。また、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有するため、シート化する際の条件(特に、イミド化条件)を好適に調整することにより、厚さ斑、表面粗さ、引張弾性率を離型シートとして良好な物性とし易い。
また、厚さ斑の平均値が5%以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、複数の被加工物の間での形状の相違が小さくなる。また、厚さ斑の平均値が5%以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、1回の加工における被加工物内での厚みムラを小さくすることができる。すなわち、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
また、表面粗さRaが0.05μm以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、被加工物に離型シートの表面形状(表面粗さに起因する凹凸)が転写されることを抑制することができる。その結果、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
また、引張弾性率が6GPa以上であるため、機械的強度が良好である。従って、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施す際に、繰り返し用いたとしても変形が生じにくい。その結果、繰り返し使用したとしても、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
また、「100×|A1-A2|/A0」の値が0.04未満であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施す際、温度上昇時に当該剥離シートから水分が蒸発し、それに伴う寸法変化が生じることを抑制することができる。その結果、被加工物が剥離シートに引っ張られてしまい、シワなどの原因となることを抑制することができる。
このように、本発明によれば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、厚さ斑の平均値が5%以下であり、表面粗さRaが0.05μm以下であり、引張弾性率が6GPa以上であり、上記式(1)を満たすため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、繰り返し使用しても、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
(2)前記(1)の構成においては、線熱膨張係数が6ppm/K以下であることが好ましい。
線膨張係数(CTE)が6ppm/K以下であると、寸法安定性(耐熱性)により優れるといえる。その結果、より高精度で再現よく成形物を得ることができる。
また、本発明は以下を提供する。
(3)ポリイミド含有耐熱離型シートの間に被加工物を挟み込んだ状態で、前記被加工物を加圧する工程を含み、
前記ポリイミド含有耐熱離型シートは、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
厚さ斑の平均値が5%以下であり、
表面粗さRaが0.05μm以下であり、
引張弾性率が6GPa以上であり、
下記式(1)を満たすことを特徴とする被加工物の加圧加工方法。
100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
(ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
前記構成によれば、前記ポリイミド含有耐熱離型シートを用いて被加工物を加圧加工するため、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
本発明によれば、繰り返し使用しても、高精度で再現よく成形物を得ることが可能なポリイミド含有耐熱離型シートを提供することができる。また、当該ポリイミド含有耐熱離型シートを使用した被加工物の加圧加工方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<ポリイミド含有耐熱離型シート>
本実施形態に係るポリイミド含有耐熱離型シート(以下、「離型シート」または「ポリイミドフィルム」ともいう)は、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
厚さ斑の平均値が5%以下であり、
表面粗さRaが0.05μm以下であり、
引張弾性率が6GPa以上であり、
下記式(1)を満たす。
100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
(ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
前記離型シートは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有するポリイミドフィルムである。
一般的に、ポリイミドフィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(以下では「前駆体フィルム」、「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で、グリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることで得られる。ここで、グリーンフィルムとは、溶媒を含有し、自己支持性を有するポリアミド酸のフィルムをいう。グリーンフィルムの溶媒含有量は、自己支持性を有していれば特に限定されないが、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、よりさらに好ましくは20質量%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。また、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下であり、特に好ましくは50質量%以下である。
また、別の方法として、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類との脱水閉環反応により得られるポリイミド溶液をポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して、例えば1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムとなし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムを高温処理して乾燥させることでも得られる。
本実施形態では、前記離型シートを得るためのジアミン類として、ジアミノベンズアニリドを用いる。前記ジアミノベンズアニリドとしては、4,4’-ジアミノベンズアニリド(以下、DABANともいう)が好ましい。
前記ジアミノベンズアニリド(特に、DABAN)の含有量は、全ジアミン成分を100質量%としたとき、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特別に好ましくは、100質量%である。
前記ジアミノベンズアニリド以外のジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。
また、本実施形態では、前記離型シートを得るためのテトラカルボン酸類として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いる。前記ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAともいう)が好ましい。
前記ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(特に、BPDA)の含有量は、全テトラカルボン酸成分を100質量%としたとき、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特別に好ましくは、100質量%である。
前記ビフェニルテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。
上述の通り、前記離型シートは、前記離型シートを得るためのジアミン類としてジアミノベンズアニリドを用い、テトラカルボン酸類としてビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いるため、前記離型シートは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有することとなる。
前記離型シートは、なかでも、BPDA、及び、DABANに由来する構造単位を有するものであることが好ましい。前記離型シートに含まれる全構造単位を100質量%としたとき、BPDA、及び、DABANに由来する構造単位の合計が80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは、100質量%である。
前記離型シートは、BPDA、及び、DABANに由来する構造単位を有するポリイミド以外の組成を含有していてもよい。前記離型シートに含まれる前記ポリイミド(BPDA、及び、DABANに由来する構造単位を有するポリイミド)の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%であっても差し支えない。
BPDA、及び、DABANに由来する構造単位を有するポリイミド以外の組成としては、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に限定されず、通常、ポリイミド系の離型シートに使用されるものを用いることができる。
前記離型シートは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有するため、厚さ斑、表面粗さ、引張弾性率が離型シートとして良好な物性となる。その理由としては、本発明者らは、シートとした際に前記構造単位が高配向するためと推察している。
なお、厚さ斑、表面粗さ、引張弾性率等の各物性は、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有することにより離型シートとして良好な物性となるが、後述するように、シート化する際の条件(特に、イミド化条件)によっても、さらに、良好な物性にコントロールすることができる。
前記剥離シートは、厚さ斑の平均値が5%以下である。前記厚さ斑の平均値は、好ましくは4.5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3.5%以下である。前記厚さ斑の平均値の下限は特に限定されないが、成形加工や積層加工用途であれば、例えば、0.5%以上、1%以上等である。厚さ斑の平均値が5%以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、複数の被加工物の間での形状の相違が小さくなる。また、厚さ斑の平均値が5%以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、1回の加工における被加工物内での厚みムラを小さくすることができる。すなわち、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
前記厚さ斑の平均値を5%以下にコントロールする方法としては、前記剥離シートの構成として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有する構成を採用することや、シート化する際の条件(特に、イミド化条件)を適切にコントロールする方法等が挙げられる。
本明細書において、厚さ斑の平均値は、以下の方法により求まる値をいう。
<厚さ斑の平均値の求め方:離型シートがロール状の場合>
幅方向(TD)の中央付近から、短冊状の試料を切り出す。短冊のサイズは、幅5cm、長さ5cmとする。その後、長さ方向(MD)に1mピッチで4枚の短冊を切り出し、合計5枚の試料を得る。
各短冊につき、中央、及び、中央から長さ方向にそれぞれ5cm離間した箇所(2点)、及び、10cm離間した箇所(2点)の合計5点で厚さを測定する。
各短冊につき、厚さ斑を、下記の計算により求める。
厚さ斑=100×(最大厚-最小厚)/(平均厚さ)
最後に、5枚の短冊の厚さ斑を平均し、これを、厚さ斑の平均値とする。
<厚さ斑の平均値の求め方:離型シートが長方形(枚葉)の場合>
隅の4箇所と中央の1箇所の合計5箇所の厚さを測定する。測定する隅の4カ所は、近接する2辺からの距離が10cmの箇所とする。
5箇所の厚さを平均し、これを厚さ斑の平均値とする。
前記剥離シートは、表面粗さRaが0.05μm以下である。前記表面粗さRaは、好ましくは0.04μm以下であり、より好ましくは0.03μm以下であり、さらに好ましくは0.025μm以下である。前記表面粗さRaの下限は特に限定されないが、成形加工や積層加工用途であれば、例えば、0.001μm以上、0.002μm以上等である。表面粗さRaが0.05μm以下であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施せば、被加工物に離型シートの表面形状(表面粗さに起因する凹凸)が転写されることを抑制することができる。その結果、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
前記表面粗さRaを0.05μm以下にコントロールする方法としては、前記剥離シートの構成として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有する構成を採用することや、シート化する際の条件(特に、イミド化条件)を適切にコントロールする方法等が挙げられる。
前記表面粗さRaの測定方法の詳細は、実施例に記載の方法による。
前記剥離シートは、引張弾性率が6GPa以上である。前記引張弾性率は、好ましくは6.5GPa以上であり、より好ましくは7GPa以上である。また、前記引張弾性率は、製造する困難性などから30GPa以下であることが好ましく、より好ましくは25GPa以下である。
引張弾性率が6GPa以上であるため、機械的強度が良好である。従って、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施す際に、繰り返し用いたとしても変形が生じにくい。その結果、繰り返し使用したとしても、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
前記引張弾性率を6GPa以上にコントロールする方法としては、前記剥離シートの構成として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有する構成を採用することや、シート化する際の条件(特に、イミド化条件)を適切にコントロールする方法等が挙げられる。
前記引張弾性率の測定方法の詳細は、実施例に記載の方法による。
なお、本明細書において、引張弾性率は、MD方向とTD方向との平均値をいう。
前記剥離シートは、下記式(1)を満たす。
100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
(ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
すなわち、前記離型シートは、1回目の加熱冷却後の寸法(A1)と2回目の加熱冷却後の寸法(A2)の差(絶対値)が、加熱冷却前の寸法とほぼ変化がなく、水分蒸発による寸法変化が小さいものである。
仮に、離型シートに水分が多く含まれている場合には、1回目の加熱冷却により水分蒸発が生じ、剥離シートの寸法が大きく変化する。一方、2回目は水分が蒸発した状態での加熱冷却となることから、寸法変化は小さくなり、「100×|A1-A2|/A0」の値は大きくなることとなる。
しかしながら、本実施形態に係る前記剥離シートは、水分を含む量が少ないため、「100×|A1-A2|/A0」の値は0.04未満である。「100×|A1-A2|/A0」の値は、好ましくは0.0038以下であり、より好ましくは0.0035以下である。下限は特に限定されないが、成形加工や積層加工用途であれば、0.0005以上であっても良く、0.001以上であっても差し支えない。
「100×|A1-A2|/A0」の値が0.04未満であるため、当該離型シートを被加工物とプレス板等との間に挟んで加圧加工を施す際、温度上昇時に当該剥離シートから水分が蒸発し、それに伴う寸法変化が生じることを抑制することができる。その結果、被加工物が剥離シートに引っ張られてしまい、シワなどの原因となることを抑制することができる。
前記「100×|A1-A2|/A0」の値を0.04未満にコントロールする方法としては、前記剥離シートの構成として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有する構成を採用することや、イミド化の条件を後述の範囲とすること等が挙げられる。
前記「100×|A1-A2|/A0」の値の求め方の詳細は、実施例に記載の方法による。
なお、本明細書において、前記「100×|A1-A2|/A0」の算出には、MD方向の測定値を用いる。MD、TDの方向がわからない場合には、2方向で測定し、値が大きい方をMD方向であることとする。
前記離型シートは、線膨張係数(CTE)が6ppm/K以下であることが好ましく、より好ましくは5.5ppm/K以下であり、さらに好ましくは5ppm/K以下である。前記線膨張係数(CTE)の下限は特に限定されないが、成形加工や積層加工用途であれば、-10ppm/K以上、-5ppm/K以上等である。線膨張係数(CTE)が6ppm/K以下であると、寸法安定性(耐熱性)により優れるといえる。その結果、より高精度で再現よく成形物を得ることができる。
前記線膨張係数(CTE)を6ppm/K以下にコントロールする方法としては、前記剥離シートの構成として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有する構成を採用することや、イミド化時にフィルムにかかるテンションを適切にコントロールする方法等が挙げられる。
なお、本明細書において、線熱膨張係数は、離型シートのMD方向とTD方向のそれぞれの値の平均値をいう。
前記離型シートは、好ましくは融点が250℃以上であり、より好ましくは300℃以上であり、さらに好ましくは400℃以上である。融点が250℃以上であると、耐熱性により優れる。また、前記離型シートは、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、より好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは380℃以上である。ガラス転移温度が200℃以上であると、耐熱性により優れる。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を超える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目視観察することで融点に達しているか否かを判断する。
前記離型シートに含まれる溶媒量(残存溶媒量)は、0.01~10ppmであることが好ましく、より好ましくは0.01~5ppmであり、さらに好ましくは0.01~1ppmである。前記溶媒量(残存溶媒量)は、少なければ少ないほど好ましいが、製造の容易性、コスト等を考慮すれば、実質的に不具合が生じない程度にすればよく、その下限としては、具体的には0.01ppmである。
前記溶媒残存量の測定は、ガスクロマトグラフ測定による。具体的には、離型シート内の残存溶媒量を次の方法で定量化測定する。まず、測定対象物である離型シートを約10mgの大きさに採取し、その質量を正確に計量する。計量後サンプルをガスクロマトグラフ用ガラスインサートに充填し、そのガラスインサートを充填カラム装着ガスクロマトグラフの注入口にセットする。注入口温度を350℃に保ったまま、窒素キャリヤーガスで30分間パージし、気化した溶剤成分を室温状態で充填カラムにトラップさせる。そのトラップしたものをFID検出器で、そのままガスクロマトグラフ分析を行い、直接検量線法により測定フィルムの残存溶媒量を定量化する。検量線作成に用いる標準液は、水またはメタノールであり、注入口にスパイクして、フィルムと同様の測定を行う。下記に、ガスクロマトグラフの測定条件を示す。
[測定条件]
装置:島津GC14A
分離カラム:内径3mm×1.6mガラス製
充填剤:TENAX-TA
キャリヤーガス:N2、40ml/min.
注入口温度:350℃
オーブン温度:室温トラップ30分→80~250℃(15℃/min.)
前記離形シートに含まれる残存溶媒量を所定の範囲とするための方法は、特に限定されないが、離型シートの前駆体であるグリーンフィルムの乾燥条件等によりコントロールすることができる。
上述した通り、前記離型シートは、溶媒中でビフェニルテトラカルボン酸二無水物(テトラカルボン酸類)、及び、ジアミノベンズアニリド(ジアミン類)とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。
また、別の方法として、溶媒中でビフェニルテトラカルボン酸二無水物(テトラカルボン酸類)、及び、ジアミノベンズアニリド(ジアミン類)との脱水閉環反応により得られるポリイミド溶液をポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して、例えば1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムとなし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムを高温処理して乾燥させることでも得られる。
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノベンズアニリドとを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。なかでもN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドが好ましく適用される。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5~40質量%、好ましくは10~20質量%となるような量が挙げられる。
前記ポリポリアミド酸は公知の製造方法により製造可能である。すなわち、原料である1種または2種以上のテトラカルボン酸無水成分(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む)、及び、1種または2種以上のジアミン成分(ジアミノベンズアニリドを含む)を使用し、前記溶媒中で重合してポリアミド酸溶液を得る。反応装置には、反応温度を制御するための温度調整装置を備えていることが好ましく、反応温度としては0℃以上80℃以下が好ましく、さらに15℃以上60℃以下であることが重合の逆反応であるポリアミド酸の加水分解を抑制し、しかもポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
前記ポリアミド酸溶液には、必要に応じでイミド化触媒、無機微粒子等を加えてもよい。
前記イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましい。前記3級アミンとしては複素環式の3級アミンが好ましい。前記複素環式の3級アミンの好ましい具体例としては、ピリジン、2,5-ジエチルピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリンなどを挙げることができる。前記イミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)の反応部位に対して0.01~2.00当量が好ましく、0.02~1.20当量がより好ましい。前記イミド化触媒の使用量を0.01当量以上にすると、触媒の効果を十分に得ることができる。また、前記イミド化触媒の使用量を2.00当量以下にすると、反応に関与しない触媒の割合を減らすことができ、費用の面で好適である。
前記無機微粒子としては、微粒子状の二酸化ケイ素(シリカ)粉末、酸化アルミニウム粉末等の無機酸化物粉末;微粒子状の炭酸カルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末等の無機塩粉末を挙げることができる。前記無機微粒子が粗大な粒として存在していると、次工程以降での欠陥の原因となる可能性があるため、前記無機微粒子は、前記ポリアミド酸溶液中に、均一に分散されることが好ましい。
ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液、又は、ポリイミド溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
前記ポリアミド酸溶液、又は、ポリイミド溶液の還元粘度(ηsp/C)は、0.1以上であることが好ましく、より好ましくは1以上であり、さらに好ましくは2以上である。また5以下であることが好ましく、より好ましくは4.5以下であり、さらに好ましくは4以下である。
グリーンフィルムを得るための乾燥条件(塗布したポリアミド酸の乾燥条件)としては、例えば、N,N-ジメチルアセトアミドを溶媒として用いる場合は、乾燥温度は、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~125℃であり、さらに好ましくは85~120℃である。前記乾燥温度を130℃以下とすることにより、分子量低下がおこり、グリーンフィルムが脆くなることを防止することができる。また、前記乾燥温度を130℃以下とすることにより、グリーンフィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなることを防止することかできる。また、前記乾燥温度を70℃以上とすることにより、乾燥時間が長くなること、分子量低下がおこりやすくなること、及び、乾燥不十分によるハンドリング性の低下を抑制することができる。また、乾燥時間としては、乾燥温度にもよるが、好ましくは5~90分間であり、より好ましくは15~80分間である。乾燥時間を90分以下とすることにより、分子量低下やフィルムが脆くなることを抑制することができる。また、乾燥時間を5分以上とすることにより、乾燥不十分によるハンドリング性の低下を抑制することができる。
乾燥装置は従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
グリーンフィルムをイミド化する具体的な方法としては、加熱処理を複数ステップで行いイミド化させることが好ましい。ステップ数としては、2以上であることが好ましく、より好ましくは3以上である。またステップ数としては、10以下が好ましく、より好ましくは5以下である。
ステップ数を2以上(より好ましくは3以上)とすることにより、急激な加熱による溶媒の急激な蒸発を防止することができる。その結果、表面平滑性を良好とすることができる。また、ステップ数を2以上(より好ましくは3以上)とすることにより、分子が動き易くなり、テンションコントロールにより分子配向を高め易くすることができる。
一方でステップ数が多すぎると逆反応が起こりやすい温度帯を使用することになり、得られるポリイミドフィルムの力学物性が低下するおそれがある。そこで、ステップ数を10以下とすることにより、得られるポリイミドフィルムの力学物性が低下することを抑制することができる。
イミド化(加熱処理)を3ステップで行う場合、各ステップにおける温度や時間は、以下の観点で設定する。
第1ステップ:残存溶媒を好適に除去することにより、フィルムの厚さ斑の平均値や表面粗さを良好とする。
第1~第2ステップ:ある程度溶媒が残った状態でイミド化とテンションコントロールを行い、高配向とする。また、逆反応の起こりやすい温度域を避ける。
第3ステップ:イミド化を完了させ、逆反応により生じた末端を再結合させる。
具体的に、イミド化(加熱処理)を3ステップで行う場合の各ステップにおける温度や時間の好ましい範囲は、以下の通りである。
第1ステップのイミド化温度としては、残存溶媒を除去することにより、フィルムの厚さ斑の平均値や表面粗さを良好とすることができることから、150℃以上であることが好ましく、より好ましくは180℃超であり、さらに好ましくは185℃以上であり、特に、好ましくは190℃以上である。また、第1ステップのイミド化温度は、220℃以下であることが好ましく、より好ましくは210℃以下である。
第1ステップのイミド化時間としては、1分以上であることが好ましく、より好ましくは2分以上である。また、第1ステップのイミド化時間としては、10分以下であることが好ましく、より好ましくは5分以下である。
第1ステップ終了後、第2ステップのイミド化反応(加熱処理)を行う。第2ステップのイミド化温度としては、220℃超であることが好ましく、より好ましくは230℃以上であり、さらに好ましくは240℃以上である。また、第2ステップのイミド化温度としては、280℃以下であることが好ましく、より好ましくは270℃以下である。
第2ステップのイミド化時間としては、1分以上であることが好ましく、より好ましくは2分以上である。また、第2ステップのイミド化時間としては、10分以下であることが好ましく、より好ましくは5分以下である。
第2ステップ終了後、第3ステップのイミド化反応(加熱処理)を行う。第3ステップのイミド化温度としては、280℃超であることが好ましく、より好ましくは290℃以上であり、さらに好ましくは295℃以上である。また、第3ステップのイミド化温度としては、フィルムの厚さ斑の平均値や表面粗さが良好となることから、480℃未満であることが好ましく、より好ましくは400℃以下であり、さらに好ましくは350℃以下である。
第3ステップのイミド化時間としては、2分以上であることが好ましく、より好ましくは4分以上である。また、第3ステップのイミド化時間としては、20分以下であることが好ましく、より好ましくは10分以下である。
上記複数ステップを経由することで、フィルムの厚さ斑の平均値や表面粗さが良好な離型シートを得ることができる。
イミド化(加熱処理)は、フィルム両端をピンテンターやクリップで把持して実施される。その際、フィルムの均一性を保持するためには、可能な限りフィルムの幅方向及び長手方向の張力を均一にすることが好ましい。具体的には、フィルムをピンテンターに供する直前に、フィルム両端部をブラシで押さえ、ピンが均一にフィルムに突き刺さるような工夫を挙げることができる。ブラシは、剛直で耐熱性のある繊維状のものが望ましく、高強度高弾性率モノフィラメントを採用することができる。これらイミド化の条件(温度、時間、張力)を満たすことにより、フィルム内部(表裏や平面方向)の配向歪の発生を抑制し、厚さ斑の平均値、表面粗さRa、残存溶媒量等が所定範囲となり、かつ機械的な物性(特に、引張弾性率、引張破断強度等)を充分に維持した離型シート(ポリイミドフィルム)を得ることができる。
前記離型シートは、ポリアミド酸のグリーンフィルムを経由して製造されることが好ましい。すなわち、グリーフィルムをイミド化反応することで、より剥離性や耐熱性に優れた剥離シートを得ることができる。
前記離型シートは、通常は無延伸のシートであることが好ましいが、1軸または2軸に延伸されたシートであっても構わない。ここで、無延伸のシートとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
<被加工物の加圧加工方法>
本実施形態に係る被加工物の加圧加工方法は、
ポリイミド含有耐熱離型シートの間に被加工物を挟み込んだ状態で、前記被加工物を加圧する工程を含み、
前記ポリイミド含有耐熱離型シートは、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
厚さ斑の平均値が5%以下であり、
表面粗さRaが0.05μm以下であり、
引張弾性率が6GPa以上であり、
下記式(1)を満たすことを特徴とする被加工物の加圧加工方法。
100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
(ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
本実施形態に係る被加工物の加圧加工方法において使用するポリイミド含有耐熱離型シートについてはすでに説明したので、ここでの説明は省略することとする。
本実施形態に係る被加工物の加圧加工方法は、前記ポリイミド含有耐熱離型シートの間に被加工物を挟み込んだ状態で、前記被加工物を加圧する工程を含む。
被加工物としては、加圧により加工されるものであれば、特に限定されず、例えば、樹脂製のものが挙げられる。
前記加圧加工としては、成形加工、積層加工が挙げられる。成形加工の場合、被成形物(被加工物)を加圧(必要に応じて加熱)することにより、成形物を得ることができる。積層加工の場合、2以上の被積層物(被加工物)を重ねた状態で加圧(必要に応じて加熱)することにより、積層体(成形物)を得ることができる。
成形加工、積層加工を行うための装置としては、熱板プレス法、ダブルベルト法が挙げられる。熱板プレス法の場合、一対の前記ポリイミド含有耐熱離型シートをキャリアシート(搬送用シート)として、このキャリアシートの間に被加工物を挟み込み、これを加熱されているプレス間に送り込んで所定時間加圧する。また、ダブルベルト法の場合、一対のエンドレススチールベルト間に前記ポリイミド含有耐熱離型シート、被加工物を連続的に送り込み、ベルト間で挟んだ状態で移動させつつ加熱しながら加圧を行う。
本実施形態に係る被加工物の加圧加工方法によれば、加圧加工する際に、前記ポリイミド含有耐熱離型シートを用いるため、高精度で再現よく成形物を得ることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<作製例1:ポリアミド酸溶液1の作製>
窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)と、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と、コロイダルシリカ(滑剤)をジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とを、コロイダルシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%になるように加え、完全に溶解させた。次いで、22.73質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)12質量%、還元粘度(ηsp/C)3.10dl/gのポリアミド酸溶液1を得た。
<作製例2:ポリアミド酸溶液2の作製>
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を入れた。次いで、DMAcを加えて完全に溶解させてから、ピロリメット酸無水物(PMDA)を加えて、モノマーとしてのODAとPMDAとが1/1のモル比でDMAc中で重合し、モノマー仕込濃度が15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液2を得た。還元粘度(ηsp/C)は2.1dl/gであった。
<作製例3:ポリアミド酸溶液3の作製>
DMAc中にODAを全ジアミン基準で60モル%供給して溶解させ、続いてパラフェニレンジアミン(1,4―フェニレンジアミン)P-PDA(40モル%)およびPMDAを順次供給し、室温で、約1時間撹拌した。最終的にテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分が約100モル%化学量論からなるポリアミド酸濃度20質量%の溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を氷冷し、無水酢酸、β-ピコリンを加え撹拌し、ポリアミド酸溶液3を得た。
<作製例4:ポリアミド酸溶液4の作製>
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、P-PDAを入れた。次いで、DMAcを加えて完全に溶解させてから、PMDAを加えて、モノマーとしてのP-PDAとPMDAとが1.0/1.0のモル比でDMAc中で重合し、モノマー仕込濃度が15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液4が得られた。
<作製例5:ポリアミド酸溶液5の作製>
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N-メチル-2-ピロリドン5000質量部を加えて完全に溶解させた後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAc-Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え、ピロメリット酸二無水物485質量部を加え、25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液5が得られた。得られた溶液の還元粘度(ηsp/C)は4.2dl/gであった。
<作製例6:ポリアミド酸溶液6の作製>
窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、11.36質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)と、11.32質量部の2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)と、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と、コロイダルシリカ(滑剤)をジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とを、シリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させた。次いで、22.73質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)12質量%、還元粘度(ηsp/C)3.28dl/gのポリアミド酸溶液6を得た。
<作製例7:ポリアミド酸溶液7の作製>
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン930質量部を入れ、N,N-ジメチルアセトアミド15000質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAc-Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加えた。この溶液を0℃まで冷やし、4,4’-オキシジフタル酸無水物990質量部を添加して、17時間攪拌した。薄黄色で粘調なポリアミド酸溶液7が得られた。得られた溶液の還元粘度(ηsp/C )は3.1dl/gであった。
<作製例8:ポリイミド溶液1の作製>
窒素導入管、ディーン・スターク管及び還流管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、19.86質量部の4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、4.97質量部の3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、80質量部のガンマブチロラクトン(GBL)を加えた。続いて31.02質量部の4,4’-オキシジフタル酸無二水物(ODPA)、24質量部のGBL、13質量部のトルエンを室温で加えた後、内温160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱還流を行い、イミド化を行った。イミド化完了後、180℃まで昇温し、トルエンを抜き出しながら反応を続けた。12時間反応後、オイルバスを外して室温に戻し、固形分が20質量%濃度となるようにGBLを加え、還元粘度0.70(ηsp/C)dl/gのポリイミド溶液1を得た。
<作製例9:ポリイミド溶液2の作製>
窒素導入管、ディーン・スターク管、還流管、温度計、及び、攪拌棒を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、32.02質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)に、230質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を加えて完全に溶解させた。次いで、44.42質量部の4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)を固体のまま分割添加した(6FDA/TFMBのモル比=1.00/1.00)後、室温で24時間攪拌した。これにより、固形分25質量%、還元粘度1.10dl/gのポリアミド酸溶液を得た。
次に、得られたポリアミド酸溶液にDMAc204質量部を加えてポリアミド酸の濃度が15質量%になるように希釈した後、イミド化触媒としてイソキノリン1.3質量部を加えた。次いで、ポリアミド酸溶液を攪拌しながら、イミド化剤として無水酢酸12.25質量部をゆっくりと滴下した。その後、24時間攪拌を続けて化学イミド化反応を行って、ポリイミド溶液を得た。
次に、得られたポリイミド溶液100質量部を攪拌装置と攪拌機を備えた反応容器に移し替え、120rpmの速度で攪拌した。次いで、そこにメタノール150質量部をゆっくりと滴下させたところ、粉体状のポリイミドの析出が確認された。
その後、内容物を吸引濾過にて濾別し、メタノールを用いて、洗浄した。濾別したポリイミド粉体を乾燥機を用いて、50℃で24時間乾燥させた後、260℃で更に5時間乾燥させ、目的とするポリイミド粉体を得た。
得られたポリイミド粉体20質量部を80質量部のDMAcに溶解させて、さらに、コロイダルシリカ(滑剤)をジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)を、シリカ(滑剤)がポリイミド溶液中のポリマー固形分総量にて1.4質量%になるように加え、均一なポリイミド溶液2を得た。
<実施例1:ポリイミドフィルムF1の製造>
ポリアミド酸溶液1を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が15μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で6分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF1を500m得た。
<実施例2:ポリイミドフィルムF2の製造>
ポリアミド酸溶液1をポリアミド酸溶液6に変更した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムF2を得た。
<実施例3:ポリイミドフィルムF10の製造>
ポリアミド酸溶液1を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が15μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、210℃で2分、260℃で2分、330℃で5分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF10を500m得た。
<実施例4:ポリイミドフィルムF11の製造>
ポリアミド酸溶液1をポリアミド酸溶液6に変更した以外は実施例3と同様にしてポリイミドフィルムF11を得た。
<比較例1:ポリイミドフィルムF3の製造>
ポリアミド酸溶液2を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が15μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、180℃で3分、250℃で3分、480℃で5分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF3を500m得た。
<比較例2:ポリイミドフィルムF4の製造>
ポリアミド酸溶液2をポリアミド酸溶液3に変更した以外はポリイミドフィルムF3の比較例1と同様にしてポリイミドフィルムF4を得た。
<比較例3:ポリイミドフィルムF5の製造>
ポリアミド酸溶液2をポリアミド酸溶液4に変更した以外はポリイミドフィルムF3の比較例1と同様にしてポリイミドフィルムF5を得た。
<比較例4:ポリイミドフィルムF6の製造>
ポリイミド溶液1を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が15μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得た溶媒含有ポリイミドフィルム(グリーンフィルム)を支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で6分の条件で加熱し、乾燥させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF6を500m得た。
<比較例5:ポリイミドフィルムF7の製造>
ポリイミド溶液1をポリイミド溶液2に変更した以外はポリイミドフィルムF6と同様にしてポリイミドフィルムF7を得た。
<比較例6:ポリイミドフィルムF8の製造>
ポリアミド酸溶液1を使用した以外は比較例1と同様にしてポリイミドフィルムF8を得た。
<比較例7:ポリイミドフィルムF9の製造>
ポリアミド酸溶液6を使用した以外は比較例1と同様にしてポリイミドフィルムF8を得た。
<熱成形用シート(被加工物)の作製>
上記のポリアミド酸溶液7を、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(ギャップは、200μm、塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液5を、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルム7の面にコーティングし(ギャップは、800μm、塗工幅700mm)、110℃にて20分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。
得られたポリアミド酸フィルムを再度製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液7を、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルム5の面にコーティングし(ギャップは、200μm、塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥した。乾燥後に支持体から剥離することで、(ポリアミド酸7)/(ポリアミド酸5)/(ポリアミド酸7)3層構成のポリアミド酸フィルム(グリーンフィルム)を得た。
上記の多層ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、厚さ50μmの熱成形用シートを得た。この熱成形用シートにおける(ポリアミド酸7)/(ポリアミド酸5)/(ポリアミド酸7)の厚さの比は、0.25/1/0.25である。得られた熱成形用シートをエポキシ樹脂に包埋し、断面が観察できるようにミクロトームで切断し透過型電子顕微鏡にて断面を観察した。断面の電子顕微鏡画像においては組成の異なる層の境目が縞状に観察でき、その厚さ比率は塗布厚から求めた厚さ比率とほぼ一致していた。このシートを450mm幅にスリットして熱成形に使用した。
<ポリアミド酸溶液、ポリイミド溶液の還元粘度(ηsp/C)>
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN-メチル-2-ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
<厚さ斑の平均値>
実施例、比較例のポリイミドフィルムの厚さ斑の平均値を、以下の方法により求めた。
<厚さ斑の平均値の求め方:離型シートがロール状の場合>
幅方向(TD)の中央付近から、短冊状の試料を切り出した。短冊のサイズは、幅5cm、長さ5cmとした。その後、長さ方向(MD)に1mピッチで4枚の短冊を切り出し、合計5枚の試料を得た。
各短冊につき、中央、及び、中央から長さ方向にそれぞれ5cm離間した箇所(2点)、及び、10cm離間した箇所(2点)の合計5点で厚さを測定した。
各短冊につき、厚さ斑を、下記の計算により求めた。
厚さ斑=100×(最大厚-最小厚)/(平均厚さ)
最後に、5枚の短冊の厚さ斑を平均し、これを、厚さ斑の平均値とした。
<厚さ斑の平均値の求め方:離型シートが長方形(枚葉)の場合>
隅の4箇所と中央の1箇所の合計5箇所の厚さを測定した。測定する隅の4カ所は、近接する2辺からの距離が10cmの箇所とした。
5箇所の厚さを平均し、これを厚さ斑の平均値とした。
なお、各箇所での厚さの測定は、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
<表面粗さRa>
実施例、比較例のポリイミドフィルムの表面粗さRaを、以下の方法により求めた。
JISB0601:2013(表面粗さの定義と表示)における中心線平均粗さ(以下Raと記載する)に準じて、触針式表面粗さ計(ミツトヨ社製、SV-C3100S4)にて測定した。rtip2μm、λc0.8mmにて測定を行った。
結果を表1に示す。
<離型シート(ポリイミドフィルム)の引張弾性率>
実施例、比較例のポリイミドフィルムの引張弾性率を、以下の方法により求めた。
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(商品名)機種名AG-5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、引張弾性率を測定した。測定時の温度は、25℃とした。
MD方向とTD方向とで測定を行い、その平均値を引張弾性率とした。
結果を表1に示す。
<100×|A1-A2|/A0の算出>
実施例、比較例のポリイミドフィルムの100×|A1-A2|/A0を、以下の方法により求めた。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件でMD方向の寸法変化率をそれぞれ測定した。
(ポリイミドフィルムがロール状の場合)
幅方向(TD)の中央付近から、短冊状の試料を切り出した。短冊のサイズは、幅10mm、長さ100mmとした。その後、長さ方向(MD)に1mピッチで4枚の短冊を切り出し、合計5枚の試料を得た。
各試料を、さらに、試料長さ;10mm、試料幅;2mmに切り出した。
室温(25℃)にて、加熱前のポリイミドフィルム(短冊)の寸法を測定し、これを、A0(10mm)とした。
次に、前記ポリイミドフィルムを25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法を測定し、これを、A1とした。
次に、A1の寸法測定後のポリイミドフィルムを再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法を測定し、これをA2とした。
その後、100×|A1-A2|/A0を算出した。
これを、5つの短冊に対して行い、100×|A1-A2|/A0の平均値を実施例、比較例のポリイミドフィルムの100×|A1-A2|/A0の値とした。
(ポリイミドフィルムが長方形(枚葉)の場合)
隅の4箇所と中央の1箇所の合計5箇所から短冊状の試料を切り出した。短冊のサイズは、幅10mm、長さ100mmとした。隅の4カ所の試料は、端から幅方向に20mmの箇所を中心とする短冊とした。
その後、上述の方法にて100×|A1-A2|/A0を算出した。
これを、5つの短冊に対して行い、100×|A1-A2|/A0の平均値を実施例、比較例のポリイミドフィルムの100×|A1-A2|/A0の値とした。
装置名;BRUKER社製TMA4000SA
試料長さ;10mm
試料幅;2mm
昇温開始温度;25℃
昇温終了温度;150℃
昇温終了温度での保持時間;30min
昇温速度;20℃/min
降温速度;5℃/min
雰囲気;アルゴン
試料は予め23℃50%RHで24時間以上調湿したものを使用した。
結果を表1に示す。
<離型シート(ポリイミドフィルム)の熱線膨張係数(CTE)>
実施例、比較例のポリイミドフィルムの熱線膨張係数(CTE)を、以下の方法により求めた。
測定対象の離型シート(ポリイミドフィルム)について、下記条件でMD方向およびTD方向の寸法変化率をそれぞれ測定し、30℃~45℃、45℃~60℃、・・・と15℃の間隔での寸法変化率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
結果を表1に示す。
<離型シート(ポリイミドフィルム)のガラス転移温度の測定>
実施例、比較例のポリイミドフィルムのガラス転移温度を、以下の方法により求めた。
示差走査型熱量計(SII社、DSC-200)により測定した。試料(ポリイミドフィルム)5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプして密封したものを用いた。まず、室温(25℃)から550℃まで20℃/分にて昇温させた。その過程にて得られる吸熱曲線において、吸熱ピークが出る前(ガラス転移温度以下)のベースラインの延長線と、吸熱ピークに向かう接線(ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線)との交点の温度をもって、ガラス転移温度とした。
結果を表1に示す。なお、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例5、比較例6では、500℃においてもガラス転移が起こらず、さらに昇温すると先に熱分解が起こったため、ガラス転移温度の測定はできなかった。
<離型シートとして使用した際の評価(被成形体の表面平滑性、及び、使用後の離型シート状態)>
実施例、比較例のポリイミドフィルムを幅450mmにスリットして2枚準備し、離型シートとした。この2枚の離型シートの間に上記<熱成形用シートの作製>にて得られた熱成形用シートを5枚挟み、熱板プレス法により加熱加圧成形を連続して行った。このときの熱板プレス条件として、熱板プレス部は幅470mm、長さ300mmの大きさのものを採用し、加熱温度が320℃、加圧圧力が40MPaで1回あたりのプレス時間を3分として製造をした。1回のプレス終了毎に、シートを約150mm送り出し、約60分で長さ約3mのポリイミド成形シートを作製した。
なお、実施例1のポリイミドフィルムを用いて製造されたポリイミド成形シートは表面平滑性に優れ、どの部位の厚さを測定しても約250μmとほぼ均一な厚さで仕上がっていた。
製造されたポリイミド成形シートを、熱成形用シートと離型シートに剥離し、熱成形用シート(被成形体)の剥離シートに接していた面の表面平滑性と、離型シートの熱成形用シートに接していた面の状態(使用後の離型シート状態)を観察した。ここで、表面平滑性及び使用後の離型シート状態が良好であれば、被成形体の離型性が良好であるといえる。
なお、熱成形用シートの表面平滑性は、熱成形用シートの表面の状態と、熱成形用シートの断面を顕微鏡で観察した際の各熱成形用シート間における剥がれの有無とを確認し、全く問題のないものを◎、僅かに表面異常や剥がれのあるものを△、表面の状態、剥がれともに異常のあるものを×とした。
具体的に、表面の観察は、キーエンス製のVH-Z100Rを用いて、倍率100倍にて10か所の観察を行った。断面観察ついては、ポリイミド成形シートおよび熱成形用シートの片面(それぞれ熱成形用シートまたはポリイミド成形シートと接していない方の面)を樹脂で保護した後、ミクロトームを用いて断面を作製した。作製した断面についてニコン製の微分干渉顕微鏡で倍率100倍にて、10か所の観察を行った。
また、使用後の離型シート状態を観察し、しわ、亀裂などの欠陥が全くないものを◎、僅かにそれらの見られるものを△、それらが多く見られるものを×として判定した。
結果を表1に示す。
Figure 0007671440000001

Claims (3)

  1. ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
    厚さ斑の平均値が5%以下であり、
    表面粗さRaが0.05μm以下であり、
    引張弾性率が6GPa以上であり、
    下記式(1)を満たすことを特徴とするポリイミド含有耐熱離型シート。
    100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
    (ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
  2. 線熱膨張係数が6ppm/K以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド含有耐熱離型シート。
  3. ポリイミド含有耐熱離型シートの間に被加工物を挟み込んだ状態で、前記被加工物を加圧する工程を含み、
    前記ポリイミド含有耐熱離型シートは、
    ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミノベンズアニリドに由来する構造単位を有し、
    厚さ斑の平均値が5%以下であり、
    表面粗さRaが0.05μm以下であり、
    引張弾性率が6GPa以上であり、
    下記式(1)を満たすことを特徴とする被加工物の加圧加工方法。
    100×|A1-A2|/A0<0.004 式(1)
    (ここで、A0は、加熱前の25℃での前記ポリイミド含有耐熱離型シートの寸法であり、A1は、25℃から150℃まで加熱し、25℃に戻した際の寸法であり、A2は、A1の寸法の測定後、再度150℃に加熱し、25℃に戻した際の寸法である。)
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