以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[実施形態]
図1を用いて、実施形態に係る無線通信装置の構成について説明する。図1は、実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、無線通信装置1は、アンテナ10と、BPF(Band Pass Filter)11と、RFBS(Radio Frequency Back Scatter)デバイス20と、制御装置30と、センサ40と、を含む。無線通信装置1は、RFIDなどのバックスキャッタ方式の無線通信をするように構成される通信装置である。
アンテナ10は、無線通信装置1に対して送信された信号を受信するように構成される。アンテナ10は、無線通信装置1の外部に向かって電波を送信するように構成される。BPF11は、所望の周波数帯域の信号を通過させるように構成されるフィルタである。
RFBSデバイス20は、高周波スイッチ21と、アンプ22と、復調部23と、発振部24と、LPF(Low Pass Filter)25と、LPF26と、制御回路27と、伝送回路28と、を含む。RFBSデバイス20は、バックスキャッタ方式のデータ通信に対応している無線通信デバイスである。バックスキャッタ方式のデータ通信では、送信されてきた電波の反射を利用して通信を行う。
高周波スイッチ21は、アンテナ10と、送信回路系または受信回路系との接続を切り替えるように構成される。高周波スイッチ21は、アンテナ10に送信回路系を接続可能に構成される。無線通信装置1は、アンテナ10と送信回路系とが接続されているときに、送信するように構成される。高周波スイッチ21は、アンテナ10に受信回路系を接続可能に構成される。送信回路系は、発振部24と、LPF25と、LPF26と、制御回路27と、伝送回路28と、を含む。受信回路系は、アンプ22と、復調部23と、を含む。
アンプ22は、アンテナ10から受けた信号を増幅して出力するように構成される。アンプ22は、増幅した信号を復調部23に出力するように構成される。復調部23は、入力された信号に対して、復調処理を実行するように構成される。復調部23は、アンプ22から受けた信号を復調するように構成される。例えば、復調部23は、アンプ22から受けた信号(ASK(Amplitude Shift Keying)などの変調信号)に対して、復調処理を実行するように構成される。
制御装置30は、例えば、プロセッサ等によって、内部に記憶されたプログラムがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。制御装置30は、コントローラ(Controller)でありうる。制御装置30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてよい。制御装置30は、ソフトウェアと、ハードウェアとの組み合わせで実現されてよい。
制御装置30は、シリアルデータS1を、LPF25を介して、制御回路27に出力するように構成される。シリアルデータS1は、センサ40からの出力データに基づく。制御装置30は、シリアルデータS2を、LPF26を介して制御回路27に出力する。シリアルデータS2は、センサ40からの出力データに基づく。シリアルデータS1は、シリアルデータS2と位相が概ね90°異なる。
制御装置30は、制御信号S3を制御回路27に出力するように構成される。制御信号S3は、キャリア信号に対するUSB信号及びLSB信号のいずれか一方を抑圧するのに利用しうる。制御装置30は、制御信号S4を発振部24に信号を出力するように構成される。制御信号S4は、通信に用いるチャネルを制御するのに利用しうる。
センサ40は、各種の物理量を検出するように構成される。センサ40が検出する物理量に特に制限はない。センサ40は、例えば、無線通信装置1の周囲の温度を検出するように構成される温度センサ、及び無線通信装置1に生じた加速度を検出するように構成される加速度センサの一方又は両方を含みうる。センサ40は、その他のセンサを含んでよい。
発振部24は、所定の周波数の発振信号を生成するように構成される。発振部24は、制御信号S4に従って、発振信号S5を生成するように構成される。発振部24は、発振信号S5とは位相が90°異なる発振信号S6を生成するように構成される。
制御回路27は、伝送回路28を制御するように構成される。制御回路27は、シリアルデータS1と、シリアルデータS2と、制御信号S3とに基づいて、伝送回路28のインピーダンスの値を調整するように制御するように構成される。制御回路27は、伝送回路28のインピーダンスを変化させるように構成される。インピーダンスの変化によって、アンテナ10側の出力端子の反射係数は、複素平面において回転する。制御回路27は、伝送回路28のインピーダンスを変化させて、出力端子の反射係数が複素平面において回転するように制御するように構成される。例えば、反射信号(以下、バックスキャッタ信号とも呼ぶ)におけるキャリア信号に対するUSB信号またはLSB信号を低減して、シングルサイドバンドを実現するように、制御回路27は、伝送回路28のインピーダンスを制御するように構成される。
図2のポーラーチャート(極座標)を用いて、制御回路27が伝送回路28のアンテナ10側の出力端子の反射係数がポーラーチャートの複素平面上で回転するように制御する方法について説明する。図2は、制御回路27が伝送回路28のインピーダンスを変化させ、その出力端子の反射係数を回転するように制御する方法を説明するための図である。
図2は、インピーダンスの変化による反射係数Γの変化をポーラーチャート上に示した図である。インピーダンスは、次の式(1)で算出される。式(1)において、Zはインピーダンス、Rはレジスタンス、jは虚数、ωは角周波数、Lはインダクタンス、Cはキャパシタンスである。
Z=R+j(ωL-1/ωC)・・・(1)
また、反射係数Γは、次式で表せる。
Γ=(Z-Z0)/(Z+Z0)・・・(2)
ここで、Z0はアンテナ10またはBPF11のインピーダンスである。
制御回路27は、インピーダンスZを選択制御して、反射係数Γが基準点の周囲を回るように制御する。基準点は、原点を含むが、原点に限定されず、任意の点を含む。伝送回路は、基準点が原点に近いほど、理想に近い信号を得られうる。伝送回路は、基準点の周囲を円状に回すように制御するほど、理想に近い信号を得られうる。スミスチャートで考えると、下半円領域が容量性を示し、上半分がインダクタンス性を示す。実軸上の変化は抵抗値の変化を表すことになる。
制御回路27は、伝送回路28が備えている複数のインピーダンスを選択制御することができる。例えば、制御回路27は、0°、45°、90°、135°、180°、-135°、-90°、-45°の45°刻みで伝送回路28のインピーダンスを制御するように構成される。制御回路27は、伝送回路28のインピーダンスを順次変更することで、インピーダンスが離散的に回転するように制御可能に構成される。制御回路27は、インピーダンスの離散的な回転に応じて、反射係数Γが離散的に回転する。
制御回路27は、伝送回路28のインピーダンスの変更順によって、当該インピーダンスを左回転で変更可能に構成される。制御回路27は、インピーダンスの左回転によって、反射係数Γを左回転で変更可能に構成される。反射係数の制御が左回転の場合、RF(Radio Frequency)に対する反射信号は、USB(Upper Side Band)信号のみとなる。反射係数が右回転となるように制御すると、LSB(Lower Side Band)信号のみが得られることになる。その際、反射信号の周波数は、RF信号周波数から回転速度周波数分、離調した周波数となる。図3Aと、図3Bと、図3Cとを用いて、インピーダンスを変化させ反射係数を制御することによる、バックスキャッタ信号の変化についていくつかの例を説明する。
図3Aは、制御回路27がインピーダンスの抵抗成分のみを制御し、反射係数Γをポーラーチャート(図2)の実軸上で変化させた場合のバックスキャッタ信号の様子を説明するための周波数スペクトラムを示す図である。横軸は周波数、縦軸はRF信号および反射信号の強度を示す。図3Aには、キャリア信号51と、USB信号52と、LSB信号53とが示される。抵抗成分が制御されると、反射係数Γは、0°と、180°との実軸上のいずれかに制御される。抵抗成分のみでインピーダンスを変えて反射係数Γを制御する場合、図3Aに示すように、例えば、0°から180°に切り替わる際に、右回りの信号成分と、左回りの信号成分と、が内在する。2つの回転方向の信号成分が内在することによって、USB信号52及びLSB信号53は同時に出現し、一方の信号のみを選択的に抑制することができない。結果として、SSB信号は、抵抗成分のみの制御で得ることができない。
図3Bは、制御回路27がインピーダンスのインダクタンス/キャパシタンスを変化させ反射係数Γの軌跡が円を描くように制御した場合のバックスキャッタ信号の変化を説明するための周波数スペクトラムを示す図である。横軸は周波数、縦軸はRF信号および反射信号の強度を示す。式(1)、(2)に基づき、制御回路27は、インダクタンスの値を制御することで、インピーダンスを左回りに回転するように制御可能である。このとき、インピーダンスは、例えば、0°から45°、90°、135°と左回りに回転する。制御回路27は、さらにキャパシタンスの値を制御することで、インピーダンスを左回りに回転するように制御可能である。このとき、インピーダンスは、例えば、180°から-135°、-90°、-45°と左回りに回転する。図3Bに示すように、制御回路27は、インピーダンスを左回りに回転するように制御することで、LSB信号53を抑圧するように、送信されてきたRF信号を反射させることができる。言い換えれば、制御回路27は、インピーダンスの左回りの回転制御によって、USB信号52にSSB化されたバックスキャッタ信号を得ることができる。
図3Cは、制御回路27がインピーダンスのキャパシタンス/インダクタンスを変化させ、反射係数Γの軌跡が円を描くように制御した場合のバックスキャッタ信号の変化を説明するための周波数スペクトラムを示す図である。横軸は周波数、縦軸はRF信号および反射信号の強度を示す。式(1)、(2)に基づき、制御回路27は、キャパシタンスの値を制御することで、インピーダンスを右回りに回転するように制御可能である。このとき、インピーダンスは、例えば、0°から-45°、-90°、-135°と右回りに回転する。制御回路27は、さらにインダクタンスの値を制御することで、インピーダンスを右回りに回転するように制御可能である。このとき、インピーダンスは、例えば、180°、135°、90°、45°と右回りに回転する。図3Cに示すように、制御回路27は、インピーダンスを右回りに回転するように制御することで、USB信号52を抑圧するように、送信されてきたRF信号を反射させることができる。言い換えれば、制御回路27は、インピーダンスの右回りの回転制御によって、LSB信号53にSSB化されたバックスキャッタ信号を得ることができる。
伝送回路28は、無線通信装置1のフロントエンドに配置されている。伝送回路28は、送信されてきた電波をバックスキャッタ信号として反射するバックスキャッタ通信を行うように構成される回路である。伝送回路28は、アンテナ10に接続されるように構成されている。伝送回路28は、各々のインピーダンスが異なる複数のインピーダンス回路を含む。複数のインピーダンス回路の各々は、スイッチ素子を含む。スイッチ素子は、当該インピーダンス回路の接続を切り替えるように構成される。制御回路27は、複数のスイッチ素子を制御することで、複数のインピーダンス回路の接続を切り替えるように構成される。制御回路27は、複数のスイッチ素子を制御することで、伝送回路28のインピーダンスを制御するように構成される。
[伝送回路の構成]
図4を用いて、実施形態に係る伝送回路の構成について説明する。図4は、実施形態に係る伝送回路の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、伝送回路28は、キャパシタ回路1201と、キャパシタ回路1202と、キャパシタ回路1203と、キャパシタ回路1204と、キャパシタ回路1205と、キャパシタ回路1206と、キャパシタ回路1207と、キャパシタ回路1208と、を含む。キャパシタ回路1201からキャパシタ回路1208は、それぞれ、インピーダンス回路の一種である。キャパシタ回路1201からキャパシタ回路1208を特に区別する必要のない場合には、キャパシタ回路120と総称することもある。図4では、本開示と関連の薄い構成要素については省力して示している。
キャパシタ回路1201は、信号源1401と、スイッチ素子1501と、キャパシタC1と、を含む。信号源1401は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1401は、スイッチ素子1501に制御信号を出力して、スイッチ素子1501の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1501は、一方の入力端子に信号源1401が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。基準電位は、グラウンドであるものとして説明するが、本開示はこれに限定されない。スイッチ素子1501は、信号源1401からの制御信号に従って、閉状態(オン状態)と開状態(オフ状態)とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1501の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC1の一端が電気的に接続されている。キャパシタC1の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1501は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC1とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1501は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC1とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC1とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC1の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC1の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1202は、信号源1402と、スイッチ素子1502と、キャパシタC2と、を含む。信号源1402は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1402は、スイッチ素子1502に制御信号を出力して、スイッチ素子1502の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1502は、一方の入力端子に信号源1402が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1502は、信号源1402からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1502の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC2の一端が電気的に接続されている。キャパシタC2の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1502は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC2とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1502は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC2とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC2とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC2の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC2の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1203は、信号源1403と、スイッチ素子1503と、キャパシタC3と、を含む。信号源1403は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1403は、スイッチ素子1503に制御信号を出力して、スイッチ素子1503の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1503は、一方の入力端子に信号源1403が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1503は、信号源1403からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1503の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC3の一端が電気的に接続されている。キャパシタC3の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1503は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC3とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1503は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC3とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC3とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC3の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC3の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1204は、信号源1404と、スイッチ素子1504と、キャパシタC4と、を含む。信号源1404は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1404は、スイッチ素子1504に制御信号を出力して、スイッチ素子1504の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1504は、一方の入力端子に信号源1404が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1504は、信号源1404からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1504の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC4の一端が電気的に接続されている。キャパシタC4の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1504は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC4とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1504は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC4とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC4とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC4の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC4の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1205は、信号源1405と、スイッチ素子1505と、キャパシタC5と、を含む。信号源1405は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1405は、スイッチ素子1505に制御信号を出力して、スイッチ素子1505の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1505は、一方の入力端子に信号源1405が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1505は、信号源1405からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1505の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC5の一端が電気的に接続されている。キャパシタC5の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1505は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC5とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1505は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC5とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC5とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC5の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC5の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1206は、信号源1406と、スイッチ素子1506と、キャパシタC6と、を含む。信号源1406は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1406は、スイッチ素子1506に制御信号を出力して、スイッチ素子1506の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1506は、一方の入力端子に信号源1406が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1506は、信号源1406からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1506の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC6の一端が電気的に接続されている。キャパシタC6の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1506は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC6とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1506は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC6とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC6とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC6の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC6の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1207は、信号源1407と、スイッチ素子1507と、キャパシタC7と、を含む。信号源1407は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1407は、スイッチ素子1507に制御信号を出力して、スイッチ素子1507の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1507は、一方の入力端子に信号源1407が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1507は、信号源1407からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1507の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC7の一端が電気的に接続されている。キャパシタC7の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1507は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC7とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1507は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC7とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC7とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC7の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC7の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタ回路1208は、信号源1408と、スイッチ素子1508と、キャパシタC8と、を含む。信号源1408は、制御回路27からの制御信号が供給される信号源を示している。信号源1408は、スイッチ素子1508に制御信号を出力して、スイッチ素子1508の開閉動作を制御するように構成される。スイッチ素子1508は、一方の入力端子に信号源1408が接続され、他方の入力端子には基準電位が接続されている。スイッチ素子1508は、信号源1408からの制御信号に従って、閉状態と開状態とを切り替えるように構成される。
スイッチ素子1508の一端には、信号線101が電気的に接続され、他端にはキャパシタC8の一端が電気的に接続されている。キャパシタC8の他端は、基準電位に接続されている。この場合、スイッチ素子1508は、閉状態とすることで信号線101と、キャパシタC8とを電気的に接続するように構成される。スイッチ素子1508は、開状態とすることで信号線101と、キャパシタC8とを電気的に離すように構成される。信号線101と、キャパシタC8とが電気的に接続されることで、伝送回路28のインピーダンスには、キャパシタC8の容量値が付加される。すなわち、伝送回路28のインピーダンスは、キャパシタC8の容量値が付加されることでリアクタンス成分が変化する。
キャパシタC1からキャパシタC8の容量値は、それぞれ異なる。制御回路27は、スイッチ素子1501からスイッチ素子1508を選択的に制御するように構成されている。制御回路27は、スイッチ素子1501からスイッチ素子1508を選択的に制御することで、伝送回路28のアンテナ10側の出力端子102の反射係数を、複素平面において、回転するように制御可能に構成されている。後述するが、本開示では、制御回路27は、スイッチ素子1501からスイッチ素子1508の開閉を選択的に変更して、伝送回路28のアンテナ10側の出力端子102の反射係数を、複素平面において、真円と比較して歪んだ円上を回転するように制御可能に構成されている。
図5を用いて、実施形態に係る複素平面においてインピーダンスを回転制御する方法を説明する。図5は、実施形態に係る複素平面において反射係数を回転制御する方法を説明するための図である。
図5に示すように、図4に示した伝送回路28をキャパシタIC160として集積回路化して用いてよい。この場合、キャパシタIC160は、切り替えスイッチ制御回路200による切り替えスイッチ素子190の切り替えにより、移相器170と、信号線180とのいずれか一方に接続されるように構成される。
移相器170は、図示しないキャパシタと、インダクタと、キャパシタと、を含む。移相器170は、入力された信号の位相を90°シフトさせて出力する移相器である。
切り替えスイッチ制御回路200は、例えば、インピーダンスを0°~-90°及び-90°~180°の間で回転制御する場合には、キャパシタIC160と、信号線180とを接続するように、切り替えスイッチ素子190を制御する。
切り替えスイッチ制御回路200は、インピーダンスを0°~90°及び90°~180°の間で回転制御する場合には、キャパシタIC160と、移相器170を接続するように、切り替えスイッチ素子190を制御する。
図4に示したように、伝送回路28は、8個のキャパシタ回路120を含む。そのため、切り替えスイッチ制御回路200は、キャパシタIC160と、移相器170および信号線180との接続を切り替えることで、複素平面上におけるインピーダンスの位置を16点で回転するように制御し得る。なお、本実施形態において、制御回路27と、切り替えスイッチ制御回路200とを、一体に構成してもよい。
[伝送回路の制御]
次に、図4に示す伝送回路28の制御方法について、説明する。
(比較例の制御方法)
本開示の実施形態を説明する前に、図6を用いて、比較例に係る伝送回路28の制御方法について説明する。図6は、比較例に係る伝送回路28の制御方法を説明するための図である。
図6は、伝送回路28に含まれる各スイッチ素子の動作状態を示す。図6は、各スイッチ素子の制御信号の波形W1と、波形W2と、波形W3と、波形W4と、波形W5と、波形W6と、波形W7と、波形W8と、を示す。
波形W1は、スイッチ素子1501の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt1で閉状態となり、タイミングt2で開状態となるように、スイッチ素子1501を制御する。
波形W2は、スイッチ素子1502の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt2で閉状態となり、タイミングt3で開状態となるように、スイッチ素子1502を制御する。
波形W3は、スイッチ素子1503の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt3で閉状態となり、タイミングt4で開状態となるように、スイッチ素子1503を制御する。
波形W4は、スイッチ素子1504の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt4で閉状態となり、タイミングt5で開状態となるように、スイッチ素子1504を制御する。
波形W5は、スイッチ素子1505の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt5で閉状態となり、タイミングt6で開状態となるように、スイッチ素子1505を制御する。
波形W6は、スイッチ素子1506の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt6で閉状態となり、タイミングt7で開状態となるように、スイッチ素子1506を制御する。
波形W7は、スイッチ素子1507の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt7で閉状態となり、タイミングt8で開状態となるように、スイッチ素子1507を制御する。
波形W8は、スイッチ素子1508の動作状態を示す。比較例では、制御回路27は、タイミングt8で閉状態となり、タイミングt9で開状態となるように、スイッチ素子1508を制御する。
図6に示すように、制御回路27は、常時、1つのスイッチ素子が閉状態となるように各スイッチ素子の開状態と閉状態とを切り替えて、制御している。
(実施形態の制御方法)
図7を用いて、実施形態に係る伝送回路28の制御方法について説明する。図7は、実施形態に係る伝送回路28の制御方法を説明するための図である。
図7は、伝送回路28に含まれる各スイッチ素子の動作状態を示す。図7は、各スイッチ素子の制御信号の波形W11と、波形W12と、波形W13と、波形W14と、波形W15と、波形W16と、波形W17と、波形W18と、を示す。
波形W11は、スイッチ素子1501の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt11で閉状態となり、タイミングt12で開状態となるように、スイッチ素子1501を制御する。
波形W12は、スイッチ素子1502の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt12で閉状態となり、タイミングt13で開状態となるように、スイッチ素子1502を制御する。
波形W13は、スイッチ素子1503の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt13で閉状態となり、タイミングt14で開状態となるように、スイッチ素子1503を制御する。
波形W14は、スイッチ素子1504の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt14で閉状態となり、タイミングt15で開状態となるように、スイッチ素子1504を制御する。
波形W15は、スイッチ素子1505の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt15で閉状態となり、タイミングt16で開状態となるように、スイッチ素子1505を制御する。
波形W16は、スイッチ素子1506の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt16で閉状態となり、タイミングt17で開状態となるように、スイッチ素子1506を制御する。
波形W17は、スイッチ素子1507の動作状態を示す。波形W17に示すように、実施形態では、スイッチ素子1507は、常に開状態である。すなわち、実施形態では、制御回路27は、スイッチ素子1507を、閉状態にしない。すなわち、実施形態では、スイッチ素子1507に接続されたキャパシタC7を伝送回路28には付加しないようにしている。言い換えれば、実施形態では、制御回路27は、伝送回路28に含まれるキャパシタを全て使用するわけでなく、全てのキャパシタのうちの少なくも1つを使用しないように、各スイッチ素子を制御するように構成されている。例えば、制御回路27は、各スイッチ素子を制御することによる、複素平面上におけるインピーダンスの変化が、等間隔になるように、制御しないスイッチ素子150を選択する。
波形W18は、スイッチ素子1508の動作状態を示す。実施形態では、制御回路27は、タイミングt17で閉状態となり、タイミングt18で開状態となるように、スイッチ素子1508を制御する。
図7に示すように、タイミングt18でスイッチ素子1508が開状態になった後、スイッチ素子1501がタイミングt19で閉状態になるまでの期間は、全てのスイッチ素子が開状態になる期間が存在している。実施形態では、全てのスイッチ素子が開状態となる期間を設けることにより、複素平面において、インピーダンスを回転制御する際の円の半径を変更している。言い換えれば、実施形態は、全てのスイッチ素子が開状態となる期間を設けることにより、複素平面において、真円と比較して歪んだ円上を回転するようにインピーダンスを制御可能に構成されている。
例えば、制御回路27は、複数のスイッチ素子の全てを使用した場合(比較例)のアンテナ側の出力端子の反射係数の円の半径をXとした場合、実施形態では、反射係数の円の半径がX以上X+0.2以下となるように複数のスイッチ素子を制御するように構成されている。
図8を用いて、実施形態に係る伝送回路のアンテナ側の出力端子のインピーダンスを回転制御する方法について説明する。図8は、実施形態に係る伝送回路のアンテナ側の出力端子のインピーダンスを回転制御する方法を説明するための図である。
図8は、スミスチャートにおける、図5のアンテナ側の出力端子から見たインピーダンスの変化を示す。グラフ201は、実施形態に係るインピーダンスの変化を示すグラフである。グラフ202は、比較例に係るインピーダンスの変化を示すグラフである。
グラフ202に示すように、比較例では、スミスチャートにおいて、インピーダンスは円上を回転するように変化している。グラフ201に示すように、実施形態では、比較例に比べて歪んだ円上を回転するように変化している。グラフ201において、円軌道から外れている点P1および点P2は、伝送回路28において全てのスイッチ素子が開状態の場合のインピーダンスを示す。
[バックスキャッタ信号]
図9と、図10とを用いて、比較例および実施形態に係るバックスキャッタ信号の一例について説明する。図9は、比較例に係るバックスキャッタ信号のスペクトル波形の一例を示す図である。図10は、実施形態に係るバックスキャッタ信号のスペクトル波形の一例を示す図である。図9および図10において、横軸は周波数[MHz(メガヘルツ)]、縦軸は信号レベル[dBm(デシベルミリワット)]を示している。
図9は、比較例に係るスペクトル波形W21を示す。スペクトル波形W21は、キャリア信号RF1と、USB信号US1と、LSB信号LS1と、3次高調波信号TH1と、3次高調波信号TH2を含む。キャリア信号RF1の周波数は、918[MHz]である。LSB信号LS1の周波数は、917.8[MHz]である。USB信号US1の周波数は、918.2[MHz]である。図9に示すように、LSB信号LS1は、USB信号US1に比べて抑圧されている。USB信号US1と、LSB信号LS1との差は、19[dB(デシベル)]程度である。ラインL1は、USB信号US1に対して信号レベルが-20[dB]を示すラインである。3次高調波信号TH1と、3次高調波信号TH2とは、-20[dB]以下である。
図10は、実施形態に係るスペクトル波形W22を示す。スペクトル波形W22は、キャリア信号RF2と、USB信号US2と、LSB信号LS2と、3次高調波信号TH3と、3次高調波信号TH4を含む。キャリア信号RF2の周波数は、918[MHz]である。LSB信号LS2の周波数は、917.8[MHz]である。USB信号US2の周波数は、918.2[MHz]である。図10に示すように、LSB信号LS2は、USB信号US2に比べて抑圧されている。USB信号US2と、LSB信号LS2との差は、36[dB(デシベル)]程度である。ラインL2は、USB信号US2に対して信号レベルが-20[dB]を示すラインである。3次高調波信号TH3と、3次高調波信号TH4とは、-20[dB]以下である。すなわち、実施形態は、USB信号US2と、LSB信号LS2との差が、図9に示すUSB信号US1と、LSB信号LS1との差よりも大きいので、特性が向上している。
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。