JP7674400B2 - 表面処理装置及び表面処理方法 - Google Patents

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Description

本開示は、表面処理装置及び表面処理方法に関する。
連続搬送されている基材に対して、連続して表面処理を施す手法がある。この手法において、基材の、表面処理を施される面とは反対の面の少なくとも中央部を非接触で搬送することが求められる場合がある。この場合、例えば、特開2001-106402号公報に記載のような、外周面から気体を噴出させて基材を浮上させつつ搬送することが可能な円筒状部材を用いた浮上搬送装置が適用されることがある。
上記のような浮上搬送装置では、円筒状部材の外周面から基材の第1面側に対し気体が噴出されることで、基材が円筒状部材の外周面から浮上し、円筒状部材の外周面に沿って湾曲することになる。このように、円筒状部材の外周面に沿って基材が湾曲すると、基材の搬送の安定化が図られる。そのため、基材が円筒状部材の外周面に沿って湾曲している領域において、基材の第1面とは反対の第2面に対して表面処理を行うことで、表面処理を精度よく行うことができるという利点がある。
しかしながら、基材の搬送方向において、浮上搬送装置(具体的には、円筒状部材)の上流及び/又は下流に設置される装置によっては、円筒状部材の外周面に沿って湾曲された状態で搬送されている基材の搬送速度にムラが生じることがある。ここで生じる基材の搬送速度のムラは、表面処理の更なる高精度化という課題に対して不利に働いてしまう。
そこで、本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、基材の第1面の少なくとも幅方向中央部を搬送手段から浮上させて搬送しつつ基材の第1面とは反対の第2面に処理を施す際、第2面に対し精度良く処理を施すことが可能な表面処理装置、又は表面処理方法を提供することである。
<1> 円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、及び、エッジリング対を回転させる駆動部を有する浮上搬送手段と、
浮上搬送手段における気体噴出部材の外周面に対向する位置に配置された表面処理手段と、
を備え、
浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させつつ搬送し、且つ、表面処理手段を用い、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う、表面処理装置。
<2> 浮上搬送手段が、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触と離間とが可能なニップロールを更に有し、
ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面に接触する、<1>に記載の表面処理装置。
<3> ニップロールが、エッジリング対に対して近接又は接触する際、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない位置に配置される、又は、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない形状を有する、<2>に記載の表面処理装置。
<4> ニップロールを複数有し、
複数のニップロールが、エッジリング対の周方向において、表面処理手段を挟むように配置されている、<2>又は<3>に記載の表面処理装置。
<5> ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触する、<2>~<4>のいずれか1つに記載の表面処理装置。
<6> 気体噴出部材における外周面は多孔質材料にて形成されている、<1>~<5>のいずれか1つに記載の表面処理装置。
<7> 基材の第2面に対する表面処理が、基材の第2面に対して塗布液を塗布することである、<1>~<6>のいずれか1つに記載の表面処理装置。
<8> 基材の搬送方向において、エッジリング対と基材の第1面との接触領域よりも下流側に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送手段を更に備える、<1>~<7>のいずれか1つに記載の表面処理装置。
<9> 円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、及び、エッジリング対を回転させる駆動部を有する浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させつつ搬送し、且つ、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う表面処理工程を含む、表面処理方法。
<10> 浮上搬送手段が、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触と離間とが可能なニップロールを更に有し、
ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面に接触する、<9>に記載の表面処理方法。
<11> ニップロールは、エッジリング対に対して近接又は接触する際、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない位置に配置する、又は、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない形状を有する、<10>に記載の表面処理方法。
<12> ニップロールを複数有し、
複数のニップロールが、基材の搬送方向において、表面処理が施される位置よりも上流側と下流側とで基材の第2面に接触する、<10>又は<11>に記載の表面処理方法。
<13> ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触する、<10>~<12>のいずれか1つに記載の表面処理方法。
<14> 気体噴出部材における外周面は多孔質材料にて形成されている、<9>~<13>のいずれか1つに記載の表面処理方法。
<15> 表面処理工程における基材の第2面に対する表面処理が、基材の第2面に対して塗布液を塗布することである、<9>~<14>のいずれか1つに記載の表面処理方法。
<16> 表面処理工程後に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送工程を更に含む、<9>~<15>のいずれか1つに記載の表面処理方法。
本開示の一実施形態によれば、基材の第1面の少なくとも幅方向中央部を搬送手段から浮上させて搬送しつつ基材の第1面とは反対の第2面に処理を施す際、第2面に対し精度良く処理を施すことが可能な表面処理装置、又は表面処理方法が提供される。
一実施形態に係る表面処理装置の一例を示す概略図である。 浮上搬送手段の一例を説明するための概略斜視図である。 浮上搬送手段の別の一例を説明するための概略斜視図である。 浮上搬送手段の更に別の一例を説明するための概略図である。 円弧状部材を備えた気体噴出部材の構成の一例を示す概略断面図である。 円筒状部材を備えた気体噴出部材の構成の一例を示す概略断面図である。 円筒状部材を備えた気体噴出部材の構成の別の一例を示す概略断面図である。 図7に示す気体噴出部材における給気管を説明するための概略斜視図である。
以下、表面処理装置及び表面処理方法の実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
また、各図面において、同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本開示において、「基材」とは、連続搬送される基材であって、帯状の形状を有する。
本開示において、「幅方向」とは、連続搬送される基材(即ち、帯状の基材)、又は、表面処理が施された領域(例えば、塗膜の形成領域)の長手方向(例えば、搬送方向)と直交する方向を指す。
本開示において、基材の「第1面」とは、帯状の基材の一方の面であって、特に断らない限り、本実施形態に係る表面処理工程において、浮上搬送の際に気体が当たる側の面を指す。また、基材の「第2面」は帯状の基材の他方の面、即ち、第1面とは反対の面であって、特に断らない限り、本実施形態に係る表面処理工程において、表面処理が施される側の面を指す。
本開示において、基材の「第1面の幅方向中央部」とは、第1面の幅方向両端部を除く領域であって、第2面へ表面処理を施す際の基材の搬送にて、搬送手段に対して非接触であることが望まれる領域を指す。以降、「第1面の幅方向中央部」は、単に「第1面の中央部」ともいい、「第1面の幅方向両端部」は、単に「第1面の両端部」ともいう。また、基材の「第2面の幅方向中央部」とは、第2面の幅方向両端部を除く領域であって、表面処理が施される領域又は表面処理が施された領域を指す。以降、「第2面の幅方向中央部」は、単に「第2面の中央部」ともいい、「第2面の幅方向両端部」は、単に「第2面の両端部」ともいう。
本開示において、2以上の好ましい形態又は態様の組み合わせは、より好ましい形態又は態様である。
≪表面処理装置及び表面処理方法≫
本実施形態に係る表面処理装置は、円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、及び、エッジリング対を回転させる駆動部を有する浮上搬送手段と、浮上搬送手段における気体噴出部材の外周面に対向する位置に配置された表面処理手段と、を備え、浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させつつ搬送し、且つ、表面処理手段を用い、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う、表面処理装置である。
本実施形態に係る表面処理方法は、円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、及び、エッジリング対を回転させる駆動部を有する浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させつつ搬送し、且つ、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う表面処理工程を含む、表面処理方法である。
本実施形態に係る表面処理方法は、上記本実施形態に係る表面処理装置を用いて行うことができる。
本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法では、上記のように、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させる。同時に、基材の第1面の幅方向両端部を所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に接触させ、その外周面に沿って基材を湾曲させつつ、基材を搬送している。このように、基材の第1面の幅方向中央部は気体噴出部材の外周面から浮上した状態となっているが、基材の第1面の幅方向両端部が所定の速度で回転しているエッジリング対と接触していることで、基材の搬送速度をエッジリング対の回転速度に追従させることができる。そのため、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材(言い換えれば、第2面に対し表面処理を行う際の基材)の搬送速度のムラが低減され、その結果として、第2面に対し精度良い表面処理を施すことが可能となると考えられる。
ここで、「精度良く表面処理を施す」における「精度良く」とは、具体的には、例えば、以下の(1)~(3)のいずれかを指す。
(1)表面処理が、基材の表面に対して塗布液を塗布することによる塗膜の形成であれば、「精度良く表面処理を施す」とは、目的とする厚みの塗膜を精度良く形成することを指す。より具体的には、(1)の場合、「精度良く表面処理を施す」とは、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することを指す。
(2)表面処理が、基材の表面に対してインクを付与してパターン又は画像を形成することであれば、「精度良く表面処理を施す」とは、目的とするパターン又は画像を精度良く形成することを指す。より具体的には、(2)の場合、「精度良く表面処理を施す」とは、目的とするパターン又は画像を位置ズレすることなく形成することを指す。ここで、インクとは、目的とするパターン又は画像を形成しうるものであれば特に制限はなく、一般的な印刷に用いられる公知のインクの他、プリンテッドエレクトロニクス技術に用いられるインクも適用し得る。
(3)表面処理が、基材表面の面状、物性等を制御する処理であれば、「精度良く表面処理を施す」とは、目的とする処理を面内にて均一に行うことを指す。より具体的には、(3)の場合、「精度良く表面処理を施す」とは、所定の領域の面内にて目的とする処理を均一に行うことを指す。ここで、基材の表面に対して行う処理としては、プラズマ処理、ラビング処理等が挙げられる。
特開2001-106402号公報には浮上搬送装置が記載されているものの、浮上搬送装置で搬送されている基材に対し、表面処理を施すことは全く記載されていない。そのため、浮上搬送されている基材に対し、精度良く表面処理を施すといった技術については、まったく着目されていない。
以下、図面を参照し、本実施形態に係る表面処理装置の詳細について説明しつつ、かかる表面処理装置を用いた、本実施形態に係る表面処理方法(具体的には、表面処理工程)についても合わせて説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る表面処理装置の一例について説明する。ここで、図1に示す表面処理装置100は、表面処理手段として、塗布手段(具体的には、第2塗布手段50)を備える例である。即ち、図1に示す表面処理装置100を用いた表面処理方法では、基材の第2面に対する表面処理が、基材の第2面に対して塗布液を塗布することである例となる。
表面処理手段として、塗布手段(具体的には、第2塗布手段50)を備える表面処理装置100によれば、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することができる。
図1に示すように、表面処理装置100は、バックアップロール20と、第1塗布手段30と、浮上搬送手段40と、第2塗布手段50と、乾燥手段60と、を備える。
また、図1に示すように、表面処理装置100は、ロールトゥロール方式を採用している。表面処理装置100では、ロール状に巻回された帯状の基材10は、矢印方向にその先端が送り出されることで搬送が開始され、バックアップロール20、浮上搬送手段40、及び符号を付していない複数の搬送ロールを介し、ロール状に巻き取られるまで連続搬送される。
図1に示すように、連続搬送されている帯状の基材10には、まず、第1面の中央部に対して、第1塗布手段30により第1塗布液の塗布が行われる(以下、ステップ1ともいう)。第1塗布手段30による第1塗布液の塗布は、基材10の搬送の安定化の観点から、基材10がバックアップロール20に巻き掛けられた領域で行うことが好ましい。
ステップ1によれば、帯状の基材10の第1面の中央部には、不図示の、第1塗布液による第1塗膜が形成される。
次いで、第1面に第1塗膜が形成された帯状の基材10には、第2面の中央部に対して、第2塗布手段50により第2塗布液の塗布が行われる(以下、ステップ2ともいう)。ここで、第2塗布手段50による第2塗布液の塗布は、基材10の第1面が浮上搬送手段40におけるエッジリング対44の外周面に接触しており(例えば、図2参照)、基材10が所定の速度で回転しているエッジリング対44の外周面に沿って湾曲した領域で行われる。このとき、基材10の第1面の中央部は、浮上搬送手段40における不図示の気体噴出部材の外周面から噴出された気体により、気体噴出部材の外周面から浮上している。このため、ステップ2では、第1面の中央部に形成された第1塗膜に接触することなく基材10が搬送され、その基材10の第2面の中央部に第2塗布液の塗布が行われる。
ステップ2によれば、帯状の基材10の第2面の中央部には、不図示の、第2塗布液による第2塗膜が形成される。
続いて、第1面に第1塗膜が形成され且つ第2面に第2塗膜が形成された基材10は、乾燥手段60により乾燥される(以下、ステップ3ともいう)。
ステップ3によれば、第1塗膜及び第2塗膜がそれぞれ乾燥し、基材の両面にそれぞれ膜が形成された積層体が得られる。
[ステップ1]
ステップ1では、帯状の基材の第1面の中央部に対して、第1塗布手段により第1塗布液の塗布が行われる。
-第1塗布液-
本ステップで用いる第1塗布液は、溶媒(又は分散媒)を含み流動性がある液状物であって、目的とする膜を形成し得るものであれば、特に制限はない。
第1塗布液は、溶媒(又は分散媒)として、有機溶剤を用いるものであってもよいし、水を用いるものであってもよいし、これらの混合物であってもよい。
第1塗布液に含まれる固形分には、目的とする膜を得るための成分の他、塗布適性を向上させるための成分等が含まれる。
本ステップにおいて形成される第1塗膜の厚みは特に制限はなく、形成される膜の用途に応じて、適宜、決定すればよい。
本ステップにおける第1塗膜の幅(即ち、塗布幅)は特に制限はなく、基材の幅、形成される膜の用途等に応じて、適宜、決定されればよい。
基材の第1面に第1塗膜が形成された際、非塗布領域の幅(即ち、基材の露出部の幅)は、後述するステップ2において、浮上搬送手段におけるエッジリング対の外周面との接触領域となる。そのため、ステップ2における基材の搬送の安定化の観点から、基材の第1面における非塗布領域の幅(即ち、基材の露出部の幅)は、基材の幅方向両端部において、それぞれ、例えば、基材が蛇行してもエッジリング対から外れることがないよう、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることが更に好ましい。
第1面における非塗布領域の幅の上限としては、基材の幅にもよるが、例えば、50mmが挙げられる。
被塗布領域の幅は、以下のようにして測定する。
即ち、塗膜の膜面側から上面視し、基材の幅方向縁部から塗膜の端部までの最短距離を、定規にて、長手方向に500mmの間隔を開けて3点測定する測定する。この測定を、基材の幅方向両端部においてそれぞれ行う。
測定された6点の測定値の算術平均値を求め、これを被塗布領域の幅とする。
-第1塗布液の塗布-
本ステップにおける第1塗布液の塗布には、公知の塗布手段が適用される。
塗布手段(例えば、図1における第1塗布手段30)として、具体的には、カーテンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等を利用した塗布装置が挙げられる。
中でも、本ステップにおける塗布手段としては、高精細な塗布を可能にする観点から、スロットコーティング法を利用した塗布装置、より具体的には、エクストルージョン型のダイコータが好ましく用いられる。
-バックアップロール-
本ステップにおいて、基材の第1面への第1塗布液の塗布は、基材を張架した状態で搬送することができ、基材の搬送を安定化し、塗布精度が高まるという観点から、図1に示されるように、基材がバックアップロールに巻き掛けられた領域で行われることが好ましい。
バックアップロールは、回転可能な部材である。バックアップロールが回転することで、バックアップロールの外周面に沿って基材を張架した状態で搬送することができる。
バックアップロールは、塗膜の乾燥過程の制御、及び、塗膜の膜面温度低下による塗膜のブラッシング(すなわち、微細な結露が生じることによる塗膜の白化)の抑制という観点から、加温されてもよい。
バックアップロールの表面温度は、温度制御手段によって制御されることが好ましい。バックアップロールの表面温度は、検知された表面温度に基づいて、温度制御手段によって制御されることがより好ましい。
温度制御手段としては、例えば、加熱手段、及び冷却手段が挙げられる。加熱手段においては、例えば、導加熱、水加熱、又は油加熱が用いられる。冷却手段においては、例えば、冷却水による冷却が用いられる。
バックアップロールの直径は、基材が巻き掛け易い観点、ダイヘッドによる塗布が容易な観点、及びバックアップロールの製造コストの観点から、100mm~1,000mmであることが好ましく、100mm~800mmであることがより好ましく、200mm~700mmであることが特に好ましい。
バックアップロールによる基材の搬送速度は、生産性、及び塗布性の観点から、例えば、10m/分~100m/分であることが好ましい。
バックアップロールに対する基材のラップ角は、塗布時の基材搬送を安定化し、塗膜の厚みムラの発生を抑制する観点から、60°以上であることが好ましく、90°以上であることがより好ましい。また、ラップ角の上限は、例えば、180°に設定することができる。ラップ角とは、基材がバックアップロールに接触する際の基材の搬送方向と、バックアップロールから基材が離間する際の基材の搬送方向と、からなる角度をいう。
バックアップロールの材質としては、ステンレス、炭素鋼鋼材、炭素繊維強化プラスチック(CFRPともいう)、アルミニウム等が挙げられる。
バックアップロールの外周面(即ち表面)は、例えば、ハードクロムメッキが施されていてもよい。メッキの厚さは、例えば、40μm~60μmであることが好ましい。
[ステップ2]
ステップ2では、ステップ1後の基材の第2面の中央部に対して、第2塗布手段により第2塗布液の塗布が行われる。
ステップ1後の基材とは、ステップ1にて第1面に第1塗膜が形成された基材を指す。
-第2塗布液-
本ステップで用いる第2塗布液は、第1塗布液と同様に、溶媒(又は分散媒)を含み流動性がある液状物であって、目的とする膜を形成し得るものであれば、特に制限はない。
第2塗布液は、第1塗布液と同様の塗布液であってもよいし、異なる塗布液であってもよい。
本ステップにおいて形成される第2塗膜の厚みは特に制限はなく、形成される膜の用途に応じて、適宜、決定すればよい。また、第2塗膜の厚みは、第1塗膜の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本ステップにおける第2塗膜の幅(即ち、塗布幅)は特に制限はなく、基材の幅、形成される膜の用途等に応じて、適宜、決定されればよい。また、第2塗膜の幅(即ち、塗布幅)は、第1塗膜の幅(即ち、塗布幅)と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
基材の第2面に第2塗膜が形成された際、非塗布領域の幅(即ち、基材の露出部の幅)は特に制限はなく、形成される膜の用途に応じて、適宜、決定すればよい。また、第2面における非塗布領域の幅は、第1面における非塗布領域の幅と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
-第2塗布液の塗布-
本ステップにおける第2塗布液の塗布には、公知の塗布手段が適用される。
塗布手段(例えば、図1における第2塗布手段50)としては、第1塗布液の塗布に用いられるものと同様の各種塗布装置が挙げられる。
中でも、本ステップにおける塗布手段としては、高精細な塗布を可能にする観点から、スロットコーティング法を利用した塗布装置、より具体的には、エクストルージョン型のダイコータが好ましく用いられる。
-浮上搬送手段-
本ステップにおいて、基材の第2面に対する第2塗布液の塗布は、基材の第1面の両端部がエッジリング対の外周面に接触し、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲した領域で行われる。このときの基材は、浮上搬送手段における気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させて搬送されている。
上記のような基材の浮上搬送を行うために、本ステップでは、外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の両端部に設けられ、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有する気体噴出部材エッジリング対、及び、エッジリング対を回転させる駆動部を有する浮上搬送手段を用いる。以下、上記の気体噴出部材、エッジリング対、及び駆動部を有する浮上搬送手段を、「特定浮上搬送手段」ともいう。
・ニップロール
特定浮上搬送手段としては、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触と離間とが可能なニップロールを更に有することが好ましい。ニップロールは、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触することが可能であって、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触する際に、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面に接触する。このようなニップロールにより、基材がエッジリング対の外周面に対して押し付けられることから、エッジリング対の回転速度に基材の搬送速度をより追従させることが容易になる。また、ニップロールにより、エッジリング対の外周面に対して基材が押し付けられることから、基材が振動することによる基材のバタつきを抑えることもできる。このようなことから、特定浮上搬送手段が上記のニップロールを有することで、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の搬送速度のムラがより低減され、基材の搬送も安定化し、その結果として、第2面に対し精度良い表面処理を施すことが可能となる。具体的には、表面処理手段が塗布手段である本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法において、特定浮上搬送手段が上記のニップロールを有すると、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することができる。
ここで、ニップロールがエッジリング対の外周面に対して近接するとは、ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面にのみ接触することで、エッジリング対の外周面に近接はするものの、エッジリング対の外周面には接触しないことを指す。また、ニップロールがエッジリング対の外周面に対して接触するとは、ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面に接触するとともに、エッジリング対の外周面とも接触することを指す。
本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法において、ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触することが好ましい。この態様とすることで、気体噴出部材の外周面から噴出された気体がエッジリング対の外周面と基材との間から漏れることを抑制することができる。また、ニップロールの外周面がエッジリング対の外周面に接触すると、ニップロールが、エッジリング対により直接回転させられて、エッジリング対の回転速度に追従し易くなることから、基材の搬送速度のムラをより低減することができる。これらのことから、上記の態様とすることで、第2面に対し精度良い表面処理を施すことが可能となる。
言い換えれば、表面処理手段が塗布手段である本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法によれば、ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触する態様は、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することができるため、好ましい。
特定浮上搬送手段が有するニップロールは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
また、特定浮上搬送手段が有するニップロールは、短尺のロールであってもよいし、長尺のロールであってもよい。
ここで、短尺のロールとしては、軸方向の長さ(即ち、短尺のロールの外周面の幅)が、例えば、1つエッジリングの幅の1/3から1つエッジリングの幅と同程度の長さであるロールが挙げられる。また、長尺のロールとしては、軸方向の長さ(即ち、長尺のロールの外周面の幅)が、例えば、気体噴出部材における外周面の軸方向の長さとエッジリング対の長さを合わせた程度の長さであるロールが挙げられる。
エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の搬送速度のムラをより低減し、基材の搬送を安定化させる観点からは、ニップロールは以下の態様であることが好ましい。
1つ目の態様としては、ニップロールとして2つの短尺のロールを対として用い、対になった2つの短尺のロール(即ち、ニップロール対)を、エッジリング対のそれぞれの外周面の周方向(即ち、回転方向)の同じ位置に近接又は接触するように配置される態様が挙げられる。
また、2つ目の態様としては、ニップロールとして長尺のロールを用い、1本の長尺のロールが、エッジリング対のそれぞれの外周面に同時に近接又は接触するように配置される態様が挙げられる。
特定浮上搬送手段が有するニップロールは、エッジリング対に対して近接又は接触する際、表面処理手段にて施された基材の表面処理領域(例えば、塗膜形成領域)に接触しないことが望まれる。
そのため、ニップロールは、エッジリング対に対して近接又は接触する際、基材の第2面に形成された表面処理領域(例えば、塗膜形成領域)に接触しない位置に配置される、又は、基材の第2面に形成された表面処理領域(例えば、塗膜形成領域)に接触しない形状を有する、ことが好ましい。
前者としては、ニップロールとして長尺のロールを用い、この長尺のロールを、基材の搬送方向に対し、表面処理手段よりも上流側に配置する例が挙げられる。この例であれば、長尺のロールは、表面処理手段にて表面処理が施される前の基材の第2面の全幅に接触することで、基材の搬送速度のムラを低減させることができる。
また、後者としては、表面処理手段にて施された表面処理領域に接触せず、それ以外の領域(即ち、基材の第2面の幅方向端部)に接触する、短尺のロール(好ましくは、対になった2つの短尺のロール)を用いる例が挙げられる。この例であれば、ニップロールは、基材の搬送方向に対し、表面処理手段よりも上流側に配置されてもよいし、表面処理手段よりも下流側に配置されてもよい。
特定浮上搬送手段は、ニップロールを複数有し、複数のニップロールが、エッジリング対の周方向において、表面処理手段を挟むように配置されている、ことが好ましい。
このように複数のニップロールを配置することで、表面処理手段により第2面に対し表面処理が施される際の、基材の搬送速度のムラがより低減され、その結果として、第2面に対し精度良い表面処理を施すことが可能となる。具体的には、表面処理手段が塗布手段である本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法において、上記のように複数のニップロールを配置することで、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することができる。
特定浮上搬送手段におけるニップロールは、幅方向で径の異なるテーパー形状を有するものであってもよい。また、ニップロールとして、2つの短尺のロールを対として用い、対になった2つの短尺のロールの軸を、エッジリング対の軸に対して傾けてもよい。このとき、2つの短尺のロールを、トーアウトの方向に傾けてもよい。
このような態様とすることで、基材の幅方向の外側に向かって張力を掛け、基材の第1面の気体噴出部材からの浮上量を均一化させることができる。
また、エッジリング対の外周面に対するニップロールの押し当て圧は、エッジリング対のそれぞれの外周面に対して同じであってもよいし、異なっていてもよい。ニップロールにて、エッジリング対のそれぞれの外周面に対して押し当てる圧を変えることで、基材の搬送位置を調整してもよい。
ニップロールの外周面を構成する部材の材質としては、各種ゴム等が挙げられる。
ニップロールの外周面は、例えば、帯電防止等の表面処理が施されていてもよい。
ここで、図2を参照して、浮上搬送手段の一例、及び、浮上搬送手段と塗布手段との位置関係について説明する。
図2に示すように、浮上搬送手段40Aは、円筒状の外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材42C、気体噴出部材42Cの両端部に設けられ、気体噴出部材42Cの外周面よりも大径のエッジリング対44、及び、エッジリング対44を所定の速度で回転させる駆動部46を有する。気体噴出部材42Cの詳細については、後述する。
浮上搬送手段40Aは、更に、エッジリング対44のそれぞれの外周面に対して、周方向(即ち、回転方向)の同じ位置にて接触と離間とが可能な、ニップロール対48aと、ニップロール対48bと、を有する。そして、ニップロール対48aとニップロール対48bとは、エッジリング対44の周方向において、第2塗布手段50を挟むように配置されている。
図2に示すように、ニップロール対48aは、対になった2つの短尺のロールから構成されており、ニップロール対48bも、対になった2つの短尺のロールから構成されている。
2組のニップロール対48a,48bは、いずれも、図2に示すように、基材10の第2面の幅方向における両端部と、エッジリング対44の外周面と、の両方に接触する。このように、ニップロール対48a及びニップロール対48bは、基材10に対しては、第2面の幅方向における両端部のみに接触することから、第2塗布手段50により形成された第2塗膜形成領域には接触しない。
(変形例1)
ここで、図3を参照して、浮上搬送手段の別の一例について説明する。
図3に示す浮上搬送手段40Bは、浮上搬送手段40Aにおけるニップロール対48aを、ニップロール48cに代えた構成を有する。言い換えれば、図2に示す、基材の搬送方向(矢印方向)に対し、第2塗布手段50よりも上流側に配置されるニップロール対48aは、長尺のロールから構成されるニップロール48cに代えてもよい。ここで、ニップロール48cは、長尺のロールから構成されることで、1本にて、エッジリング対44のそれぞれの外周面に対して同時に接触し得る。
浮上搬送手段40Bは、図3に示されるように、ニップロール48cの他、浮上搬送手段40Aと同様に、円筒状の外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材42C、気体噴出部材42Cの両端部に設けられ、気体噴出部材42Cの外周面よりも大径のエッジリング対44、エッジリング対44を所定の速度で回転させる不図示の駆動部、及び、周方向(即ち、回転方向)の同じ位置にて接触と離間とが可能なニップロール対48bを有する。気体噴出部材42Cの詳細については、後述する。
(変形例2)
なお、図4に示すように、長尺のロールにより構成されるニップロール48cに対しては、その外周面に、基材10を巻き掛けてもよい。
この態様の場合、第1塗布手段30により第1面に第1塗膜が形成された基材10は、まず、円筒状の浮上搬送手段70の外周面に沿って湾曲しながら搬送された後、ニップロール48cの外周面に巻き掛けられ、その後、浮上搬送手段40におけるエッジリング対の外周面に沿って湾曲しながら搬送される。
このように、ニップロール48cの外周面に基材10を巻き掛ける態様の場合、ニップロール48cとエッジリング対44とを同速で回転させることで、第2面に対し表面処理が施される際(例えば、第2面に対して第2塗布液を塗布する際)の、基材の搬送速度のムラがより低減され、その結果として、第2面に対し精度良い表面処理を施すことが可能となる(例えば、搬送方向に沿って厚みムラが少ない塗膜を形成することができる)。
なお、円筒状の浮上搬送手段70としては、特定浮上搬送手段であってもよいし(具体的には、例えば、図2に示す浮上搬送手段40A)、公知の円筒状の浮上搬送手段であってもよい。
・気体噴出部材
浮上搬送手段における気体噴出部材は、円弧状又は円筒状である外周面を有し、外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出機構を有する。気体噴出部材は、外周面を構成する部材の内側は中空状であることが好ましい。
気体噴出部材は、円弧状の外周面を有する例として、回転しない円弧状部材を備えるか、円筒状の外周面を有する例として、回転しない円筒状部材、或いは、図2及び図3に示すような、回転する円筒状部材を備えることが好ましい。
円弧状部材を備えた気体噴出部材は、例えば、図5に示すような構成を有する。ここで、図5は、円弧状部材を備えた気体噴出部材42Aの構成の一例を示す概略断面図である。
図5に示すように、円弧状部材を備えた気体噴出部材42Aは、円弧状の外周面を形成する円弧状部材43Aと、円弧状部材43Aを固定する2つのブラケット90Aと、円弧状部材43Aの内側に配置され、気体を円弧状部材43Aに供給する円弧状のチャンバ92Aと、チャンバ92Aに連結する給気管94Aと、を備える。ここで、円弧状部材43Aの軸(即ち、円弧状部材43Aにより形成される円弧状の外周面の軸)と、エッジリング対44Aの軸と、は同心円上にある。
この例の場合、回転するエッジリング対44Aは、左右のエッジリングがシャフト45Aにて繋がっている。また、回転するエッジリング対44Aは、回転しない円弧状部材43Aには接触せず、わずかな隙間(例えば、0.2mm~1mm程度)をもって、円弧状部材43Aの外周面の軸方向の両端に配置される。
気体噴出部材42Aでは、給気管94Aから入った気体はチャンバ92Aを介して円弧状部材43Aにまで供給され、円弧状部材43Aにまで供給された気体は、円弧状部材43Aにより形成される外周面の不図示の噴出口から噴出する。
回転しない円筒状部材を備え気体噴出部材は、例えば、図6に示すような構成を有する。ここで、図6は、回転しない円筒状部材を備えた気体噴出部材42Bの構成の一例を示す概略断面図である。
図6に示すように、回転しない円筒状部材を備えた気体噴出部材42Bは、円筒状の外周面を形成する円筒状部材43Bと、円筒状部材43Bを固定するブラケット90Bと、円筒状部材43Bの内側に配置され、気体を円筒状部材43Bに供給する円筒状のチャンバ92Bと、チャンバ92Bに連結する給気管94Bと、を備える。ここで、円筒状部材43Bの軸(即ち、円筒状部材43Bにより形成される円筒状の外周面の軸)と、エッジリング対44Bの軸と、は同心円上にある。
この例の場合も、回転するエッジリング対44Bは、左右のエッジリングがシャフト45Bにて繋がっている。また、回転するエッジリング対44Bは、回転しない円筒状部材43Bには接触せず、わずかな隙間(例えば、0.2mm~1mm程度)をもって、円筒状部材43Bの外周面の軸方向の両端に配置される。
気体噴出部材42Bでは、給気管94Bから入った気体がチャンバ92Bを介して円筒状部材43Bにまで供給され、円筒状部材43Bにまで供給された気体は、円筒状部材43Bにより形成される外周面の不図示の噴出口から噴出する。
図2及び図3、並びに、図7を用いて、回転する円筒状部材を備え気体噴出部材42Cについて説明する。
例えば、図2及び図3に示す、気体噴出部材42Cは、回転する円筒状部材43Cを備えた気体噴出部材の一例である。
図7に示すように、回転する円筒状部材を備えた気体噴出部材42Cは、円筒状の外周面を形成する円筒状部材43Cと、円筒状部材43Cの内部にシャフト45Cを介して気体を供給する給気管94Cと、を備える。図2及び図3に示すように、円筒状部材43Cの両端には、エッジリング対44が接触して設けられている。この例では、円筒状部材43C、シャフト45C、及びエッジリング対44により、中空部93が形成される。また、エッジリング対44の左右のエッジリングはシャフト45Cにて繋がっている。そのため、シャフト45Cの回転により、円筒状部材43C及びエッジリング対44Bが回転する。
また、シャフト45Cの内部には、駆動部46に接続していない側に給気口を有する給気管94Cが設けられており、給気管94Cの側面(即ち、シャフト45Cの側面)には、円筒状部材43Cの内部(即ち、中空部93)に気体を供給するための給気孔が設けられている。給気孔は、図8に示すように、給気管94Cの側面(即ち、シャフト45Cの側面)に設けられた、複数の貫通孔95にて構成される。貫通孔の形状は、図8に示すような楕円状に限定されず、円状であってもよいし、その他の形状であってもよい。
気体噴出部材42Cでは、給気管94Cから入った気体が円筒状部材43Cの内部にまで供給され、円筒状部材43Cにより形成される外周面の噴出口(不図示)から噴出する。
上記した給気管94A,94B,94Cは、気体供給手段(例えば、コンプレッサ等)に連結されている。なお、給気管94Cと気体供給手段との連結の際には、必要に応じて、ロータリージョイント等を用いることが好ましい。気体供給手段によれば、気体の供給量、気体の噴出圧等を制御することができる。
気体供給手段から気体噴出部材(例えば、42A,42B,42C)の内部に気体が供給されると、供給された気体は気体噴出部材(例えば、42A,42B,42C)の外周面の噴出口を通じて噴出する。
外周面にある気体の噴出口の形状は特に制限はなく、スリット状であってもよいし、円状又は楕円状であってもよい。
外周面における気体の噴出口は、外周面内で均一に分布していることが好ましい。
気体噴出部材において、噴出口を有する外周面は多孔質材料にて形成されていることが好ましい。多孔質材料にて、気体噴出部材の外周面が形成されていることで、気体の風速の面内分布を均一にすることができ、基材の安定した浮上搬送を実現することができる。
気体噴出部材の直径は、部材自体の剛性、基材に対して気体を噴出する際の気体の使用量を少なくする観点等点から、100mm~1,000mmであることが好ましく、100mm~800mmであることがより好ましく、100mm~500mmであることが更に好ましく、150mm~300mmであることが特に好ましい。
気体噴出部材としては、外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出機構を有する気体噴出部材であれば、特に制限はなく、公知の部材が用いられる。
気体噴出部材として例えば、特開2001-106402号公報に記載のエアーフローティングローラ14及びエアー噴出管32、日本タングステン(株)のセラミック多孔体による外周面を有するロール、(有)テー・テー・エスのポーラスアルミナによる外周面を有するロール等を適用することができる。
・エッジリング対
浮上搬送手段におけるエッジリング対は、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有する。ここで、気体噴出部材の外周面の軸(円弧状の外周面の場合は、かかる円弧の曲率半径と同じ半径を有する円の軸)と、エッジリング対の軸と、は同心円上に配置されていることが好ましく、エッジリング対の外径は、気体噴出部材の外周面の外径よりも大きい。
また、エッジリング対は、回転可能な部材である。
エッジリング対の外径と気体噴出部材の外周面の外径との差(即ち、エッジリング対の外周面が気体噴出部材の外周面に対して突出する距離、基材の浮上量ともいう)は、基材の安定した浮上搬送の観点から、例えば、0.02mm~20mmが好ましく、0.05mm~2mmがより好ましい。
1つのエッジリングの幅は、基材の安定した浮上搬送の観点から、例えば、5mm~100mmが好ましく、10mm~50mmがより好ましい。
エッジリング対は、駆動部からの駆動により所定の速度で回転することができるが、その回転速度としては、生産性、及び塗布性の観点から、例えば、2m/分~500m/分であることが好ましい。
エッジリング対の外周面に対する基材のラップ角は、基材の搬送を安定化する観点から、60°以上であることが好ましく、90°以上であることがより好ましい。また、ラップ角の上限は、例えば、180°に設定することができる。ここでのラップ角とは、基材がエッジリング対の外周面に接触する際の基材の搬送方向と、エッジリング対の外周面から基材が離間する際の基材の搬送方向と、からなる角度をいう。
エッジリング対の外周面には、基材の第1面の幅方向両端部が接触している。エッジリング対の外周面と基材の第1面との接触幅は、基材の搬送の安定化の観点から、基材の幅方向両端部において、それぞれ、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることが更に好ましい。
エッジリング対の外周面と基材の第1面の両端部との接触幅の上限としては、基材の幅方向両端部において、それぞれ、例えば、50mmが挙げられる。
エッジリング対の材質としては、ステンレス、炭素鋼鋼材、CFRP、アルミニウム等が挙げられる。
エッジリング対の外周面は、例えば、ハードクロムメッキ等の表面処理が施されていてもよい。
エッジリング対としては、気体噴出部材の両端部に回転可能に設けられていれば、特に制限はない。エッジリング対は、例えば、特開2001-106402号公報に記載のエッジリング16等を適用することができる。
・駆動部
浮上搬送手段における駆動部は、エッジリング対を回転させる駆動部である。
駆動部としては、エッジリング対を所定の速度で回転させることが可能であれば特に制限はなく、公知のモーターが適用される。
なお、本ステップにおいて、特定浮上搬送手段による基材の搬送速度は、表面処理手段の種類に応じて、適宜、設定すればよく、例えば、生産性の観点からは、10m/分~100m/分であることが好ましい。
[ステップ3]
ステップ3では、第1面に第1塗膜が形成され且つ第2面に第2塗膜が形成された基材を乾燥する。即ち、本ステップでは、第1塗膜及び第2塗膜が乾燥し、基材の両面に膜が形成する。
-乾燥-
本ステップにて、第1塗膜及び第2塗膜の乾燥には、公知の乾燥手段が適用される。
乾燥手段(例えば、図1における乾燥手段60)として、具体的には、オーブン、温風機、赤外線(IR)ヒーター等が挙げられる。
本ステップにおける乾燥条件は、基材の材質、塗膜の種類等に応じて、適宜、決定されればよい。
-搬送手段-
本ステップにおいて、第1塗膜及び第2塗膜の乾燥は、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送手段にて搬送しながら行うことが好ましい。
即ち、本実施形態に係る表面処理方法では、表面処理工程後に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送工程を更に含む、ことが好ましい。この搬送工程において、第1塗膜及び第2塗膜の乾燥を行う。
また、本実施形態に係る表面処理装置では、基材の搬送方向において、エッジリング対と基材の第1面との接触領域よりも下流側に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送手段を更に備えることが好ましい。
本実施形態に係る表面処理方法における上記搬送工程は、本実施形態に係る表面処理装置における上記搬送手段を用いて行うことができる。
基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送手段の例として、図1に示す噴出部82及び84が挙げられる。
図1に示す乾燥手段60の中には、基材の第1面側に気体を噴出する噴出部82が基材の搬送方向に沿って複数配置されており、噴出部82の設置位置間には、基材の第2面側に気体を噴出する噴出部84が基材の搬送方向に沿って複数配置されている。
噴出部82から基材10の第1面側に向かって気体を噴出し、また、噴出部84から基材10の第2面側に向かって気体を噴出することで、気体の風圧により、図1に示すように基材10がその厚み方向に湾曲されつつ搬送される。
ここで、基材10の第1面側及び第2面側に噴出する気体は、第1塗膜及び第2塗膜の乾燥の観点から、室温より高いことが好ましい。
本ステップにて、上記のような搬送手段を用いると、基材が振動し、ばたつくことから、ここでの基材のばたつきが影響して、第2面に対して表面処理を施す際の基材の搬送速度にムラが生じやすい。
本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法では、第2面に対して表面処理を施す際、上述の浮上搬送手段を用いて基材を搬送している。そのため、上記のような搬送手段を有する表面処理装置であっても、上記のような搬送工程を有する表面処理方法であっても、第2面に対して表面処理を施す際の基材の搬送速度にムラが抑えられ、第2面に対して精度よく表面処理が施される。
以上のようにして、基材の両面にそれぞれ膜が形成され、膜と基材と膜とがこの順に並んだ積層体が得られる。
ステップ3を経て得られた膜の厚みは、特に制限はなく、目的、用途等に応じた厚みであればよい。
[その他のステップ]
ステップ1の前、及び、ステップ3の後の少なくとも一方において、必要に応じて、その他のステップを有していてもよい。
その他のステップとしては、特に制限はなく、塗膜を形成する前に行われる前処理ステップ、第1面及び第2面に形成された膜又は積層体に対して行う後処理ステップ等が挙げられる。
その他のステップとしては、具体的には、基材の第1面を表面処理するステップ、形成された膜を硬化させるステップ、積層体を圧縮するステップ、積層体を切断するステップ等が挙げられる。
[表面処理手段の例]
図1においては、表面処理手段が塗布手段である例をとって説明したが、表面処理手段は、塗布手段に限定されない。
表面処理手段としては、塗布手段の他、画像形成手段、パターン形成手段、プラズマ処理手段、ラビング処理等が挙げられる。
画像形成手段又はパターン形成手段として、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法などの印刷手段が用いられてもよい。
[基材]
本実施形態に係る表面処理装置及び表面処理方法に用いられる基材は、特に制限はなく、施される表面処理の種類、表面処理後に得られる物品(例えば、積層体、印刷物等)の用途に応じた基材を選択すればよい。
基材としては、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。また、基材は、樹脂層と金属層とを含む多層構造を有していてもよい。
また、樹脂製の基材としては、例えば、ポリエステル系基材(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム若しくはシート)、セルロース系基材(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等のフィルム若しくはシート)、ポリカーボネート系基材、ポリ(メタ)アクリル系基材(ポリメチルメタクリレート等のフィルム若しくはシート)、ポリスチレン系基材(ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体等のフィルム若しくはシート)、オレフィン系基材(ポリエチレン、ポリプロピレン、環状若しくはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレンプロピレン共重合体等のフィルム若しくはシート)、ポリアミド系基材(ポリ塩化ビニル、ナイロン、芳香族ポリアミド等のフィルム若しくはシート)、ポリイミド系基材、ポリスルホン系基材、ポリエーテルスルホン系基材、ポリエーテルエーテルケトン系基材、ポリフェニレンスルフィド系基材、ビニルアルコール系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、ポリビニルブチラール系基材、ポリ(メタ)アクリレート系基材、ポリオキシメチレン系基材、エポキシ樹脂系基材等の透明基材、又は上記のポリマー材料をブレンドしたブレンドポリマーからなる基材等が挙げられる。
金属製の基材としては、例えば、銅、アルミニウム、銀、金、及びこれらの合金による金属基材が挙げられる。
基材の厚みは、ロールトゥロール方式に適用する観点から、適宜、設定すればよい。
基材の厚みは、例えば、5μm~150μmが好ましく、10μm~100μmがより好ましい。
基材の幅及び長さは、ロールトゥロール方式に適用する観点、施される表面処理の種類、表面処理後に得られる物品(例えば、積層体、印刷物等)の用途から、適宜、設定すればよい。
基材の厚みは、以下のようにして測定する。
即ち、接触式の厚み測定機を用い、基材の幅方向の3箇所(具体的には、幅方向の両縁部から5mmの位置と幅方向中央部)の厚みを、長手方向に500mmの間隔を開けて3点測定する。
測定された計9つの測定値の算術平均値を求め、これを基材の厚みとする。
接触式の厚み測定機としては、例えば、(株)フジワークのS-2270が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、各工程の詳細等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
なお、「部」はいずれも質量基準である。
<基材の準備>
基材として、長尺状のトリアセチルセルロースフィルム(TD40UL、富士フイルム(株)、屈折率:1.48、厚さ:60μm、幅:1,340mm)を用意した。
<塗布液の準備>
(塗布液Aの調製)
下記成分を混合することで、塗布液Aを調製した。
・下記の重合性液晶化合物L-9:47.50質量部
・下記の重合性液晶化合物L-10:47.50質量部
・下記の重合性液晶化合物L-3:5.00質量部
・下記の重合開始剤PI-1:0.50質量部
・下記のレベリング剤T-1(重量平均分子量:10,000):0.20質量部
・メチルエチルケトン:235.00質量部
上記の重合性液晶化合物L-9、及び上記の重合性液晶化合物L-10において、R、及びRの一方は、メチル基を表し、R、及びRの他方は、水素原子を表し、R、及びRの一方は、メチル基を表し、R、及びRの他方は、水素原子を表す。すなわち、上記重合性液晶化合物L-9、及び上記重合性液晶化合物L-10は、それぞれ、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物である。
[実施例1]
図1に示すように構成された装置にて、連続搬送されている基材において、第1面に塗布液Aを塗布した後、第2面に塗布液Aを塗布し、基材の両面に塗膜を形成した。その後、乾燥手段にて、基材を非接触で搬送する搬送手段にて搬送しながら、両面に塗膜を有する基材を乾燥させて、塗膜の乾燥を行った。
基材の第2面に塗布液Aを塗布する際に用いた浮上搬送手段としては、図5に示すような、浮上搬送手段を用いた。浮上搬送手段は、噴出口としてパンチング穴(直径φ2mm)を有する外周面(開口率:5%)を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)と、直径φ302mm、幅40mmのステンレス製のエッジリング対(外周面もステンレス製)と、を備えていた。外周面から噴出させた気体は、室温(25℃)の空気であった。また、エッジリング対の外周面と基材の第1面との接触幅は、基材の幅方向両端部において、それぞれ、30mmであった。
以上の方法により、基材の両面に厚さ5μmの膜が形成された積層体を得た。
[実施例2]
実施例1の浮上搬送手段に対し、2つの短尺のロールからなるニップロール対を追加した浮上搬送手段を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
ここで、ニップロール対を構成する短尺のロールは、外周面がゴム(NBR(ニトリルゴム))で形成されている、幅20mm、外径φ60mmのロールである。そして、ニップロール対は、塗布手段による基材への塗布液Aの塗布位置よりも下流側に配置した。ニップロール対は、エッジロール対の外周面に沿って基材が搬送される際、エッジロール対の外周面には接触せず(近接し)、基材の第2面の幅方向両端部のみに接触する態様とした。つまり、ニップロール対を構成する2つの短尺のロールは、それぞれ、エッジリング対の外周面と基材の第1面の両端部とが接触している領域(幅30mm)にて、基材の第2面の幅方向両端部に接触させた。
[実施例3]
実施例1の浮上搬送手段に対し、2つの短尺のロールからなるニップロール対を追加した浮上搬送手段を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
ここで、ニップロール対を構成する短尺のロールは、外周面がゴム(NBR(ニトリルゴム))で形成されている、幅20mm、外径φ60mmのロールである。そして、ニップロール対は、塗布手段による基材への塗布液Aの塗布位置よりも下流側に配置した。また、ニップロール対は、エッジロール対の外周面に沿って基材が搬送される際、エッジロール対の外周面と基材の第2面の幅方向両端部との両方に接触する態様とした。ここで、ニップロール対を構成する2つの短尺のロールの外周面は、それぞれ、エッジリング対の外周面に幅10mmで接触させ、基材の第2面の両端部に幅10mmで接触させた。
[実施例4]
実施例1の浮上搬送手段に対し、2つの短尺のロールからなるニップロール対を2組追加した浮上搬送手段を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
ここで、ニップロール対を構成する短尺のロールは、外周面がゴム(NBR(ニトリルゴム))で形成されている、幅20mm、外径φ60mmのロールである。そして、2組のニップロール対は、塗布手段による基材への塗布液Aの塗布位置よりも上流側及び下流側に配置した。また、2組のニップロール対は、いずれも、エッジロール対の外周面に沿って基材が搬送される際、エッジロール対の外周面には接触せず(近接し)、基材の第2面の幅方向両端部のみに接触する態様とした。つまり、ニップロール対を構成する2つの短尺のロールは、それぞれ、エッジリング対の外周面と基材の第1面の両端部とが接触している領域(幅30mm)にて、基材の第2面の幅方向両端部に接触させた。この接触態様は、2組のニップロール対とも同様であった。
[実施例5]
実施例1の浮上搬送手段に対し、2つの短尺のロールからなるニップロール対と長尺のロールとを追加した浮上搬送手段を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
ここで、ニップロール対を構成する短尺のロールは、外周面がゴム(NBR(ニトリルゴム))で形成されている、幅20mm、外径φ60mmのロールである。また、ニップロールとして用いた長尺のロールは、外周面がゴム(NBR(ニトリルゴム))で形成されている、幅1360mm、外径φ60mmのロールである。そして、ニップロール対は、塗布手段による基材への塗布液Aの塗布位置よりも下流側に配置した。また、長尺ロールは、塗布手段による基材への塗布液Aの塗布位置よりも上流側に配置し、図4に示すように、基材が巻き掛けるようにした。
ニップロール対は、エッジロール対の外周面に沿って基材が搬送される際、エッジロール対の外周面には接触せず(近接し)、基材の第2面の幅方向両端部のみに接触する態様とした。つまり、ニップロール対を構成する2つの短尺のロールは、それぞれ、エッジリング対の外周面と基材の第1面の両端部とが接触している領域(幅30mm)にて、基材の第2面の幅方向両端部に接触させた。また、長尺のロールは、エッジロール対の外周面に沿って基材が搬送される際、エッジロール対の外周面に加え、基材の全幅にわたって接触する態様とした。
[実施例6]
実施例1において、噴出口としてパンチング穴(直径φ2mm)を有する外周面(開口率:5%)を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)の代わりに、多孔質材料(平均気孔径10μm、気孔率30%)から構成された外周面を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)に代えた以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
[実施例7]
実施例2において、噴出口としてパンチング穴(直径φ2mm)を有する外周面(開口率:5%)を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)の代わりに、多孔質材料(平均気孔径10μm、気孔率30%)から構成された外周面を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)に代えた以外は、実施例2と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
[実施例8]
実施例4において、噴出口としてパンチング穴(直径φ2mm)を有する外周面(開口率:5%)を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)の代わりに、多孔質材料(平均気孔径10μm、気孔率30%)から構成された外周面を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)に代えた以外は、実施例4と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
[実施例9]
実施例5において、噴出口としてパンチング穴(直径φ2mm)を有する外周面(開口率:5%)を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)の代わりに、多孔質材料(平均気孔径10μm、気孔率30%)から構成された外周面を有する気体噴出部材(曲率半径が150mmである半円弧状の外周面を形成する円弧状部材を備える気体噴出部材)に代えた以外は、実施例5と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
[比較例1]
実施例1で用いた浮上搬送手段において、エッジリング対を設けなかった以外は、実施例1と同様の方法で、基材の両面に膜が形成された積層体を得た。
[厚みムラの評価]
膜厚測定器(SI-T80、(株)キーエンス)を用いて、積層体の長手方向(搬送方向に該当)における厚みを0.1mmおきに2000箇所で測定した。積層体の長手方向における厚みの変動率を求め、この変動率に基づき、下記の基準に従って、搬送方向における塗膜の厚みムラを評価した。
厚みの変動率は、上記2000箇所分の測定値から得られた最大値及び最小値のうち、平均値からの差が大きい方を選択し、下記式(1)を用いて算出した。
式(1):厚みの変動率(%)=(最大値又は最小値-平均値)÷平均値×100
ここで、式(1)中、最大値は、2000箇所分の測定値のうちの最大値であり、最小値は、2000箇所分の測定値のうちの最小値であり、平均値は、2000箇所分の測定値の算術平均値である。
評価結果を表1に示す。
(基準)
1:変動率が-4%以上+4%以下である
2:変動率が-6%以上-4%未満又は+4%超+6%以下である
3:変動率が-8%以上-6%未満又は+6%超+8%以下である
4:変動率が-10%以上-8%未満又は+8%超+10%以下である
5:変動率が-20%以上-10%未満又は+10%超+20%以下である
6:変動率が-20%未満又は+20%超である

表1に明らかなように、実施例の表面処理装置(又は表面処理方法)により得られた積層体は、長手方向に塗膜の厚みムラが少ないことが分かる。この結果により、実施例の表面処理装置によれば、基材の第2面に対し精度良く表面処理が施されたことが分かる。
[実施例10~15、比較例2]
実施例1、実施例4、実施例5、実施例6、実施例8、実施例9、又は比較例1と同じ浮上搬送手段を用いて、基材の第1面を浮上搬送させつつ、第2面にインクジェット印刷法により画像形成を行った。
インクジェット印刷法による画像形成として、具体的には、1本のノズルのみからインクを吐出できるように改造したインクジェッヘッド(富士フイルム(株)、PQ512/15)を用い、搬送速度20m/分で搬送する基材の幅方向中央部に、ドット間距離の平均が1000μmになるように一定時間間隔(333Hz)でインクジェットインクを1滴ずつ吐出し、1分間で約20000個の点(即ち、ドット)を印字した。
以上の方法により、基材の第2面の幅方向中央部に、長手方向(搬送方向に該当)に沿って、約20000個の点(即ち、ドット)による画像が形成された。
[画像の位置ズレの評価]
印字された約20000個の点のうち隣り合う点を無作為に200組抽出し、200組それぞれの隣り合う点の中心間距離を、顕微鏡を用いて測定した。
200組分の測定値から、平均値、最大値、及び最小値をそれぞれ求め、平均値からのズレ量の最大値を求めた。平均値からのズレ量の最大値とは、最大値及び最小値のうち平均値からの差が大きい方を選択し、下記式(2)を用いて算出した。
式(2):平均値からのズレ量の最大値(μm)=(最大値又は最小値-平均値)
ここで、式(2)中、最大値は、200組分の測定値のうちの最大値であり、最小値は、200組分の測定値のうちの最小値であり、平均値は、200組分の測定値の算術平均値である。
以上のようにして算出した平均値からのズレ量の最大値をもとに、以下の基準に従って、画像の位置ズレを評価した。
評価結果を表2に示す。
(基準)
1:平均値からのズレ量の最大値が-50μm以上+50μm以下である
2:平均値からのズレ量の最大値が-100μm以上-50μm未満又は+50μm超+100μm以下である
3:平均値からのズレ量の最大値が-150μm以上-100μm未満又は+100μm超+150μm以下である
4:平均値からのズレ量の最大値が-200μm以上-150μm未満又は+150μm超+200μm以下である
5:平均値からのズレ量の最大値が-250μm以上-200μm未満又は+200μm超+250μm以下である
6:平均値からのズレ量の最大値が-250未満又は+250μm超である
表2に明らかなように、実施例の表面処理装置(又は表面処理方法)により得られた画像は、長手方向での位置ズレが少なく、印刷精度に優れることが分かる。この結果により、実施例の表面処理装置(又は表面処理方法)によれば、基材の第2面に対し精度良く表面処理が施されたことが分かる。
〔符号の説明〕
10 帯状の基材
20 バックアップロール
30 第1塗布手段
40,40A,40B 浮上搬送手段
42A,42B,42C 気体噴出部材
43A 円弧状部材
43B,43B 円筒状部材
44,44A,44 エッジリング対
45A,45B,45C シャフト
46 駆動部
48a,48b ニップロール対
48c ニップロール
50 第2塗布手段(表面処理手段の一例)
60 乾燥手段
70 円筒状の浮上搬送手段
82 噴出部
84 噴出部
90A,90B,90C ブラケット
92A,92B チャンバ
93 中空部
94A,94B,94C 給気管
95 貫通孔
2021年2月10日に出願された日本国特許出願2021-020082号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、エッジリング対を回転させる駆動部、及び、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触と離間とが可能なニップロールを有する浮上搬送手段と、
    浮上搬送手段における気体噴出部材の外周面に対向する位置に配置された表面処理手段と、
    を備え、
    浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させ、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面にニップロールの外周面を接触させつつ搬送し、且つ、表面処理手段を用い、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う、表面処理装置。
  2. ニップロールが、エッジリング対に対して近接又は接触する際、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない位置に配置される、又は、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない形状を有する、請求項に記載の表面処理装置。
  3. ニップロールを複数有し、
    複数のニップロールが、エッジリング対の周方向において、表面処理手段を挟むように配置されている、請求項又は請求項に記載の表面処理装置。
  4. ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触する、請求項~請求項のいずれか1項に記載の表面処理装置。
  5. 気体噴出部材における外周面は多孔質材料にて形成されている、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の表面処理装置。
  6. 基材の第2面に対する表面処理が、基材の第2面に対して塗布液を塗布することである、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の表面処理装置。
  7. 基材の搬送方向において、エッジリング対と基材の第1面との接触領域よりも下流側に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送手段を更に備える、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の表面処理装置。
  8. 円弧状又は円筒状である外周面の噴出口から気体を噴出可能な気体噴出部材、気体噴出部材の外周面の軸方向の両端にそれぞれ配置され、気体噴出部材の外周面に対して突出した外周面を有するエッジリング対、エッジリング対を回転させる駆動部、及び、エッジリング対の外周面に対して近接又は接触と離間とが可能なニップロールを有する浮上搬送手段を用い、気体噴出部材の外周面からの気体の噴出により基材の第1面の幅方向中央部を気体噴出部材の外周面から浮上させ、エッジリング対の外周面に基材の第1面の幅方向両端部を接触させて、所定の速度で回転しているエッジリング対の外周面に沿って基材を湾曲させ、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第2面にニップロールの外周面を接触させつつ搬送し、且つ、エッジリング対の外周面に沿って湾曲している基材の第1面とは反対の第2面に対し表面処理を行う表面処理工程を含む、表面処理方法。
  9. ニップロールは、エッジリング対に対して近接又は接触する際、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない位置に配置する、又は、基材の第2面に形成された表面処理領域に接触しない形状を有する、請求項に記載の表面処理方法。
  10. ニップロールを複数有し、
    複数のニップロールが、基材の搬送方向において、表面処理が施される位置よりも上流側と下流側とで基材の第2面に接触する、請求項又は請求項に記載の表面処理方法。
  11. ニップロールの外周面が、エッジリング対の外周面と基材の第2面との両方に接触する、請求項~請求項1のいずれか1項に記載の表面処理方法。
  12. 気体噴出部材における外周面は多孔質材料にて形成されている、請求項~請求項1のいずれか1項に記載の表面処理方法。
  13. 表面処理工程における基材の第2面に対する表面処理が、基材の第2面に対して塗布液を塗布することである、請求項~請求項1のいずれか1項に記載の表面処理方法。
  14. 表面処理工程後に、基材の第1面側及び第2面側のそれぞれに気体を噴出して、基材を非接触で搬送する搬送工程を更に含む、請求項~請求項1のいずれか1項に記載の表面処理方法。
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