JP7676834B2 - 非水電解質蓄電素子 - Google Patents
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Description
また、表面に炭素被覆(カーボンコート)をしたLiFePO4等のポリアニオン構造を有する遷移金属化合物を正極活物質とし、非水電解液と組み合わせて非水電解液二次電池とすることが公知である(特許文献1乃至3参照)。
特許文献4には、「(実施例1)・・・正極の作製においても、正極活物質としてLiFePO4(90質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(6質量%)、結着剤としてPVDF(4質量%)を混合し、NMP中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを集電体であるアルミニウム箔に塗布して乾燥させ、圧延を行い、正極を得た。・・・エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶液中に、LiBF4を0.05mol/L、LiPF6を1.0mol/Lの割合で添加し非水電解液を得た。得られた負極及び正極の間にポリエチレンからなるセパレータを挟んで積層し積層体(素体)を得た。得られた積層体をアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに非水電解液を注入した後に真空シールし、リチウムイオン二次電池・・・を作製した。」([0056]から[0058])、「正極活物質の種類と、非水電解液中の溶媒の組み合わせ、LiBF4とLiPF6含有量、非水電解液に添加する1,3,2-ジオキサチオラン-2,2-ジオキシドの添加量を表1~3に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2~56及び比較例1~10のリチウムイオン二次電池を作製した。」([0059])と記載されている。
上記非水電解質の粘度の測定は、測定装置としてアントンパール社製のLOVIS2000MEを用い、測定装置が置かれている部屋の環境温度を25℃に設定して実施する。
導電剤の含有量は、以下の方法で算出することにより、確認することができる。
非水電解質蓄電素子を放電状態で解体し、正極を取り出す。正極から正極合剤を取り出し、N-メチルピロリドン(NMP)等の溶媒中に分散させてバインダを除去する。溶媒を乾燥させた正極活物質と導電剤の混合粉末について、風力分級処理を行う。これにより取り出した導電剤と正極合剤の質量から、導電剤の含有量を算出する。
一方、正極合剤中に一般的な導電剤を実質的に含まないことで、正極合剤の保液性が減少し、ポリアニオン構造を有するリチウム遷移金属化合へのリチウムイオンの供給不足につながるから、本発明の一側面に係る非水電解質蓄電素子においては、非水電解質を25℃環境下で粘度が4.2mPa・s以下とし、Li拡散に有利な低粘性とすることで、ポリアニオン構造を有するリチウム遷移金属化合物へリチウムイオンが十分に供給され、低温特性を向上させることができる。
本実施形態に係る非水電解質蓄電素子(以下、単に「蓄電素子」ともいう。)は、正極、負極及びセパレータを有する電極体と、非水電解質と、上記電極体及び非水電解質を収容する容器と、を備える。電極体は、通常、複数の正極及び複数の負極がセパレータを介して積層された積層型、又は、正極及び負極がセパレータを介して積層された状態で巻回された巻回型である。非水電解質は、正極、負極及びセパレータに含まれた状態で存在する。非水電解質蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう。)について説明する。
正極は、正極基材と、当該正極基材に直接又は中間層を介して配される正極合剤層とを有する。
他の正極活物質としては、例えば、α-NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、カルコゲン化合物、硫黄等が挙げられる。α-NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、例えば、Li[LixNi(1-x)]O2(0≦x<0.5)、Li[LixNiγCo(1-x-γ)]O2(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LixCo(1-x)]O2(0≦x<0.5)、Li[LixNiγMn(1-x-γ)]O2(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LixNiγMnβCo(1-x-γ-β)]O2(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)、Li[LixNiγCoβAl(1-x-γ-β)]O2(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)等が挙げられる。スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、LixMn2O4、LixNiγMn(2-γ)O4等が挙げられる。カルコゲン化合物として、二硫化チタン、二硫化モリブデン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの材料中の原子又はポリアニオンは、他の元素からなる原子又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。これらの材料は表面が他の材料で被覆されていてもよい。
導電剤は、導電性を有する材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、例えば、炭素質材料、金属、導電性セラミックス等が挙げられる。炭素質材料としては、黒鉛、非黒鉛質炭素、グラフェン系炭素等が挙げられる。非黒鉛質炭素としては、カーボンナノファイバー、ピッチ系炭素繊維、カーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。グラフェン系炭素としては、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。導電剤としては、これらの材料の1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が混合して含まれていてもよい。また、これらの材料が複合化して含まれていてもよい。例えば、カーボンブラックとCNTとを複合化した材料が含まれていてもよい。
負極は、負極基材と、当該負極基材に直接又は中間層を介して配される負極合剤層とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極で例示した構成から選択することができる。
セパレータは、公知のセパレータの中から適宜選択できる。セパレータとして、例えば、基材層のみからなるセパレータ、基材層の一方の面又は双方の面に耐熱粒子とバインダとを含む耐熱層が形成されたセパレータ等を使用することができる。セパレータの基材層の形状としては、例えば、織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が挙げられる。これらの形状の中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。セパレータの基材層の材料としては、シャットダウン機能の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。
本実施形態においては、非水電解質(以下、「非水電解液」ともいう。)は、25℃環境下で粘度が4.2mPa・s以下である。非水電解液は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩とを含む。
非水電解質を、25℃環境下で粘度が4.2mPa・s以下とするために、アセトニトリル等の粘度の低い非水溶媒を含有させることが好ましい。
アセトニトリル等の粘度の低い非水溶媒を用いた場合には、LiPF6等の電解質塩の含有量を0.9mol/dm3より多くしてもよい。
図1に角型電池の一例としての非水電解質蓄電素子1を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極を有する電極体2が角型の容器3に収納される。正極は正極リード41を介して正極端子4と電気的に接続されている。負極は負極リード51を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本実施形態の非水電解質蓄電素子は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器用電源、又は電力貯蔵用電源等に、複数の非水電解質蓄電素子1を集合して構成した蓄電ユニット(バッテリーモジュール)として搭載することができる。この場合、蓄電ユニットに含まれる少なくとも一つの非水電解質蓄電素子に対して、本発明の技術が適用されていればよい。
図2に、電気的に接続された二以上の非水電解質蓄電素子1が集合した蓄電ユニット20をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。蓄電装置30は、二以上の非水電解質蓄電素子1を電気的に接続するバスバ(図示せず)、二以上の蓄電ユニット20を電気的に接続するバスバ(図示せず)等を備えていてもよい。蓄電ユニット20又は蓄電装置30は、一以上の非水電解質蓄電素子の状態を監視する状態監視装置(図示せず)を備えていてもよい。
本実施形態の非水電解質蓄電素子の製造方法は、公知の方法から適宜選択できる。当該製造方法は、例えば、電極体を準備することと、非水電解質を準備することと、電極体及び非水電解質を容器に収容することと、を備える。電極体を準備することは、正極及び負極を準備することと、セパレータを介して正極及び負極を積層又は巻回することにより電極体を形成することとを備える。
尚、本発明の非水電解質蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成又は周知技術に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。また、ある実施形態の構成に対して周知技術を付加することができる。
(正極活物質の作製)
<LiFePO4の作製>
始めにイオン交換水が入った反応容器に1mol/dm3のFeSO4水溶液を一定速度で滴下しつつ、その間のpHが一定値10.0±0.1を保つように4mol/dm3のNaOH水溶液と、0.5mol/dm3のNH3水溶液と、0.5mol/dm3のNH2NH2水溶液の混合溶液を滴下し、Fe(OH)2前駆体を作製した。次に、作製されたFe(OH)2前駆体を反応容器から取り出して、LiH2PO4及びスクロース粉と固相混合した。そして、窒素雰囲気下において焼成温度650℃で5時間焼成することにより、カーボンコートされたポリアニオン構造を有する正極活物質LiFePO4を作製した。
正極活物質として上記のようにして作製したカーボンコートされたLiFePO4を用い、分散媒としてN-メチルピロリドン(NMP)、バインダとしてPVDFを用いた。上記正極活物質、バインダ及び分散媒を混合した。その際、活物質:バインダの固形分質量比率は95:5となるように混合した。これら混合物に分散媒を適量加えて粘度を調整し、正極合剤ペーストを作製した。次に、上記正極合剤ペーストを、正極基材であるアルミニウム箔の両面に、未塗布部(正極合剤層非形成部)を残して塗布し、120℃で乾燥し、ロールプレスすることにより、正極基材上に正極合剤層を形成した。正極合剤ペーストの塗布量は、固形分で10mg/cm2とした。このようにして、実施例1に係る正極を作製した。
負極活物質としてグラファイト、バインダとしてSBR、増粘剤としてCMCを用いた。負極活物質、バインダ、増粘剤及び分散剤としての水を混合した。その際、活物質:バインダ:増粘剤の固形分質量比率は97:2:1の質量比となるように混合した。これら混合物に水を適量加えて粘度を調整し、負極合剤ペーストを作製した。この負極合剤ペーストを、負極基材である銅箔の両面に、未塗布部(負極合剤層非形成部)を残して塗布し、乾燥し、ロールプレスすることにより、負極基材上に負極合剤層を作製した。このようにして、負極を作製した。
ECとEMCとアセトニトリルを体積比2:3:5の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6を0.9mol/dm3の濃度で溶解させ、非水電解質を調製した。
使用した非水電解質の粘度測定は、上記した測定装置を用い、25℃環境下で実施した。
ポリエチレン製微多孔膜基材及び上記ポリエチレン製微多孔膜基材上に形成された耐熱層からなるセパレータを介して、上記の正極と負極とを積層し、電極体を作製した。なお、上記耐熱層は、正極と対向する面に配設されるようにした。この電極体をアルミニウム製の角形容器に収納し、正極端子及び負極端子を取り付けた。この角型容器内部に上記の非水電解質を注入した後、封口し、実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
上記の作製した非水電解質二次電池について、25℃環境下、0.1Cの電流で3.6Vまで定電流充電をおこない、その後電流が0.02Cとなるまで3.6Vで定電圧充電をおこなった。その電池を85℃環境下で10日間保存した。その後、25℃環境下で2.0Vになるまで0.1Cの電流で定電流放電をおこない、10分間休止した。その後、保存前と同様に定電流定電圧充電をおこない、10分の休止を経たのち、1Cの電流で2.0Vまで放電し、そのときの放電容量を「25℃ 1C容量」とした。次に、25℃環境下で保存前と同様に定電流定電圧充電をおこない、-30℃環境下で3時間の休止を経たのち、1Cの電流で2.0Vまで放電し、そのときの放電容量を「0℃ 1C容量」とした。得られた「25℃ 1C容量」に対する「0℃ 1C容量」の百分率を算出し、「保存後 -30℃/25℃ 1C容量比」とした。
非水電解質の調製において、ECとEMCを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、それぞれ、LiPF6を0.6mol/dm3、0.75mol/dm3、0.9mol/dm3、及び1.0mol/dm3の濃度で溶解させ、非水電解質を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3、4、及び比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
正極活物質として上記のようにして作製したカーボンコートされたLiFePO4を用い、分散媒としてN-メチルピロリドン(NMP)、導電剤としてアセチレンブラック(AB)、及びバインダとしてPVDFを用いた。上記正極活物質、導電剤、バインダ及び分散媒を混合した。その際、活物質:導電剤:バインダの固形分質量比率は90:5:5(導電剤の含有量は、正極合剤に対して5質量%)となるように混合した。これら混合物に分散媒を適量加えて粘度を調整し、正極合剤ペーストを作製した。次に、上記正極合剤ペーストを、正極基材であるアルミニウム箔の両面に、未塗布部(正極合剤層非形成部)を残して塗布し、120℃で乾燥し、ロールプレスすることにより、正極基材上に正極合剤層を形成した。正極合剤ペーストの塗布量は、固形分で10mg/cm2とした。このようにして、比較例2から6に係る正極を作製した以外は、実施例1から4、及び比較例1と同様にして、それぞれ、比較例2から5、及び比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
これに対して、正極合剤中に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を含まない正極を用い、粘度が4.2mPa・sを超える非水電解質を用いた比較例1に係る非水電解質電池は、「保存後 -30℃/25℃ 1C容量比」が低くなり、高温保存後の低温放電特性を向上させることができない。また、正極合剤中に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を含む(表1では「あり」と表記)正極を用いた場合には、粘度が4.2mPa・s以下の非水電解質を用いた比較例2から5に係る非水電解質電池でも、粘度が4.2mPa・sを超える非水電解質を用いた比較例6に係る非水電解質電池でも、いずれも、「保存後 -30℃/25℃ 1C容量比」が低くなり、高温保存後の低温放電特性を向上させることができない。
2 電極体
3 容器
4 正極端子
41 正極リード
5 負極端子
51 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
Claims (1)
- 正極合剤中に、正極活物質として、カーボンコートされたポリアニオン構造を有するリチウム遷移金属化合物を含み、導電剤の含有量が、正極合剤に対して1質量%未満(0質量%を含む)である正極と、25℃環境下で粘度が4.2mPa・s以下である非水電解質とを備えた、非水電解質蓄電素子。
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