JP7677008B2 - 5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒及び5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法 - Google Patents

5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒及び5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定の官能基を有する触媒と、該触媒を用いた5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法に関する。
石油資源の枯渇や地球温暖化を回避して持続可能な社会を構築するために、燃料や化学製品(プラスチックや繊維など)の製造原料を石油から再生可能な資源「バイオマス」へと転換する「バイオリファイナリー技術」の開発が強く求められている。
「バイオマス」とは、動植物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであり、家畜排せつ物、下水汚泥、生ごみ等の廃棄物系、稲わら等の農作物非食用部、間伐材等の未利用系、ソルガム等の資源作物、藻類など多種多様なものがある。その中で、特に稲わら等の農作物非食用部や間伐材等の非可食性の木質バイオマス系原料を使うことが求められている。
稲わら等の農作物非食用部や間伐材等の非可食性の木質バイオマス系原料から燃料(バイオ燃料と呼ばれる)や化学品(バイオベース化学品と呼ばれる)を生産するには、木質バイオマス系原料のセルロースの状態をブドウ糖などの糖類に分解しやすい状態にする前処理工程、この前処理工程後にセルロースやヘミセルロースをブドウ糖などの糖類にする糖化工程、この糖化工程で得られたグルコース、キシロースなどの糖類を更に種々の方法でバイオ燃料やバイオベース化学品へと変換する工程が必要である。
糖化工程の方法としては、酵素、希硫酸等の無機酸、有機酸、または各種固体触媒を用いて木質バイオマス系原料を加水分解する方法が知られている。
糖化工程を経て得られたグルコース、キシロースなどの糖類をバイオベース化学品へと変換する一例として、フルクトースの脱水反応によりフルクトースを5-ヒドロキシメチルフルフラールに変換する合成反応が挙げられる。この合成反応においては、硫酸、各種ルイス酸等の無機酸や有機酸を触媒として用いる方法、非特許文献1に示されるような強酸性カチオン交換樹脂などの各種固体触媒を用いる方法が知られている。
Chemical Engineering & Processing: Process Intensification,138(2019),p65.
フルクトースを5-ヒドロキシメチルフルフラールに変換する合成反応において、既存の各種触媒では、反応効率が低い;基質濃度を高くすると不溶性固体フミン質等の副生物が大量に生成する;固体触媒以外の触媒を用いる場合には触媒の分離回収工程が煩雑となる;等の課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、フルクトースを5-ヒドロキシメチルフルフラールに変換する合成反応に適した固体触媒を提供することにある。また、本発明の他の目的は、フルクトースから5-ヒドロキシメチルフルフラールを効率的に製造する方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、担体に、オルト位に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びハロゲン基のいずれかを少なくとも一つ有する芳香族カルボン酸を導入した触媒が、フルクトースから5-ヒドロキシメチルフルフラールへの合成反応において、高効率で反応生成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 担体に、オルト位に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びハロゲン基のいずれかを少なくとも一つ有する芳香族カルボン酸を導入してなる、触媒。
[2] 前記担体が、樹脂、多糖類、シリカ及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]に記載の触媒。
[3] 前記担体が、樹脂を含む、[2]に記載の触媒。
[4] 前記樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢酸ビニル系樹脂及びビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[2]又は[3]に記載の触媒。
[5] 前記樹脂が、スチレン系樹脂である、[4]に記載の触媒。
[6] 前記樹脂が、架橋構造を有する、[2]~[5]のいずれかに記載の触媒。
[7] 前記スチレン系樹脂が、スチレン単位及びジビニルベンゼン単位を含む重合体である、請求項[4]~[6]のいずれかに記載の触媒。
[8] 前記芳香族カルボン酸が、メタ位及び/又はパラ位に置換基を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の触媒。
[9] 前記メタ位及び/又はパラ位の置換基が、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基、及びアミノ基のいずれかである、[8]に記載の触媒。
[10] 脱水反応用触媒である、[1]~[9]のいずれかに記載の触媒。
[11] 5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒である、[10]に記載の触媒。
[12] [11]に記載の触媒とフルクトースとを接触させる、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[13] 前記触媒をカラムに充填し、該カラムの入口より反応相を通液し、該カラムの出口より反応生成物を得る工程を含む、[12]に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
本発明の触媒は、フルクトースの脱水反応により、フルクトースを5-ヒドロキシメチルフルフラールに変換する合成反応に適した触媒であり、本発明の触媒を用いて、フルクトースから5-ヒドロキシメチルフルフラールを高収率かつ高選択率にて効率的に製造することができる。しかも、本発明の触媒は固体触媒であるため、触媒の分離回収も容易に行える。
以下に本発明について詳述するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。尚、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
〔触媒〕
本発明の触媒は、担体にオルト位(芳香族カルボン酸のカルボキシル基が置換した炭素原子に対してオルト位)に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びハロゲン基のいずれかを少なくとも一つ有する芳香族カルボン酸(以下、「o-置換芳香族カルボン酸」と称す場合がある。)を導入したものである。
即ち、本発明の触媒は、
担体と、芳香族カルボン酸構成単位を含む触媒であって、
前記芳香族カルボン酸構成単位は、前記担体と化学結合し、且つ、オルト位に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びハロゲン基のいずれかを少なくとも一つ有することを特徴とする、触媒
である。
<担体を構成する材料>
本発明の触媒の担体を構成する材料としては、例えば、樹脂、多糖類、シリカ、ガラス等が挙げられる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの担体を構成する材料の中でも、機械的強度や化学的耐久性に優れることから、樹脂が好ましい。樹脂の中でも、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等の樹脂が好ましく、スチレン系樹脂がより好ましい。担体としてスチレン系樹脂を用いることで、担体に多孔性を容易に付与することができ、また酸やアルカリに対する化学的耐久性に優れたものとすることができる。
<スチレン系樹脂>
本明細書において、スチレン系樹脂は、スチレン系樹脂を構成する全単量体単位100質量%中、芳香族ビニル単量体由来の構成単位が50質量%以上であるものをいい、酸やアルカリに対する化学的耐久性に優れることから、芳香族ビニル単量体由来の構成単位の含有率は80質量%以上が好ましい。スチレン系樹脂は、芳香族ビニル単量体由来の構成単位以外の構成単位を含んでもよい。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン等の芳香族モノビニル単量体;ジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ジビニルナフタレン、2,4,6-トリビニルエチルベンゼン等の架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの芳香族ビニル単量体の中でも、種々の溶媒における耐溶解性に優れることから、芳香族モノビニル単量体と架橋性芳香族ビニル単量体との併用が好ましく、スチレンとジビニルベンゼンとの併用が好ましい。即ち、本発明で用いるスチレン系樹脂は、スチレン単位及びジビニルベンゼン単位を含む重合体であることが好ましい。
<樹脂の製造方法>
触媒の反応効率を高めるために、担体としての樹脂に多孔性を付与することも好ましい。
多孔性樹脂の製造方法としては、例えば、非架橋性単量体、架橋性単量体、重合開始剤、必要に応じて多孔質化剤等を含む有機相を、分散安定剤等を含む水相に分散させ、加熱等による重合反応を行う方法が挙げられる。この方法により、架橋構造を有する球状の多孔性樹脂を得ることができる。より具体的には、特公昭58-058026号公報に開示されているような懸濁重合や乳化重合を行う方法が挙げられる。
樹脂は、種々の溶媒における耐溶解性に優れることから、架橋構造を有することが好ましい。
架橋性単量体としては、例えば、前述した架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。
架橋性単量体の含有率は、樹脂の製造に用いる全単量体100質量%中、5~98質量%が好ましく、5~95質量%がより好ましい。架橋性単量体の含有率が5質量%以上であると、細孔構造の形成が十分で、得られる多孔性樹脂の機械的強度に優れる。また、架橋性単量体の含有率が98質量%以下であると、o-置換芳香族カルボン酸の導入反応が進行しやすく、得られる触媒の触媒活性、反応効率に優れたものとなる。
非架橋性単量体としては、例えば、前述した芳香族モノビニル単量体等が挙げられる。
非架橋性単量体の含有率は、樹脂の製造に用いる全単量体100質量%中、2~95質量%が好ましく、5~95質量%がより好ましい。非架橋性単量体の含有率が2質量%以上であると、o-置換芳香族カルボン酸の導入反応が進行しやすく、得られる触媒の触媒活性、反応効率に優れたものとなる。非架橋性単量体の含有率が95質量%以下であると、架橋性単量体の含有率を確保して、細孔構造の形成が十分で、得られる多孔性樹脂の機械的強度に優れる。
樹脂は、o-置換芳香族カルボン酸を共有結合で固定化できるものが好ましい。
従って、樹脂は、o-置換芳香族カルボン酸を共有結合で固定化するため、反応性官能基を有することも好ましい。
反応性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。これらの反応性官能基の中でも、反応性官能基を導入しやすく、またo-置換芳香族カルボン酸の導入性にも優れることから、ハロゲン基を含む基が好ましく、特にクロロメチル基が好ましい。
反応性官能基は、反応性官能基を有する単量体を樹脂の製造に用いる単量体組成物に混合して重合することにより樹脂に導入してもよく、樹脂を構築した後に反応性官能基を導入してもよい。
反応性官能基を有する単量体としては、例えば、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン等のハロゲン基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、4-エポキシ-1-ブテン等のエポキシ基含有単量体等が挙げられる。これらの反応性官能基を有する単量体の中でも、o-置換芳香族カルボン酸の導入が容易となることから、ハロゲン基含有単量体、エポキシ基含有単量体が好ましく、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレートがより好ましく、クロロメチルスチレンが更に好ましい。
樹脂を構築した後に反応性官能基を導入する方法として、例えばスチレン系樹脂の場合ではクロロメチルエーテルによるクロロメチル化が挙げられ、公知の方法にて行われる。
<o-置換芳香族カルボン酸>
本発明に係る担体に導入するo-置換芳香族カルボン酸としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、フタル酸モノアルキルエステル、トリメリット酸、トリメリット酸、トリメリット酸モノアルキルエステル、トリメリット酸ジアルキルエステル、ピロメリット酸、ピロメリット酸モノアルキルエステル、ピロメリット酸ジアルキルエステル、ピロメリット酸トリアルキルエステル等が挙げられる。本発明の触媒は、これらのo-置換芳香族カルボン酸の1種のみが単独で導入されていてもよく、2種以上が導入されていてもよい。これらのo-置換芳香族カルボン酸の中でも、工業的製造性に優れることからサリチル酸、フタル酸、フタル酸モノアルキルエステルが好ましい。
上述の各種芳香族カルボン酸アルキルエステルを構成するアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキル基としては、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、及びそれらの構造異性体等の炭素数1~20の分岐を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
上述の各種芳香族カルボン酸アルキルエステルを構成するシクロアルキル基としては、特に限定されず、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3~7のシクロアルキル基が挙げられる。
上述の各種芳香族カルボン酸アルキルエステルが2以上のアルキルエステル基を有する場合、これらのアルキルエステル基を構成するアルキル基は、すべて同じ基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。また、アルキル基とシクロアルキル基が混在していてもよい。
上述のo-置換芳香族カルボン酸には、樹脂等の担体に共有結合で導入するための起点となるその他の官能基をo-置換芳香族カルボン酸のメタ位及び/又はパラ位(芳香族カルボン酸のカルボキシル基が置換した炭素原子に対してメタ位及び/又はパラ位)に有していても良い。その他の官能基としては水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。これらの反応性官能基の中でも、反応性官能基を導入しやすく、またo-置換芳香族カルボン酸への導入性にも優れることから、ハロゲン基(ハロゲン基を含む基)やアミノ基が好ましい。
<担体へのo-置換芳香族カルボン酸の導入方法>
前述の担体にo-置換芳香族カルボン酸を導入する方法としては、例えば、前述の反応性官能基を有する単量体としてクロロメチルスチレンを用い、クロロメチレルスチレン単位を有する樹脂に導入する場合、これに、メタ位及び/又はパラ位にアミノ基を有するo-置換芳香族カルボン酸を反応させる方法や、フリーデルクラフツ反応によりo-置換芳香族カルボン酸を反応させる方法が挙げられる。
また、担体がスチレン系樹脂である場合はフリーデルクラフツ反応によりo-置換芳香族カルボン酸を反応させる方法も挙げられる。
なお、o-置換芳香族カルボン酸をフリーデルクラフツ反応によりスチレン系樹脂に導入するに際しては、副反応を防止するために、o-置換芳香族カルボン酸のカルボキシル基をエステル化したo-置換芳香族カルボン酸のアルキルエステル等として保護した後に反応させ、反応後に、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリと反応させ、更に塩酸水溶液等の酸を加えて、カルボン酸エステル基をカルボキシル基に変換することも好ましい。
担体へのo-置換芳香族カルボン酸の導入量としては、例えば、担体が樹脂の場合、以下の方法で測定されるイオン交換容量で0.01当量/L-水湿潤樹脂以上であることが好ましく、0.1当量/L-水湿潤樹脂以上であることが好ましい。イオン交換容量が上記下限以上であれば、触媒能が有効に発現する。一方、このイオン交換容量は10当量/L-水湿潤樹脂以下であることが好ましく、5当量/L-水湿潤樹脂以下であることがより好ましい。イオン交換容量が上記上限以下であれば樹脂の機械的強度に優れる。
(イオン交換容量の測定方法)
o-置換芳香族カルボン酸が導入された樹脂が有するo-置換芳香族カルボン酸に由来するイオン交換容量は、水湿潤状態の樹脂5mLをメスシリンダーに採取し、0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの水酸化ナトリウム濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
<触媒の物性>
本発明の触媒の体積平均粒子径は、1~1000μmが好ましく、4~800μmがより好ましく、10~700μmが更に好ましい。触媒の体積平均粒子径が1μm以上であると、反応後に触媒を濾過により容易に除去することができる。また、触媒をカラムに充填し、反応に供する化合物を含む流体を反応相として流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、触媒の体積平均粒子径が1000μm以下であると、触媒の機械的強度に優れる。
本明細書において、触媒の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の触媒の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
触媒の体積平均粒子径は、樹脂製造時の懸濁重合や乳化重合の重合条件、具体的には、単量体の種類や量、分散安定剤や乳化剤の種類や量、攪拌回転数等の設定により調整することができる。また、重合終了後の生成樹脂を、篩網、水篩、風篩等の方法により分級して樹脂の体積平均粒子径を揃えることでも調整することができる。
触媒の体積平均粒子径は、用いる樹脂の体積平均粒子径に依存するが、o-置換芳香族カルボン酸を導入するため、用いた樹脂の体積平均粒子径より通常0.1%~20%程度変化する。また、導入反応後の触媒を、篩網、水篩、風篩等の方法により分級して触媒の体積平均粒子径を揃えてもよい。
本発明の触媒の均一係数は、触媒をカラムに充填して通液したときの圧力損失を抑制することができることから、2.0以下が好ましく、1.0~2.0がより好ましく、1.0~1.6が更に好ましい。
本明細書において、触媒の均一係数は、粒子径分布幅の指標であり、触媒の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子径の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
本発明の触媒の比表面積は、0.001~2000m/gが好ましく、0.002~1500m/gがより好ましく、0.01~1000m/gがさらに好ましい。
本明細書において、触媒の比表面積は、乾燥状態で測定可能な場合には窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から樹脂の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
触媒の比表面積は、用いる樹脂を製造する際の重合反応条件や架橋反応条件等の設定により調整することができる。
本発明の触媒の細孔直径は、0~1000nmに存在することが好ましく、0.5~500nmに存在することがより好ましい。触媒の細孔直径が0.5nm以上であると、フルクトースから5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る合成反応に供する化合物が触媒の細孔中に入りやすく、反応が進行しやすい。また、触媒の細孔直径が1000nm以下であると、触媒の機械的強度に優れ、細孔内部に寄与しない空間の発生を抑制することができ、反応が進行しやすい。
本明細書において、触媒の細孔直径は、最頻度直径が100nm以上の場合は水銀圧入法により、最頻度直径が100nm未満の場合は窒素ガス吸着法により測定した最頻度直径とする。具体的には、水銀圧入法の場合には、触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。窒素ガス吸着法の場合には、ISO 15901-2を準用する。
触媒の細孔直径は、用いる樹脂を製造する際の懸濁重合や乳化重合の重合条件、具体的には、単量体の種類や量、多孔質化剤の種類や量、重合開始剤の種類や量等の設定により調整することができる。
乾燥状態における本発明の触媒の細孔容積は、0~3.0mL/gが好ましく、0.1~2.5mL/gがより好ましく、0.2~2.0mL/gが更に好ましい。触媒の細孔容積が0.1mL/g以上であると、触媒内部への反応基質の拡散浸透性が向上する。また、触媒の細孔容積が3.0mL/g以下であると、触媒の機械的強度に優れる。
本明細書において、触媒の細孔容積は、最頻度直径が100nm以上の場合は水銀圧入法により、最頻度直径が100nm未満の場合は窒素ガス吸着法により測定した最頻度容積とする。具体的には、水銀圧入法の場合には、触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。窒素ガス吸着法の場合には、ISO 15901-2を準用する。
触媒の細孔容積は、用いる樹脂を製造する際の重合反応条件や架橋反応条件等の設定により調整することができる。
<用途>
本発明の触媒は、脱水反応、特にフルクトースの脱水反応で5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る反応に適した固体触媒であり、この用途に好適に用いられる。
〔5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法〕
本発明の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法は、本発明の触媒を用いてフルクトースの脱水反応で5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る方法である。具体的には、本発明の触媒の存在下、原料としてのフルクトースを脱水することにより5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る。
<原料>
本発明の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法において、原料はフルクトースないしはフルクトース由来の構成単位を含むものであればよく、その他の化合物を含んでいても良い。原料はその構成単位100質量%中、フルクトース由来の構成単位が50質量%以上であるものをいい、5-ヒドロキシメチルフルフラールの生産性や5-ヒドロキシメチルフルフラールの単離工程の容易性に優れることから、フルクトース由来の構成単位は80質量%以上が好ましく、特に好ましくはフルクトース由来の構成単位は90質量%以上である。
<媒体>
本発明の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法においては、フルクトースに本発明の触媒を接触させて脱水反応を行うことで5-ヒドロキシメチルフルフラールを製造するが、反応性に優れ、副反応の抑制にも優れることから、当該脱水反応は媒体中で実施することが好ましい。媒体としては、フルクトースを含む原料を溶解するものが挙げられ、例えば水、水溶性有機溶媒、イオン液体や深共晶溶媒と称される、四級アンモニウム塩やホスホニウム塩と水素結合ドナー性化合物や金属塩(これらは両方もしくはどちらか一方が固体である)とをある一定の割合で混ぜることで得られる室温で液体になる化合物群などが挙げられる。この中でも工業的経済性や反応性に優れることから水、水溶性有機溶媒や深共晶溶媒が好ましく、更にはフルクトースを含む原料の供給濃度を上げられることから水素結合ドナー性化合物としてフルクトースを用いる深共晶溶媒が特に好ましい。
深共晶溶媒を構成する四級アンモニウム塩やホスホニウム塩としては、例えば、塩化コリン、ベタイン塩酸塩、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化メチルトリフェニルホスホニウム等が挙げられ、工業的入手性や経済性から塩化コリン、ベタイン塩酸塩、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウムが好ましく、特に塩化コリンが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
深共晶溶媒を構成する水素結合ドナー性化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、1-メチル尿素、1,1-ジメチル尿素、1,3-ジメチル尿素、テトラメチル尿素等の尿素類、アセトアミド、ベンズアミド等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類、キシリトール、ソルビトール、マンノース、スクロース、イソマルトース、グルコース、フルクトース等の糖類、アジピン酸、クエン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、レブリン酸、イタコン酸、酒石酸、安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、フェニルプロピオン酸、カフェイン酸、没食子酸、ケイ皮酸、クマル酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸類が挙げられるが、経済性および安全性等に優れることから尿素、エチレングリコール、グリセリン、グルコース、フルクトース、クエン酸等が好ましく、フルクトースを含む原料の供給濃度を上げられることからフルクトースが特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
深共晶溶媒を構成する金属塩としては、例えば、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化銅、塩化ニッケル、塩化クロム等が挙げられるが、経済性および安全性等に優れることから塩化鉄が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<補助媒体>
本発明の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法においては、フルクトースに本発明の触媒を接触させて脱水反応を行うことで5-ヒドロキシメチルフルフラールを製造するが、反応性を向上させ、また副反応を抑制させるために補助媒体を共存させても良い。補助媒体としては、媒体と自由に混和せず、かつ生成した5-ヒドロキシメチルフルフラールを分配するものであれば良く、例えば酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、2-メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、4-メチルテトラヒドロピラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<脱水反応>
本発明の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法において、本発明の触媒を反応器に仕込む方法としては、特に限定されない。例えば、触媒を反応器に仕込んだ後に原料および/または媒体、補助媒体を供給する方法が挙げられる。また、原料および/または媒体、補助媒体を反応器に仕込んだ後に触媒を供給する方法が挙げられる。また、原料および/または媒体と触媒を反応器に仕込み、反応後に補助媒体を供給して生成した5-ヒドロキシメチルフルフラールを抽出する方法も挙げられる。本発明ではいずれの方法を用いてもよい。
また、本発明の触媒を充填したカラムの入口より、反応相である原料および/または媒体、補助媒体を通液し、カラム出口より反応生成物としての5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る方法を用いてもよい。
触媒の使用量は特に限定されないが、原料の質量に対する触媒の乾燥質量の割合として、通常0.01~45質量%の範囲、好ましくは0.1~35質量%の範囲、より好ましくは1~30質量%の範囲である。触媒量が0.01質量%以上であることにより、脱水反応を効率良く促進させることができる。また、触媒量が30質量%以下であることにより、生産性に優れる。
フルクトースの脱水反応を実施する際の反応温度は、特に限定されないが、0~180℃が好ましく、10~160℃がより好ましく、15~140℃がさらに好ましく、25~120℃が最も好ましい。反応温度が0℃以上であることにより、フルクトースの脱水反応を効率良く進めることができる。また、反応温度が180℃以下であることにより、副生物である不溶性固体フミン質等の生成やそれに伴う着色を抑制することができる。
反応時間は特に限定されないが、0.01~50時間が好ましく、0.1~30時間がより好ましく、0.5~24時間がさらに好ましい。
反応方式としては、例えば、単一の反応器内に全ての原料を仕込んで反応を完結させる回分式、反応器内に原料を連続的に供給して連続的に反応させる連続式、反応器と配合タンクとを備え、反応器と配合タンクとの間で原料を循環させながら反応器内で反応させる循環式等が挙げられる。
また、本発明の触媒を充填したカラム入口より、反応相である原料および/または媒体、補助媒体を通液し、カラム出口より生成物としての5-ヒドロキシメチルフルフラールを得る方法を用いてもよい。
<生成物の用途>
本発明により得られた生成物としての5-ヒドロキシメチルフルフラールは、例えば更なる化学反応により2,5-フランジカルボン酸や2,5-ビスヒドロキシメチルフラン等に変換することで種々のバイオベース化学品の製造原料として使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[物性・特性の測定方法]
(体積平均粒子径)
光学顕微鏡(機種名「SMZ1500」、株式会社ニコン製)を用い、任意の100個の樹脂粒子の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出した。
(均一係数)
光学顕微鏡(機種名「SMZ1500」、株式会社ニコン製)を用い、任意の100個の樹脂粒子の粒子径を測定し、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とした。
(イオン交換容量)
実施例1~3では、水湿潤状態の触媒(イオン形はH形)を5mL採取し、0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの水酸化ナトリウム濃度を滴定により測定し、その測定結果から算出した。
比較例1で用いた強酸性カチオン交換樹脂のスルホン酸基に由来するイオン交換容量は、水湿潤状態の樹脂(イオン形はH形)10mLを採取し、5質量%食塩水溶液250mLをダウンフローにてSV=70hr-1で流し、濾液を250mLのメスフラスコに受け定容とした。これよりホールピペットで50mLの液を正確に取り、メチルレッド・メチレンブルー混合指示薬を用い0.1mol/L-NaOHで滴定し、その測定結果から算出した。
(比表面積)
触媒の比表面積は、乾燥させた触媒を秤量し、比表面積測定装置(機種名「フローソーブIII」、マイクロメリティックス社製)を用い、窒素ガス吸着法(BET法)により測定した。
(細孔直径・細孔容積)
触媒の細孔直径及び細孔容積は、細孔分布測定装置(機種名「ASAP2400」、マイクロメリティックス社製)を用い、窒素ガス吸着法により測定した。
[実施例1]
エチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体より成る合成吸着剤であるセパビーズ(登録商標)SP70(三菱ケミカル株式会社製、体積平均粒子径:560μm、均一係数:1.49)10質量部(乾燥品)に対して、サリチル酸メチル(東京化成製試薬)3.0質量部、メチラール(富士フィルム和光純薬製試薬)1.5質量部、ジクロロエタン(キシダ化学製試薬)75質量部を加えた。更に無水塩化第二鉄(シグマ-アルドリッチ製試薬)1.0質量部を添加し、80℃にて6時間反応した。
ジクロロエタンを留去にて除去し、アセトンおよびメタノールにて洗浄した後に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液/メタノール=1/1(体積比)混合溶液を90質量部加え、80℃にて6時間反応した。
反応終了後、脱塩水にて上澄み液のpHが中性になるまで洗浄した後、1mol/L塩酸水溶液を100質量部加え、次いで脱塩水にて上澄み液のpHが5以上になるまで洗浄した。
得られた触媒のイオン交換容量は0.28当量/L-水湿潤樹脂であった。また、乾燥後の触媒の比表面積は918m/g、細孔直径は14.4nm、細孔容積は1.25mL/gであった。
[実施例2]
エチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体より成る合成吸着剤であるセパビーズ(登録商標)SP70(三菱ケミカル株式会社製、体積平均粒子径:560μm、均一係数:1.49)10質量部(乾燥品)に対して、メチルアセチルサリチル酸メチル(東京化成製試薬)3.9質量部、メチラール(富士フィルム和光純薬製試薬)1.5質量部、ジクロロエタン(キシダ化学製試薬)75質量部を加えた。更に無水塩化第二鉄(シグマ-アルドリッチ製試薬)1.0質量部を添加し、80℃にて6時間反応した。
ジクロロエタンを留去にて除去し、アセトンおよびメタノールにて洗浄した後に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液/メタノール=1/1(体積比)混合溶液を90質量部加え、80℃にて6時間反応した。
反応終了後、脱塩水にて上澄み液のpHが中性になるまで洗浄した後、1mol/L塩酸水溶液を100質量部加え、次いで脱塩水にて上澄み液のpHが5以上になるまで洗浄した。
得られた触媒のイオン交換容量は0.25当量/L-水湿潤樹脂であった。また、乾燥後の触媒の比表面積は872m/g、細孔直径は14.4nm、細孔容積は1.23mL/gであった。
[実施例3]
エチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体より成る合成吸着剤であるセパビーズ(登録商標)SP70(三菱ケミカル株式会社製、体積平均粒子径:560μm、均一係数:1.49)10質量部(乾燥品)に対して、サリチル酸(富士フィルム和光純薬製試薬)2.5質量部、メチラール(富士フィルム和光純薬製試薬)2.3質量部、ジクロロエタン(キシダ化学製試薬)75質量部を加えた。更に無水塩化第二鉄(シグマ-アルドリッチ製試薬)3.2質量部を添加し、80℃にて6時間反応した。
ジクロロエタンを留去にて除去し、アセトンおよびメタノールにて洗浄した後に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液/メタノール=1/1(体積比)混合溶液を90質量部加え、80℃にて6時間反応した。
反応終了後、脱塩水にて上澄み液のpHが中性になるまで洗浄した後、1mol/L塩酸水溶液を100質量部加え、次いで脱塩水にて上澄み液のpHが5以上になるまで洗浄した。
得られた触媒のイオン交換容量は0.35当量/L-水湿潤樹脂であった。また、乾燥後の触媒の比表面積は674m/g、細孔直径は9.8nm、細孔容積は0.69mL/gであった。
[実施例4]
エチルスチレン-ジビニルベンゼン共重合体より成る合成吸着剤であるセパビーズ(登録商標)SP70(三菱ケミカル株式会社製、体積平均粒子径:560μm、均一係数:1.49)10質量部(乾燥品)に対して、サリチル酸メチル(東京化成製試薬)3.0質量部、メチラール(富士フィルム和光純薬製試薬)2.3質量部、ジクロロエタン(キシダ化学製試薬)75質量部を加えた。更に98%硫酸(キシダ化学製試薬)2.0質量部を添加し、80℃にて6時間反応した。
ジクロロエタンを留去にて除去し、アセトンおよびメタノールにて洗浄した後に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液/メタノール=1/1(体積比)混合溶液を90質量部加え、80℃にて6時間反応した。
反応終了後、脱塩水にて上澄み液のpHが中性になるまで洗浄した後、1mol/L塩酸水溶液を100質量部加え、次いで脱塩水にて上澄み液のpHが5以上になるまで洗浄した。
得られた触媒のイオン交換容量は0.25当量/L-水湿潤樹脂であった。また、乾燥後の触媒の比表面積は794m/g、細孔直径は11.2nm、細孔容積は0.91mL/gであった。
[実施例5]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および実施例1で得られた触媒(乾燥品)0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて120℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えて希釈したところ、水不溶性液体が混在していたが、同一反応実施後にエタノール20質量部を加えて希釈した場合は均一溶液となった。脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースの転化率は98.7%、5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は48.1%であった。
[実施例6]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および実施例2で得られた触媒(乾燥品)0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて110℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えて希釈したところ、水不溶性液体が混在していたが、同一反応実施後にエタノール20質量部を加えて希釈した場合は均一溶液となった。脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースの転化率は96.5%、5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は46.9%であった。
[実施例7]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および実施例3で得られた触媒(乾燥品)0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて110℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えて希釈したところ、水不溶性液体が混在していたが、同一反応実施後にエタノール20質量部を加えて希釈した場合は均一溶液となった。脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースの転化率は97.5%、5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は50.0%であった。
[実施例8]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および実施例4で得られた触媒(乾燥品)0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて110℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えて希釈したところ、均一溶液となった。脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースの転化率は92.6%、5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は41.9%であった。
[比較例1]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および強酸性カチオン交換樹脂であるPK212LH(三菱ケミカル株式会社製、イオン交換容量:1.53当量/L-水湿潤樹脂、体積平均粒子径:810μm、均一係数:1.42)を乾燥した触媒0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて110℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間の反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えたが、ほとんどが固化していたためガラス棒にてほぐし脱イオン水中に分散させた。その後、脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースは存在せず、また5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は3.2%と低いものであった。
[比較例2]
共栓付三角フラスコ中に塩化コリン(東京化成製試薬)3.0質量部、フルクトース(富士フィルム和光純薬製試薬)2.0質量部および強酸性カチオン交換樹脂であるPK212LH(三菱ケミカル株式会社製、イオン交換容量:1.53当量/L-水湿潤樹脂、体積平均粒子径:810μm、均一係数:1.42)を乾燥した触媒0.5質量部を加え、恒温器DX302(ヤマト科学製)を用いて90℃に加温し、適宜振り混ぜ撹拌を行い2時間の反応を実施した。
反応後に脱イオン水25質量部を加えて希釈したところ、不溶性固体フミン質が大量に存在しており、エタノールにも溶解しなかった。脱イオン水希釈液の一部をメンブレンフィルター付きHPLCバイアル「ミニユニプレップ:UN203NPUAQU」(Cytiva社製)にて濾過した後に糖分析HPLCカラムCK08EC(三菱ケミカル株式会社製)を用いたHPLC分析にて各化合物の濃度を定量した結果、フルクトースの転化率は100.0%と実施例6~9より低い反応温度でも高い値を示したが、5-ヒドロキシメチルフルフラールの収率は35.4%と実施例6~9より低く、不溶性固体フミン質に代表される副生物の生成の影響が顕著であった。
本発明の触媒は、フルクトースから5-ヒドロキシメチルフルフラールを製造する合成反応において、特に高い基質濃度での反応に適した固体触媒であることから、プロセス化学分野における実用上の価値は極めて高い。

Claims (11)

  1. 担体に、オルト位に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基及びハロゲン基のいずれかを少なくとも一つ有する芳香族カルボン酸を導入してなる、5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  2. 前記担体が、樹脂、多糖類、シリカ及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  3. 前記担体が、樹脂を含む、請求項2に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  4. 前記樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢酸ビニル系樹脂及びビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2又は3に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  5. 前記樹脂が、スチレン系樹脂である、請求項4に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  6. 前記樹脂が、架橋構造を有する、請求項2~5のいずれか一項に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  7. 前記スチレン系樹脂が、スチレン単位及びジビニルベンゼン単位を含む重合体である、請求項4又は5に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  8. 前記芳香族カルボン酸が、メタ位及び/又はパラ位に置換基を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  9. 前記メタ位及び/又はパラ位の置換基が、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基、及びアミノ基のいずれかである、請求項8に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラール製造用触媒とフルクトースとを接触させる、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
  11. 前記触媒をカラムに充填し、該カラムの入口より反応相を通液し、該カラムの出口より反応生成物を得る工程を含む、請求項10に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
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