JP7677342B2 - 減光フィルム及びその製造方法、並びに積層体 - Google Patents

減光フィルム及びその製造方法、並びに積層体 Download PDF

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Description

本発明は、減光フィルム及びその製造方法、並びに積層体に関する。
樹脂と機能性材料とを組み合わせて、樹脂組成物に所望の機能を付与することが行われている(特許文献1)。
また、樹脂から形成されるフィルムを着色して偏光板に用いる技術が知られている(特許文献2)。
国際公開第2016/163409号(対応外国公報:米国特許出願公開第2018/086029号明細書) 特開2004-151264号公報
画像表示装置における外光の反射を低減するために、直線偏光子と位相差板とを含む反射防止フィルムが用いられることがある。直線偏光子は、通常複数の工程を経て製造され、製造コストが高い。
また、直線偏光子を含む反射防止フィルムは、光の透過率が通常50%以下であるため、かかる反射防止フィルムを用いた画像表示装置では、通常輝度が高く設定されて使用され、消費電力が大きくなる。そのため、直線偏光子を含まない、反射低減機能を有する光学フィルムが求められる。
さらに、画像表示装置の像鮮明性への影響を低減するために、反射防止フィルムのヘイズは小さいことが好ましい。
したがって、画像表示装置における外光の反射を低減する機能を有し、ヘイズの小さい新規なフィルム;その製造方法が求められる。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した結果、樹脂及び油溶性染料を含む、所定の厚みを有するフィルムにより前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 樹脂と、油溶性染料とを含み、
厚みが1μm以上100μm未満であり、
CIE 1976(L,a,b)色空間におけるb値が0未満である、減光フィルム。
[2] 前記油溶性染料の前記樹脂に対する割合が、0.01重量%以上2重量%未満である、[1]に記載の減光フィルム。
[3] 前記樹脂が、脂環式構造含有重合体を含む、[1]又は[2]に記載の減光フィルム。
[4] 前記脂環式構造含有重合体が、環状オレフィン系重合体又はその水素化物である、[3]に記載の減光フィルム。
[5] 波長550nmの光の直線透過率が、25%以上85%以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の減光フィルム。
[6] 波長480nmの光の直線透過率が、波長610nmの光の直線透過率より大きい、[1]~[5]のいずれか一項に記載の減光フィルム。
[7] [1]~[6]のいずれか一項に記載の減光フィルムと、透光性を有する熱可塑性樹脂層とを含み、前記減光フィルムが、前記熱可塑性樹脂層の面に直接して配置されている、積層体。
[8] [1]~[6]のいずれか一項に記載の減光フィルムの製造方法であって、
前記樹脂、前記油溶性染料、及び溶媒を含む塗工液を用意する工程と、
前記塗工液を、基材層の面上に塗工して塗工膜を形成する工程と、及び
前記塗工膜から前記溶媒を除去して前記減光フィルムを得る工程と、を含む、
減光フィルムの製造方法。
本発明によれば、画像表示装置における外光の反射を低減する機能を有し、ヘイズの小さい新規な減光フィルム;減光フィルムの製造方法を提供できる。
図1は、本発明の実施形態1に係る積層体を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態2に係る積層体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、層の面内方向のレターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
[1.減光フィルム]
本発明の一実施形態に係る減光フィルムは、樹脂と、油溶性染料とを含み、厚みが1μm以上100μm未満であり、CIE 1976(L,a,b)色空間におけるb値が0未満である。
減光フィルムは、通常、樹脂と油溶性染料とを含む樹脂組成物を含み、当該樹脂組成物から形成される。
減光フィルムは、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。減光フィルムが複層構造を有する場合、減光フィルムを構成する複数の層は、通常それぞれ樹脂と油溶性染料とを含む樹脂組成物を含み、当該樹脂組成物から形成されている。
減光フィルムは、好ましくは単層構造を有する。
減光フィルムは、他の要素と組み合わされた形態であってもよく、例えば、樹脂フィルム、ガラス板などの基材層と積層された形態、離型フィルム、プロテクトフィルムなどの層と積層された形態であってもよい。
[1.1.樹脂]
減光フィルムは、樹脂を含む。樹脂は、通常、重合体と、必要に応じて任意の成分とを含みうる。
減光フィルムに含まれうる樹脂の例としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられ、b値を調整しやすいことから好ましくは熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂に含まれうる重合体の例としては、ノルボルネン系重合体等の、脂環式構造を含有する重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド;ポリビニルアルコール;ポリカーボネート;ポリアリレート;セルロースエステル重合体、ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリアリールスルホン;ポリ塩化ビニル;棒状液晶ポリマーなどが挙げられる。
重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、重合体は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。これらの中でも、機械特性、耐熱性、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、脂環式構造を含有する重合体が好ましい。脂環式構造を含有する重合体を、以下、適宜「脂環式構造含有重合体」ということがある。
脂環式構造含有重合体は、その重合体の構造単位が脂環式構造を含有する。脂環式構造含有重合体は、主鎖に脂環式構造を有していてもよく、側鎖に脂環式構造を有していてもよい。
脂環式構造の例としては、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などが挙げられる。中でも、機械強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、シクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲である。脂環式構造を構成する炭素原子数が前記の範囲であると、機械強度、耐熱性、及び減光フィルムの成形性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造含有重合体の例としては、環状オレフィン系重合体及びその水素化物;環状共役ジエン系重合体及びその水素化物;ビニル脂環式炭化水素系重合体及びその水素化物が挙げられる。
樹脂が脂環式構造含有重合体を含む場合、樹脂における脂環式構造含有重合体は1種であってもよく、2種以上の任意の比率の組み合わせであってもよい。例えば、樹脂は、脂環式構造含有重合体として、環状オレフィン系重合体及びその水素化物からなる群より選ばれる1種のみを含んでいてもよく、環状オレフィン系重合体及びその水素化物からなる群より選ばれる2種以上を含んでいてもよく、環状オレフィン系重合体及びその水素化物以外の脂環式構造含有重合体(例えば、後述の共重合体A)を含んでいてもよい。
(環状オレフィン系重合体及びその水素化物)
環状オレフィン系重合体は、環状オレフィン単量体を重合して得られる構造を有する構造単位を含む重合体である。環状オレフィン系重合体の例としては、単環の環状オレフィン系重合体及び多環の環状オレフィン系重合体が挙げられる。
一実施形態において、樹脂の透明性と成形性を良好とする観点から、樹脂に含まれうる脂環式構造含有重合体は、好ましくは環状オレフィン系重合体又はその水素化物であり、より好ましくは多環の環状オレフィン系重合体又はその水素化物であり、更に好ましくはノルボルネン系重合体又はその水素化物である。
一実施形態において、樹脂における環状オレフィン系重合体及びその水素化物の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、通常100重量%以下であり、100重量%であってもよい。
ノルボルネン系重合体及びその水素化物の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体、又はノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体、又はノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体;及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適である。ここで「(共)重合体」とは、重合体及び共重合体のことをいう。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)が挙げられる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一又は相異なって、複数個が環に結合していてもよい。また、ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の種類としては、例えば、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を有する原子団が挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子が挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン酸基などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエン及びその誘導体;などが挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体の開環共重合体は、例えば、単量体を公知の開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造してもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの炭素数2~20のα-オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α-オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。また、ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体の付加共重合体は、例えば、単量体を公知の付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造してもよい。
ノルボルネン系重合体及びその水素化物の具体例としては、日本ゼオン社製「ゼオノア」;JSR社製「アートン」;TOPAS ADVANCED POLYMERS社製「TOPAS」が挙げられる。
単環の環状オレフィン系重合体及びその水素化物としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環を有する環状オレフィン系モノマーの付加重合体及びこれらの水素化物を挙げることができる。
(環状共役ジエン系重合体及びその水素化物)
環状共役ジエン系重合体及びその水素化物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系モノマーの付加重合体を環化反応して得られる重合体;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系モノマーの1,2-又は1,4-付加重合体;及びこれらの水素化物を挙げることができる。
(ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物)
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン等のビニル脂環式炭化水素系モノマーの重合体及びその水素化物;スチレン、α-メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素系モノマーを重合してなる重合体に含まれる芳香環部分を水素化してなる水素化物;ビニル脂環式炭化水素系モノマーと他のモノマーとの共重合体、又はビニル芳香族炭化水素系モノマーとこれらビニル芳香族炭化水素系モノマーに対して共重合可能な他のモノマーとのランダム共重合体若しくはブロック共重合体等の共重合体の、芳香環の水素化物;等を挙げることができる。前記のブロック共重合体としては、例えば、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体又はそれ以上のマルチブロック共重合体、並びに傾斜ブロック共重合体等を挙げることができる。
一実施形態において、樹脂に含まれうる脂環式構造含有重合体は、水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体(以下、共重合体Aともいう。)、及び水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の、ケイ素原子含有極性基による変性物からなる群より選択される一種以上である。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の水素化物である。芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物単位を含むブロックと、共役ジエン単位を含むブロックとを含む共重合体である。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の主鎖及び側鎖の炭素-炭素不飽和結合、芳香環の炭素-炭素不飽和結合、又はこれらの両方の、一部又は全部を水素化して得られる構造を有するものである。但し、本願において水素化物は、その製造方法によっては限定されない。
芳香族ビニル化合物単位とは、芳香族ビニル化合物を重合して得られる構造を有する構造単位であり、共役ジエン単位とは、共役ジエンを重合して得られる構造を有する構造単位である。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンを用いることが特に好ましい。共役ジエンとしては、鎖状共役ジエン(直鎖状共役ジエン、分岐鎖状共役ジエン)が好ましく、具体的には、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどが好ましく挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3-ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体としては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、及びこれらの混合物から選ばれるものであることが好ましい。これらのより具体的な例としては、特開平2-133406号公報、特開平2-305814号公報、特開平3-72512号公報、特開平3-74409号公報、及び国際公開第2015/099079号などの従来技術文献に記載されているものが挙げられる。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上であり、通常100%以下である。水素化率が高いほど、減光フィルムの耐熱性及び耐光性を良好にできる。ここで、水素化物の水素化率は、1H-NMRによる測定により求めることができる。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の主鎖及び側鎖の炭素-炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上であり、通常100%以下である。水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の主鎖及び側鎖の炭素-炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、減光フィルムの耐光性及び耐酸化性を更に高くできる。
また、水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の芳香環の炭素-炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上であり、通常100%以下である。芳香環の炭素-炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、水素化物のガラス転移温度が高くなるので、減光フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。さらに、減光フィルムの光弾性係数を下げて、レターデーションの発現を低減することができる。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体としては、共役ジエン由来の不飽和結合及び芳香環の両方を水素化してなる構造を有するものが好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体の特に好ましいブロックの形態は、共役ジエン重合体水素化物のブロック[B]の両端に芳香族ビニル重合体水素化物のブロック[A]が結合したトリブロック共重合体;重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、さらに、該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体である。特に、[A]-[B]-[A]のトリブロック共重合体であることが、製造を容易とする観点から特に好ましい。
全芳香族ビニル化合物単量体単位が前記ブロック共重合体全体に占める質量分率をwAとし、前記ブロック共重合体中の全共役ジエン単量体単位が前記ブロック共重合体全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA/wB)は、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上であり、好ましくは60/40以下、より好ましくは55/45以下である。前記の比wA/wBを前記範囲の下限値以上にすることにより、減光フィルムの耐熱性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、減光フィルムの柔軟性を高めることができる。
水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体(共重合体A)の、ケイ素原子含有極性基による変性物は、前記水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体と、単量体としてのケイ素原子含有極性基を有する化合物とのグラフト重合により得られる構造を有する。ただし、当該変性物は、その製造方法によっては限定されない。
ケイ素原子含有極性基としては、アルコキシシリル基が好ましい。
グラフト重合のための単量体として用いうるケイ素原子含有極性基を有する化合物の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び2-ノルボルネン-5-イルトリメトキシシランなどの、アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和シラン化合物が挙げられる。
共重合体Aとケイ素原子含有極性基を有する化合物とを反応させることにより、共重合体Aにケイ素原子含有極性基を導入し、ケイ素原子含有極性基を有する変性物を得うる。ケイ素原子含有極性基としてアルコキシシリル基を導入する場合、アルコキシシリル基の導入量は、共重合体Aを100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、更に好ましくは0.3重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、更に好ましくは3重量部以下である。アルコキシシリル基の導入量を前記範囲に収めると、水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋度が過剰に高くなることを防止できるので、接着性を高く維持することができる。アルコキシシリル基の導入に用いるアルコキシシリル基を有する物質、及び変性方法の例としては、国際公開第2015/099079号等の従来技術文献に記載されているものが挙げられる。
極性基の導入量は、H-NMRスペクトルにて計測しうる。また、極性基の導入量の計測の際、導入量が少ない場合は、積算回数を増やして計測しうる。
共重合体Aに、極性基としてアルコキシシリル基を導入することは、シラン変性と呼ばれる。シラン変性に際しては、共重合体Aにアルコキシシリル基を直接結合させてもよく、例えばアルキレン基などの2価の有機基を介して結合させてもよい。以下、共重合体Aのシラン変性により得られた重合体を「シラン変性物」ともいう。
共重合体Aの、ケイ素原子含有極性基による変性物としては、水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体のシラン変性物が好ましく、水素化スチレン-ブタジエンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン-イソプレンブロック共重合体のシラン変性物、及び水素化スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体のシラン変性物から選ばれる一種以上のシラン変性物が好ましい。
一実施形態において、樹脂に含まれうる脂環式構造含有重合体は、共重合体Aの、ケイ素原子含有極性基による変性物であることが好ましく;共重合体Aのアルコキシシリル基による変性物であることがより好ましく;水素化スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン-イソプレンブロック共重合体のシラン変性物、及び水素化スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体のシラン変性物から選ばれる一種以上のシラン変性物であることが、更に好ましい。
一実施形態において、樹脂における、共重合体Aのケイ素原子含有極性基による変性物の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、通常100重量%以下であり、100重量%であってもよい。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下である。このような重量平均分子量を有する脂環式構造含有重合体は、機械強度、成形加工性及び耐熱性のバランスに優れる。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下である。分子量分布が前記範囲の下限値以上である場合、脂環式構造含有重合体の生産性を高め、製造コストを抑制できる。また、上限値以下である場合、低分子成分の量が小さくなるので、その脂環式構造含有重合体を含む層の安定性を高めることができる。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)により、ポリイソプレン換算の値で測定しうる。樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合には、溶媒としてトルエン又はテトラヒドロフランを用いたGPCにより、ポリスチレン換算の値で測定しうる。
脂環式構造含有重合体のガラス転移温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
樹脂が脂環式構造含有重合体を含む場合、樹脂における脂環式構造含有重合体の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、通常100重量%以下であり、100重量%であってもよい。
樹脂が含みうる、重合体以外の任意の成分の例としては、酸化防止剤;可塑剤;紫外線吸収剤;滑剤;が挙げられる。任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂における重合体以外の任意の成分の合計割合は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、通常0重量%以上であり、0重量%であってもよい。
[1.2.油溶性染料]
減光フィルムは、油溶性染料を含む。油溶性染料とは、カラーインデックス(英国染料染色学会及び米国繊維化学技術・染色技術協会によるデータベース)において、「Solvent Dye」に分類される染料を意味する。
黄色系の油溶性染料の具体例としては、オイルイエロー105(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルイエロー107(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルイエロー129(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー29)、オイルイエロー3G(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー16)、オイルイエローGGS(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー56)、バリファストイエロー1101(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストイエロー1105(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストイエロー4120(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー82)、オレオゾルブリリアントイエロー5G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー150)、オレオゾルファストイエロー2G(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー21)、オレオゾルファストイエローGCN(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー151)、アイゼンゾットイエロー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー56)、アイゼンゾットイエロー3(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー16)、アイゼンゾットイエロー6(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントイエロー33)、アイゼンスピロンイエローGRLH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンイエロー3RH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、オラゾールイエロー2GLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー88)、オラゾールイエロー2RLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー89)、オラゾールイエロー3R(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー25)、オラセットイエローGHS(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー163)、フィラミッドイエローR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントイエロー21)、オイルイエロー185(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベントレッド18類似品)、アルコールイエローY-10(商品名、中央合成化学株式会社製)、及びダイアレジンイエローL3G(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントイエロー93)が挙げられる。
赤色系の油溶性染料の具体例としては、オイルレッド5B(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド27)、オイルレッドRR(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド24)、バリファストレッド1306(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド109)、バリファストレッド1355(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド2303(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド3304(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド8)、バリファストレッド3306(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストレッド3320(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オイルピンク312(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストピンク2310N(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド218)、オレオゾルファストレッドBL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オレオゾルファストレッドRL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド122)、オレオゾルファストレッドGL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド132)、オレオゾルレッド2G(商品名、田岡化学工業株式会社製)、オレオゾルファストピンクFB(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド218)、アイゼンゾットレッド1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド24)、アイゼンゾットレッド2(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド27)、アイゼンゾットレッド3(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド18)、アイゼンスピロンレッドBEH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンフィエリーレッドBH(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド81)、アイゼンスピロンレッドGEH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンレッドC-GH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンゾットピンク1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントレッド49)、オラゾールレッド3GL(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド130)、オラゾールレッド2BL(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド132)、オラゾールレッドG(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド125)、オラゾールレッドB(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド7)、フィラミッドレッドGR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド225)、フィレスターレッドGA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド135)、フィレスターレッドRBA(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド230)、オラゾールピンク5BLG(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントレッド127)、オイルピンク330(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベントレッド49)、アルコールピンクP-30(商品名、中央合成化学株式会社製)、ダイアレジンレッドK(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントレッド155)、及びダイアレジンレッドH5B(商品名、三菱化成株式会社製、C.I.ソルベントレッド52)が挙げられる。
青色系の油溶性染料の具体例としては、オイルブルー613(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オイルブルー2N(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー35)、オイルブルーBOS(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー1603(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー1605(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー38)、バリファストブルー1607(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブルー2606(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、バリファストブルー2610(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、オレオゾルファストブルーELN(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルファストブルーGL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー70)、オレオゾルブルーG(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾットブルー1(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー25)、アイゼンゾットブルー2(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー14)、アイゼンスピロンブルーGNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルー2BNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルーBPNH(商品名、保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブルーE2BH(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブルー73)、オラゾールブルーGN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー67)、オラゾールブルー2GLN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー48)、オラセットブルー2R(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー68)、オイルブルーBO(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベントブルー25)、フィラミッドブルーR(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー132)、フィレスターブルーGN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブルー67)、カヤセットブルーK-FL(商品名、日本化薬株式会社製)、アルコールブルーB-10(商品名、中央合成化学株式会社製)、及びダイアレジンブルーH3G(商品名、三菱化成株式会社製)が挙げられる。
黒色系の油溶性染料の具体例しては、オイルブラックHBB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、オイルブラック860(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、オイルブラックBS(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、オイルブラックBY(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブラック1802(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブラック1807(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、バリファストブラック3804(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック34)、バリファストブラック3810(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック29)、バリファストブラック3820(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック27)、バリファストブラック3830(商品名、オリエント化学工業株式会社製)、スピリットブラックSB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、スピリットブラックSSBB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、スピリットブラックAB(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック5)、ニグロシンベース(商品名、オリエント化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、オレオゾルファストブラックRL(商品名、田岡化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック27)、オレオゾルブラックAR(商品名、田岡化学工業株式会社製)、アイゼンゾットブラック6(商品名、 保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック3)、アイゼンゾットブラック8(商品名、 保土谷化学工業株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)、アイゼンスピロンブラックMH(商品名、 保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブラックGMHスペシャル(商品名、 保土谷化学工業株式会社製)、アイゼンスピロンブラックRLHスペシャル(商品名、 保土谷化学工業株式会社製)、オラゾールブラックCN(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブラック28)、オラゾールブラックRLI(商品名、チバガイギー社製、C.I.ソルベントブラック29)、及びオイルブラックFSスペシャルA(商品名、中央合成化学株式会社製、C.I.ソルベントブラック7)が挙げられる。
油溶性染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の任意の比率の組み合わせで用いてもよい。また油溶性染料としては、シクロヘキサン中に常温(好ましくは20±5℃)で0.02重量%以上溶解するものが好ましい。このような油溶性染料を用いることで、多様な熱可塑性樹脂(例、脂環式構造含有重合体を含む樹脂)と組み合わせることが容易になる。
油溶性染料の樹脂に対する割合は、減光フィルムに効果的に減光特性を付与する観点から、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上であり、減光フィルムのヘイズを効果的に低減する観点から、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1.5重量%以下である。
ここで、前記油溶性染料の割合は、減光フィルムに含まれる樹脂重量を100重量%としたときの値である。
[1.3.減光フィルムの厚み]
減光フィルムの厚みは、減光フィルムに減光特性を付与する観点から、通常1μm以上、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは2μm以上であり、減光フィルムのヘイズを低減する観点から、通常100μm未満、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。
減光フィルムの厚みは、減光フィルムの製造方法に応じて、従来公知の方法により調整できる。例えば、減光フィルムをアプリケータを用いた塗工法により製造する場合は、溶媒量を調整するなどして塗工液の粘度を調整すること、塗工液を塗工するアプリケーターのギャップを調整することなどにより、調整できる。
減光フィルムの厚みは、微細形状測定装置、分光式膜厚測定装置などにより測定できる。例えば、減光フィルムが離型フィルムなどの基材層上に形成されている場合は、基材層から減光フィルムを一部剥離し、基材層表面と減光フィルム表面との段差形状を微細形状測定装置により測定することにより、測定しうる。
[1.4.減光フィルムのb値]
減光フィルムは、CIE 1976(L,a,b)色空間におけるb値が通常0未満、好ましくは-1以下、より好ましくは-2以下である。これにより、減光フィルムの青領域の光の直線透過率と、減光フィルムの減光特性とがバランスする。そのため、減光フィルムを、反射要素を有し青領域の発光強度が、他の領域の発光強度と比較して小さい画像表示装置(例えば、有機エレクトロルミネッセンス画像表示装置)の反射防止フィルムとして、好適に用いうる。
減光フィルムのb*値は、好ましくは-40以上、より好ましくは-25以上である。
減光フィルムのb値は、測色計により測定しうる。
減光フィルムのb値は、減光フィルムに含有させる油溶性染料の色及び濃度を調整することにより、調整できる。
[1.5.減光フィルムの光の直線透過率]
減光フィルムは、好ましくは、波長550nmの光の直線透過率T550が、通常25%以上、好ましくは27.5%以上、より好ましくは30%以上であり、通常85%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下である。
波長550nmの光の直線透過率が、前記範囲内にあることにより、減光フィルムの減光特性をより適度なものとしうる。その結果、減光フィルムを画像表示装置の反射防止フィルムに用いた場合に、画像表示装置の画像鮮明性と反射低減性能との両立をより図ることができる。
減光フィルムは、好ましくは波長480nmの光の直線透過率T480が、波長610nmの光の直線透過率T610より大きい。これにより、減光フィルムを、反射要素を有し、青領域の発光強度が、他の領域の発光強度と比較して小さい画像表示装置(例えば、有機エレクトロルミネッセンス画像表示装置)の反射防止フィルムとして、好適に用いうる。
波長480nmの光の直線透過率T480と波長610nmの光の直線透過率T610との差(T480-T610)は、好ましくは2%以上、より好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは21%以下又は20%以下である。
光の直線透過率は、分光光度計により測定しうる。
[1.6.減光フィルムの特性]
減光フィルムは、低いヘイズ値を有する。減光フィルムのヘイズ値は、好ましくは、1%以下、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下であり、通常0%以上である。
減光フィルムのヘイズ値は、ヘイズメーターにより測定できる。
[1.7.減光フィルムの用途]
減光フィルムは、前記のとおり低いヘイズ値を有し、減光機能を有する。したがって、減光フィルムを、画像表示装置における反射光を画像の鮮明性を大きく損なわずに減光する、反射防止フィルムとして好適に用いうる。
[2.積層体]
本発明の一実施形態に係る積層体は、前記減光フィルムと、透光性を有する熱可塑性樹脂層とを含む。前記減光フィルムは、前記熱可塑性樹脂層の面に直接して配置されている。積層体が、前記構成を有することにより、積層体のカールを低減しうる。
積層体に含まれる減光フィルムの例及び好ましい例については、前記減光フィルムの例及び好ましい例と同様である。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含み、熱可塑性樹脂から形成された層である。熱可塑性樹脂は、通常熱可塑性の重合体と、必要に応じ任意の成分とを含む。熱可塑性樹脂に含まれうる重合体の例としては、減光フィルムに含まれうる重合体と同様の例が挙げられる。これらの例のなかでも、機械特性、耐熱性、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、脂環式構造含有重合体が好ましい。
脂環式構造含有重合体の中でも、環状オレフィン系重合体及びその水素化物が好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素化物がより好ましい。
熱可塑性樹脂における重合体の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、通常100重量%以下であり、100重量%であってもよい。
熱可塑性樹脂に含まれうる任意の成分としては、酸化防止剤;可塑剤;紫外線吸収剤;滑剤;が挙げられる。任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂における重合体以外の任意の成分の合計割合は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、通常0重量%以上であり、0重量%であってもよい。
熱可塑性樹脂層は、透光性を有する。ここで、「透光性を有する」とは、波長480nm以上610nm以下の範囲において、光の直線透過率が85%以上であることを意味する。熱可塑性樹脂層の当該波長範囲における光の直線透過率は、通常100%以下である。熱可塑性樹脂層が透光性を有することにより、減光フィルムの有する、減光特性などの光学特性を積層体に付与しうる。
熱可塑性樹脂層の厚みは、積層体のカールをより低減する観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上であり、積層体の薄型化を図る観点から、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る積層体を模式的に示す断面図である。積層体100は、減光フィルム110と、熱可塑性樹脂層120とを備える。減光フィルムは、熱可塑性樹脂層120の一方の面120Uに直接して配置されている。
(実施形態2)
別の実施形態では、積層体は、第一の減光フィルムと、第二の減光フィルムと、熱可塑性樹脂層とを含んでいてもよい。
図2は、本発明の実施形態2に係る積層体を模式的に示す断面図である。積層体200は、第一の減光フィルム210と、熱可塑性樹脂層220と、第二の減光フィルム230とをこの順で備える。第一の減光フィルム210は、熱可塑性樹脂層220の一方の面220Uに直接して配置されている。第二の減光フィルム230は、熱可塑性樹脂層220の他方の面220Dに直接して配置されている。
本実施形態の積層体は、熱可塑性樹脂層の両面に直接して減光フィルムが配置されている。これにより、積層体のカールを効果的に低減しうる。
第一の減光フィルムと第二の減光フィルムとは、油溶性染料の含有割合、厚み、b値などが異なっていてもよい。製造工程を簡略化する観点、及び、積層体のカールを効果的に低減する観点から、好ましくは、第一の減光フィルムと第二の減光フィルムは、同一種のフィルムである。
(積層体の光学特性)
積層体の、面内方向におけるレターデーションReは、任意の値を有しうる。
一実施形態において、積層体の面内方向のレターデーションReは、20nm~200nmであってもよく、200nm~350nmであってもよい。これにより、減光フィルムが、λ/4板、λ/2板などの位相差フィルムとしても機能しうる。
一実施形態において、積層体の面内方向のレターデーションReは、0nm~20nmであってもよい。
[3.減光フィルムの製造方法]
減光フィルムは、任意の方法により製造できる。薄いフィルムを比較的安定的に製造できることから、塗工法により製造することが好ましい。
減光フィルムは、例えば、下記工程(1)~(3)を含む方法により製造できる。
工程(1)前記樹脂、前記油溶性染料、及び溶媒を含む塗工液を用意する工程
工程(2)前記塗工液を、基材層の面上に塗工して塗工膜を形成する工程、及び
工程(3)前記塗工膜から前記溶媒を除去して前記減光フィルムを得る工程。
工程(1)、工程(2)、及び工程(3)は、通常この順で行われる。
[3.1.工程(1)]
工程(1)では、塗工液を用意する。塗工液は、樹脂、油溶性染料、及び溶媒を含む。
溶媒としては、減光フィルムのヘイズを低減し、減光フィルム中に均一に油溶性染料を分布させる観点から、樹脂及び油溶性染料などの減光フィルムに含まれる成分を溶解できる溶媒が好ましい。
溶媒の例としては、脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒(例、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン)、芳香族炭化水素溶媒(例、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン)、エーテル溶媒(例、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン)、及びケトン溶媒(例、ジメチルケトン、シクロペンタノン)が挙げられる。
塗工液における溶媒の量は、所望とする塗工液の粘度、形成する塗工膜の厚みなどに応じて、任意の量としてよい。塗工液における溶媒の量は、特に限定されないが、樹脂1重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは1.5重量部以上、更に好ましくは3重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
塗工液における、油溶性染料の樹脂に対する割合は、減光フィルムにおける、油溶性染料の樹脂に対する割合と同様としてよい。
塗工液の調製は、任意の方法で行いうる。例えば、溶媒に油溶性染料を溶解して染料溶液を調製し、染料溶液に樹脂を添加する方法により行いうる。塗工液の調製において、染料溶液をフィルタによりろ過してもよい。
塗工液において、油溶性染料は溶媒に溶解した状態でありうる。ここで、油溶性染料が溶解した状態とは、油溶性染料が乳化された状態、及び、油溶性染料が、固体粒子として分散媒に分散している状態、のいずれでもなく、油溶性染料と溶媒とが均一な系を構成する状態であることを意味する。
[3.2.工程(2)]
工程(2)では、塗工液を、基材層の面上に塗工して塗工膜を形成する。
基材層として、任意の層を用いることができる。例えば、基材層として、ガラス板、離型処理がされた離型フィルム(例、離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)を用いてもよく、前記積層体に含まれる、熱可塑性樹脂層を用いてもよい。
基材層は、好ましくは前記熱可塑性樹脂層であり、より好ましくは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる層であり、更に好ましくは環状オレフィン系重合体又はその水素化物を含む樹脂からなる層であり、特に好ましくはノルボルネン系重合体又はその水素化物を含む樹脂からなる層である。
基材層を形成する樹脂に含まれうる、脂環式構造含有重合体、環状オレフィン系重合体及びその水素化物、ノルボルネン系重合体及びその水素化物の、例及び好ましい例として、前記減光フィルムに含まれうる重合体と同様の例が挙げられる。
塗工は、任意の方法で行いうる。塗工方法の例としては、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。
塗工膜の厚みは、塗工液における樹脂濃度、所望とする減光フィルムの厚みなどに応じて、適宜設定してよい。
[3.3.工程(3)]
工程(3)では、前記塗工膜から前記溶媒を除去して前記減光フィルムを得る。
溶媒の除去は、任意の方法で行いうる。溶媒を除去する方法の例としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、及び減圧加熱乾燥が挙げられる。
本発明の効果を阻害しない限りにおいて、塗工膜から溶媒を完全に除去しなくてもよい。したがって、本製造方法により得られる減光フィルムは、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、溶媒を含んでいてもよい。好ましくは、減光フィルム中の溶媒の量は、1重量%以下であり、通常0重量%以上であり、0重量%であってもよい。
[3.4.任意の工程]
減光フィルムの製造方法は、前記工程(1)~(3)以外に、任意の工程を含んでいてもよい。
任意の工程の例としては、工程(3)で得られた減光フィルムを、基材層から剥離する工程;工程(3)で得られた減光フィルムを、転写対象へ転写する工程;減光フィルムを巻き取る工程;が挙げられる。
[4.積層体の製造方法]
前記積層体は、任意の方法により製造できる。例えば、前記工程(1)~(3)を含む、減光フィルムの製造方法において、基材層として、熱可塑性樹脂層を用いることにより、積層体を製造できる。また、工程(2)及び工程(3)を複数回行うことにより、基材層(熱可塑性樹脂層)の両面上に塗工膜を形成し、第一の減光フィルムと第二の減光フィルムとを備えた積層体を得ることができる。
さらに、積層体の製造方法は、工程(1)~(3)以外の任意の工程を含んでいてもよい。かかる任意の工程としては、工程(1)~(3)により得られた積層体を、延伸する工程が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
(減光フィルムの直線透過率)
分光光度計(日本分光社製「V-570」)を用いて、波長400nm以上700nm以下の範囲で、減光フィルムについて光の直線透過率を測定した。
(ヘイズ値)
減光フィルムについて、JIS K7136に準拠して、ヘイズ値をヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH4000」)により測定した。
(減光フィルムの厚み)
離型PETフィルム上の減光フィルムの一部(5mm角程度)を、離型PETフィルムから剥離し、離型PETフィルム表面と減光フィルム表面との段差形状を、微細形状測定装置(小坂研究所製「サーフコーダーET-4000A」)にて測定し、減光フィルムの厚みを測定した。減光フィルムを基材層上に形成した場合は、減光フィルム及び基材層の総厚をマイクロメータ(ミツトヨ社製「MDC-25MJ」)にて測定し、基材層厚を差し引いて減光フィルムの厚みを求めた。
(CIE 1976(L,a,b)色空間におけるb値)
測色計(スガ試験機社製「SC-T」)により測定した。
[製造例1]
(P1-1.水素化ブロック共重合体(水素化芳香族ビニル化合物-共役ジエンブロック共重合体)の製造)
芳香族ビニル化合物としてスチレンを用い、鎖状共役ジエン化合物としてイソプレンを用いて、ブロック共重合体の水素化物(水素化ブロック共重合体)を、以下の手順により製造した。製造されたブロック共重合体の水素化物は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック構造を有する。
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン256部、脱水スチレン25.0部、及びn-ジブチルエーテル0.615部を入れ、60℃で攪拌しながらn-ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)1.35部を加えて重合を開始させ、さらに、攪拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。以下にて同じ。)。
次に、脱水イソプレン50.0部を加え、同温度で30分攪拌を続けた。この時点での重合転化率は99%であった。
その後、さらに、脱水スチレンを25.0部加え、同温度で60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。
次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体を含む溶液(i)を得た。
得られた溶液(i)中のブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は44,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった(テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算の値で測定。以下同じ)。
次に、溶液(i)を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、溶液(i)に水素化触媒としてシリカ-アルミナ担持型ニッケル触媒(E22U、ニッケル担持量60%;日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン350部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行なうことによりブロック共重合体を水素化して、ブロック共重合体の水素化物(ii)を含む溶液(iii)を得た。溶液(iii)中の水素化物(ii)の重量平均分子量(Mw)は45,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
水素化反応の終了後、溶液(iii)をろ過して水素化触媒を除去した。その後、ろ過された溶液(iii)に、リン系酸化防止剤である6-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ〕-2,4,8,10-テトラキス-t-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン(住友化学社製「スミライザー(登録商標)GP」。以下、「酸化防止剤A」という。)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させ、溶液(iv)を得た。
次いで、溶液(iv)を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノー社製、孔径0.5μm~1μm)にて濾過し、さらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて順次濾過して微小な固形分を除去した。ろ過された溶液(iv)から、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。そして、前記の濃縮乾燥器に直結したダイから、固形分を溶融状態でストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーでカットして、ブロック共重合体の水素化物及び酸化防止剤Aを含有する、ペレット(v)85部を得た。得られたペレット(v)中のブロック共重合体の水素化物(水素化ブロック共重合体)の重量平均分子量(Mw)は45,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。また、1H-NMRにより測定した水素化率は99.9%であった。
このペレット(v)からフィルム状の試験片を作製し、ガラス転移温度Tgを動的粘弾性測定装置のtanδピークで評価したところ、130℃であった。
(P2-1.水素化ブロック共重合体のシラン変性物の製造)
(P1-1)で得られたペレット(v)100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及びジ-t-ブチルパーオキサイド0.2部を添加し、混合物を得た。この混合物を、二軸押出し機を用いて、バレル温度210℃、滞留時間80秒~90秒で混練した。混練された混合物を押し出し、ペレタイザーでカットして、水素化ブロック共重合体のシラン変性物のペレット(vi)を得た。このペレット(vi)からフィルム状の試験片を作製し、ガラス転移温度Tgを動的粘弾性測定装置のtanδピークで評価したところ、124℃であった。
[実施例1]
シクロヘキサン100部に油溶性染料(オイルブラック860、オリエント化学工業株式会社)0.2部を混合し、超音波を10分間印加して油溶性染料をシクロヘキサンに溶解させ、次いで5μmのフィルタでろ過して染料溶液を得た。得られた染料溶液80部に環状オレフィン系開環重合体水素化物を含む樹脂(日本ゼオン社製「ゼオノア1430」)を20部加えて溶解させて、樹脂及び油溶性染料を含む、黒色の塗工液を得た。
この塗工液を、離型PETフィルム(東山フィルム社製「HY-S10」)の一方の面上に、アプリケータで塗工して塗工膜を形成した。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムを得た。得られた減光フィルムの厚みを前記方法により測定したところ、6μmであった。
減光フィルムを、離型PETフィルムから剥がして光学特性を測定したところ、b値は-7.2、直線透過率は、480nm:75%、550nm:61%、610nm:63%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
[実施例2]
減光フィルムの厚みが10μmとなるように、アプリケータのギャップを調整して塗工膜の厚みを変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、減光フィルムを得て、実施例1と同様にして厚み及び光学特性を測定した。減光フィルムのb値は-10、直線透過率は、480nm:70%、550nm:51%、610nm:53%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
また、塗工液を、基材層及び熱可塑性樹脂層としての、樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZF14フィルム」、厚み100μm、環状オレフィン系重合体水素化物を含む樹脂からなる、透光性を有するフィルム)の一方の面上にアプリケータで塗工して、塗工膜を得た。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムと、ZF14フィルムとを備える積層体を得た。積層体は、透光性を有する熱可塑性樹脂層としてのZF14フィルムの一方の面に、減光フィルムが直接して配置されている構成を有する。
積層体における減光フィルムの厚みを前記の方法により測定したところ、10μmであった。得られた積層体のヘイズは0.1%であり、積層体はカールがほとんど観察されなかった。
[実施例3]
トルエン33部に油溶性染料(オイルブラック860、オリエント化学工業株式会社)0.1部を混合し、超音波を10分間印加して油溶性染料をトルエンに溶解させ、染料溶液を得た。得られた染料溶液に、製造例1で製造した、樹脂としての水素化ブロック共重合体のシラン変性物のペレット(vi)を10部加えて溶解させて、樹脂及び油溶性染料を含む、黒色の塗工液を得た。
この塗工液を、離型PETフィルム(東山フィルム社製「HY-S10」)の一方の面上に、アプリケータで塗工して塗工膜を形成した。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムを得た。得られた減光フィルムの厚みを前記方法により測定したところ、10μmであった。
減光フィルムを、離型PETフィルムから剥がして光学特性を測定したところ、b値は-10、直線透過率は、480nm:66%、550nm:50%、610nm:50%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
また、塗工液を、基材層及び熱可塑性樹脂層としての、樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZF14フィルム」、厚み50μm、環状オレフィン系重合体水素化物を含む樹脂からなる、透光性を有するフィルム)の一方の面上にアプリケータで塗工して、塗工膜を得た。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムと、ZF14フィルムとを備える積層体を得た。積層体は、透光性を有する熱可塑性樹脂層としてのZF14フィルムの一方の面に、減光フィルムが直接して配置されている構成を有する。
積層体における減光フィルムの厚みを前記の方法により測定したところ、10μmであった。得られた積層体のヘイズは0.1%であり、積層体はカールがほとんど観察されなかった。
[実施例4]
減光フィルムの厚みが15μmとなるように、アプリケータのギャップを調整して塗工膜の厚みを変更した。以上の事項以外は、実施例1と同様にして、減光フィルムを得て、実施例1と同様にして厚み及び光学特性を測定した。減光フィルムのb値は-20、直線透過率は、480nm:57%、550nm:32%、610nm:36%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
また、塗工液を、基材層及び熱可塑性樹脂層としての、樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZF14フィルム」、厚み150μm、環状オレフィン系重合体水素化物を含む樹脂からなる、透光性を有するフィルム)の一方の面上にアプリケータで塗工して、塗工膜を得た。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムと、ZF14フィルムとを備える積層体を得た。積層体は、透光性を有する熱可塑性樹脂層としてのZF14フィルムの一方の面に、減光フィルムが直接して配置されている構成を有する。
積層体における減光フィルムの厚みを前記の方法により測定したところ、10μmであった。得られた積層体のヘイズは0.1%であり、積層体はカールがほとんど観察されなかった。
[実施例5]
油溶性染料として、オイルブラック860の代わりにオイルブラック803(オリエント化学工業株式会社)を用いた。また、減光フィルムの厚みが10μmとなるように、アプリケータのギャップを調整して塗工膜の厚みを変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、減光フィルムを得て、実施例1と同様にして厚み及び光学特性を測定した。減光フィルムのb値は-2.8、直線透過率は、480nm:69%、550nm:64%、610nm:63%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
[実施例6]
油溶性染料として、オイルブラック860の代わりにオイルブラックHBB(オリエント化学工業株式会社)を用いた。また、減光フィルムの厚みが10μmとなるように、アプリケータのギャップを調整して塗工膜の厚みを変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、減光フィルムを得て、実施例1と同様にして厚み及び光学特性を測定した。減光フィルムのb値は-9.8、直線透過率は、480nm:75%、550nm:61%、610nm:63%であった。ヘイズは0.1%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の、性能を有していた。
[比較例1]
チタンオキサイド「13M-T」(粒子径67nm 三菱マテリアル株式会社製)4.5部に分散剤「SOLSEPERSE21000」(日本ルーブリゾール)を0.5部、シクロヘキサンを95部加えてペイントシェーカーで分散し、チタンオキサイド分散液を作製した。
次いで、製造例1で製造した、樹脂としての水素化ブロック共重合体のシラン変性物のペレット(vi)30部に対しシクロヘキサンを70部加えて、樹脂溶液を作製した。これにチタンオキサイド分散液を8.4部加え、樹脂に対して1.3%のチタンオキサイド粒子を含む塗工液を得た。
このチタンオキサイド粒子を含む塗工液を、離型PETフィルム(東山フィルム社製「HY-S10」)の一方の面上に、アプリケータで塗工して塗工膜を形成した。
塗工膜を100℃のオーブン中で10分乾燥させて溶媒を除去し、減光フィルムを得た。得られた減光フィルムの厚みを前記方法により測定したところ、11μmであった。
減光フィルムを、離型PETフィルムから剥がして光学特性を測定したところ、b値は-4、直線透過率は、480nm:73%、550nm:71%、610nm:69%であった。ヘイズは8%であった。減光フィルムは、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なう程度の、特性を有していた。
結果を、下表に示す。
下表において、略号は以下の意味を表す。
「1430」:日本ゼオン社製「ゼオノア1430」
「Si変性物」:製造例1で製造した水素化ブロック共重合体のシラン変性物
表中の着色剤濃度の項目には、塗工液における、着色剤(油溶性染料又はチタンオキサイド粒子)の樹脂に対する割合(%)を示した。
Figure 0007677342000001
以上の結果から、以下の事項がわかる。
油溶性染料を含まない比較例1に係る減光フィルムは、ヘイズが実施例1~6に係る減光フィルムと比較して、顕著に高い。
一方、実施例に係る減光フィルムは、ヘイズが小さく、ディスプレイに組み込んだ場合に像鮮明度を損なわない程度の性能を有していた。
100 積層体
110 減光フィルム
120 熱可塑性樹脂層
120U 面
200 積層体
210 第一の減光フィルム
220 熱可塑性樹脂層
220U 面
220D 面
230 第二の減光フィルム

Claims (7)

  1. 樹脂と、油溶性染料とを含み、
    厚みが1μm以上100μm未満であり、
    CIE 1976(L,a,b)色空間におけるb値が0未満であり、波長550nmの光の直線透過率が、25%以上75%以下である、減光フィルム。
  2. 前記油溶性染料の前記樹脂に対する割合が、0.01重量%以上2重量%未満である、請求項1に記載の減光フィルム。
  3. 前記樹脂が、脂環式構造含有重合体を含む、請求項1又は2に記載の減光フィルム。
  4. 前記脂環式構造含有重合体が、環状オレフィン系重合体又はその水素化物である、請求項3に記載の減光フィルム。
  5. 波長480nmの光の直線透過率が、波長610nmの光の直線透過率より大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の減光フィルム。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の減光フィルムと、透光性を有する熱可塑性樹脂層とを含み、前記減光フィルムが、前記熱可塑性樹脂層の面に直接して配置されている、積層体。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の減光フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂、前記油溶性染料、及び溶媒を含む塗工液を用意する工程と、
    前記塗工液を、基材層の面上に塗工して塗工膜を形成する工程と、及び
    前記塗工膜から前記溶媒を除去して前記減光フィルムを得る工程と、を含む、
    減光フィルムの製造方法。
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