JP7678794B2 - 電極 - Google Patents

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Description

本発明は、電極に関する。
従来、プラスチック基材の片面に、下地薄膜とカーボン薄膜とを順に積層した電極が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
WO2016/013478号
近年、より一層高い感度を有する電極が求められる。そこで、カーボン薄膜において、sp結合する原子数とsp結合する原子数とにおけるsp結合する原子数の割合を高くして、電位窓を広くすることが試案される。
しかし、sp結合する原子数の割合を高くすれば、カーボン薄膜が硬くなり、そのため、電極が反るという不具合がある。
本発明は、電位窓を広くできながら、反り量が抑制された電極を提供する。
本発明(1)は、樹脂フィルムと、金属下地層と、sp結合およびsp結合を有する導電性カーボン層とを厚み方向一方側に向かって順に備え、sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率が、0.25以上であり、前記金属下地層の厚みが、50nm未満である、電極を含む。
本発明(2)は、前記金属下地層の材料が、チタン、タンタル、クロム、モリブデン、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素である、(1)に記載の電極を含む。
本発明(3)は、前記導電性カーボン層の厚みが、0.2nm以上、50nm以下である、(1)または(2)に記載の電極を含む。
本発明(4)は、前記樹脂フィルムの材料が、ポリエチレンテレフタレートである、(1)~(3)のいずれか一項に記載の電極を含む。
本発明の電極は、電位窓を広くできながら、反り量が抑制される。
図1は、本発明の電極の一実施形態の断面図を示す。 図2は、実施例のカール量測定を説明する斜視図である。
<一実施形態>
本発明の電極の一実施形態を、図1を参照して説明する。
(電極1)
図1に示すように、電極1は、所定の厚みを有し、厚み方向に直交する面方向に延びるフィルム形状(シート形状を含む)を有する。電極1は、面方向に沿って平坦な厚み方向一方面、および、一方面と厚み方向に間隔が隔てられる他方面を有する。
具体的には、電極1は、樹脂フィルム2と、樹脂フィルム2の厚み方向一方面に配置される金属下地層3と、金属下地層3の厚み方向一方面に配置される導電性カーボン層4とを備える。すなわち、電極1は、樹脂フィルム2と、金属下地層3と、導電性カーボン層4とを厚み方向一方側に順に備える。好ましくは、電極1は、樹脂フィルム2、金属下地層3および導電性カーボン層4からなる。以下、各層を詳述する。
(樹脂フィルム2)
樹脂フィルム2は、電極1の厚み方向他方面を形成する。樹脂フィルム2は、面方向に延びるフィルム形状を有する。樹脂フィルム2は、電極1における基材フィルムである。
樹脂フィルム2は、例えば、可撓性を有する。具体的には、樹脂フィルム2の耐折性試験(JIS C 5016(1994))が、例えば、250回以上、好ましくは、500回以上である。樹脂フィルム2の耐折性試験が上記した下限以上であれば、樹脂フィルム2は、可撓性に優れる。
樹脂フィルム2の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリシクロオレフィンポリマー)、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリエステル樹脂、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
樹脂フィルム2の厚みは、特に限定されず、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
(金属下地層)
金属下地層3は、樹脂フィルム2の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、金属下地層3は、樹脂フィルム2の厚み方向一方面の全部に接触している。金属下地層3は、面方向に延びる。金属下地層3は、樹脂フィルム2と導電性カーボン層4との間に位置する中間層である。
金属下地層3の材料としては、例えば、チタン、ジルコニウムなどの第4族金属元素、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの第5族金属元素、クロム、モリブデン、タングステンなどの第6族金属元素、マンガンなどの第7族金属元素、鉄などの第8族金属元素、コバルトなどの第9族金属元素、ニッケル、白金などの第10族金属元素、金などの第11族金属元素、亜鉛などの第12族金属元素、アルミニウム、ガリウムなどの第13族金属元素、ゲルマニウム、錫などの第14族金属元素などが挙げられる。これら材料は、単独使用または併用することができる。金属下地層3の材料として、好ましくは、チタン、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンが挙げられ、化学的安定性の観点から、より好ましくは、チタン、タングステンなどが挙げられ、さらに好ましくは、タングステンが挙げられる。
金属下地層3の厚みは、50nm未満であり、好ましくは、45nm以下、より好ましくは、40nm以下、さらに好ましくは、35nm以下である。金属下地層3の厚みが上記した上限を上回ると、電極1が反る。
また、金属下地層3の厚みは、例えば、0.1nm以上、好ましくは、1nm以上、より好ましくは、5nm以上である。金属下地層3の厚みが上記した下限以上であれば、センシングの安定性に優れる。
金属下地層3の厚みは、X線回折法により求められる。X線回折法は、実施例で詳述する。
(導電性カーボン層4)
導電性カーボン層4は、導電性を有する。導電性カーボン層4は、電極1の厚み方向一方面を形成する。導電性カーボン層4は、金属下地層3の厚み方向一方面に配置されている。具体的には、導電性カーボン層4は、金属下地層3の厚み方向一方面の全部に接触している。導電性カーボン層4は、面方向に延びる。
導電性カーボン層4は、sp結合を有する炭素およびsp結合を有する炭素を主成分として有する。すなわち、導電性カーボン層4は、グラファイト型構造およびダイヤモンド構造を有する層である。これにより、導電性カーボン層4は、良好な導電性を備え、測定対象に対する感度が十分に向上される。
導電性カーボン層4は、例えば、炭素以外に酸素を含有することができる。具体的には、導電性カーボン層4の厚み方向一方面において、例えば、酸素を含有する。導電性カーボン層4の厚み方向一方面における炭素に対する酸素の濃度比(O/C)は、特に限定されず、例えば、0.001以上であり、また、例えば、0.2以下である。
さらに、導電性カーボン層4は、酸素以外の不可避不純物の微量の混入が許容される。
導電性カーボン層4において、sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率(sp/sp+sp)は、0.25以上であり、好ましくは、0.30以上、より好ましくは、0.35以上である。sp結合している原子数の比率(sp/sp+sp)が上記した下限を下回れば、電極1の電位窓を広くできない。
また、sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率(sp/sp+sp)は、例えば、0.9以下、好ましくは、0.6以下である。sp結合している原子数の比率(sp/sp+sp)が上記した上限以下であれば、導電性カーボン層4の導電性を確保して、電極1の検出感度の低下を抑制できる。
sp結合している原子数の比率(sp/sp+sp)は、導電性カーボン層4の厚み方向一方面をX線光電子分光法により測定して得られるスペクトルにおいて、sp結合のピーク強度およびsp結合のピーク強度に基づいて算出する。
導電性カーボン層4の厚み方向一方面における表面抵抗は、例えば、1.0×10Ω/□以下、好ましくは、1.0×10Ω/□以下である。
導電性カーボン層4の厚みは、例えば、0.1nm以上、好ましくは、0.2nm以上であり、また、100nm以下、好ましくは、50nm以下である。導電性カーボン層4の厚みが上記した下限以上であれば、安定した電極特性を発現することができる。一方、導電性カーボン層4の厚みが上記した上限以下であれば、可撓性に優れるため、電極1の取扱い性が良好となる。導電性カーボン層4の厚みは、X線回折法により求められる。X線回折法は、実施例で詳述する。
(電極1の物性)
この電極1のカール量は、小さく、具体的には、100mm×100mmの矩形状にカットした電極1のカール量が、例えば、40mm以下、好ましくは、30mm以下、より好ましくは、20mm以下、さらに好ましくは、15mm以下であり、最も好ましくは、0mmである。カール量は、図2に示すように、上記のサイズにカットした電極1を平板5の上面に置く。このときの温度は、23℃である。その後、4つの隅部6が反り上がるときに、それぞれの反り上がり量(平板からの高さ)を測定し、それらの平均としてカール量を取得する。電極1のカール量は、小さいほど、電極1の反り量が抑制されていることを意味する。
電極1の厚みは、樹脂フィルム2、金属下地層3および導電性カーボン層4の総厚みであって、具体的には、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
(電極1の製造方法)
次に、電極1の製造方法を説明する。
まず、この方法では、樹脂フィルム2を準備する。
次いで、金属下地層3を樹脂フィルム2の厚み方向一方面に形成する。金属下地層3の形成方法は、特に限定されず、例えば、乾式方法、例えば、めっきなどの湿式方法など金属成膜法が挙げられる。好ましくは、乾式方法が挙げられる。乾式方法としては、例えば、PVD法(物理蒸着法)、CVD法(化学蒸着法)が挙げられ、好ましくは、PVD法が挙げられる。PVD法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、イオンプレーティング法(アーク蒸着法など)などが挙げられる。好ましくは、スパッタ法が挙げられる。スパッタ法におけるターゲットは、例えば、金属下地層3の材料である。スパッタガスとしては、例えば、Ar、Xeなどの不活性ガスが挙げられる。スパッタにおける圧力は、例えば、1Pa以下である。成膜温度は、例えば、50℃以上、例えば、200℃以下である。
その後、導電性カーボン層4を、金属下地層3の厚み方向一方面に形成する。導電性カーボン層4の形成方法としては、例えば、乾式方法が挙げられる。乾式方法としては、例えば、PVD法(物理蒸着法)、CVD法(化学蒸着法)が挙げられ、好ましくは、PVD法が挙げられる。PVD法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、イオンプレーティング法(アーク蒸着法など)などが挙げられる。好ましくは、スパッタ法が挙げられる。
スパッタ法としては、例えば、アンバランストマグネトロンスパッタ法(UBMスパッタ法)、大電力パルススパッタ法、電子サイクロトロン共鳴スパッタ法、RFスパッタ法、DCスパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法など)、DCパルススパッタ法、イオンビームスパッタ法などが挙げられる。sp結合している原子数の比率を上記した所望範囲に容易に設定できる観点、また、成膜レートおよび金属下地層3への密着性を向上させることができる観点から、より好ましくは、UBMスパッタ法が挙げられる。
スパッタ法におけるターゲットとしては、例えば、焼結カーボンが挙げられる。スパッタガスとしては、例えば、不活性ガスが挙げられる。スパッタにおける圧力は、例えば、1Pa以下である。成膜温度は、例えば、0℃以上、例えば、100℃以下である。
なお、導電性カーボン層4には、必要に応じて、イオンミリング、イオン衝撃処理(イオンボンバード)、電解研磨、電圧印加サイクル(2回以上、20回以下のサイクル数)などの公知の表面処理を施すことができる。
sp結合している原子数の比率を上記した所望範囲に設定するために、上記したスパッタ条件や表面処理が適宜選択される。
これにより、樹脂フィルム2と、金属下地層3と、導電性カーボン層4とを厚み方向一方側に順に備える電極1を得る。
(電極1の用途)
電極1は、各種電極として用いることができ、好ましくは、電気化学測定法を実施する電気化学測定用の電極、具体的には、サイクリックボルタンメトリー(CV)を実施する作用電極(作用極)や、アノーディック-ストリッピング-ボルタンメトリー(ASV)を実施する作用電極(作用極)として用いることができる。
(一実施形態の作用効果)
そして、この電極1によれば、sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率が、0.25以上であるので、電位窓を広くできる。
一方で、この電極1では、金属下地層3の厚みが、50nm未満であるので、金属下地層3において、樹脂フィルム2に歪ませる力を付与(印加)するような内部応力が低減され、その結果、反り量が抑制される。
そのため、この電極1は、電位窓を広くできながら、反り量が抑制されている。
また、この電極1において、金属下地層3の材料が、チタン、タンタル、クロム、モリブデン、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素であれば、樹脂フィルム2および導電性カーボン層4の十分な密着性を担保できる。
また、導電性カーボン層4の厚みが0.2nm以上であれば、安定した電極特性を発現することができる。一方、導電性カーボン層4の厚みが50nm以下であれば、可撓性に優れるため、電極1の取扱い性が良好となる。
(変形例)
図1に示すように、一実施形態では、電極1は、1つの樹脂フィルム2と、1つの金属下地層3と、1つの導電性カーボン層4とを備える。一方、1つの樹脂フィルム2と、2つの金属下地層3と、2つの導電性カーボン層4とを備えることもできる。つまり、1つの樹脂フィルム2に対して、2つの金属下地層3と、2つの導電性カーボン層4とを電極1が備えることができる。この場合には、導電性カーボン層4と、金属下地層3と、樹脂フィルム2と、金属下地層3と、導電性カーボン層4とが、厚み方向に順に配置される。
また、所望厚みの金属下地層3を形成するために、上記した金属成膜法を複数回実施できる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
(金属下地層3の厚み、および、導電性カーボン層4の厚みの測定方法)
まず、金属下地層3の厚み、および、導電性カーボン層4の厚みの測定方法を以下に示す。具体的には、X線反射率法を測定原理とし、粉末X線回折装置(リガク社製、「RINT-2200」)を用いて、下記の<測定条件>にてX線反射率を測定し、取得した測定データを解析ソフト(リガク社製、「GXRR3」)で解析することで、各実施例および各比較例の金属下地層3の厚みと、導電性カーボン層4の厚みとを算出した。
解析については、下記の<解析条件>にて、樹脂フィルム2と金属下地層3と導電性カーボン層4との3層モデルを採用し、金属下地層3の狙い厚みと密度19.30g/cmを初期値として入力し、また、導電性カーボン層4の狙い厚みと密度19.5g/cmを初期値として入力した。その後、実測値との最小自乗フィッティングを実施することによって、金属下地層3の厚みと、導電性カーボン層4の厚みとのそれぞれを算出した。
<測定条件>
測定装置:粉末X線回折装置(リガク社製、「RINT-2000」)
光源:Cu-Kα線(波長:1,5418Å)、40kV、40mA
光学系:平行ビーム光学系
発散スリット:0.05mm
受光スリット:0.05mm
単色化・平行化:多層ゲーベルミラー使用
測定モード:θ/2θスキャンモード
測定範囲(2θ):0.3~2.0°
<解析条件>
解析ソフト:リガク社製、「GXRR3」
解析手法:最小自乗フィッティング
解析範囲(2θ):2θ=0.3~2.0°
(実施例1)
(樹脂フィルム2の準備)
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム2を準備した。
(金属下地層3の形成)
次いで、スパッタ法によって、タングステンからなる金属下地層3を、樹脂フィルム2の厚み方向一方面に形成した。金属下地層3の厚みは、40nmであった。スパッタ法の条件を以下に記載する。
ターゲット材:タングステン
アルゴンガス圧:0.6Pa
ターゲットパワー:400W
成膜ロール温度:120℃
(導電性カーボン層4の形成)
その後、UBMスパッタ法によって、導電性カーボン層4を、金属下地層3の厚み方向一方面に形成した。導電性カーボン層4の厚みは、30nmであった。UBMスパッタ法の条件を以下に記載する。
ターゲット材:焼結カーボン
アルゴンガス圧:0.8Pa
ターゲットパワー:400W
成膜ロール温度:30℃
DCバイアス(金属下地層3およびターゲット材間):75V
その後、導電性カーボン層4に対して、0Vおよび2.3V間で印加電圧を往復させる電圧印加サイクルを10回実施した。
これによって、電極1を得た。
(実施例2)
実施例1と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを40nmから30nmに変更した。
(実施例3)
実施例1と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを40nmから10nmに変更した。
(実施例4)
実施例1と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを40nmから30nmに変更した。また、DCバイアスを75Vから30Vに変更した。
(比較例1)
実施例1と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを40nmから50nmに変更した。
(比較例2)
実施例1と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを40nmから50nmに変更した。一方、DCバイアスを印加せず、電圧印加サイクルを実施しなかった。
(実施例5)
実施例2と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の形成において、ターゲット材にクロムを用いた。つまり、金属下地層3の材料をタングステンからクロムに変更した。
(比較例3)
実施例5と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを30nmから50nmに変更した。
(実施例6)
実施例2と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の形成において、ターゲット材にモリブデンを用いた。つまり、金属下地層3の材料をタングステンからモリブデンに変更した。
(比較例4)
実施例6と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを30nmから50nmに変更した。
(実施例7)
実施例2と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の形成において、ターゲット材にタンタルを用いた。つまり、金属下地層3の材料をタングステンからタンタルに変更した。
(比較例5)
実施例7と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の厚みを30nmから50nmに変更した。
(実施例8)
実施例2と同様に処理して、電極1を得た。但し、金属下地層3の形成において、ターゲット材にチタンを用いた。つまり、金属下地層3の材料をタングステンからチタンに変更した。
実施例1から実施例8と、比較例1から比較例5とにおける、金属下地層3の材料、金属下地層3の厚み、および、導電性カーボン層4の厚みを、表1および表2に示す。
(評価)
以下の項目を評価した。それらの結果を、表1および表2に記載する。
(sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率)
導電性カーボン層4の厚み方向一方面に対して、下記の<測定条件>にてX線光電子分光法を実施した。これにより得られたスペクトルにおいて、sp結合のピーク強度およびsp結合のピーク強度に基づいてsp結合している炭素原子数とsp結合している炭素原子数との和に対する、sp結合の炭素原子数の比(sp/sp+sp)を算出した。
<測定条件>
測定装置:X線光電子分光分析(XPS)装置(島津製作所社製、商品名「AXIS Nova」)
X線源:Rowland円直径500mmモノクロメータ付AlKα(1486.6eV)、15kV、10mA
光電子分光器:軌道半径165mm、静電二重半球型アナライザー/球面鏡アナライザー複合型
検出器:ディレイラインディテクター(DLD)システム
エネルギー分解能:Ag3d5/2光電子ピークが半値幅0.48 eV以下
帯電中和:均一低エネルギー電子照射
(カール量)
まず、電極1を、縦100mm、横100mmのサイズにカットした。次いで、図2に示すように、電極1を、樹脂フィルム2が下側となるように、平板5の上面に置いた。このときの温度は、23℃であった。1分経過後、4つの隅部6が反り上がっており、それぞれの反り上がり量(平板5からの高さ)を測定し、それらの平均としてカール量を取得した。カール量から、次の基準によって、反り量の抑制を評価した。
○:カール量が40mm以下であった。
×:カール量が40mm超過であった。
Figure 0007678794000001
Figure 0007678794000002
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれるものである。
電極は、電気化学測定法を実施する電気化学測定用の電極に用いられる。
1 電極
2 樹脂フィルム
3 金属下地層
4 導電性カーボン層

Claims (4)

  1. 樹脂フィルムと、
    金属下地層と、
    sp結合およびsp結合を有する導電性カーボン層と
    を厚み方向一方側に向かって順に備え、
    sp結合している原子数およびsp結合している原子数の和に対するsp結合している原子数の比率が、0.3以上、0.4以下であり、
    前記金属下地層の厚みが、30nm以上、40nm以下であり、
    前記金属下地層の材料が、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブテン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、白金、金、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウムおよび錫からなる群から選択される少なくとも1つの金属元素である、電極。
  2. 前記導電性カーボン層の厚みが、0.2nm以上、50nm以下である、請求項1に記載の電極。
  3. 前記樹脂フィルムの材料が、ポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の電極。
  4. 前記樹脂フィルムの材料が、ポリエチレンテレフタレートである、請求項2に記載の電極。
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