JP7680144B2 - 免疫賦活用組成物 - Google Patents
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Description
キンミズヒキ(金水引、学名:Agrimonia pilosa)は、バラ科キンミズヒキ属の多年草で漢方薬に利用される。生薬名は仙鶴草である。キンミズヒキの花期の地上部の茎葉には、精油とタンニンを含んでおり、そのうちの主成分となるタンニンは、細胞組織を引き締める収斂作用があることが知られている。また、水で煮出した水性エキスには、胆嚢の働きを助ける利胆作用があるといわれている。根には、タンニンのほか、フェノール性配糖体、アグリモノリド、フィトステロール、バニル酸、タキシフォリンなどが含まれることが知られている。
特許文献2には、キンミズヒキ抽出物を含有する美白剤、抗老化剤、皮膚化粧料が記載されている。
特許文献3には、キンミズヒキ抽出物を含有するαグルコシダーゼ阻害剤が記載されている。
特許文献4には、キンミズヒキ抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤及びアレルゲン賦活剤が記載されている。
特許文献5には、キンミズヒキの70%エチルアルコール抽出物が、アラキドン酸代謝阻害剤として有用であることが記載されている。そしてこの抽出物は、ラット好塩基性白血病細胞株(Rat Basophilic Leukemia Cell:RBL-1)を用いたインビトロ試験において、炎症の起因物質であるロイコトリエンC4の産生阻害効果があることが記載されている。
また、非特許文献1には、キンミズヒキのメタノールエキスがマクロファージの活性化や細胞障害性リンパ球を介する抗腫瘍性を示すことが記載されている。
本発明は、この知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、新たな免疫賦活用の組成物を提供することを課題としている。
(1)アグリモールBを有効成分として含有する免疫賦活用組成物。
(2)アグリモールBを含む植物抽出物を有効成分として含有する免疫賦活用組成物。
(3)アグリモールBを含む植物抽出物が乾燥物全量当たりアグリモールBを少なくとも0.4質量%以上含有するものである(2)に記載の免疫賦活用組成物。
(4)アグリモールBを含む植物がキンミズヒキである(2)又は(3)に記載の免疫賦活用組成物。
本発明の免疫賦活用組成物は、マクロファージなどの貪食作用を促進し、免疫の初期反応を活性化して生体の免疫能を賦活化できる。このため感染症などの治療に使用可能である。
また本願明細書において「キンミズヒキ抽出物」とは、キンミズヒキをエチルアルコール又は水を含む含水エチルアルコールで抽出して得られる抽出物をいう。
さらにまた、前記のキンミズヒキ抽出物を、0~40%エチルアルコールで洗浄して0~40%エチルアルコール可溶性成分を除去したものを本願明細書では「濃縮キンミズヒキ抽出物」という。
また自生あるいは栽培された全草を採取し、これを自然乾燥又は加熱乾燥させたものを使用できる。
これを細切し、約10倍量の水または、含水濃度0~99.5%(v/v)エチルアルコール、好ましくは含水濃度1~50%エチルアルコール、特に好ましくは含水濃度5~10%エチルアルコールに3~5日間浸漬して室温で抽出するか、あるいは還流冷却器を付して50~80℃で5~24時間抽出し、濾過してキンミズヒキ抽出液を回収する。この抽出液は、ロータリーエバポレーターなどの減圧真空乾燥装置、又は凍結乾燥装置によって、水及びエチルアルコールを除去してキンミズヒキ抽出物とする。本願明細書においては、キンミズヒキ抽出物をキンミズヒキエキスともいう。
このキンミズヒキ抽出物(キンミズヒキエキス固形物)を0~40%エタノール、特に好ましくは10~30%エタノールで洗浄し、0~40%エタノール、特に好ましくは10~30%エタノール可溶性成分をろ過等の手段で除去した後、ろ過残渣をロータリーエバポレーターなどの減圧真空乾燥装置、又は凍結乾燥装置を用いて、水及びエチルアルコールを除去することで濃縮キンミズヒキ抽出物を得ることができる。
濃縮キンミズヒキ抽出物は、50~99.5%エタノール、特に好ましくは70~90%エタノールに再溶解し、製剤化に用いる賦形剤を添加して凍結乾燥することで、所望する濃度の濃縮キンミズヒキ抽出物を含有する粉末組成物を得ることができる。
アグリモールBは、次の化学式1で特定される化合物である。
食品とする場合は、アグリモールB、アグリモールB含有植物抽出物を適切な倍散剤に分散した後、食品原料に配合し、所望の形態とすることができる。食品中に配合する場合は、食品100g当たりアグリモールBを1~1000mg含有するように配合する。
結合剤としてはデンプン、デキストリン、アラビアガム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールなどが例示できる。崩壊剤としてはデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどを例として挙げることができる。界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。滑沢剤としては、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコールなどを例示できる。流動性促進剤としては軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどを例として挙げることができる。
以下、本発明組成物の効果を確認した試験例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
1.試験方法
(1)試験試料の調製
アグリモールBを含有する植物抽出物の一例としてキンミズヒキ抽出物を例示する。
・キンミズヒキ抽出物及び濃縮キンミズヒキ抽出物の調製
キンミズヒキ(仙鶴草、福田龍株式会社)100gに、90%エチルアルコール10倍量(1kg)を加え、還流抽出を2回繰り返した。終了後、固液分離して抽出液を得た。得られた抽出液を、常法により活性炭処理、珪藻土ろ過した後、濃縮・凍結乾燥し粗抽出物(固形量9.28g、収率9.28%(対原料))を得た。この粗抽出物を「キンミズヒキ抽出物」として本試験に用いた。
このキンミズヒキ抽出物乾燥物8.51gを60℃に加温した20%エチルアルコール溶液に溶解・懸濁(固形量10%)させた後、常法により珪藻土ろ過して残渣を回収した。残渣を再び90%エチルアルコールに溶解させ、常法により珪藻土ろ過した後、再度濃縮・凍結乾燥して濃縮物を得た(固形量0.59g、収率6.93%(対キンミズヒキ抽出物))。これを濃縮キンミズヒキ抽出物とした。この濃縮キンミズヒキ抽出物は、キンミズヒキ抽出物から20%エチルアルコール可溶性成分を除去することで、アグリモールBを含む脂溶性成分が濃縮されていた。
本実施例において用いる試験品について常法によりアグリモールBの含有量を測定した。キンミズヒキ抽出物中に0.036質量%、濃縮キンミズヒキ抽出物中に0.447質量%含有されていた。
本実施例において用いる試験試料についてアグリモールBの含有量を下記条件にてHPLCで測定した。
カラム:Wakosil-ll5C18 AR 4.6mm×150mm
移動相:蒸留水:アセトニトリル:リン酸=100:900:1
流速 :1mL/min
検出 :UV288nm
注入量:10μL
精製アグリモールB(Biorbyt社製)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)にて10mMになるように調製し、ストック溶液とした。
これを下記の試験に用いた。
次の操作手順で試験を実施した。
1)細胞培養
マウス腹水由来細胞から樹立したマクロファージ細胞株RAW264.7(European Collection of Authenticated Cell Cultures (ECACCより入手))を、細胞密度3×104cells/wellで24well plateに播種し24時間培養する。培養に使用した培地は、DMEM(high glucose:Invitrogen)である。
培養上清を除去した後、新しい培地にサンプルを溶解した後、この培地を400μl添加し、24時間培養する。各試験試料の最終濃度は、アグリモールBは、1.25、2.5、5μM 、キンミズヒキ抽出物は、12.5、25、50μg/mlになるように、また濃縮キンミズヒキ抽出物は、12.5、25、50μg/mlになるようにそれぞれ溶解濃度を調整した。
また陽性対照(マクロファージ活性化促進剤)として同様にリポポリサッカライド(LPS:シグマ アルドリッチ製)を最終濃度1μg/mlになるように添加した。
培養上清を除去し、サイトカラシンDを最終濃度が10μMになるように培地に添加し、37℃で1時間静置した。
各ウエルに死菌(Escherichia coli (K-12 strain) BioParticles(商標), Alexa Fluor(商標)488 conjugate)を15000cells/well/100μlになるように添加した。次いで室温に20分間静置して、細胞に死菌を貪食させた。その後、培養上清を全量除去し、FACS buffer 1mlで洗浄した。
洗浄後、新たにFACS bufferを300μl入れ、セルスクレーパーで細胞を回収し、セルストレイナー付きチューブに入れ、FACS解析を行った。
全細胞当たりのFACSで分離した細胞の比率を貪食率とした。
得られた各試験試料の示す貪食率は、平均値及び標準偏差を求め、サンプルを含まないコントロール(Cont)に対する有意差検定をDunnet法で行った。なお有意差水準はp<0.05(*)、p<0.01(**)とした。
貪食率測定結果を表1及び図1に示した。
またキンミズヒキ抽出物はコントロールに対してわずかではあるが増加した。
したがってアグリモールB及び濃縮キンミズヒキ抽出物は、マクロファージ貪食率を増加することから、免疫賦活用組成物として有効であることが明らかとなった。
またキンミズヒキ抽出物と濃縮キンミズヒキ抽出物のマクロファージ貪食率測定結果から、アグリモールBの含有量が、植物抽出物乾燥物全量当たり0.4質量%以上含有することが、免疫を賦活するためには必要であると考えられた。
Claims (2)
- アグリモールBを有効成分として含有するマクロファージ貧食活性向上による免疫賦活用の食品又は医薬品又は医薬部外品(但しナリンギン、ヘスペリジン、ストリキニーネ、ブルジン、オウゴニン及びプロトカテク酸を含有する場合を除く)。
- 乾燥物全量当たりアグリモールBを少なくとも0.4質量%以上含有するキンミズヒキ抽出物を有効成分として含有し、マクロファージ貧食活性向上による免疫賦活用の食品又は医薬品又は医薬部外品(但しナリンギン、ヘスペリジン、ストリキニーネ、ブルジン、オウゴニン及びプロトカテク酸を含有する場合を除く)。
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| Afr. J. Tradit. Complement Altern. Med.,2013年,10(3),pp.475-479 |
| Korean J. Pestic. Sci.,2006年,Vol.10 No.3,pp.230-236 |
| Zhongyao yaoli yu linchuang,2001年,17(2),pp.32-33 |
| 中草葯,2015年,Vol.46 No.11,pp.1625-1628 |
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