JP7681971B2 - 成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、成形品に関する。
一般に、成形用樹脂としては、アクリルニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂等が用いられている。しかし、これらの汎用樹脂は、成形性やコストの点で優れるが、表面硬度が低く、耐傷付き性が劣る傾向がある。また、ABS樹脂は、耐薬品性も劣っている。
特許文献1には、耐薬品性に優れる成形品として、特定のゴム含有グラフト共重合体、シアン化ビニル系共重合体、変性ビニル系共重合体、及びポリブチレンテレフタレート樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品が開示されている。
特開2007-269958号公報
しかし、特許文献1の成形品は、表面硬度が不十分であり、耐傷付き性が劣っている。また、特に屋外で使用される成形品の場合、撥水性に優れ、汚れにくいことも重要である。
本発明は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂を用いた成形品として、優れた耐薬品性、耐傷付き性、撥水性を兼ね備えた成形品を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]基材層と、前記基材層上に積層された表面層と、を備え、
前記基材層が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくとも一方を含有し、
前記表面層が、塩化ビニル系樹脂とメチルメタクリレート系樹脂とが質量比10:90~90:10で配合されたアロイ樹脂を含有する、成形品。
[2]前記表面層の表面のJIS K5600-5-4に準拠して測定される鉛筆硬度がF以上である、[1]に記載の成形品。
[3]前記表面層のベンディングフォーム法による耐溶剤性試験で測定される臨界歪みεが0.40%以上である、[1]又は[2]に記載の成形品。
[4]前記表面層の表面の水接触角が80°以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の成形品。
本発明によれば、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂を用いた成形品として、優れた耐薬品性、耐傷付き性、撥水性を兼ね備えた成形品を提供できる。
実施形態例の成形品を示した断面図である。 耐溶剤性試験に用いる試験片を示した斜視図である。 耐溶剤性試験の様子を示した斜視図である。
以下、実施形態の成形品について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1に示すように、実施形態の成形品1は、基材層2と、基材層2上に積層された表面層3と、を備えている。すなわち、成形品1は、基材層2と表面層3とを備える積層体である。この例の成形品1はシート状であるが、成形品1の形状はシート状には限定されない。
表面層3は、基材層2の片面のみに積層してもよく、基材層2の両面に積層してもよい。
基材層2は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂及びポリカーボネート(PC)樹脂の少なくとも一方を含有する層である。基材層2は、ABS樹脂又はPC樹脂のいずれか一方を含有する層が好ましい。
基材層2は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて熱安定剤、光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤等の添加剤を含有してもよい。
基材層2の平均厚みは、適宜設定でき、例えば、1.0mm以上20mm以下とすることができる。なお、基材層2の平均厚みは、基材層2における任意の5箇所で測定した厚みの平均値である。
表面層3は、塩化ビニル系樹脂(以下、「PVC系樹脂」と記す。)とメチルメタクリレート系樹脂(以下、「MMA系樹脂」と記す。)とが質量比10:90~90:10で配合されたアロイ樹脂を含有する。
PVC系樹脂は、塩化ビニル由来の繰り返し単位(以下、「塩化ビニル単位」とも記す。)の割合が全繰り返し単位に対して50質量%超の重合体である。PVC系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体であってもよく、塩化ビニルと、塩化ビニルと共重合可能なビニル系単量体との共重合体であってもよい。PVC系樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。アロイ樹脂に含まれるPVC系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
PVC系樹脂中の塩化ビニル単位の割合は、全繰り返し単位に対して、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上が特に好ましい。
塩化ビニルと共重合可能なビニル系単量体としては、特に限定されず、例えば、脂肪酸ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、シアン化ビニル、ビニルエーテル、α-オレフィン、不飽和カルボン酸又はその酸無水物、塩化ビニリデン、臭化ビニル、各種ウレタン等が挙げられる。
脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。アクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられる。メタクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等が挙げられる。シアン化ビニルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。ビニルエーテルとしては、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等が挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。不飽和カルボン酸又はその酸無水物類としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
塩化ビニルと共重合可能なビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
PVC系樹脂の平均重合度は、400以上1200以下が好ましく、600以上1000以下がより好ましい。PVC系樹脂の平均重合度が前記範囲の下限値以上であれば、鉛筆硬度が向上する。PVC系樹脂の平均重合度が前記範囲の上限値以下であれば、成形加工性が向上する。
なお、平均重合度は、JIS K 6720-2に準拠して測定される。
PVC系樹脂としては、硬質塩化ビニル樹脂であってもよく、軟質塩化ビニル樹脂であってもよいが、成形品の表面硬度が高く、耐傷付き性に優れる点から、硬質塩化ビニル系樹脂が好ましい。
MMA系樹脂は、メチルメタクリレート(MMA)由来の繰り返し単位(以下、「MMA単位」とも記す。)の割合が全繰り返し単位に対して80質量%以上の重合体である。MMA系樹脂は、MMAの単独重合体であってもよく、MMAと、MMA以外の(メタ)アクリレートとの共重合体であってもよい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートの総称である。MMA系樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。アロイ樹脂に含まれるMMA系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
MMA系樹脂中のMMA単位の割合は、全繰り返し単位に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。MMA単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、成形性が向上する。
MMA以外の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートを例示できる。MMA系樹脂に用いるMMA以外の(メタ)アクリレートは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
MMA系樹脂の重量平均分子量は、10,000以上600,000以下が好ましく、20,000以上400,000以下がより好ましい。MMA系樹脂の重量平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、鉛筆硬度が向上する。MMA系樹脂の重量平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、強度が向上する。
MMA系樹脂の数平均分子量は、5,000以上300,000以下が好ましく、10,000以上200,000以下がより好ましい。MMA系樹脂の数平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、鉛筆硬度が向上する。MMA系樹脂の数平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、強度が向上する。重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定されるポリスチレン換算の平均分子量である。
MMA系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、1.0g/10分以上20g/10分以下が好ましく、2.0g/10分以上15g/10分以下がより好ましい。MMA系樹脂のMFRが前記範囲の下限値以上であれば、加工性が良好となる。MMA系樹脂のMFRが前記範囲の上限値以下であれば、鉛筆硬度が向上する。なお、MFRは、JIS K 7210に準拠し、荷重37.3N、温度230℃の条件で測定される。
アロイ樹脂中のPVC系樹脂とMMA系樹脂との質量比は、10:90~90:10であり、30:70~70:30が好ましく、50:50~70:30がさらに好ましい。PVC系樹脂の割合が高いほど、耐溶剤性が向上する。MMA系樹脂の割合が高いほど、表面硬度が向上する。
アロイ樹脂中のPVC系樹脂とMMA系樹脂の合計の割合は、アロイ樹脂の総質量に対して、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
アロイ樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。
表面層3に用いるアロイ樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて熱安定剤、光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、充填剤等の添加剤を添加することができる。
使用時のアロイ樹脂の形態は、特に限定されず、例えば、ペレット状を例示できる。
表面層3の表面の鉛筆硬度は、F以上が好ましく、H以上がより好ましい。鉛筆硬度が前記下限値以上であれば、成形品の耐傷付き性に優れる。表面層3の表面の鉛筆硬度は、アロイ樹脂中のPVC系樹脂とMMA系樹脂との質量比等によって調節できる。
なお、鉛筆硬度は、JIS K5600-5-4に準拠して測定される。
表面層3のベンディングフォーム法による耐溶剤性試験で測定される臨界歪みεは、0.40%以上が好ましく、0.60%以上がより好ましく、0.75%以上がさらに好ましく、1.00%以上が特に好ましい。アロイ樹脂の臨界歪みεが前記下限値以上であれば、耐溶剤性に優れる。臨界歪みεは、大きければ大きいほど良い。アロイ樹脂の臨界歪みεはPVC系樹脂とMMA系樹脂との質量比等によって調整できる。
(耐溶剤性試験)
アロイ樹脂の臨界歪みεは、以下に示す耐溶剤性試験によって測定される。
図2に示すように、表面層3を構成するアロイ樹脂を用いた射出成形法によって、厚み2.0mm、幅30mm、長さ125mmの矩形のシート状の試験片10を成形し、デシケーター内に1日保存する。
図3に示すように、長径2aが254mm、短径2bが76.2mmの楕円柱が短軸を通る面と長軸を通る面で1/4に切断された形状の治具100を、短軸(b=38.1mm)が鉛直方向、長軸(a=127mm)が水平方向、湾曲面110が上になるように水平面に設置する。
保存後の試験片10の上面における幅方向の中央部に、消毒用エタノール(15℃で76.9~81.4体積%)を含んだ帯状のガーゼ20を試験片10の長さ方向に延びるように設置し、試験片10上のガーゼ20をフィルム30で覆う。この状態の試験片10の長さ方向の第1の縁10aを治具100の湾曲面110の短軸側の縁110aに合わせ、試験片10の下面が治具100の湾曲面110に密着するように試験片10を湾曲させた状態で、23℃、50%RHの条件下で24時間静置する。静置後の試験片10を治具100から取り外し、試験片10に生じたクラックの最も第1の縁10aに近い側の端と第1の縁10aとの長さ方向の距離をd(mm)とし、下記式(1)から臨界歪みε(%)を算出する。成形した試験片3本に対し、上記測定を行い、臨界歪みεの平均値(%)を求める。
Figure 0007681971000001
ただし、式(1)中、tは試験片10の厚み(mm)である。
表面層3の平均厚みは、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。表面層3の平均厚みが前記範囲の下限値以上であれば、基材層2が傷付きやすくても成形品1の耐傷付き性に優れる。表面層3の平均厚みが前記範囲の上限値以下であれば、成形加工性に優れる。
なお、表面層3の平均厚みは、表面層3における任意の5箇所で測定した厚みの平均値である。
表面層3の表面の水接触角は、80°以上が好ましく、85°以上がより好ましく、90°以上がさらに好ましく、93°以上が特に好ましく、95°以上が最も好ましい。表面層3の表面の水接触角が前記下限値以上であれば、撥水性に優れ、成形品1が汚れにくくなる。表面層3の表面の水接触角の上限は特に限定されないが、実質的な上限は120°程度である。
なお、表面層3の表面の水接触角は、以下の方法で測定した値である。表面層3の表面の任意の5箇所に純水を約10μL滴下し、滴下から1秒後の接触角(静的接触角)をθ/2法(θ/2=arctan(h/r)、θ:接触角、r:液滴の半径、h:液滴の高さ)に従って測定し、それらの値を平均した値を水接触角とする。接触角測定時の雰囲気は、温度23℃±5℃、相対湿度40~65%とする。また、被測定物を前記雰囲気に10分以上放置してから純水を滴下して測定するものとする。
成形品1の寸法は、用途に応じて適宜設定でき、例えばシート状の場合、平均厚みを1.0mm以上20mmとすることができる。なお、成形品1の平均厚みは、表面層3における任意の5箇所で測定した厚みの平均値である。
本発明の成形品の製造方法は、特に限定されない。例えば、射出成形によって表面層を成形し、その表面層をインサートした射出成形によって基材層を成形する方法、主押出機と副押出機を用いて基材層と表面層をそれぞれ押出成形しながら2層化する方法等が挙げられる。また、シート状の成形品の場合、圧空成形によって所望の形状に成形することもできる。
以上説明したように、本発明の成形品は、ABS樹脂やPC樹脂を含有する基材層上に、PVC系樹脂とMMA系樹脂とが特定の質量比で配合されたアロイ樹脂を含有する表面層が積層されている。これにより、本発明の成形品は、優れた耐溶剤性、耐傷付き性及び撥水性を兼ね備えている。
本発明の成形品の用途は、特に限定されず、例えば、車両、建材、家電等が挙げられる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明の成形品は、基材層と表面層の間に他の層を有していてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[鉛筆硬度]
鉛筆硬度は、JIS K5600-5-4に準拠して測定した。
[耐溶剤性試験]
各例の表面層を形成するアロイ樹脂を用いて、図2に示すように、射出成形法によって、厚み2.0mm、幅30mm、長さ125mmの矩形のシート状の試験片10を成形し、デシケーター内に1日保存した。
図3に示すように、長径2aが254mm、短径2bが76.2mmの楕円柱が短軸を通る面と長軸を通る面で1/4に切断された形状の治具100を、短軸(b=38.1mm)が鉛直方向、長軸(a=127mm)が水平方向、湾曲面110が上になるように水平面に設置した。
保存後の試験片10の上面における幅方向の中央部に、消毒用エタノール(15℃で76.9~81.4体積%)を含んだ帯状のガーゼ20を試験片10の長さ方向に延びるように設置した。試験片10上のガーゼ20を、フィルム30であるサランラップ(登録商標)で覆った。この状態の試験片10の長さ方向の第1の縁10aを治具100の湾曲面110の短軸側の縁110aに合わせ、試験片10の下面が治具100の湾曲面110に密着するように試験片10を湾曲させた状態で、23℃、50%RHの条件下で24時間静置した。静置後の試験片10を治具100から取り外し、試験片10に生じたクラックの最も第1の縁10aに近い側の端と第1の縁10aとの長さ方向の距離をd(mm)とし、前記式(1)から臨界歪みε(%)を算出する。成形した試験片3本に対し、上記測定を行い、臨界歪みεの平均値(%)を求めた。
なお、厚み2.0mmでのクラック発生距離dが105mm以上の場合の臨界歪みεは「1.00(%)以上」とした。
[水接触角]
各例の成形品を温度23℃±5℃、相対湿度40~65%の雰囲気に10分以上放置した。次いで、前記雰囲気下で成形品の表面層側の表面に純水を約10μL滴下し、滴下から1秒後の接触角(静的接触角)をθ/2法(θ/2=arctan(h/r)、θ:接触角、r:液滴の半径、h:液滴の高さ)に従って測定した。水接触角の測定は、成形品の表面層側の表面における任意の5箇所について行い、それらの平均値を表面層の表面の水接触角とした。接触角の測定には、ニック社製の接触角計「LSE-A100」を用いた。
[実施例1]
表面層の成形材料としてPVC系樹脂(塩化ビニル単位の割合:87質量%、平均重合度:700)90質量部とMMA系樹脂(商品名「アクリペット VH-001」、三菱ケミカル社製、MMA単位の割合:90質量%、重量平均分子量:90,000、数平均分子量:50,000、MFR:2.0g/10分)10質量部とを用い、射出成形によって厚み1.0mm、幅30mm、長さ125mmのシート状の表面層を作製した。次に、基材層の成形材料としてPC樹脂(商品名「SDポリカ301-10」、住化スタイロンポリカーボネート社製)を用い、射出成形金型に前記表面層をインサートした射出成形によって、基材層上に表面層を備える厚み2.0mm、幅30mm、長さ125mmのシート状の成形品を作製した。
なお、実施例1は参考例である。
[実施例2]
表面層を成形するアロイ樹脂のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を70:30に変更し、表面層の厚みを0.5mmに変更し、基材層の成形材料をABS樹脂(商品名「テクノABS 130」、テクノポリマー社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして成形品を作製した。
[実施例3]
表面層を成形するアロイ樹脂のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を50:50に変更した以外は、実施例1と同様にして成形品を作製した。
[実施例4]
表面層を成形するアロイ樹脂のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を50:50に変更し、表面層の厚みを0.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして成形品を作製した。
[実施例5]
表面層を成形するアロイ樹脂のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を30:70に変更した以外は、実施例2と同様にして成形品を作製した。
なお、実施例5は参考例である。
[実施例6]
表面層を成形するアロイ樹脂のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を10:90に変更した以外は、実施例2と同様にして成形品を作製した。
なお、実施例6は参考例である。
[比較例1]
表面層の成形材料のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を100:0に変更した以外は、実施例2と同様にして成形品を作製した。
[比較例2]
表面層の成形材料のPVC系樹脂とMMA系樹脂の質量比を0:100に変更した以外は、実施例2と同様にして成形品を作製した。
[比較例3]
基材層上に表面層を形成せず、実施例1と同様にして厚み2.0mmのシート状の成形品を作製した。
[比較例4]
基材層上に表面層を形成せず、実施例2と同様にして厚み2.0mmのシート状の成形品を作製した。
各例の結果を表1に示す。
Figure 0007681971000002
表1に示すように、ABS樹脂又はPC樹脂を含有する基材層上に、PVC系樹脂とMMA系樹脂を特定の比率で配合したアロイ樹脂を含有する表面層を形成した実施例1~6では、表面層の表面の鉛筆硬度が高く耐傷付き性に優れ、耐溶剤性に優れ、また水接触角が高く撥水性に優れていた。
一方、PVC系樹脂のみで表面層を形成した比較例1では、表面層の表面の鉛筆硬度が低く、耐傷付き性が劣っていた。MMA系樹脂のみで表面層を形成した比較例2では、表面層の耐溶剤性が劣っていた。PC樹脂を含有する基材層上に表面層を形成しなかった比較例3では、表面の鉛筆硬度が低く耐傷付き性が劣るうえ、水接触角が小さく撥水性も劣っていた。ABS樹脂を含有する基材層上に表面層を形成しなかった比較例4では、表面の鉛筆硬度が低く耐傷付き性が劣り、耐溶剤性が劣るうえ、水接触角が小さく撥水性も劣っていた。
1…成形品、2…基材層、3…表面層、10…試験片、20…ガーゼ、30…フィルム
、100…治具、110…湾曲面。

Claims (3)

  1. 基材層と、前記基材層上に積層された表面層と、を備え、
    前記基材層が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくとも一方を含有し、
    前記表面層が、塩化ビニル系樹脂とメチルメタクリレート系樹脂とが質量比50:50~70:30で配合されたアロイ樹脂を含有し、
    前記メチルメタクリレート系樹脂の重量平均分子量が10,000以上600,000以下であり、
    前記表面層の平均厚みが0.2mm以上2.0mm以下であり、
    前記表面層の表面の水接触角が93°以上である、成形品(ただし、塩化ビニル系樹脂50~90重量%とアクリル系樹脂5~50重量%とからなるベース樹脂100重量部に対して、無機充填剤を5~45重量部配合されているものを除く)
  2. 前記表面層の表面のJIS K5600-5-4に準拠して測定される鉛筆硬度がF以上である、請求項1に記載の成形品。
  3. 前記表面層のベンディングフォーム法による耐溶剤性試験で測定される臨界歪みεが0.40%以上である、請求項1又は2に記載の成形品。
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