JP7685571B2 - トランス用のコイル基板 - Google Patents

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Description

本発明は、トランス用のコイル基板に関する。
たとえば、特許文献1には、一方の面に一次コイルとなる渦巻き状の第1コイルパターンを有し、他方の面に二次コイルとなる渦巻き状の第2コイルパターンが形成されたトランス用のコイル基板が提案されている。
特開2016-4928号公報
しかしながら、特許文献1に示すコイル基板は、コイル基板の両面に、第1コイルパターンおよび第2コイルパターンが形成されているため、第1コイルパターンと第2コイルパターンとの間の寄生容量が大きくなることが想定される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コイル基板の寄生容量を低減することができるトランス用のコイル基板を提供することにある。
前記課題を鑑みて、トランス用のコイル基板は、磁気回路を形成するコアの第1磁性部分に挿通される第1挿通孔と、前記コアの第2磁性部分に挿通される第2挿通孔と、を有したトランス用のコイル基板であって、前記コイル基板は、前記第1挿通孔の周りに、一次コイルまたは二次コイルのいずれか一方となる第1コイルパターンを有し、前記第2挿通孔の周りに、前記一次コイルまたは前記二次コイルの他方となる第2コイルパターンを有しており、前記コイル基板は、複数の単層基板を積層した積層基板であり、前記単層基板には、前記第1挿通孔の周りに沿って第1導電パターンが形成されており、隣接する単層基板の前記第1導電パターン同士を電気的に接続することにより、前記第1コイルパターンが形成され、前記単層基板には、前記第2挿通孔の周りに沿って第2導電パターンがさらに形成されており、隣接する単層基板の前記第2導電パターン同士を電気的に接続することにより、前記第2コイルパターンが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、コイル基板は、第1挿通孔の周りに第1コイルパターンを有し、第2挿通孔の周りに第2コイルパターンを有することにより、一次コイルと二次コイルを分離して設けることができる。これにより、一次コイルと二次コイルとの間の寄生容量を抑えることができる。さらに、第1導電パターンが形成された単層基板を積層し、隣接する第1導電パターン同士を電気的に接続することにより、巻線の形態に近い一次コイルを形成することができる。同様に、第2導電パターンが形成された単層基板を積層し、隣接する第2導電パターン同士を電気的に接続することにより、巻線の形態に近い二次コイルを形成することができる。
より好ましい態様としては、前記単層基板には、前記第1導電パターン同士を電気的に接続する第1導電ビアにより、前記第1コイルパターンが形成されており、前記単層基板には、前記第2導電パターン同士を電気的に接続する第2導電ビアにより、前記第2コイルパターンが形成されている。
この態様によれば、単層基板に設けられた第1導電ビアおよび第2導電ビアを用いることにより、よりシンプルな構造で、第1および第2コイルパターンを形成することができる。
より好ましい態様としては、前記コイル基板には、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とを仕切るように貫通した貫通孔が形成されている。
この態様によれば、第1挿通孔と第2挿通孔とを仕切るように貫通孔を設けることにより、第1コイルパターンと第2コイルパターンとの間に空隙が形成されるため、貫通孔を設けない場合に比べて、これらの間の寄生容量を低減することができる。
より好ましい態様としては、複数の前記単層基板のうち、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが形成された第1単層基板と、前記第1導電パターンのみが形成された第2単層基板と、を有しており、前記コイル基板の平面視において、前記第1単層基板に形成された第1導電パターンの面積は、前記第1単層基板に形成された第2導電パターンの面積よりも大きい。
本発明によれば、第1単層基板に、第1導電パターンと第2導電パターンを形成することにより、コイル基板の厚みを抑えることができる。さらに、第1導電パターンのみが形成された第2単層基板を積層することにより、第1コイルパターンの巻き数は、第2コイルパターンの巻き数よりも多くなり、第2コイルパターンに比べて、第1コイルパターンは発熱し易い。しかしながら、この態様によれば、第1単層基板において、第1導電パターンの面積は、第2導電パターンの面積よりも大きいので、第1コイルパターンの放熱性を高めることができる。
より好ましい態様としては、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、円形状であり、前記コイル基板の平面視において、複数の前記単層基板の第1導電パターンのみを視たときに、複数の前記単層基板の第1導電パターンにより、前記第1コイルパターンは、前記第1挿通孔に沿った円状の連続した縁部を形成しており、前記コイル基板の平面視において、複数の前記単層基板の第2導電パターンのみを視たときに、複数の前記単層基板の第2導電パターンにより、前記第2コイルパターンは、前記第2挿通孔に沿った円形状の連続した縁部を形成している。
この態様によれば、複数の単層基板の第1導電パターンにより、第1コイルパターンは、第1挿通孔に沿った円状の連続した縁部を形成しているので、第1コイルパターンにより形成される電解の分布を一様にすることができ、発生する電界を安定させることができる。さらに、複数の単層基板の第2導電パターンにより、第2コイルパターンは、第2挿通孔に沿った円形状の連続した縁部を形成しているので、第2コイルパターンにより形成される電解の分布を一様にすることができ、発生する電界を安定させることができる。
より好ましい態様としては、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、円形状であり、前記コイル基板の平面視において、前記第1導電パターンの外縁および前記第2導電パターンの外縁は、略矩形状であり、前記第1導電パターンおよび前記第2導電パターンは、前記第1導電パターンの外縁の1辺と、前記第2導電パターンの外縁の1辺と、が対向するように形成されている。
この態様によれば、第1導電パターンと第2導電パターンとが対向するそれぞれの通電部分を、他の部分に比べて幅狭とすることができ、これらの部分における寄生容量を小さくすることができる。さらに、第1導電パターンおよび第2導電パターンの隅部に、三角形状の部分が形成され、この部分を放熱部分として作用させることができる。
より好ましい態様としては、前記コイル基板の平面視において、前記第1挿通孔の中心は、前記第1導電パターンの中心よりも、前記第2挿通孔寄りに形成されている。
より好ましい態様としては、前記コイル基板の両側の表面には、絶縁層が被覆されている。
これにより、第1導電パターンおよび第2導電パターンと、コアとの間で放電することを回避することができる。
本発明に係るトランス用のコイル基板によれば、コイル基板の寄生容量を低減することができる。
本発明の実施形態に係る絶縁型コンバータの模式的斜視図である。 図1に示す絶縁型コンバータの中央断面図である。 図1に示すトランスを含む斜視図である。 図1に示すコイル基板を含む基板の斜視図である。 図1に示すコイル基板の模式的斜視図である。 図5に示すコイル基板の第1および第2コイルパターンを説明するための模式的斜視図である。 図6に示すコイル基板の第1および第2コイルパターンを説明するための平面図である。 (a)~(c)は、コイル基板の1層目の単層基板~3層目の単層基板の平面図である。 (a)~(c)は、コイル基板の5層目の単層基板~7層目の単層基板の平面図である。 (a)~(c)は、コイル基板の10層目の単層基板~12層目の単層基板の平面図である。 コイル基板の電流の流れを説明する概念図である。
以下に図1~図11を参照しながら、本発明の実施形態に係るトランス用のコイル基板を説明する。
1.トランス用のコイル基板3を含む絶縁型コンバータ1について
本実施形態に係る絶縁型コンバータ1は、DC-DCコンバータであり、図1および図2に示すように、トランス3Aを含む。トランス3Aは、コイル基板3とコア10とを備えた内鉄型のトランスである。図6を参照して後述するように、コイル基板3は、トランス3Aの一次コイルとなる第1コイルパターン36、および、トランス3Aの二次コイルとなる第2コイルパターン37を有している。コア10は、第1コイルパターン36と第2コイルパターン37とを電磁結合するものである。
絶縁型コンバータ1は、一次側回路基板と二次側回路基板をさらに備えている。本実施形態では、一次側回路基板は、インバータ回路基板4Aであり、インバータ回路基板4Aは、コイル基板3の一端において、第1コイルパターン36に電気的に接続されている。本実施形態では、二次回路側基板は、整流回路基板4Bであり、コイル基板3の他端において、第2コイルパターン37に電気的に接続されている。
インバータ回路基板4Aは、配線パターンが設けられた基板本体(たとえばガラスエポキシ基板)に、スイッチング素子などの電子部品42が搭載されたものであり、インバータ回路を形成している。インバータ回路基板4Aは、スイッチング素子により、直流電力を交流電力に変換し、コイル基板3に交流電力が供給される。
整流回路基板4Bは、配線パターンが設けられた基板本体(たとえばガラスエポキシ基板)に、ダイオードなどの電子部品44が搭載され、コイル基板3から出力された電流(電圧)を整流する整流回路を形成している。なお、DC-DCコンバータにおけるインバータ回路および整流回路は、一般的に知られた回路であるため詳細な説明は省略する。本実施形態では、絶縁型コンバータ1として、DC-DCコンバータを例示したが、絶縁型コンバータ1が、スイッチング方式のAC-DCコンバータである場合には、一次側回路基板は、たとえば4つのダイオードをさらに備えたAC-DC変換用の電気回路を含む整流回路基板となる。AC-DCコンバータは、結果として、AC-DC変換用の電気回路と、DC-DCコンバータを含む構成となる。
絶縁型コンバータ1は、絶縁性のケーシング20をさらに備えている。ケーシング20は、トランス3A、インバータ回路基板4A、および、整流回路基板4Bを収容している。図1では、ケーシング20は、正面の蓋体(図示せず)が取り外された状態にある。蓋体は、ネジ穴23に締結具(図示せず)を螺着させることにより、ケーシング20に取り付けられる。
本実施形態では、ケーシング20は、絶縁性を有した樹脂材料からなる。樹脂材料は、絶縁性を確保することができるものであれば特に限定されるものではなく、エンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。エンジニアプラスチックとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの結晶性プラスチックであてもよい。さらに、耐熱性および強度確保の観点から、たとえばウルテム(登録商標)などのポリエーテルイミド(PEI)からなる非結晶プラスチックであることが好ましい。
ケーシング20の一方の側壁21Aの外面には、インバータ回路基板4Aに電気的に接続された電解コンデンサ63Aおよび入力端子64Aが搭載された入力用基板61Aが取り付けられている。ケーシング20の他方の側壁21Aの外面には、整流回路基板4Bに電気的に接続された電解コンデンサ63Bおよび出力端子64Bが搭載された出力用基板61Bが取り付けられている。電解コンデンサ63Aは、インバータ回路基板4Aに入力される電流の脈流を平滑化する平滑回路の一部を構成しており、電解コンデンサ63Bは、整流回路基板4Bから出力される電流の脈流を平滑化する平滑回路の一部を構成している。
本実施形態では、入力用基板61Aと一方の側壁21Aとの間と、出力用基板61Bと他方の側壁21Bとの間には、ケーシング20を、外部の構造体(図示せず)に取り付けるための一対の取り付け部材50A、50Bが配置されている。各取り付け部材50A(50B)は、入力用基板61A(出力用基板61B)とともに、締結具72をケーシング20に螺着させる(締結する)ことにより、ケーシング20に取り付けられている。本実施形態では、締結具73は、ケーシング20に螺着することなく挿通され、インバータ回路基板4A(整流回路基板4B)に固定されたスペーサ45A(45B)に螺着して、締結されている。
各取り付け部材50A(50B)には、図2に示すように空間52A(52B)が形成された枠状の本体部51A(51B)と、本体部51A(51B)から突出し、取付け孔53aが形成された脚部53A(53B)とを有している。空間52A(52B)には、電解コンデンサ63A(63B)、および入力端子64A(出力端子64B)と、インバータ回路基板4A(整流回路基板4B)とを接続する配線等が収納されている。
2.コア10について
図3に示すように、コア10は、コイル基板3の第1コイルパターン36と第2コイルパターン37とを電磁結合するものである。コア10は、U型の分割体11、12を有しており、分割体11、12は、フェライト(鉄)などの軟磁性材料から成形された成形体(たとえば圧粉磁心)である。
一方の分割体11は、コイル基板3に形成された第1挿通孔31に挿通される第1磁性部分11aと、第2挿通孔32に挿通される第2磁性部分11bと、を有している。第1磁性部分11aと第2磁性部分11bとは、連結部11cにより連結されている。他方の分割体12は、第1磁性部分11aおよび第2磁性部分11bのそれぞれと対向する位置に、第1磁性部分12aおよび第2磁性部分12bを有しており、第1磁性部分12aと第2磁性部分12bとは、連結部12cにより連結されている。一方の分割体11と他方の分割体12の間に、絶縁性のワッシャ19を挟み込むことにより、これらの間にはギャップGが形成されている。
コア10を組み立てる際には、ワッシャ19を配置した状態で、分割体11、12を、一対の押えブロック15、16で挟み込み、他方の押えブロック15を貫通したネジ穴15aに、軸部14bを螺着させ、連結ボルト14を締め込む。一対の押えブロック15、16と連結ボルト(締結具)14は、樹脂またはセラミックスなどの非磁性材料からなる。このようにして、分割体11、12により、トランス3Aの一次コイルと二次コイルとの磁気回路(磁路)を形成することができる。
このようにして組み立てられたコア10をケーシング20に取り付ける。具体的には、他方の押えブロック15には、ケーシング20の上壁22の内面(平面)に当接する平面状の当接面15cが形成されており、当接面15cはネジ穴15bが形成されている。ケーシングの上壁22に固定ネジ(固定具)71を挿通し、ネジ穴15bに固定ネジ71を螺着させ、固定ネジ71を締め込む。
3.コイル基板3を含む基板構造とその取り付け構造について
図3および図4に示すように、インバータ回路基板4Aは、コイル基板3の一端3aにおいて、コイル基板3と直交する方向に延在するように、コイル基板3に一体的に取り付けられている。本実施形態では、インバータ回路基板4Aとコイル基板3(の第1コイルパターン36)とは、それぞれに接続される接続端子41を介して、はんだによって一体的かつ電気的に接続されている。
同様に、整流回路基板4Bは、コイル基板3の他端3bにおいてコイル基板3と直交する方向に延在するように、コイル基板3に一体的に取り付けられている。整流回路基板4Bとコイル基板3(の第2コイルパターン37)とは、それぞれを接続する接続端子43を介して、はんだによって一体的かつ電気的に接続されている。本実施形態によれば、コイル基板3と、インバータ回路基板4Aと、整流回路基板4Bとを、コンパクト化された1つの基板構造体として取り扱うことができるとともに、絶縁型コンバータ1のコンパクトを図ることができる。
本実施形態では、インバータ回路基板4Aと整流回路基板4Bを、ケーシング20の対向する側壁21A、21Bに固定することにより、コイル基板3は、ケーシング20内で保持されている。コイル基板3は、ケーシング20内で中吊り状態で、ケーシング20に支持されている。これにより、取り付け時の寸法誤差等による変形・歪みを、インバータ回路基板4Aおよび整流回路基板4Bにより吸収し、コイル基板3をケーシング20内に保持することができる。
ここで、図2に示すように、インバータ回路基板4Aおよび整流回路基板4Bのそれぞれと、一対の側壁21A、21Bの内面との間には、第1磁性部分11aに対して第1挿通孔31を位置決めし、第2磁性部分11bに対して第2挿通孔32を位置決めするスペーサ45A、45Bが配置されている。
具体的には、インバータ回路基板4Aには、スペーサ45Aが固着され、整流回路基板4Bには、スペーサ45Bが固着されている。各側壁21A、21Bを挿通した締結具73をスペーサ45A、45Bに螺着させて、締め込むことにより、インバータ回路基板4Aおよび整流回路基板4Bが、ケーシング20に取り付けられている。
このように、ケーシング20の一方の側壁21Aとインバータ回路基板4Aとの間にスペーサ45Aを挟み込み、ケーシング20の他方の側壁21Bと整流回路基板4Bとの間にスペーサ45Bを挟み込む。これにより、締結具73を締め込むだけで、ケーシング20内において、コア10の第1磁性部分11aに対して第1挿通孔31を、寄生容量が最も小さくなるような位置に位置決めすることができるとともに、コア10の第2磁性部分11bに対して第2挿通孔32を、寄生容量が最も小さくなるような位置に位置決めすることができる。
具体的には、第1挿通孔31および第2挿通孔32は円形状の貫通孔である。そのため、平面視において、第1コイルパターン36の開口および第2コイルパターン37の開口も円形状になっている。また、コア10の第1磁性部分11a、12aおよび第2磁性部分11b、12bは略円柱状である。このような場合、第1コイルパターン36の開口の中心、第1磁性部分11aの軸心および第1磁性部分12aの軸心とが一致するように位置決めするとともに、第2コイルパターン37の開口の中心、第2磁性部分11bの軸心および第2磁性部分12bの軸心とが一致するように位置決めすることによって、コア10と第1コイルパターン36との間の寄生容量およびコア10と第2コイルパターン37との間の寄生容量を最小化することができる。これに加えて、コア10と第1コイルパターン36との間の放電、および、コア10と第2コイルパターン37との間の放電を抑えることができる。
4.コイル基板3について
図3および図5に示すように、コイル基板3は、磁気回路を形成するコア10の第1磁性部分11aに挿通される第1挿通孔31と、コア10の第2磁性部分11bに挿通される第2挿通孔32と、を有している。第1挿通孔31および第2挿通孔32は、円形状の貫通孔である。第1磁性部分11aは、略円柱状であり、第1磁性部分11aの円形状の断面よりも、第1挿通孔31の方が大きい。これにより、第1挿通孔31の周縁と、第1磁性部分11aとの間には、組み付け調整用のクリアランスが形成される。同様に、第2磁性部分11bは、略円柱状であり、第2磁性部分11bの円形状の断面よりも、第2挿通孔32の方が大きい。これにより、第2挿通孔32の周縁と、第2磁性部分11bとの間には、組み付け調整用のクリアランスが形成される。
コイル基板3には、第1挿通孔31と第2挿通孔32とを仕切るように貫通した貫通孔33が形成されている。貫通孔33に後述するモールド材が充填されない場合には、貫通孔33により、第1コイルパターン36と第2コイルパターン37との間に空間が形成される(空気が存在する)ため、貫通孔33を設けない場合に比べて、これらの間の寄生容量を低減することができる。ただし、後述するように、ケーシング20の内部空間Sにモールド材を充填する場合には、コイル基板3を構成する基板本体35aの絶縁材料の比誘電率よりも低い比誘電率を有したモールド材が充填される。これにより、貫通孔33にも、基板本体35aの絶縁材料の比誘電率よりも低い比誘電率を有したモールド材が充填されるため、第1コイルパターン36と第2コイルパターン37との間の寄生容量を低減することができる。
本実施形態では、図6~10に示すように、コイル基板3は、第1挿通孔31の周りに、導電性の第1コイルパターン36を有し、第2挿通孔32の周りに、第2コイルパターン37を有している。図5に示すように、コイル基板3の両側の表面には、絶縁層3cが被覆されている。これにより、第1コイルパターン36および第2コイルパターン37と、コア10との間で放電することを回避することができる。
具体的には、コイル基板3は、複数の(たとえば12層の)単層基板35(35A~35L)を積層した積層基板である。図面では、単層基板35の層数と、A~Lの符号が対応しており、4層目、8層目、および9層目の単層基板35(35D、35H、35I)は図示していない。
単層基板35は、複数の(たとえば7層の)第1単層基板35A~35Gと、複数の(たとえば5層の)第2単層基板35H~35Lとで構成される。第1単層基板35A~35Gは、第1挿通孔31の周りに沿って、第1導電パターン36A~36Gが形成され、かつ、第2挿通孔32の周りに沿って第2導電パターン37A~37Gが形成された単層基板である。第2単層基板35H~35Lは、第1導電パターン36H~36Lのみが形成された単層基板である。本実施形態では、第1導電パターン36H~36Lのみが形成された単層基板35の数だけ、第1コイルパターン36の巻き数は、第2コイルパターン37の巻き数よりも多い。
第1導電パターン36A~36Lおよび第2導電パターン37A~37Gは、ガラスエポキシ基板などの絶縁性を有した基板本体35aに、平面状に形成された矩形パターンである。第1導電パターン36A~36Lおよび第2導電パターン37A~37Gには、第1挿通孔31および第2挿通孔32に合わせて開口31a、32aが形成されている。
本実施形態では、積層された複数の第1導電パターン36A~36Lのうち、最外に位置する一対の第1導電パターン36A、36Lのみが、インバータ回路基板4Aへの端子部34A、34Aに接続されている(図8(a)および図10(c)参照)。隣接する単層基板35の第1導電パターン36A~36L同士は、上述した絶縁性を有した基板本体35aにより絶縁されている。
隣接する単層基板35の第1導電パターン36A~36L同士は、各第1導電パターン36A~36Lの開口31aの周りに沿って同じ周方向に電流が流れるように、第1導電ビア38を介して、電気的に接続されている。これにより、よりシンプルな構造で、トランス3Aの一次コイルに相当する第1コイルパターン36が形成されている。第1コイルパターン36は、巻線の形態に近い一次コイルとなる。
具体的には、図7に示すように、等間隔に配置された複数(図8ではたとえば4個)の第1導電ビア38の群38A~38Kが、端子部34Aから開口31aに向かって、間隔を空けて複数配列されている。各群38A~38Kを構成する複数(たとえば4個)の第1導電ビア38は、直線上に間隔を空けて形成されている。本実施形態では、第1導電ビア38は、隣接する12個の第1導電パターン36A~36Kの隣接する者同士を接続するため、コイル基板3の内部には、第1導電ビア38の群38A~38Kが、11個存在する。
図8(a)および(b)に示すように、最上層(1層目)の単層基板35(35A)の第1導電パターン36Aは、インバータ回路基板4Aへの一方の端子部34Aに接続される。さらに、1層目に位置する第1導電パターン36Aと、その下層(2層目)に位置する第1導電パターン36Bとは、端子部34Aに最も近い4個の第1導電ビア38の群38Aにより接続されている。図8(b)および(c)に示すように、下層(2層目)に位置する第1導電パターン36Bと、さらにその下層(3層目)に位置する第1導電パターン36Cとは、上述した4個の第1導電ビア38の群38Aに対して、開口31a側に隣接した4個の第1導電ビア38の群38Bにより接続されている。
同様に、図9(a)~(c)に示すように、5層目の単層基板35(35E)の第1導電パターン36Eと、6層目の単層基板35(35F)の第1導電パターン36Fとは、第1導電ビア38の群38Eにより接続され、6層目の単層基板35(35F)の第1導電パターン36Eと、7層目の単層基板35(35G)の第1導電パターン36Gとは、第1導電ビア38の群38Fにより接続されている。図10(a)および(b)に示すように、10層目の単層基板35Jの第1導電パターン36Jと、11層目の単層基板35(35K)の第1導電パターン36Kとは、第1導電ビア38の群38Jにより接続される。最後に、図10(b)および(c)に示すように、11層目の単層基板35(35K)の第1導電パターン36Kと、12層目の単層基板35(35L)の第1導電パターン36Lとは、第1導電ビア38の群38Lにより接続されるとともに、12層目の単層基板35Lの第1導電パターン36Lは、インバータ回路基板4Aへの他方の端子部34Aに接続される。
このようにして、図11に示すように、一方の端子部34Aから、第1導電パターン36A~36Jの順に、第1導電ビア38の群38A~38Kを介して、他方の端子部34Aまで、同じ周方向に電流が流れるように、電気的に接続されている。これにより、トランス3Aの一次コイルに相当する第1コイルパターン36が形成されている。層数が進むに従って、第1導電パターン36A~36L同士の接続する複数の第1導電ビア38の群38A~38Kを、開口31a側に順次移行させる。このようにして、第1コイルパターン36に流れる電流が、円形状の第1挿通孔31の周縁(円周縁)に沿って流れるため、第1コイルパターン36に形成される電界を安定させることができる。
本実施形態では、積層された複数の第2導電パターン37A~37Gのうち、最外に位置する一対の第2導電パターン37A、37Gのみが、整流回路基板4Bへの端子部34B、34Bに接続されている(図8(a)および図9(c)参照)。隣接する単層基板35の第2導電パターン37A~37G同士は、上述した絶縁性を有した基板本体35aにより絶縁されている。
隣接する単層基板35の第2導電パターン37A~37G同士は、各第2導電パターン37A~37Gの開口32aの周りに沿って同じ周方向に電流が流れるように、第2導電ビア39を介して、電気的に接続されている。これにより、よりシンプルな構造で、トランス3Aの二次コイルに相当する第2コイルパターン37が形成されている。第2コイルパターン37は、巻線の形態に近い二次コイルとなる。
具体的には、図7に示すように、等間隔に配置された複数(たとえば3個)の第2導電ビア39の群39A~39Fが、端子部34Bから開口32aに向かって、間隔を空けて複数配列されている。各群39A~39Fを構成する複数(たとえば3個)の第2導電ビア39は、直線上に間隔を空けて形成されている。本実施形態では、第2導電ビア39は、隣接する7個の第2導電パターン37A~37Gの隣接する者同士を接続するものであり、コイル基板3の内部には、第2導電ビア39の群39A~39Fが、6個存在する。
図8(a)および(b)に示すように、最上層(1層目)の単層基板35(35A)の第2導電パターン37Aは、整流回路基板4Bへの一方の端子部34Bに接続される。さらに、1層目に位置する第2導電パターン37Aと、その下層(2層目)に位置する第2導電パターン37Bとは、端子部34Bに最も近い3個の第2導電ビア39の群39Aにより接続されている。図8(b)および(c)に示すように、下層(2層目)に位置する第2導電パターン37Bと、さらにその下層(3層目)に位置する第2導電パターン37Cとは、上述した3個の第2導電ビア39の群39Aに対して、開口32a側に隣接した3個の第2導電ビア39の群39Bにより接続されている。
同様に、図9(a)および(b)に示すように、5層目の単層基板35(35E)の第2導電パターン37Eと、6層目の単層基板35(35F)の第2導電パターン37Fとは、第2導電ビア39の群39Eにより接続される。最後に、図9(b)および(c)に示すように、6層目の単層基板35(35F)の第2導電パターン37Fと、8層目の単層基板35(35G)の第2導電パターン37Gとは、第2導電ビア39の群39Fにより接続されるとともに、8層目の単層基板35(35G)の第2導電パターン37Gは、整流回路基板4Bへの他方の端子部34Bに接続される。
このようにして、図11に示すように、一方の端子部34Bから、第2導電パターン37A~37Gの順に、第2導電ビア39の群39A~39Fを介して、同じ周方向に電流が流れるように、他方の端子部34Bまで、電気的に接続される。これにより、トランス3Aの二次コイルに相当する第2コイルパターン37が形成されている。層数が進むに従って、第2導電パターン37A~37G同士の接続する複数の第2導電ビア39の群39A~39Fを、開口32a側に順次移行させる。このようにして、第2コイルパターン37に流れる電流が、円形状の第2挿通孔32の周縁(円周縁)に沿って流れるため、第2コイルパターン36に形成される電界を安定させることができる。
第1単層基板35A~35Gに形成された第1導電パターン36A~36Gの面積は、第1単層基板35A~35Gに形成された第2導電パターン37A~37Gの面積よりも大きい。これにより、第1単層基板35A~35Gに、第1導電パターン36A~36Gと第2導電パターン37A~37Gを形成することにより、コイル基板3の厚みを抑えることができる。
さらに、第1導電パターン36H~36Lのみが形成された第2単層基板35H~35Lを積層することにより、第1コイルパターン36の巻き数は、第2コイルパターン37の巻き数よりも多くなり、第2コイルパターン37に比べて、第1コイルパターン36は発熱し易い。しかしながら、本実施形態では、第1単層基板35A~35Gにおいて、第1導電パターン36A~36Gの面積は、第2導電パターン37A~37Gの面積よりも大きいので、第1コイルパターン36の放熱性を高めることができる。
図7に示すように、コイル基板3の平面視において、複数の単層基板35の第1導電パターン36A~36Lのみを視たときに、第1コイルパターン36は、複数の単層基板35の第1導電パターン36A~36Lにより、第1挿通孔31に沿った円状の連続した縁部を形成している。同様に、コイル基板3の平面視において、複数の単層基板35の第2導電パターン37A~37Gのみを視たときに、複数の単層基板35の第2導電パターン37A~37Gにより、第2挿通孔32に沿った円形状の連続した縁部を形成している。
このように、複数の単層基板35の第1導電パターン36A~36Lにより、第1コイルパターン36は、第1挿通孔31に沿った円状の連続した縁部を形成しているので、第1コイルパターン36により形成される電解の分布を一様にすることができる。さらに、複数の単層基板35の第2導電パターン37A~37Gにより、第2コイルパターン37は、第2挿通孔32に沿った円形状の連続した縁部を形成しているので、第2コイルパターン37により形成される電解の分布を一様にすることができる。
上述した如く、第1導電パターン36A~36Lの外縁および第2導電パターン37A~37Gの外縁は、略矩形状であり、各第1単層基板35A~35Gにおいて、第1導電パターン36A~36Lおよび第2導電パターン37A~37Gは、第1導電パターン36A~36Lの外縁の1辺と、第2導電パターン37A~37Gの外縁の1辺と、が対向するように形成されている。
このように構成することで、第1導電パターン36A~36Lと第2導電パターン37A~37Gとが対向するそれぞれの通電部分36b、37bを、他の部分に比べて幅狭とすることができ、これらの部分における寄生容量を小さくすることができる。さらに、第1導電パターンおよび第2導電パターンの隅部36a、37aに、三角形状の部分が形成され、この部分を放熱部分として作用させることができる。特に、コイル基板3の平面視において、第1挿通孔31の中心を、第1導電パターン36A~36Gの中心よりも、第2挿通孔32寄りに形成することにより、このような効果をより一層発現することができる。
なお、ケーシング20の内部空間Sには、絶縁性を有したモールド材が充填されていてもよい。モールド材の充填により、ケーシング20の内部空間Sに、トランス3A、インバータ回路基板4A、および、整流回路基板4Bをモールド材Mで封止できるのであれば、モールド材の材料としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂など特に限定されるものではない。熱硬化性樹脂としては、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、またはウレタン樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、コイル基板3を構成する基板本体35aの絶縁材料の比誘電率よりも低い比誘電率を有したモールド材が充填されることが好ましい。ケーシング20の内部空間Sに充填されるモールド材により、トランス3Aの耐圧性を確保しつつ、モールド材の比誘電率を、基板本体の絶縁材料の比誘電率よりも低い比誘電率とすることにより、モールド材に起因した寄生容量の増加を抑えることができる。基板本体35aの絶縁材料が、ガラスエポキシの場合には、その比誘電率は、4.0であることから、モールド材の比誘電率は、4.0未満(たとえば、2.0~3.0)であることが好ましい。
本実施形態によれば、コイル基板3は、第1挿通孔31の周りに第1コイルパターン36を有し、第2挿通孔32の周りに第2コイルパターン37を有することにより、トランス1Aの一次コイルと二次コイルを分離して設けることができる。これにより、コイル基板3内における一次コイルと二次コイルとの間の寄生容量を抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、巻き数が多い第1コイルパターンを一次コイルとし、巻き数が少ない第2コイルパターンを二次コイルとしたが、トランスの用途に応じて、巻き数が多い第1コイルパターンを二次コイルとし、巻き数が少ない第2コイルパターンを一次コイルとしてもよい。さらに、第1コイルパターンおよび第2コイルパターンに流れる電流方向が同じ周方向となるように、第1導電ビアおよび第2導電ビアにより、第1導電パターンおよび第2導電パターンを電気的に接続したが、これらの方向が逆方法となるように、第1導電ビアおよび第2導電ビアにより、第1導電パターンおよび第2導電パターンを電気的に接続してもよい。
1:絶縁型コンバータ、3:コイル基板、3A:トランス、3c:絶縁層、4A:インバータ回路基板(一次側回路基板)、4B:整流回路基板(二次側回路基板)、10:コア、11a:第1磁性部分、11b:第2磁性部分、31:第1挿通孔、32:第2挿通孔、35:単層基板、35a:基板本体、35A~35G:第1単層基板、35H~35K:第2単層基板、36:第1コイルパターン、36A~36K:第1導電パターン、37:第2コイルパターン、37A~37G:第2導電パターン、38:第1導電ビア、39:第2導電ビア

Claims (5)

  1. 磁気回路を形成するコアの第1磁性部分に挿通される第1挿通孔と、前記コアの第2磁性部分に挿通される第2挿通孔と、を有したトランス用のコイル基板であって、
    前記コイル基板は、前記第1挿通孔の周りに、一次コイルまたは二次コイルのいずれか一方となる第1コイルパターンを有し、前記第2挿通孔の周りに、前記一次コイルまたは前記二次コイルの他方となる第2コイルパターンを有しており、
    前記コイル基板は、複数の単層基板を積層した積層基板であり、
    前記単層基板には、前記第1挿通孔の周りに沿って第1導電パターンが形成されており、隣接する単層基板の前記第1導電パターン同士を電気的に接続することにより、前記第1コイルパターンが形成され、
    前記単層基板には、前記第2挿通孔の周りに沿って第2導電パターンがさらに形成されており、隣接する単層基板の前記第2導電パターン同士を電気的に接続することにより、前記第2コイルパターンが形成されており、
    前記コイル基板には、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とを仕切るように貫通した貫通孔が形成されており、
    前記コイル基板の両側の表面には、絶縁層が被覆されていることを特徴とするトランス用のコイル基板。
  2. 前記単層基板には、前記第1導電パターン同士を電気的に接続する第1導電ビアにより、前記第1コイルパターンが形成されており、
    前記単層基板には、前記第2導電パターン同士を電気的に接続する第2導電ビアにより、前記第2コイルパターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトランス用のコイル基板。
  3. 複数の前記単層基板のうち、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが形成された第1単層基板と、前記第1導電パターンのみが形成された第2単層基板と、を有しており、
    前記コイル基板の平面視において、前記第1単層基板に形成された第1導電パターンの面積は、前記第1単層基板に形成された第2導電パターンの面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のトランス用のコイル基板。
  4. 前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、円形状であり、
    前記コイル基板の平面視において、複数の前記単層基板の第1導電パターンのみを視たときに、複数の前記単層基板の第1導電パターンにより、前記第1コイルパターンは、前記第1挿通孔に沿った円状の連続した縁部を形成しており、
    前記コイル基板の平面視において、複数の前記単層基板の第2導電パターンのみを視たときに、複数の前記単層基板の第2導電パターンにより、前記第2コイルパターンは、前記第2挿通孔に沿った円形状の連続した縁部を形成していることを特徴とする請求項に記載のトランス用のコイル基板。
  5. 前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とは、円形状であり、
    前記コイル基板の平面視において、前記第1導電パターンの外縁および前記第2導電パターンの外縁は、略矩形状であり、
    前記第1導電パターンおよび前記第2導電パターンは、前記第1導電パターンの外縁の1辺と、前記第2導電パターンの外縁の1辺と、が対向するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトランス用のコイル基板。
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