JP7689655B2 - 移動式ハウス、移動式ハウスの据付方法及び移動式ハウス用の基礎 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、移動式ハウス、移動式ハウスの据付方法及び移動式ハウス用の基礎に関する。
近年、海上コンテナの中古品を利用したコンテナハウスや海上コンテナを模擬したコンテナハウスの需要が高まっている。コンテナハウスには、所望の場所に簡易に据付けた後、速やかに撤去して別の場所に据付けるニーズが増えている。このため、コンテナハウスを簡易に基礎に着脱できるようにするための種々の着脱構造が提案されている(例えば特許文献1乃至6参照)。
具体的には、コンクリート製の基礎に埋設されたアンカーボルトにナットを締付けてコンテナハウスが据付けられることから、コンテナハウスのコーナーキャスティングや角部材に、ナットを締付けるために工具や手を差し入れるための開口部が設けられる。
特開2007-051419号公報 特開2007-224707号公報 特開2013-185375号公報 特開2018-003451号公報 特許第6433611号公報 特許第6767031号公報
本発明は、コンテナハウス等のハウスを容易に移動できるようにしつつ、利便性を向上させることを目的とする。
本発明の実施形態に係る移動式ハウスは、少なくとも柱と梁で構成されるハウスと、前記柱及び前記梁の少なくとも一方を、取外し可能なボルト及びナットで直接又は間接的に締付けることによって前記ハウスを着脱可能に支持する基礎であって、内部に前記取外し可能なボルトの頭又は前記ナットを配置するための空隙を形成し、かつ前記取外し可能なボルトと前記ナットを締付けるために前記空隙に工具又は手を挿入するための挿入口を設けた基礎とを有し、前記基礎は、鉄筋コンクリートと、内側に前記空隙を形成し、両側における開口端を前記挿入口とする溝形鋼であって、前記取外し可能なボルトを通すための貫通孔又は雌ねじを形成したウェブを前記ハウス側に向かって前記基礎の外部に露出させた状態で前記鉄筋コンクリートに埋設される溝形鋼と、前記溝形鋼と溶接によって接合され、前記鉄筋コンクリートに埋込まれる鉄骨からなるベースプレートと、前記鉄筋コンクリートに埋設され、前記ベースプレートを前記鉄筋コンクリートに固定するアンカーボルトであって、前記空隙の外部においてナットで締付けられることによって前記ベースプレートと連結されるアンカーボルトとを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る移動式ハウスの据付方法は、上述した移動式ハウスの据付方法であって、前記空隙に前記ボルトの頭又は前記ナットを配置することによって前記ハウスを前記基礎に据付けるものである。
また、本発明の実施形態に係る移動式ハウス用の基礎は、少なくとも柱と梁で構成されるハウスの前記柱及び前記梁の少なくとも一方を、取外し可能なボルト及びナットで直接又は間接的に締付けることによって前記ハウスを着脱可能に支持する移動式ハウス用の基礎であって、内部に前記取外し可能なボルトの頭又は前記ナットを配置するための空隙を形成し、かつ前記取外し可能なボルトと前記ナットを締付けるために前記空隙に工具又は手を挿入するための挿入口を有するものである。この移動式ハウス用の基礎は、鉄筋コンクリートと、内側に前記空隙を形成し、両側における開口端を前記挿入口とする溝形鋼であって、前記取外し可能なボルトを通すための貫通孔又は雌ねじを形成したウェブを前記ハウス側に向かって前記基礎の外部に露出させた状態で前記鉄筋コンクリートに埋設される溝形鋼と、前記溝形鋼と溶接によって接合され、前記鉄筋コンクリートに埋込まれる鉄骨からなるベースプレートと、前記鉄筋コンクリートに埋設され、前記ベースプレートを前記鉄筋コンクリートに固定するアンカーボルトであって、前記空隙の外部においてナットで締付けられることによって前記ベースプレートと連結されるアンカーボルトとを有する。
本発明の第1の実施形態に係る移動式ハウスの天井、床及び外壁を取付ける前の断面図。 図1に示す移動式ハウスの位置B-Bにおける断面図。 図1に示すハウスに長手方向の側壁として取付けられるパネルの一例を示す平面図。 図1に示す移動式ハウスの天井側における柱と梁の平面図。 図1に示す移動式ハウスの床側における柱と梁の平面図。 図1に示す複数の基礎の配置例を示す平面図。 図6に示す各基礎の拡大正面図。 図7に示す基礎の平面図。 図7に示す基礎の位置C-Cにおける断面図。 2つのハウスを隣接配置する場合に使用される基礎の構造例を示す拡大平面図。 図1に示すハウスの梁と基礎との連結部分における拡大部分断面図。 図11に示す連結部分の平面図。 図11に示すシムの平面図。 ハウスを基礎に据付けた後に基礎の挿入口を閉じるための閉塞部材の構造の一例を示す斜視図。 ハウスを基礎から取外した後に基礎の挿入口とともにボルトを挿入するための貫通孔を閉じるための閉塞部材の構造の一例を示す斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る移動式ハウスのハウスと基礎の連結部分における構造を示す正面図。 図16に示す連結部分の位置D-Dにおける断面図。
本発明の実施形態に係る移動式ハウス、移動式ハウスの据付方法及び移動式ハウス用の基礎について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(移動式ハウスの構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る移動式ハウス1の天井、床及び外壁を取付ける前の断面図であり、図2は図1に示す移動式ハウス1の位置B-Bにおける断面図である。尚、図1は図2の位置A-Aにおける断面を示している。
移動式ハウス1は、基礎2でハウス3を着脱可能に支持することによって構成される。基礎2は上面を地上に露出した状態で、理想的には基礎2の上面がグラウンドラインGLと同一平面上となるように地中に埋め込まれる。このため、異なる場所にそれぞれ基礎2を埋設しておけば、ハウス3を基礎2間で移動することができる。尚、グラウンドラインGLは、グラウンドレベルとも呼ばれる。
ハウス3は単一であっても良いし、複数のハウス3を長さ方向、幅方向及び高さ方向の少なくとも一方向に連結しても良い。複数のハウス3を長さ方向及び幅方向の少なくとも一方に連結して移動式ハウス1を構成する場合には、各ハウス3を支持する基礎2が準備される。
ハウス3は、少なくとも柱4と梁5で構成され、床及び天井の他、所望の部位に所望の形状を有する外壁材及び内壁材を取付けることができる。構造が簡易化された典型的なハウス3は、強度を確保するために、四隅に配置される4本の柱4を、ハウス3の長さ方向を長さ方向とする4本の梁5と、ハウス3の幅方向を長さ方向とする4本の梁5で連結して構成される。
柱4と梁5は、分解した状態でハウス3の据付場所に輸送し、簡易に組立てられるようにボルトとナットで連結しても良いが、強度を確保することを重視する場合には溶接によって接合することが現実的である。また、互いに長さ方向が垂直となるように連結される柱4と梁5には、必要に応じて長さ方向を傾斜方向とする方杖を連結して補強しても良いが、強度が確保される場合には省略しても良い。図1及び図2は、方杖を省略できるように柱4と梁5の強度を設計した例を示している。
図3は、図1に示すハウス3に長手方向の側壁として取付けられるパネル6の一例を示す平面図である。
柱4及び梁5の少なくとも一方に図3に例示されるような海上コンテナの外観を有するコルゲート型(波型)のパネル6を取付ければ、ハウス3を少なくとも一部が海上コンテナの外観を有するコンテナハウスとすることができる。図3に例示されるパネル6には、内壁材を取付けるための平坦な取付面を形成した突起6Aが設けられている。もちろん、所望の形状を有する外壁材や天井を柱4及び梁5の少なくとも一方に取付けることによって、鉄道用貨物コンテナ等の陸上用貨物コンテナや航空貨物コンテナのように一部の壁面がコルゲート型となり、他の壁面が平面となっているコンテナハウスを構成しても良い。
また、コンテナハウスに限らず、例えば、ガラス製のパネルを柱4及び梁5の少なくとも一方に取付ければ、太陽光を利用した明るく開放的なハウス3を形成することができる。このため、天井、床及び外壁材の材質を選択することによって、全面ガラス張りのハウス3はもちろん、一部が木造のハウス3を形成することも可能である。店舗利用やステージとしての利用のように、ハウス3の利用目的によっては、外壁材を必ずしも取付ける必要は無く、内壁材及び外壁材の双方を取付けずに開放させた状態で使用しても良い。また、屋根を傾斜させて取付けられるように金具を固定しても良い。
ハウス3の外観をコンテナハウスとするか否かを問わず、サイズを海上コンテナのサイズとすれば、海上コンテナの輸送及び運送用に規格化されている船舶やトラックでハウス3を輸送及び運送することが可能となる。海上コンテナの長さ、幅及び高さで定義されるサイズは国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)によって規格化されており、ISO規格による海上コンテナの長さは、20フィート、40フィート、45フィート、48フィート又は53フィート、幅は8フィート、高さは8フィート6インチ又は9フィート6インチである。ISO規格による海上コンテナは、国際海上貨物用コンテナと呼ばれる。尚、日本国内では、ISO規格に対応する国際貨物コンテナの幅、長さ及び高さが日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)でも単位をミリメートルとしてJISZ1614等で規格されている。
逆に、ハウス3のサイズを海上コンテナのサイズとして規格されていないサイズにしても良い。すなわち、ハウス3のサイズを規格化されていない独自のサイズに設定しても良い。その場合には、ハウス3を、クレーンを搭載したトラック(ユニック車)や汎用の大型トラック等に積載することが可能となる。但し、ここでは、ハウス3のサイズを海上コンテナのサイズとする場合を例に説明する。
一方、柱4及び梁5については、建築基準法において鉄骨造の建築物の構造耐力上主要な部分の材料として指定されたJISの鋼材で構成することが好ましい。柱4及び梁5をJISの鋼材で構成すれば」、移動式ハウス1を鉄骨造の建築物として使用することができる。
尚、鋼材には、炭素鋼とステンレス鋼があり、JISG3101で規定されている一般構造用圧延鋼材、JISG3136で規定されている建築構造用圧延鋼材、JISG3350で規定されている一般構造用軽量形鋼、JISG3466で規定されている一般構造用角形鋼管の他、建築基準法で指定されていないJIS鋼材ではあるものの実用的な鋼材としてJISG3133で規定されているほうろう用脱炭鋼板及び鋼帯等の様々な鋼材がJISで規定されている。
ハウス3は、柱4及び梁5の少なくとも一方を、取外し可能なボルト7及びナット8で直接又は間接的に基礎2に締付けることによって着脱可能に基礎2で支持される。すなわち、ハウス3を基礎2から着脱するために、コンクリート製の基礎2に埋設されるアンカーボルトへのナットの締付けは行われない。従って、ハウス3を着脱するために基礎2からアンカーボルトを突出させる必要が無い。このため、ハウス3を除去した後の基礎2の埋設エリアに障害物が無くなり、基礎2の埋設エリアを有効利用することができる。
取外し可能なボルト7及びナット8を柱4及び梁5の少なくとも一方と、基礎2の双方に着脱可能に締付けるためには、ボルト7及びナット8を柱4及び梁5の少なくとも一方と、基礎2の双方に締付けるためのスペースが必要となる。そこで、基礎2の内部には少なくともボルト7の頭又はナット8を配置するための空隙9が形成される。加えて、基礎2には、ボルト7とナット8を締付けるために空隙9に工具又は手を挿入するための挿入口10が設けられる。他方、ボルト7とナット8を締付ける対象となる柱4又は梁5についても、ボルト7とナット8を締付けることが可能な構造とされる。
ハウス3は、柱4をボルト7及びナット8で基礎2に締付ける構造としても良いし、梁5をボルト7及びナット8で基礎2に締付ける構造としても良い。また、ボルト7及びナット8を柱4又は梁5に直接締付けても良いし、金具等のアタッチメントを介在させて間接的に締付けても良い。
具体例として、ハウス3の形状を国際貨物コンテナの規格化された形状とせずに、四隅の柱4をグラウンドラインGL側に突出させる場合であれば、特許文献5として例示した特許第6433611号公報の図8に示すように、柱4のグラウンドラインGL側の先端にボルト7を挿入するためのフランジを形成しても良い。この場合には、柱4がボルト7及びナット8で直接基礎2に締付けられることになる。
別の具体例として、柱4をグラウンドラインGL側に突出させない場合であっても、例えば、特開2020-87553号公報に開示されているように、柱4に、フランジを形成した連結用の柱を連結すれば同様に柱4をボルト7及びナット8で基礎2に締付けることができる。この場合には、柱4がボルト7及びナット8で間接的に基礎2に締付けられることになる。
ハウス3の形状を国際貨物コンテナの規格化された形状とする場合には、基礎2で支持するためのハウス3の下面が、グラウンドラインGL側の梁5又は梁5と連結されるコーナーキャスティングとなる場合が多い。このため、ボルト7及びナット8を梁5に直接又はコーナーキャスティングを介在させて間接的に締付けることが実用的である。
典型的なコーナーキャスティングはJISG3466で規定されている横断面が矩形の一般構造用角形鋼管で構成される柱4と梁5の連結部分となるコーナーに設けられる。このため、コーナーキャスティングに開口部を設ければ、ボルト7又はナット8をコーナーキャスティング内に配置して工具で締付けることができる。
すなわち、基礎2内の空隙9からハウス3のコーナーキャスティング内に向かってボルト7を挿入する場合であれば、コーナーキャスティング内に突出するボルト7の雄ねじをナット8で締付けることができる。逆に、コーナーキャスティングに適切な開口部を形成すれば、コーナーキャスティング内から基礎2内の空隙9に向かってボルト7を挿入し、基礎2の空隙9内に配置したナット8で締付けることができる。
いずれの場合においても、コーナーキャスティングの開口部からトルクレンチ等の工具や手を挿入してナット8又はボルト7へのトルクの付与或いはナット8又はボルト7の回転の抑止を行うことができる。同様に、基礎2の挿入口10から工具や手を空隙9に挿入してナット8又はボルト7へのトルクの付与或いはナット8又はボルト7の回転の抑止を行うことができる。
このように、ボルト7は、ハウス3内から基礎2内の空隙9に向かって挿入しても良いし、基礎2内の空隙9からハウス3内に向かって挿入しても良い。但し、基礎2内の空隙9からハウス3内に向かってボルト7を挿入する場合には、ボルト7の長さ以上の深さを有する空隙9を基礎2内に形成することが必要となる。
このため、ボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入できるようにハウス3の柱4と梁5を設計すれば、基礎2内の空隙9の深さを浅くできるのみならず、ボルト7とナット8の締付作業を容易にすることができる。具体的には、基礎2内の空隙9に配置したナット8をレンチ等の工具で回らないように保持しながらハウス3内ではトルクレンチ等の工具でボルト7を回転させる作業によって、ボルト7をナット8で締付けることができる。そこで、以降では、ボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入する場合を例に説明する。
図4は図1に示す移動式ハウスの天井側における柱4と梁5の平面図であり、図5は図1に示す移動式ハウスの床側における柱4と梁5の平面図である。
図示されるようにボルト7及びナット8で基礎2に締付けられるハウス3の柱4及び梁5の少なくとも一方を、山形鋼(アングル鋼)等の形鋼11で構成することができる。そうすると、柱4又は梁5を鋼管で構成する場合と異なり、干渉が無いことからボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入することが可能となる。
図示された例では、ハウス3の柱4及び梁5の全てが、横断面の形状がL型である山形鋼で構成されている。もちろん、横断面の形状がC型である溝形鋼(チャンネル鋼)、軽溝形鋼或いはリップ溝形鋼、横断面の形状がI型であるI型(ジョイスト)鋼、横断面の形状がH型であるH型(エッチ)鋼等の他の形鋼11でハウス3の柱4及び梁5を構成しても良い。
尚、少なくともボルト7を挿入するための孔が形成される柱4又は梁5を形鋼11で構成すれば、ボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入することが可能となる。このため、ボルト7を挿入するための孔が形成される柱4又は梁5の一部を形鋼11で構成し、他の柱4及び梁5については鋼管で構成しても良い。
但し、図示されるように柱4及び梁5の全てを必要な強度を有する形鋼11で構成すれば、鋼管で構成する場合に比べて、強度を補強するための方杖が不要となる場合が多い。このため、ハウス3内における空間の有効利用に繋がるのみならず、方杖を隠すための壁が不要となり、全面ガラス張りとしたり、開放したりするなど、ハウス3の自由な装飾が可能となる。また、床板を取付けられるように床側の梁5には、溝形鋼等の鋼材12を設けることができる。もちろん、屋根を取付けられるように、屋根側の梁5に溝形鋼等の鋼材12を設けることもできる。
図示されるようにいずれも山形鋼で構成される柱4と梁5を接合する場合には、厚さ方向が同一となる端部を長さ方向に対して45度傾斜する輪郭となるようにそれぞれ切断し、互いに突き合わせて溶接することができる。この場合、基礎2と着脱されるハウス3の面は、床側の2本の梁5の両端における下面となる。すなわち、ハウス3は床側の2本の梁5の両端における4箇所で基礎2により支持され、床側の2本の梁5の両端における4箇所でそれぞれボルト7とナット8で基礎2に着脱可能に固定されることになる。このため、以降では、主に床側の2本の梁5を基礎2で支持する場合を例に説明する。
図6は、図1に示す複数の基礎2の配置例を示す平面図である。
図6に示すように基礎2は、ハウス3を支持する位置に合わせて配置される。従来のアンカーボルトを埋設した基礎でハウスを支持する場合と異なり、ハウス3側からボルト7を基礎2側の貫通孔又は雌ねじに挿入するためには、基礎2の高度な位置決め精度が要求される。
このため、長尺構造を有する2本の基礎を、平行にハウス3の長さ方向に離間配置せずに、ハウス3を支持する位置ごとに独立した基礎2を配置することが望ましい。換言すれば、基礎2を、ハウス3の長さ方向と幅方向のいずれにおいても共通の基礎2とせずに別々に独立して設けることが好ましい。従って、ハウス3を4箇所で支持する場合には図6に例示されるように4つの基礎2が上面を露出させた状態で地中に埋設される。
このように基礎2を独立させれば、基礎2の上面をグラウンドラインGLと合わせつつ基礎2の位置が適切な位置となるように不陸整正することができる。その結果、ハウス3側からボルト7を基礎2側の貫通孔又は雌ねじに挿入することが容易となる。
図7は図6に示す各基礎2の拡大正面図、図8は図7に示す基礎2の平面図、図9は図7に示す基礎2の位置C-Cにおける断面図である。
各図に図示されるように、基礎2は、鉄骨13を、鉄筋コンクリート14に埋設して構成することができる。鉄骨13の内側又は内部には、ナット8を配置して工具等で保持するための空隙9が形成され、空隙9には工具又は手を挿入するための挿入口10が設けられる。また、鉄骨13には、ボルト7とナット8で直接又は他の部材を挟んで間接的に柱4及び梁5の少なくとも一方を締付けるための着脱面15が形成される。鉄骨13の着脱面15には、ボルト7を通すための貫通孔16が形成される。
そして、鉄骨13は、着脱面15を外部に露出させた状態で鉄筋コンクリート14に埋設される。図示された例では、横断面が逆T字型の鉄筋コンクリート14に横断面が概ね矩形の溝17が形成されており、貫通孔16を形成したウェブを着脱面15とする溝形鋼18が鉄骨13として鉄筋コンクリート14の溝17に埋め込まれている。このため、溝形鋼18の両側における開口端を、工具又は手を空隙9に挿入するための挿入口10として利用することができる。もちろん、鉄骨13を、板材を接合することによって溝形鋼18と同じ形状を有する鉄骨で構成しても良い。
鉄骨13は、鉄筋コンクリート14に別の鉄骨として埋込まれ、かつアンカーボルト19で鉄筋コンクリート14に固定されたベースプレート20に溶接等によって接合することができる。これにより、鉄骨13を鉄筋コンクリート14に強固に固定することができる。つまり、基礎2を構成する鉄筋コンクリート14に埋設されるアンカーボルト19でハウス3を基礎2に固定する代わりに、ハウス3を着脱可能に連結するための鉄骨13をアンカーボルト19で基礎2に固定することができる。
このような構造を有する基礎2は、ベースプレート20に溶接等によって接合した溝形鋼18等の鉄骨13をアンカーボルト19と連結して鉄筋と同様に組立てた後、コンクリートを流し込んで固めることによって製作することができる。
図10は、2つのハウス3を隣接配置する場合に使用される基礎2の構造例を示す拡大平面図である。
図10に例示されるように、基礎2に、複数の空隙9を隣接させて形成すれば、複数のハウス3を隣接させて着脱することが可能となる。具体的には、鉄筋コンクリート14に溝形鋼18を埋設して基礎2を構成する場合であれば、鉄筋コンクリート14に2つの溝形鋼18を隣接して埋設することができる。
尚、2つの溝形鋼18を隣接させる方向にハウス3を隣接配置することが可能となる。従って、2つの溝形鋼18を隣接させる方向をハウス3の長さ方向とずれば、ハウス3の長さ方向に別のハウス3を隣接配置することが可能となる。一方、2つの溝形鋼18を隣接させる方向をハウス3の幅方向とずれば、ハウス3の幅方向に別のハウス3を隣接配置することが可能となる。
複数のハウス3を隣接配置する場合においても、図6を参照して説明したように、単一のハウス3の長さ方向と幅方向のいずれにおいても共通の基礎2とせずに基礎2を別々に独立して設けることが、ハウス3側から基礎2の鉄骨13に向かって容易にボルト7を挿入できるようにする観点から好ましい。つまり、隣接する2つのハウス3間では間隔が短くなることから位置決め精度誤差を甘受して基礎2を共通にしても良いが、1つのハウス3内では支持位置の間隔が長くなることから位置決め精度の誤差の影響が生じないように基礎2を分割することが好ましい。
尚、図10に示す基礎2に限らず、図6に示す基礎2についても、基礎2の長さ方向をハウス3の幅方向とすることができる。換言すれば、図6に示す基礎2の長さ方向を90°回転させても良い。
図11は図1に示すハウス3の梁5と基礎2との連結部分における拡大部分断面図、図12は図11に示す連結部分の平面図である。
上述したように山形鋼で構成されるハウス3の梁5を、基礎2に埋設された溝形鋼18にボルト7とナット8で連結することができる。そのために、溝形鋼18の着脱面15とボルト7及びナット8で連結される梁5の部分には、溝形鋼18の着脱面15に形成された貫通孔16の位置に合わせてボルト7を通すための貫通孔21が形成される。図11及び図12に示された例では、4本のM16ボルトで梁5を溝形鋼18の着脱面15に連結できるように、4箇所の貫通孔16が溝形鋼18の着脱面15に、4箇所の貫通孔21が梁5に、それぞれ形成されている。
このような構造により、ハウス3内から基礎2に埋設された溝形鋼18等の鉄骨13に向けてボルト7を挿入し、鉄骨13の空隙9内で突出したボルト7の先端にナット8を締付けることができる。また、ナット8をボルト7に締付ける際には、鉄骨13の挿入口10から工具や手を挿入してナット8の回転を抑止しつつ、トルクレンチ等の工具でハウス3内からボルト7に適切なトルクを付与することができる。
尚、ハウス3のサイズによっては、鉄骨13の着脱面15に、ボルト7を通すための貫通孔16に代えてボルト7を締付けるための雌ねじを形成しても良い。換言すれば、ボルト7を通すための貫通孔16は雌ねじであっても良い。より具体的には、ハウス3のサイズが小さく、梁5の貫通孔21と鉄骨13との間における位置決め誤差を無視できる場合には、鉄骨13に雌ねじを形成してボルト7を締付けるようにしても良い。逆に、鉄骨13の位置決め誤差が無視できない場合には、上述した例のように鉄骨13の着脱面15に貫通孔16を形成して位置決め誤差を吸収することが現実的である。
ところで、上述したように、ハウス3のサイズを国際貨物コンテナの規格化されたサイズにすれば、国際貨物コンテナの輸送及び運送用に規格化されている船舶やトラックでハウス3を輸送及び運送することが可能となる。但し、国際貨物コンテナには船舶やトラックに固定するためのコーナーキャスティングが設けられる一方、船舶やトラックの荷台には、国際貨物コンテナのコーナーキャスティングを固定するためのキャスティングロックが備えられる場合が多い。このため、ハウス3のサイズが国際貨物コンテナのサイズであったとしても、ハウス3にキャスティングロックに連結するための構造が無ければハウス3をキャスティングロックに連結することができない。
そこで、図12に例示されるように、ハウス3の梁5を構成する山形鋼等の形鋼11に、キャスティングロックで固定するための長孔22を形成することができる。これにより、キャスティングロックで固定するための長孔22の配置が規格に適合さえすれば、ハウス3の外観がコンテナハウスであるか否かやハウス3のサイズが厳密に国際貨物コンテナのサイズであるか否かを問わず、キャスティングロックを備えた船舶やトラックでハウス3を輸送又は運送することが可能となる。すなわち、キャスティングロックを利用してハウス3を輸送又は運送することが可能となる。
また、溝形鋼18等の鉄骨13の着脱面15は、グラウンドラインGLと同一平面上となるように設計されることから、ハウス3を構成する梁5の下面を鉄骨13の着脱面15と直接接触させると、梁5が地面と接触する可能性が高い。そこで、図11等に例示されるように、ハウス3の床側の梁5が地面と接触しないように、ハウス3の床側の梁5の下面側、すなわち梁5と鉄骨13の着脱面15との間には、適切な厚さのシム23を介在させることができる。これにより、ハウス3の床側の梁5と、地面との間に所望の距離の隙間を形成することが可能となる。
図13は図11に示すシム23の平面図である。
梁5と鉄骨13の間にシム23を配置する場合には、図13に例示されるようにシム23にもボルト7を通すための貫通孔24を設けてシム23を梁5に溶接するか、梁5を鉄骨13に固定するためのボルト7でシム23を梁5に固定することが、ハウス3をキャスティングロックで安定的に固定する観点から現実的である。従って、梁5をキャスティングロックで固定するための長孔22がシム2で塞がれてしまわないように、シム23にもキャスティングロックで固定するための長孔25を形成することが適切である。このようなシム23の構造と配置により、シム23を取付けた状態で梁5をキャスティングロックで固定し、船舶やトラックの荷台と梁5との間に所望の隙間を形成することが可能となる。
尚、複数のハウス3を高さ方向に連結する場合、すなわち2階建て以上の移動式ハウス1を据付ける場合においても、図4に例示されるように、天井側の梁5の四隅の構造を、鉄骨13の着脱面15にボルト7で固定するための床側の梁5の四隅の構造と同様な構造とすれば、高さ方向に隣接する2つのハウス3をボルト7とナット8で着脱可能に連結することが可能となる。その場合においても、上の階のハウス3の床側の梁5と、下の階のハウス3の天井側の梁5との間にシム23を介在させれば、高さ方向に隣接する2つのハウス3の間に所望の距離の隙間を形成することが可能となる。
ハウス3を基礎2に据付ける時とハウス3を基礎2から取外す際には、工具又は手を基礎2内の空隙9に挿入してナット8を配置又は取出すために挿入口10を利用することが必要となるが、ハウス3を基礎2に据付けた後やハウス3を基礎2から取外した後には、挿入口10や貫通孔16から基礎2内の空隙9に土、草、虫及び雨水等の不要な物が入り込まないようにすることが好ましい。
そこで、ハウス3を基礎2に据付けた後やハウス3を基礎2から取外した後には、基礎2の挿入口10や貫通孔16を塞ぐようにすることができる。もちろん、ハウス3を基礎2に据付けた後やハウス3を基礎2から取外した後、挿入口10や貫通孔16から不要な物が入り込む可能性が低い場合には、挿入口10や貫通孔16を露出したままにしても良い。
図14はハウス3を基礎2に据付けた後に基礎2の挿入口10を閉じるための閉塞部材26の構造の一例を示す斜視図であり、図15はハウス3を基礎2から取外した後に基礎2の挿入口10とともにボルト7を挿入するための貫通孔16を閉じるための閉塞部材27の構造の一例を示す斜視図である。
ハウス3が基礎2に連結されている間は、空隙9を形成するための鉄骨13として用いられる溝形鋼18の着脱面15に形成される貫通孔16にはボルト7が挿入される。従って、溝形鋼18の着脱面15に形成される貫通孔16は塞がれた状態となる。
これに対して、図示されるように溝形鋼18の長さを鉄筋コンクリート14の溝17の長さよりも短くすることによって、基礎2の上面がグラウンドラインGLとなるように基礎2を地中等に埋めたとしても、溝形鋼18の両端に形成される挿入口10が開放されるようにする場合には、ハウス3を基礎2に据付けた後も、挿入口10が開放されたままとなってしまう。
そこで、図14に例示されるように、基礎2に着脱可能な閉塞部材26で溝形鋼18の両端に形成される挿入口10を閉塞することができる。より具体的には、溝形鋼18内の空隙9に存在するボルト7の先端及びナット8と干渉しないようにネジ26Aで着脱可能に連結した横断面がL字型の2つのブラケット26Bで、溝形鋼18の両端に形成される挿入口10を閉塞するための閉塞部材26を構成することができる。
そして、閉塞部材26で溝形鋼18の両端に形成される挿入口10を閉塞することによって、溝形鋼18内の空隙9に不要な物が入り込むことを防止することができる。尚、閉塞部材26で挿入口10を閉塞した後に閉塞部材26の上方に生じる基礎2の凹みは一時的に土や緩衝材のような詰め物で埋め、閉塞部材26を取外す際には詰め物を除去するようにしても良い。
一方、ハウス3を基礎2から取外した後は、溝形鋼18の両端に形成される挿入口10のみならず、溝形鋼18の着脱面15に形成される貫通孔16も外部に露出した状態となる。そこで、図15に例示されるように、基礎2に着脱可能な閉塞部材27で、溝形鋼18の両端に形成される挿入口10とともに、溝形鋼18の着脱面15に形成される貫通孔16も閉塞することができる。
図15に例示される閉塞部材27は、溝形鋼18全体を上方から覆うことができるように、溝形鋼18の形状に合わせてキャップ型に成形した簡易な構造を有する単一の板材となっている。このため、閉塞部材27を溝形鋼18に嵌めこむことによって挿入口10及び貫通孔16を閉塞することができる。閉塞部材27で挿入口10及び貫通孔16を閉塞した後に閉塞部材27の上方に生じる基礎2の凹みについても土や緩衝材のような詰め物で埋め、再びハウス3を基礎2に据付けるために閉塞部材27を取外す際には詰め物を除去するようにしても良い。
尚、溝形鋼18の長さを鉄筋コンクリート14の溝17の長さと同程度にしても良い。その場合には、溝形鋼18の両端付近の土を掘って挿入口10を外部に開放させることが必要となる。また、溝形鋼18の長さに関わらず、溝形鋼18の両端に鋼管等の別の鉄骨部品を連結し、連結した鉄骨部品の所望の位置に挿入口10を形成したり、溝形鋼18自体を鋼管や箱型の部材等に置換して所望の位置に挿入口10を形成したりしても良い。
溝形鋼18の両端を挿入口10としない場合においても、鉄骨13に形成される挿入口10を閉塞部材で閉塞できるようにすることが、鉄骨13内の空隙9に不要な物が入り込むことを防止する観点から好ましい。そこで、挿入口10を上方に向けて鉄骨13に設け、蝶番で蓋が開閉する開閉扉や蓋をスライドさせて開閉させる開閉扉のような開閉可能に構成される閉塞部材で挿入口10を閉塞するようにしても良い。
(移動式ハウスの据付方法)
移動式ハウス1を据付ける場合には、予めハウス3の据付対象となる場所に図6に例示されるように複数の基礎2が埋設される。複数のハウス3を隣接配置する場合には、2つのハウス3を隣接部分で支持するための基礎2として、図7乃至図9に例示されるような1つの空隙9を内部に形成した基礎2ではなく、図10に例示されるように2つの空隙9を内部に形成した基礎2が用いられる。また、ハウス3を異なる場所に移動させながら順次据付ける場合には、それぞれの場所に複数の基礎2が埋設される。
基礎2にはハウス3をボルト7とナット8で連結するための貫通孔16と空隙9の他、空隙9に工具又は手を挿入するための挿入口10が形成されるため、基礎2の空隙9内に土等の不要な物が入らないように、図15に例示されるような閉塞部材27を基礎2に被せておくことができる。
そして、あるハウス3をある場所に埋設された基礎2に据付ける場合には、基礎2から閉塞部材27が取外された後、図11及び図12等に示すように、ハウス3を構成する柱4及び梁5の少なくとも一方が、取外し可能なボルト7とナット8で基礎2に締付けられる。これにより、ハウス3を着脱可能に基礎2で支持することができる。
この際、基礎2の内部には空隙9が形成されているため、基礎2内の空隙9にボルト7の頭又はナット8を配置することによってハウス3を基礎2に据付けることができる。また、挿入口10から工具や手を挿入してボルト7とナット8の締付を行うことができる。特に、基礎2に締付けられる対象となる柱4又は梁5を形鋼11で構成すれば、ボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入する一方、基礎2内の空隙9にナット8を配置することによってハウス3を基礎2に据付けることができる。
ハウス3を基礎2に据付けた後は、挿入口10から基礎2の空隙9内に土等の不要な物が入らないように、図14に例示されるような閉塞部材26で挿入口10を塞いでおくことができる。
一方、基礎2に据付けられたハウス3を基礎2から取外す場合には、基礎2から閉塞部材26が取外された後、ボルト7とナット8が緩められて取外される。ボルト7とナット8を緩める際も、挿入口10から工具や手を挿入して作業を行うことができる。ハウス3を基礎2から取外すためにボルト7とナット8は完全に取り除かれるため、ハウス3を基礎2から取外した後に基礎2からボルト7の先端がアンカーボルトのように突出することはない。
このため、ハウス3を取外した後の基礎2には、再び図15に例示されるような閉塞部材27を被せておくことができる。そして、移動式ハウス1のユーザは、ハウス3が除去された後の基礎2が埋設されているエリアを、例えば、駐車場や広場など所望の目的で有効利用することができる。
他方、基礎2から取外した後のハウス3は、基礎2が埋設されている別の場所に移動させて同様に据付けることができる。この時、図12に例示されるように、ハウス3の床側を構成する梁5に、国際貨物コンテナを連結するためのキャスティングロックで固定するための長孔22を形成しておけば、キャスティングロックを備えた船舶やトラックでハウス3を輸送又は運送することができる。
このように、異なる場所にそれぞれ基礎2を埋設しておき、ハウス3を異なる場所に埋設された複数の基礎2のうちの1つの基礎2に据付けた後、複数の基礎2のうち別の基礎2に据付けることによって、ハウス3を移動しながら異なる場所に順次据付けることができる。
(効果)
以上の移動式ハウス1、移動式ハウス1の据付方法及び移動式ハウス1用の基礎2は、ハウス3を取外し可能なボルト7とナット8で着脱できるようにしたものである。このため、移動式ハウス1、移動式ハウス1の据付方法及び移動式ハウス1用の基礎2によれば、ハウス3を簡易に移動できるのみならず、基礎2からアンカーボルトの雄ねじを突出させる必要が無いため、ハウス3が設置されていない間における土地の有効利用を図ることができる。すなわち、コンテナハウス等のハウス3を容易に移動できるようにしつつ、利便性を向上させることができる。
特に、基礎2に締付けられる対象となるハウス3の柱4又は梁5を山形鋼等の形鋼11で構成すれば、ボルト7をハウス3内から基礎2に向かって挿入して廻すことができるため、ボルト7とナット8の着脱作業を容易にすることができる。
(第2の実施形態)
図16は本発明の第2の実施形態に係る移動式ハウス1Aのハウス3と基礎2の連結部分における構造を示す正面図であり、図17は図16に示す連結部分の位置D-Dにおける断面図である。
図16及び図17に示された第2の実施形態における移動式ハウス1Aは、梁5をH型鋼で構成した点と、基礎2と連結されるハウス3側の連結部分における構造が第1の実施形態における移動式ハウス1と相違する。第2の実施形態における移動式ハウス1Aの他の構成及び作用については第1の実施形態における移動式ハウス1と実質的に異ならないためハウス3と基礎2の連結部分のみ図示し、同一の構成又は対応する構成については同符号を付して説明を省略する。
山形鋼の太さは均一でなく、中央が太くなっている。このため、山形鋼同士を溶接する場合に比べて、山形鋼とH型鋼を溶接する場合の方が接合強度が向上する。加えて、山形鋼と比較するとH型鋼の方が撓み量が小さい。
そこで、梁5については山形鋼ではなくH型鋼で構成することができる。梁5をH型鋼で構成すると、ハウス3をクレーンで吊るした場合において、梁5の撓み量を小さくできる。このため、展性及び延性が乏しく脆いガラスがハウス3に取付けられている場合であっても、ガラスが割れるリスクを十分に低減することができるというメリットがある。
梁5をH型鋼で構成する場合、連結部材30でH型鋼からなる2本の梁5と山形鋼からなる柱4を接合し、連結部材30を基礎2に着脱することができる。その場合、連結部材30は、図16及び図17に例示されるように、それぞれ厚さ方向を鉛直方向とする上下の2枚のプレート30Aで長さ方向を鉛直方向とする山形鋼30Bを挟んだ構造とすることができる。2枚のプレート30Aと山形鋼30Bは、溶接によって接合することができる。
これにより、長さ方向が互いに垂直となるように配置された2本の梁5を構成するH型鋼の各フランジの端面と、柱4を構成する山形鋼の端面を、それぞれ連結部材30のプレート30Aに溶接することができる。尚、屋根側においても同様な構造を有する連結部材を用いて梁5と柱4を接合することができる。
連結部材30で床側の梁5と柱4を接合する場合、連結部材30を基礎2に着脱することができる。具体的には、下方のプレート30Aにボルト7を挿入するための貫通孔21を形成することができる。加えて、下方のプレート30Aには、コンテナのコーナーキャスティングを固定するためのキャスティングロックで固定するための長孔22を形成することもできる。
また、連結部材30を構成する山形鋼30Bを、山側がハウス3内となるように配置すれば、ボルト7を挿入するための貫通孔21がハウス3の外部に露出する。このため、ハウス3の外部からレンチ等の工具や手を挿入してナット8又はボルト7へのトルクの付与或いはナット8又はボルト7の回転の抑止を行うことができる。
尚、連結部材30のプレート30Aを基礎2の溝形鋼18に連結するためのボルト7の長さは、ハウス3の梁5を構成するH型鋼のフランジの厚さに対応する厚さを有するプレート30Aにシム23を挟んで溝形鋼18のウェブを重ねた厚さをカバーする長さとなる。その結果、ボルト7の長さは、図16に例示されるように2枚のプレート30Aの間隔よりも十分に短くなり、ボルト7をハウス3側から基礎2に向かって挿入することが可能となる。もちろん、ボルト7を基礎2側からハウス3に向かって挿入しても良い。
また、図16及び図17に示す例では、柱4を構成する山形鋼についても連結部材30を構成する山形鋼30Bと同じ向きで対応する位置に配置されている。このため、柱4から上側のプレート30Aに鉛直方向に伝達される荷重を、連結部材30を構成する山形鋼30Bで受けることができる。
このようにボルト7及びナット8でハウス3を基礎2に連結するための連結部は、梁5や柱4自体の端部で形成せずに、連結部材30で構成することもできる。そして、ボルト7及びナット8でハウス3を基礎2に連結するための連結部の少なくとも一部を山形鋼で構成すれば、ボルト7をハウス3側から基礎2に向かって挿入することが可能となる。
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、ハウス3の強度及び剛性を向上できるという効果が得られる。このため、ガラス等の破損し易い物をハウス3に取付けたままハウス3をクレーンで吊ることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1、1A 移動式ハウス
2 基礎
3 ハウス
4 柱
5 梁
6 パネル
6A 突起
7 ボルト
8 ナット
9 空隙
10 挿入口
11 形鋼
12 鋼材
13 鉄骨
14 鉄筋コンクリート
15 着脱面
16 貫通孔
17 溝
18 溝形鋼
19 アンカーボルト
20 ベースプレート
21 貫通孔
22 長孔
23 シム
24 貫通孔
25 長孔
26 閉塞部材
26A ネジ
26B ブラケット
27 閉塞部材
30 連結部材
30A プレート
30B 山形鋼
GL グラウンドライン

Claims (7)

  1. 少なくとも柱と梁で構成されるハウスと、
    前記柱及び前記梁の少なくとも一方を、取外し可能なボルト及びナットで直接又は間接的に締付けることによって前記ハウスを着脱可能に支持する基礎であって、内部に前記取外し可能なボルトの頭又は前記ナットを配置するための空隙を形成し、かつ前記取外し可能なボルトと前記ナットを締付けるために前記空隙に工具又は手を挿入するための挿入口を設けた基礎と、
    を有し、
    前記基礎は、
    鉄筋コンクリートと、
    内側に前記空隙を形成し、両側における開口端を前記挿入口とする溝形鋼であって、前記取外し可能なボルトを通すための貫通孔又は雌ねじを形成したウェブを前記ハウス側に向かって前記基礎の外部に露出させた状態で前記鉄筋コンクリートに埋設される溝形鋼と、
    前記溝形鋼と溶接によって接合され、前記鉄筋コンクリートに埋込まれる鉄骨からなるベースプレートと、
    前記鉄筋コンクリートに埋設され、前記ベースプレートを前記鉄筋コンクリートに固定するアンカーボルトであって、前記空隙の外部においてナットで締付けられることによって前記ベースプレートと連結されるアンカーボルトと、
    を有する移動式ハウス。
  2. 前記ハウスは、前記取外し可能なボルト及び前記ナットで前記ハウスを前記基礎に連結するための連結部であって、前記取外し可能なボルトを挿入するための貫通孔を形成した連結部を有し、
    前記連結部の少なくとも一部を山形鋼で構成し、前記山形鋼の山側が前記ハウス内となるように前記山形鋼を配置することによって、前記ハウスの外部から工具又は手を挿入して前記ナット又は前記取外し可能なボルトへのトルクの付与或いは前記ナット又は前記取外し可能なボルトの回転の抑止を行えるようにした請求項1記載の移動式ハウス。
  3. 前記ハウスが前記基礎に据付けられた後に前記溝形鋼の両端に開放される前記挿入口を閉塞する第1の閉塞部材であって前記基礎に着脱可能に構成される第1の閉塞部材と、
    前記ハウスを前記基礎から取外した後に前記溝形鋼の両端に開放される前記挿入口とともに前記溝形鋼の前記ウェブに形成される前記貫通孔又は雌ねじを閉塞する第2の閉塞部材であって、前記基礎に着脱可能に構成される第2の閉塞部材と、
    を更に有する請求項記載の移動式ハウス。
  4. 前記柱及び前記梁の少なくとも一方に海上コンテナの外観を有するパネルを取付けることによって前記ハウスを少なくとも一部が前記海上コンテナの外観を有するコンテナハウスとした請求項1記載の移動式ハウス。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の移動式ハウスの据付方法であって、
    前記空隙に前記ボルトの頭又は前記ナットを配置することによって前記ハウスを前記基礎に据付ける移動式ハウスの据付方法。
  6. 異なる場所にそれぞれ前記ハウスを据付けるための複数組の前記基礎を埋設しておき、前記ハウスを前記異なる場所に埋設された前記複数の基礎のうちの1の基礎に据付けて取外した後、前記ハウスを輸送し、前記複数の基礎のうち別の1組の基礎に据付けることによって、前記ハウス前記異なる場所に順次据付ける請求項記載の移動式ハウスの据付方法。
  7. 少なくとも柱と梁で構成されるハウスの前記柱及び前記梁の少なくとも一方を、取外し可能なボルト及びナットで直接又は間接的に締付けることによって前記ハウスを着脱可能に支持する移動式ハウス用の基礎であって、
    内部に前記取外し可能なボルトの頭又は前記ナットを配置するための空隙を形成し、かつ前記取外し可能なボルトと前記ナットを締付けるために前記空隙に工具又は手を挿入するための挿入口を有し、
    鉄筋コンクリートと、
    内側に前記空隙を形成し、両側における開口端を前記挿入口とする溝形鋼であって、前記取外し可能なボルトを通すための貫通孔又は雌ねじを形成したウェブを前記ハウス側に向かって前記基礎の外部に露出させた状態で前記鉄筋コンクリートに埋設される溝形鋼と、
    前記溝形鋼と溶接によって接合され、前記鉄筋コンクリートに埋込まれる鉄骨からなるベースプレートと、
    前記鉄筋コンクリートに埋設され、前記ベースプレートを前記鉄筋コンクリートに固定するアンカーボルトであって、前記空隙の外部においてナットで締付けられることによって前記ベースプレートと連結されるアンカーボルトと、
    を有する移動式ハウス用の基礎。
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