以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
I.第1の実施形態
図1は、第1の実施形態に係る投入システム及び溶解保持炉を模式的に示す。
投入システム100は、コンテナ300と、投入装置400とを有する。投入装置400は、コンテナ300に搭載された長尺状で同形の複数のインゴット30をコンテナ300から取り出し、取り出したインゴット30を溶解保持炉200に投入する。
1.溶解保持炉
溶解保持炉200は、溶解保持炉本体210と、インゴット投入部220とを有する。
溶解保持炉本体210は、インゴット30を溶解し、溶解した金属を保持する。溶解保持炉本体210は、材料挿入室230、加熱保持室240及び汲上室250を有する。
材料挿入室230の上面231は開口している。材料挿入室230の開口した上面231にはインゴット投入部220が配置される。汲上室250の上面251は開口している。
材料挿入室230は、インゴット投入部220より投入されたインゴット30を溶解する。本開示では、アルミニウムからなるインゴット30が投入され、材料挿入室230において溶解される。
加熱保持室240は、材料挿入室230と連通し、材料挿入室230で溶解したアルミニウムを加熱しつつ保持する。
汲上室250は、加熱保持室240と流路241を介して連通している。汲上室250の開口した上面251より典型的にはラドル(図示せず)により汲上室250の溶解したアルミニウムが汲み上げられ、ダイカストマシーン(図示せず)に供給される。
さらに溶解保持炉200は、溶解保持炉本体210内に保持された溶解したアルミニウムに向けて挿入され、溶解したアルミニウムを加熱する棒状の電熱ヒータ211を備える。これにより、ガス炉を不要とすることが可能となり、簡単で安全な設備とすることができる。
なお、加熱の方式等は限定されず、ガス炉等が用いられてもよい。
インゴット投入部220は、材料挿入室230の上面に配置された蓋部221と、蓋部221の上面に接続された筒部222とを有し、インゴット30の挿入経路を形成する。
蓋部221は、材料挿入室230の開口部を覆うように設けられ、筒部222を接続したまま開閉することが可能である。蓋部221を開くことで、材料挿入室230の開口部でノロカキ等のメンテナンス作業が可能である。
筒部222は、材料挿入室230に投入する前にインゴット30を予熱する予熱筒として機能する。筒部222では、例えば材料挿入室230からの熱や高温のガス等によりインゴット30が加熱されインゴット30の表面を十分に乾燥させることが可能である。これにより、インゴット30を材料挿入室230に安全に投入することが可能となる。
また筒部222は、側面が開閉するように構成されてもよい。これにより、長尺状のインゴット30を側面から筒部222に入れることが可能となる。これに限定されず、筒部222の上方からインゴット30を筒部222に入れるような構成が採用されてもよい。
溶解保持炉本体210は、インゴット投入部220を有さなくても良い。例えば、投入システム100は、材料挿入室230の開口した上面231から直接材料挿入室230にインゴット30を投入してもよい。
2.インゴット
図2は、インゴットを示す斜視図である。図3はインゴットを示す側面図である。
インゴット30は、アルミニウムの鋳造物である。インゴット30は、例えば、上端32から下端33までの長さ650mm、幅90mm、高さ44mm程度の長尺状の形状をなし、重さは5kg程度である。
インゴット30は、下端33がコンテナ300の床面に接するように、コンテナ300に保持される。
インゴット30は、長尺軸(即ち、長手方向の軸)に沿って延在し互いに平行な第1の面34及び第2の面35と、長尺軸に沿って延在し互いに平行な側面36,37とを有する。インゴット30は上端32に開口目孔31を有する。開口目孔31は、インゴット30の上端32付近でインゴット30の第1の面34及び第2の面35を貫通する例えば楕円形状の貫通孔31aと、インゴット30の上端32の側面と貫通孔31aとを貫通する開口溝31bとを有する。開口溝31bの溝幅をY、貫通孔31aの開口溝31bの溝幅方向に対する直径をXとしたとき、XとYとの関係はX>Yである。例えばXは40mmに対してYは25mmである。開口目孔31は、形状や寸法は例示にすぎず、XとYとの関係がX>Yであればよい。
インゴット30の第1の面34及び第2の面35と、側面36,37とは、開口目孔31を有する領域以外は凹凸のない平らな平面により構成される。インゴット30は、運搬時等にバンドで拘束するための拘束溝を有さない。このような形状のインゴット30は、特に、ハンドリング時の吸着部の自由度が高く、金型が簡素で安価で寿命も長くなり、また空間部が無いため梱包密度が高くなる、という効果が得られる。
3.コンテナ
図4は、コンテナを示す斜視図である。図5は、X方向に見たコンテナを示す側面図である。図6は、Y方向に見たコンテナを示す側面図である。図7は、複数のインゴットを保持するコンテナを示す斜視図である。図8は、Y方向に見た、複数のインゴットを保持するコンテナを示す側面図である。
コンテナ300は、複数のインゴット30を保持する容器である。コンテナ300は、床部材310と、4個の支柱部材320と、2個の支持部材330と、1対の規制部材340と、複数のセパレート部材350と、1対の第1のガイド部360と、1対の第2のガイド部370とを有する。
床部材310は、長尺状で同形の複数のインゴット30の各々の下端33が接する床面311を有する。床部材310の床面311は、典型的には矩形、本実施形態では長方形(又は正方形)である。床面311上に複数のインゴット30がマトリクス状に並べられる。鉛直方向から見たとき(即ち、水平面を見たとき)、複数のインゴット30は、第1の面34及び第2の面35が互いに接触した状態で、X方向に並ぶ。複数のインゴット30は、インゴット30の側面36が、隣のインゴット30の側面37に向かい合うように、X方向に直交するY方向に並ぶ。本明細書で、X方向及びY方向は、水平面上で互いに直交する2方向を意味する。また、X方向及びY方向に直交する方向(即ち、鉛直方向)をZ方向と称することがある。
4個の支柱部材320は、下端に台座322を有し、水平な基準面に対して床部材310を支持する。以下、コンテナ300が設置される水平な面を基準面と称する。4個の支柱部材320は、矩形の床部材の4個のコーナ(即ち、2組の対角)に設けられる。4個の支柱部材320は、水平な基準面に対して床面311が傾斜した状態で床部材310を支持する。具体的には、4個の支柱部材320は、矩形の床部材310の最も低い位置にある1辺及び最も高い位置にある1辺が基準面と平行(即ち、水平)になるように、床部材310を傾斜させる。より具体的には、床部材310は、複数のインゴット30が互いに重なり合うように並ぶ方向(X方向)に傾斜する。床部材310を鉛直方向に下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、床面311は基準面に対して傾斜する。床部材310を鉛直方向に下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、床面311の基準面に対する傾斜角度α(図6、図8)は、5°以上10°以下である。
床部材310を鉛直方向に下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、4個の支柱部材320の上端321の鉛直方向の高さ位置は、全て等しい。このため、1個のコンテナ300の台座322を他のコンテナ300の上端321に載せることで、複数のコンテナ300を、床部材310を下側として鉛直方向に積載可能である。上端321と台座322の下面は単に平面でもよい。あるいは、台座322の下面に凹部を設け、凹部に上端321を係合可能としてもよい。傾斜した床面311の最も高い位置から、支柱部材320の上端321(即ち、コンテナ300の上端)までの高さは、インゴット30の長尺軸の方向の長さより高い。このため、インゴット30を床部材310に並べた状態で、支柱部材320の上端321がインゴット30の上端32より高い位置にある。このため、コンテナ300にインゴット30を保持した状態で、複数のコンテナ300を積載可能である。
2個の支持部材330(331、332)は、基準面に対して傾斜した矩形の床部材310の、最も低い位置にある1辺に設けられる。具体的には、2個の支持部材330(331、332)は、床部材310の、最も低い位置にある1辺の両コーナに設置された2個の支柱部材320、320に亘って設置される。傾斜した床面311にインゴット30の下端33が置かれると、インゴット30の第2の面35は、自重により2個の支持部材330(331、332)に押し付けられる(図7参照)。あるいは、傾斜した床面311にインゴット30の下端33が置かれると、インゴット30の第1の面34は、自重により2個の支持部材330(331、332)に押し付けられる(図8参照)。言い換えれば、2個の支持部材330は、床面311に下端33が置かれた複数のインゴット30のうち、最も低い位置にあるインゴット30の第1の面34又は第2の面35を支持する。これにより、複数のインゴット30が安定した状態で並ぶので、例えば、インゴット30が予期しない方向に傾くことや、転倒するといった事態が回避される。複数のインゴット30は、各々の上端32の鉛直方向の位置が異なるように並ぶ。具体的には、複数のインゴット30は、鉛直方向に対して傾斜した状態で互いに重なり合うように並ぶ。具体的には、全てのインゴット30は、第1の面34が上側、第2の面35が下側となるように傾斜する(図7参照)。あるいは、全てのインゴット30は、第2の面35が上側、第1の面34が下側となるように傾斜する(図8参照)。インゴット30は、インゴット30が並ぶ方向で各々の開口目孔31が連通するように並ぶ。
支持部材330は、ストッパ部材331及び梁部材332を含む。ストッパ部材331及び梁部材332は、インゴット30を、長尺軸の方向に離間する2点で支持する。ストッパ部材331及び梁部材332がインゴット30を支持する2点を含む仮想的な平面である支持面は、床面311と直交する。即ち、ストッパ部材331の内面333及び梁部材332の内面334を含む仮想的な平面である支持面は、床面311と直交する。これにより、ストッパ部材331の内面333及び梁部材332の内面334がインゴット30を支持するとき、下端33が床面311に接するインゴット30の長尺軸が、床面311と直交する。即ち、床部材310を鉛直方向に下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、支持面及びインゴット30の長尺軸の鉛直方向に対する傾斜角度βは、床面311の基準面に対する傾斜角度αと同じであり、5°以上10°以下である(図8)。インゴット30の長尺軸の鉛直方向に対する傾斜角度βが床面311の基準面に対する傾斜角度αと同じであり、5°以上10°以下であるので、インゴット30は自重により2個の支持部材330(331、332)に押し付けられ(図8参照)、複数のインゴット30が安定した状態で並ぶ。
ストッパ部材331の内面333は、インゴット30の長尺軸の方向の中心と床面311との間でインゴット30を支持する。これにより、ストッパ部材331は、インゴット30の下端33が床面311からコンテナ300の外に離脱する(滑り抜ける)のを規制する。本例では、ストッパ部材331は、床面311の上に設置されているが、床面311から離れて設置されてもよい。
梁部材332の内面334は、インゴット30の長尺軸の方向の中心よりも床面311から離れた位置でインゴット30を支持する。言い換えれば、梁部材332は、ストッパ部材331よりも床面311から離間して設けられ、インゴット30の長尺軸の方向の中心よりも上端32側を支持する。これにより、梁部材332は、インゴット30の上端32側がコンテナ300の外に離脱する(倒れ出る)のを規制する。
1対の規制部材340は、矩形の床部材310の傾斜する2辺にそれぞれ設けられる。1対の規制部材340は、複数のインゴット30がY方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向(X方向)に直交する方向)に、コンテナ300から離脱するのを規制する。
1対の規制部材340は、それぞれ、下側規制部材341及び上側規制部材342を含む。下側規制部材341の内面343及び上側規制部材342の内面344が、インゴット30の側面36又は37を、長尺軸の方向に離間する2点で支持する。
下側規制部材341は、インゴット30の長尺軸の方向の中心と床面311との間でインゴット30を支持する。これにより、下側規制部材341は、インゴット30の下端33が床面311からコンテナ300の外に離脱する(滑り抜ける)のを規制する。本例では、下側規制部材341は、床面311の上に設置されているが、床面311から離れて設置されてもよい。
上側規制部材342は、インゴット30の長尺軸の方向の中心よりも床面311から離れた位置でインゴット30を支持する。言い換えれば、上側規制部材342は、下側規制部材341よりも床面311から離間して設けられ、インゴット30の長尺軸の方向の中心よりも上端32側を支持する。これにより、上側規制部材342は、インゴット30の上端32側がコンテナ300の外に離脱する(倒れ出る)のを規制する。
複数のセパレート部材350は、Y方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向(X方向)に直交する方向)に、複数のインゴット30を分離する。言い換えれば、複数のセパレート部材350は、XY方向にマトリクス状に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶインゴット30の複数のグループに分離する。本例では、複数のセパレート部材350は、床部材310の床面311上に設置されるが、床面311から離れて設置されてもよい。
1対の第1のガイド部360は、コンテナ300を運搬するためにフォークリフトのフォークを挿入するための部材である。第1のガイド部360は、床部材310の裏面312に設けられる。第1のガイド部360は、基準面に対して床部材310の床面311が傾斜した状態で、床部材310を下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、基準面と平行(即ち、水平)にフォークを挿入可能に構成される。これにより、第1のガイド部360にフォークを水平に挿入してコンテナ300を運搬するとき、床部材310の床面311が基準面に対して傾斜した状態が維持される。これにより、コンテナ300内の各インゴット30が自重で支持部材330に押し付けられることになり、コンテナ300の運搬時にも、複数のインゴット30を安定した状態で並べておくことが可能となる。
コンテナ300は、床部材310に対して鉛直方向に対向する第1の開放端381(図4の上方)と、支持部材330側に対して複数のインゴット30が並ぶ方向(X方向)に対向する第2の開放端382(図4の左手前)と、を有する。この第1の開放端381及び/又は第2の開放端382を介して、コンテナ300にインゴットを出し入れすることが可能である。
図9は、支持部材を下側として設置された、複数のインゴットを保持するコンテナを示す斜視図である。図10は、Y方向に見た、支持部材を下側として設置された、複数のインゴットを保持するコンテナを示す側面図である。
上述のように、2個の支持部材330(ストッパ部材331及び梁部材332)がインゴット30の長尺軸の方向に離間する2点に設けられる。このため、ストッパ部材331及び梁部材332を下側としてコンテナ300を基準面に設置したとき、ストッパ部材331及び梁部材332の上にインゴット30の第1の面34が載置され、このインゴット30の第2の面35の上に別のインゴット30の第1の面34が載置されるようにして、複数のインゴット30が積み重ねられる(図9、図10参照)。あるいは、ストッパ部材331及び梁部材332の上にインゴット30の第2の面35が載置され、このインゴット30の第1の面34の上に別のインゴット30の第2の面35が載置されるようにして、複数のインゴット30が積み重ねられる(図示せず)。これにより、コンテナ300がインゴット30を保持した状態で、ストッパ部材331及び梁部材332を下側としてコンテナ300を基準面に設置することができる。
1対の第2のガイド部370は、コンテナ300を運搬するためにフォークリフトのフォークを挿入するための部材である。第2のガイド部370は2個の支持部材330の裏面に設けられる。第2のガイド部370は、2個の支持部材330を下側としてコンテナ300が基準面に設置されたときに、支持面(即ち、ストッパ部材331の内面333及び梁部材332の内面334を含む仮想的な平面)が水平な状態で、基準面と平行(即ち、水平)にフォークを挿入可能に構成される。これにより、第2のガイド部370にフォークを水平に挿入してコンテナ300を運搬するとき、支持面(即ち、ストッパ部材331の内面333及び梁部材332の内面334を含む仮想的な平面)が水平な状態が維持される。これにより、コンテナ300内の各インゴット30の第1の面34が、ストッパ部材331の内面333及び梁部材332の内面334に水平に載置される。このため、2個の支持部材330を下側とした状態でコンテナ300を運搬するときにも、複数のインゴット30を安定した状態で水平に積み重ねておくことが可能となる。
4.投入装置
図11は、投入システム及び溶解保持炉を示す斜視図である。図12は、投入システム及び溶解保持炉を示す側面図である。図13は、投入システム及び溶解保持炉を示す上面図である。
例えば、インゴット30の製造現場等において。複数のインゴット30がコンテナ300に搭載される。複数のインゴット30を保持するコンテナ300が、投入装置400(溶解保持炉200)のある現場まで搬送される。搬送されたコンテナ300は、投入システム100において複数のインゴット30を保持する容器としてそのまま用いられる。
投入装置400は、コンテナ300に搭載されたインゴット30を溶解保持炉200のインゴット投入部220に投入する。投入装置400は、インゴット30を吊り下げるフック411を含むフック部410と、フック部410を動かす駆動機構420とを有する。
本実施形態では、駆動機構420として、フック411を少なくとも2方向に移動する線形ステージが用いられる。
フック部410は、インゴット30の上端32を保持してインゴット30を吊り下げる保持具である。フック部410は、上記したフック411と、接続部412と、アーム部413とを有する。
フック411は、インゴット30を吊り下げる棒状の部材であり、典型的には円柱状である。フック411の一端は、インゴット30の開口目孔31に挿入可能である。具体的には、フック411の直径は、インゴット30の開口目孔31の貫通孔31aの内径より小さく、開口溝31bのY方向の開口幅より大きい。さらに具体的には、フック411の直径は、インゴット30の開口目孔31の貫通孔31aのZ方向の内径の半分程度である。これにより、隣り合う所定数のインゴット30の高さが異なるために、所定数のインゴット30の貫通孔31aが全て連通している部分の径が小さくなっても、フック411を所定数のインゴット30の貫通孔31aに干渉無く挿入することができる。このため、フック411をインゴット30の開口目孔31の貫通孔31aにX方向に挿入してからフック411をZ方向に上昇させると、フック411が開口溝31bの内側に当接してインゴット30を吊り下げることができる。
接続部412は、フック411とアーム部413とを接続する部材である。接続部412は、フック411の開口目孔31に挿入される側とは反対側に接続される。
アーム部413は、接続部412を介してフック411を保持する長手部材である。アーム部413の一端は接続部412(フック411)に接続され、アーム部413の他端は、駆動機構420の第1のステージ421に接続される。
接続部412により、棒状のフック411がアーム部413の長手方向に対して直交するように、フック411とアーム部413とが接続される。
駆動機構420は、第1のステージ421と、第2のステージ422と、第3のステージ423と、ステージフレーム424とを有する。ステージフレーム424は、第1のステージ421と、第2のステージ422と、第3のステージ423とを支持するフレームであり、例えばアルミフレームやステンレスフレーム等を用いて構成される。
第1のステージ421は、フック411を鉛直方向(即ち、Z方向)に沿って移動する1軸の線形ステージである。第2のステージ422は、フック411を水平な1軸方向(本例では、X方向)に沿って移動する1軸の線形ステージである。第3のステージ423は、コンテナ300を、X方向に直交する水平な1軸方向(本例では、Y方向)に沿って移動する1軸の線形ステージである。
第1のステージ421にフック部410のアーム部413が接続される。またフック部410が接続された第1のステージ421が第2のステージ422に接続される。第1のステージ421及び第2のステージ422の具体的な構成は限定されず、例えばステッピングモータ等を利用した線形ステージが適宜用いられてよい。
第3のステージ423が、複数のインゴット30を互いに重なり合うように傾斜して保持するコンテナ300を、Y方向に移動する。第2のステージ422が、フック部410をX方向に移動する。これにより、コンテナ300に保持されるインゴット30と、フック部410との位置関係が一意に決まる。言い換えれば、フック部410は、コンテナ300内でXY方向にマトリクス状に並ぶインゴット30のうち、取り出すべきインゴット30にアクセス可能なXY座標位置に位置決めされる。具体的には、フック部410は、コンテナ300に互いに重なり合うように傾斜して保持された複数のインゴット30の内、鉛直方向の位置が最も高い位置にあるインゴット30、即ち、一番外側にあるインゴット30(即ち、他のインゴット30が重なっていないインゴット30)を含む複数のインゴット30にアクセス可能な位置に位置決めされる。
第1のステージ421は、フック部410をZ方向に下降させる。これにより、フック411が、鉛直方向の位置が最も高い位置にあるインゴット30を含む複数のインゴット30にアクセスする。具体的には、Z方向に下降したフック411は、インゴット30の開口目孔31の第1の面34側に対向する。第2のステージ422は、フック411をX方向に移動して、一番外側にあるインゴット30を含むフック411を所定数のインゴット30の開口目孔31に挿入させる。
第1のステージ421は、フック部410をZ方向に上昇させる。フック部410がZ方向に上昇するにつれて、インゴット30の開口目孔31に挿入されたフック411は、開口溝31bの内側に当接してインゴット30をZ方向に押し上げる。これにより、一番外側にあるインゴット30を含む複数のインゴット30がフック411により吊り下げられる。第1のステージ421がZ方向に上昇することで、フック411は、第1の開放端381から、複数のインゴット30をZ方向に取り出す。
図14は、投入システム及び溶解保持炉を示す斜視図であり、インゴットが溶解保持炉に投入された状態を示す。
第1のステージ421は、複数のインゴット30を取り出したフック部410を、溶解保持炉200のインゴット投入部220までX方向に移動する。第2のステージ422は、複数のインゴット30を吊り下げたフック部410をZ方向に下降させる。これにより、複数のインゴット30がインゴット投入部220から溶解保持炉本体210に投入される。
このように、このように、投入装置400は、必用な量(個数)のインゴット30を、コンテナ300から取り出して挿入する切出し挿入が可能である。これにより、必用な量のインゴットを溶解保持炉200に安定して供給することが可能となる。
ところで、本実施形態では、第2のステージ422はフック411をX方向に沿って移動させ、第3のステージ423はコンテナ300をY方向に沿って移動させる。しかしながら、これに限定されない。第2のステージ422及び第3のステージ423は、コンテナ300及び/又はフック411をXY方向に移動させ、フック部410を、取り出すべきインゴット30にアクセス可能なXY座標位置に位置決めすることが可能であればよい。
5.コンテナへのインゴットの積み込み方法
図15はコンテナ300にインゴット30を積み込む方法を説明するための図である。
インゴット成形装置(図示せず)により成形されたインゴット30は、順次、ベルトコンベア71により積み込み領域に搬送されてくる。積み込み領域では、ベルトコンベア71により搬送されるインゴット30がロボット72によりコンテナ300に積み込まれる。
ロボット72は、吸着ハンド72aを有し、吸着ハンド72aによりベルトコンベア71上の複数のインゴット30の第2の面35をまとめて吸着してコンテナ300に搬送する。コンテナ300には、複数のインゴット30がXY方向にマトリクス状に並び、複数のインゴット30が重なり合った状態で保持されるも。ロボット72は、Y方向に並ぶ(即ち、開口目孔31が連通しない列)のインゴット30の第2の面35をまとめて吸着してコンテナ300に搬送する。これが段積みの1段分となる。
コンテナ300は、ロボット72によりインゴット30が積み込まれるときには、コンテナ300の第2の開放端382(支持部材330側に対してX方向に対向する面側)が上向きになり、かつ、ロボット72側を向くように、傾動している。傾動は例えばフォークリフト(図示せず)によりコンテナ300を保持して状態で行えばよく、或いは専用の収容部(図示せず)に収容して行えばよい。
ロボット72は、傾動したコンテナ300に対して、吸着ハンド72aによりベルトコンベア71上の1段分のインゴット30をまとめて吸着してコンテナ300に積み置く。以下、ロボット72は、X方向の複数段のインゴット30を順次積み置く。以上の積み込み方法により、コンテナ300にインゴット30を安全に効率よく積み込むことができる。
なお、変形例として、投入装置40ではなく、ロボット72を有する投入装置(図示せず)が、吸着によりインゴット30をコンテナ300から取り出すことも可能である。この場合、2個の支持部材330を下側としてコンテナ300を基準面に設置する(図9、図10)。吸着ハンド72aは、第2の開放端382からコンテナ300内のインゴット30にアクセスしてインゴット30の第2の面35を吸着し、インゴット30を取り出せばよい。インゴット30の第2の面35は、開口目孔31を有する領域以外は凹凸のない平らな平面により構成され、運搬時等にバンドで拘束するための拘束溝を有さない。このような形状のインゴット30は、特に、ハンドリング時の吸着部の自由度が高い。
II.第2の実施形態
以下、既に説明した、投入システム100、溶解保持炉200及びインゴット30と同様の構成と同様な構成は説明及び図示を省略し、異なる点を中心に説明する。
図16は、第2の実施形態に係る投入システム及び溶解保持炉を示す斜視図である。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、投入装置400である。
第2の実施形態の投入システム110は、複数のインゴット30を保持するコンテナ300(第1の実施形態と同じ)と、コンテナ300を搭載する架台501と、投入装置500とを有する。
例えば、フォークリフトを用いてコンテナ300が架台501に設置される。架台501は、床部材310を下側としてコンテナ300を搭載する。架台501は、コンテナ300を、投入装置500を基準とする位置に固定的に設置する。
投入装置500は、フック411を含むフック部410(第1の実施形態と同じ)と、駆動機構としてのロボットアーム510とを有する。ロボットアーム510は、基準面の方向(X方向、Y方向)及びインゴット30を溶解保持炉200に投入する方向(Z方向)の3軸方向に、フック411を移動させる。
ロボットアーム510は、フック部410をX方向及びY方向に移動し、コンテナ300内の取り出すべきインゴット30(鉛直方向の位置が最も高い位置にあるインゴット30)にアクセス可能なXY座標位置に位置決めする。ロボットアーム510は、フック部410をZ方向に下降させる。これにより、フック411が、鉛直方向の位置が最も高い位置にあるインゴット30を含む複数のインゴット30にアクセスする。ロボットアーム510は、フック411をX方向に移動して、一番外側にあるインゴット30を含むフック411を所定数のインゴット30の開口目孔31に挿入させる。ロボットアーム510は、フック部410をZ方向に上昇させる。これにより、一番外側にあるインゴット30を含む複数のインゴット30がフック411により吊り下げられる。ロボットアーム510がZ方向に上昇することで、フック411は、第1の開放端381から、複数のインゴット30をZ方向に取り出す。
図17は、投入装置がインゴットを溶解保持炉本体に投入する様子を示す斜視図である。
ロボットアーム510は、複数のインゴット30を取り出したフック部410を、溶解保持炉200のインゴット投入部220までX方向及びY方向に移動する。ロボットアーム510は、溶解保持炉200の筒部222の側面が開放した状態で、側面から筒部222に複数のインゴット30を挿入する。筒部222は、材料挿入室230に投入する前にインゴット30を予熱する予熱筒として機能する。
図18は、投入装置がインゴットを溶解保持炉本体に投入する様子を示す斜視図である。
ロボットアーム510が側面から筒部222に複数のインゴット30を挿入した後、溶解保持炉200の筒部222の側面が閉塞する。これにより、筒部222では、例えば材料挿入室230からの熱や高温のガス等によりインゴット30が加熱されインゴット30の表面を十分に乾燥させることが可能である。これにより、インゴット30を材料挿入室230に安全に投入することが可能となる。筒部222の側面が閉塞した状態で、ロボットアーム510は、複数のインゴット30を吊り下げたフック部410をZ方向に下降させる。これにより、複数のインゴット30がインゴット投入部220から溶解保持炉本体210に投入される。
III.第3の実施形態
図19は、第3の実施形態に係る投入システム及び溶解保持炉を示す斜視図である。図20は、投入システム及び溶解保持炉を示す上面図である。
第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、架台501である。第3の実施形態では、架台501と異なる機構が、コンテナ300を搭載し、投入装置500を基準とする位置にコンテナ300を固定的に設置する。
第3の実施形態の投入システム120は、複数のインゴット30を保持するコンテナ300(第2の実施形態と同じ)と、コンテナ300を搭載する台車540と、コンテナ300を固定する1組の固定機構530と、投入装置500(第2の実施形態と同じ)とを有する。
例えば、フォークリフトを用いてコンテナ300が台車540に設置される。台車540は、床部材310を下側としてコンテナ300を搭載する。例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)を用いて、コンテナ300を搭載した台車540が、投入装置500を基準とする位置に運搬される。台車540は、ガイド台520をまたぐようにして設置される。ガイド台520の幅は、台車540の内側の幅よりわずかに大きい。ガイド台520は、コンテナ300の、投入装置500に対する水平な1軸方向(本例ではX方向)の位置を規定する。
1組の固定機構530は、台車540に搭載されたコンテナ300を、投入装置500を基準とする位置に固定する。具体的には、1組の固定機構530は、コンテナ300の床部材311の一方の対角に設けられた2個の支柱部材320を対角線の方向に押さえる。これにより、1組の固定機構530は、コンテナ300を、投入装置500を基準とする位置に固定する。
IV.第4の実施形態
第4の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、インゴット30、コンテナ300及び投入装置400である。
1.インゴット
図21は、第4の実施形態に係るインゴットを示す斜視図である。
インゴット50は、長尺状のアルミニウムの鋳造物である。
インゴット50は、下端53がコンテナ600の床面に接するように、コンテナ600に保持される。
インゴット50は、長尺軸(即ち、長手方向の軸)に沿って延在し互いに平行な第1の面54及び第2の面55を有する。インゴット50は上端52に開口目孔を有さない。
インゴット50の第1の面54及び第2の面55は、凹凸のない平らな平面により構成される。インゴット50は、運搬時等にバンドで拘束するための拘束溝を有さない。このような形状のインゴット50は、特に、ハンドリング時の吸着部の自由度が高く、金型が簡素で安価で寿命も長くなり、また空間部が無いため梱包密度が高くなる、という効果が得られる。
2.コンテナ
図22は、コンテナを示す斜視図である。図23は、複数のインゴットを保持するコンテナ及び投入装置を示す斜視図である。図24は、複数のインゴットを保持するコンテナ及び投入装置を示す一部透過側面図である。
コンテナ600は、複数のインゴット50を保持する容器である。コンテナ600は、床部材610と、4個の支柱部材620と、枠部材630と、複数のセパレート部材650とを有する。
床部材610は、長尺状で同形の複数のインゴット50の各々の下端53が接する床面を有する。床部材610の床面は、X方向に段差を有する(図24参照)。これにより、複数のインゴット50は、各々の上端52の鉛直方向(Z方向)の位置が異なるように並ぶ。床面上に複数のインゴット50がマトリクス状に並べられる。鉛直方向から見たとき(即ち、水平面を見たとき)、複数のインゴット50は、第1の面54及び第2の面55が互いに非接触で対向する状態で、X方向に並ぶ。複数のインゴット50は、インゴット50の側面が、隣のインゴット50の側面に向かい合うように、X方向に直交するY方向に並ぶ。
4個の支柱部材620は、下端に台座を有し、水平な基準面に対して床部材610を支持する。4個の支柱部材620は、矩形の床部材の4個のコーナ(即ち、2組の対角)に設けられる。
枠部材630は、コンテナ600の側壁であり、複数のインゴット50をX方向及びY方向に取り囲み、インゴット50がコンテナ600の外にX方向及びY方向に離脱するのを規制する。
複数のセパレート部材650は、X方向及びY方向に、複数のインゴット50を分離する。言い換えれば、複数のセパレート部材650は、XY方向にマトリクス状に並ぶ複数のインゴット50を、Y方向に並ぶインゴット50の複数のグループに分離する。本例では、複数のセパレート部材650は、複数のインゴット50を、Y方向に並ぶ2個ずつのインゴット50のグループに分離する。セパレート部材650は、薄板状である。X方向に対向する複数のインゴット50は薄板状のセパレート部材650にのみ区切られ、スペーサ等が無いため、コンテナ600に梱包密度が高くインゴット50を収容することができる。
コンテナ600にインゴット50を収容すると、全てのインゴット50の上端52の第1の面54及び第2の面55は、コンテナ600から露出する。露出した上端52のZ方向の長さは、投入装置700がインゴット50を挟持することが可能な長さである。
コンテナ600は、床部材610に対して鉛直方向に対向する第1の開放端681を有する。この第1の開放端681を介して、コンテナ600にインゴットをZ方向に出し入れすることが可能である。
3.投入装置
投入装置700は、インゴット50の上端52にアクセスして、インゴット50の第1の面54及び第2の面55を挟持し、第1の開放端681からインゴット50を取り出す。投入装置700は、コンテナ300に搭載されたインゴット30を溶解保持炉200のインゴット投入部220に投入する。投入装置700は、2個のインゴット30を挟持する2対のチャック711を含むチャック部710と、チャック部710を動かす駆動機構(図示せず)とを有する。
駆動機構は、線形ステージ(第1の実施形態と同様)でもよいし、ロボットアーム(第2の実施形態と同様)でもよい。駆動機構は、チャック部710を3軸方向に移動して、インゴット50をコンテナ600から取り出す。
チャック部710は、同時に2個のインゴット30の上端32を挟持して吊り下げる保持具である。チャック部710は、2個のチャック711、711を有する。チャック711は、1対のアーム712、712と、1対のプレート713,713を有する。1対のプレート713,713は、1対のアーム712、712の下端に設けられ、インゴット30を挟持する。プレート713,713は、例えば、円形である。一方のチャック711のプレート713,713は、1個のインゴット30の上端32に吸着して挟持する。他方のチャック711のプレート713,713は、隣のインゴット30の上端32に吸着して挟持する。プレート713の部材のサイズ(直径)は、インゴット50の第1の面54及び第2の面55の幅方向(Y方向)の長さ以下である。チャック711のプレート713,713の幅方向(Y方向)の中心は、インゴット50の第1の面54及び第2の面55の幅方向(Y方向)の中心と一致する。1対のチャック711、711は、2個のインゴット50の第1の面54及び第2の面55の幅方向(Y方向)の中心をX方向に挟持する。
V.第5の実施形態
図25は、第5の実施形態に係るコンテナを示す斜視図である。図26は、複数のインゴットを保持するコンテナ及び投入装置を示す斜視図である。図27は、複数のインゴットを保持するコンテナ及び投入装置を示す一部透過側面図である。
第5の実施形態が第4の実施形態と異なる点は、コンテナ600である。
コンテナ800は、複数のインゴット50(第4の実施形態と同じ)を保持する容器である。コンテナ800は、床部材810と、4個の支柱部材820と、枠部材830と、複数のスペーサ840と、複数のセパレート部材850とを有する。
床部材810は、長尺状で同形の複数のインゴット50の各々の下端53が接する床面を有する。床面上に複数のインゴット50がマトリクス状に並べられる。鉛直方向から見たとき(即ち、水平面を見たとき)、複数のインゴット50は、第1の面54及び第2の面55が互いに非接触で対向する状態で、X方向に並ぶ。複数のインゴット50は、インゴット50の側面が、隣のインゴット50の側面に向かい合うように、X方向に直交するY方向に並ぶ。
4個の支柱部材820は、下端に台座を有し、水平な基準面に対して床部材810を支持する。4個の支柱部材820は、矩形の床部材の4個のコーナ(即ち、2組の対角)に設けられる。
枠部材830は、コンテナ800の側壁であり、複数のインゴット50をX方向及びY方向に取り囲み、インゴット50がコンテナ800の外にX方向及びY方向に離脱するのを規制する。
複数のセパレート部材850は、X方向及びY方向に、複数のインゴット50を分離する。言い換えれば、複数のセパレート部材850は、XY方向にマトリクス状に並ぶ複数のインゴット50を、Y方向に並ぶインゴット50の複数のグループに分離する。本例では、複数のセパレート部材850は、複数のインゴット50を、Y方向に並ぶ2個ずつのインゴット50のグループに分離する。
複数のスペーサ840は、Y方向に並ぶインゴット50の複数の列を、X方向の距離を空けて分離する空間である。スペーサ840は、床部材810、枠部材830及びセパレート部材850により構成される空間である。Y方向に並ぶインゴット50の1列と、Y方向に並ぶインゴット50の隣の列とのX方向の距離(即ち、スペーサ840のX方向の幅)は、投入装置700(第4の実施形態と同じ)の、片側のアーム712及びプレート713を挿入可能なサイズである。これにより、投入装置700のチャック711、711は、スペーサ840に侵入し、2個のインゴット50の第1の面54及び第2の面55の幅方向(Y方向)の中心をX方向に挟持する。
コンテナ800にインゴット50を収容すると、全てのインゴット50の上端52の第1の面54及び第2の面55は、コンテナ800から露出する。露出した上端52のZ方向の長さは、投入装置700がインゴット50を挟持することが可能な長さである。
コンテナ800は、床部材810に対して鉛直方向に対向する第1の開放端881を有する。この第1の開放端882を介して、コンテナ800にインゴットをZ方向に出し入れすることが可能である。
VI.第6の実施形態
図28は、第6の実施形態に係る投入システムの構成を示す。
投入装置40は、投入機構41a及びストレージ棒42aと、移送用棒43と、移送装置44と、制御装置45とを有する。
投入機構41aは、インゴット30の他端を保持し、溶解保持炉200のインゴット投入部20aを介して保持したインゴット30を溶解保持炉本体210内である材料挿入室230に投入する。例えば、投入機構41aは、インゴット30の開口目孔31を使ってインゴット30を吊り下げるチャック46aと、チャック46aを昇降する昇降装置47aとを有し、チャック46aによって吊り下げたインゴット30を、インゴット投入部20aを介して当該インゴット30の一端より徐々に溶解保持炉本体210内である材料挿入室230に投入する。ストレージ棒42aは、複数のインゴット30を、開口目孔31を使って吊り下げて保持し、その一端よりインゴット30を順次投入機構41aに受け渡す。ストレージ棒42aは、投入機構41aに向けて下方に傾いている。これにより、インゴット30は重力により投入機構41a側に移動する。ストレージ棒42aの投入機構41a側の先端付近には、切り出し用ストッパ装置420aが配置されている。切り出し用ストッパ装置420aは、交互に上下するストッパ421a、422aを有する。ストッパ421a、422aの間隔は、一度に投入される所定数のインゴット30の合計厚さよりも大きく、(所定数+1)枚のインゴット30の合計厚さよりも小さい。ストッパ421aが上に位置するときには、ストレージ棒42aのストッパ421aより外側(図中左側)に隣接するインゴット30がストッパ421a、422a間に移動する。ストッパ422aが上に位置するときには、ストッパ421a、422a間のインゴット30がチャック46aに受け渡される。
移送用棒43は、後述するコンテナ600より、複数の、例えばコンテナ600一列分のインゴット30を、それぞれの開口目孔31を使って吊り下げて保持する。
移送装置44は、例えば移送用棒43の両端を支持する2本のチェーン44aと、チェーン44aを吊った状態で支持する支持棒44bと、支持棒44bに取り付けられる昇降・横行装置(図示せず)とを有する。専用の昇降・横行装置により自動化が可能である。昇降・横行装置に代え、小型クレーン等を用いて手動で取り出す部分自動化も可能である。移送装置44は、コンテナ600に保持された複数のインゴット30を、移送用棒43によりそれぞれの開口目孔31を使ってまとめて保持させ、移送用棒43の一端をストレージ棒42a及び第2のストレージ棒42bの他端に連接させて、かつ、ストレージ棒42a及び第2のストレージ棒42bと同様に傾斜させて、移送用棒43よりストレージ棒42a及び第2のストレージ棒42bに複数のインゴット30をまとめて受け渡す。移送装置44は、1本の移送用棒43により複数のインゴット30をストレージ棒42aに受け渡し、その後複数のインゴット30を第2のストレージ棒42bに受け渡す。以下、この動作を繰り返す。2本の移送用棒を使って並列的に受け渡すように構成してもよい。
制御装置45は以上の投入装置40の動作を制御する。
図29は、インゴット30の開口目孔31と上記の移送用棒43との関係を示す図である。
移送用棒43の直径(太さ)は、開口目孔31の貫通孔31aの径よりも小さく、かつ、開口溝31bの幅より大きい関係にある。ストレージ棒42aの径もインゴット30の開口目孔31に対してこれと同様の関係を有する。なお、図29(a)に示すように、移送用棒43及びストレージ棒42aは、断面円形であるが、他の形状であってもよい。例えば、図29(b)に示すように、移送用棒43及びストレージ棒42aを、I字形状としてもよい。
図30は投入装置40の移送用棒43がコンテナ600よりインゴット30を取り出す方法を説明するためを示す側面図である。図31はその正面図である。図32はその際の移送用棒43とインゴット30の開口目孔31との関係を示した正面図である。
移送用棒43は移送装置44により昇降及び横行移動がされる。移送用棒43はコンテナ600の正面よりインゴット30の開口目孔31に挿入され(図30A)、さらに横行してその列のすべてのインゴットの30の開口目孔31に挿入される(図30B)。その後、移送用棒43は上昇し、一列分のインゴット30をコンテナ600より取り出す(図30C、図31)。
一列分のインゴット30を保持した移送用棒43は移送装置44により昇降及び横行移動がされ、移送用棒43の一端はストレージ棒42aの他端に連接され、移送用棒43よりストレージ棒42aに一列分のインゴット30がまとめて受け渡される。
本実施形態に係るコンテナ600を用いることで、簡単な設備でスムーズにインゴット30を移送用棒43に受け渡すことができる。
また、コンテナ600によりインゴット30が立った状態で保持、すなわち縦積みすることによりインゴット30の梱包の解体/取り出しの装置が簡略化され、設備コストの削減や省スペース化が可能となる。上記の例では、コンテナ600より一列分のインゴット30をまとめて取り出しているが、1本ずつ、或いは2本ずつ以上を取り出すようにしてもよい。
VII.第7の実施形態
図33は、第7の実施形態に係るコンテナを示す斜視図である。図34は、複数のインゴットを保持するコンテナを示す斜視図である。
第7の実施形態が第1の実施形態と異なる主な点は、コンテナが仕切り部材を有する点である。
第7の実施形態に係るコンテナ1300は、床部材1310と、4個の支柱部材1320と、1対の支持部材1330と、1対の規制部材1340と、複数のセパレート部材1350と、1対の第1のガイド部1360と、複数の第1の仕切り部材1380と、複数の第2の仕切り部材1390とを有する。
1対の規制部材1340は、矩形の床部材1310の対向する2辺にそれぞれ設けられる。1対の規制部材1340は、複数のインゴット30がY方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向(X方向)に直交する方向)に、コンテナ300から離脱するのを規制する。1対の規制部材1340は、それぞれ、下側規制部材1341及び上側規制部材1342を含む。下側規制部材1341の内面及び上側規制部材1342の内面が、インゴット30の側面36又は37を、長尺軸の方向に離間する2点で支持する。
1対の支持部材1330は、矩形の床部材1310の対向する2辺にそれぞれ設けられる。1対の支持部材1330は、複数のインゴット30がX方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向)に、コンテナ300から離脱するのを規制する。1対の支持部材1330は、それぞれ、ストッパ部材1331及び梁部材1332を含む。ストッパ部材1331の内面及び梁部材1332の内面が、インゴット30の側面36又は37を、長尺軸の方向に離間する2点で支持する。
複数の第1の仕切り部材1380は、X方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向)に、複数のインゴット30を分離する。複数のインゴット30は、XY方向にマトリクス状に並ぶ。複数の第1の仕切り部材1380は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、複数のグループに分離する。例えば、複数の第1の仕切り部材1380は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶ所定数(図34の例では4個)ずつのインゴット30に分離する。本例では、複数の第1の仕切り部材1380は、床部材1310の床面上に設置(溶接)されるが、床面から離れて設置されてもよい。
複数の第2の仕切り部材1390は、X方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向)に、複数のインゴット30を分離する。複数のインゴット30は、XY方向にマトリクス状に並ぶ。複数の第2の仕切り部材1390は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、複数のグループに分離する。例えば、複数の第2の仕切り部材1390は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶ所定数(図34の例では4個)ずつのインゴット30に分離する。複数の第2の仕切り部材1390は、Y方向に延在して1対の規制部材1340の間を渡すように設置(溶接)される。
複数の第1の仕切り部材1380及び複数の第2の仕切り部材1390は、薄板状である。X方向に対向する複数のインゴット30は薄板状の複数の第1の仕切り部材1380及び第2の仕切り部材1390にのみ区切られ、スペーサ等が無いため、コンテナ1300に梱包密度が高くインゴット30を収容することができる。本実施形態によれば、複数の第1の仕切り部材1380及び複数の第2の仕切り部材1390は、インゴット30を、X方向に並ぶ4個ずつのインゴット30を含むグループに分離する。これにより、インゴット30のサイズ(特に、X方向の厚さ)に公差がある場合でも、インゴット30のサイズのばらつきに拠らずインゴット30のコンテナ1300内での位置が定まるため、投入装置400のフック部410を用いてインゴット30を確実に取り出すことを図れる。
VIII.第8の実施形態
図35は、第8の実施形態に係るコンテナを示す斜視図である。図36は、仕切り部材を取り除いたコンテナを示す斜視図である。図37は、複数のインゴットを保持するコンテナを示す斜視図である。図38は、X方向に見たコンテナを示す側面図である。図39は、Y方向に見たコンテナを示す側面図である。
第8の実施形態が第7の実施形態と異なる主な点は、複数の第1の仕切り部材及び複数の第2の仕切り部材がコンテナに対して溶接されておらず、仕切り部材がコンテナから着脱可能な点である。
第8の実施形態に係るコンテナ2300は、床部材2310と、4個の支柱部材2320と、2個の支持部材2330と、下側規制部材2341及び上側規制部材2342を含む1対の規制部材2340と、複数のセパレート部材2350と、1対の第1のガイド部2360と、1対の第2のガイド部2370(図35乃至図39では省略。図40乃至図42参照。)と、複数の第1の仕切り部材2380と、複数の第2の仕切り部材2390とを有する。
1対の下側規制部材2341の内面及び上面(即ち、第1の開放端2381(図36の上方)側)には、複数の溝2346が等間隔で形成される。溝2346のX方向の幅は、第1の仕切り部材2380が安定的に係合可能な幅である。図39は、複数の溝2346を仮想的に(透過的に)示す。
複数のセパレート部材2350は、Y方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向(X方向)に直交する方向)に、複数のインゴット30を分離する。言い換えれば、複数のセパレート部材2350は、XY方向にマトリクス状に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶインゴット30の複数のグループに分離する。各セパレート部材2350の上端2351(即ち、第1の開放端2381(図36の上方)側)には、複数の溝2352が等間隔で形成される。溝2352のX方向の幅は、第1の仕切り部材2380が安定的に係合可能な幅である。
1対の下側規制部材2341にそれぞれ形成された複数の溝2346と、複数のセパレート部材2350にそれぞれ形成された複数の溝2352とは、Y方向に一直線に並ぶ。
複数の第1の仕切り部材2380は、1対の下側規制部材2341にそれぞれ形成された複数の溝2346と、複数のセパレート部材2350にそれぞれ形成された複数の溝2352とに差し込まれ、複数の溝2346及び複数の溝2352に着脱可能に係合する。複数の第1の仕切り部材2380は、X方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向)に、複数のインゴット30を分離する。複数のインゴット30は、XY方向にマトリクス状に並ぶ。複数の第1の仕切り部材2380は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、複数のグループに分離する。例えば、複数の第1の仕切り部材2380は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶ所定数(図37の例では4個)ずつのインゴット30に分離する。
1対の上側規制部材2342の内面及び上面(即ち、第1の開放端2381(図36の上方)側)には、複数の溝2348が等間隔で形成される。溝2348のX方向の幅は、第2の仕切り部材2390が安定的に係合可能な幅である。図39は、複数の溝2348を仮想的に(透過的に)示す。
複数の第2の仕切り部材2390は、1対の上側規制部材2342にそれぞれ形成された複数の溝2348に差し込まれ、複数の溝2348に着脱可能に係合する。複数の第2の仕切り部材2390は、X方向(即ち、複数のインゴット30が並ぶ方向)に、複数のインゴット30を分離する。複数のインゴット30は、XY方向にマトリクス状に並ぶ。複数の第2の仕切り部材2390は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、複数のグループに分離する。例えば、複数の第2の仕切り部材2390は、X方向に並ぶ複数のインゴット30を、X方向に並ぶ所定数(図37の例では4個)ずつのインゴット30に分離する。
複数の第1の仕切り部材2380及び複数の第2の仕切り部材2390は、薄板状である。X方向に対向する複数のインゴット30は薄板状の複数の第1の仕切り部材2380及び第2の仕切り部材2390にのみ区切られ、スペーサ等が無いため、コンテナ2300に梱包密度が高くインゴット30を収容することができる。本実施形態によれば、複数の第1の仕切り部材2380及び複数の第2の仕切り部材2390は、インゴット30を、X方向に並ぶ4個ずつのインゴット30を含むグループに分離する。これにより、インゴット30のサイズ(特に、X方向の厚さ)に公差がある場合でも、インゴット30のサイズのばらつきに拠らずインゴット30のコンテナ2300内での位置が定まるため、投入装置400のフック部410を用いてインゴット30を確実に取り出すことを図れる。同時に取り出すべきインゴット30のグループをコンテナ内で区画するため、投入装置400のフック部410を用いてグループ毎にインゴット30を確実に取り出すことを図れる。
図40は、支持部材を下側として設置された、複数のインゴットを保持するコンテナを示す斜視図である。図41は、Y方向に見た、支持部材を下側として設置された、複数のインゴットを保持するコンテナを示す側面図である。図42は、Z方向に見た、支持部材を下側として設置された、複数のインゴットを保持するコンテナを示す側面図である。
2個の支持部材2330(ストッパ部材2331及び梁部材2332)を下側としてコンテナ2300を設置する場合、複数の第1の仕切り部材2380及び第2の仕切り部材2390は取り外される。複数の第1の仕切り部材2380及び第2の仕切り部材2390が取り外され、ストッパ部材2331及び梁部材2332を下側としてコンテナ2300を基準面に設置したとき、ストッパ部材2331及び梁部材2332の上に、インゴット30が積み重ねられる。複数の第1の仕切り部材2380及び第2の仕切り部材2390が取り外されることで、運搬時等に全てのインゴット30を一括してバンドで拘束することも可能である。
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。即ち、各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。