JP7690823B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1]酸変性ポリオレフィンに接着させるためのポリアミド樹脂組成物であって、前記ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、アミノ基濃度が46~110μmol/gである脂肪族ポリアミド樹脂(A)70質量%以上99質量%以下、芳香族ポリアミド樹脂(B)0質量%以上18質量%以下、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)0.01質量%以上0.50質量%以下、ポリオレフィンワックス(D)0.01質量%以上0.50質量%以下、結晶核剤(E)0.01質量%以上0.10質量%未満、脂肪酸ビスアマイド(F)0.01質量%以上0.10質量%以下、並びに、炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)0.01質量%以上0.20質量%以下、並びに、(A)~(G)以外の成分(H)0質量%以上29.95質量%以下を含み、前記酸変性ポリオレフィンの酸変性量は、8~100μmol/gである、ポリアミド樹脂組成物。
[2]脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)である、[1]のポリアミド樹脂組成物。
[3]芳香族ポリアミド樹脂(B)が、芳香族共重合ポリアミド樹脂である、[1]又は[2]のポリアミド樹脂組成物。
[4]ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)が、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルである、[1]~[3]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[5]ポリオレフィンワックス(D)の数平均分子量が、1,000~5,000である、[1]~[4]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[6]結晶核剤(E)が、タルク、シリカ及びカオリンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]~[5]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[7]脂肪酸ビスアマイド(F)が、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びエチレンビスエルカ酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]~[6]のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
[8][1]~[7]のいずれかのポリアミド樹脂組成物と酸変性ポリオレフィンとを含む成形品であって、前記ポリアミド樹脂組成物の少なくとも一部と前記酸変性ポリオレフィンの少なくとも一部とは接着されており、前記酸変性ポリオレフィンの酸変性量は、8~100μmol/gである、成形品。
[9]燃料に接触する部品であって、[8]の成形品を含む、部品。
本明細書において数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。例えば、「70~99質量%」は、「70質量%以上99質量%以下」を意味する。
ポリアミド樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィンに接着させるためのポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、アミノ基濃度が46~110μmol/gである脂肪族ポリアミド樹脂(A)70質量%以上99質量%以下、芳香族ポリアミド樹脂(B)0質量%以上18質量%以下、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)0.01質量%以上0.50質量%以下、ポリオレフィンワックス(D)0.01質量%以上0.50質量%以下、結晶核剤(E)0.01質量%以上0.10質量%未満、脂肪酸ビスアマイド(F)0.01質量%以上0.10質量%以下、並びに、炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)0.01質量%以上0.20質量%以下、並びに、(A)~(G)以外の成分(H)0質量%以上29.95質量%以下を含み、前記酸変性ポリオレフィンの酸変性量は、8~100μmol/gである。
ポリアミド樹脂組成物は、成形加工時の離型性、機械的特性、接着性、耐塩化カルシウム性に優れるのみならず、耐燃料透過性にも優れる。
以下、「接着性」という場合は、特に断りない限り、「酸変性量が8~100μmol/gである酸変性ポリオレフィン」に対する接着性を意味する。
ポリアミド樹脂組成物は、アミノ基濃度が46~110μmol/gである脂肪族ポリアミド樹脂(A)(本明細書において、単に「脂肪族ポリアミド樹脂(A)」ともいう。)を含む。
脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、1種であるポリアミド樹脂を意味する。ここで、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分としては、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との組み合わせ、ラクタム又はアミノカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸の組み合わせである場合は、1種の脂肪族ジアミンと1種の脂肪族ジカルボン酸の組合せで1種のモノマー成分とみなすものとする。
脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が2種以上であり、かつ、芳香環及脂環式基を有さない脂肪族ポリアミド樹脂である。よって、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)としては、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との組合せ、ラクタム及びアミノカルボン酸からなる群から選択される2種以上のモノマーの共重合体である脂肪族共重合ポリアミド樹脂が挙げられる。
脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、生産性の観点から、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)であることが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11及びポリアミド12からなる群から選択される1種以上であることがより好ましく、ポリアミド6及び/又はポリアミド66であることが特に好ましい。
(アミノ基濃度)
脂肪族ポリアミド樹脂(A)のアミノ基濃度は、46~110μmol/gである。前記アミノ基濃度が46μmol/g未満である場合、接着性が劣る。また、前記アミノ基濃度が110μmol/gを超える場合、分子量が維持出来ず、そのようなアミノ基濃度を有するポリアミド樹脂を製造することが困難であり、また分子量の低下により成形品の機械物性が損なわれる。脂肪族ポリアミド樹脂(A)のアミノ基濃度は、50~110μmol/gであることが好ましく、60~100μmol/gであることがより好ましく、80~99μmol/gであることが特に好ましい。アミノ基濃度は、フェノールとメタノールの混合溶媒に溶解させ中和滴定で求められる値である。アミノ基濃度は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の製造において、脂肪族モノ若しくはジアミン及び/又は脂肪族モノ若しくはジカルボン酸を加えることにより、調整することができる。
脂肪族ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は特に制限されないが、JIS K 6920に準じて、96質量%硫酸中、濃度1質量%の脂肪族ポリアミド樹脂(A)について、25℃で測定した相対粘度が1.8~5.0であることが好ましく、1.8~4.5であることが特に好ましい。相対粘度の測定は、上記内容で測定されるのが好ましいが、それぞれの脂肪族ポリアミド樹脂(A)の相対粘度とその混合比が判明している場合、それぞれの相対粘度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、脂肪族ポリアミド樹脂(A)全体の相対粘度とすることができる。
芳香族ポリアミド樹脂(B)は、芳香環を含むポリアミド樹脂である。よって、芳香族ポリアミド樹脂(B)としては、芳香族共重合ポリアミド樹脂(B-1)及び芳香族ホモポリアミド樹脂(B-2)が挙げられる。
芳香族共重合ポリアミド樹脂(B-1)は、芳香族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が2種以上である、芳香族ポリアミド樹脂である。ここで、芳香族共重合ポリアミド樹脂(B-1)としては、脂肪族及び/又は脂環式ジアミンと芳香族ジカルボン酸との組合せ、芳香族ジアミンと脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸との組合せ、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との組合せから選択されるモノマーの共重合体である芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。ここで、芳香族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、ジアミン及びジカルボン酸の組み合わせである場合は、1種のジアミンと1種のジカルボン酸の組合せで1種のモノマー成分とみなすものとする。脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸は、前記したものが挙げられる。
芳香族ホモポリアミド樹脂(B-2)は、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、1種であるポリアミド樹脂を意味する。よって、芳香族ホモポリアミド樹脂(B-2)としては、脂肪族及び/又は脂環式ジアミンと芳香族ジカルボン酸との組合せ、芳香族ジアミンと脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸との組合せ、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との組合せからが挙げられる。ここで、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸は、前記したものが挙げられる。
芳香族ポリアミド樹脂(B)は、テレフタル酸に由来する単位40~95モル%及びイソフタル酸に由来する単位5~60モル%と、脂肪族ジアミンとからなる芳香族共重合ポリアミド樹脂(B-1)であること、又は、脂肪族ジカルボン酸とm-若しくはp-キシレンジアミンとからなる芳香族ホモポリアミド樹脂(B-2)であることが好ましく、脂肪族ジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸とからなるモノマー成分に由来する単位を60~99重量%で含み、脂肪族ポリアミド成分に由来する単位を1~40重量%で含む芳香族共重合ポリアミド樹脂(B-1)であること又は脂肪族ジカルボン酸とm-キシレンジアミンとからなる芳香族ホモポリアミド樹脂(B-2)であることがより好ましい。ここで、脂肪族ジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸とからなるモノマー成分は、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩とヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩であることが好ましい。また、芳香族ポリアミド樹脂(B)は、生産性の観点からポリアミド6T/6I、ポリアミドMXD6及びポリアミドPXD6からなる群より選択される1種以上であることが更に好ましく、ポリアミド6T/6Iであることが特に好ましい。
<<アミノ基濃度>>
芳香族ポリアミド樹脂(B)のアミノ基濃度は、特に限定されないが、生産性の観点から、20~110μmol/gであることが好ましく、30~100μmol/gであることがより好ましく、31~49μmol/gであることが特に好ましい。アミノ基濃度は、芳香族ポリアミド樹脂(B)の製造において、モノ若しくはジアミン及び/又はモノ若しくはジカルボン酸を加えることにより、調整することができる。
芳香族ポリアミド樹脂(B)の相対粘度は特に制限されないが、JIS K 6920に準じて、96%硫酸中濃度1重量%の芳香族ポリアミド樹脂(B)について、25℃で測定した相対粘度が1.8~5.0であることが好ましく、1.8~4.5であることが特に好ましい。2種以上の芳香族ポリアミド樹脂(B)が存在する場合の相対粘度は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)で述べたとおりとすることができる。
ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)は、アルキレン鎖を有するポリアルキレングリコールの、モノアルキルエーテル又はジアルキルエーテルである。
ポリオレフィンワックス(D)は、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン共重合体ワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリプロピレンワックス等が挙げられる。ここで、ポリエチレン共重合体は、ポリエチレンとエチレン以外のα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。
ポリオレフィンワックス(D)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
結晶核剤(E)としては、無機核剤及び有機核剤が挙げられる。
結晶核剤(E)は、窒素及び水素のガス透過性を抑制する観点から、無機核剤であることが好ましく、タルク、シリカ及びカオリンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることがより好ましく、タルクであることが特に好ましい。
結晶核剤(E)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
脂肪酸ビスアマイド(F)は、下記の一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される化合物であり、式中、R1は2価の炭化水素基、R2及びR3は一価の炭化水素基、R4及びR5は水素原子又は一価の炭化水素基を示す。
脂肪酸ビスアマイド(F)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
炭素原子数20~30の有機酸としては、炭素原子数20~30の飽和脂肪酸が挙げられる。ここで、飽和脂肪酸とは、直鎖状の飽和の炭化水素鎖を有する1価のカルボン酸であり、アラキジン酸(C20)、ヘンイコシル酸(C21)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)、セロチン酸(C26)、モンタン酸(C28)、メリシン酸(C30)等が挙げられる。ここで、括弧内の数字は、各飽和脂肪酸の炭素原子数を示す。
ポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)~(G)以外の成分(H)を含むことができる。このような成分(H)としては、脂肪族ポリアミド樹脂(A)及び芳香族ポリアミド樹脂(B)以外のポリアミド樹脂;ジアミン;可塑剤、耐熱材、発泡剤、耐候剤、酸化防止剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料等の機能性付与剤等が挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する、各成分の含有量は以下の通りである。なお、ポリアミド樹脂組成物において、(A)~(H)の合計は100質量%である。
ポリアミド樹脂組成物は、以下の工程1~工程3を経て得られた二色成形品(2)の、破断点伸びが20%以上であることが好ましい。
工程1:酸変性量が15μmol/gである酸変性ポリオレフィンを、シリンダー温度200℃、金型温度40℃にて射出成形して、部品1を得る工程。
工程2:工程1で得られた部品1を、100℃に加熱して金型へ導入した後、ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー温度290℃、金型温度90℃にて射出成形して、二色成形品(1)を得る工程。
工程3:工程2で得られた二色成形品(1)を、65℃のイソオクタン/トルエン/エタノール混合液に1週間浸漬させて二色成形品(2)を得る工程であって、前記混合液のイソオクタン:トルエン:エタノールの体積比が45:45:10である、二色成形品(2)を得る工程。
また、ポリアミド樹脂組成物は、上記の工程1及び工程2並びに以下の工程3’を経て得られた二色成形品(2’)の、破断点伸びが15%以上であることが好ましく、20%以上であることが特に好ましい。
工程3’:工程2で得られた二色成形品(1)を、65℃のイソオクタン/トルエン/エタノール混合液に3週間浸漬させて二色成形品(2’)を得る工程であって、前記混合液のイソオクタン:トルエン:エタノールの体積比が45:45:10である、二色成形品(2’)を得る工程。
ポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば次の方法を適用することができる。脂肪族ポリアミド樹脂(A)、芳香族ポリアミド樹脂(B)、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)、ポリオレフィンワックス(D)、結晶核剤(E)、脂肪酸ビスアマイド(F)、炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)、並びに(A)~(G)以外の成分(H)との混合は、単軸、二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機を用いることができる。限定されない混合の具体的な方法としては、二軸押出機を使用して、全ての原材料を配合後、溶融混練する方法;一部の原材料を配合後、溶融混練し、更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法;又は、一部の原材料を配合後、溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法等が挙げられる。
酸変性量が8~100μmol/gである酸変性ポリオレフィン(本明細書において、単に「酸変性ポリオレフィン」ともいう。)は、ポリアミド樹脂組成物が接着性を発現するために、所定の酸変性量を有する。このようなポリオレフィンの分子中には、ポリアミド樹脂(A)に対して親和性を有する官能基が、ポリアミド樹脂組成物が接着性を発現するような量で存在する。
炭素原子数3以上のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、 4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセン等が挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物は、特に制限されず、公知の方法を利用する成形品の製造に用いることができる。ポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は、ポリアミド樹脂組成物と酸変性ポリオレフィンとを含む成形品であり、ポリアミド樹脂組成物の少なくとも一部と酸変性ポリオレフィンの少なくとも一部とは、接着されている。即ち、本発明は、酸変性ポリオレフィンに接着させるためのポリアミド樹脂組成物の使用にも関する。また、本発明は、酸変性ポリオレフィンに接着させるための、ポリアミド樹脂組成物を使用する方法にも関する。また、本発明は、ポリアミド樹脂組成物の、酸変性ポリオレフィンの接着剤としての使用にも関する。また、本発明は、ポリアミド樹脂組成物を、酸変性ポリオレフィンの接着剤として使用する方法にも関する。
工程1-a:酸変性量が8~100μmol/gである酸変性ポリオレフィンを、シリンダー温度180~220℃、金型温度30~60℃にて射出成形して、部品1を得る工程。
工程2-a:工程1-aで得られた部品1を、90~110℃(好ましくは100℃)に加熱して金型へ注入した後、ポリアミド樹脂組成物を、成形樹脂温度270~300℃、金型温度50~100℃にて射出成形して、二色成形品を得る工程。
1.脂肪族ポリアミド樹脂(A)
(1)PA6(1):ポリアミド6(宇部興産株式会社製:アミノ基濃度=91μmol/g)
2.芳香族ポリアミド樹脂(B)
(1)PA6T/6I:ポリアミド6T/6I共重合体(エムスケミー・ジャパン株式会社製、Grivory(登録商標) G21:アミノ基濃度=38μmol/g)
3.ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)
(1)ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(第一工業製薬株式会社製、M-PEG CP2500:数平均分子量2,500)
4.ポリオレフィンワックス(D)
(1)ポリエチレンワックス(三井化学株式会社製、ハイワックス320P、数平均分子量3,000)
5.結晶核剤(E)
(1)タルク(日本タルク株式会社製:ミクロエースL-1、平均粒子径5μm)
6.脂肪酸ビスアマイド(F)
(1)エチレンビスステアリン酸アマイド(EBS)(日油株式会社製、アルフローHP-50PF)
7.炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)
(1)ベヘン酸カルシウム(日東化成工業株式会社製、CS-7)
(2)モンタン酸エステル及びモンタン酸カルシウム(クラリアントケミカルズ株式会社製、LICOWAX OP)
8.酸変性ポリオレフィン
(1)無水マレイン酸変性ポリエチレン
酸変性量:16μmol/g(滴定法)
MFR:0.6g/10分(190℃、2,160g)
密度:0.93
融点:128℃(DSC法)
表1に記載した各成分を二軸混練機ZSK32McPlus(コペリオン社製)、L/D 48、スクリュー径32mmで、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量50kg/hにて溶融混練して、ポリアミド樹脂組成物のペレットを作製した。得られたペレットを下記「機械的特性」の評価に使用した。
(1)引張降伏応力、引張破壊呼びひずみ、及び引張弾性率
前記ペレットを用いて、ISO294-1に基づきタイプA型試験片を作製し、ISO527-1,2に基づき23℃雰囲気下引張試験を実施した。
(2)曲げ強さ、及び曲げ弾性率
前記ペレットを用いて、ISO294-1に基づきタイプB型試験片を作製し、ISO178に基づき23℃雰囲気下曲げ試験を実施した。
(3)シャルピー衝撃強さ
前記ペレットを用いて、ISO294-1に基づきタイプB型試験片を作製し、後加工にてISO 179/1eAに基づきVノッチ加工した。ハンマー容量1J、23℃雰囲気下シャルピー衝撃試験を実施した。
(4)荷重たわみ温度
前記ペレットを用いて、ISO294-1に基づきタイプB型試験片を作製し、ISO75-2に基づき、荷重0.45MPaの条件で規定量撓むまでの温度を測定した。
なお、シャルピー衝撃強さが4.5KJ/m2以上であり、荷重たわみ温度が60℃以上である場合は、「機械的特性」に優れると判断した。
酸変性ポリオレフィンにキシレン加え、125℃油浴中で撹拌しながら溶解させた。酸変性ポリオレフィンを溶解後、チモールブルーを適量加入し、ビュレットをセットして、KOHを用いた中和滴定を行って、ポリオレフィンの酸変性率を求めた。
(1)試験片の作製
以下の工程1及び工程2にて、ASTM1号片ダンベル型試験片形状を有する、二色射出成形試験片(試験片1)を得た。また、以下の工程3にて、燃料浸漬後の試験片(試験片2)を得た。図1は、接着性試験を評価するための試験片の形状を表す平面図であり、図2は、接着性試験を評価するための試験片の形状を表す側面図である。ここで、試験片は部品1(図1、図2:1)と部品2(図1、図2:2)から構成される。
(1-1)工程1
射出成形機(FANUC社製T-100D、型締め力100トン、スクリュー径36mm)を用いて、金型に図1の部品2の形状の金属片をインサートし、シリンダー温度200℃、金型温度40℃、射出速度50mm/secの条件にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンの一次成形を行い、部品1の形状を有する、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの成形品を得た。
(1-2)工程2
工程1で得られた無水マレイン酸変性ポリオレフィン成形品を100℃で十分予熱した。その後に、部品2の形状の金属片インサートを取り除いた状態で、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの成形品を金型内へインサートした。シリンダー温度290℃、金型温度90℃、射出速度100mm/secの条件でポリアミド樹脂組成物を用いて、部品2の部分を二次成形することによって、二色射出成形品(試験片1)を得た。試験片1は、部品1(無水マレイン酸変性ポリオレフィンの成形品)と部品2(ポリアミド樹脂組成物の成形品)との境界面は、ポリアミド樹脂組成物の射出時に溶融接着されている。
二色射出成形品(試験片1)をオートクレーブに入れて、FuelC+エタノール10体積%混合燃料(イソオクタン:トルエン:エタノール=45:45:10(体積比))に完全に浸漬するまで封入した。オートクレーブを65℃に加熱して、1週間又は3週間浸漬処理をした。その後、成形品を取り出して、薬品を拭き取り燃料浸漬後の試験片(試験片2)を得た。
試験片2の引張試験を、室温(23℃)下、試験速度50mm/sec、チャック間距離140mmで行い、破断点伸び及び引張降伏時の最大応力を求めた。なお、表の値は、3個の試験片について行った試験結果の平均値である。
ここで、製造直後の試験片の破断点伸びが20%以上であり、1週間浸漬処理後の試験片の破断点伸びが20%以上であり、かつ、1週間浸漬処理後の試験片の破断点伸びが20%以上である場合を、接着性に優れると判断した。
ISO 294-1に基づき得られるタイプA型試験片を80℃×90RH%に調整された恒温槽にて、24時間前処理を行った。取り出した試験片の中央部にガーゼを載せ、飽和塩化カルシウム水溶液を塗布後、100℃で2時間放置した後の表面外観を観察した。外観が良好な場合(〇である場合)を、耐塩化カルシウム性に優れると判断した。
○:外観良好
×:外観不良
離型測定用金型(60mm×30mm×金型からの抜き幅35mmの箱形状金型)のエジェクター部に圧力センサーを設置し、成形品抜き出し時エジェクター抵抗をデータロガーで記録し、最大ピークを離型抵抗とした。射出成形機はFANUC社製T-100D、型締め力100トン、スクリュー径36mmを用いて、射出成形条件シリンダー温度270℃、金型温度50℃、射出速度50mm/secの条件で連続成形し、離型抵抗が安定したところを抵抗値とした。評価基準は0.4kN以下を離型抵抗が低く、成形加工時の離型性に優れると判断した。
射出成形機を用いて、直径75mm、1mm厚の平板試験片を成形し、試験温度60℃、Fuel C(SAE, J1681)+エタノール10体積%混合燃料(イソオクタン:トルエン:エタノール=45:45:10(体積比))を用いて、JIS Z0208に準拠して燃料透過性を測定した。透過面積は、1.13×10-3m2(φ3.8×10-2m)であった。試験燃料を充填するための試料片の数は「2」であり、対照となる試験燃料を充填しなかった試料片の数は「1」であった。
比較例1の樹脂組成物は、結晶核剤(E)、脂肪酸ビスアマイド(F)、並びに炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)を含まないため、成形加工時の離型性に劣っていた。
比較例2の樹脂組成物は、結晶核剤(E)及び脂肪酸ビスアマイド(F)を含まないため、成形加工時の離型性に劣っていた。
比較例3の樹脂組成物は、結晶核剤(E)を含まないため、成形加工時の離型性に劣っていた。
比較例4の樹脂組成物は、炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)の含有量が0.20質量%を超えるため、接着性に劣っていた。
比較例5の樹脂組成物は、結晶核剤(E)の含有量が0.10質量%以上であるため、機械的特性に劣っていた。
2:部品2
Claims (9)
- 酸変性ポリオレフィンに接着させるためのポリアミド樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、アミノ基濃度が46~110μmol/gである脂肪族ポリアミド樹脂(A)70質量%以上99質量%以下、芳香族ポリアミド樹脂(B)0質量%以上18質量%以下、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)0.01質量%以上0.50質量%以下、ポリオレフィンワックス(D)0.01質量%以上0.50質量%以下、結晶核剤(E)0.01質量%以上0.10質量%未満、脂肪酸ビスアマイド(F)0.01質量%以上0.10質量%以下、並びに、炭素原子数20~30の有機酸のエステル及び/又は前記有機酸の金属塩(G)0.01質量%以上0.20質量%以下、並びに、(A)~(G)以外の成分(H)0質量%以上29.95質量%以下を含み、
前記酸変性ポリオレフィンの酸変性量は、8~100μmol/gである、
ポリアミド樹脂組成物。 - 脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、脂肪族ホモポリアミド樹脂である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 芳香族ポリアミド樹脂(B)が、芳香族共重合ポリアミド樹脂である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(C)が、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリオレフィンワックス(D)の数平均分子量が、1,000~5,000である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 結晶核剤(E)が、タルク、シリカ及びカオリンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 脂肪酸ビスアマイド(F)が、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びエチレンビスエルカ酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物と酸変性ポリオレフィンとを含む成形品であって、前記ポリアミド樹脂組成物の少なくとも一部と前記酸変性ポリオレフィンの少なくとも一部とは接着されており、前記酸変性ポリオレフィンの酸変性量は、8~100μmol/gである、成形品。
- 燃料に接触する部品であって、請求項8に記載の成形品を含む、部品。
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