JP7698249B2 - インキ組成物及び印刷物 - Google Patents
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Description
セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物であって、インキ組成物によって形成したインキ塗膜が、以下の要件(1)及び(2)を満たすインキ組成物。
(1)波長850nmの赤外線反射率が30%以下である。
(2)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標AEHを含む平面1、AHDを含む平面2、DGHを含む平面3、DCGを含む平面4、AFEを含む平面5、ABFを含む平面6、ABDを含む平面7、DCBを含む平面8、FEHを含む平面9、HGFを含む平面10の外側にあり、座標A~Hが、それぞれ表1;
セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物であって、インキ組成物によって形成したインキ塗膜が、以下の要件(3)及び(4)を満たすインキ組成物。
(3)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(4)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、
座標A’~H’が、それぞれ表2;
インキ組成物によって形成したインキ塗膜が、さらに、以下の要件(5)を満たす、項1又は項2に記載のインキ組成物。
(5)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標aehを含む平面1、ahdを含む平面2、dghを含む平面3、dcgを含む平面4、afeを含む平面5、abfを含む平面6、abdを含む平面7、dcbを含む平面8、fehを含む平面9、hgfを含む平面10の内側にあり、座標a~hが、それぞれ表3;
基材上に、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜を有し、インキ塗膜が、以下の要件(6)及び(7)を満たす、印刷物。
(6)波長850nmの赤外線反射率が30%以下である。
(7)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標AEHを含む平面1、AHDを含む平面2、DGHを含む平面3、DCGを含む平面4、AFEを含む平面5、ABFを含む平面6、ABDを含む平面7、DCBを含む平面8、FEHを含む平面9、HGFを含む平面10の外側にあり、座標A~Hが、それぞれ表4;
基材上に、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜を有し、インキ塗膜が、以下の要件(8)及び(9)を満たす、印刷物。
(8)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(9)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、
座標A’~H’が、それぞれ表5;
基材上に前記インキ組成物によって形成したインキ塗膜が、さらに、以下の要件(10)を満たす、項4又は項5に記載の印刷物。
(10)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標aehを含む平面1、ahdを含む平面2、dghを含む平面3、dcgを含む平面4、afeを含む平面5、abfを含む平面6、abdを含む平面7、dcbを含む平面8、fehを含む平面9、hgfを含む平面10の内側にあり、座標a~hが、それぞれ表6;
セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜による第1のパターンと、可視光下で第1のパターンと等色の第2のパターンを備え、第1のパターンと第2のパターンは、赤色の波長域の分光反射率が異なり、かつ、色相角度が-52度から92度であることを特徴とする項4から項6に記載の印刷物。
本発明のインキ組成物は、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物であって、所定の厚さのインキ塗膜を形成したとき、以下の要件を満たす、インキ組成物である。なお、インキ塗膜の特性は、二つの形態があり、順に説明する。
一つ目のインキ塗膜の特性は、以下の要件(1)及び(2)を満たす。
(1)波長850nmの赤外線の反射率が30%以下である。
(2)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標AEHを含む平面1、AHDを含む平面2、DGHを含む平面3、DCGを含む平面4、AFEを含む平面5、ABFを含む平面6、ABDを含む平面7、DCBを含む平面8、FEHを含む平面9、HGFを含む平面10の外側にあり、座標A~Hが、それぞれ表7;
本発明において、インキ塗膜の色の特性については、CIE1976 L*a*b*色空間を用いて表しており、CIE1976 L*a*b*色空間において、明度は、L*で、色相と彩度を示す色度は、a*及びb*で表される。明度L*は、0~100の範囲にあり、0が黒方向、100が白方向を示す。色度a*及びb*は、色の方向を示し、+a*方向は赤方向、-a*方向は緑方向、+b*方向は黄方向、-b*方向は青方向を示す。a*及びb*の数値の絶対値が大きくなるにしたがって色鮮やかとなり、絶対値が小さくなる(a*及びb*の数値が0に近くなる)にしたがってくすんだ色となる。なお、彩度は、a*の二乗値とb*の二乗値の和の平方根で表される。インキ塗膜のCIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)は、例えば、後述する実施例に記載した方法で測定できる。
二つ目のインキ塗膜の特性は、以下の要件(3)及び(4)を満たす。
(3)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(4)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、座標A’~H’が、それぞれ表8;
セシウム酸化タングステンは、下記一般式(組成式)(I)で表される化合物であることが好ましい。
MxWyOz・・・(I)
Mはセシウムを含む金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mはセシウムを含む金属であり、セシウム以外の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi等からなる群から選ばれる1種類以上が挙げられる。
本発明のインキ組成物の構成成分である着色顔料は、特に限定されない。無機顔料及び有機顔料から、所望の色彩を得るために適宜のものが用いられる。
本発明のインキ組成物は、粘度調整や印刷適性付与等を目的として、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、鉱物油、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤等を用いることができる。
本発明のインキ組成物は、必要に応じて、「セシウム酸化タングステン及び着色顔料」以外の顔料(以下、「その他の顔料」という場合がある。)、樹脂や光重合性化合物等の塗膜形成成分、ゲル化剤、界面活性剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、ブロッキング防止剤、磁性材料、発光性材料、導電性材料、乾燥剤等を添加して使用してもよい。本発明においては、これらのその他成分のうち1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
(5)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標aehを含む平面1、ahdを含む平面2、dghを含む平面3、dcgを含む平面4、afeを含む平面5、abfを含む平面6、abdを含む平面7、dcbを含む平面8、fehを含む平面9、hgfを含む平面10の内側にあり、座標a~hが、それぞれ表9;
本発明のインキ組成物の製造方法は、インキ組成物の構成成分を均一に混合できる製造方法であれば、特に限定されない。インキ組成物の製造方法における構成成分の混合に際しては、例えば、プラネタリミキサ、タンブラー、ビーズミル、サンドミル、スターラー、撹拌機、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ペイントシェーカー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、3本ロールミル等の混合機を用いることができる。
本発明のインキ組成物は、赤外線吸収特性を利用した偽造防止インキ組成物又はメタメリックペアインキ組成物として用いることができる。インキ組成物を付与した製品の例としては、銀行券(紙幣)、印紙、切手、有価証券、身分証明書、パスポート、セキュリティラベル、カード等の偽造防止が求められる印刷物用インキとして用いることができる。
本発明の印刷物は、基材上に、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜を有し、インキ塗膜の特性は、二つの形態があり、順に説明する。
(6)波長850nmの赤外線の反射率が30%以下である。
(7)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標AEHを含む平面1、AHDを含む平面2、DGHを含む平面3、DCGを含む平面4、AFEを含む平面5、ABFを含む平面6、ABDを含む平面7、DCBを含む平面8、FEHを含む平面9、HGFを含む平面10の外側にあり、座標A~Hが、それぞれ表10;
(8)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(9)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、座標A’~H’が、それぞれ表11;
(10)CIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)が、下記座標aehを含む平面1、ahdを含む平面2、dghを含む平面3、dcgを含む平面4、afeを含む平面5、abfを含む平面6、abdを含む平面7、dcbを含む平面8、fehを含む平面9、hgfを含む平面10の内側にあり、座標a~hが、それぞれ表12;
本発明の印刷物は、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物を用い、基材上に、凹版印刷、凸版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等の印刷方法を用いることで、作製することができる。
本発明の印刷物は、種々の用途に用いられる。特に、セキュリティ印刷物や意匠性が求められる印刷物、例えば、銀行券(紙幣)、印紙、切手、有価証券、身分証明書、パスポート、セキュリティラベル等に用いられる。例えば、基材上に赤外線を吸収するインキ塗膜を形成し、赤外光の吸収を検知して真偽判別する印刷物に用いることができる。また、可視光下では等色として視認されるが、特定光源下又は特定波長透過フィルタを介在させたときに、パターンを認識可能なメタメリックな性質を有する偽造防止用印刷物に用いることができる。
実施例及び比較例で用いたインキ原料は、以下のとおりであり、各インキ原料を所定の割合で配合してインキ組成物を作製し、各インキ組成物による塗膜の評価を行った。以下、実施例及び比較例の詳細について説明する。
セシウム酸化タングステンペースト(住友金属鉱山株式会社、CWO(登録商標) YMDM-05A)を用いた。なお、本実施例で用いたセシウム酸化タングステンペーストは、セシウム酸化タングステンの顔料の濃度が65.9wt%のものである。
黒色顔料(T&K TOKA社製 No.6UVLカートン墨CW)を用いた。
黄色顔料(T&K TOKA社製 No.6UVLカートン黄CW)を用いた。
紅色顔料(T&K TOKA社製 No.6UVLカートン紅CW)を用いた。
黄色顔料(T&K TOKA社製 No.6UVLカートン藍CW)を用いた。
蛍光顔料(T&K TOKA社製 UV蛍光メジウムB)を用いた。
<印刷物の作製>
作製したインキ組成物を、万能印刷適性試験機(熊谷理機工業株式会社)を用いて、印刷速度1.0m/min、印刷圧力20kgfで上質紙に印刷し、印刷物を作製した。
<赤外線反射率>
分光光度計(UH4150 日立ハイテクサイエンス社製)を用い、得られた印刷物の印刷部分の赤外線反射率を測定した。赤外線の波長は、一般的に偽造品の真贋判定で使用される波長である850nmとした。赤外線反射率の数値が低いほど、そのインキ塗膜の赤外線吸収率が高いことを意味している。
Spectroeye 分光光度計(Gretag Macbeth社製)を用い、光源D65、視野10°の条件で測定し、絶対白基準のL*値、a*値及びb*値を得た。
セシウム酸化タングステンペースト(住友金属鉱山株式会社、CWO(登録商標) YMDM-05A) 15部、及び、蛍光メジウム 85部を、ミキサーを用いて混合し、インキ組成物を作製した。得られたインキ組成物の組成、当該インキ組成物による塗膜の赤外線反射率及びCIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)を表13に示す。
実施例2~8のインキ組成物については、インキ組成物の構成成分を、それぞれ表13に記載した成分としたほかは、実施例1と同様にして、インキ組成物を作製したもので、当該インキ組成物による塗膜の赤外線反射率及びCIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)を表13に示す。比較例1~8のインキ組成物については、実施例1から8のインキ組成物の赤外反射特性と略同等の赤外反射特性とするためにカーボンブラックを配合するとともに、同じ色とするために、各色の着色インキを配合したもので、得られたインキ組成物の組成、赤外線反射率及びCIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)、塗膜の膜厚を表14に示す。
比較例9~16のインキ組成物については、赤外反射率が50%となるように、カーボンブラックを配合し、各色の着色インキを配合したもので、得られたインキ組成物の組成、赤外線反射率及びCIE1976 L*a*b*色空間の座標(L*,a*,b*)を表15に示す。
実施例9~実施例11は、メタメリック効果を有する印刷物の例であり、セシウム酸化タングステンを含むインキ組成物により、第1のパターンを形成し、可視光下で第1のパターンと等色の第2のパターンを形成した。なお、実施例9~実施例11の印刷物を構成する第1のパターンと第2のパターンを形成するための各インキ組成を構成する材料については、実施例1~8で用いた材料と、赤色の光源又は赤色透過フィルタを用いた場合に消失するインキとして、赤紫インキ(クラリアント社製 Hostaperm Red Violet ER02)を用い、表16に示す割合で配合して各インキ組成物を作製した。
2 L*a*b*色空間における仮の色座標から成る平面2
3 L*a*b*色空間における仮の色座標から成る平面3
4 L*a*b*色空間における仮の色座標から成る平面4
5 L*a*b*色空間における仮の色座標から成る平面5
6 L*a*b*色空間における仮の色座標から成る平面6
A 色座標(L*+61.0,a*+0.9,b*+4.1)
B 色座標(L*+44.4,a*+22.7,b*-3.4)
C 色座標(L*+36.9,a*+3.6,b*-14.4)
D 色座標(L*+49.2,a*-16.2,b*-13.4)
E 色座標(L*+56.5,a*-1.9,b*-34.4)
F 色座標(L*+47.9,a*+15.1,b*+9.8)
G 色座標(L*+47.6,a*-2.1,b*+0.8)
H 色座標(L*+48.9,a*-19.5,b*+11.0)
Claims (5)
- セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物であって、前記インキ組成物によって形成したインキ塗膜が、以下の要件(3)及び(4)を満たすインキ組成物。
(3)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(4)CIE1976 L * a * b * 色空間の座標(L * ,a * ,b * )が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、座標A’~H’が、それぞれ表2;
である。 - 基材上に、セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜を有し、前記インキ塗膜が、以下の要件(8)及び(9)を満たす、印刷物。
(8)波長850nmの赤外線の反射率が30%より高く50%以下である。
(9)CIE1976 L * a * b * 色空間の座標(L * ,a * ,b * )が、下記座標A’E’H’を含む平面1、A’H’D’を含む平面2、D’G’H’を含む平面3、D’C’G’を含む平面4、A’F’E’を含む平面5、A’B’F’を含む平面6、A’B’D’を含む平面7、D’C’B’を含む平面8、F’E’H’を含む平面9、H’G’F’を含む平面10の外側にあり、座標A’~H’が、それぞれ表5;
である。 - 前記セシウム酸化タングステン及び着色顔料を含むインキ組成物から形成されたインキ塗膜による第1のパターンと、可視光下で前記第1のパターンと等色の第2のパターンを備え、前記第1のパターンと前記第2のパターンは、赤色の波長域の分光反射率が異なり、かつ、色相角度が-52度から92度であることを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷物。
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