JP7699353B2 - 建材 - Google Patents
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Description
建材を、例えば天井面等に使用した場合、被覆層が過度に発泡すると、断熱層が脱落し、難燃性が低下してしまうおそれがある。本開示の1つの局面では、難燃性を有するとともに、被覆層が過度に発泡することを抑制できる建材を提供することが好ましい。
1.建材の構成
(1)基材
建材は基材を備える。基材として、例えば、可燃性の基材が挙げられる。可燃性の基材として、例えば、木材等が挙げられる。木材として、例えば、厚さ12mm、幅100mm、長さ2000mmのスギ製材等が挙げられる。
柱として、例えば、角形柱がある。長手方向に直交する断面での角形柱の断面形状は、例えば、正方形である。正方形の一辺の長さは、例えば、90mm以上1100mm以下である。
(2)被覆層の構成
建材は被覆層を備える。被覆層は基材の表面に形成されている。被覆層は、塗膜と、ガラス繊維部と、を備える。塗膜は、加熱により発泡する。ガラス繊維部は、ガラス繊維クロス又はガラス繊維不織布から成る。ガラス繊維部の少なくとも一部は、塗膜に埋め込まれている。
ガラス繊維クロス又はガラス繊維不織布の縦方向での引張強さは、300N/25mm以上1000N/25mm以下が好ましく、510N/25mmがさらに好ましい。ガラス繊維クロス又はガラス繊維不織布の横方向での引張強さは、300N/25mm以上1000N/25mm以下が好ましく、451N/25mmがさらに好ましい。
塗膜は、塗料組成物を塗布することにより形成される。塗料組成物として、例えば、(a)水溶性メラミン樹脂と、(b)縮重合リン酸エステルと、(c)リン酸、ホウ酸、アンモニウム塩、及びアンモニア水のうちの1以上と、を含有する塗料組成物(以下では特定塗料組成物とする)が挙げられる。特定塗料組成物は、(d)分子構造中にアミノ基を有する化合物、(e)カオリン、及び(f)ガラス繊維のうちの1以上をさらに含んでいてもよい。
特定塗料組成物は水溶性メラミン樹脂を含む。水溶性メラミン樹脂は、例えば、アルデヒド類とメラミンとをアルカリ触媒存在下で反応させることにより製造することができる。水溶性メラミン樹脂の製造方法は、例えば、特許第257115号公報、特開昭51-114492号公報、特開2006-124457号公報等に開示されている。
特定塗料組成物は縮重合リン酸エステルを含む。縮重合リン酸エステルは、ポリリン酸とアルコールとの縮合反応により得られるエステルである。アルコールとして、例えば、脂肪族アルコール、グリコール、多価アルコール、グリセリン等が挙げられる。
特定塗料組成物は(c)成分を含む。(c)成分は、リン酸、ホウ酸、アンモニウム塩、及びアンモニア水のうちの1以上を含む。(c)成分は、例えば、リン酸とホウ酸との両方を含む。アンモニウム塩として、例えば、リン酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性メラミン樹脂100質量部に対する(c)成分の配合割合は、好ましくは15質量部以上90質量部以下であり、より好ましくは20質量部以上50質量部以下であり、最も好ましくは31質量部である。
特定塗料組成物は、(d)分子構造中にアミノ基を有する化合物(以下では(d)成分ともいう)を含む。特定塗料組成物が(d)成分を含むことにより、常温における特定塗料組成物の硬化が速くなる。常温における特定塗料組成物の硬化が速くなると、垂直面に特定塗料組成物を塗付した場合の垂れが少なくなる。
脂肪族アミンとして、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、スペルミジン、スペルミン、アマンタジン等が挙げられる。
複素環式アミンとして、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オキサゾール、チアゾール、4-ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
常温における特定塗料組成物の硬化が一層速くなる理由は、水溶性メラミン樹脂に残留するホルムアルデヒドと(d)成分との重縮合物が特定塗料組成物の流動性を低下させるためであると推測される。なお、(d)成分とホルムアルデヒドとの重縮合物は、後述する(D)成分である。
特定塗料組成物は、例えば、(e)カオリンをさらに含む。カオリンとして、ハロイサイト(Al2Si2O5(OH) 4・2H2O)が好ましい。ハロイサイトはチューブ状の結晶構造を有する。ハロイサイトは、外側にシロキサン(-Si-O-Si-)を有し、内側にアルミノール(-Al-O-Al-)を有している。そのため、ハロイサイトの表面は酸性を呈する。
カオリンの粒子径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。カオリンの粒子径が1μm以上10μm以下である場合、特定塗料組成物の硬化が一層早くなる。
特定塗料組成物は、例えば、(f)ガラス繊維をさらに含む。ガラス繊維の形態は、例えば、パウダー状である。特定塗料組成物がガラス繊維を含む場合、加熱発泡後の断熱層の形状保持性が向上する。ガラス繊維の直径は、5μm以上20μm以下であることが好ましく、10μmであることがさらに好ましい。ガラス繊維の長さは、10μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。ガラス繊維の長さをガラス繊維の直径で除した値を、ガラス繊維のアスペクト比とする。ガラス繊維のアスペクト比は、1.5以上5.5以下であることが好ましい。
特定塗料組成物は、例えば、難燃性、塗膜の透明性、及び塗膜の硬化の速さを著しく損なわない範囲で、通常の塗料に使用される添加剤、顔料等を含むことができる。添加剤として、例えば、増粘剤、pH調整剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、染料等、消泡剤、顔料等が挙げられる。
特定塗料組成物の形態は、例えば、第1剤と第2剤とにより構成される2液の形態である。第1剤は水溶性メラミン樹脂を含む。第2剤は、縮重合リン酸エステルと、(c)成分とを含む。第1剤と第2剤とは、使用前に混合される。特定塗料組成物の形態が2液の形態である場合、特定塗料組成物の貯蔵安定性が高い。
(4)塗膜
塗膜は、例えば、(A)水溶性メラミン樹脂と、(B)縮重合リン酸エステルと、(C)リン酸、ホウ酸、アンモニウム塩、及びアンモニアのうちの1以上と、を含む。塗膜は、例えば、(D)分子構造中にアミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの重縮合物、(E)カオリン、及び(F)ガラス繊維のうちの1以上をさらに含む。
塗膜において、水溶性メラミン樹脂100質量部に対する(C)成分の配合割合は、好ましくは15質量部以上90質量部以下であり、より好ましくは20質量部以上50質量部以下であり、最も好ましくは31質量部である。
塗膜において、水溶性メラミン樹脂100質量部に対する(D)成分の配合割合は、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。水溶性メラミン樹脂100質量部に対する(D)成分の配合割合が0.05質量部以上5質量部以下である場合、建材を製造するとき、常温における塗膜の硬化が一層速くなる。
塗膜において、水溶性メラミン樹脂100質量部に対するカオリンの配合割合は、好ましくは20質量部以上250質量部以下であり、より好ましくは50質量部以上200質量部以下であり、最も好ましくは150質量部以上180質量部以下である。水溶性メラミン樹脂100質量部に対するカオリンの配合割合が250質量部以下である場合、塗膜が白濁することを抑制できる。
2.建材の製造方法
建材は、例えば、図3に示す方法で製造できる。図3のS1に示すように、基材3の表面に塗料組成物を塗布し、第1塗膜11を形成する。塗料組成物は、例えば、特定塗料組成物である。次に、第1塗膜11が硬化し、流動性を失うまで放置する。放置時間は、例えば、数時間~数週間である。次に、S2に示すように、第1塗膜11の上にガラス繊維部9を載せる。
(3-1)建材1の周囲で火災が発生し、被覆層5が加熱されると、被覆層5に含まれる塗膜7は発泡する。その結果、被覆層5は断熱層を形成する。形成された断熱層は基材3の燃焼を抑制する。被覆層5はガラス繊維部9を含むため、発泡抑制効果を奏する。
(3-3)塗膜7の単位面積当たりの質量は、例えば、250g/m2以上550g/m2以下であり、塗膜7のうち、ガラス繊維部9に含侵しているか、ガラス繊維部9よりも表面5Bの側にある部分の単位面積当たりの質量は、例えば、75g/m2以上275g/m2以下である。その場合、建材1の発泡抑制効果は一層高い。
4.実施例
(4-1)特定塗料組成物の製造
以下の各成分を混合することで、特定塗料組成物の第1剤と第2剤とを製造した。
<第1剤>
水溶性メラミン樹脂:20質量部
ガラス繊維:50質量部
カオリン:1.5質量部
湿潤剤:0.5質量部
<第2剤>
縮重合リン酸エステル:30質量部
リン酸:5質量部
尿素:0.5質量部
第1剤及び第2剤は、それぞれ、溶媒として水を含んでいた。第1剤及び第2剤のそれぞれにおいて、全質量に対する不揮発分の質量比は76質量%であった。第1剤に含まれるガラス繊維の直径は10μmであり、繊維長は30~50μmであった。
(i)実施例1
基材3として、矩形の板状の集成材を用意した。基材3の寸法は、縦99mm、横99mm、厚さ30mmであった。図3のS1に示すように、基材3の表面に、前記(4-1)で製造した特定塗料組成物を塗布し、第1塗膜11を形成した。特定塗料組成物は、100質量部の第1剤と、100質量部の第2剤とを混合したものであった。
基本的には実施例1の場合と同様にして、実施例2~7の建材1を製造した。ただし、第1塗膜11の単位面積当たりの質量、及び、第2塗膜13の単位面積当たりの質量は、表1に示すとおりとした。
(iii)比較例1、2
基本的には実施例1の場合と同様にして、比較例1、2の建材1を製造した。ただし、比較例1では、第1塗膜11を形成し、硬化させた後、ガラス繊維部9を載せることなく、第2塗膜13を形成した。よって、比較例1では、被覆層5はガラス繊維部9を備えない。
(4-3)建材1の評価
各実施例及び各比較例の建材1について試験を行った。ISO5660-1に規定されているコーンカロリーメータ法により、試験体に対して50kW/m2の輻射強度で10分間加熱した場合の総発熱量及び最大発熱速度を測定した。測定値を以下の評価基準にあてはめて、難燃性を評価した。評価結果を表1に示す。
〇:7.2MJ/m2以下
△:8MJ/m2以下
×:8MJ/m2超
(最高発熱速度に基づく難燃性の評価基準)
〇:180kW/m2以下
△:200kW/m2以下
×:200kW/m2超
また、コーンカロリーメータ法を行うとき、試験体の上方にイグナイタが設置される。被覆層5が発泡したとき、被覆層5がイグナイタに接触するか否かを観察した。観察結果に基づき、発泡抑制効果を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。なお、被覆層5が過度に発泡すると、被覆層5はイグナイタに接触し易い。
〇:被覆層5はイグナイタに接触しない。
△:被覆層5はイグナイタに接触するが、接触時間は10秒間以内である。
また、建材1を目視で観察し、被覆層5の透明性を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
〇:被覆層5を通して基材3の木目を視認できる。
△:被覆層5を通して基材3の木目がぼやけて見える。
5.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (4)
- 基材と、
前記基材の表面に形成された被覆層と、
を備え、
前記被覆層は、
加熱により発泡する塗膜と、
少なくとも一部が前記塗膜に埋め込まれている、ガラス繊維クロス又はガラス繊維不織布から成るガラス繊維部と、
を備え、
前記塗膜の単位面積当たりの質量は250g/m 2 以上550g/m 2 以下であり、
前記塗膜のうち、前記ガラス繊維部に含侵しているか、前記ガラス繊維部よりも表面側にある部分の単位面積当たりの質量は75g/m 2 以上197g/m 2 以下である、
建材。 - 基材と、
前記基材の表面に形成された被覆層と、
を備え、
前記被覆層は、
加熱により発泡する塗膜と、
少なくとも一部が前記塗膜に埋め込まれている、ガラス繊維クロス又はガラス繊維不織布から成るガラス繊維部と、
を備え、
前記塗膜は、(A)水溶性メラミン樹脂と、(B)縮重合リン酸エステルと、(C)リン酸、ホウ酸、アンモニウム塩、及びアンモニアのうちの1以上と、(D)尿素と、を含む、
建材。 - 請求項2に記載の建材であって、
前記塗膜の単位面積当たりの質量は250g/m2以上550g/m2以下であり、
前記塗膜のうち、前記ガラス繊維部に含侵しているか、前記ガラス繊維部よりも表面側にある部分の単位面積当たりの質量は75g/m2以上197g/m2以下である、
建材。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の建材であって、
前記被覆層は、前記基材の側に、前記ガラス繊維部を含まない部分を備える、
建材。
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