JP7699652B2 - 靴底および靴 - Google Patents
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Description
本発明は、靴底およびこれを備えた靴に関する。
たとえば、国際公開第2010/049983号(特許文献1)には、後足部の内足側の圧縮剛性を後足部の外足側の圧縮剛性よりも高くし、これによりオーバープロネーションの発生が抑制された靴が開示されている。
しかしながら、特定の用途に用いられる靴においては、上記特許文献1に開示されるような構成を採用することが必ずしも好適とは言えない場合がある。たとえば、方向転換(いわゆる切り返し動作)を頻繁に行なう必要のある競技に用いられる靴においては、後足部の内足側の圧縮剛性が高い場合に、切り返し動作時において当該部分における衝撃緩衝性能に劣ってしまうことになる。
そのため、特にこの種の競技に用いられる靴においては、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との双方に優れていることが好ましく、この点の改善が強く求められているところである。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との両立が図られた靴底およびこれを備えた靴を提供することを目的とする。
本発明に基づく靴底は、着用者の足の足趾部および踏付け部を支持する前足部と、着用者の足の踏まず部を支持する中足部と、着用者の足の踵部を支持する後足部とが、着用者の足の足長方向に合致する方向である前後方向に沿って連なって設けられたものであって、ミッドソールと、アウトソールとを備えている。上記ミッドソールは、上記前足部、上記中足部および上記後足部に跨がるように設けられており、上記アウトソールは、上記ミッドソールの下面の少なくとも一部を覆うことで立位時における接地面を規定している。上記ミッドソールは、着用者の足の足幅方向に合致する方向である左右方向における内足側であってかつ上記前後方向における後端側の位置に、上記接地面側に向けて突出する第1突出部を有している。上記第1突出部が設けられた部分の上記ミッドソールは、上記接地面側に位置する第1底面と、当該第1底面から見て上記左右方向における内足側に位置する第1側面とを含んでいる。上記アウトソールは、上記第1底面を覆うことで上記接地面を規定する第1底壁部と、当該第1底壁部の上記左右方向における内足側の周縁から上方に向けて立設されるとともに、上記第1側面を覆う第1側壁部とを含む第1カバー部を有している。上記本発明に基づく靴底の上記前後方向における前方側末端を基準とし、当該前方側末端から当該靴底の上記前後方向における後方側末端までの寸法の70%の寸法に相当する位置を前方側特定位置とし、上記第1底壁部の上記前後方向における後端側の位置を後方側特定位置とした場合に、上記第1底壁部と上記第1側壁部との境界に位置する上記第1カバー部の第1稜線は、上記接地面の法線方向に沿って見た場合に、上記前方側特定位置から上記後方側特定位置に向かうにつれて、上記第1側壁部によって規定される上記第1カバー部の第1外形線から遠ざかるように位置している。
本発明に基づく靴は、上述した本発明に基づく靴底と、当該靴底の上方に位置するアッパーとを備えている。
本発明によれば、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との両立が図られた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る靴底およびこれを備えた靴の概略斜視図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aの概略的な構成について説明する。ここで、図1においては、理解を容易とするために、後述するアウトソール130に濃い色を付しており、後述するミッドソール110のうちの第1突出部111および第2突出部112(図2ないし図9等参照)に相当する部分に薄い色を付している(なお、後述する図2ないし図5、図7、図9ないし図11および図14においても同様である)。
図1は、実施の形態1に係る靴底およびこれを備えた靴の概略斜視図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aの概略的な構成について説明する。ここで、図1においては、理解を容易とするために、後述するアウトソール130に濃い色を付しており、後述するミッドソール110のうちの第1突出部111および第2突出部112(図2ないし図9等参照)に相当する部分に薄い色を付している(なお、後述する図2ないし図5、図7、図9ないし図11および図14においても同様である)。
図1に示すように、靴1は、靴底100Aと、アッパー200とを備えている。靴底100Aは、着用者の足の足裏を覆う部材であり、略偏平な形状を有している。アッパー200は、挿入された着用者の足の全体を包み込む袋状の形状を有しており、靴底100Aの上方に位置している。
アッパー200は、アッパー本体210と、シュータン220と、シューレース230とを有している。アッパー本体210は、アッパー200のベースとなる部材であり、袋状の形状を有している。シュータン220およびシューレース230は、いずれもアッパー本体210に固定または取り付けられている。
アッパー本体210の下部には、靴底100Aに固定される底部が位置しており、アッパー本体210の上部には、足首の上部と足の甲の一部とを露出させる開口部が設けられている。シュータン220は、アッパー本体210に設けられた開口部のうち、足の甲の一部を露出させる部分を覆うようにアッパー本体210に縫製、溶着あるいは接着またはこれらの組み合わせ等によって固定されている。アッパー本体210およびシュータン220としては、たとえば織地や編地、合成皮革、樹脂等が用いられ、特に通気性や軽量性が求められる靴においては、ポリエステル糸を編み込んだダブルラッセル経編地が利用される。
シューレース230は、アッパー本体210に設けられた足の甲の一部を露出させる開口部の周縁を足幅方向において互いに引き寄せるための紐状の部材からなり、当該開口部の周縁に設けられた複数の孔部に挿通されている。アッパー本体210に着用者の足が挿入された状態においてこのシューレース230を締め付けることにより、アッパー本体210およびシュータン220を足に密着させることが可能になる。
靴底100Aは、ミッドソール110と、強化構造部120と、アウトソール130とを有している。これらミッドソール110、強化構造部120およびアウトソール130が一体化されることにより、靴底100Aは、上述したように全体として略偏平な形状を有している。
アウトソール130は、その下面に接地面134(図2ないし図7等参照)を有しており、ミッドソール110は、アウトソール130の上方に位置している。また、強化構造部120は、その一部がミッドソール110に埋設されるとともに、他の一部がミッドソール110から露出して位置している。
図2は、図1に示す靴底の斜視図であり、図3および図4は、それぞれ図1に示す靴底の内足側の側面図および外足側の側面図である。図5は、図1に示す靴底の底面図であり、図6(A)ないし図6(C)は、それぞれ図5中に示すVIA-VIA線ないしVIC-VIC線に沿った断面図である。図7は、図1に示す靴底の分解斜視図であり、図8は、図1に示す靴底からアウトソールならびに後方側ミッドソールを取り除いた状態を示す底面図である。また、図9は、図1に示す靴底からアウトソールを取り除いた状態を示す斜視図である。次に、これら図2ないし図9を参照して、本実施の形態に係る靴底100Aの詳細な構造について説明する。
図3ないし図5に示すように、靴底100Aは、平面視した状態において着用者の足の足長方向に合致する方向である前後方向(図3および図4における図中左右方向、図5における図中上下方向)に沿って、着用者の足の足趾部および踏付け部を支持する前足部R1と、着用者の足の踏まず部を支持する中足部R2と、着用者の足の踵部を支持する後足部R3とに区画される。
ここで、靴底100Aの前方側末端を基準とし、当該前方側末端から靴底100Aの前後方向の寸法の40%の寸法に相当する位置を第1境界位置とし、当該前方側末端から靴底100Aの前後方向の寸法の80%の寸法に相当する位置を第2境界位置とした場合に、前足部R1は、前後方向に沿って前方側末端と第1境界位置との間に含まれる部分に該当し、中足部R2は、前後方向に沿って第1境界位置と第2境界位置との間に含まれる部分に該当し、後足部R3は、前後方向に沿って第2境界位置と靴底の後方側末端との間に含まれる部分に該当する。
また、図5に示すように、靴底100Aは、平面視した状態において着用者の足の足幅方向に合致する方向である左右方向(図中左右方向)に沿って、足のうちの解剖学的正位における正中側(すなわち正中に近い側)である内足側の部分(図中に示すS1側の部分)と、足のうちの解剖学的正位における正中側とは反対側(すなわち正中に遠い側)である外足側の部分(図中に示すS2側の部分)とに区画される。
ここで、内足側の部分と外足側の部分とに靴底100Aを区画する境界線は、いわゆるシューセンターである。このシューセンターは、靴1に適合したサイズの足を有する標準的な着用者がこれを着用した場合に、当該着用者の第1趾および第2趾間の部分と踵骨の中心部分とを結んだ直線を上下方向に沿って靴底100Aに投影した場合に得られる直線である。なお、上述した靴底100Aの前方側末端および後方側末端は、この境界線上に位置した靴底100Aの端部である。
図2ないし図7を参照して、上述したように、靴底100Aは、ミッドソール110と、強化構造部120と、アウトソール130とを有している。ミッドソール110は、上面と、下面と、これら上面および下面を接続する側面とを含んでおり、靴底100Aの上部側の部分を構成している。アウトソール130は、上面と、上述した接地面134としての下面とを含んでおり、靴底100Aの下部側の部分を構成している。一方、強化構造部120は、その大部分がミッドソール110の下面を覆うように位置している。
ミッドソール110は、前足部R1から後足部R3にかけて連続して位置している。ミッドソール110は、前方側ミッドソール110Aと、後方側ミッドソール110Bとを含んでおり、これら前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとが組み合わされることで構成されている。前方側ミッドソール110Aは、前足部R1と、中足部R2と、後足部R3の前端寄りの部分とに跨がって位置しており、後方側ミッドソール110Bは、中足部R2の後端寄りの部分と、後足部R3とに跨がって位置している。
ここで、中足部R2の後端寄りの部分と後足部R3の前端寄りの部分とにかけての部分においては、前方側ミッドソール110Aの後端部と後方側ミッドソール110Bの前端部とが、上下方向(すなわち、上述した前後方向および左右方向の双方に直交する方向)において重なっている(特に、図6(A)、図6(B)および図7等参照)。より詳細には、当該部分においては、前方側ミッドソール110Aがアッパー200側に位置し、後方側ミッドソール110Bがアウトソール130側に位置するように、これら前方側ミッドソール110Aおよび後方側ミッドソール110Bが重ね合わされている。
これにより、前足部R1と中足部R2の前端寄りの部分とにおいては、ミッドソール110が前方側ミッドソール110Aによって構成されており、中足部R2の後端寄りの部分と後足部R3の前端寄りの部分とにおいては、ミッドソール110が重ね合わされた部分の前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとによって構成されており、後足部R3の後端寄りの部分においては、ミッドソール110が後方側ミッドソール110Bによって構成されている。
ミッドソール110の上面は、靴底100Aの上面を規定しており、その周縁が周囲に比して盛り上がった形状を有している(特に、図3、図4および図6等参照)。これにより、ミッドソール110の上面には、凹状の部位が設けられることになり、この凹状の部位が、アッパー200を受け入れるための部位となる。この凹状の部位の底面である上記周縁を除く部分のミッドソール110の上面は、着用者の足裏にフィットするように滑らかな曲面形状を有している。
アウトソール130は、中足部R2の一部を除き、概ね前足部R1から後足部R3にかけて連続して位置している。アウトソール130は、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131と、第2カバー部としての後方外足側アウトソール132と、第3カバー部としての前方側アウトソール133とを含んでいる。
前方側アウトソール133は、前足部R1と、中足部R2の前端寄りの部分とに跨がって位置しており、後方内足側アウトソール131および後方外足側アウトソール132は、いずれも中足部R2の後端寄りの部分と、後足部R3とに跨がって位置している。後方内足側アウトソール131は、中足部R2の後端寄りの部分と後足部R3とのうちの内足側の部分に位置しており、後方外足側アウトソール132は、中足部R2の後端寄りの部分と後足部R3とのうちの外足側の部分に位置している。
後方内足側アウトソール131、後方外足側アウトソール132および前方側アウトソール133の各々の下面(すなわち、アウトソール130の下面)は、上述したように接地面134を構成するため、グリップ性を向上させるために、その露出面に凹凸が形成されることでトレッドパターンが形成されていてもよい。後方内足側アウトソール131、後方外足側アウトソール132および前方側アウトソール133の各々は、その上面がミッドソール110の下面に接合されている。
なお、アウトソール130およびこれが接合された部分のミッドソール110の詳細な構成、ならびに、アウトソール130の具体的な形状等については、後において詳述することとする。
ミッドソール110(すなわち、前方側ミッドソール110Aおよび後方側ミッドソール110B)は、適度な強度を有しつつも緩衝性に優れていることが好ましく、当該観点から、ミッドソール110としては、たとえば、主成分としての樹脂材料と、副成分としての発泡剤や架橋剤とを含む樹脂製のフォーム材が用いられる。また、これに代えて、主成分としてのゴム材料と、副成分としての可塑剤や発泡剤、補強剤、架橋剤とを含むゴム製のフォーム材を用いてもよい。
上記樹脂材料としては、たとえばエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミド系エラストマ(TPA,TPAE)、または、熱可塑性ポリエステル系エラストマ等が利用できる。上記ゴム材料としては、たとえばブタジエンゴムが好適に利用できる。
これにより、ミッドソール110は、概してアウトソール130よりもヤング率が小さくかつ軟質の部材にて構成されることになる。そのため、ミッドソール110は、圧縮荷重を受けた場合に比較的容易に弾性変形することになり、これによって緩衝性に優れたものとなる。なお、ミッドソール110の所定部位には、各種の緩衝パーツが含まれていてもよく、また、後述する強化構造部120以外の強化パーツが含まれていてもよい。
アウトソール130(すなわち、後方内足側アウトソール131、後方外足側アウトソール132および前方側アウトソール133)は、耐摩耗性やグリップ性に優れていることが好ましく、当該観点から、アウトソール130としては、たとえば、主成分としてのゴム材料と、副成分としての可塑剤や補強剤、架橋剤とを含む材料からなる部材が用いられる。当該ゴム材料としては、たとえばブタジエンゴムが好適に利用できる。
これにより、アウトソール130は、概してミッドソール110よりもヤング率が大きくかつ硬質の部材にて構成されることになる。そのため、アウトソール130は、圧縮荷重を受けた場合にもミッドソール110に比較して容易には変形しないものの、耐摩耗性等の耐久性に優れたものとなる。なお、アウトソール130の形状や上述したトレッドパターンは、靴1の用途に合わせて適宜設計され得る。
図2ないし図9に示すように、強化構造部120は、その大部分が中足部R2に位置するように配置されている一方、その一部は前足部R1および後足部R3に達している。強化構造部120は、内足側に配置された内足側強化部材121と、外足側に配置された外足側強化部材122とを含んでいる。
内足側強化部材121および外足側強化部材122は、いずれも前方側ミッドソール110Aの下面および側面ならびに後方側ミッドソール110Bの上面に接合されている。より詳細には、前方側ミッドソール110Aの下面および側面には、内足側強化部材121および外足側強化部材122に対応した形状の凹部が設けられており、内足側強化部材121および外足側強化部材122は、これら凹部に収容された状態で前方側ミッドソール110Aおよび後方側ミッドソール110Bに接合されている。
内足側強化部材121および外足側強化部材122は、いずれもアウトソール130を構成する材料よりも剛性の高い材料にて構成されている。すなわち、内足側強化部材121および外足側強化部材122は、アウトソール130よりもヤング率が大きくかつ硬質である。
内足側強化部材121および外足側強化部材122を構成する材料としては、特にこれが制限されるものではないが、たとえば、ウレタン系熱可塑性エラストマ(TPU)、アミド系熱可塑性エラストマ(TPA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリマー樹脂からなる非繊維強化樹脂や、強化繊維としてカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ダイニーマ繊維、ザイロン繊維、ボロン繊維等を用いた繊維強化樹脂等が好適に利用できる。
ここで、図8に示すように、内足側強化部材121は、前足部R1の外足側の前端寄りの部分から中足部R2の内足側の後端寄りの部分に達するように斜め方向に延在する内足側バー部121aを含んでおり、外足側強化部材122は、前足部R1の外足側の後端寄りの部分から中足部R2の内足側の後端寄りの部分に達するように斜め方向に延在する外足側バー部122aを含んでいる。
これら内足側バー部121aおよび外足側バー部122aは、特に中足部R2において互いに距離を隔てて位置しており、これらの間には、内足側強化部材121および外足側強化部材122よりも低剛性の材料からなるミッドソール110の一部(より厳密には、前方側ミッドソール110Aの一部)にて構成された介在部116が位置している。
このように構成することにより、介在部116が設けられた位置において当該介在部116が延びる方向を軸として、前足部R1の内足側の部分と後足部R3の外足側の部分との間に捩れが生じ易くなるため、これに伴って切り返し動作時におけるブレーキの力積が増大することになり、結果として迅速かつスムーズな切り返し動作が実現可能になる。
さらに、図8に示すように、内足側バー部121aおよび外足側バー部122aは、いずれもその前端が前足部R1に達するように設けられており、この前足部R1に位置する部分の内足側バー部121aおよび外足側バー部122aは、いずれも着用者の足の中足趾節に対応する部分(図中において符号MPにて示す部分)に交差して延在している。このように構成した場合には、蹴り出し時における靴底100Aの背屈に伴って弾性変形した内足側バー部121aおよび外足側バー部122aの復元力により、より大きな推進力が得られることになり、加速補助機能や走行補助機能の向上が図られることにもなる。
図7に示すように、本実施の形態に係る靴底100Aにおいては、前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとが組み合わされるに先立って、前方側ミッドソール110Aに上述した内足側強化部材121および外足側強化部材122が組付けられる。そのため、前方側ミッドソール110Aに後方側ミッドソール110Bが組付けられた後においては、図6(A)および図6(B)に示すように、内足側強化部材121および外足側強化部材122の各々の後端部が、前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとによって挟み込まれた状態となり、これら部分がミッドソール110に埋設されることで外部に露出することがなくなる。
なお、前方側ミッドソール110A、後方側ミッドソール110B、内足側強化部材121、外足側強化部材122、後方内足側アウトソール131、後方外足側アウトソール132および前方側アウトソール133の相互の接合は、どのような方法によってこれが行なわれてもよいが、たとえば接着等によってこれを行なうことができる。
図2ないし図7および図9に示すように、ミッドソール110には、接地面134側に向けて突出する第1突出部111および第2突出部112が設けられている。第1突出部111および第2突出部112は、いずれも後方側ミッドソール110Bの下面側の位置に設けられている。第1突出部111は、靴底100Aの内足側であってかつ後端側の位置に設けられており、第2突出部112は、靴底100Aの外足側であってかつ後端側の位置に設けられている。
より詳細には、第1突出部111は、中足部R2の内足側の後端寄りの部分から後足部R3の内足側の後端寄りの部分に跨がるように、靴底100Aの前後方向に沿って延在しており、第2突出部112は、中足部R2の外足側の後端寄りの部分から後足部R3の外足側の後端寄りの部分に跨がるように、靴底100Aの前後方向に沿って延在している。これにより、第1突出部111と第2突出部112との間に位置する部分のミッドソール110の下面(より厳密には、後方側ミッドソール110Bの下面)には、靴底100Aの前後方向に沿って延在する溝部113が位置している。
図6、図7および図9に示すように、第1突出部111は、接地面134側に位置する第1底面111aと、当該第1底面111aから見て内足側に位置する第1側面111bとを含んでいる。これら第1底面111aと第1側面111bとは、滑らかに接続されている。なお、第1底面111aから見て外足側に位置する第1突出部111のもう一方の側面は、上述した溝部113を規定している。
第1突出部111には、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131が組付けられている。具体的には、後方内足側アウトソール131は、第1突出部111の第1底面111aを覆う第1底壁部131aと、第1突出部111の第1側面111bを覆う第1側壁部131bとを含んでいる。第1底壁部131aは、第1底面111aを覆うことで上述した接地面134を規定しており、第1側壁部131bは、第1底壁部131aの内足側の周縁から上方に向けて立設されることで第1側面111bを覆っている。
一方、第2突出部112は、接地面134側に位置する第2底面112aと、当該第2底面112aから見て外足側に位置する第2側面112bとを含んでいる。これら第2底面112aと第2側面112bとは、滑らかに接続されている。なお、第2底面112aから見て内足側に位置する第2突出部112のもう一方の側面は、上述した溝部113を規定している。
第2突出部112には、第2カバー部としての後方外足側アウトソール132が組付けられている。具体的には、後方外足側アウトソール132は、第2突出部112の第2底面112aを覆う第2底壁部132aと、第2突出部112の第2側面112bを覆う第2側壁部132bとを含んでいる。第2底壁部132aは、第2底面112aを覆うことで上述した接地面134を規定しており、第2側壁部132bは、第2底壁部132aの外足側の周縁から上方に向けて立設されることで第2側面112bを覆っている。
ここで、第1底壁部131aおよび第2底壁部132aによって規定される接地面134は、着用者が平坦な地面に立った状態である立位時において地面に接触する部分のことであり、具体的には、後述する図10および図12において斜線を付して示した部分がこれに該当する。第1底壁部131aおよび第2底壁部132aは、当該斜線を付した部分のみがこれに該当し(すなわち、立位時において平坦な地面に接触する部分のみがこれに該当し)、斜線を付していない部分(すなわち、立位時において平坦な地面に接触しない部分)は、これに含まれない。
なお、第3カバー部としての前方側アウトソール133は、前方側ミッドソール110Aの下面に接合されている。前方側アウトソール133は、前足部R1と、中足部R2の前端寄りの部分とに跨がって位置しており、当該部分の前方側ミッドソール110Aの下面を覆う第3底壁部133aを含んでいる。また、前方側アウトソール133は、当該第3底壁部133aの周縁から立設された第3側壁部を有しており、この第3側壁部は、前方側ミッドソール110Aの側面を覆っている。
本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aは、着用者が切り返し動作を行なう場合に、その着地の際の初期段階において地面に接触する部分が、靴底のうちの後方内足側の部分であることに着目し、当該部分における緩衝性能を高める改良が施されたものである。
すなわち、切り返し動作時においては、靴全体が内足側に傾倒しかつ前足部が後足部よりも上方に上がった状態(すなわち、着用者の足が内側に傾きかつ足趾部(爪先)が踵部よりも上がった状態)で着地が行なわれる場合が多く、その場合には、上述したように、着地の初期段階において靴底のうちの後方内足側の部分が接地し、その後、靴底の接地面の全体が着地することになる。
そのため、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、上述したように、接地面134側に向けて突出する第1突出部111および第2突出部112を、ミッドソール110の後端側の部分に内足側と外足側とに分けた状態で設けることにより(換言すれば、ミッドソール110の後端側の部分に靴底100Aの前後方向に沿って延びる溝部113を設けることにより)、靴底100Aのうちの後方内足側の部分の変形能を高めることとし、これにより切り返し動作時の緩衝性能の向上を図っている。
すなわち、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、切り返し動作の初期段階において、他の部分に先立って第1突出部111が設けられた部分の靴底100Aが接地することにより、ミッドソール110の他の部分の影響を受けずに第1突出部111が迅速にかつ大きく変形することにより、着用者に伝わる衝撃が当該第1突出部111の変形によって吸収され、結果として大きな緩衝性能を得ることができる。
加えて、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、さらに、第1突出部111が設けられた部分の靴底100Aの内足側の周縁の形状(より具体的には、当該周縁のうちの後述する特定領域SR(図10ないし図12参照)に該当する部分の形状)に工夫を施すことにより、緩衝性能の向上と立位時における安定性との両立を図っている。以下、この点について詳細に説明する。
図10(A)は、図1に示す靴底の特定領域を含む部分の拡大底面図であり、図10(B)ないし図10(D)は、それぞれ図10(A)に示すXB-XB線ないしXD-XD線に沿った部分断面図である。図11(A)は、図1に示す靴底の特定領域を含む部分の内足側の拡大側面図であり、図11(B)ないし図11(D)は、それぞれ図11(A)に示すXIB-XIB線ないしXID-XID線に沿った部分断面図である。また、図12は、図1に示す靴底のアウトソールの形状を示す模式図である。
図10ないし図12に示すように、特定領域SRは、靴底100Aの前後方向において所定の幅をもった領域であり、その前方側の位置は、前方側特定位置SP1によって規定され、その後方側の位置は、後方側特定位置SP2によって規定される。当該特定領域SRは、中足部R2の後端寄りの部分と後足部R3の前端寄りの部分とを含んでいる。
具体的には、図5を参照して、前方側特定位置SP1は、靴底100Aの前後方向における前方側末端を基準とし、当該前方側末端から靴底100Aの前後方向における後方側末端までの寸法(図中において示す距離L100がこれに該当する)の70%の寸法(図中において示す距離L70がこれに該当する)に相当する位置である。
一方、後方側特定位置SP2は、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131の第1底壁部131aのうちの後端側の位置(すなわち、後方内足側アウトソール131に設けられた上述した立位時における接地面134の後端位置)に相当する位置である。
これら前方側特定位置SP1と後方側特定位置SP2との間に位置する特定領域SRは、上述した切り返し動作時においてその初期段階に地面に接触する部分を含む領域であり、より特定的には、当該特定領域SRのうちの内足側の端部がもっぱら切り返し動作時の初期段階において接地することになる。
図10(A)ないし図10(D)に示すように、靴底100Aにおいては、接地面134の法線方向に沿って見た場合に、第1底壁部131aと第1側壁部131bとの境界に位置する後方内足側アウトソール131の第1稜線RL1が、前方側特定位置SP1から後方側特定位置SP2に向かうにつれて、第1側壁部131bによって規定される後方内足側アウトソール131の第1外形線OL1から遠ざかるように位置している。
換言すれば、上述した特定領域SRにおいて、第1稜線RL1と第1外形線OL1との間の距離(図10(B)ないし図10(D)において示す距離D11~D13がこれに該当する)は、後方側に向かうにつれて増加している。すなわち、距離D11~D13は、D11<D12<D13の条件を満たしている。
ここで、第1底壁部131aと第1側壁部131bとは、互いに連続するように形成されているため、上述した条件を満たしていることにより、第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131bは、後方側に向かうにつれてその大きさが大きくなる。この第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131bは、上述した切り返し動作の初期段階において他の部分に先立って接地する部分であるため、当該部分の面積が増加することにより、接地の際に靴底100Aに加わる荷重が分散され、結果として緩衝性能が向上することになる。
一方で、第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131bのうち、特定領域SRに該当する部分の面積を全体として増加させた場合には、接地面134の面積が自ずとその分だけ減少するため、立位時における安定性に失するおそれがある。
そのため、本実施の形態のように、上述した特定領域SRにおいて、第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131bを後方側に向かうにつれて大きくすることにより、切り返し動作時における衝撃緩衝性が向上するばかりでなく、立位時における安定性を十分に確保することもできる。したがって、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aとすることにより、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との両立が図られた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
なお、本実施の形態に係る靴底100Aは、上記条件に加え、以下の幾つかの条件を満たしている。
まず、図9に示すように、靴底100Aにあっては、ミッドソール110の第1突出部111の第1側面111bが、接地面134と実質的に直交する上部側面111b1と、第1底面111aと当該上部側面111b1とを滑らかに接続する下部側面111b2とを含んでおり、図11(A)に示すように、後方内足側アウトソール131の第1側壁部131bが、上部側面111b1を覆う上側第1側壁部131b1と、下部側面111b2を覆う下側第1側壁部131b2とを含んでいる。
そして、図11(A)ないし図11(D)に示すように、靴底100Aにおいては、当該靴底100Aの左右方向に沿って見た場合に、上側第1側壁部131b1と下側第1側壁部131b2との境界に位置する後方内足側アウトソール131の第2稜線RL2が、前方側特定位置SP1から後方側特定位置SP2に向かうにつれて、第1底壁部131aによって規定される後方内足側アウトソール131の第2外形線OL2から遠ざかるように位置している。
換言すれば、上述した特定領域SRにおいて、第2稜線RL2と第2外形線OL2との間の距離(図11(B)ないし図11(D)において示す距離D21~D23がこれに該当する)は、後方側に向かうにつれて増加している。すなわち、距離D21~D23は、D21<D22<D23の条件を満たしている。
当該条件を満たすことにより、第2稜線RL2と第2外形線OL2との間に位置する部分の第1側壁部131bである下側第1側壁部131b2は、後方側に向かうにつれてその大きさが大きくなる。この第2稜線RL2と第2外形線OL2との間に位置する下側第1側壁部131b2は、上述した切り返し動作の初期段階において他の部分に先立って接地する部分である。したがって、当該条件を満たすことにより、切り返し動作時における衝撃緩衝性の向上が図られることになる。
次に、図10および図11に示すように、靴底100Aにあっては、上述した第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131b(すなわち、上述した第2稜線RL2と第2外形線OL2との間に位置する下側第1側壁部131b2)の表面の曲率半径が、前方側特定位置SP1から後方側特定位置SP2に向かうにつれて、徐々に大きくなるように構成されている。
当該条件を満たすことにより、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との両立を確実ならしめることが可能になるばかりでなく、第1稜線RL1と第1外形線OL1との間に位置する部分の第1側壁部131bが滑らかな形状を有することになるため、意匠性においても優れたものとなる。
さらに、図12を参照して、靴底100Aは、特定領域SRに含まれる部分の接地面134と、図11中に示すXIIA-XIIA線ないしXIID-XIID線に沿って切断した場合のアウトソール130の輪郭線とをそれぞれ重ね合わせて描画した場合に、特定の条件を満たしている。ここで、図12においては、曲線CL0が、接地面134の輪郭線を表わしており、曲線CL1~CL4が、それぞれ接地面134から上側に1mm、2mm、3mm、4mmの距離だけ離れた位置での後方内足側アウトソール131および後方外足側アウトソール132の切断面の輪郭線を表わしている。すなわち、曲線CL0~CL4は、いわゆる等高線である。
靴底100Aにあっては、図12に示す如くの図を描画した場合に、後方内足側アウトソール131の内足側に対応する部分の曲線CL1~CL4が、前方側特定位置SP1から後方側特定位置SP2に向かうにつれて、曲線CL0から遠ざかる条件が満たされている。当該条件は、後方内足側アウトソール131の外足側に対応する部分、後方外足側アウトソール132の内足側に対応する部分および外足側に対応する部分のいずれにおいても満たされていないものであり、後方内足側アウトソール131の内足側に対応する部分に限ってのみ満たされている。
この後方内足側アウトソール131の内足側に対応する部分の曲線CL0~CL4は、靴底100Aのうちの上述した切り返し動作の初期段階において他の部分に先立って接地する部分に該当するため、当該部分の曲線CL0~CL4が上記条件を満たしていることにより、切り返し動作時における衝撃緩衝性の向上が図られることになる。
したがって、上述した条件のうちの少なくともいずれかを満たすことにより、立位時における安定性と切り返し動作時における衝撃緩衝性との両立が図られた靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
ここで、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、切り返し動作時における衝撃緩衝性の向上を図るため、各部においてさらなる工夫が施されている。以下、これらの工夫について説明する。
まず、図2、図3および図11に示すように、靴底100Aにあっては、後方内足側アウトソール131の第1側壁部131bの上端部に、括れ部131cが設けられている。この括れ部131cは、第1側壁部131bの上端部に切り欠きを設けることで形成されており、当該括れ部131cが設けられた部分においては、後方内足側アウトソール131の第1側壁部131bの上端が、周囲に比して接地面134側に位置することになる。
このように構成した場合には、括れ部131cが設けられた部分を基点に後方内足側アウトソール131が前後方向において屈曲するように変形することが可能になるため、靴底100Aのうちの後方内足側の部分の変形能を高めることが可能になり、これによって切り返し動作時の緩衝性能のさらなる向上が図られることになる。
また、図13に示すように、靴底100Aにあっては、第1突出部111と第2突出部112との間に設けられるミッドソール110の溝部113の形状についても、工夫が施されている。図13(A)ないし図13(C)は、それぞれ図10(B)ないし図10(D)に示した断面と同じ位置における靴底全体の断面図である。
図2および図5ないし図7に示すように、第1突出部111と第2突出部112との間に形成された溝部113は、上述したように、靴底100Aの前後方向に沿って延在した部分を含んでいる。この溝部113は、先に述べたように、当該溝部113をミッドソール110の後端側の部分に設けることにより、靴底100Aのうちの後方内足側の部分の変形能を高めることとし、これにより切り返し動作時の緩衝性能の向上を図ったものである。
ここで、図13(A)ないし図13(B)に示すように、靴底100Aにあっては、前方側特定位置SP1から後方側特定位置SP2までの任意の位置において靴底100Aの前後方向と直交する面に沿って当該靴底100Aを切断し、その断面において、溝部113の開口面113aを規定するミッドソール110の端点P1,P2同士を結んだ仮想線VLと、この仮想線VLの垂直二等分線VBとを描画した場合に、仮想線VLと、垂直二等分線VBと、溝部113の輪郭線のうちの内足側の部分とによって囲まれた面積Q1が、仮想線VLと、垂直二等分線VBと、溝部113の輪郭線のうちの外足側の部分とによって囲まれた面積Q2よりも大きく構成されている。
このように構成した場合には、第1突出部111の第1側面111bとは反対側に位置する側面(すなわち、上述した溝部113によって規定される第1突出部111の外足側の側面)が概してより急峻な勾配を有するようになるため、当該第1突出部111の根元側の部分を基点に第1突出部111が変形し易くなる。そのため、このように構成することにより、靴底100Aのうちの後方内足側の部分の変形能を高めることが可能になり、これによって切り返し動作時の緩衝性能のさらなる向上が図られることになる。
さらには、図7および図8に示すように、靴底100Aにあっては、ミッドソール110が前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとに分割され、これらが重ね合わされることでミッドソール110が構成されていることに伴い、これら前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとが重ね合わされた部分において、内足側強化部材121部および外足側強化部材122の各々の後端部121b,122bが、前方側ミッドソール110Aと後方側ミッドソール110Bとによって挟み込まれることでミッドソール110に埋設されている。
このように構成した場合には、当該部分において、接地面134側から、アウトソール130(後方内足側アウトソール131または後方外足側アウトソール132)、ミッドソール110(後方側ミッドソール110B)、強化構造部120(内足側強化部材121または外足側強化部材122)、ミッドソール110(前方側ミッドソール110A)の順でこれら部材が配置されることになるため、強化構造部120を介することなく、アウトソール130の直上にミッドソール110が位置することになるため、緩衝機能の最大化を図ることができる。
なお、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、ミッドソール110の後端側の部分に組付けられるアウトソール130が、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131と、第2カバー部としての後方外足側アウトソール132とに分けて(すなわち、第1カバー部と第2カバー部とが、互いに分離した別部材にて)構成されているため、これらを異なる材料にて形成することとしてもよい。
その場合、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131を、第2カバー部としての後方外足側アウトソール132を構成する材料よりも低剛性の材料にて構成することとすれば、靴底100Aのうちの後方内足側の部分の変形能を高めることが可能になり、これによって切り返し動作時の緩衝性能のさらなる向上を図ることもできる。
また、本実施の形態に係る靴1およびこれに具備された靴底100Aにあっては、ミッドソール110に設けられる第1突出部111、および、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131が、いずれも靴底100Aの左右方向における中央位置よりも内足側に設けられている。このように構成すれば、より確実に切り返し動作時の緩衝性能の向上が図られることになる。
(実施の形態2)
図14(A)は、実施の形態2に係る靴底の特定領域を含む部分の内足側の拡大側面図であり、図14(B)ないし図14(D)は、それぞれ図14(A)に示すXIVB-XIVB線ないしXIVD-XIVD線に沿った部分断面図である。以下、この図14を参照して、本実施の形態に係る靴底100Bについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底100Bは、上述した実施の形態1に係る靴底100Aに代えて靴1に具備されるものである。
図14(A)は、実施の形態2に係る靴底の特定領域を含む部分の内足側の拡大側面図であり、図14(B)ないし図14(D)は、それぞれ図14(A)に示すXIVB-XIVB線ないしXIVD-XIVD線に沿った部分断面図である。以下、この図14を参照して、本実施の形態に係る靴底100Bについて説明する。なお、本実施の形態に係る靴底100Bは、上述した実施の形態1に係る靴底100Aに代えて靴1に具備されるものである。
図14に示すように、本実施の形態に係る靴底100Bは、上述した実施の形態1に係る靴底100Aと比較した場合に、ミッドソール110の所定位置に凹条部115が設けられている点においてのみ、その構成が相違している。
具体的には、図14を参照して、凹条部115は、ミッドソール110の外部露出面114に形成されている。この外部露出面114は、ミッドソール110のうちの、第1カバー部としての後方内足側アウトソール131の第1側壁部131bの上端部に隣接して当該第1側壁部131bの上方において露出する部分であり、凹条部115は、この後方内足側アウトソール131の第1側壁部131bの上端部に沿うように延在している。
凹条部115は、その設けられる長さが特に制限されるものではないが、好ましくは上述した特定領域SRに重なるように設けられる。また、凹条部115は、特定領域SRの前端である前方側特定位置SP1および/または後端である後方側特定位置SP2を超えて特定領域SRの前方側および/または後方側に向けて延びていてもよい。
このように構成した場合には、この凹条部115が設けられた部分を基点に第1突出部111が変形し易くなる。そのため、このように構成することにより、靴底100Bのうちの後方内足側の部分の変形能をさらに高めることが可能になり、これによって切り返し動作時の緩衝性能のさらなる向上が図られることになる。
したがって、本実施の形態に係る靴1およびこれを備えた靴底100Bとすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られるばかりでなく、さらに高性能の靴底およびこれを備えた靴とすることができる。
(実施の形態における開示内容の要約)
上述した実施の形態1および2において開示した特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
上述した実施の形態1および2において開示した特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
本開示のある態様に従った靴底は、着用者の足の足趾部および踏付け部を支持する前足部と、着用者の足の踏まず部を支持する中足部と、着用者の足の踵部を支持する後足部とが、着用者の足の足長方向に合致する方向である前後方向に沿って連なって設けられたものであって、ミッドソールと、アウトソールとを備えている。上記ミッドソールは、上記前足部、上記中足部および上記後足部に跨がるように設けられている。上記アウトソールは、上記ミッドソールの下面の少なくとも一部を覆うことで立位時における接地面を規定している。上記ミッドソールは、着用者の足の足幅方向に合致する方向である左右方向における内足側であってかつ上記前後方向における後端側の位置に、上記接地面側に向けて突出する第1突出部を有している。上記第1突出部が設けられた部分の上記ミッドソールは、上記接地面側に位置する第1底面と、当該第1底面から見て上記左右方向における内足側に位置する第1側面とを含んでいる。上記アウトソールは、上記第1底面を覆うことで上記接地面を規定する第1底壁部と、当該第1底壁部の上記左右方向における内足側の周縁から上方に向けて立設されるとともに、上記第1側面を覆う第1側壁部とを含む第1カバー部を有している。上記本開示のある態様に従った靴底の上記前後方向における前方側末端を基準とし、当該前方側末端から当該靴底の上記前後方向における後方側末端までの寸法の70%の寸法に相当する位置を前方側特定位置とし、上記第1底壁部の上記前後方向における後端側の位置を後方側特定位置とした場合に、上記第1底壁部と上記第1側壁部との境界に位置する上記第1カバー部の第1稜線は、上記接地面の法線方向に沿って見た場合に、上記前方側特定位置から上記後方側特定位置に向かうにつれて、上記第1側壁部によって規定される上記第1カバー部の第1外形線から遠ざかるように位置している。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1突出部および上記第1カバー部が、いずれも上記中足部および上記後足部に跨がるように位置していてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1突出部および上記第1カバー部が、いずれも上記左右方向における中央位置よりも内足側に位置していてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1側面が、上記接地面と実質的に直交する上部側面と、上記第1底面と上記上部側面とを滑らかに接続する下部側面とを含んでいてもよく、また、上記第1側壁部が、上記上部側面を覆う上側第1側壁部と、上記下部側面を覆う下側第1側壁部とを含んでいてもよい。その場合には、上記上側第1側壁部と上記下側第1側壁部との境界に位置する上記第1カバー部の第2稜線が、上記左右方向に沿って見た場合に、上記前方側特定位置から上記後方側特定位置に向かうにつれて、上記第1底壁部によって規定される上記第1カバー部の第2外形線から遠ざかるように位置していてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記ミッドソールが、上記左右方向における外足側であってかつ上記前後方向における後端側の位置に、上記接地面側に向けて突出する第2突出部を有していてもよい。その場合には、上記第2突出部が設けられた部分の上記ミッドソールが、上記接地面側に位置する第2底面と、当該第2底面から見て上記左右方向における外足側に位置する第2側面とを含んでいてもよく、また、上記アウトソールが、上記第2底面を覆うことで上記接地面を規定する第2底壁部と、当該第2底壁部の上記左右方向における外足側の周縁から上方に向けて立設されるとともに、上記第2側面を覆う第2側壁部とを含む第2カバー部を有していてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1突出部と上記第2突出部との間に形成された上記ミッドソールの溝部が、上記前後方向に沿って延在する部分を含んでいてもよく、その場合には、上記前方側特定位置から上記後方側特定位置までの任意の位置における上記前後方向と直交する断面において、上記溝部の開口面を規定する上記ミッドソールの端点同士を結んだ仮想線と、当該仮想線の垂直二等分線とを描画した場合に、上記仮想線と、上記垂直二等分線と、上記溝部の輪郭線のうちの内足側の部分とによって囲まれた面積が、上記仮想線と、上記垂直二等分線と、上記溝部の輪郭線のうちの外足側の部分とによって囲まれた面積よりも大きくてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1カバー部と上記第2カバー部とが、互いに分離した別部材にて構成されていてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1カバー部を構成する材料と、上記第2カバー部を構成する材料とが、異なっていてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記第1側壁部の上端部に、括れ部が設けられていてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底にあっては、上記ミッドソールが、上記第1側壁部の上端部に隣接して上記第1側壁部の上方において露出する外部露出面を含んでいてもよく、その場合には、当該外部露出面に、上記第1側壁部の上端部に沿って延びる凹条部が設けられていてもよい。
上記本開示のある態様に従った靴底は、上記ミッドソールに組付けられた強化構造部をさらに備えていてもよい。その場合には、上記接地面の法線方向に沿って見た場合に、上記強化構造部が、上記第1カバー部の少なくとも一部に重なるように配置されていてもよく、またその場合には、上記強化構造部と上記第1カバー部とが重なる部分において、上記強化構造部が上記ミッドソールに埋設されることにより、下から上に上記第1カバー部、上記ミッドソール、上記強化構造部、上記ミッドソールの順でこれらが位置していてもよい。
本開示のある態様に従った靴は、上述した本開示のある態様に従った靴底と、当該靴底の上方に位置するアッパーとを備えている。
(その他の形態等)
上述した実施の形態1,2においては、特定領域SRにおいて第1稜線と第1外形線とによって挟まれた部分に位置する第1側壁部が、湾曲凸状に構成された場合を例示して説明を行なったが、当該部分の形状は、特にこれが制限されるものではなく、好ましくは凸面状または平面状等の非凹面状とされ、また湾曲凹状等の凹面状とされてもよい。
上述した実施の形態1,2においては、特定領域SRにおいて第1稜線と第1外形線とによって挟まれた部分に位置する第1側壁部が、湾曲凸状に構成された場合を例示して説明を行なったが、当該部分の形状は、特にこれが制限されるものではなく、好ましくは凸面状または平面状等の非凹面状とされ、また湾曲凹状等の凹面状とされてもよい。
また、上述した実施の形態1,2においては、シューレースを用いることでアッパー本体が足に密着させられるように構成された靴を例示して説明を行なったが、アッパー本体が面ファスナによって足に密着させられるように構成された靴としてもよいし、ソック状のアッパー本体とすることで足をアッパー本体に挿入するのみでアッパー本体が足に密着させられるように構成された靴としてもよい。すなわち、アッパーの形態は、靴の用途に応じて適宜変更が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 靴、100A,100B 靴底、110 ミッドソール、110A 前方側ミッドソール、110B 後方側ミッドソール、111 第1突出部、111a 第1底面、111b 第1側面、111b1 上部側面、111b2 下部側面、112 第2突出部、112a 第2底面、112b 第2側面、113 溝部、113a 開口面、114 外部露出面、115 凹条部、116 介在部、120 強化構造部、121 内足側強化部材、121a 内足側バー部、121b 後端部、122 外足側強化部材、122a 外足側バー部、122b 後端部、130 アウトソール、131 後方内足側アウトソール、131a 第1底壁部、131b 第1側壁部、131b1 上側第1側壁部、131b2 下側第1側壁部、131c 括れ部、132 後方外足側アウトソール、132a 第2底壁部、132b 第2側壁部、133 前方側アウトソール、133a 第3底壁部、134 接地面、200 アッパー、210 アッパー本体、220 シュータン、230 シューレース、OL1 第1外形線、OL2 第2外形線、P1,P2 端点、R1 前足部、R2 中足部、R3 後足部、RL1 第1稜線、RL2 第2稜線、SP1 前方側特定位置、SP2 後方側特定位置、SR 特定領域、VB 垂直二等分線、VL 仮想線。
Claims (12)
- 着用者の足の足趾部および踏付け部を支持する前足部と、着用者の足の踏まず部を支持する中足部と、着用者の足の踵部を支持する後足部とが、着用者の足の足長方向に合致する方向である前後方向に沿って連なって設けられた靴底であって、
前記前足部、前記中足部および前記後足部に跨がるように設けられたミッドソールと、
前記ミッドソールの下面の少なくとも一部を覆うことで立位時における接地面を規定するアウトソールとを備え、
前記ミッドソールが、着用者の足の足幅方向に合致する方向である左右方向における内足側であってかつ前記前後方向における後端側の位置に、前記接地面側に向けて突出する第1突出部を有し、
前記第1突出部が設けられた部分の前記ミッドソールが、前記接地面側に位置する第1底面と、当該第1底面から見て前記左右方向における内足側に位置する第1側面とを含み、
前記アウトソールが、前記第1底面を覆うことで前記接地面を規定する第1底壁部と、当該第1底壁部の前記左右方向における内足側の周縁から上方に向けて立設されるとともに、前記第1側面を覆う第1側壁部とを含む第1カバー部を有し、
当該靴底の前記前後方向における前方側末端を基準とし、当該前方側末端から当該靴底の前記前後方向における後方側末端までの寸法の70%の寸法に相当する位置を前方側特定位置とし、前記第1底壁部の前記前後方向における後端側の位置を後方側特定位置とした場合に、前記第1底壁部と前記第1側壁部との境界に位置する前記第1カバー部の第1稜線が、前記接地面の法線方向に沿って見た場合に、前記前方側特定位置から前記後方側特定位置に向かうにつれて、前記第1側壁部によって規定される前記第1カバー部の第1外形線から遠ざかるように位置している、靴底。 - 前記第1突出部および前記第1カバー部が、いずれも前記中足部および前記後足部に跨がるように位置している、請求項1に記載の靴底。
- 前記第1突出部および前記第1カバー部が、いずれも前記左右方向における中央位置よりも内足側に位置している、請求項1または2に記載の靴底。
- 前記第1側面が、前記接地面と実質的に直交する上部側面と、前記第1底面と前記上部側面とを滑らかに接続する下部側面とを含み、
前記第1側壁部が、前記上部側面を覆う上側第1側壁部と、前記下部側面を覆う下側第1側壁部とを含み、
前記上側第1側壁部と前記下側第1側壁部との境界に位置する前記第1カバー部の第2稜線が、前記左右方向に沿って見た場合に、前記前方側特定位置から前記後方側特定位置に向かうにつれて、前記第1底壁部によって規定される前記第1カバー部の第2外形線から遠ざかるように位置している、請求項1から3のいずれかに記載の靴底。 - 前記ミッドソールが、前記左右方向における外足側であってかつ前記前後方向における後端側の位置に、前記接地面側に向けて突出する第2突出部を有し、
前記第2突出部が設けられた部分の前記ミッドソールが、前記接地面側に位置する第2底面と、当該第2底面から見て前記左右方向における外足側に位置する第2側面とを含み、
前記アウトソールが、前記第2底面を覆うことで前記接地面を規定する第2底壁部と、当該第2底壁部の前記左右方向における外足側の周縁から上方に向けて立設されるとともに、前記第2側面を覆う第2側壁部とを含む第2カバー部を有している、請求項1から4のいずれかに記載の靴底。 - 前記第1突出部と前記第2突出部との間に形成された前記ミッドソールの溝部が、前記前後方向に沿って延在する部分を含み、
前記前方側特定位置から前記後方側特定位置までの任意の位置における前記前後方向と直交する断面において、前記溝部の開口面を規定する前記ミッドソールの端点同士を結んだ仮想線と、当該仮想線の垂直二等分線とを描画した場合に、前記仮想線と、前記垂直二等分線と、前記溝部の輪郭線のうちの内足側の部分とによって囲まれた面積が、前記仮想線と、前記垂直二等分線と、前記溝部の輪郭線のうちの外足側の部分とによって囲まれた面積よりも大きい、請求項5に記載の靴底。 - 前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、互いに分離した別部材にて構成されている、請求項5または6に記載の靴底。
- 前記第1カバー部を構成する材料と、前記第2カバー部を構成する材料とが、異なっている、請求項7に記載の靴底。
- 前記第1側壁部の上端部に、括れ部が設けられている、請求項1から8のいずれかに記載の靴底。
- 前記ミッドソールが、前記第1側壁部の上端部に隣接して前記第1側壁部の上方において露出する外部露出面を含み、
前記外部露出面に、前記第1側壁部の上端部に沿って延びる凹条部が設けられている、請求項1から9のいずれかに記載の靴底。 - 前記ミッドソールに組付けられた強化構造部をさらに備え、
前記接地面の法線方向に沿って見た場合に、前記強化構造部が、前記第1カバー部の少なくとも一部に重なるように配置され、
前記強化構造部と前記第1カバー部とが重なる部分において、前記強化構造部が前記ミッドソールに埋設されることにより、下から上に前記第1カバー部、前記ミッドソール、前記強化構造部、前記ミッドソールの順でこれらが位置している、請求項1から10のいずれかに記載の靴底。 - 請求項1から11のいずれかに記載の靴底と、
前記靴底の上方に位置するアッパーとを備えた、靴。
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