JP7699743B2 - 固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料、固体高分子型燃料電池用触媒層、及び燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料、固体高分子型燃料電池用触媒層、及び燃料電池 Download PDF

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Description

本開示は、固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料、固体高分子型燃料電池用触媒層、及び燃料電池に関する。
燃料電池の一種である固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に配置される一対の触媒層と、各触媒層の外側に配置されるガス拡散層と、各ガス拡散層の外側に配置されるセパレータとを備える。一対の触媒層のうち、一方の触媒層は固体高分子型燃料電池のアノードとなり、他方の触媒層は固体高分子型燃料電池のカソードとなる。なお、通常の固体高分子型燃料電池では、所望の出力を得るために、上記構成要素を有する単位セルが複数個スタックされている。
アノード側のセパレータには、水素等の還元性ガスが導入される。アノード側のガス拡散層は、還元性ガスを拡散させた後、アノードに導入する。アノードは、触媒成分と、触媒成分を担持する触媒担体と、プロトン伝導性を有する電解質材料(アイオノマー等)とを含む。触媒担体は、炭素材料で構成されることが多い。触媒成分上では、還元性ガスの酸化反応が起こり、プロトンと電子が生成される。例えば、還元性ガスが水素ガスとなる場合、以下の酸化反応が起こる。
→2H+2e (E=0V)
この酸化反応で生じたプロトンは、アノード内の電解質材料、及び固体高分子電解質膜を通ってカソードに導入される。また、電子は、触媒担体、ガス拡散層、及びセパレータを通って外部回路に導入される。この電子は、外部回路で仕事(発電)をした後、カソード側のセパレータに導入される。そして、この電子は、カソード側のセパレータ、カソード側のガス拡散層を通ってカソードに導入される。
固体高分子型電解質膜は、プロトン伝導性を有する電解質材料で構成されている。固体高分子電解質膜は、上記酸化反応で生成したプロトンをカソードに導入する。
カソード側のセパレータには、酸素ガスあるいは空気等の酸化性ガスが導入される。カソード側のガス拡散層は、酸化性ガスを拡散させた後、カソードに導入する。カソードは、触媒成分と、触媒成分を担持する触媒担体と、プロトン伝導性を有する電解質材料(アイオノマー)とを含む。触媒担体は、炭素材料で構成されることが多い。触媒成分上では、酸化性ガスの還元反応が起こり、水が生成される。例えば、酸化性ガスが酸素ガスあるいは空気となる場合、以下の還元反応が起こる。
+4H+4e→2HO (E=1.23V)
還元反応で生じた水は、未反応の酸化性ガスとともに燃料電池の外部に排出される。このように、固体高分子型燃料電池では、酸化反応と還元反応とのエネルギー差(電位差)を利用して発電する。言い換えれば、酸化反応で生じた電子が外部回路で仕事を行う。
ところで、従来から燃料電池の発電性能の観点では、触媒担体に多孔質カーボンブラックを用いることが提案されていた。
非特許文献1では、多孔質カーボンブラックの内部に形成した細孔内に担持された触媒金属は触媒層中で共存するアイオノマーの被覆による反応阻害(被毒)を受けないので高活性であることが報告されている。
特許文献1では、平均粒子径が20~100nmであり、多孔質カーボンブラックの空孔直径4~20nmの空孔容積が0.23~0.78cm/gの多孔質カーボンブラックが提案されている。
特許文献2では、カーボンブラックを多孔質化し、表面積を増加する方法として、流動床にてカーボンブラック出発材料と酸化剤とを接触させる方法が提案されている。
また、従来から燃料電池の耐久性能の観点では、多孔質カーボンブラックを焼成し高結晶化することが提案されていた。
特許文献3では耐久性を付与するために300~700m/gのBET比表面積を有し、かつ結晶子サイズLcが2.0nm以上である高結晶性カーボンブラックが提案されている。
特許文献4では、Lc(002)が2.0nm以上、ラマン分光法によるカーボン表面のスペクトルにおけるG-band(1590cm-1)のピーク面積に対するD1-band(1350cm-1)のピーク面積の比D/Gが0.5~2.5、メソ孔を含む細孔を有し、メソ孔容積が0.35~1.3cm/gの多孔質カーボンが提案されている。
特に正極に用いられる多孔質カーボンブラックは、酸素が含まれる空気や水の中で高電位になるため炭素の酸化消耗が進む。これを抑制するために、特許文献3~4では、多孔質カーボンブラックを高温で熱処理して炭素の結晶性を高める。
なお、前述した特許文献1では多孔質カーボンブラックの平均粒子径が20~100nmであれば多孔質カーボンブラックに空孔構造を設けた場合であっても機械的強度が維持できると記載されている。
特許文献1:特開2013-109856号公報
特許文献2:特開2017-052967号公報
特許文献3:特許6478677号公報
特許文献4:国際公開第17/208742号
非特許文献1: Kongkanand et al., ACS Energy Lett. 2018, 3, 618-621
しかしながら、いずれの文献の含め、従来技術では、大型商用モビリティ(以下「HDV」とも称する)用途に求められるような耐久性と低加湿性能を高度に両立できる提案はなかった。
例えば、特許文献1では、多孔質化により低加湿性能を含めた発電性能を高め、ある程度の大きさの平均一次粒子径のカーボンブラックを用いて、触媒担体用炭素材料に必要な機械的強度を担保することができる。しかし、高度な耐久性と低加湿性能のバランスを求められるHDV用途においては、十分な性能とは言えなかった。特に粒子径に関しては、特許文献1では平均粒子径20~100nmが提案されているものの、実施例において粒子径30nmのカーボンブラックが例示されているのみである。また、30nm超の平均一次粒子径のカーボンブラックを多孔質化する手段については、特許文献1には何ら例示されていない。実施例で例示されている粒子径30nmのカーボンブラックを種々の温度で熱処理して特性を調べたが、耐久性と低加湿性能を高いレベルで両立することはできなかった。
例えば、特許文献3では、黒鉛化したカーボンブラックにより耐久性を高めることはできるものの、表面の親水性が低くなり、低加湿性能が低くなることが避けられなかった。
特許文献3では、多孔質カーボンブラックを熱処理することによって、多孔質化による高い発電性能と、高結晶化による高耐久化の両立が提案されている。しかし、本発明者らの追試験によると、提案されている構成要件だけでは高いレベルで耐久性と低加湿性能を両立することは難しかった。
そこで、本開示の課題は、高い耐久性と低加湿性能とが両立された固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料、それを利用した固体高分子型燃料電池用触媒層、及び燃料電池を提供することである。
課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1>
下記要件(A)、(B)、(C)及び(D)を満たす多孔質賦活カーボンブラックからなる固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
(A)平均一次粒子径が30nm超え100nm以下である。
(B)BET比表面積が350m/g以上800m/g以下である。
(C)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペクトルにおいて、回折角2θ=20°~26.5°の間のピークを解析して得られるLc(002)が1.7nm以上4.0nm以下である。
(D)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペクトルにおいて、回折角2θ=70°~80°の間のピークを解析して得られるLa(110)が3.5nm以下である。
<2>
さらに、下記要件(E)を満たす<1>に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
(E)前記Lc(002)と前記La(110)との比(Lc(002)/La(110))が0.6以上1.2以下である。
<3>
前記平均一次粒子径が40nm以上100nm以下である<1>又は<2>に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
<4>
<1>~<3>のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料を含む固体高分子型燃料電池用触媒層。
<5>
<4>に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層を含む燃料電池。
<6>
前記固体高分子型燃料電池用触媒層は、カソード側の触媒層である<5>に記載の燃料電池。
本開示によれば、高い耐久性と低加湿性能とが両立された固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料、それを利用した固体高分子型燃料電池用触媒層、及び燃料電池が提供される。
図1は、本開示の燃料電池の概略構成の一例を示す模式図である。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値又は上限値として含まない範囲を意味する。
本開示において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されるのであれば、本用語に含まれる。
本開示において、燃料電池の触媒層に用いられる「プロトン伝導性を有する電解質材料」は「アイオノマー」とも称する。
<固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料>
本開示の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料は、後述する要件(A)、(B)、(C)及び(D)を満たす多孔質賦活カーボンブラックからなる。
ここで、多孔質賦活カーボンブラックとは、賦活により多孔質化したカーボンブラックである。なお、多孔質賦活カーボンブラックを「多孔質カーボンブラック」とも称する。
本開示の触媒担体用炭素材料は、高い耐久性と低加湿性能とが両立された炭素材料である。本開示の炭素材料は、次の知見により見出された。
従来技術では、一般に多孔質カーボンブラックを熱処理すると、結晶子が大きくなり耐久性が向上するが、結晶子が大きくなることによって官能基が存在できるエッジが少なくなるので、ミクロ孔の消失と比表面積の低下が生じる。ミクロ孔及び比表面積が低下すると触媒金属を微粒子で高分散に担持しづらくなる。そのため、大きな粒子又は凝集した触媒金属が担持され、触媒金属の比表面積が低下する傾向にあり、発電性能も下がる傾向にある。また、ミクロ孔及びエッジが少なることにより、吸着水の吸着密度が低下するので相対湿度が低くなった時に吸着水が脱離してプロトンを伝搬できる吸着水のネットワークが貧弱になる影響を受けやすくなり、低加湿性能が下がる傾向がある。
これらを防ぐために、多孔質カーボンブラックをさらに多孔質化して比表面積の低下及びミクロ孔の消失を防ぐことが試みられている。しかし、さらなる多孔質化により結晶子のLc(002)が小さくなる傾向が強く、必要な耐久性を持たせるためには比較的高温で熱処理することが必要になる。その結果としてLa(110)が大きくなる状態となり、エッジ密度が低下して低加湿性能の低下を招く。
そこで、本発明者らが検討した結果、HDV用途に求められるような高い耐久性と低加湿性能を両立するための構造上の要件は、次の通りであることを知見した。
(1) 触媒金属が微分散できて高い発電性能が得られるように、比表面積が内部細孔を持つ程度に高いこと
(2) 高い耐久性が得られるように、Lc(002)が一定以上の大きさを持つこと。
(3) 高い低加湿性能を得るためには、一定以上のエッジ密度が必要であり、そのためにはLa(110)が一定以上に大きくならないようにすること
カーボンブラックの一次粒子は、炭素網面の積層体(結晶子)の集合体で構成され、結晶子は同心円状に(オニオン状に)配向している。結晶子の大きさは、一次粒子の外周部に近いほど大きく、中心に向かうにつれて結晶子が小さくなる傾向にあり、多くの場合、中心部は結晶性の低いアモルファスで構成されている。また外周部の結晶性が比較的高い部分においても結晶子同士は結晶性の低い構造で結合しており、結晶子を構成する六角網面と比較して欠陥の多い構造になっている。また、一次粒子は、カーボンブラックの製造
過程で複数個が融着して数珠つなぎになり、アグリゲートと呼ばれる立体構造をとる。
この立体構造は、カーボンブラックを燃料電池の触媒担体として使用したときに触媒層においてアグリゲート間に空隙のネットワークを生じる。この空隙のネットワークは、発電時にアノードであれば水素、カソードであれば空気中の酸素及び生成した水を拡散する役割を果たす。
このような構造のカーボンブラックを原料とし、多孔質化及び高比表面積化する目的で、原料カーボンブラックに賦活を行うと、原料カーボンブラックの一次粒子の外周部に近い部分を構成する結晶子間の欠陥の多い構造部分が酸化消耗し、その部分がミクロ孔となる。十分な比表面積を得る目的で長時間の賦活を進めると、外周部に近い部分に生成したミクロ孔を拡散した賦活剤が内部のアモルファス部分を酸化消耗し、結晶子が比較的大きい外周部が残存し外殻となった中空構造になる。この時、外殻の結晶子も部分的に酸化消耗することになる。過度の賦活を行うと、外殻を形成する結晶子の酸化消耗が進み、一次粒子が酸化消耗で消失することもある。
中空化された多孔質カーボンブラックは内部に形成された空間に触媒金属を担持することができる。適度に賦活された多孔質カーボンブラックの内部の空間には、触媒層を形成するときに共存するアイオノマーが侵入しづらいため、内部に担持された触媒金属はアイオノマー吸着による反応阻害を受けづらく、特にカソードで進行する酸素還元反応において反応過電圧を小さくできて高性能な燃料電池を得ることができる。
一般に小さい平均一次粒子径をもつ原料カーボンブラックの方が結晶子で構成される外殻の厚みが薄く、外殻を構成する結晶子の大きさも小さいので賦活しやすい。従来技術でも比較的簡単に、原料カーボンブラックの多孔質化及び高比表面積化を達成することができた。しかし、HDV用途に求められるような高い耐久性と低加湿性能を両立のためには、小さな粒子径の原料カーボンブラックを賦活して得られる多孔質カーボンブラックでは、十分な耐久性が得られない。残存する外殻を構成する結晶子が目的の耐久性に対して小さすぎるため、結果として得られる中空構造となった粒子の外殻の厚みが薄くなるためである。また燃料電池を使用している環境下ですすむ酸化消耗により、原料カーボンブラックの一次粒子が消失しやすく、ガスの拡散できる触媒層の空隙がなくなるためでもある。
その対策に過度の熱処理を行い、結晶子をできるだけ大きくし、酸化されにくくすると、ミクロ孔及びエッジの消失が起こり、比表面積の低下及び低加湿性能の低下を招く。一方、一定以上の平均一次粒子径を持つ原料カーボンブラックであれば、もともと大きな結晶子で構成される傾向にあるので、賦活を進めても大きな結晶子を残存させることが期待できる。しかし、一定以上の平均一次粒子径を持つ原料カーボンブラックは、通常、外表面近傍の結晶子が大きく、結晶子で構成される外殻の厚みも厚い傾向にある。そのため、十分に大きな比表面積を得るための多孔質化が難しく、従来技術では、一定以上の平均一次粒子径を持つカ原料カーボンブラックを用いて上記構造上の要件を満たすことは難しい。
そこで、本発明者らが検討した結果、次の知見を得た。
比較的大きな平均一次粒子径(30nm超)を持つ原料カーボンブラックを、「第一賦活」、「黒鉛化」、「第二賦活」の順で処理し、「第一賦活」では加圧して流速を微変動しながら低温でゆっくり賦活すると、上記構造上の要件を満たすようになる。特に第一賦活において、加圧して流速を微変動することにより、大きな粒子であっても結晶子間に存在する「結晶性の低い部分」を酸化消耗でき、酸化消耗により生じた欠陥(孔)の中の雰囲気を賦活ガスに速やかに置換できるため、大きな粒子であっても効率的に多孔質化できたものと推定している。
また、このような方法で比較的大きな平均一次粒子径(30nm超)を、持つカーボンブラックに対して第一賦活を行うと、続いて行う黒鉛化で過度の熱処理を行わなくても、必要な耐久性を担保できる。比較的大きな平均一次粒子径(30nm超)を、持つカーボンブラックを用いることで過度の熱処理を行わなくてもLc(002)が大きくできるので耐久性を担保でき、比較的低温の黒鉛化によりLa(110)の成長を抑制できるので低加湿性能の低下を抑制できたものと推定している。
以上の知見から、本開示の触媒担体用炭素材料は、高い耐久性と低加湿性能とが両立された炭素材料となることが見出された。
以下、要件(A)、(B)、(C)及び(D)について説明する。
ここで、さらに高い耐久性と低加湿性能とを両立する観点から、本開示の触媒担体用炭素材料は、要件(A)、(B)、(C)及び(D)に加え、要件(E)を満たすことが好ましい。
(要件(A))
(A)平均一次粒子径が30nm超え100nm以下である。
多孔質カーボンブラックの平均一次粒子径が30nm超え100nm以下であれば、総走行距離が比較的短いHDV用途で求められる耐久性を得ることができる。
多孔質カーボンブラックの平均一次粒子径が30nm以下になると耐久性が低く、ほとんどのHDV用途に適さなくなる。
多孔質カーボンブラックの平均一次粒子径が40nm以上100nm以下であれば、総走行距離が比較的長いHDV用途も含めて求められる耐久性を得ることができるのでより好ましい。
一方、多孔質カーボンブラックの平均一次粒子径が100nm超になると、実質的に要件(B)~(E)を満たす多孔質カーボンブラックの構造が得られにくくなることが想定され好ましくない。
なお、平均一次粒子径は、後述の実施例に記載されている方法によって測定される値である。
(要件B)
(B)BET比表面積が350m/g以上800m/g以下である。
多孔質カーボンブラックのBET比表面積が350m/g以上800m/g以下であれば、担持される触媒金属を実用的な範囲で狙いの担持率と粒子径で分散性良く担持でき、多孔質カーボンブラックが燃料電池に求められる耐久性を得るために必要な結晶子構造をとることができるので好ましい。
多孔質カーボンブラックのBET比表面積が350m/g未満であると、触媒金属の担持率を大きくすると触媒金属粒子径が大きくなったり、触媒金属粒子同士が凝集して、高い電池性能が得づらくなる。
多孔質カーボンブラックのBET比表面積が800m/g以上であると高い発電性能は得られるものの、多孔質カーボンブラックが耐久性を保つために必要な結晶子構造が得られなくなる傾向にあり、高い耐久性と低加湿性能との両立が難しくなる。
多孔質カーボンブラックのBET比表面積は、好ましくは400m/g以上700m/g以下である。
なお、BET比表面積は、後述の実施例に記載されている方法によって測定される値である。
(要件(C))
(C)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペ
クトルにおいて、回折角2θ=20°~26.5°の間のピークを解析して得られるLc(002)が1.7nm以上4.0nm以下である。
多孔質カーボンブラックのLc(002)が1.7nm以上4.0nm以下であると耐久性と低加湿性能を両立することが可能となる。
多孔質カーボンブラックのLc(002)が1.7nm未満であると、耐久性が不足する傾向にある。
多孔質カーボンブラックのLc(002)が4.0nm超であると多孔質カーボンブラックの比表面積が小さくなる傾向にあり発電性能が不足する傾向にある。
多孔質カーボンブラックのLc(002)は、より好ましくは1.7nm以上3.5nm以下である。
なお、Lc(002)は、後述の実施例に記載されている方法によって測定される値である。
(要件(D))
(D)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペクトルにおいて、回折角2θ=70°~80°の間のピークを解析して得られるLa(110)が3.5nm以下である。
多孔質カーボンブラックのLa(110)が3.5nm以下であると、高い耐久性を担保しながら、発電性能、特に低加湿特性をHDVに必要なレベルを維持することができる。
多孔質カーボンブラックのLa(110)が3.5nm超になると、カーボンブラックを構成する結晶子のエッジ密度(比表面積あたりのエッジ量)が低くなり、相対湿度が下がった状態でカーボンブラック表面に吸着水を保ちにくくなるので低加湿性能が低くなる傾向にある。
多孔質カーボンブラックのLa(110)の下限は、必要な耐久性が得られれば特に限定しない。実質的に得られるデーターから判断すると、多孔質カーボンブラックのLa(110)の下限は、2.0nm以上である。多孔質カーボンブラックにおいて、La(110)が2.0nm未満でLc(002)が1.7nm以上になる可能性は低いと推定される。
多孔質カーボンブラックのLa(110)は、好ましくは3.0nm以下である。
なお、La(110)は、後述の実施例に記載されている方法によって測定される値である。
(要件(E))
(E)Lc(002)とLa(110)との比(Lc(002)/La(110))が0.6以上1.2以下である。
多孔質カーボンブラックの比(Lc(002)/La(110))が0.6以上1.2以下であると、高い耐久性と低加湿性能とが両立しやすい傾向にある。
多孔質カーボンブラックの比(Lc(002)/La(110))が0.6以上であると、多孔質カーボンブラック一次粒子の外殻の厚みが過度に薄くなることが抑制され、耐久性が向上する。それにより、触媒層にしたときの機械強度が十分足り、発電を続けたとき触媒層の空隙のつぶれが生じ難くなる。また、網面の大きさに対してエッジ密度も上がり、相対湿度が下がった時の低加湿性能が向上する。
多孔質カーボンブラックの比(Lc(002)/La(110))が1.2以下あると、網面の大きさに対してエッジ密度が適度となり、耐久性が向上する。それにより、燃料電池の使用時に酸化消耗し難くなり、耐久性がやすい傾向にある。
多孔質カーボンブラックの比(Lc(002)/La(110))は、好ましくは0.65以上1.1以下である。
なお、比(Lc(002)/La(110))は、後述の実施例に記載されている方法によって測定される値である。
<固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料の製造方法>
以下、本開示の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料の製造方法(以下、「炭素材料の製造方法」とも称する)の一例について説明する。
本開示の炭素材料の製造方法は、比較的大きな平均一次粒子径(30nm以上)を持つ原料カーボンブラックを、「第一賦活」、「黒鉛化」、「第二賦活」の順で処理し、「第一賦活」では加圧して流速を微変動しながら低温でゆっくり賦活する方法である。
本開示の炭素材料の製造方法により、要件(A)~要件(D)を満たす炭素材料、好ましくは、要件(A)~要件(D)に加え、要件(E)を満たす炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)が得られる。
以下、本開示の炭素材料の製造方法の詳細について説明する。
第一賦活では、賦活ガスを「加圧」して流速を「微変動」することにより、大きな原料カーボンブラックであっても結晶子間に存在する「結晶性の低い部分」を酸化消耗でき、酸化消耗により生じた欠陥(孔)の中の雰囲気を賦活ガスに速やかに置換できるため、大きな原料カーボンブラックであっても効率的に多孔質化できる。
第一賦活の後に行う黒鉛化では、不活性雰囲気下で熱処理を行うことにより、第一賦活を行った原料カーボンブラックを構成する結晶子を成長させ、燃料電池に求められる耐久性を付与する。比較的大きな平均一次粒子径(30nm超)を持つ原料カーボンブラックに対して第一賦活を行うと、続いて行う黒鉛化で過度の熱処理を行わなくても必要な耐久性を担保できる。比較的大きな平均一次粒子径(30nm超)を持つ原料カーボンブラックを用いることでLc(002)が大きく保たれることにより耐久性を担保でき、比較的低温の黒鉛化によりLa(110)の成長を抑制できて、低加湿性能の低下を抑制できる。
第二賦活では、黒鉛化によって閉塞した細孔を再度開孔させることにより、黒鉛化処理によって低下した比表面積や細孔容量を増大させる効果を持つ。第二賦活を行わないと十分な比表面積及び細孔容量が得られない傾向にあり好ましくない。
第一賦活と第二賦活の賦活ガスの種類は、原料カーボンブラックを構成する炭素を反応によって酸化消耗できる気体を含有していれば特に限定しない。原料カーボンブラックを構成する炭素を反応によって酸化消耗できる気体としては、空気、酸素、オゾン、水蒸気、二酸化炭素、二酸化窒素、一酸化窒素、一酸化二窒素などが例示できる。これらのガスを混合して賦活ガスとしても構わない。または窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスで希釈したガスであっても構わない。さらにはこれらの気体を含んだ排気ガスであっても構わない。好ましくは、水蒸気若しくは二酸化炭素、又はこれらを含んだ賦活ガスである。第一賦活と第二賦活のガスの種類を変えても構わない。
少なくとも第一賦活を行う反応容器において賦活ガスの圧力は加圧されていることが好ましい。加圧の好ましい範囲は、例えば反応容器の下流に設置された圧力計の指示値(ゲージ圧)で0.0MPaG超であれば、効果が期待できるが、より好ましくは0.1MPaG以上0.9MPaG以下である。この範囲であれば大きなカーボンブラックであっても目的とする高比表面積まで多孔質化できる。圧力が0.1MPaG未満であると効果はあるものの必要な比表面積に到達できない場合がある。圧力が0.9MPaG超であっても効果は強くなる傾向はあるが、効果が頭打ち傾向にある。圧力は、より好ましくは0.1MPaG以上0.5MPaG未満である。この範囲であれば、平均一次粒子径が30nm~100nmのカーボンブラックを効率よく目的とする高比表面積化まで多孔質化を行うことができる。
第一賦活と第二賦活の原料カーボンブラックの賦活を行う反応容器において、賦活ガスの平均流速は、反応容器に充填する原料カーボンブラックの質量に対して十分な量のガス量を供給することが好ましい。反応容器に充填する原料カーボンブラックの質量をW(g)、供給する賦活ガスの標準状態(0℃、1気圧)の平均流速をF(Nml/min.)としたときのW/Fの値が0.005以上0.1以下であると不均一な賦活反応が抑制されて好ましい。
W/Fの値が0.005未満であると反応器下流付近の原料カーボンブラックの賦活反応が上流と比較して進まず、局所的に比表面積が小さい部分が生じるため好ましくない。
W/Fの値が0.1超であると未反応の賦活ガスの割合が過剰になるため経済的ではなくなる。より好ましくは0.01以上、0.05以下である。この範囲にあると反応器の上流と下流で比表面積差が十分に小さくなり好ましい。
第一賦活と第二賦活を行う反応容器において、賦活ガスは、平均流速を中心に変動している方が好ましい。変動していると大きな平均一次粒子径の原料カーボンブラックであっても粒子内部を効率よく多孔質化でき中空構造にできる。これは、変動していると賦活反応で生じた細孔内で、賦活反応で生じた生成ガスを効率的に細孔外に排出でき、賦活ガスの濃度を高めることができる効果と推定している。
変動幅は、賦活ガスの平均流速に対して±2%の範囲以上±50%の範囲以下が好ましい。この範囲であれば平均一次粒子径が30nm~100nmの原料カーボンブラックを効率よく目的とする高比表面積まで多孔質化を行うことができる。
変動幅が2%未満であると目標の比表面積に到達できないことがある。
変動幅が50%超であると賦活ガスを加圧した場合、圧力制御が難しくなることがある。
変動の周期は、1分間に1回以上30回以下が好ましい。この範囲であれば平均一次粒子径が30nm~100nmの原料カーボンブラックを効率よく目的とする高比表面積まで多孔質化を行うことができる。
変動の周期は、1分間に1回未満であると変動の効果が得られにくくなり目標の比表面積に到達できない場合が生じる可能性がある。30回超になると賦活ガスを加圧した場合、圧力制御が難しくなることがある。
第一賦活と第二賦活の間に行う黒鉛化の雰囲気は、炭素が消耗しない不活性ガス中又は真空中であれば特に限定しない。不活性ガスを例示するならば、N、Ar、Heである。
黒鉛化の温度は、必要な耐久性が得られる程度の結晶成長を行うことのできる必要最低限の温度であることが好ましい。黒鉛化の温度を例示するならば、1400℃以上2000℃以下である。
黒鉛化の温度が1400℃未満であると必要な耐久性を得るためには長時間の処理が必要になったり、長時間保持しても十分な耐久性が得られる結晶成長が望めない可能性がある。
黒鉛化の温度が2000℃超であるとカーボンブラックの場合、過度の結晶成長が起こり、低加湿性能が低下する可能性が高くなる。より好ましくは1500℃以上、1900℃以下である。
<固体高分子型燃料電池用触媒層及び固体高分子型燃料電池>
本開示の固体高分子型燃料電池用触媒層とともに、固体高分子型燃料電池について説明する。
本開示の炭素材料は、例えば、図1に示す固体高分子型燃料電池100に設けられる触媒層150及び160に適用可能である。図1は、本開示の燃料電池の概略構成の一例を示す模式図である。
図1に示す固体高分子型燃料電池100は、セパレータ110及び120、ガス拡散層130及び140、触媒層150及び160、並びに電解質膜170を備える。
セパレータ110は、アノード側のセパレータであり、水素等の還元性ガスをガス拡散層130に導入する。セパレータ120は、カソード側のセパレータであり、酸素ガス、空気等の酸化性ガスをガス拡散凝集相に導入する。セパレータ110及び120の種類は特に限定されず、従来の燃料電池(例えば固体高分子型燃料電池)で使用されるセパレータであればよい。
ガス拡散層130は、アノード側のガス拡散層であり、セパレータ110から供給された還元性ガスを拡散させた後、触媒層150に供給する。ガス拡散層140は、カソード側のガス拡散層であり、セパレータ120から供給された酸化性ガスを拡散させた後、触媒層160に供給する。ガス拡散層130及び140の種類は特に限定されず、従来の燃料電池(例えば固体高分子型燃料電池)に使用されるガス拡散層であればよい。ガス拡散層130及び140の例としては、多孔質炭素材料(カーボンクロス、カーボンペーパー等)、多孔質金属材料(金属メッシュ、金属ウール等)などが挙げられる。なお、ガス拡散層130及び140の好ましい例としては、2層構造のガス拡散層が挙げられる。具体的には、ガス拡散層130及び140において、セパレータ110及び120側の層が繊維状炭素材料を主成分とするガス拡散繊維層となり、触媒層150及び160側の層がカーボンブラックを主成分とするマイクロポア層となる2層構造のガス拡散層が挙げられる。
触媒層150は、いわゆるアノードである。触媒層150内では、還元性ガスの酸化反応が起こり、プロトンと電子が生成される。例えば、還元性ガスが水素ガスとなる場合、以下の酸化反応が起こる。
→2H+2e (E=0V)
酸化反応によって生じたプロトンは、触媒層150、及び電解質膜170を通って触媒層160に到達する。酸化反応によって生じた電子は、触媒層150、ガス拡散層130、及びセパレータ110を通って外部回路に到達する。電子は、外部回路内で仕事(発電)をした後、セパレータ120に導入される。その後、電子は、セパレータ120、ガス拡散層140を通って触媒層160に到達する。
アノードとなる触媒層150の構成は特に制限されない。触媒層150の構成は、従来のアノードと同様の構成であってもよいし、触媒層160と同様の構成であってもよいし、触媒層160よりもさらに親水性が高い構成であってもよい。
触媒層160は、いわゆるカソードである。触媒層160内では、酸化性ガスの還元反応が起こり、水が生成される。例えば、酸化性ガスが酸素ガス又は空気となる場合、以下の還元反応が起こる。酸化反応で発生した水は、未反応の酸化性ガスとともに、固体高分子型燃料電池100の外部に排出される。
+4H+4e→2HO (E=1.23V)
このように、固体高分子型燃料電池100では、酸化反応と還元反応とのエネルギー差
(電位差)を利用して発電する。言い換えれば、酸化反応で生じた電子が外部回路で仕事を行う。
触媒層160には、本開示の触媒担体用炭素材料が含まれる。すなわち、触媒層160は、本開示の触媒担体用炭素材料と、電解質材料(アイオノマー等)と、触媒成分(白金等)とを含む。これにより、触媒層160内の耐久性と低加湿性能を高めることができる。そして、固体高分子型高分子型燃料電池100の耐久性と低加湿性能を高めることができる。
なお、触媒層160における触媒担持率は特に制限されず、30質量%以上80質量%未満であることが好ましい。触媒担持率がこの範囲であると、耐久性と低加湿性能がさらに高くなる。ここで、触媒担持率は、触媒担持粒子(触媒担体用炭素材料に触媒成分を担持させた粒子)の総質量に対する触媒成分の質量%で表される。触媒担持率が30質量%未満となる場合、固体高分子型燃料電池100を実用に耐えるようにするために、触媒層160を厚くする必要が生じうる。一方、触媒担持率が80質量%以上となる場合、触媒凝集が起こりやすくなる。また、触媒層160が薄くなりすぎて、フラッディングが起こる可能性が生じる。
触媒層160における電解質材料の質量Iと触媒担体用炭素材料の質量Cとの質量比I/Cは特に制限されず、0.5超5.0未満であることが好ましい。この場合、細孔ネットワークと電解質材料ネットワークとが両立でき、耐久性と低加湿性能が高くなる。一方、質量比I/Cが0.5以下となる場合、電解質材料ネットワークが貧弱になり、プロトン伝導抵抗が高くなる傾向にある。質量比I/Cが5.0以上となる場合、電解質材料によって細孔ネットワークが分断される可能性がある。いずれの場合にも、耐久性と低加湿性能が低下する可能性がある。
また、触媒層160の厚さは特に制限されず、5μm超20μm未満であることが好ましい。この場合、触媒層160内に酸化性ガスが拡散しやすく、かつ、フラッディングが生じにくくなる。触媒層160の厚さが5μm以下となる場合、フラッディングが生じやすくなる。触媒層160の厚さが20μm以上となる場合、触媒層160内で酸化性ガスが拡散しにくくなり、電解質膜170近傍の触媒成分が働きにくくなる。すなわち、触媒利用率が低下する可能性がある。
電解質膜170は、プロトン伝導性を有する電解質材料で構成されている。電解質膜170は、上記酸化反応で生成したプロトンを触媒層160(カソード)に導入する。ここで、電解質材料の種類は特に限定されず、従来の燃料電池、例えば固体高分子型燃料電池で使用される電解質材料であればよい。好適な電解質材料の例としては、電解質樹脂が挙げられる。電解質樹脂としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基等を導入した高分子が挙げられる。具体的には、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー、ベンゼンスルホン酸等が導入されたポリマー等が挙げられる。もちろん、電解質材料は、他の種類の電解質材料であってもよい。このような電解質材料としては、例えば、無機系、無機-有機ハイブリッド系等の電解質材料等が挙げられる。なお、固体高分子型燃料電池100は、常温(25℃)~150℃の範囲内で作動する燃料電池であってもよい。
<固体高分子型燃料電池の製造方法>
固体高分子型燃料電池100の製造方法は特に制限されず、従来と同様の製造方法であればよい。ただし、触媒担体には本開示の触媒担体用炭素材料を用いる。触媒層150及び160のうち、少なくとも、カソードとなる触媒層160における触媒担体には、本開示の触媒担体用炭素材料を用いることが好ましい。もちろん、アノードとなる触媒層150及びカソードとなる触媒層160における両触媒層の触媒担体に、本開示の触媒担体用炭素材料を用いてもよい。
本開示の触媒担体用炭素材料の実験例について説明する。まず、各パラメータの測定方法について説明する。
<各パラメータの測定方法>
(平均一次粒子径の測定)
平走査型電子顕微鏡(SEM)により、触媒担体用炭素材料を任意の10視野~20視野で観察し、観察画像を取得した。観察画像において、視野ごとに縦6本、横5本の直線を等間隔に配置したときに生じる、30個の交点に存在、又は最も隣接する粒子について、触媒担体用炭素材料の輪郭線上の2点間のうち最も長い距離を粒子径(直径)として、300個の粒子の平均値を平均一次粒子径とした。
<BET比表面積の測定>
触媒担体用炭素材料を試料とし、これを約30mg測り採り、200℃で2時間真空乾燥した後に、自動比表面積測定装置(アントンパール・ジャパン社製 AUTOSORB iQ)を用い、窒素ガスを吸着質に用いて窒素ガス吸着・脱離等温線を測定した。吸着等温線の相対圧が0.30以下の範囲においてBET解析を実施しBET比表面積を算出した。
(Lc(002)、La(110)の測定)
触媒担体用炭素材料を試料とし、これを約3mg量り採り、シリコン無反射板に乗せ、X線回折装置(株式会社リガク製のRINT-TTRIII)にセットし、常温下、走査ステップ0.02°、角度掃引速度1°/分、線源にCu-Kαを用いて測定した。得られたXRDスペクトルの、2θが10°~40°の範囲、2θが70~90°の範囲において、それぞれバックグラウンドを除去しスムージング処理を行った。
2θが10°~40°の範囲のXRDスペクトルでは、バックグラウンド除去とスムージング処理後の波形についてScherrerの式(Lc=Kλ/βcosθ)を用いてLc(002)を求めた。
2θが70~90°の範囲に存在する回折ピークは(110)面、(112)面、(006)面が混合されたものである。2θが70~90°の範囲のXRDスペクトルでは、バックグラウンド除去とスムージング処理後の波形について最も小角側の回折ピーク角度より小角側の波形とVoigt関数(フォークト関数)を用いた波形が一致(差の2乗が最小化)するようにフォークト関数を用いた波形を設定し、得られたフォークト関数の波形をScherrerの式(La=Kλ/βcosθ)を用いてLa(110)求めた。
ここで、Scherrerの式において、形状因子Kは1、X線波長λは1.54184Å、βは回折ピークの半値幅である。
<実施例:触媒担体用炭素材料の作製>
(実施例1)
(1)第一賦活
原料カーボンブラックとして日鉄カーボン製ニテロン#10(平均一次粒子径カタログ値39nm)5gを直径1インチの管型反応器に充填し、管型反応器上流に設定したマスフローコントローラーで400Nml/min.のCOガスを流通させた。この時、管型反応器の下流に圧力制御器(圧力センサー、背圧コントローラー、制御部の組み合わせにより設定圧力に自動制御)、ニードルバルブ、マスフローメーターの順で配置し、圧力制御器で0.3MPaGのゲージ圧になるように背圧を設定した。また、下流のマスフローメーターの指示値が400Nml/min.を中心にして約±100ml/min.の変動幅、約12回/min.の変動周期で変動が発生するようにニードルバルブの開度を
調節した。この状態で管型反応器を850℃に20℃/min.で昇温し、34時間850℃で保持し、第一賦活を行った。保持後、流通ガスをNに切り替え、降温し、第一賦活サンプルを回収した。
(2)黒鉛化
回収した第一賦活サンプル全量を黒鉛坩堝に充填して、黒鉛化炉にてAr流通下、15℃/min.で昇温し、1600℃1時間で黒鉛化処理を行い、黒鉛化サンプルを回収した。
(3)第二賦活
黒鉛化サンプル全量を再び直径1インチの管型反応器に充填し、管型反応器上流に設定したマスフローコントローラーで400Nml/min.のCOガスを流通させた。この時、圧力制御器とニードルバルブは全開放にして0.0MPaGのゲージ圧になるように設定した。この状態で管型反応器を850℃に20℃/min.で昇温し、3分間850℃で保持し、第二賦活を行った。保持後、流通ガスをNに切り替え、降温し、第二賦活サンプルを実施例1の触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)として回収した。
(実施例2)
第二賦活の保持時間を30分とした以外は、実施例1と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(実施例3)
第一賦活の変動幅と保持時間をそれぞれ約±50ml/min.と37時間とした以外は、実施例1と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(実施例4)
原料カーボンブラックを日鉄カーボン株式会社製ニテロン#SH(平均一次粒子径カタログ値61nm)、第一賦活の保持時間を43時間、黒鉛化の保持温度を1700℃、第二賦活の保持温度と保持時間をそれぞれ930℃と30分間とした以外は、実施例1と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(実施例5)
第一賦活の保持温度と保持時間をそれぞれ900℃と20時間、黒鉛化の保持温度を1800℃、第二賦活の保持温度と保持時間をそれぞれ950℃と30分間とした以外は、実施例1と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(比較例1)
第一賦活の変動幅が約±5ml/min.になるようにニードルバルブを調整した以外は、実施例3と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(比較例2)
第一賦活の変動幅が約±5ml/min.になるようにニードルバルブを調整した以外は、実施例5と同様にして触媒担体用炭素材料(つまり多孔質賦活カーボンブラック)を得た。
(比較例3、4、5)
原料カーボンブラックとしてライオンスペシャリティケミカルズ株式会社のケッチェンブラックEC300J(平均一次粒子径カタログ値39.5nm)2gを黒鉛化炉でAr流通下1時間の黒鉛化し、触媒担体用炭素材料を得た。保持温度が1400℃のものを比較例3、1600℃のものを比較例4、1800℃のものを比較例5とした。
(比較例6、7、8)
原料カーボンブラックとしてライオンスペシャリティケミカルズ株式会社のケッチェンブラックEC600JD(平均一次粒子径カタログ値34nm)2gを黒鉛化炉でAr流通下1時間の黒鉛化し、触媒担体用炭素材料を得た。保持温度が1400℃のものを比較例6、1600℃のものを比較例7、1800℃のものを比較例8とした。
(比較例9、10)
比較例5と比較例8の触媒担体用炭素材料をそれぞれ直径1インチの管型反応器に2g充填し、管型反応器上流に設定したマスフローコントローラーで400Nml/min.のCOガスを流通させた。この時、圧力制御器とニードルバルブは全開放にして0.0MPaGのゲージ圧になるように設定した。この状態で管型反応器を950℃に20℃/min.で昇温し、30分間950℃で保持し、賦活を行った。保持後、流通ガスをNに切り替え、降温し、回収したサンプルをそれぞれ比較例9と比較例10とした。
(比較例11)
原料カーボンブラックを日鉄カーボン株式会社製ニテロン#300IH(平均一次粒子径カタログ値22nm)とし、第一賦活の保持時間を8時間、黒鉛化の保持温度を1600℃、第二賦活の保持時間を5分とした以外は、実施例5と同様にして触媒担体用炭素材料を得た。
<触媒の調製、触媒層の調製、MEAの作製、燃料電池の組立、及び電池性能(発電性能、耐久性)の評価>
各例の触媒担体用炭素材料を用い、以下のようにして触媒金属が担持された固体高分子型燃料電池用触媒を調製し、また、得られた触媒を用いて触媒層インク液を調製し、次いでこの触媒層インク液を用いて触媒層を形成し、更に形成された触媒層を用いて膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を作製し、この作製されたMEAを燃料電池セルに組み込み、燃料電池測定装置を用いて発電試験を行った。以下、各部材の調製及び発電試験によるセル評価について詳細に説明する。
(1)固体高分子型燃料電池用触媒(白金担持炭素材料)の調製
各例の触媒担体用炭素材料を、蒸留水中に分散させ、この分散液にホルムアルデヒドを加え、40℃に設定したウォーターバスにセットし、分散液の温度がバスと同じ40℃になってから、撹拌下のこの分散液中にジニトロジアミンPt錯体硝酸水溶液をゆっくりと注ぎ入れた。その後、約2時間撹拌を続けた後、濾過し、得られた固形物の洗浄を行った。このようにして得られた固形物を90℃で真空乾燥した後、乳鉢で粉砕し、次いで水素を5体積%含むアルゴン雰囲気中200℃で1時間熱処理をして白金担持炭素材料を作製した。なお、この白金担持炭素材料の白金担持量については、触媒担体用炭素材料と白金粒子の合計質量に対して35質量%となるように調整し、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES: Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectrometry)により測定して確認した。
(2)触媒層の調製
以上のようにして調製された白金担持炭素材料(Pt触媒)を用い、また、電解質樹脂として5質量%ナフィオン溶液(デュポン製DE2020CS、登録商標:Nafion)を用い、Ar雰囲気下でこれらPt触媒とナフィオンとを多孔質カーボンブラック分の質量(Pt触媒のうちPt分を除いた多孔質カーボンブラックのみの質量)に対してナフィオン固形分の質量が1.0倍の割合で配合し、軽く撹拌した後、超音波でPt触媒を解砕し、更にエタノールを加えてPt触媒と電解質樹脂とを合わせた合計の固形分濃度が0.5質量%となるように調整し、Pt触媒と電解質樹脂とが混合した触媒層インク液を調製した。
このようにして調製された触媒層インク液を用いて、白金の触媒層単位面積当たりの質量(以下、「白金目付量」という。)が0.18mg/cmとなるようにスプレー条件を調節し、上記触媒層インクをテフロン(登録商標)シート上にスプレーした後、アルゴン中120℃で60分間の乾燥処理を行い、触媒層を作製した。
(3)MEAの作製
以上のようにして作製した触媒層を用い、以下の方法でMEA(膜電極複合体)を作製した。
ナフィオン膜(Dupont社製NR211)から一辺6cmの正方形状の電解質膜を切り出した。また、テフロン(登録商標)シート上に塗布されたアノード及びカソードの各触媒層については、それぞれカッターナイフで一辺2.5cmの正方形状に切り出した。
このようにして切り出されたアノード及びカソードの各触媒層の間に、各触媒層が電解質膜の中心部を挟んでそれぞれ接すると共に互いにずれが無いように、この電解質膜を挟み込み、120℃、100kg/cmで10分間プレスし、次いで室温まで冷却した後、アノード及びカソード共にテフロン(登録商標)シートのみを注意深く剥ぎ取り、アノード及びカソードの各触媒層が電解質膜に定着した触媒層-電解質膜接合体を調製した。
次に、ガス拡散層として、カーボンペーパー(SGLカーボン社製39BC)から一辺2.5cmの大きさで一対の正方形状カーボンペーパーを切り出し、これらのカーボンペーパーの間に、アノード及びカソードの各触媒層が一致してずれが無いように、上記触媒層-電解質膜接合体を挟み、120℃、50kg/cmで10分間プレスしてMEAを作製した。
なお、作製された各MEAにおける触媒金属成分、炭素材料、電解質材料の各成分の目付量については、プレス前の触媒層付テフロン(登録商標)シートの質量とプレス後に剥がしたテフロン(登録商標)シートの質量との差からナフィオン膜(電解質膜)に定着させた触媒層の質量を求め、触媒層の組成の質量比より算出した。
(4)燃料電池の組立、低加湿性能評価
各例の触媒担体用炭素材料を用いて作製したMEAについて、それぞれセルに組み込み、燃料電池測定装置にセットして、次の手順で燃料電池の初期発電性能評価を行った。
カソード側には空気を、また、アノード側には純水素を、それぞれ利用率が40%と70%となるように、セル下流に設けられた背圧弁で圧力調整して背圧のゲージ圧がそれぞれ0.1MPaGになるように供給した。また、セル温度は80℃に設定し、燃料電池セルに供給する空気と純水素を加湿器中で80℃に保温された蒸留水にそれぞれ通す(すなわち、バブリングを行う)ことで、加湿した。これにより、アノード及びカソードの相対湿度を100%程度とした。
このような設定の下にセルに反応ガスを供給した条件下で、セル端子間電圧が0.3Vになるまで電流密度を徐々に増加させる操作を10回繰り返した。
次に、セル下流に設けられた背圧弁で圧力調整して背圧のゲージ圧がそれぞれ0.05MPaGになるようにした。また、セル温度は80℃、燃料電池セルに供給する空気と純水素は加湿器中で保温された蒸留水にそれぞれ通し(すなわち、バブリングを行う)、アノード及びカソードの相対湿度を50%程度とした。
このような設定の下にセルに反応ガスを供給した条件下で、セル端子間電圧が0.3Vになるまで電流密度を徐々に増加させる操作を10回繰り返した。
その後、電流密度を0.1A/cm2に固定して10分間保持したときのセル端子間電圧を記録し、下記の合格ランクA及びBと不合格ランクCの基準で低加湿性能評価を行った。結果を表1に示す。
〔合格ランク〕
A:電流密度0.1A/cmにおけるセル端子間電圧が0.84V以上であるもの。
B:電流密度0.1A/cmにおけるセル端子間電圧が0.82V以上であるもの。〔不合格ランク〕
C:合格ランクBに満たないもの。
(5)耐久性の評価
上記の初期発電性能評価後、次の条件で耐久試験を行った。まず、セル温度は80℃、相対湿度は100%、セル背圧を0.0MPaGにしてカソードのガスをアルゴンガスに切り替えた。次にセル電圧を0.6Vにして4秒間保持する操作を行った後にセル電圧を1.2Vにして4秒間保持する操作を1サイクルとし、この矩形波的電圧変動の繰返し操作を1000サイクル実施した。その後、アノードとカソードのガス利用率をそれぞれ40%と70%、セル背圧のゲージ圧がそれぞれ0.1MPaG、セル温度は80℃それぞれ相対湿度100%とし、セル電圧0.6Vにしたときの電流密度を記録し、下記の合格ランクA及びBと不合格ランクCの基準で耐久性評価を行った。結果を表1に示す。
〔合格ランク〕
A:1000サイクル実施後の電流密度が初期発電性能評価時の電流密度の80%以上であるもの。
B:1000サイクル実施後の電流密度が初期発電性能評価時の電流密度の70%以上であるもの。
〔不合格ランク〕
C:合格ランクBに満たないもの。
上記結果から、実施例1~5は高い耐久性能と低加湿性能を両立していることがわかる。
比較例1,2は、それぞれ実施例3と実施例5に対して賦活ガスの変動が小さい例であるが、賦活不足であり比表面積が小さくなり、低加湿性能が不足する結果となった。
比較例3~8は、市販の多孔質カーボンブラックを種々の温度で熱処理した例であるが、本開示の要件(A)~(D)を同時に満たすものは得られず、低加湿性能と耐久性を両立する性能は得られなかった。
比較例9,10は、市販の多孔質カーボンブラックを熱処理した後、賦活した例であるが、本開示の要件(A)~(D)を同時に満たすものは得られず、低加湿性能と耐久性を両立する性能は得られなかった。
比較例11は、平均一次粒子径が30nm未満の例であるが、Lc(002)が小さく耐久性が不足する結果となった。
符号の説明は、次の通りである。
100 固体高分子型燃料電池
110、120 セパレータ
130、140 ガス拡散層
150、160 触媒層
170 電解質膜
なお、日本国特許出願第2023-108950号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (6)

  1. 下記要件(A)、(B)、(C)及び(D)を満たす多孔質賦活カーボンブラックからなる固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
    (A)平均一次粒子径が30nm超え100nm以下である。
    (B)BET比表面積が350m/g以上800m/g以下である。
    (C)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペクトルにおいて、回折角2θ=20°~26.5°の間のピークを解析して得られるLc(002)が1.7nm以上4.0nm以下である。
    (D)XRD(X‐ray diffraction)測定により得られるXRDスペクトルにおいて、回折角2θ=70°~80°の間のピークを解析して得られるLa(110)が3.5nm以下である。
  2. さらに、下記要件(E)を満たす請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
    (E)前記Lc(002)と前記La(110)との比(Lc(002)/La(110))が0.6以上1.2以下である。
  3. 前記平均一次粒子径が40nm以上100nm以下である請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池の触媒担体用炭素材料を含む固体高分子型燃料電池用触媒層。
  5. 請求項4に記載の固体高分子型燃料電池用触媒層を含む燃料電池。
  6. 前記固体高分子型燃料電池用触媒層は、カソード側の触媒層である請求項5に記載の燃料電池。
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