JP7700721B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、車両用シートに関する。
自動運転機能を備えた車両の開発が活発化しており、今後、自動運転時に、シートバックを後傾させた安楽姿勢(リクライニング姿勢)が多くなされることが想定される。そこで、特許文献1には、自動運転状態においてモード切替スイッチが操作されると、リクライニング装置によってシートバックを後方へ揺動させながらリフタ装置によってクッションパネルを上方へ変位させる姿勢変更処理を行うことにより、シートバックに対する着席者の背部の下方への位置ズレを抑制するシート制御システムが開示されている。
特開2020-131747号公報
一般的に、乗員が安楽姿勢の場合には、乗員が通常姿勢である場合よりも車両の前面衝突時において乗員の拘束が難しく、サブマリン現象が起き易い。そのため、シートベルトでの拘束が不十分である場合には、腰椎への入力荷重の抑制が不十分となってしまう虞がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の前面衝突時に、乗員が安楽姿勢であっても乗員の腰椎への入力荷重を軽減することができる車両用シートを得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シートは、乗員が着座するシートクッションと、乗員の背部を支持するシートバックとを含む車両用シート本体と、前記シートクッションに対する前記シートバックの角度を調整可能であり、前記シートバックを通常姿勢よりも後傾させた安楽姿勢に調整可能なリクライニング装置と、該車両用シート本体のシート幅方向両側に位置する一対のシートレール上を当該車両用シート本体が車両前後方向にスライド可能なスライド機構と、前記一対のシートレールに対して前記車両用シート本体をロックし、前面衝突時に予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態が解除されるロック機構と、前記車両用シート本体の下面からシート下方に向かって延在する下延部と、前記一対のシートレールが配設される車両フロアにおいて、前記一対のシートレールの間に固定され、車両上方に向けて立設された立壁部と、前記下延部及び前記立壁部の少なくとも一方に設けられ、前記下延部と前記立壁部の間で圧縮されるエネルギ吸収部材と、を備える。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1に記載の構成において、前記エネルギ吸収部材は、前記下延部及び前記立壁部の一方に設けられ、当該エネルギ吸収部材における前記下延部及び前記立壁部の他方側の端面に荷重が加わった際に、当該端面を外側に巻き込みながら縮む方向に変形する円筒部を備えている。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シートは、車両用シート本体と、シートレール上を当該車両用シート本体が車両前後方向にスライド可能なスライド機構と、一対のシートレールに対して車両用シート本体をロックし、前面衝突時に予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態が解除されるロック機構とを備えている。そのため、車両の前面衝突時に所定値を超える前方荷重がロック機構に作用すると、ロック機構のロック状態が解除されて、車両用シート本体が一対のシートレール上を車両前後方向にスライド可能となる。
また、請求項1に記載の本発明に係る車両用シートは、車両用シート本体の下面からシート下方に向かって延在する下延部と、一対のシートレールが配設される車両フロアにおいて、一対のシートレールの間に固定され、車両上方に向けて立設された立壁部と、下延部及び立壁部の少なくとも一方に設けられ、下延部と立壁部の間で圧縮されるエネルギ吸収部材と、を備えている。そのため、前面衝突時にロック機構が解除されて、慣性力によって車両用シート本体が前方に移動した場合に、下延部と立壁部の間でエネルギ吸収部材が圧縮される。これにより、車両の前面衝突時に、エネルギ吸収部材によって車両用シート本体の前方への移動が、エネルギが吸収されつつ抑制されるので、乗員が安楽姿勢であっても乗員の腰椎への入力荷重を軽減することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用シートは、車両の前面衝突時に、乗員が安楽姿勢であっても乗員の腰椎への入力荷重を軽減することができる、という優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係る車両用シートの安楽姿勢時の模式的な側面断面図である。 図1の車両用シートの車両用シート本体部の一部を除いた平面図である。 (a)車幅方向の内側から見た右側のロック機構の模式的な側面図、(b)後方側から見た右側のロック機構の断面図(b)、上方から見た右側のロック機構の平面図(c)である。 アルミ円筒のエネルギ吸収を説明する模式的な側面図である。 図4の枠A内の側面断面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用シートの安楽姿勢時における前面衝突時の模式的な側面断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、各図において適宜示す矢印UP、矢印FR、矢印LH及び矢印RHは、車両に搭載された車両用シート10の上方向、前方向、左右方向(車幅方向)の左側方向及び右側方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両に搭載された車両用シート10の前後方向の前後、左右方向(車幅方向)の左右、上下方向の上下を示すものとする。
(車両用シートの構成)
第1実施形態の車両用シート10は、車両(例えば、自動車、又は電車等)に設置される。本実施形態においては、車両用シート10は、一例として、車両における前席左側のシートとされる。図1に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座する(乗員の臀部及び大腿部を支持する)シートクッション12と、乗員の背部を支持する、すなわち背もたれを構成するシートバック14と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト16と、を備えている。
シートクッション12は、クッションパッド18、シートパン20、及びシート表皮(図示省略)を備えている。
クッションパッド18は、車両用シート10の座面部分を構成しており、例えば、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の弾性を有する合成樹脂材等によって形成されている。乗員は、シートクッション12のシート上側(シート表面)に着座する。また、クッションパッド18は、車両前後方向の前部の下側に、サブマリン防止部22を備えている。
サブマリン防止部22は、前面衝突時に、車両用シート10に着座した乗員が、車両用シート10から滑り落ちるのを防止するための部材であり、一例としてクッションパッド18よりも硬度の高い部材で構成されている。具体的にはポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の合成樹脂材等によってクッションパッド18と一体に形成されている。
シートパン20は、シートクッション12の骨格を構成するフレームであり、上方にクッションパッド18が設置される凹部20Aを備えている。シート表皮は、布系、皮革、及び合成皮革等の可撓性を有するシート部材で形成されている。シートクッション12は、シートパン20の凹部20Aにクッションパッド18を取り付け、更にその表面をシート表皮で覆うことにより構成されている。
また、シートパン20の下面には、左右両側の前後にそれぞれシート脚部24(すなわち4本のシート脚部24)が設けられている。シート脚部24には、各々リフタ装置(図示省略)が設けられており、前方のシート脚部24と後方のシート脚部24とが各々独立に上下方向に伸縮可能に構成されている。本実施形態においては、一例として、シートバック14が後述する安楽姿勢となるように後傾された場合に、前方のシート脚部24が後方のシート脚部24よりも高くなるように伸縮される。
また、シートパン20の下面には、シートパン20の前後方向の中央部であって、かつ左右方向の中央部に下方に向かって延在する下延部30が設けられている。下延部30は、後述するアルミ円筒80に衝突した際に変形しない程度の剛性を有している。なお、下延部30については、後で詳細に説明する。
一方、シートバック14は、車両用シート10の背もたれ部分を構成しており、シートクッション12に着座した乗員の背中を、シートバック14のシート前側(シート表面)で支える。シートバック14は、シートバックフレーム26、シートバックパッド28、及びシート表皮を備えている。
シートバックフレーム26は、シートバック14の骨格を構成する。シートバックパッド28は、例えば、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の弾性を有する合成樹脂材等によって形成されている。シート表皮は、布系、皮革、及び合成皮革等の可撓性を有するシート部材で形成されている。シートバック14は、シートバックフレーム26にシートバックパッド28を取り付け、更にその表面をシート表皮で覆うことにより構成されている。
また、車両用シート10は、リクライニング装置40を備えている。リクライニング装置40は、シートバック14をリクライニング中心C回りに回動させ、シートクッション12に対するシートバック14の角度を調整する公知の装置である。リクライニング装置40は、一例として、電気式のアクチュエータを使用してシートバックフレーム26に力を伝達することにより、シートバックフレーム26をシートパン20に対してシート前後方向に揺動させる。
本実施形態においては、図1に示されるように車両用シート10が搭載される車両(図示省略)のフロア100とシートバック14との間の角度Rが略40°~60°となるように、リクライニング装置40によりシートバック14が後傾された状態を安楽姿勢(リクライニング姿勢)とする。
ここで、本実施形態においては、上述したシートクッション12、シートバック14、ヘッドレスト16、及びシート脚24を含む構成を車両用シート本体10Aとする。そして、この車両用シート本体10Aは、図1及び図2に示されるように車両用シート10が搭載される車両(図示省略)のフロア100に、車両幅方向に間隔を空けて設置され、各々前後方向をボルト104によって固定された2本のシートレール102上を車両前後方向にスライド可能にされている。
本実施形態において、シートレール102は、左右一対のロアレールであり、図3(b)に示されるように、断面が矩形の長尺の筒状に構成されている。また、一例として、シートレール102の対向する面には、各々、長手方向に所定の間隔を空けて複数のロック孔102Aが設けられている。
一方、本実施形態の車両用シート10は、スライド機構50とロック機構60とを備えている。スライド機構50は、車両用シート本体10Aのシート幅方向両側に位置するシートレール102上を、車両用シート本体10Aが車両前後方向にスライド可能にする。スライド機構50は、具体的には、一例として、図2及び図3(b)に示されるように、4本のシート脚24の下端に各々設けられたアッパレール52を備えている。アッパレール52は、下方、すなわちシートレール102側が開放した四角筒状に形成されており、シートレール102を上方から覆うように配設されて、シートレール102上をスライド可能にされている。
ロック機構60は、公知の機構を使用することができ、一例として、図3(a)~図3(c)に示されるように、ロック爪62を備えている。ロック爪62は、上述したシートレール102のロック孔102Aに挿通するように円柱状に形成されており、アッパレール52の側面内側面に凸設されている。ロック爪62は、一例としてコイルばね等の付勢部材(図示省略)により、シートレール102側に付勢されている。また、ロック爪62には、一例として図示しない押圧部材が設けられており、この押圧部材によってロック爪62を付勢部材の付勢力に抗う方向へ移動させることができる。
そして、上記押圧部材が押圧されると、ロック孔102Aが存在しない位置においては、ロック爪62は付勢部材の付勢力に抗ってシートレール102の側面に当接しながら、又は側面から若干離れながらシートレール102に沿って移動する。なお、ロック爪62が設けられたアッパレール52の側壁54は、弾性を有しており、シートレール102に沿って移動する際に、ロック爪62の先端がシートレールの側面よりも外方に位置するまで弾性変形される。
一方、ロック孔102Aが存在する位置において上記押圧部材が押圧されていない場合には、ロック爪62は付勢部材の付勢力(弾性復元力)によってロック孔102Aを挿通する。これにより、当該ロック孔102Aの位置において、ロック爪62によりアッパレール52すなわち車両用シート本体10Aのシートレール102の長手方向の移動がロックされる。
本実施形態においては、上記ロック機構60は、前面衝突時に予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態を解除する。具体的には、ロック爪62が破断する。
また、図1に示されるように、車両用シート10は、シートレール102が配設されるフロア100に固定され、車両上方に向けて立設された立壁部70を備えている。図2に示されるように、立壁部70は、L字型に形成された板材で構成されている。立壁部70は、L字型の一方が固定部72、他方が立壁本体部74とされる。固定部72は、下面がフロア100に載置され、ボルト76によりフロア100に固定される。立壁本体部74は、フロア100から立設し、後述するアルミ円筒80が固定される。
車両用シート10は、さらに、立壁本体部74に設けられ、下延部30と立壁本体部74の間で圧縮されるエネルギ吸収部材としてのアルミ円筒80を備えている。アルミ円筒80は、アルミ製であり、円筒部82と、円筒部82の一端に形成されたフランジ部84とを備えている。フランジ部84は円筒部82の一端から外方に向かって略直角に折り曲げられて形成されており、円盤状に形成されている。フランジ部84には、一例として等間隔に4つの孔84Aが形成されている。フランジ部84の端面84B(アルミ円筒80のフランジ部84側の端面)を立壁本体部74に当接させた状態で、孔84Aにボルト86を挿通し、立壁本体部74の裏面側からナット88で締結することにより、アルミ円筒80が立壁部70に固定されている。
ここで、アルミ円筒80は、図1に示されるように、下延部30の前面30Aの少なくとも一部、好ましくは全部がアルミ円筒80の下延部30側(シート後方側)の端面82Aの全部と対向する位置に配設される。
図4に示されるように、アルミ円筒80の円筒部82は、端面82Aに荷重Fが加わると、図5に示されるように、端面82Aを外側に巻き込みながら(矢印M参照)、円筒部82が縮む方向に変形することにより衝撃を吸収する特性を有している。
(実施形態の作用及び効果)
次に、以上のように構成された本実施形態に係る車両用シート10の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係る車両用シート10は、車両用シート本体10Aと、シートレール102上を車両用シート本体10Aが車両前後方向にスライド可能なスライド機構50と、シートレール102に対して車両用シート本体10Aをロックし、前面衝突時に予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態が解除されるロック機構60とを備えている。そのため、車両の前面衝突時に所定値を超える前方荷重がロック機構60に作用すると、ロック爪62が破断することによりロック機構60のロック状態が解除されて、車両用シート本体10Aがシートレール102上を車両前後方向にスライド可能となる。
また、車両用シート10は、車両用シート本体10Aの下面からシート下方に向かって延在する下延部30と、シートレール102が配設されるフロア100に固定され、車両上方に向けて立設された立壁部70の立壁本体部74と、立壁本体部74に設けられ、下延部30と立壁本体部74の間で圧縮されるアルミ円筒80と、を備えている。そのため、図6に示されるように、前面衝突時にロック機構60が解除されて、慣性力によって車両用シート本体10Aが前方(図6中の矢印D)に移動した場合に、下延部30がアルミ円筒80に衝突する。
そのため、図4に示されるように、アルミ円筒80の円筒部82は、端面82Aに荷重Fが加わるので、図5に示されるように、端面82Aを外側に巻き込みながら(矢印M参照)、円筒部82が縮む方向に変形し、下延部30と立壁部70(立壁本体部74)の間で圧縮される。これにより、車両の前面衝突時に、アルミ円筒80によって車両用シート本体10Aの前方への移動が、エネルギが吸収されつつ抑制されるので、乗員が安楽姿勢であっても乗員の腰椎への入力荷重を軽減することができる。
なお、本実施形態においては、アルミ円筒80は、エネルギを吸収する際に、端面82Aを外側に巻き込みながら円筒部82が縮む方向に変形したが、本発明はこれに限られない。エネルギを吸収可能であれば、例えば、円筒部82の外周壁が波打つように変形して縮む方向に変形してもよいし、四方に折れ曲がるようにして変形してもよい。
また、本実施形態においては、エネルギ吸収部材としてアルミ円筒80を使用したが、本発明はこれに限られない。エネルギを吸収可能な部材であれば、例えばウレタン部材等であってもよい。
また、本実施形態においては、エネルギ吸収部材としてのアルミ円筒80を、立壁部70に設けたが、本発明はこれに限られず、下延部30に設けてもよい。また、例えば、エネルギ吸収部材がウレタン部材である場合等には、立壁部70と下延部30の両方に設けてもよい。
また、本実施形態においては、ロック機構60は円筒状のロック爪62を使用しているが、本発明はこれに限られない。車両用シート本体10Aをシートレール102の任意の位置にロック可能で、かつ、予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態が解除できれば、何れの形状や構成であってもよく、公知の技術を使用することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 車両用シート
10A 車両用シート本体
100 フロア(車両フロア)
102 シートレール
30 下延部
50 スライド機構
60 ロック機構
70 立壁部
80 エネルギ吸収部材

Claims (2)

  1. 乗員が着座するシートクッションと、乗員の背部を支持するシートバックとを含む車両用シート本体と、
    前記シートクッションに対する前記シートバックの角度を調整可能であり、前記シートバックを通常姿勢よりも後傾させた安楽姿勢に調整可能なリクライニング装置と、
    該車両用シート本体のシート幅方向両側に位置する一対のシートレール上を当該車両用シート本体が車両前後方向にスライド可能なスライド機構と、
    前記一対のシートレールに対して前記車両用シート本体をロックし、前面衝突時に予め設定された所定値を超える前方荷重が作用した場合に、ロック状態が解除されるロック機構と、
    前記車両用シート本体の下面からシート下方に向かって延在する下延部と、
    前記一対のシートレールが配設される車両フロアにおいて、前記一対のシートレールの間に固定され、車両上方に向けて立設された立壁部と、
    前記下延部及び前記立壁部の少なくとも一方に設けられ、前記下延部と前記立壁部の間で圧縮されるエネルギ吸収部材と、
    を備えた車両用シート。
  2. 前記エネルギ吸収部材は、前記下延部及び前記立壁部の一方に設けられ、当該エネルギ吸収部材における前記下延部及び前記立壁部の他方側の端面に荷重が加わった際に、当該端面を外側に巻き込みながら縮む方向に変形する円筒部を備えている請求項1に記載の車両用シート。
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