JP7701603B2 - 光送信器および光トランシーバ - Google Patents

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Description

本発明は、多値光信号を送信する光送信器および光トランシーバに係わる。
光変調器は、長距離/大容量の光伝送を実現するためのキーデバイスの1つである。光変調器は、例えば、デジタル信号処理器(DSP:Digital Signal Processor)により生成される送信データに対応する電気信号で連続光を変調することで変調光信号を生成する。光変調器を備える光送信器の例を図1に示す。
図1(a)に示す構成では、DSPにより生成される送信データ(デジタル信号)は、デジタル/アナログ変換器(DAC)によりアナログ信号に変換される。そして、DACの出力信号がアナログドライバ(線形ドライバ)で増幅され、光変調器に与えられる。光変調器は、マッハツェンダ干渉計を構成する光導波路を備え、光導波路の近傍に電極が形成されている。マッハツェンダ干渉計には、連続光が入力される。そして、ドライバの出力信号が電極に与えられると、その信号に応じて導波路を伝搬する光の位相が変化し、送信データを表す変調光信号が出力される。なお、以下の記載では、送信データを表す電気信号が与えられる電極(即ち、位相シフタとして使用される電極)を「移相セグメント」または単に「セグメント」と呼ぶことがある。
この構成において、各シンボルが2ビットのデータを伝送する光信号を生成する場合、DSPは、2ビットパラレルデータを出力する。そうすると、DACから4レベルのアナログ信号が出力されるので、PAM4(4-level Pulse Amplitude Modulation)光信号が生成される。ただし、この構成で十分な光振幅を得るためには、ボーレートが高くなるにつれて大きな振幅のアナログ信号が必要になるので、ドライバの消費電力が大きくなる。
この問題は、例えば、図1(b)に示す構成により緩和される。図1(b)に示す構成では、光変調器は、各シンボルにより伝送される複数のビットそれぞれに対して電極を備える。すなわち、各シンボルが2ビットのデータを伝送する場合には、光変調器は、下位ビットのための電極(LSBセグメント)および上位ビットのための電極(MSBセグメント)を備える。ここで、同じ電圧振幅の信号が各セグメントに入力されものとする。この場合、MSBセグメントの長さはLSBセグメントの2倍である。そうすると、各セグメントにそれぞれ対応する送信ビットが与えられると、PAM4光信号が生成される。この構成によれば、図1(a)に示す構成と比較して、光変調器に与える電気信号の振幅を大きくする必要がなく、データ遷移時のみに電流が流れるバイナリドライバを使用できるので、消費電力が削減される。なお、図1(b)に示す変調方式は、デジタル信号がマッハツェンダ干渉計に与えられ、光領域でアナログ信号が生成されるので、「光DAC」と呼ばれることがある。
なお、光変調器を備える光通信デバイスまたは光送信回路は、例えば、特許文献1~4に記載されている。
特開2006-195256号公報 特開2009-027517号公報 米国特許7787713 特開2008-219760号公報
上述のように、DSPおよび光DACを使用して多値光信号を生成する構成が知られている。ところが、DSPおよび電気回路の高速化には限界がある。このため、送信データの高速化においてDSPまたは電気回路の動作速度がボトルネックになることがある。
本発明の1つの側面に係わる目的は、多値光信号を送信する光送信器および光トランシーバの高速化を実現することである。
本発明の1つの態様に係わる光送信器は、各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器であって、前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、マッハツェンダ干渉計と、前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記時間分割多重の1個の時間スロットに対応する時間に光が前記光パスを伝搬する距離であり、各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含むことを特徴とする。
また、本発明の1つの態様に係わる光送信器は、各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器であって、前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、マッハツェンダ干渉計と、前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記送信データのビットレートがBであるときに、期間M/Bに光が前記光パスを伝搬する距離であり、各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含むことを特徴とする。
上述の態様によれば、多値光信号を送信する光送信器および光トランシーバの高速化が実現される。
光変調器を備える光送信器の例を示す図である。 光DACを使用する光送信器の一例を示す図である。 送信データを複数のデータ列に分配する方法の一例を示す図である。 光DACを使用する光送信器の他の例を示す図である。 光DACの高速化を実現する構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係わる光送信器の一例を示す図である。 送信データからデータ列およびサブデータ列を生成する方法の一例を示す図である。 光の伝搬時間を考慮した遅延回路を備える光送信器の一例を示す図である。 図8に示す光送信器の光変調器において生成される光信号の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係わる光送信器の他の例を示す図である。 図10に示す光送信器の光変調器において生成される光信号の一例を示す図である。 光信号の時間分割多重の一例を示す図である。 シミュレーションモデルの一例を示す図である。 図13に示すシミュレーションモデルにおける信号の波形およびスペクトルを示す図である。 遅延回路を削除することによる効果を説明する図である。 本発明の実施形態に係わる振幅多重および時間分割多重を模式的に示す図である。 光送信器の第1の実施例を示す図である。 図17に示す光送信器による振幅多重および時間分割多重の一例を示す図である。 光送信器の第2の実施例を示す図である。 光送信器を含む光トランシーバの一例を示す図である。
図2は、光DACを使用する光送信器の一例を示す。この実施例では、光送信器1は、デジタル信号処理器(DSP:Digital Signal Processor)2および光変調器3を備える。そして、光送信器1は、各シンボルがMビットを伝送する多値光信号を生成する。例えば、M=2であるときはPAM4(4-level Pulse Amplitude Modulation)光信号が生成され、M=3であるときはPAM8光信号が生成される。なお、以下の記載では、光DACを使用する光送信器を「光DAC送信器」と呼ぶことがある。
DSP2は、送信データからM個のデータ列を生成する。例えば、M=3であるときには、図3に示すように、3個のデータ列bit0~bit2が生成される。この例では、送信データを表すビット列がデータ列bit0~bit2に1ビットずつ順番に分配されている。ただし、送信データを各データ列に分配する方法は、図3に示す例に限定されるものではない。
光変調器3は、マッハツェンダ干渉計を備える。マッハツェンダ干渉計は、入力光導波路、Pアーム光導波路、Nアーム光導波路、出力光導波路を備える。Pアーム光導波路およびNアーム光導波路の入力端は、入力光導波路に結合されている。よって、光変調器3への入力光は、Pアーム光導波路およびNアーム光導波路を介して伝搬する。Pアーム光導波路およびNアーム光導波路の出力端は、出力光導波路に結合されている。よって、Pアーム光導波路の出力光およびNアーム光導波路の出力光は、合波されて出力される。なお、以下の記載では、Pアーム光導波路およびNアーム光導波路を「アーム導波路」と呼ぶことがある。
各アームには、位相シフタとして使用される電極が設けられている。具体的には、各データ列に対してそれぞれ電極が設けられる。例えば、M=3であるケースでは、各アームに電極S0~S2が設けられる。そして、各電極S0~S2にそれぞれ対応するデータ列を表す電気信号が与えられる。具体的には、データ列bit0を表す電気信号が電極S0に与えられ、データ列bit1を表す電気信号が電極S1に与えられ、データ列bit2表す電気信号が電極S2に与えられる。
上記構成の光変調器3において、電極に電気信号が与えられると、その電気信号に応じてアーム導波路の屈折率が変化する。アーム導波路の屈折率が変化すると、そのアーム導波路を通過する光の位相が変化する。すなわち、電極S0~S2は、位相シフタとして作用する。なお、各データ列を表す電気信号は、差動信号として、Pアーム光導波路およびNアーム光導波路に印加される。
ここで、電極S1の長さは電極S0の2倍であり、電極S2の長さは電極S1の2倍である。よって、電極S1に与えられる信号による位相シフトは、電極S0に与えられる信号による位相シフトの約2倍である。同様に、電極S2に与えられる信号による位相シフトは、電極S1に与えられる信号による位相シフトの約2倍である。
また、この例では、マッハツェンダ干渉計の出力光の強度は、アーム導波路における位相シフトに比例するものとする。そうすると、マッハツェンダ干渉計の出力光の強度は、データ列bit0~bit2により制御されることになる。
例えば、データ列bit0を表す信号bit0により制御される出力光の強度の振幅が「1」であるものとする。この場合、データ列bit1を表す信号bit1により制御される出力光の強度の振幅は「2」であり、データ列bit2を表す信号bit2により制御される出力光の強度の振幅は「4」である。そうすると、例えば、bit0~bit2の値が「101」であるときは、マッハツェンダ干渉計の出力光の強度は「5(=1+0+4)」であり、bit0~bit2の値が「010」であれば、マッハツェンダ干渉計の出力光の強度は「2(=0+2+0)」である。すなわち、bit0~bit2に応じてPAM8が実現される。
なお、以下の記載では、送信データを表す電気信号が与えられる電極(即ち、位相シフタとして使用される電極)を「移相セグメント」または単に「セグメント」と呼ぶことがある。すなわち、図2に示す光変調器は、セグメントS0~S2を備える。
このように、光変調器3は、信号bit0~bit2に基づいて入力光の位相を制御することで、送信データを表す光信号を生成する。ただし、各セグメントに与えられる信号bit0~bit2のタイミングが適切に調整されていないと、出力光信号の品質が低下する。例えば、各セグメントに与えられる信号bit0~bit2のタイミングが適切に調整されていないと、出力光信号の波形が崩れる。よって、光変調器3は、各セグメントに与えられる信号bit0~bit2のタイミングを適切に調整するための遅延回路を備えることが好ましい。
また、図2に示す構成では、各セグメントの電極の長さを適切に設定することでPAMが実現されるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。たとえば、電極の数を適切に設定することでPAMを実現してもよい。図4に示す例では、データ列bit0に対して1個の電極(S0)が設けられ、データ列bit1に対して2個の電極(S1a~S1b)が設けられ、データ列bit2に対して4個の電極(S2a~S2d)が設けられる。この場合、各電極の長さは互いに同じである。
図5は、光DACの高速化を実現する構成の一例を示す。この例では、各データ列(bit0~bit2)がそれぞれK個のサブデータ列に並列化される。Kは、2以上の任意の整数である。また、K個のサブデータ列のデータ長は互いに同じである。即ち、K個のサブデータ列のビットレートは互いに同じである。なお、図5では、データ列bit0のみが描かれているが、他のデータ列も同様にK個のサブデータ列に並列化される。
DSP2は、周波数fDSPのクロックで動作する。この場合、各サブデータ列のシンボルレートはfDSPである。そして、各サブデータ列は、シリアライザ4に導かれる。また、クロック生成回路5は、DSP2から出力されるクロック信号CLK1からクロック信号CLK2を生成する。クロック信号CLK1の周波数はfDSPであり、クロック信号CLK2の周波数はfsである。周波数fsは、例えば、周波数fDSPのK倍である。或いは、一例として、周波数fDSPが1GHzであり、周波数fsが64GHzである。
シリアライザ4は、クロック信号CLK2を利用して、K個のサブデータ列をシリアルビット列に変換する。これにより、シンボルレート(又は、ビットレート)がfsであるビット列が得られる。そして、このビット列は、バイナリドライバにより増幅された後、光変調器3に設けられている対応するセグメントに与えられる。したがって、図5に示す構成によれば、DSP2の動作速度を下げることができる。
ところで、近年、1Tbps程度の超高速光伝送が求められている。そして、このような超高速光伝送を実現するためには、各シンボルが伝送するビットの数を増やすことに加えて、100Gシンボル/秒程度のサンプリングレートが必要になると考えられる。そこで、本発明の実施形態は、各シンボルが複数のビットを伝送する変調方式、及び、時間分割多重により高サンプリングレートの双方を提供する。
図6は、本発明の実施形態に係わる光送信器の一例を示す。この実施例では、図5に示す並列化に加えて、時間分割多重を利用して光送信器のさらなる高速化が実現される。
図6に示す構成においては、送信データからデータ列bit0~bit2が生成され、各データ列bit0~bit2からそれぞれN×K個のサブデータ列が生成される。ここで、Nは、光変調器3において時間分割多重で多重化される光信号の数を表す。Kは、2以上の任意の整数である。N×K個のサブデータ列のデータ長は互いに同じである。換言すると、N×K個のサブデータ列のビットレートは互いに同じである。
N×K個のサブデータ列は、N個のサブデータ列グループにグループ化される。この例では、Nは2である。すなわち、2K個のサブデータ列は、2個のサブデータ列グループにグループ化される。ここで、2K個のサブデータ列は、シリアル番号「1」~「2K」により識別されるものとする。この場合、図7に示すように、一方のサブデータ列グループは、シリアル番号が奇数であるサブデータ列(1、3、5、...、2K-1)から構成される。また、他方のサブデータ列グループは、シリアル番号が偶数であるサブデータ列(2、4、6、...、2K)から構成される。よって、以下の記載では、シリアル番号が奇数であるサブデータ列から構成されるサブデータ列グループを「サブデータ列グループodd」と呼ぶことがある。また、シリアル番号が偶数であるサブデータ列から構成されるサブデータ列グループを「サブデータ列グループeven」と呼ぶことがある。そして、サブデータ列グループoddを構成するサブデータ列1、3、5、...は、シリアライザ4aに導かれる。また、サブデータ列グループevenを構成するサブデータ列2、4、6、...は、シリアライザ4bに導かれる。
クロック生成回路5は、DSP2から出力されるクロック信号CLK1からクロック信号CLK3を生成する。ただし、クロック信号CLK3の周波数は、図5に示す構成で生成されるクロック信号CLK2の周波数のN分の1である。この実施例では、N=2なので、図5に示すクロック信号の周波数がfsであるときには、クロック信号CLK3の周波数はfs/2である。また、クロック生成回路5は、互いに位相が2π/NずつシフトしたN個のクロック信号CLK3を出力する。この実施例では、N=2なので、互いに位相がπずつシフトした2個のクロック信号(CLK3_0、CLK3_180)が出力される。
シリアライザ4aは、クロック信号CLK3_0を利用してサブデータ列d1、d3、d5、...をシリアル化する。すなわち、シリアライザ4aは、クロック信号CLK3_0に同期して、サブデータ列d1、d3、d5、...から順番に1ビットずつデータを選択して出力する。これにより、図6に示すビット列Aが生成される。同様に、シリアライザ4bは、クロック信号CLK3_180を利用してサブデータ列d2、d4、d6、...をシリアル化する。すなわち、シリアライザ4bは、クロック信号CLK3_180に同期して、サブデータ列d2、d4、d6、...から順番に1ビットずつデータを選択して出力する。これにより、図6に示すビット列Bが生成される。ビット列Aおよびビット列Bのシンボルレート(又は、ビットレート)は、互いに同じであり、それぞれfs/2である。
光変調器3は、図2または図4を参照して説明したように、各データ列bit0~bit2に対して位相シフタとして作用する電極を備える。ただし、図6に示す構成では、各データ列bit0~bit2に対して、ビット列Aが与えられる電極およびビット列Bが与えられる電極が設けられる。例えば、データ列bit0に対しては、ビット列Aが与えられる電極S0aおよびビット列Bが与えられる電極S0bが設けられている。他のデータ列bit1、bit2に対しても同様である。したがって、各送信シンボルがMビットを伝送し、且つ、光変調器3において時間分割多重で多重化される光信号の数がNである場合、光変調器3は、M×N個の移相セグメントを備える。各移相セグメントは、図2に示す構成では1個の電極を備え、図4に示す構成は1以上の電極を備える。よって、光変調器3は、M×N個以上の電極を備えることになる。
ビット列Aの第1シンボル(即ち、データd1)が電極S0aに与えられると、マッハツェンダ干渉計を通過する光は、データd1に応じて変調される。また、ビット列Bの第1シンボル(即ち、データd2)が電極S0bに与えられると、マッハツェンダ干渉計を通過する光は、データd2に応じて変調される。続いて、ビット列Aの第2シンボル(即ち、データd3)が電極S0aに与えられると、マッハツェンダ干渉計を通過する光は、データd3に応じて変調される。また、ビット列Bの第2シンボル(即ち、データd4)が電極S0bに与えられると、マッハツェンダ干渉計を通過する光は、データd4に応じて変調される。以下同様に、ビット列Aおよびビット列Bに応じて変調光信号が生成される。
ここで、ビット列Bを生成するクロック信号CLK3_180の位相は、ビット列Aを生成するクロック信号CLK3_0の位相に対して180度シフトしている。すなわち、シリアライザ4bがクロック信号CLK3_180を使用してビット列Bを出力するタイミングは、シリアライザ4aがクロック信号CLK3_0を使用してビット列Aを出力するタイミングに対して、クロック信号CLK3の周期の2分の1だけシフトしている。具体的には、シリアライザ4bがビット列Bを出力するタイミングは、シリアライザ4aがビット列Aを出力するタイミングに対して1/fsだけシフトしている。したがって、図6に示すように、光変調器3において、ビット列A(d1、d3、d5、...)による変調成分およびビット列B(d2、d4、d6、...)による変調成分が交互に生成されることになる。この結果、ビット列Aおよびビット列Bの時間分割多重(または、時間分割インターリーブ)が実現される。
なお、図6~図7においては、データ列bit0の時間分割多重を説明したが、他のデータ列(bit1、bit2)についても同様の時間分割多重が実現される。ここで、データ列bit0~bit2を表す電気信号のタイミングは、不図示の遅延回路により適切に調整される。この結果、データ列bit0~bit2の振幅多重が実現され、PAM8光信号が生成される。
このように、図5に示す構成と比較すると、図6に示す構成においては、クロック生成回路5が生成するクロック信号の周波数は2分の1である。なお、図6に示す構成では2個のサブデータ列グループA、Bが多重化されるが、N個のサブデータ列グループが多重化されるときは、図5に示す構成と比較すると、図6に示す構成においては、クロック生成回路5が生成するクロック信号の周波数はN分の1である。よって、クロック生成回路5に要求される動作速度の要件が緩和される。或いは、クロック生成回路5の上限動作周波数がfsであるときは、N×fsの送信レートが実現される。
そして、上述した時間分割多重を利用することにより、光送信器のさらなる高速化が実現される。ただし、時間分割多重を実現するためには、各電気信号(ここでは、ビット列Aを表すバイナリ電気信号およびビット列Bを表すバイナリ電気信号)が対応する電極に与えられるタイミングを精度よく設定する必要がある。この場合、マッハツェンダ干渉計内での光の伝搬時間を考慮する必要がある。
図8は、光の伝搬時間を考慮した遅延回路を備える光送信器の一例を示す。この実施例では、電極S0bと電極S0aとの間の距離がLXである。そして、電極S0bと電極S0aとの間で光伝搬遅延Toptが発生する。
図9は、図8に示す光送信器の光変調器において生成される光信号の一例を示す。ここで、図8に示す遅延回路6を設けないときに、図9(a)に示すように、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が47.6p秒だけ遅れているものとする。他方、ビット列Aおよびビット列Bの時間分割多重を実現するためには、図9(c)に示すように、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が「1/fs」だけ遅れている状態が要求される。fsは、光変調器3から出力される光信号のサンプリング周波数を表す。ここで、サンプリング周波数fsが64GHzである場合、時間分割多重の時間スロットの長さ(即ち、1/fs)は15.6p秒である。したがって、この場合、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が15.6p秒だけ遅れている状態が要求される。
そこで、図8に示す構成においては、光送信器は遅延回路6を備える。この例では、シリアライザ4aに与えられるクロック信号CLK_0が遅延回路6により遅延される。一方、クロック信号CLK_180は、遅延回路を介することなくシリアライザ4bに与えられる。
遅延回路6の遅延時間は、上述の条件を満足するように設計される。よって、遅延回路6は、図9(b)に示すように、シリアライザ4aに与えられるクロック信号CLK_0を32p秒だけ遅延させる。そうすると、光変調器3において、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が15.6p秒だけ遅れている状態が実現される。この結果、図9(c)に示す時間分割多重が実現される。
このように、シリアライザに与えるクロック信号のタイミングを、遅延回路を用いて適切に調整することにより、精度のよい時間分割多重を実現できる。但し、遅延回路6は、例えば、アンプ回路により実現される。このため、遅延回路6を実装することにより、光送信器の消費電力が増加する。また、遅延回路6を実装すると、光送信器から出力される光信号の品質(例えば、ジッタ特性)が劣化することがある。したがって、光送信器は、シリアライザに与えるクロック信号のタイミングを調整する遅延回路6を備えないことが好ましい。
図10は、本発明の実施形態に係わる光送信器の他の例を示す。この実施例では、光送信器10は、図6または図8に示す構成と同様に、DSP2、光変調器3、シリアライザ4a、4b、およびクロック生成回路5を備える。なお、図10においては、最下位ビットのデータ列bit0を処理するための構成を示しており、上位ビットのデータ列(図2~図4では、データ列bit1~bit2)を処理するための構成は省略されている。以下では、最下位ビットのデータ列bit0を処理するための構成について説明する。
この実施例では、クロック生成回路5により生成されるクロック信号CLK3がシリアライザ4aおよび4bに与えられる。すなわち、シリアライザ4aおよび4bは、同じクロック信号に同期してデータを出力する。
DSP2と電極S0aとの間の信号の伝搬時間およびDSP2と電極S0bとの間の信号の伝搬時間は、互いに同じであるものとする。すなわち、DSP2と電極S0aとの間の信号の伝搬時間およびDSP2と電極S0bとの間の信号の伝搬時間が互いに同じになるように配線が設計されている。また、クロック生成回路5とシリアライザ4aとの間のクロック信号の伝搬時間およびクロック生成回路5とシリアライザ4bとの間のクロック信号の伝搬時間は、互いに同じであるものとする。すなわち、クロック生成回路5とシリアライザ4aとの間のクロック信号の伝搬時間およびクロック生成回路5とシリアライザ4bとの間のクロック信号の伝搬時間が互いに同じになるように配線が設計されている。
光送信器10においては、図8に示す遅延回路6を設ける代わりに、位相シフタとして作用する電極の間隔を適切に決定することにより時間分割多重が実現される。すなわち、セグメント間距離を適切に決定することで時間分割多重が実現される。
図11は、図10に示す光送信器10の光変調器3において生成される光信号の一例を示す。なお、光変調器3から出力される光信号のサンプリング周波数fsが64GHzであるものとする。
図11(a)は、セグメント間距離が適切に決定されてない構成で生成される光信号の一例を示す。ここでは、電極S0aと電極S0bとの間の間隔Lが2.5mmである。この場合、光導波路を介して光が電極S0bから電極S0aまで伝送するために要する光伝搬時間Toptは、下式で表される。ngは、マッハツェンダ干渉計を構成する光導波路の群屈折率を表し、この実施例では3.84である。cは、真空中の光速を表す。
Topt=L×ng/c
したがって、ビット列Aの信号(例えば、d1)が電極S0aに到着するタイミングとビット列Bの信号(例えば、d2)が電極S0bに到着するタイミングとが一致するケースでは、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号がToptだけ遅れることになる。この例では、間隔Lが2.5mmである場合、光伝搬時間Toptは32p秒である。
ここで、ビット列Aおよびビット列Bの時間分割多重を精度よく実現するためには、図11(c)に示すように、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が「1/fs」だけ遅れている状態が要求される。fsは、光変調器3から出力される光信号のサンプリング周波数を表す。ここで、サンプリング周波数fsが64GHzである場合、時間分割多重の時間スロットの長さ(即ち、1/fs)は15.6p秒である。よって、この場合、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が15.6p秒だけ遅れている状態が要求される。
光送信器10においては、上記条件を満足するようにセグメント間距離が決定される。具体的には、光導波路を介して光が電極S0bから電極S0aまで伝送するために要する光伝搬時間Toptが15.6p秒となるように間隔Lが決定される。この実施例では、間隔Lが1.23mmであるときに、光伝搬時間Toptが15.6p秒となる。よって、光送信器10においては、電極S0aと電極S0bとの間の間隔Lは1.23mmである。そうすると、図11(b)に示すように、ビット列Aの信号(例えば、d1)が電極S0aに到着するタイミングとビット列Bの信号(例えば、d2)が電極S0bに到着するタイミングとが一致するときに、ビット列Aを表す光信号に対して、ビット列Bを表す光信号が15.6p秒(即ち、1/fs)だけ遅れることになる。この結果、図11(c)に示す時間分割多重が実現される。
図12は、光信号の時間分割多重の一例を示す。なお、横軸は、マッハツェンダ干渉計内での光の伝搬方向における位置を表す。「S0a」および「S0b」は、それぞれ電極S0aおよび電極S0bが設けられている位置を表す。また、サンプリング周波数fsは64GHzであり、シリアライザ4a、4bに与えられるクロック信号CLK3の周波数は「fs/2(32GHz)」である。電極S0aと電極S0bとの間の間隔Lは1.23mmである。そして、時刻ゼロにおいてビット列Aの信号d1が電極S0aに到着し、ビット列Bの信号d2が電極S0bに到着するものとする。なお、以下の記載では、信号di(i=1、2、...)により生成される光信号を光信号diと呼ぶことがある。
時刻ゼロから1周期時間が経過したときには、光信号d1、d2は、それぞれ電極S0a、S0bから1.23mmだけ伝搬している。なお、1周期時間は、時間分割多重の時間スロットの長さ(または、1/fs)を意味し、この実施例では15.625p秒である。時刻セロから2周期時間が経過したときには、光信号d1、d2は、それぞれ電極S0a、S0bから2.46mmだけ伝搬している。このとき、電極S0a、S0bにそれぞれ信号d3、d4が到着し、光信号d3、d4が生成される。これにより、光信号d1~d4が得られる。以下、同様に、2周期時間ごとに新たな電気信号が電極S0a、S0bに到着し、対応する光信号が生成される。この結果、2つのビット列A、Bの時間分割多重が実現される。
このように、図10に示す光送信器10においては、図8に示す遅延回路6を備えていない。したがって、図8に示す構成と比較すると、光送信器10においては、消費電力が小さくなる。加えて、図8に示す構成と比較して、光送信器10から出力される光信号の品質(例えば、ジッタ特性)が改善する。
図13~図14は、光送信器10の動作のシミュレーションの一例を示す。ここでは、図13(a)に示すモデルに基づくシミュレーションの結果を示す。なお、光送信器10は、PAM4光信号を出力する。すなわち、各送信シンボルが2ビットのデータを伝送する。よって、DSP2は、送信データから2個のデータ列(bit0、bit1)を生成する。また、各データ列(bit0、bit1)は、図7に示すように、2個のサブデータ列グループ(odd、even)に分割される。
光DAC11は、図10に示す構成では、シリアライザ4aおよびシリアライザ4aから出力される信号が与えられる電極に相当する。同様に、光DAC12は、シリアライザ4bおよびシリアライザ4bから出力される信号が与えられる電極に相当する。なお、光DAC11および光DAC12は、互いに位相が反転したクロック信号に同期して信号を出力する。また、シリアライザおよび電極は、各データ列(bit0、bit1)に対して設けられる。加算機13は、各データ列を表す光信号が光導波路上で合波される状態を表す。ナイキストフィルタ(NF)14は、ナイキストフィルタリングを行う。ナイキストフィルタ14は、特に限定されるものではないが、例えば、光変調器3の出力側に設けられる光バンドパスフィルタに相当する。そして、図13(b)に示す信号が上記シミュレーションモデルに入力される。図13(b)は、入力信号の波形およびスペクトルを表す。
図14(a)~図14(c)は、図13(a)に示すノードA~Cにおける光信号の波形およびスペクトルを表す。すなわち、図14(a)は、光DAC11により生成される光信号の波形およびスペクトルを表す。図14(b)は、光DAC12により生成される光信号の波形およびスペクトルを表す。図14(c)は、光DAC11により生成される光信号および光DAC12により生成される光信号を合波することで得られる光信号の波形およびスペクトルを表す。
合波された光信号のスペクトルにおいては、図14(c)に示すように、中心からfsだけ離れた周波数領域の信号成分が大きく抑圧されている。すなわち、2fsでオーバーサンプリングを行ったケースと同様に、イメージ成分が抑圧されている。したがって、図14(c)に示すバンドパスフィルタBPFを使用すれば、不要な成分を除去できる。この実施例では、ナイキストフィルタ14を設けることにより、図14(d)に示す波形およびスペクトルが得られる。
図15は、遅延回路を削除することによる効果を説明する図である。すなわち、以下では、図8に示す遅延回路6を削除することの効果を説明する。
図15(a)は、光変調器3から出力される光信号のジッタを表す。なお、グラフの横軸は、図8に示す遅延回路6による遅延時間を表す。ここで、図8~図9に示す例では、遅延回路6による遅延時間は32p秒である。この場合、約7.1p秒のジッタが発生する。これに対して、図10に示す光送信器10は、遅延回路6を備えていない。よって、光送信器10の特性は、図15(a)において「遅延時間=ゼロ」に対応する状態に相当する。すなわち、光送信器10から出力される光信号のジッタは約4.8p秒である。このように、遅延回路6を使用しないことでジッタ特性が改善する。
図15(b)は、光DACの消費電力を表す。この例では、遅延回路6を備えていない光送信器10においては、光DACの消費電力は約20mWである。これに対して、遅延回路6による遅延時間が大きくなると、遅延回路6における消費電力も大きくなる。この結果、32p秒の遅延時間を発生させるケースでは、光DACの消費電力は約45.6mWである。このように、遅延回路6を使用しないことで消費電力を削減できる。
図16は、本発明の実施形態に係わる振幅多重および時間分割多重を模式的に示す。この例では、光送信器10は、各シンボルが3ビットを伝送する光信号を生成する。すなわち、M=3である。また、光変調器3において時間分割多重により多重化される光信号の数は2である。すなわち、N=2である。したがって、送信データから6個のバイナリ電気信号(bit0_odd、bit0_even、bit1_odd、bit1_even、bit2_odd、bit2_even)が生成される。なお、バイナリ電気信号は、図10に示す構成おいては、シリアライザによりシリアル化されたビット列をドライバで増幅することで生成される。
3個のバイナリ電気信号bit0_odd、bit1_odd、bit2_oddにより生成される3個の光信号が合波されて時間スロットSL1に挿入される。このとき、bit1_oddにより生成される光信号の振幅はbit0_oddにより生成される光信号の振幅の2倍であり、bit2_oddにより生成される光信号の振幅はbit1_oddにより生成される光信号の振幅の2倍である。これにより、3ビットの強度変調の一例であるPAM8シンボルが生成される。
続いて、3個のバイナリ電気信号bit0_even、bit1_even、bit2_evenにより生成される3個の光信号が合波されて時間スロットSL2に挿入され、PAM8シンボルが生成される。以下同様に、3個のバイナリ電気信号から生成されるシンボルが順番に時間スロットに挿入される。これにより時間分割多重が実現される。
このように、本発明の実施形態によれば、バイナリ電気信号から、サンプリングレートまたはシンボルレートが非常に高く、且つ、各シンボルが伝送するビット数が多い光アナログ信号を生成できる。したがって、本発明の実施形態は、超高速光伝送の実現に寄与する。
なお、PAM4、PAM8等の多値強度変調信号を生成する光送信器について記載したが、本発明は、多値強度変調信号のみに対応するものではない。すなわち、光送信器の構成を適切に変更することで、QPSK信号やQAM信号などの多値コヒーレント変調光信号を生成する光送信器に本発明を適用可能である。具体的には、図8や図10に示す光送信器を並列化し、マッハツェンダ干渉計の光出力を親マッハツェンダ干渉計で合成するIQ変調器構成とすることで、コヒーレント変調光信号が生成される。
<第1の実施例>
図17は、光送信器の第1の実施例を示す。第1の実施例に係わる光送信器10は、DSP2、光変調器3、クロック生成回路5、エンコーダ21、シリアライザ31~34、遅延要素35~36、ドライバ37~40を備える。
この実施例では、M=2である。即ち、光送信器10は、各シンボルが2ビットを伝送する光信号を生成する。よって、エンコーダ21は、2個のデータ列(bit0、bit1)を生成する。また、この実施例では、N=2である。よって、エンコーダ21は、各データ列からそれぞれ2個のサブデータ列グループ(odd、even)を生成する。すなわち、エンコーダ21において4個のサブデータ列グループ(bit0_odd、bit0_even、bit1_odd、bit1_even)が生成される。なお、エンコーダ21は、例えば、ハードウェア論理回路により実現される。或いは、エンコーダ21は、DSP2の中に組み込まれてもよい。
各サブデータ列グループは、図7を参照して説明したように、複数のサブデータ列から構成される。そして、各サブデータ列グループを構成する複数のサブデータ列は、並列に出力され、対応するシリアライザに導かれる。
シリアライザ31~34は、クロック生成回路5により生成されるクロック信号を利用して、それぞれ対応する複数のサブデータ列をシリアル化する。具体的には、シリアライザ31は、サブデータ列グループbit0_evenに属する複数のサブデータ列をシリアル化することによりビット列bit0_evenを生成する。シリアライザ32は、サブデータ列グループbit1_evenに属する複数のサブデータ列をシリアル化することによりビット列bit1_evenを生成する。シリアライザ33は、サブデータ列グループbit0_oddに属する複数のサブデータ列をシリアル化することによりビット列bit0_oddを生成する。シリアライザ34は、サブデータ列グループbit1_oddに属する複数のサブデータ列をシリアル化することによりビット列bit1_oddを生成する。そして、シリアライザ31~34から出力されるビット列は、それぞれドライバ37~40に導かれる。なお、シリアライザ32、34に与えられるクロック信号は、それぞれ、遅延要素35、36により遅延される。
ドライバ37~40は、それぞれ、シリアライザ31~34から出力されるビット列からバイナリ電気信号を生成する。具体的には、ドライバ37は、シリアライザ31から出力されるビット列bit0_evenからバイナリ電気信号bit0_evenを生成する。ドライバ38は、シリアライザ32から出力されるビット列bit1_evenからバイナリ電気信号bit1_evenを生成する。ドライバ39は、シリアライザ33から出力されるビット列bit0_oddからバイナリ電気信号bit0_oddを生成する。ドライバ40は、シリアライザ34から出力されるビット列bit1_oddからバイナリ電気信号bit1_oddを生成する。このように、M×N個(即ち、4個)のバイナリ電気信号が生成される。そして、これらのバイナリ電気信号は、光変調器3に与えられる。
光変調器3において、マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って複数の電極が設けられている。この実施例では、M×N個(即ち、4個)の電極が設けられている。なお、図面を見やすくするために省略しているが、電極は、PアームおよびNアームの双方に設けられる。
この例では、マッハツェンダ干渉計の入力端から出力端に向かって電極S0_ev、電極S1_ev、電極S0_od、電極S1_odが順番に設けられている。そして、バイナリ電気信号bit0_even、bit1_even、bit0_odd、bit1_oddがそれぞれ電極S0_ev、電極S1_ev、電極S0_od、電極S1_odに与えられる。なお、電極S0_evおよび電極S0_odの長さは互いに同じであり、電極S1_evおよび電極S1_odの長さは互いに同じである。また、電極S1_evおよび電極S1_odの長さは、それぞれ、電極S0_evおよび電極S0_odの2倍である。
複数の電極は、時間分割多重の時間スロットに基づいてグループ化される。この実施例では、電極S0_evおよび電極S1_evは電極グループevenに属し、電極S0_odおよび電極S1_odは電極グループoddに属する。
電極グループevenに含まれる電極と電極グループoddに含まれる対応する電極との間の距離L1は、下式で表される。
L1=c/(ng×fs)
すなわち、電極S0_evと電極S0_odとの間の距離はL1であり、電極S1_evと電極S1_odとの間の距離もL1である。なお、fsは、電極グループevenに与えられる信号に応じて生成される光信号および電極グループoddに与えられる信号に応じて生成される光信号が時間領域で多重化されるときの1個の時間スロットに長さに相当する。したがって、距離L1は、時間分割多重の時間スロットに対応する時間に光が光導波路を伝搬する距離に相当する。また、この実施例では、各シンボルがMビットを伝送するので、距離L1は、送信データのビットレートがBであるときに、期間M/Bに光が光パスを伝搬する距離に相当する。
各電極グループ内の電極間の距離L2は、特に限定されるものではない。ただし、PAM4光信号のbit0およびbit1のタイミングを互いに一致させるためには、光が距離L2だけ伝搬する時間と、遅延要素35、36の遅延時間とが一致していることが要求される。よって、遅延要素35の遅延時間が、光導波路を介して光が電極S0_evから電極S1_evまで伝搬する時間と同じになるように、遅延要素35が設計される。同様に、遅延要素36の遅延時間が、光導波路を介して光が電極S0_odから電極S1_odまで伝搬する時間と同じになるように、遅延要素36が設計される。
なお、図17において、エンコーダ21、シリアライザ31~34、遅延要素35~36、ドライバ37~40、クロック生成回路5は、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路の一例である。また、電極S0_ev、電極S1_ev、電極S0_od、電極S1_odは、M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントの一例である。
図18は、図17に示す光送信器による振幅多重および時間分割多重の一例を示す。なお、横軸は、マッハツェンダ干渉計内での光の伝搬方向における位置を表す。「S0_ev」「S1_ev」「S0_od」「S1_od」は、それぞれ電極S0_ev、電極S1_ev、電極S0_od、電極S1_odが設けられている位置を表す。
時刻T0において、電気信号bit0_1および電気信号bit0_2がそれぞれ電極S0_odおよび電極S0_evに到着する。そうすると、電極S0_odにおいて光信号bit0_1が生成され、電極S0_evにおいて光信号bit0_2が生成される。
時刻T1において、光信号bit0_1は電極S1_odに到着し、光信号bit0_2は電極S1_evに到着する。また、電気信号bit1_1および電気信号bit1_2がそれぞれ電極S1_odおよび電極S1_evに到着する。そうすると、電極S1_odにおいて光信号bit1_1が生成され、電極S1_evにおいて光信号bit1_2が生成される。したがって、電極S1_odにおいて、光信号bit0_1および光信号bit1_1が合波され、送信シンボル1が生成される。同様に、電極S1_evにおいて、光信号bit0_2および光信号bit1_2が合波され、送信シンボル2が生成される。この後、時刻T1~時刻T4において、送信シンボル1、2は、マッハツェンダ干渉計の出力ポートに向かって伝搬する。
時刻T4において、電気信号bit0_3および電気信号bit0_4がそれぞれ電極S0_odおよび電極S0_evに到着する。そうすると、電極S0_odにおいて光信号bit0_3が生成され、電極S0_evにおいて光信号bit0_4が生成される。
時刻T5において、光信号bit0_3は電極S1_odに到着し、光信号bit0_4は電極S1_evに到着する。また、電気信号bit1_3および電気信号bit1_4がそれぞれ電極S1_odおよび電極S1_evに到着する。そうすると、電極S1_odにおいて光信号bit1_3が生成され、電極S1_evにおいて光信号bit1_4が生成される。したがって、電極S1_odにおいて、光信号bit0_3および光信号bit1_3が合波され、送信シンボル3が生成される。同様に、電極S1_evにおいて、光信号bit0_4および光信号bit1_4が合波され、送信シンボル4が生成される。この後、送信シンボル1~4は、マッハツェンダ干渉計の出力ポートに向かって伝搬する。このように、振幅多重(bit0、bit1)および時間分割多重(odd、even)が同時に実現される。
<第2の実施例>
図19は、光送信器の第2の実施例を示す。第2の実施例においては、M=3である。即ち、光送信器10は、各シンボルが3ビットを伝送する光信号を生成する。よって、エンコーダ21は、3個のデータ列(bit0、bit1、bit2)を生成する。また、この実施例では、N=2である。よって、エンコーダ21は、各データ列からそれぞれ2個のサブデータ列グループ(odd、even)を生成する。即ち、エンコーダ21において6個のサブデータ列グループ(bit0_odd、bit0_even、bit1_odd、bit1_even、bit2_odd、bit2_even)が生成される。したがって、6個のビット列が生成される。
光変調器3は、各ビット列に対して移相セグメントを備える。図19においては、移相セグメントS0_ev、S1_ev、S2_ev、S0_od、S1_od、S2_odが設けられている。
各移相セグメントは、1または複数の電極を備える。具体的には、bit0に対応する光信号を生成するための移相セグメントS0_ev、S0_odは、それぞれ1個の電極を備える。bit1に対応する光信号を生成するための移相セグメントS1_ev、S1_odは、それぞれ2個の電極を備える。bit2に対応する光信号を生成するための移相セグメントS2_ev、S2_odは、それぞれ4個の電極を備える。この構成においては、各電極の長さはすべて同じである。
移相セグメントS0_od、S1_od、S2_odは1つの電極グループを構成し、移相セグメントS0_ev、S1_ev、S2_evも1つの電極グループを構成する。そして、グループ間で、対応する移相セグメント(又は、電極)の間の距離L1は、下式で表される。
L1=c/(ng×fs)
具体的には、移相セグメントS0_evと移相セグメントS0_odとの間の距離はL1である。また、移相セグメントS1_evの各電極と移相セグメントS1_odの各電極との間の距離もそれぞれL1である。さらに、移相セグメントS2_evの各電極と移相セグメントS2_odの各電極との間の距離もそれぞれL1である。
<トランシーバ>
図20は、本発明の実施形態に係わる光送信器を含む光トランシーバの一例を示す。この光トランシーバは、DSPチップ101、送信回路チップ102、光集積回路チップ103、受信回路チップ104、光源105を備え、基板100上に実装される。
送信回路チップ102は、図10に示すシリアライザ、クロック生成回路、ドライバ、エンコーダ等を含む。但し、エンコーダは、DSPチップ101により実現されるようにしてもよい。光集積回路チップ103は、図10に示す光変調器3を含み、光源105により生成される連続光を利用して変調光信号を生成する。また、光集積回路チップ103は、例えばコヒーレント受信により、受信光信号を表す電気信号を生成する。この場合、光集積回路チップ103は、光源105により生成される連続光を利用してコヒーレント受信を行う。DSPチップ101は、図10に示すDSP2を含む。また、DSPチップ101は、受信回路チップ104の出力信号からデータを再生する。
1 光送信器
2 DSP
3 光変調器
4、4a、4b シリアライザ
5 クロック生成回路
6 遅延回路
10 光送信器
21 エンコーダ
31~34 シリアライザ
35~36 遅延要素
37~40 ドライバ

Claims (8)

  1. 各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器であって、
    前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、
    マッハツェンダ干渉計と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、
    前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、
    前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、
    前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記時間分割多重の1個の時間スロットに対応する時間に光が前記光パスを伝搬する距離であり、
    各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含む
    ことを特徴とする光送信器。
  2. 各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器であって、
    前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、
    マッハツェンダ干渉計と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、
    前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、
    前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、
    前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記送信データのビットレートがBであるときに、期間M/Bに光が前記光パスを伝搬する距離であり、
    各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含む
    ことを特徴とする光送信器。
  3. 各電極グループは、互いに長さが異なるM個の電極から構成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信器。
  4. 各電極グループは、互いに同じ長さのMより多い数の電極から構成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信器。
  5. 前記信号生成回路は、各電極グループに与えられるM個のバイナリ電気信号に対応するM個の光信号が時間領域で互いに重なり合うように、前記M×N個のバイナリ電気信号のタイミングを調整する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信器。
  6. 前記信号生成回路は、
    前記送信データからM×N×K(Kは、2以上の整数)個のサブデータ列を生成するエンコーダと、
    M×N個のシリアライザと、
    M×N個のドライバと、
    クロック信号を生成するクロック生成回路と、を含み、
    前記M×N個のシリアライザは、それぞれ前記クロック信号を使用して対応するK個のサブデータ列から順番にビットを選択して出力することでM×N個のビット列を生成し、
    前記M×N個のドライバは、前記M×N個のビット列から前記M×N個のバイナリ電気信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信器。
  7. 光受信器および各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器を含む光トランシーバであって、
    前記光送信器は、
    前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、
    マッハツェンダ干渉計と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、
    前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、
    前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、
    前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記時間分割多重の1個の時間スロットに対応する時間に光が前記光パスを伝搬する距離であり、
    各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含む
    ことを特徴とする光トランシーバ。
  8. 光受信器および各シンボルがM(Mは、2以上の整数)ビットを伝送する変調光信号を送信する光送信器を含む光トランシーバであって、
    前記光送信器は、
    前記光送信器が時間分割多重でN(Nは、2以上の整数)個の光信号を多重化するときに、送信データから互いに同じビットレートのM×N個のバイナリ電気信号を生成する信号生成回路と、
    マッハツェンダ干渉計と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光パスに沿って設けられ、前記M×N個のバイナリ電気信号に応じてそれぞれ前記光パスを伝搬する光の位相をシフトさせるM×N個の移相セグメントと、を備え、
    前記M×N個の移相セグメントは、N個の電極グループから構成され、
    前記N個の電極グループは、前記光パスに沿って直列に設けられ、
    前記N個の電極グループの中の第1の電極グループに含まれる電極と前記第1の電極グループに隣接する第2の電極グループに含まれる対応する電極との間の距離は、前記送信データのビットレートがBであるときに、期間M/Bに光が前記光パスを伝搬する距離であり、
    各電極グループは、前記M×N個のバイナリ電気信号のうちの対応するM個のバイナリ電気信号が与えられるM個以上の電極を含む
    ことを特徴とする光トランシーバ。
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