JP7701808B2 - カプセル製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、カプセル皮膜の不溶化が抑制されたカプセル製剤に関する。さらに詳しくは、カプセル内容物としてポリフェノールを含有する際のカプセル皮膜の不溶化が抑制されたカプセル製剤に関する。
従来より、薬剤などの投薬形態において各種のカプセル製剤が使用されている。これらのカプセル製剤として、ソフトカプセル製剤(軟カプセル)やハードカプセル製剤(硬カプセル)が挙げられる。ソフトカプセル製剤は、薬剤を含む濃厚溶液、懸濁液あるいは油性物などの液状の内容物を封入し生体に投与する目的等に、ハードカプセル製剤は、粉末や顆粒などを封入し生体に投与する目的に用いられている。
これらのカプセル製剤は、通常、生体内で、カプセル、即ち皮膜が溶解し、有効成分を含有するカプセル内容物が放出されることによりその効果を発揮するが、皮膜の成分、特にゼラチンがカプセル内容物に含まれる特定の成分と相互作用することにより皮膜の不溶化が起こり、カプセル製剤の崩壊遅延が発生することがある。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、ソフトカプセル皮膜部に、ゼラチン、可塑剤、水を配合しており、ソフトカプセル内容物を調整するにあたり、内容物成分として、ポリフェノール類を1~60重量%及び界面活性剤を1~20重量%及び抗酸化剤を1~20重量%含有して形成されることを特徴とするソフトカプセルの技術が開示されている。
また、特許文献2には、カプセル内容物が、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むことを特徴とするカプセル製剤の技術が開示されている。
特開2011-79786号公報 特開2012-51945号公報
上記した従来の技術は、カプセルの皮膜の不溶化を抑制することを目的としているが、これらの技術では皮膜の不溶化を抑制する十分な効果が得られていなかった。
本発明は、ポリフェノールを含有するカプセル製剤において、カプセル皮膜の不溶化が抑制されたカプセル製剤を提供することを課題とする。
本発明者は、カプセルに充填した内容物(カプセル内容物)がポリフェノールを含有するカプセル製剤において、カプセル内容物及び/又はカプセル皮膜に特定の有機酸を含有することにより、カプセル皮膜の不溶化を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のカプセル製剤を提供するものである。
[1]カプセル内容物が(A)ポリフェノールを含有し、
前記カプセル内容物及び/又はカプセル皮膜が(B)有機酸を含有し、
前記(B)有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上を含有し、
カプセル製剤における、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)が、8以下であることを特徴とする、カプセル製剤。
本発明のカプセル製剤によれば、ポリフェノールを含有するカプセル製剤において、カプセル皮膜の不溶化が抑制されたカプセル製剤を提供することができる。
[2]前記カプセル内容物が(B)有機酸を含有し、前記カプセル内容物中の前記(B)有機酸の含有量が、0.25質量%以上15質量%以下であることを特徴とする[1]に記載のカプセル製剤。
この特徴によれば、カプセル皮膜の不溶化をより抑制することができる。
[3]前記(A)ポリフェノールが、少なくともアントシアニン、フラボノイド又はその配糖体から選択される1種以上を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載のカプセル製剤。
この特徴によれば、本発明のカプセル皮膜の不溶化の抑制効果をより発揮することができる。
[4]前記カプセル製剤がソフトカプセル製剤である、[1]~[3]のいずれかに記載のカプセル製剤。
この特徴によれば、カプセル皮膜の不溶化をさらに抑制することができる。
本発明によれば、ポリフェノールを含有するカプセル製剤において、カプセル皮膜の不溶化が抑制されたカプセル製剤を提供することができる。
[カプセル製剤]
本発明のカプセル製剤は、カプセル内容物が(A)ポリフェノールを含有し、前記カプセル内容物又はカプセル皮膜が(B)有機酸を含有し、前記(B)有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上を含有し、カプセル製剤における、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)が、8以下であることを特徴とする。
本発明のカプセル製剤は、カプセル内容物がポリフェノールを含有する際に発生するカプセル皮膜の不溶化が、特定の有機酸をポリフェノールに対して特定の比率で含有することにより抑制されており、その結果、カプセル製剤の崩壊の遅延や不溶膜の形成が抑制されている。このため、カプセル製剤は摂取された生体内で容易に溶解し、容易にカプセル内容物を放出することができる。
本発明のカプセル製剤は、主に皮膜とカプセル内容物から構成されるが、他の構成要素を備えてもよい。主としてカプセル内容物に有効成分が含有される。
本発明でいうカプセル製剤としては、ソフトカプセル製剤及びハードカプセル製剤が挙げられる。ソフトカプセル製剤とは、主に液状のカプセル内容物をゼラチン等のカプセル皮膜で被包成型したものをいう。ハードカプセル製剤とは、主に粉末又は顆粒状のカプセル内容物を、円筒状のカプセル(カプセル皮膜)に封入したものをいう。本発明のカプセル製剤は、好ましくはソフトカプセル製剤である。
本発明のカプセル製剤は、(B)有機酸を含有し、(B)有機酸が、特定の有機酸、即ち、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上を含有することを特徴とする。(B)有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上であることが好ましく、(B)有機酸が、酒石酸であることがより好ましい。有機酸は、カプセル製剤のカプセル内容物、皮膜に含有され、不溶化の抑制効果の観点及び製造効率や皮膜の物性面の観点から、カプセル内容物に含有されることが好ましい。
本発明のカプセル製剤における、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)は、8以下である。上限値は、好ましくは5以下である。下限値は、好ましくは0.1以上である。(A/B)の値を上記範囲内とすることにより、カプセル皮膜の不溶化をより抑制することができる。
本発明のカプセル製剤の崩壊時間は、例えば120分以下である。上限値としては、好ましくは80分以下であり、より好ましくは40分以下である。下限値としては、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2分以上である。カプセルの崩壊時間を上記範囲内とすることにより、体内に摂取された際にカプセル内容物を適切に放出することができる。
なお、本発明において、崩壊時間は日本薬局方に規定された条件の崩壊試験により求めた時間である。
[カプセル皮膜]
本発明のカプセル製剤はカプセル皮膜を有する。カプセル皮膜の組成は、用途や組成に応じて適宜設定されるが、大きくはソフトカプセル製剤であるかハードカプセル製剤であるかによって大別される。
ソフトカプセル製剤のカプセル皮膜の成分は、例えば、高分子成分、保湿剤などが挙げられる。高分子成分としては、特に制限されないが、例えば、ゼラチン、デンプン、カラギーナンなどが挙げられる。これらの中でも本発明の不溶化の抑制効果がより発揮されるという観点からゼラチンが好ましい。カプセル皮膜中のゼラチンの含有量としては、例えば、1質量%以上95質量%以下であり、下限値としては、好ましくは5質量%以上であり、上限値としては90質量%以下である。また、保湿剤としては、特に制限されないが、例えば、グルコースなどの糖類、グリセリンなどのアルコール類、ソルビトールなどの糖アルコール類などが挙げられる。ソフトカプセル製剤のカプセル皮膜中の各成分の配合割合は、特に制限されず、適宜設定可能である。ソフトカプセル製剤のカプセル皮膜は、上記のカプセル皮膜の成分から製造されたシートにカプセル内容物を充填し、圧着成型することなどにより形成される。
ハードカプセル製剤のカプセル皮膜の成分は、例えば、高分子成分、が挙げられ、具体的には、はゼラチン、プルラン、寒天、カラギーナン、デンプン、デンプン分解物、アルギン酸やHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン誘導体、ジェランガム等が挙げられる。これらの中でも本発明の不溶化の抑制効果がより発揮されるという観点からゼラチンが好ましい。カプセル皮膜中のゼラチンの含有量としては、例えば、1質量%以上95質量%以下であり、下限値としては、好ましくは5質量%以上であり、上限値としては90質量%以下である。ハードカプセル製剤のカプセル皮膜中の各成分の配合割合は、特に制限されず、適宜設定可能である。ハードカプセル製剤のカプセル皮膜は、通常、上記のカプセル皮膜の成分を成形して円筒形のボディーとキャップの形状とすることにより用いられる。本発明に用いるハードカプセル製剤のカプセル皮膜は、商業的に入手可能な市販品を用いてよい。
本発明のカプセル製剤において、有機酸がカプセル皮膜に含有される場合、カプセル皮膜中の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上である。下限値は、不溶化の抑制の観点から、好ましくは、0.25質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。
[カプセル内容物]
<(A)ポリフェノール>
本発明のカプセル製剤は、カプセル内容物としてポリフェノールを含有することを特徴とする。ポリフェノールとは、同一分子内に2個以上のフェノール性水酸基をもつ化合物又はそれらの配糖体であり、ほとんどの植物に含有される成分である。本発明のカプセル製剤に用いられるポリフェノールとしては、特に制限されないが、アントシアニン、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノール、フラボン、カテキン、タンニン、フラボノイド、クロロゲン酸、フェニルカルボン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリン、又はそれらの配糖体が挙げられる。これらの中でもアントシアニン、ピクノジェノール、フラボノイド又はそれらの配糖体から選択される1種以上を含有することが好ましく、フラボノイド、アントシアニン又はそれらの配糖体から選択される1種以上を含有することがより好ましく、アントシアニン又はその配糖体を含有することが特に好ましい。アントシアニン又はその配糖体としては、特に含有量が多いビルベリー抽出物などを用いることができる。
ポリフェノール類のカプセル内容物における含有量は、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上60質量%以下である。下限値としては、好ましくは、0.5質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上である。上限値としては、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。ポリフェノールの含有量を上記範囲内とすることにより、ポリフェノールを十分な量配合することができ、さらに不溶化の抑制効果がより発揮される。
<(B)有機酸>
本発明のカプセル製剤は、有機酸を含有し、有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上を含有することを特徴とする。(B)有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上であることが好ましく、(B)有機酸が、酒石酸であることがより好ましい。上記したように、有機酸は、カプセル製剤のカプセル内容物、カプセル皮膜に含有され、不溶化の抑制効果の観点及び製造効率や皮膜の物性面の観点から、カプセル内容物に含有されることが好ましい。上記した有機酸がカプセル内容物に含有される場合、カプセル内容物中の前記有機酸の含有量は、特に制限されないが、例えば0.1質量%以上である。下限値は、不溶化の抑制効果の観点から、好ましくは0.25質量%以上であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。上限値は、製造適性の観点から、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。
[その他の成分]
本発明のカプセル製剤は、カプセル内容物として、ポリフェノール、有機酸以外の成分を含有してもよい。その他の成分は、ソフトカプセル製剤かハードカプセル製剤かにより、又はカプセル製剤の用途と配合によって異なるが、ソフトカプセル製剤の場合は、特に制限されないが、例えば分散剤、希釈油、界面活性剤、甘味料、香料、着色料、保存料、有効成分などが挙げられ、ハードカプセル製剤の場合は、特に制限されないが、賦形剤、滑沢剤、流動化剤、界面活性剤、甘味料、香料、着色料、保存料などが挙げられる。
<希釈油>
本発明のカプセル製剤は、希釈油を含有してもよい。希釈油は、一般的にはソフトカプセル製剤のカプセル内容物を希釈するために用いられる。希釈油としては、ココナツ油、ヤシ油、パーム油、グレープフルーツ油および中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などの飽和脂肪酸を多く含む油類、大豆油、胡麻油、シソ油、落花生油、米ぬか油(米油、米胚芽油)、小麦胚芽油、トウモロコシ油、菜種油、綿実油、カボチャ種子油、オリーブ油、グアバ種子油、ナツメヤシ種子油、ブドウ種子油、ツバキ種子油、ヒマワリ油、月見草種子油、サフラワー油などの不飽和脂肪酸を多く含む油類などが挙げられる。これらの希釈油は、1種または2種以上を適宜組み合わせて任意の配合量で用いることができる。
本発明のカプセル製剤のカプセル内容物における、希釈油の配合量は、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上20質量%以下である。下限値としては、好ましくは、0.5質量%以上である。上限値としては、好ましくは、10質量%以下である。
<分散剤>
本発明のカプセル製剤は分散剤を含有してもよい。分散剤を含むことにより、カプセル内容物の分離が防止され、保存安定性が向上する。分散剤としては、例えば、ミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、菜種水素添加油、サフラワー水素添加油、パーム水素添加油、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、カカオ脂粉末、カルナウバロウ、ライスワックス、モクロウ、パラフィンなどが挙げられる。これらの中で好ましくはミツロウである。これらの分散剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。分散剤の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上30質量%以下である。下限値としては、好ましくは1質量%以上である。一方、上限値としては、好ましくは、10質量%以下である。
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、乳糖、白糖、ブドウ糖、D-マンニトール、粉末還元麦芽糖水あめ、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D-ソルビトール、マルトース、デンプン及びデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸及びその塩、サッカリン及びその塩、ステビア及びその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、デンプン及びデンプン誘導体、グァーガム、アラビアゴム、トラガント、アルギン酸及びその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの賦形剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて任意の配合量で用いることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油等が挙げられ、その中でもステアリン酸カルシウムは好ましい。これらの滑沢剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて任意の配合量で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、微粒二酸化ケイ素などが挙げられる。
以下に実施例を示し更に本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の配合量は、特に記載がない限り質量%で示す。
(1)試験1:カプセル皮膜の不溶化抑制成分の選定
以下の方法で、表1、2に示す各例のソフトカプセル製剤のカプセル皮膜とカプセル内容物を調製し、様々な試験成分(有機酸、有機酸塩、ビタミンE、レシチン)のカプセル皮膜の不溶化抑制効果について評価した。
(カプセル皮膜の調製)
ゼラチン、グリセリン、水で作製した厚み0.8mmの皮膜シートを、約1.5cm×1.5cmの正方形に切断し、水分値が約8%になるまで室温で乾燥させたものをソフトカプセル製剤のカプセル皮膜として本試験に用いた。
(カプセル内容物の調製)
ソフトカプセル製剤のカプセル内容物として、表1、2に示すように、希釈油である中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)(「ココナードMT」:花王社製)及び/又はオリーブ油にミツロウを加えて加温溶解させ、この溶液を室温で放冷させた。そして、この溶液に、ポリフェノール(ビルベリー抽出物:「ビルベリーカンソウエキスET」(アントシアニン含有量約36%)、インデナジャパン社製)及び試験成分を加え、ホモミキサーにて均一に混合し、この溶液をカプセル内容物とした。
(カプセル皮膜の崩壊性試験1)
クリーム瓶にカプセル内容物の溶液20gを採取し、これに裁断したカプセル皮膜を入れ、密栓後60℃で7日間保存した。
その後、カプセル皮膜を取り出し、このカプセル皮膜に対し、日本薬局方に規定された条件で崩壊性試験を行った。なお崩壊試験液は37℃の水を用いて行い、カプセル皮膜が崩壊した時間を測定した。なお、試験開始から120分で崩壊しない場合は「×:不溶」とした。
表1に示すように、特定の有機酸、即ち酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸を含有する実施例1~4においては、特定の有機酸を含有しない比較例1~12、比較例14~20と比較して、ポリフェノールによるカプセル皮膜の不溶化が抑制されることが確認された。
また、ポリフェノールを含有しない比較例13においては、カプセル不溶化は認められなかった。
(2)試験2:ポリフェノールと有機酸の比率についての試験
表3~5に示す組成のソフトカプセルのカプセル内容物を、試験1のカプセル内容物の調製と同様の手順で調製した。表中、希釈油は「オリザこめ油」(オリザ油化社製)を用いた。
そして、試験1と同様の方法で製造したカプセル皮膜を使用して、下記の手順でカプセル皮膜の溶解性を評価した。
(カプセル皮膜の崩壊性試験2)
クリーム瓶にカプセル内容物の溶液20gを採取し、これに裁断したカプセル皮膜を入れ、密栓後60℃で7日間保存した。
その後、カプセル皮膜を取り出し、このカプセル皮膜に対し、日本薬局方に規定された条件で崩壊性試験を行った。崩壊試験液は37℃の水を用いて行い、カプセル皮膜が溶解した時間を測定した。なお、試験は120分間行い、120分間で崩壊しない場合は「不溶」とした。また、カプセル皮膜の状態を目視で以下の基準を用いて評価した。試験はn=3で行い、溶解時間は平均を示した。
(外観の評価)
◎:40分未満で皮膜溶解。
○:40分以上80分未満で皮膜溶解。
△:80分以上120未満で皮膜溶解。
×:120分以上経過しても皮膜不溶。
試験の結果、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)が、8以下である実施例において、ポリフェノールによるカプセル皮膜の不溶化が抑制されることが確認された。また、A/Bは5以下であることが好ましいことが確認された。
(3)試験3:他のポリフェノールについての試験
表6に示す組成のソフトカプセルのカプセル内容物を、試験1のカプセル内容物の調製と同様の手順で調製した。表中、イチョウ葉エキスは「イチョウ葉エキスC」(フラボノール配糖体含有量約24%、丸善製薬社製)、希釈油は「オリザこめ油」(オリザ油化社製)を用いた。
そして、試験1と同様の方法で製造したカプセル皮膜を使用して、下記の手順でカプセル皮膜の溶解性を評価した。
(カプセル皮膜の崩壊性試験3)
クリーム瓶にカプセル内容物の溶液20gを採取し、これに裁断したカプセル皮膜を入れ、密栓後60℃で14日間保存した。
その後、カプセル皮膜を取り出し、このカプセル皮膜に対し、日本薬局方に規定された条件で崩壊性試験を行った。崩壊試験液は37℃の水を用いて行い、カプセル皮膜が溶解した時間を測定した。なお、試験は120分間行い、120分間で崩壊しない場合は「不溶」とした。また、カプセル皮膜の状態を目視で以下の基準を用いて評価した。試験はn=3で行い、溶解時間は平均を示した。
(外観の評価)
◎:40分未満で皮膜溶解。
○:40分以上80分未満で皮膜溶解。
△:80分以上120未満で皮膜溶解。
×:120分以上経過しても皮膜不溶。
試験の結果、ポリフェノールとしてフラボノイド配糖体を用いた場合でも、特定の有機酸を含有する実施例15においては、特定の有機酸を含有しない比較例30と比較して、ポリフェノールによるカプセル皮膜の不溶化が抑制されることが確認された。
(4)試験4:ソフトカプセルの製造
表7に示す処方1、処方2のソフトカプセルのカプセル内容物を、試験1のカプセル内容物の調製と同様の手順で調製した。表中、希釈油は「オリザこめ油」(オリザ油化社製)、分散剤はミツロウを用いた。
そして、このカプセル内容物を、一粒当たり200mgずつ、試験1で作成したカプセル皮膜を用いてソフトカプセル成型機を用いて常法でカプセル充填し、ソフトカプセル製剤を得た。そして、得られたソフトカプセル製剤を、以下のカプセル製剤の崩壊性試験に示す手順で保存後の崩壊性を試験した。
(カプセル製剤の崩壊性試験)
製造したソフトカプセル製剤について、初期と加速試験後の崩壊性を試験した。加速試験は、ソフトカプセル製剤をアルミパウチ製袋に密封した後、加速試験3(40℃、9週間)の条件で保存することにより行い、その後、ソフトカプセル製剤を取り出し試験に使用した。
崩壊性試験は、日本薬局方の崩壊試験法に規定された条件に準じて行い、崩壊試験液は37℃の水を用いて行った。カプセル製剤が崩壊した時間を測定した。試験はn=3で行い、崩壊時間は平均を示した。
これらの結果から、本発明のカプセル製剤においては、カプセル皮膜の不溶化が抑制されることが確認された。
本発明のカプセル製剤は、ポリフェノールによるカプセル皮膜の不溶化が抑制されており、ソフトカプセル製剤、ハードカプセル製剤などのカプセル製剤に利用できる。
本発明のカプセル製剤及び粉末組成物は、医薬品、医薬部外品、獣医科製品、食品、サプリメント等の様々な分野において活用できるものである。

Claims (4)

  1. カプセル内容物が(A)ポリフェノール及び(B)有機酸を含有し、
    前記(B)有機酸が、マル酸、酸から選択される1種以上を含有し、
    カプセル皮膜がゼラチンを含有し、
    カプセル製剤における、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)が、8以下であることを特徴とする、ソフトカプセル製剤。
  2. 前記カプセル内容物が(B)有機酸を含有し、
    前記カプセル内容物中の前記(B)有機酸の含有量が、0.25質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のソフトカプセル製剤。
  3. 前記(A)ポリフェノールが、少なくともアントシアニン、フラボノイド又はその配糖体から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のソフトカプセル製剤。
  4. カプセル内容物が、(A)ポリフェノール及び(B)有機酸を含有し、
    前記(B)有機酸が、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸から選択される1種以上を含有し、
    カプセル皮膜がゼラチンを含有し、
    カプセル製剤における、(B)有機酸の含有量に対する(A)ポリフェノールの含有量の質量比(A/B)が、8以下であることを特徴とする、ソフトカプセル製剤におけるカプセル皮膜の不溶化抑制方法。
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