JP7702000B1 - 流体圧シリンダ、流体圧シリンダの製造方法 - Google Patents

流体圧シリンダ、流体圧シリンダの製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 0007702000000001
【課題】摩擦圧接によって生じるチューブ内周側のバリを封入する構造を備えた流体圧シリンダを安価に提供すること。
【解決手段】チューブ10は、端部の所定の範囲に、他の部分よりも内径が大きい大径部11が形成されている。大径部11が形成される所定の範囲は、摩擦圧接による接合が完了したときに、鍔部23が縁11aに接触するような範囲である。シリンダエンド20は、チューブ10よりもわずかに小径で、摩擦圧接部分にチューブ10と同径となるシリンダエンド側大径部21が形成されている。大径部の端面からは、チューブ10の内径よりも小径の突出部22が形成されている。突出部22の先端部には、大径部11の内径と略等しい外径の鍔部23が形成されている。鍔部23は、径方向に広がる薄板状に形成されており、シリンダエンド側大径部21、突出部22及び鍔部23で囲まれた範囲に窪みが形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、摩擦圧接を行って製造される流体圧シリンダの構造に関する。
従来、流体圧シリンダのシリンダチューブを製造するときには、円筒形状の部材の一端に円盤形状の部材を合わせて保持し、それぞれの部材を回転させながら境界部分を溶接している。しかし、このように溶接を行う場合、溶接個所はシリンダチューブ及び円筒部材の外側のみとなり、部材の厚みに対して溶接される範囲に限界が生じる。特に、シリンダが大型化し円筒形状の部材が肉厚になるほど、断面に対する接合部の割合が低下する。
また、溶接によって部材を接合する場合には、溶接不良の管理を徹底しなければ溶接部分から作動流体漏れが生じる原因となるが、そのために溶接部分の精密検査を行うと、製造コストが増大するという問題がある。
そこで、円筒形状部材の断面全体を接合可能且つ溶接不良の発生を抑止可能な接合方法として、摩擦圧接が使用される。
摩擦圧接とは、二つの部材を接触させた状態で、一方を停止させたまま、他方を高速回転させて摩擦熱を発生させ、この摩擦熱によって部材を高温にした後、回転を停止させたうえで部材同士を高圧で押し付けること(アプセット加圧)によって接合を行う方法である。
円筒形の部材を摩擦圧接によって接合する場合、高圧によって押し出されたバリが外周側と内周側との両方に生成される。流体圧シリンダの内周面は、ピストンに嵌め込まれたパッキンが密着しながら摺動することによって伸長側と短縮側との作動流体室を分けているため、バリが生じるとパッキンを損傷させる虞がある。また、シリンダの動作中に、バリが内周面から剥がれ落ちた場合には、作動流体の流路全体を損傷させる虞もある。
そこで、シリンダの製造過程において、バリを除去することが望ましいが、シリンダチューブの場合は、バリが生成される箇所が開口部から離れた位置になり、しかも全周に亘ってバリが生成されるため、シリンダ内周側のバリの除去は困難である。
そのため、特許文献1に開示されている流体圧シリンダは、シリンダの内周側に生成されたバリを封じ込めるため、円盤形の部材に空間を形成し、さらにこの空間に蓋をするための鍔部(特許文献1、図2の符号101)を備えている。
鍔部は、円筒形状部材の内周面との間に隙間が形成される大きさであるが、当該隙間は0.5mm~1mmと狭いため、隙間より大きなバリが作動流体室内部に侵入することが防止される。
なお、隙間を形成しない場合には、接合時の高速回転によって鍔部にも摩擦熱が発生するため、予期せずバリが通過可能な隙間が形成されるなどの不良品の発生につながる。
他にも、特許文献2には、テーパ面同士を接触させてバリの封入空間を密閉する構造を備えた油圧シリンダが開示されている。
簡単に説明すると、回転時、テーパ面同士は離れているが、アプセット加圧時にはテーパ部同士が寄り代の分接近するため、テーパ面同士も接近し最終的に密着する。そのため、バリの封入空間は密閉される。
実開平4-87064号公報 特開2017-72160号公報
特許文献1に開示されているような鍔部は、シリンダの内周面との間に隙間が形成されているため、隙間よりも小さく砕けたバリが作動油室内に侵入する可能性がある。一方、特許文献2に開示されているシリンダはチューブと蓋部とに形成されたテーパ面同士を密着させることでバリを封じ込めているため、バリが作動流体室に侵入する可能性は極めて低い。しかし、このような構造の場合に密閉を確実にするためには、高い寸法精度でテーパ面を加工し、さらに、アプセット加圧時に全周を均等に加圧しなければならず高精度な加工が要求されるため、加工コストが高いという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑み、摩擦圧接によって生じるチューブ内周側のバリを封入する構造を備えた流体圧シリンダを安価に提供することを目的とする。
第一の発明は、チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合した流体圧シリンダであって、前記シリンダエンドにおける前記チューブの内部を臨む面には、前記チューブと同軸に、該チューブの内部に突き出た円柱形状の突出部が備えられており、前記チューブの内周面における、前記突出部の先端部分と径方向からみて重なる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、該内周面の他の部分よりも内径が大きい大径部となっており、前記大径部の内周面と前記突出部の周面との間には、摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間が形成され、前記突出部の先端部分には、外径が、前記大径部の内径より小さく、前記他の部分の内径より大きい鍔部が全周に亘って形成されており、全周に亘って、前記鍔部が前記大径部と前記チューブの他の部分との境界である縁に密着していることを特徴とする流体圧シリンダである。
第二の発明は、第一の発明に記載の前記鍔部は、前記接合部分の側に折れ曲がっていることを特徴とする流体圧シリンダである。
第三の発明は、第一の発明に記載の前記縁は、前記突出部の端面よりも、前記チューブの長さ方向中央側に位置しており、前記鍔部が、全周に亘って前記チューブの長さ方向中央側に折れ曲がることで、前記縁に密着していることを特徴とする流体圧シリンダである。
第四の発明は、第一の発明から第三の発明に記載の前記内バリが前記鍔部に接触していないことを特徴とする流体圧シリンダである。
第五の発明は、第一の発明から第三の発明のいずれかに記載の前記内バリが前記鍔部に接触していることを特徴とする流体圧シリンダである。
第六の発明は、チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合した流体圧シリンダであって、前記シリンダエンドにおける前記チューブの内部を臨む面には、前記チューブと同軸に、該チューブの内部に突き出た円柱形状の突出部が備えられており、前記チューブの内周面における、前記突出部の先端部分と径方向からみて重なる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、前記接合部分の側に向かって内径が大きくなるテーパであり、前記テーパの内周面と前記突出部の周面との間には、摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間が形成され、
前記突出部の先端部分には、外径が、前記チューブにおける前記接合部分側の端部の内径より小さく、前記テーパが形成されていない部分の内径より大きい鍔部が全周に亘って形成されており、全周に亘って、前記鍔部が前記テーパに密着していることを特徴とする流体圧シリンダである。
第七の発明は、第六の発明に記載の前記テーパは、前記チューブをフレア加工することによって形成されていることを特徴とする流体圧シリンダである。
第八の発明は、チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合した流体圧シリンダであって、前記シリンダエンドにおける前記チューブの内部を臨む面には、前記チューブと同軸に、該チューブの内部に突き出た円柱形状の突出部が備えられており、前記チューブの内周面と、前記突出部の周面との間には、摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間が形成され、前記突出部の先端部分には、外周部が前記チューブの内周面と密着し、該外周部の軸方向位置が、前記突出部の端面よりも前記チューブと前記シリンダエンドとの接合部分の側に位置するように傾斜した鍔部が全周に亘って形成され、前記内バリが、前記鍔部に接触していることを特徴とする流体圧シリンダである。
本発明によれば、摩擦圧接によって生じるチューブ内周側のバリを封入する構造を備えた流体圧シリンダを安価に提供することが可能である。
第一実施形態に係る油圧シリンダの縦断面図である。 第一実施形態に係る油圧シリンダの摩擦圧接手順を示す縦断面図である。 第一実施形態に係る油圧シリンダの摩擦圧接手順を示す縦断面図である。 図3に示すA部分の拡大図である。 第一実施形態に係る油圧シリンダの摩擦圧接手順を示す縦断面図である。 図5に示すB部分の拡大図である。 図5に示すB部分の、摩擦圧接が完了した時点での拡大図である。 第二実施形態に係る油圧シリンダの接合部分を示す拡大図である。 第三実施形態に係る油圧シリンダの接合部分を示す拡大図である。 第四実施形態に係る油圧シリンダの接合部分を示す拡大図である。 第五実施形態に係る油圧シリンダの接合部分を示す拡大図である。 第六実施形態に係る油圧シリンダの接合部分を示す拡大図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、表示等を下記の実施形態に特定するものではない。
なお、以下の実施形態において説明する流体圧シリンダの一例である油圧シリンダは、軸方向が左右方向に沿う向きに固定されており、シリンダエンドが左側に位置し、チューブが右側に位置しているものとして説明する。
(油圧シリンダの全体構造)
はじめに、図1を参照して油圧シリンダの全体構造について説明する。
油圧シリンダ1は、円筒形状のチューブ10における軸方向の一端に、蓋となるシリンダエンド20を摩擦圧接し、図示省略しているが、ピストンを備えたシリンダロッドを嵌挿した後、チューブ10の他端にシリンダロッドが貫通するシリンダヘッドがボルト留めされている。
なお、以後の説明においては、本発明に係るチューブ10とシリンダエンド20との接合部分周辺以外の部分についての説明は省略する。
(チューブの構造)
図2を参照して、チューブ10の構造について説明する。
チューブ10は、シリンダエンド20が接合される側の端部の内周面における所定の範囲に、内周面の他の部分よりも内径が大きい大径部11が形成されている。大径部11が形成される所定の範囲は、摩擦圧接による接合が完了したときに、次に説明する鍔部23が、大径部とチューブの他の部分との境界である縁11aに接触するような範囲である。即ち、鍔部23までの長さに、摩擦圧接時にバリが形成されることで減少する長さ(押し出し代)の分を足した長さとなる。
(シリンダエンドの構造)
次に、図2を参照して、シリンダエンド20の構造について説明する。
シリンダエンド20の大部分は、チューブ10の内径よりもわずかに小径であるが、摩擦圧接部分である一方の端部には、チューブ10の外径と同径のシリンダエンド側大径部21が形成されている。また、シリンダエンド側大径部21のチューブ10の内部を臨む面からは、チューブ10の内径よりも小径な円柱形状の突出部22が、他の部分と同軸となる位置に形成されている。なお、シリンダエンド20がチューブ10と接合したとき、チューブ10とシリンダエンド20とは同軸となるため、突出部22とチューブ10とも同軸となる。
突出部22の周面における先端部分には、大径部11の内径と略等しい外径の鍔部23が全周に亘って形成されている。鍔部23は、径方向に広がる薄板状に形成されており、シリンダエンド側大径部21、突出部22及び鍔部23で囲まれた範囲に窪みが形成される。この窪みと、チューブ10の内周面とで囲まれた領域が、次に説明する摩擦圧接工程において、内バリIBを収容する空間30となる。
(摩擦圧接によるバリの封入)
次に、図2から図7を参照して、チューブ10とシリンダエンド20とを摩擦圧接するときのバリの発生と、このバリの封入について説明する。
はじめに、図2に示すように、シリンダエンド20をチューブ10から離した位置で高速回転させる。そして、図3に示すように、高速回転しているシリンダエンド20をチューブ10に押し付けることで、接合部TPに摩擦熱を発生させる。
このとき図4に示すように、鍔部23は、大径部11の内径よりもわずかに小径に形成されているため、チューブ10のどこにも接触することなく回転する。
摩擦熱によって、接合部TPが接合に適した温度に達したら、図5に示すようにシリンダエンド20の回転を停止し、チューブ10に強力に押し付けるアプセット加圧を行う。
このとき、チューブ10とシリンダエンド20のシリンダエンド側大径部21とは、強力に押し付けられることによって接合する。同時に、図6に示すように、チューブ10及びシリンダエンド20の一部が押し出され、不純物を含んだバリが形成される。以後、チューブ10の外周側に形成されるバリを外バリOBと呼び、内周側に形成されるバリを内バリIBと呼ぶ。
さらにアプセット加圧を行い、図7に示すような、鍔部23が大径部11の縁11aと接触し接合部TPの側に折れ曲がったときにアプセット加圧を停止する。これによって、鍔部23は変形し、自身を大径部11の縁11aに押し付けようとするスプリングバック力が生じる。そのため、鍔部23と大径部11の縁11aとが密着し、空間30が密閉されることで内バリIBは封じ込められる。
その後、外バリOBを除去することで、摩擦圧接は完了となる。
外バリOBの除去後、チューブ10の、シリンダエンド20とは反対側の端部にシリンダヘッドがボルト止めされ、配管が施されて油圧シリンダ1が完成する。さらにその後、油圧シリンダ1は産業用機械等に取り付けられ、内部には作動油が充填される。
作動油は、油圧シリンダ1が動作することによって空間30にも徐々に流入する。これは、鍔部23が作動油圧力を受けることによってわずかに弾性変形し、密閉状態が一時的に解除されることによる現象である。しかし、このような場合であっても、鍔部23と大径部11との間の隙間が狭いことや、作動油が空間30に流入する方向に流れることによって、脱落した小片や金属粒子が作動油中に混入することは回避される。
空間30の内部が作動油で満たされた後は、作動油圧力が掛かった場合でも鍔部23は変形しない。これは、作動油が非圧縮性の流体のためである。尤も実際は、空間30が完全に作動油で満たされることは少なく、わずかに気泡が残る場合が多い。しかし、そのようにわずかに残った気泡が圧縮された体積の分、鍔部23が変形する場合は、密封状態が維持される程度のわずかな変形に留まるか、又は空気で満たされていた状態よりも狭い流路しか形成されないため、作動油中への金属粒子等の混入は回避される。
(第一実施形態の効果)
油圧シリンダ1は、本実施形態に示した構成を備えていることによって内バリIBを除去せずとも作動油中への小片や金属粒子の混入を防止可能である。また、内バリIBの封じ込めは特別な作業を要さず、摩擦圧接の工程において自動的に行われるため、摩擦圧接による流体圧シリンダの製造コストを低減可能である。
さらに、内バリIBは空間30に封じ込められるため、専用の切削工具を用いた除去工程が不要になる。そのため、棒材を接合するための設備及び工程を大きく変更することなく流用可能である。
<第二実施形態>
次に図8を参照して第二実施形態について説明するが、第一実施形態と同様の構造である部分については説明を省略し、特徴部分についてのみ説明する。
(チューブ及びシリンダエンドの構造)
本実施形態のチューブ10は、第一実施形態よりも大径部12が短い。また、大径部12の長さに合わせて、シリンダエンド20の突出部24も第一実施形態より短い。
(摩擦圧接によるバリの封入)
チューブ10とシリンダエンド20とを摩擦圧接によって接合するとき、上述した構造によって大径部12及び突出部24によって形成される空間31は第一実施形態よりも狭くなるため、折れ曲がった鍔部25に内バリIBが接触する。そのため、内バリIBが成長すると、鍔部25が内バリIBによって押圧される。結果として、鍔部25は、縁12aと内バリIBとに挟まれ、自身の変形によって生じるスプリングバック力に加えて、内バリIBの押圧力によっても縁12aに押し付けられる。
(第二実施形態の効果)
本実施形態に係る油圧シリンダは、空間31を強力に密閉できるため、内バリIBを封入する能力が向上する。そのため、第一実施形態よりも、高圧で動作する油圧シリンダに適用可能である。
<第三実施形態>
次に図9を参照して第三実施形態について説明するが、第一実施形態と同様の構造である部分については説明を省略し、特徴部分についてのみ説明する。
(チューブ及びシリンダエンドの構造)
本実施形態のシリンダエンド20は、第一実施形態よりも突出部26が短い。また、チューブ10は、押し出し代を除いた大径部13の長さが、突出部26の長さよりも、鍔部27の厚み以下の距離離れる長さである。
(摩擦圧接によるバリの封入)
チューブ10と、シリンダエンド20とを摩擦圧接によって接合するとき、大径部13に対して突出部26が短いため、鍔部27が変形しない状態では大径部13の縁13aと鍔部27とは接触しない。しかし、内バリIBが形成されることによって鍔部27が押圧され、鍔部27は大径部13の縁13aに向かって変形し、内バリIBと縁13aとの間に挟まれ、空間32が密閉される。これによって内バリIBは空間32の内部に封入される。
(第三実施形態の効果)
本実施形態に係る流体圧シリンダは、突出部26を短くしながら内バリIBを封じ込めることができる。そのため、第一実施形態よりも作動流体室の容積を広くしやすい。即ち、所定のシリンダストロークを確保する場合に、チューブ10を短くすることが可能であり、小型化及び軽量化に有利である。
なお、鍔部27を、あらかじめチューブ10の長さ方向中央側に傾けて形成してもよい。その場合、内バリIBが接触しなかった場合であっても鍔部27が縁13aに接触するため、空間32が密閉されやすくなる。
<第四実施形態>
次に図10を参照して第四実施形態について説明するが、第一実施形態と同様の構造である部分については説明を省略し、特徴部分についてのみ説明する。
(チューブ及びシリンダエンドの構造)
本実施形態に係るチューブ40には、大径部が形成されておらず、内周面は平滑である。
また、シリンダエンド20の鍔部29は、シリンダエンド20の端面と平行な姿勢を取った時にチューブ10の内径よりも大径となる。ただし、鍔部29は、摩擦圧接を行う前に、あらかじめチューブ40の内径以下の径となるように接合部TPの側に傾斜させられている。
(摩擦圧接によるバリの封入)
チューブ40とシリンダエンド20とを摩擦圧接によって接合するとき、アプセット加圧の初期段階まで鍔部29はチューブ40と接触せず、折れ曲がった状態を維持している。
その後、アプセット加圧を行うと、内バリIBが形成され、先端部が鍔部29に接触する。そして、内バリIBが成長するのに従って鍔部29が突出部先端側に押圧され、外周部がチューブ40の内周面と密着する姿勢に変形する。なお、鍔部29は、変形後も外周部の軸方向位置が、突出部22の端面よりも接合部TPの側に位置する。この変形の過程において、鍔部29がチューブ10の内周面と接触し、内バリIBの成長に伴ってさらに強力に押し付けられることで、空間33が密閉され、内バリIBが封じ込められる。
(第四実施形態の効果)
本実施形態に係る流体圧シリンダは、大径部を形成する加工が施されていないチューブ10を接合する場合であっても、内バリIBを空間33内に封入することが可能である。これによって、チューブ40の内周面を加工する必要がなく、シリンダエンド20のみを加工すればよいため、製造コストを低減可能である。また、摩擦圧接を想定せずに製造されたチューブを使用して摩擦圧接を行う場合、鍔部29の寸法調節によって内バリIBを封入することが可能である。
<第五実施形態>
次に図11を参照して、第四実施形態について説明するが、第一実施形態と同様の構造である部分については説明を省略し、特徴部分についてのみ説明する。
(チューブ及びシリンダエンドの構造)
本実施形態に係るチューブ50は、第一実施形態よりも肉厚が薄い。そして、大径部11の代わりに、端に向かうほど肉厚が薄くなるようなテーパ51が形成されている。
また、シリンダエンド60はチューブ50の外径と同径であり、突出部62以外の部分は、径が等しい。
(摩擦圧接によるバリの封入)
チューブ50とシリンダエンド60とを摩擦圧接によって接合するとき、シリンダエンド60が回転している間、鍔部63は、チューブ50の内部に位置しているが、アプセット加圧前には、テーパ51と鍔部63とは接触しない。
その後、アプセット加圧時に、シリンダエンド60がチューブ50の軸方向中央側に移動することによって鍔部63がテーパ51に接触する。そして、鍔部63は、テーパ51に沿いながら徐々に変形し、十分なスプリングバック力を発揮可能な角度で停止する。結果的に、鍔部61はスプリングバック力によってテーパ71に押し付けられ、空間34が密閉され、内バリIBは封じ込められる。さらに、鍔部63は、成長した内バリIBによってもテーパ51に押し付けられるため、空間34はスプリングバック力以上に強力に密閉される。
(第五実施形態の効果)
テーパ51は、鍔部63が変形したときの角度と近い角度に設定可能である。そのため、大径部11に接触させる場合よりも接触面を広くすることが可能であり、内バリIBを封じ込める能力が高い。また、事前に加工された面同士を接触させるのではなく、鍔部63を変形させて面接触させるため、要求されるテーパ面の加工精度も低いもので良く、機械加工のコストを低減可能である。
<第六実施形態>
次に、図12を参照して、第五実施形態について説明するが、第一実施形態と同様の構造である部分については説明を省略し、特徴部分についてのみ説明する。
(チューブの構造)
本実施形態に係るチューブ70は、シリンダエンド80側の端部にフレア加工が施され、大径部と他の部分との間にテーパ71が形成されている。
また、チューブ70は、他の実施形態に示したチューブよりも、肉厚が薄い。
(シリンダエンドの構造)
本実施形態に係るシリンダエンド80は、第一実施形態と同様の構成を備えている。ただし、上述の通りチューブ70が小型であるため、シリンダエンド80も他の実施形態より小型である。
(摩擦圧接によるバリの封入)
チューブ70とシリンダエンド80とを摩擦圧接によって接合するとき、シリンダエンド80が回転している間、鍔部83は、チューブ70の内部に位置しているが、アプセット加圧前には、テーパ71と鍔部83とは接触しない。
その後、アプセット加圧時に、シリンダエンド80がチューブ70の軸方向中央側に移動することによって鍔部83がテーパ71に接触し、変形する。これによって、鍔部83は自身のスプリングバック力によってテーパ71に押し付けられるため、空間35は密閉され、内バリIBは封じ込められる。
(第六実施形態の効果)
本実施形態に係る流体圧シリンダは、チューブ10の端部にフレア加工を施すことによってテーパ形状を形成している。即ち、これまでに述べた各実施形態が、大径部又はテーパの形成に切削加工を行うことが想定されている点で本実施形態と異なる。
フレア加工によってテーパを形成することによって、切削加工が困難な肉厚のチューブ70であっても本発明を適用することが可能になる。
切削加工に適さない肉厚のチューブ70は、特に小型のエアダンパ等に用いられている。そのようなチューブ70を用いる場合には、内径が小さい場合も多く、内バリを除去する工程が特に困難であったが、本発明を適用することによって、内バリIBの除去工程を省略可能なため、摩擦圧接による接合を容易に行うことが可能である。
<変形例>
実施形態1~実施形態6にて、アプセット加圧時に鍔部が変形する油圧シリンダ1について説明したが、これらの実施形態は、本発明に係る油圧シリンダ1の製造方法の一例を示すものであって、本発明の実施において鍔部は必ずしも変形する必要はない。また、実施形態1~実施形態6で示した鍔部の曲げ量や、大きさ及び厚みは、油圧シリンダ1の大きさに応じて変更が可能である。
例えば、実施形態1で説明した鍔部23を、あらかじめ図7に示すような形状に加工し、アプセット加圧時に大径部11が接触するのみであってもよい。
また、本発明の実施において、鍔部は必ずしも折れ曲がった形状である必要もない。そのような場合であっても、段部が鍔部に食い込み、密着することによって空間が密閉され、内バリIBを封じ込めることが可能である。
1…油圧シリンダ
10,50,70…チューブ
11,12,13…大径部
21…シリンダエンド側大径部
11a,12a,13a…縁
51,71…テーパ
20,60、80…シリンダエンド
22,62,82…突出部
23,25,27,63,83…鍔部
30,31,32,33,34,35…空間
OB…外バリ
IB…内バリ
接合部…TP

Claims (7)

  1. チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合した流体圧シリンダであって、
    前記シリンダエンドにおける前記チューブの内部を臨む面には、前記チューブと同軸に、該チューブの内部に突き出た円柱形状の突出部が備えられており、
    前記チューブの内周面における、前記突出部の先端部分と径方向からみて重なる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、該内周面の他の部分よりも内径が大きい大径部となっており、
    前記大径部の内周面と前記突出部の周面との間には、摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間が形成され、
    前記突出部の先端部分には、外径が、前記大径部の内径より小さく、前記他の部分の内径より大きい鍔部が全周に亘って形成されており、
    前記鍔部が前記接合部分の側に折れ曲がって変形することで鍔部自身を前記大径部の縁に押し付けようとするスプリングバック力が生じている状態で、全周に亘って、前記鍔部が前記大径部と前記チューブの他の部分との境界である縁に密着していることを特徴とする流体圧シリンダ。
  2. 前記内バリが前記鍔部に接触していないことを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  3. 前記内バリが前記鍔部に接触していることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  4. チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合した流体圧シリンダであって、
    前記シリンダエンドにおける前記チューブの内部を臨む面には、前記チューブと同軸に、該チューブの内部に突き出た円柱形状の突出部が備えられており、
    前記チューブの内周面における、前記突出部の先端部分と径方向からみて重なる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、前記接合部分の側に向かって内径が大きくなるテーパであり、
    前記テーパの内周面と前記突出部の周面との間には、摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間が形成され、
    前記突出部の先端部分には、外径が、前記チューブにおける前記接合部分側の端部の内径より小さく、前記テーパが形成されていない部分の内径より大きい鍔部が全周に亘って形成されており、
    前記シリンダエンドが前記チューブの軸方向中央側に移動することによって前記鍔部が前記テーパに接触して変形することで鍔部が自身のスプリングバック力によってテーパに押し付けられている状態で、全周に亘って、前記鍔部が前記テーパに密着していることを特徴とする流体圧シリンダ。
  5. 前記テーパは、前記チューブをフレア加工することによって形成されていることを特徴とする請求項に記載の流体圧シリンダ。
  6. チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合する摩擦圧接工程を有する流体圧シリンダの製造方法であって、
    前記シリンダエンドにおける前記チューブと接合した後にチューブの内部を臨む面のうち、前記接合した後に前記チューブと同軸となる位置に、前記チューブの内部に突き出た円柱形状であり、且つ先端部分の全周に亘って鍔部が形成された突出部が備えられている前記シリンダエンドと、前記チューブの内周面における、前記シリンダエンドと接合した後に前記突出部の先端部分と径方向からみて重なることになる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、前記鍔部の外径よりも内径が大きい大径部となっており、前記内周面のうち前記大径部以外の部分である他の部分は、前記鍔部の外径よりも内径が小さい前記チューブと、を用い、
    前記摩擦圧接工程では、前記シリンダエンドを前記チューブから離した位置で回転させ、回転している前記シリンダエンドを前記チューブに押し付けることで前記接合部分に摩擦熱を発生させ、前記摩擦熱によって前記接合部分が接合に適した温度に達した後に、前記シリンダエンドの回転を停止させ、前記シリンダエンドを前記チューブに押し付けるアプセット加圧を行うことで、前記チューブと前記シリンダエンドとを接合した後、前記鍔部が前記大径部の縁と接触して前記接合部分の側に折れ曲がったときにアプセット加圧を停止させて、前記鍔部自身を前記大径部の縁に押し付けようとするスプリングバック力を生じさせ、前記鍔部と前記大径部の縁とを密着させて、前記大径部の内周面と前記突出部の周面との間に形成された、前記摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間を密閉することを特徴とする流体圧シリンダの製造方法。
  7. チューブと、シリンダエンドと、を摩擦圧接によって接合する摩擦圧接工程を有する流体圧シリンダの製造方法であって、
    前記シリンダエンドにおける前記チューブと接合した後にチューブの内部を臨む面のうち、前記接合した後に前記チューブと同軸となる位置に、前記チューブの内部に突き出た円柱形状であり、且つ先端部分の全周に亘って鍔部が形成された突出部が備えられている前記シリンダエンドと、前記チューブの内周面における、前記シリンダエンドと接合した後に前記突出部の先端部分と径方向からみて重なることになる位置から前記シリンダエンドとの接合部分までの間は、前記接合部分の側に向かって内径が大きくなるテーパであり、前記テーパの内径は、前記重なることになる位置では前記鍔部の外径よりも小さく、且つ前記接合部分では前記鍔部の外径よりも大きい前記チューブと、を用い、
    前記摩擦圧接工程では、前記シリンダエンドを前記チューブから離した位置で回転させ、回転している前記シリンダエンドを前記チューブに押し付けることで前記接合部分に摩擦熱を発生させ、前記摩擦熱によって前記接合部分が接合に適した温度に達した後に、前記シリンダエンドの回転を停止させ、前記シリンダエンドを前記チューブに押し付けるアプセット加圧を行うことで、前記チューブと前記シリンダエンドとを接合した後、前記シリンダエンドを前記チューブの軸方向中央側に移動させることによって前記鍔部を前記テーパに接触させて鍔部をテーパに沿いながら徐々に変形させ、十分なスプリングバック力を発揮可能な角度で前記移動を停止させて、前記テーパの内周面と前記突出部の周面との間に形成された、前記摩擦圧接によって生じた内バリを収容する空間を密閉するとともに、前記鍔部を前記スプリングバック力及び前記内バリによって前記テーパに押し付けることを特徴とする流体圧シリンダの製造方法。
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