JP7704852B2 - 生産システム - Google Patents

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Description

本発明は、生産システムに関する。
搬送装置により搬送されている物品に対してロボットが作業を行う生産システムが知られている。この生産システムは、物品を搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送される物品に対して作業を行うロボットと、ロボットを移動させる移動装置とを備える。生産システムにおいては、ロボットが物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係を保つことが重要である。
例えば、ロボット本体と該ロボット本体を所定方向に走行させる走行軸とを備えた走行軸付ロボットをコンティニュアスラインに追従動作させる追従制御方式において、上記走行軸付ロボットの走行軸を、上記ラインの走行速度を単位時間ごとに区切って、単位時間当たりの平均速度を計算し、該単位時間当たりの平均速度で追従走行するように制御し、その結果によるが走行軸とラインの追従偏差を走行軸方向のロボット偏差として上記ロボット本体の関節軸を制御して補正することを特徴とする走行軸付ロボットの追従制御方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、物品を搬送する搬送装置と、移動可能な移動架台と、該移動架台に固定され、前記搬送装置により搬送される前記物品に対して作業を行う作業部と、前記移動架台に固定され、前記搬送装置により搬送される前記物品または前記搬送装置上に形成されたマークの視覚情報を逐次取得する視覚センサと、該視覚センサにより取得される前記視覚情報を処理して前記物品又は前記マークの少なくとも位置を逐次検出する検出部と、該検出部により逐次検出される前記物品又は前記マークの位置に基づき前記搬送装置の搬送速度を算出する算出部と、前記搬送速度を用いて前記作業部を駆動させる駆動制御部とを備える作業システムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば、ワークを搬送するワーク搬送手段と、ワーク搬送手段により搬送されているワークに対して所定の作業を行うロボットと、このロボットをワーク搬送経路に沿って移動可能なロボット移動駆動手段とを備えた生産ライン制御装置において、前記ワーク搬送手段で搬送されるワークの搬送方向位置を検知するワーク位置検知手段、及び、前記ロボット移動駆動手段でワーク搬送方向に移動駆動されるロボットの位置を検知するロボット位置検知手段と、前記ロボットを制御するロボット制御手段と、前記ロボットが搬送中のワークに同期追従して移動するようにロボット移動駆動手段を制御する同期制御手段と、前記ワーク位置検知手段で検知されるワークの位置とロボット位置検知手段で検知されるロボットの位置とを用いて、ロボット制御手段による制御と、同期制御手段による制御とを協調させる協調制御手段と、を備えたことを特徴とする生産ライン制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特公平07-060327号公報 特開2019-072792号公報 特開平08-072764号公報
生産システムにおいて、搬送装置によって搬送される物品の移動方向と移動装置によって移動するロボットの移動方向とが同じである場合は、エンコーダなどの機器を用いて搬送装置の速さを計算し、物品を搬送する搬送装置の搬送速度と同じ速さで移動装置によりロボットを移動させることでロボットを物品に追従させれば、ロボットが物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係を保つことができる。しかしながら、搬送装置によって搬送される物品の移動方向と移動装置によって移動するロボットの移動方向とが異なることがある。例えば、搬送装置及び/または移動装置の動作精度及び振動などのような様々な要因により、物品の移動方向及び/またはロボットの移動方向が理想的な方向からずれてしまい、ロボットと物品との間の相対的距離が変化することがある。また例えば、搬送装置によって搬送される物品の移動方向が一直線状ではなく曲線状であったり、あるいは、搬送装置による物品が水平面に対して傾斜がある方向に搬送されることがある。このように搬送装置によって搬送される物品の移動方向と移動装置によって移動するロボットの移動方向とが異なる場合は、エンコーダにより測定された搬送装置による物品の搬送速さの値のみを用いた制御では、ロボットを物品に追従させることができない。したがって、搬送装置によって搬送される物品の移動方向と移動装置によって移動するロボットの移動方向とが異なる場合でも、ロボットが物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係を保つことができる生産システムの開発が望まれている。
本開示の一態様によれば、物品を搬送する搬送装置と、搬送装置によって搬送される物品に対して作業を行うロボットと、ロボットを移動させる移動装置と、を備える生産システムは、搬送装置によって搬送される物品の位置情報を取得するセンサと、センサが取得した位置情報に基づいて、搬送装置によって搬送される物品の速度ベクトルを算出する計算部と、搬送装置によって搬送される物品の移動方向が移動装置によって移動するロボットの移動方向と異なるときにおいて、移動装置によって移動するロボットの速度ベクトルとロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの和が搬送装置によって搬送される物品の速度ベクトルと一致するよう、移動装置によって移動するロボットの速度ベクトル及びロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルを制御する制御部と、を備え、制御部は、移動装置によって移動するロボットの移動距離が、ロボットのエンドエフェクタの位置の移動距離よりも大きくなるように制御する。
本開示の一態様によれば、搬送装置によって搬送される物品の移動方向と移動装置によって移動するロボットの移動方向とが異なる場合でも、ロボットが物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係を保つことができる生産システムを実現することができる。
本開示の一実施形態における生産システムを例示する斜視図である。 本開示の一実施形態による生産システムにおける搬送装置によって搬送される物品の速度ベクトルとロボットの速度ベクトルとロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの関係を示す図である。 本開示の一実施形態における生産システムの動作フローを示すフローチャートである。
以下図面を参照して、生産システムについて説明する。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。図面に示される形態は実施をするための一つの例であり、図示された実施形態に限定されるものではない。また、以下の説明において、「速度(velocity)」とは、物体の単位時間当たりの変異量及びその方向を表すベクトル量である。本明細書においては、「速度」については、ベクトル量であることをより明確にするために「速度ベクトル」と表記する。また、「速さ(speed)」は、速度の大きさを表すスカラー量である。
図1は、本開示の一実施形態における生産システムを例示する斜視図である。
生産システム1は、物品41を搬送する搬送装置11と、搬送装置11によって搬送される物品41に対して作業を行うロボット12と、ロボット12を移動させる移動装置13と、を備える。ここでは、一例として、搬送装置11によって搬送される物品41に対してロボット12が部品42を組み付ける作業を行う生産システム1について説明する。
生産システム1には、ロボット12の位置および姿勢が変化に対して不動の基準座標系(ワールド座標系)が設定されている。基準座標系では、原点の位置が固定され、さらに、座標軸の向きが固定されている。基準座標系は、座標軸として、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を有する。また、X軸の周りの座標軸としてW軸が設定される。Y軸の周りの座標軸としてP軸が設定される。Z軸の周りの座標軸としてR軸が設定される。
また、生産システム1には、ロボット12のエンドエフェクタ(作業ツール)31の任意の位置に設定された原点を有するツール座標系が設定されている。ツール座標系は、エンドエフェクタ31と共に位置および姿勢が変化する。ツール座標系の原点は、エンドエフェクタ31のツール先端点に設定されている。ロボット12のエンドエフェクタ31の位置は、基準座標系におけるツール先端点の位置(ツール座標系の原点の位置)に対応する。また、ロボット12のエンドエフェクタ31の姿勢は、基準座標系に対するツール座標系の姿勢に対応する。
物品41を搬送する搬送装置11として、任意の形態の搬送装置を採用することができる。また、搬送装置11による物品41の搬送方向(移動方向)は、水平面上におけるX軸方向及びY軸方向の任意の方向並びに水平面に対して垂直の軸方向の任意の方向である。図1では、一例として、搬送装置11としてAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)が採用される。例えば、搬送装置11としてのAGVは、水平面上におけるX軸方向及び/またはY軸方向の任意の方向に移動してもよい。また、搬送装置11としてのAGVは、水平面に対して任意の傾斜角を有する勾配上を移動してもよく、この場合のAGVの移動方向は、X軸方向、Y軸方向及び/またはZ軸方向である。なお、搬送装置11は、ここで示したAGVに限られず、例えば、ベルトコンベア、走行案内用のレール上を走行する走行軸付き搬送装置、磁気浮上式搬送装置、及び電磁浮上式搬送装置などを採用することができる。
ロボット12(の本体)を移動させる移動装置13として、任意の形態の移動装置を採用することができる。移動装置13は、水平面上においてロボット12を一方向に往復移動させる。図1では、一例として、移動装置13は、ロボット12の本体を、X軸方向のプラス(+)方向及びマイナス(-)方向に、往復移動させる。例えば、移動装置13は、ロボット12を支持する支持台が、モータ(図示せず)を駆動源として走行案内用のレール上を走行する走行軸付き移動装置である。なお、移動装置13は、この形態に限られず、水平面上においてロボット12を一方向に往復移動させる任意の移動装置を採用することができる。例えば、移動装置13として、ベルトコンベア、AGV、磁気浮上式搬送装置、及び電磁浮上式搬送装置などを採用することができる。
ロボット12は、搬送装置11により搬送されている物品41に対して任意の作業を行う。ロボット12に取り付けられるエンドエフェクタ31は、ロボット12が行う作業に応じた任意の作業ツールである。図1では、一例として、エンドエフェクタ31は、部品42を把持したり開放したりするハンドである。ハンドは、例えば部品42の表面を吸着により把持する吸着ハンドである。なお、ロボット12に取り付けられるエンドエフェクタ31は、この形態に限られず、溶接作業を行う生産システムでは溶接を実施する作業ツールが採用され、塗装作業を行う生産システムでは塗料を物品の表面に塗布する作業ツールが採用される。
図1に示す例では、ロボット12は、エンドエフェクタ31であるハンドで把持した部品42の嵌合部42A及び42Bをそれぞれ物品41の嵌合部及び41Bを嵌合させることで、部品42を物品41に組み付ける。例えば、物品41は自動車の車体であり、部品42は自動車のドアやタイヤである。
搬送装置11により搬送される物品の動きに対して、ロボット12のエンドエフェクタ31を追従させるために、本開示の一実施形態による生産システム1は、センサ21と、計算部22と、制御部23と、を備える。
センサ21は、搬送装置11によって搬送される物品41の位置情報を取得する。センサ21は、物品41とロボット12との位置関係を取得できるものであればよい。図示の例では、センサ21は、ロボット12の本体上において物品41を感知可能な位置に配置される。この代替例として、センサ21は、ロボット12及び物品41の両方が感知可能となるようにロボット12及び物品41の上方(例えば生産システム1が収容される室内の天井など)に配置されもよい。
センサ21による物品41の位置情報取得方式としては、例えば、ステレオカメラ方式、及びパルスレーダ方式などがある。
ステレオカメラ方式によるセンサ21は、2次元の画像を撮像する2次元カメラを2台と、2台の2次元カメラにて撮像される2つの画像の視差に基づいて画像処理により物品41の位置情報を取得する演算処理装置と、を有する。2次元カメラの例として、CCD(Charge-Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備えた任意のカメラを採用することができる。また、センサ21は、物品41に向かって縞模様などのパターン光を投影するプロジェクタを備え、2次元カメラにて物品41上の投影パターンを撮像し、この撮像結果に基づき物品41の位置情報を取得してもよい。
パルスレーダ方式によるセンサ21は、電波を送信する送信機と、物品41からの反射波を受信する受信機と、送信機が送信した電波と受信機が受信した反射波との関係に基づいて物品41の位置情報を取得する演算処理装置と、を有する。
なお、搬送装置11が物品41と共に移動する支持台を有する搬送装置(例えばAGVなど)で構成される場合は、物品41の位置情報は、搬送装置11が有する支持台の位置情報に一対一で対応する。よって、この場合は、センサ21は搬送装置11が有する支持台の位置情報を取得し、この支持台の位置情報に基づいて物品41の位置情報を取得してもよい。
搬送装置11によって搬送される物品41の位置情報は、センサ21によって周期的に(例えば数百ms周期で)取得され、計算部22に送られる。
計算部22は、センサ21が周期的に取得した位置情報に基づいて、搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルを算出する。物品41の速度ベクトルには、物品41の単位時間当たりの変異量を表す「速さ」と、その速さで移動する物品41の「移動方向」とを含む。
計算部22は、演算処理装置(プロセッサ)により構成される。演算処理装置としては、例えばIC、LSI、CPU、MPU、DSPなどがある。演算処理装置により構成される計算部22は、例えば、プロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。例えば、計算部22をコンピュータプログラム形式で構築する場合は、演算処理装置をこのコンピュータプログラムに従って動作させることで、計算部22の機能を実現することができる。計算部22の処理を実行するためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体といった、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。またあるいは、計算部22を、当該機能を実現するコンピュータプログラムを書き込んだ半導体集積回路を有するパソコンとして実現してもよい。
また、生産システム1には、第1の制御装置14及び第2の制御装置15が設けられる。
第2の制御装置15は、搬送装置11の動作を制御する機能を有する。すなわち、第2の制御装置15は、予め決められた動作プログラムに従って、搬送装置11に係る速度ベクトルを制御する。速度ベクトルには、物体の単位時間当たりの変異量を表す「速さ」と、その速さで移動する物体の「移動方向」とを含むことから、速度ベクトルの制御には、「速さの制御」と「方向の制御」とが含まれる。例えば、搬送装置11がAGV、磁気浮上式搬送装置、または電磁浮上式搬送装置で構成される場合は、第2の制御装置15は、搬送装置11による物品41の速さ及びその移動の方向を制御する。搬送装置11がベルトコンベアまたは走行案内用のレール上を走行する走行軸付き搬送装置で構成される場合は、搬送装置11による物品41の移動方向については予め決められているので、第2の制御装置15は、搬送装置11による物品41の搬送の速さを制御する。
第1の制御装置14は、ロボット12による作業を制御する機能、及び移動装置13の動作を制御する機能を有する。第1の制御装置14内には、物品41に対する作業に必要なエンドエフェクタ31の動作を制御するための制御部(図示せす)に加え、移動装置13によるロボット12の移動及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の移動を制御するための制御部23も設けられる。制御部23は、計算部22によって算出された物品41の速度ベクトルに応じて、ロボット12(の本体)の速度ベクトル及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを制御する。より詳しくは、制御部23は、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとの和が搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルと一致するよう、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトル及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを制御する。速度ベクトルには、物体の単位時間当たりの変異量を表す「速さ」と、その速さで移動する物体の「移動方向」とを含むことから、速度ベクトルの制御には、「速さの制御」と「方向の制御」とが含まれる。制御部23によるロボット12の移動及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の移動の制御処理の詳細については後述する。
第1の制御装置14及び第2の制御装置15内には、演算処理装置(プロセッサ)が設けられる。演算処理装置としては、例えばIC、LSI、CPU、MPU、DSPなどがある。第1の制御装置14内の演算処理装置により構成される制御部23は、例えば、プロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。例えば、制御部23をコンピュータプログラム形式で構築する場合は、演算処理装置をこのコンピュータプログラムに従って動作させることで、制御部23の機能を実現することができる。制御部23の処理を実行するためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体といった、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。またあるいは、制御部23を、当該機能を実現するコンピュータプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。
第1の制御装置14及び第2の制御装置15は、一体の制御装置として構成されてもよく、またさらに、当該一体の制御装置内に計算部22を含めてもよい。また、計算部22を、第1の制御装置14内または第2の制御装置15内に含めて構成してもよい。
続いて、制御部23による移動及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の移動の制御処理の詳細について説明する。
図2は、本開示の一実施形態による生産システムにおける搬送装置によって搬送される物品の速度ベクトルとロボットの速度ベクトルとロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの関係を示す図である。図2において、計算部22によって算出された物品41の速度ベクトルを参照符号100で表す。また、制御部23によって制御されるロボット12(の本体)の速度ベクトルを参照符号200で表し、制御部23によって制御されるロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを参照符号300で示す。
ロボット12の本体は、移動装置13の動作により、X軸方向のプラス(+)方向及びマイナス(-)方向に往復移動する。
一方、生産システム1の構成によっては、搬送装置11によって搬送される物品41が、ロボット12の本体の移動方向とは並行を保たずに、ロボット12の本体から離れていくもしくは近づいていく方向(Y軸方向及び/またはZ軸方向)に移動するものもある。また、搬送装置11によって搬送される物品41の移動方向が一直線状ではなく曲線状であったり、あるいは、搬送装置11による物品41が水平面に対して傾斜がある方向に搬送される構成を有する生産システム1もある。また、生産システム1の構成によっては、搬送装置11によって搬送される物品41の移動方向がロボット12の本体の移動方向と並行であるように設計されている生産システム1であっても、搬送装置11及び/または移動装置13の動作精度及び振動などのような様々な要因により、物品41の移動方向及び/またはロボット12(の本体)の移動方向が本来の方向からずれてしまい、ロボット12(の本体)と物品41との間の相対的距離が変化する場合がある。
このように、生産システム1においては、搬送装置11によって搬送される物品41の移動方向が、移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の移動方向とが異なる状態が発生する。そこで、本開示の一実施形態では、制御部23は、計算部22によって算出された物品41の速度ベクトル100に応じて、ロボット12の速度ベクトル200及びロボット12のエンドエフェクタ31の速度ベクトル300を制御する。より詳しくは、制御部23は、搬送装置11によって搬送される物品41の移動方向が移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の移動方向と異なるときにおいて、移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の速度ベクトル200とロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトル300との和が搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルと一致するよう、移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の速度ベクトル及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを制御する。これにより、生産システム1において搬送装置11によって搬送される物品41の移動方向と移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の移動方向とが異なる場合でも、ロボット12が物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係を保つことができる。
移動装置13は、ロボット12の本体をX軸方向のプラス(+)方向及びマイナス(-)方向に往復移動させればよいので、制御部23によって制御されるロボット12の速度ベクトルは、理想的にはX軸方向成分のみを有するはずである。しかしながら実際は、移動装置13の動作精度及び振動などの影響により、制御部23によって制御されるロボット12の本体は、Y軸方向及び/またはZ軸方向に微小ながらも変動する。センサ21が取得した物品41の位置情報は、ロボット12の本体を基準とした物品41の位置を示すものであるので、この物品41の位置情報に基づいて計算部22により算出された物品41の速度ベクトルには、移動装置13の動作精度及び振動に起因するY軸方向成分及び/またはZ軸方向成分も含まれることになる。よって、制御部23が、計算部22によって算出された物品41の速度ベクトル100に応じて、ロボット12の速度ベクトル200及びロボット12のエンドエフェクタ31の速度ベクトル300を制御することで、移動装置13の動作精度及び振動などの影響に起因するロボット12の本体のY軸方向及び/またはZ軸方向の変動にも対応することができる。
なお、搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルについては、生産システム1の設計データや制御データから把握することもできる。しかしながら、上述のように搬送装置11及び/または移動装置13の動作精度及び振動などのような様々な要因により、物品41の「実際の」速度ベクトルは、生産システム1の設計内容から把握される物品41の「理想的な」速度ベクトルからずれたものとなっている可能性が高い。本開示の一実施形態では、センサ21が取得した物品41の位置情報に基づいて算出される物品41の速度ベクトルに応じて、すなわち物品41の「実際の」速度ベクトルに応じて、ロボット12の速度ベクトル200及びロボット12のエンドエフェクタ31の速度ベクトル300が制御されるので、生産システム1の設計データや制御データから把握した物品41の速度ベクトルに基づいて制御する場合に比べ、ロボット12が物品に対して適切に作業を行うことができる位置関係をより正確かつ確実に保つことができる。
図3は、本開示の一実施形態における生産システムの動作フローを示すフローチャートである。ここでは、一例として、搬送装置11によって搬送される物品41に対してロボット12が部品42を組み付ける作業を行う生産システム1について説明する。
搬送装置11によって搬送される物品41に対してロボット12が作業することができるロボット作業領域は、搬送装置11による物品41の搬送可能範囲、ロボット12のアームの可動範囲、及び移動装置13によるロボット12の本体の移動可能範囲によって画定される。例えば、搬送装置11により複数の物品41がロボット作業領域内に逐次流れてくる生産システム1においては、1つの物品41がロボット作業領域に入った段階で当該1つの物品41に対するロボット12の追従及びロボット12の作業を開始し、当該物品41がロボット作業領域から出るまでの間に当該1つの物品41に対するロボット12の作業を完了させる。ステップS101では、物品41がロボット作業領域に入るまで、制御部23は、ロボット12の本体が作業開始位置にて待機するよう、移動装置13を制御する。
物品41がロボット作業領域に入ると、ステップS102において、センサ21は、搬送装置11によって搬送される物品41の位置情報を取得する。
ステップS103において、計算部22は、センサ21が取得した位置情報に基づいて、搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルを算出し、これを第1の制御装置14内の制御部23へ送出する。
ステップS104において、制御部23は、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとの和が搬送装置11によって搬送される物品41の速度ベクトルと一致するよう、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトル及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを制御する。
ステップS10において、第1の制御装置14は、物品41に対するロボット12の作業が完了したか否かを判定する。
ステップS10において物品41に対するロボット12の組み付け作業が完了していないと第1の制御装置14が判定した場合は、ステップS102へ戻る。ステップS102~S105の処理は所定の周期(例えば数百ms周期)で繰り返し実行される。ステップS102~S105の処理が繰り返し実行される間、第1の制御装置14は、当該物品41に対して部品42を組み付ける作業を行うようロボット12を制御する。なお、エンドエフェクタ31の近傍には、組み付け作業用の2次元カメラが設けられている。2次元カメラで物品41を高周期(例えば数ms)で撮像し、この撮像画像に基づくパターンマッチング処理を用いて物品41に対するエンドエフェクタ31の動作を高精度に制御しながら、当該物品41に対して部品42を組み付けるのに必要な作業を行う。
ステップS10において物品41に対するロボット12の組み付け作業が完了しと第1の制御装置14が判定した場合は、当該物品41に対する処理を終了する。その後、制御部23は、ロボット12の本体を作業開始位置まで移動させる制御、及び新たな物品41がロボット作業領域に入るまでロボット12の本体を作業開始位置に待機させる制御(ステップS101)を行う。
なお、制御部23が移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトル及びロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルを制御するにあたっては、移動装置13によるロボット12の本体の移動方向すなわちX軸方向の速度ベクトル成分については、ロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとで適宜分担して作成する。すなわち、移動装置13によるロボット12の本体の移動方向すなわちX軸方向の速度ベクトル成分について、ロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとで等分に分担するようにしてもよく、ロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとで任意の割合で分担するようにしてもよい。ロボット12の速度ベクトルとロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルとの分担の形態例について、いくつか列挙する。
第1の形態によれば、制御部23は、移動装置13によるロボット12の本体の移動方向すなわちX軸方向について、移動装置13によって移動するロボット12(の本体)の移動距離が、ロボット12のエンドエフェクタ31の位置の移動距離よりも大きくなるように制御する。
第2の形態によれば、制御部23は、移動装置13によるロボット12の本体の移動方向すなわちX軸方向の速度ベクトル成分について、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトルにおける速さが、ロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御する。
これら第1の形態及び第2の形態は、移動装置13によりロボット12の本体をX軸方向にできるだけ大きく移動させ、ロボット12のエンドエフェクタ31のX軸方向をできるだけ小さく移動させるものである。これにより、ロボット12のアームがデッドリミットに達してロボット12のアームの可動範囲を超えてしまう状況を回避することができる。また、ロボットのエンドエフェクタ31の速度ベクトルのうちのX軸方向成分の制御負担をより小さくしY軸方向成分及びZ軸方向成分の制御に比重を置くことで、ロボット12の作業をより高精度にすることができる。特に物品41がX軸方向に突発的に大きく移動したとしても、移動装置13によりロボット12の本体をX軸方向に迅速に移動させることで、ロボット12の本来の作業へ与える影響を小さくすることができる。
第3の形態によれば、制御部23は、ロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルにおける速さが、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御する。一般に、移動装置13は、ロボット12のエンドエフェクタ31よりも加速が悪いので、搬送装置11によって搬送される物品41に対する追従性は劣る。よって、搬送装置11によって搬送される物品41に素早く追従させるために、第3の形態では、ロボット12のエンドエフェクタ31の移動速さを移動装置13によって移動するロボット12の移動速さよりも優先させる。例えば、搬送装置11によって搬送される物品41がロボット作業領域の末端に近づいたり、移動装置13が移動可能な範囲の末端に近づいたりすることで、ロボット12が作業できる残り時間があまり残されていない場合は、第3の形態により、ロボット12のエンドエフェクタ31の位置の速度ベクトルにおける速さが、移動装置13によって移動するロボット12の速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御することで、搬送装置11によって搬送される物品41にロボット12のエンドエフェクタ31を素早く追従させる。
第1の形態、第2の形態及び第3の形態は、適宜組み合わせて実行されてもよく、選択的に切り替えて実行されてもよい。
1 生産システム
11 搬送装置
12 ロボット
13 移動装置
14 第1の制御装置
15 第2の制御装置
21 センサ
22 計算部
23 制御部
14 第1の制御装置
15 第2の制御装置
31 エンドエフェクタ
41 物品
41A、41B 嵌合部
42 部品
42A、42B 嵌合部
100 物品の速度ベクトル
200 ロボットの速度ベクトル
300 ロボットのエンドエフェクタの速度ベクトル

Claims (5)

  1. 物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記物品に対して作業を行うロボットと、前記ロボットを移動させる移動装置と、を備える生産システムであって、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の位置情報を取得するセンサと、
    前記センサが取得した位置情報に基づいて、前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルを算出する計算部と、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の移動方向が前記移動装置によって移動する前記ロボットの移動方向と異なるときにおいて、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルと前記ロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの和が前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルと一致するよう、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトル及び前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルを制御する制御部と、
    を備え
    前記制御部は、前記移動装置によって移動する前記ロボットの移動距離が、前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の移動距離よりも大きくなるように制御する、生産システム。
  2. 物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記物品に対して作業を行うロボットと、前記ロボットを移動させる移動装置と、を備える生産システムであって、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の位置情報を取得するセンサと、
    前記センサが取得した位置情報に基づいて、前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルを算出する計算部と、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の移動方向が前記移動装置によって移動する前記ロボットの移動方向と異なるときにおいて、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルと前記ロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの和が前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルと一致するよう、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトル及び前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルにおける速さが、前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御する、生産システム。
  3. 物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送される前記物品に対して作業を行うロボットと、前記ロボットを移動させる移動装置と、を備える生産システムであって、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の位置情報を取得するセンサと、
    前記センサが取得した位置情報に基づいて、前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルを算出する計算部と、
    前記搬送装置によって搬送される前記物品の移動方向が前記移動装置によって移動する前記ロボットの移動方向と異なるときにおいて、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルと前記ロボットのエンドエフェクタの位置の速度ベクトルとの和が前記搬送装置によって搬送される前記物品の速度ベクトルと一致するよう、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトル及び前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルにおける速さが、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御する、生産システム。
  4. 前記移動装置は、前記ロボットを一方向に往復移動させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の生産システム。
  5. 前記制御部は、前記移動装置によって移動する前記ロボットの速度ベクトルにおける速さが、前記ロボットの前記エンドエフェクタの位置の速度ベクトルにおける速さよりも大きくなるように制御する、請求項1に記載の生産システム。
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