以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムSの構成の一例を示す図である。図1に示すように、医用情報処理システムSは、意思決定支援装置100、医用情報記憶装置200、看護記録保管装置201、電子カルテシステム202、医用画像保管装置203、統計情報記憶装置204、オーダリングシステム205、カメラ206、およびマイクロフォン207を含む。これらの構成は、例えば、院内LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続している。
本実施形態の意思決定支援装置100は、医療行為に関する医師の意思決定を支援する。また、意思決定支援装置100は、医師による医療行為の選択結果および当該医療行為に関する患者情報および医療情報を記録する。意思決定支援装置100は、例えばサーバ装置またはPC(Personal Computer)によって実現される。意思決定支援装置100の機能の詳細は後述する。なお、医師は、本実施形態における意思決定支援装置100のユーザの一例である。意思決定支援装置100は、本実施形態の医用情報処理装置の一例である。
なお、本実施形態において医療行為とは、診察、検査、および治療等の医療に関する行為全般を含むものとする。
また、本実施形態において患者情報は医療行為の対象の患者に関する情報であり、例えば、患者の属性情報、電子カルテ、看護記録、検査結果、医用画像、DNA(deoxyribonucleic acid)情報、またはPHR(Personal Health Record)等を含む。患者の属性情報とは、例えば患者の性別、年齢、身長、体重等の情報である。
また、本実施形態において医療情報は、例えば、医療に関する統計情報や診療ガイドライン等を含む。
医用情報処理システムSは、例えば病院等の医療機関に設けられる。
医用情報記憶装置200は、例えば、患者のDNA情報20a、PHR20b、および診療ガイドライン20c等を記憶する。なお、DNA情報20a、PHR20b、および診療ガイドライン20c情報がそれぞれ異なる装置に記憶されても良い。
看護記録保管装置201は、患者の看護に関する看護記録を保管する装置である。また、電子カルテシステム202は、電子カルテを保管する装置である。
医用画像保管装置203は、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバ装置であり、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠した形式で、医用画像データを保管する。医用画像は、例えばCT(Computed Tomography)画像データ、磁気共鳴画像データ、超音波診断画像データ等であるが、これらに限定されるものではない。
統計情報記憶装置204は、医療に関する統計情報を保管するデータベースを保管する装置である。
オーダリングシステム205は、例えば、診療医等の操作に基づいて、図示しないRIS(Radiology Information System)に対する検査オーダや図示しない薬剤部門システムに対する処方オーダ等を発行する装置である。
医用情報記憶装置200、看護記録保管装置201、電子カルテシステム202、医用画像保管装置203、統計情報記憶装置204、およびオーダリングシステム205は、ハードウェア的には、例えば、サーバ装置等のコンピュータである。なお、これらの装置の一部が統合されても良い。例えば、図1に示す複数の装置の機能がHIS(Hospital Information System)として統合されても良い。
カメラ206は、例えば検査室に設けられ、患者に対する検査または治療の行為を撮像する。また、マイクロフォン207は、例えば検査室に設けられ、医師等の医療従事者の音声を収集する。なお、カメラ206およびマイクロフォン207は意思決定支援装置100に設けられても良い。カメラ206およびマイクロフォン207を総称してセンサと呼んでも良い。
なお、図1に示す構成は一例であり、医用情報処理システムSは、さらに他の構成を含んでも良いし、図1に示す構成の一部を備えなくとも良い。例えば、医用情報処理システムSは、RISや薬剤部門システムを含んでも良い。
次に、意思決定支援装置100の機能について説明する。図2は、第1の実施形態に係る意思決定支援装置100の構成の一例を示す図である。
意思決定支援装置100は、NW(ネットワーク)インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを備える。
NWインタフェース110は、処理回路150に接続されており、意思決定支援装置100と、他の情報処理装置との間の各種データの伝送および通信を制御する。NWインタフェース110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路120は、処理回路150で使用される各種の情報を予め記憶する。例えば、本実施形態の記憶回路120は、複数の医療行為を含む医療関連業務のワークフロー、ワークフローに含まれる各医療行為に対応付けられた患者情報または医療情報、および医師による判断の理由等を記憶する。
また、記憶回路120は、各種のプログラムを記憶する。記憶回路120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、光ディスク、HDD(Hard disk Drive)、またはSSD(Solid State Drive)等により実現される。なお、記憶回路120は、意思決定支援装置100内にあってもよいし、例えばネットワークNを介して意思決定支援装置100に接続された外部記憶装置内にあってもよい。記憶回路120は、本実施形態における記憶部の一例である。
入力インタフェース130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インタフェース130は、処理回路150に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路150へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェース130はマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、意思決定支援装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路150へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイや有機EL(Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ等のドットマトリクス型の電子ディスプレイである。なお、入力インタフェース130とディスプレイ140とは統合しても良い。例えば、入力インタフェース130とディスプレイ140とは、タッチパネルによって実現されても良い。ディスプレイ140は、本実施形態における表示部の一例である。なお、ディスプレイ140は、意思決定支援装置100とは別に、例えばネットワークNを介して意思決定支援装置100に接続されて設けられても良い。
処理回路150は、記憶回路120からプログラムを読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。本実施形態の処理回路150は、取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、および収集機能158を備える。取得機能151は、取得部の一例である。第1の特定機能152は、特定部または第1の特定部の一例である。推定機能153は、推定部の一例である。記録処理機能154は、記録処理部の一例である。表示制御機能155は、表示制御部の一例である。受付機能156は、受付部の一例である。判定機能157は、判定部の一例である。収集機能158は、収集部の一例である。
ここで、例えば、処理回路150の構成要素である取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、および収集機能158の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶されている。処理回路150は、プロセッサである。例えば、処理回路150は、プログラムを記憶回路120から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図2の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。なお、図2においては単一のプロセッサにて取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、および収集機能158にて行われる処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、図2においては単一の記憶回路120が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路150は個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路120に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしても良い。
また、意思決定支援装置100は、図2に図示した機能の他に、画像診断アプリケーション等の各種の医用アプリケーションを備えていても良い。当該医用アプリケーションのプログラムは、例えば記憶回路120に記憶され、処理回路150によって実行される。
本実施形態の意思決定支援装置100は、医師が医療行為を実行する際に意思決定および意思決定に関する情報を記録することを支援する機能と、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証を支援する機能とを備える。なお、医療行為を実行する医師と、既に実行された医療行為について事後的に分析または検証する医師とは、同一人物でなくとも良い。以下に、意思決定支援装置100が備える個々の機能の詳細を説明する。
取得機能151は、医用情報処理システムSに含まれる各種装置から、患者情報および医療情報を取得する。また、取得機能151は、カメラ206から、検査室等が撮像された映像を取得する。また、取得機能151は、マイクロフォン207から、収集された音声を取得する。
第1の特定機能152は、医師等によって医療行為が行われる際に、記憶回路120に記憶された複数のワークフローのうち、現在進行中のワークフローを特定する。第1の特定機能152は、例えば、医師によって入力された患者の識別情報等に基づいて、該当のワークフローを記憶回路120から検索する。
ワークフローは、複数の医療行為が時系列に対応付けられている。なお、ワークフローには、既に実行された医療行為だけでなく、まだ実行されていない計画上の医療行為が含まれても良い。例えば、ワークフローは、クリニカルパス等に基づいて生成された治療計画に基づいて、複数の医療行為が時系列に対応付けられたものである。なお、ワークフローの基となる治療計画は、例えば後述の推定機能153によって生成されても良いし、意思決定支援装置100の外部で生成されても良い。治療計画は、例えば記憶回路120に記憶されているものとする。
ワークフローは、本実施形態における医療記録の一例である。本実施形態では、ワークフローに含まれる医療行為を、ステップともいう。
また、第1の特定機能152は、当該ワークフロー7aに含まれる複数の医療行為のうち、実行対象のステップを特定する。
あるいは、第1の特定機能152は、カメラ206から取得した映像、またはマイクロフォン207から取得した音声に基づいて、現在進行中のワークフローおよび当該ワークフローにおける実行対象のステップを特定しても良い。また、第1の特定機能152は、医用情報処理システムSに含まれる各種装置から取得された患者情報および医療情報に基づいて、現在進行中のワークフローおよび当該ワークフローにおける実行対象のステップを特定しても良い。また、第1の特定機能152は意思決定支援装置100において実行される医用アプリケーションに対するユーザの操作または当該医用アプリケーションの分析結果に基づいて、実行対象のステップを特定しても良い。また、第1の特定機能152は、これらの情報を組み合わせた結果に基づいて、実行対象のステップを特定しても良い。
例えば、ワークフロー7aがカテーテルを用いた手術に関するステップを含む場合、第1の特定機能152は、カメラ206により撮像された映像からカテーテルを検出した場合、当該ワークフロー7aの手術準備のステップから、カテーテル挿入のステップに移行したと判定する。この場合、第1の特定機能152は、カテーテル挿入のステップが現在の実行対象ステップであると特定する。
また、例えば、第1の特定機能152は、CT検査画像データが医用画像保管装置203に保存された場合、X線CT装置による撮影のステップが終了して画像解析のステップが開始したと判定しても良い。また、他の例としては、第1の特定機能152は、医用アプリケーションのうち、読影レポートを照会するためのレポートアプリケーションが起動された場合、読影ステップが終了してレポートステップが開始したと判定しても良い。
また、ユーザが実行対象のステップを選択しても良い。例えば、ユーザがディスプレイ140上に表示された「次のステップに移行する」等の不図示のボタンを押下することにより、実行済みのステップのうちの最も新しいステップの次に計画されているステップが、実行対象となる。また、例えば、ワークフローに登録された、まだ実行されていないステップを、ユーザが実行対象として選択しても良い。
図3は、第1の実施形態に係る進行中のワークフロー7aの一例を示す図である。図3に示すワークフロー7aは、後述の表示制御機能155によってディスプレイ140に表示される。
また、本実施形態において、複数の医療行為には、問診、診察、検査、および治療行為等の作業を伴う医療行為に対応するノード70a~70fと、次の作業を検討するアセスメント(Assessment)に対応する分岐71a~71dとが含まれる。以下、個々のノード70a~70fを区別しない場合には単にノード70という。また、個々の分岐71a~71dを区別しない場合には単に分岐71という。なお、図3では便宜的に医療行為とアセスメントとを区別しているが、「アセスメント」も「医療行為」の定義に含まれても良い。また、ノード70と分岐71はいずれもワークフロー7aに含まれるステップの一例である。
図3に示す例では、冠動脈CTのノード70fの後のアセスメントに相当する分岐71dが、ワークフロー7aに含まれる複数のステップにおける実行中のステップである。なお、図3に示すワークフロー7aは一例であり、これに限定されるものではない。
確定診断までは、図3に示すように、問診および検査によって得られた情報により、段階的に病名の候補が絞り込まれる。このため、確定診断の前は「問診の質問を決める」、および「実施する検査を決める」等が医師による主な意思決定である。
図2に戻り、推定機能153は、医師等によって医療行為が行われる際に、現在進行中の医療行為に関する患者情報および医療情報に基づいて、次に実行される医療行為の候補を推定する。
また、推定機能153は、分岐71dまでの間に実施された検査の結果に基づいて、患者が罹患している可能性の高い病名を推定する。また、複数の検査が行われた場合、推定機能153は、各検査の結果によって、排除された病名、可能性が上昇した病名、またはリスクが高い病名を推定する。推定される病名は、問診および検査の結果に応じて変動する。一般に、問診または検査による情報の収集の処理と、収集された情報に基づく推定の処理とは、病名が絞り込まれるまで繰り返される。例えば、図3に示す例では、ノード70cのECG(Electrocardiogram)検査、およびノード70dの血液検査が実行された後の分岐71bに対応するアセスメントの時点の病名候補表示欄60aには、病名候補のうち「肺血栓」の可能性が排除されている。また、病名候補のうち「虚血性心疾患」の可能性が上昇している。
また、分岐71cの時点では、病名候補のうち「虚血性心疾患」の可能性がさらに上昇している。そして、推定機能153は、分岐71dの時点では、「虚血性心疾患」以外の病名の可能性が検査結果によって排除されたと推定する。分岐71dにおいて、医師が「虚血性心疾患」を確定病名として承認した場合、病名の診断のステップが終了する。確定病名は診断名ともいう。推定機能153は、病名の診断までの検査の結果、および確定病名に基づいて、その次に実行される医療行為の候補を推定する。
推定機能153は、公知の技術を採用した臨床意思決定支援システム(Clinical Decision Support Systems:CDSS)のアプリケーションであっても良い。また、推定機能153は、過去の患者情報および医療情報と、診断結果とを学習した学習済みモデルであっても良い。学習済みモデルは、深層学習(Deep learning)またはその他の機械学習等によって生成されるが、その他の公知の技術が採用されても良い。なお、推定機能153の替わりに、意思決定支援装置100に外に設けられた臨床意思決定支援システムが利用されても良い。臨床意思決定支援システムは、医用情報処理システムSに含まれても良い。
また、推定機能153は、複数の医療行為の候補を推定した場合、複数の医療行為の候補のうち、最も推奨するものを推奨理由と共に決定する。
図4は、第1の実施形態に係る医療行為の候補の選択画面の一例を示す図である。図4に示す選択画面は、後述の表示制御機能155によってディスプレイ140に表示される。図4に示す例では、「血栓溶解療法」を示す選択ボタン81a、「CABG(Coronary Artery Bypass Graft、冠動脈バイパス手術)」を示す選択ボタン81b、および「PCI(Percutaneous Coronary Intervention、経皮的冠動脈インターベンション)」を示す選択ボタン81cの3つが、選択肢として表示されている。
また、図4に示す選択画面では、血栓溶解療法が、推奨される選択肢として表示されている。この場合、「血栓溶解療法」を示す選択ボタン81aの近傍に、推定機能153によって決定された推奨理由が表示されても良い。
なお、図4における推奨の有無の表示の態様は一例であり、これに限定されるものではない。また、推定機能153は、最も推奨する選択肢だけではなく、他の選択肢についても、それぞれ選択肢として挙げた理由を生成しても良い。なお、ユーザによっていずれかの選択ボタン81aが押下された場合、NWインタフェース110およびネットワークNを介して、オーダリングシステム205へ当該選択肢に対応する検査のオーダーが送信されても良い。
また、推定機能153は、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが異なる場合に、医師による選択の理由の候補を推定する。なお、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが異なるか否かは、後述の判定機能157によって判定される。
図5は、第1の実施形態に係る選択理由の候補の選択画面の一例を示す図である。図5に示す選択画面は、後述の表示制御機能155によってディスプレイ140に表示される。
図5では、推定機能153によって最も推奨されていた選択肢「血栓溶解療法」ではなく、選択肢「PCI」が医師によって選択された場合を例示する。この場合、推定機能153は、患者情報および医療情報に基づいて、医師が当該選択肢を選択した理由の候補を推定する。例えば、推定機能153は、診療対象の対象である患者の患者情報、および医師によって選択された選択肢「PCI」に関連する医療情報を、選択理由候補92a~92cとして推定する。
選択理由候補92a~92cには、例えば、患者情報の一例である電子カルテに記載された患者の希望、アレルギーの有無、持病、既往歴、各選択肢に対応する医療行為を実施した場合における結果のシミュレーション結果等が含まれる。患者の希望とは、例えば、治療において疾病が完治することと、傷痕等の美容面のいずれを重視するか等の情報である。なお、各選択肢に対応する医療行為を実施した場合における結果のシミュレーション結果は、推定機能153が学習済みモデル等を用いて求めても良いし、他の医用アプリケーションによって求められたものを使用しても良い。また、推定機能153は、医師によって選択された選択肢だけではなく、推定した選択肢の各々についてのメリットとデメリットとを選択理由候補92a~92cに含めても良い。
図5では、3つの選択理由候補92a~92cがディスプレイ140に表示されているが、選択理由候補の数はこれに限定されるものではない。以下、個々の選択理由候補92a~92cを特に区別しない場合、単に選択理由候補92という。なお、ディスプレイ140には、推定機能153によって推定された理由候補だけではなく、医師が自由に理由を入力可能な入力欄が設けられても良い。また、選択理由候補92のうち、医師が選択可能な数の制限は特にないものとする。
図2に戻り、記録処理機能154は、医師が医療行為を実行する場面において、意思決定支援システムから推奨された選択肢と異なる選択肢を医師が採用した場合に、医師が採用した選択肢と当該選択の理由とを対応付けて記憶回路120に記憶させる。
本実施形態においては、記録処理機能154は、医師によって選択された医療行為と、推定機能153によって最も推奨された医療行為とが異なる場合に、推定機能153によって推定された医師が当該選択肢を選択した理由の候補のうち、医師が選択した理由を、医師によって選択された医療行為と対応付けて記憶回路120に記憶させる。記憶回路120において、医師によって選択された医療行為と選択理由とが対応付けられたデータデータベースを、理由記録データベースという。
例えば、図5に示した例において、仮に、医師が選択理由候補92a~92cのうち、選択理由候補92aと選択理由候補92bの2つを選択した場合、記録処理機能154は、選択理由候補92aと選択理由候補92bの内容を、医療行為「PCI」と対応付けて、記憶回路120の理由記録データベースに保存する。
また、記録処理機能154は、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが一致する場合、推定機能153によって生成された推奨理由を、当該医療行為と対応付けて理由記録データベースに保存する。
図2に戻り、表示制御機能155は、医師が医療行為を実行する場面、または、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、ディスプレイ140にワークフロー7aと、当該ワークフロー7aに関連する患者情報および医療情報とを表示させる。
より詳細には、表示制御機能155は、医師が医療行為を実行する場面において、図3に示したように、第1の特定機能152によって特定された実行対象のワークフロー7aをディスプレイ140に表示させる。
また、表示制御機能155は、図3に示したように、ワークフロー7aに含まれる各ステップに対応する患者情報および医療情報を表示する情報表示欄90a~90cをディスプレイ140に表示させる。また、情報表示欄90a~90cの表示位置は、例えば、各情報表示欄90a~90cが対応する医療行為のノード70の近傍とする。具体的には、ノード70eで実行された心エコーのレポート結果を表示する情報表示欄90bは、ノード70eの近傍に表示される。以下、個々の情報表示欄90a~90cを特に区別しない場合には、単に情報表示欄90という。また、情報表示欄90に表示される患者情報および医療情報を、参考データともいう。
また、表示制御機能155は、図3に示したように、各分岐71の時点において推定機能153に推定された病名候補を表示する病名候補表示欄60a~60cをディスプレイ140に表示させる。以下、個々の病名候補表示欄60a~60cを特に区別しない場合には、単に病名候補表示欄60という。また、表示制御機能155は、推定機能153によって可能性が排除された病名候補を、他の病名候補と異なる表示態様で表示させる。例えば、表示制御機能155は、可能性が排除された病名候補には取り消し線を引く。また、表示制御機能155は、推定機能153によって可能性が上がったと推定された病名候補には、可能性が上がったことを表す記号を付加する。図3に示す例では、表示制御機能155は、推定機能153によって可能性が上がったと推定された病名候補の近傍に、可能性の向上の度合に応じた数の上向きの矢印を表示させる。
また、表示制御機能155は、図3に示したように、医師によって確定病名として決定された病名に、記号を付加する。図3に示す例では、表示制御機能155は、確定病名である「虚血性心疾患」の近傍に星型の記号を表示させている。なお、図3に示す表示は一例であり、これに限定されるものではない。
また、表示制御機能155は、医師が医療行為を実行する場面において、図4に示したように、推定機能153によって推定された医療行為の候補を、選択肢としてディスプレイ140に表示させる。
また、表示制御機能155は、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが異なる場合に、図5に示したように、推定機能153によって推定された選択理由の候補をディスプレイ140に表示させる。
また、表示制御機能155は、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、ワークフロー7aをディスプレイ140に表示させる際に、ワークフロー7aに含まれる複数の医療行為と、患者情報および医療情報とを時系列に表示させると共に、ワークフロー7a録の中で医師によって選択された選択肢と当該選択肢が選択された理由とを対応付けて表示させる。
また、表示制御機能155は、ワークフロー7aの中で医師によって選択された選択肢と医師によって選択されなかった選択肢とを分別可能に表示させる。
また、表示制御機能155がワークフロー7aと共に表示する患者情報および医療情報は、ワークフロー7aに含まれるステップである医療行為と対応付けられた患者情報および医療情報である。これらの患者情報および医療情報は、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、後述の収集機能158によって収集されたものである。
図6は、第1の実施形態に係る実行済みのワークフロー7aの閲覧画面の一例を示す図である。当該画面は、ワークフロー7aに含まれる医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面で用いられる。例えば、当該画面は、ワークフロー7aに含まれる医療行為を実行した医師が、事後的に自身の判断を振り返る際に用いられても良い。また、当該画面は、経験の浅い医師への教育、または医療機関におけるカンファレンス等のために用いられても良い。
図6に示す例では、ユーザによって操作されたマウスのポインタ50が診断名の確定のためのアセスメントである分岐71dを指している。この場合、表示制御機能155は、ワークフロー7a全体のうち、例えば、問診のノード70aから、分岐71dの次の医療行為の選択肢までを図示する。
また、分岐71dの次の医療行為は、ノード70gのPCIと、ノード70hのCABGと、ノード70iの血栓溶解療法である。この3つの医療行為のうち、ワークフロー7aの実行の際に医師によって選択されたのはPCIである。表示制御機能155は、医師によって選択された医療行為であるPCIを表すノード70gと、医師によって選択されなかった医療行為であるCABGを表すノード70hおよび血栓溶解療法を表すノード70iとを、異なる表示態様で表示する。例えば、表示制御機能155は、医師によって選択された医療行為と、医師によって選択されなかった医療行為の色を変えても良い。
また、表示制御機能155は、ワークフロー7aのうち表示されている範囲に含まれるノード70および分岐71に対応する患者情報および医療情報を表示する情報表示欄90a~90c、および病名候補表示欄60a~60cをディスプレイ140に表示させる。なお、図6では、事後的な分析または検証が行われる場面における情報表示欄90a~90cの内容は、図3で示した医師が医療行為を実行する場面での情報表示欄90a~90cの内容と同一でなくとも良い。例えば、事後的な分析または検証が行われる場面では、医師が医療行為を実行する場面では表示されていなかった情報が、情報表示欄90に追加されても良い。
また、図7は、図6のワークフロー7aの閲覧画面の続きの一例を示す図である。図7に示す例では、ユーザによって操作されたマウスのポインタ50が、医師によって選択された選択肢である「PCI」を示すノード70gを指している。この場合、表示制御機能155は、医師が採用した選択肢と、当該選択肢が選択された選択理由とを対応付けて表示させる。図7に示す例では、ユーザがノード70gを選択する操作をした場合、表示制御機能155は、ノード70gの近傍に、選択理由を表示する情報表示欄90dを表示させる。
表示制御機能155は、情報表示欄90dに、記憶回路120の理由記録データベースから検索した、ノード70gに対応する選択理由を表示させる。当該選択理由は、図5で説明したように、選択理由候補92a~92cのうち、医師が選択したものである。図7に示す例では、冠動脈CTレポートの結果、アレルギーの有無、持病、既往歴、患者の希望、選択肢別の5年生存率と再狭窄率のシミュレーション結果が選択理由として表示されている。
また、図7では、表示制御機能155は、選択理由に含まれる各情報が、医師によって選択された「PCI」に対するメリットとデメリットのいずれに相当するかについての推定機能153による推定結果を記号で表示している。例えば、情報表示欄90dに記載された選択理由のうち、丸の記号が記載された項目は、「PCI」に対するメリットとなるものである。また、三角の記号が記載された項目は、「PCI」に対するデメリットとなるものである。なお、このような表示態様は一例であり、これに限定されるものではない。
また、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが一致する場合は、推定機能153によって生成された推奨理由が情報表示欄90dに表示される。
図2に戻り、受付機能156は、入力インタフェース130を介してユーザによる各種の操作を受け付ける。例えば、受付機能156は、医師が医療行為を実行する場面において、医師による、推定機能153によって推定された複数の医療行為の候補のうちのいずれかの候補の選択を受け付ける。また、受付機能156は、選択理由候補に対する医師による選択を受け付ける。
また、受付機能156は、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、ユーザによる閲覧対象のワークフロー7aの指定を受け付ける。また、受付機能156は、指定されたワークフロー7aに含まれるノード70または分岐71のうち、照会対象のものを指定するユーザの操作を受け付ける。
判定機能157は、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが異なるか否かを判定する。
収集機能158は、複数の医療行為を含むワークフロー7aに関する、患者情報および医療情報を収集する。例えば、収集機能158は、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、ワークフロー7aに含まれるステップである医療行為と対応付けられた患者情報および医療情報を、医用情報記憶装置200、看護記録保管装置201、電子カルテシステム202、医用画像保管装置203、統計情報記憶装置204、およびオーダリングシステム205等から収集する。
医療行為に対応付けられた患者情報とは、例えば、医療行為の対象である患者の識別情報に紐付く患者情報である。また、患者の識別情報だけではなく、医療行為が行われた日時や、オーダリングシステム205に登録されたオーダーによる紐付け等によって、医療行為と患者情報とが対応付けられても良い。また、医療行為に対応付けられた医療情報とは、例えば、医療行為の対象である患者の病名や、医療行為に含まれる検査内容に関する統計情報や診療ガイドライン等である。
収集機能158は、例えば、医療行為の対象である患者の識別情報、および医療行為が行われた日時に基づいて関連する患者情報および医療情報を特定しても良い。なお、本実施形態においては、ディスプレイ140へ表示される情報は収集機能158が収集し、内部的な処理に使用される情報は取得機能151が取得するものとして分けて記載しているが、取得機能151と収集機能158とは統合されても良い。
次に、以上のように構成された意思決定支援装置100で実行される意思決定支援の処理の流れについて説明する。
図8は、第1の実施形態に係る意思決定支援の処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えば、医師が診療対象の患者の識別情報等を指定することにより、対象のワークフロー7aを指定した場合に開始される。
第1の特定機能152は、対象のワークフロー7aに含まれる複数の医療行為のうち、現在のステップを特定する(S1)。
次に、推定機能153は、現在のステップの次の実行対象となる医療行為の候補を推定する。表示制御機能155は、推定された医療行為の候補を、ディスプレイ140に表示させることにより、医師に対して提示する(S2)。
そして、受付機能156は、ユーザによる医療行為の候補の選択を受け付ける(S3)。
次に、判定機能157は、ユーザによって選択された医療行為の候補が、推定機能153によって推奨された医療行為の候補と一致するか否かを判定する(S4)。
判定機能157がユーザによって選択された医療行為の候補が、推定機能153によって推奨された医療行為の候補と一致しないと判定した場合(S4“No”)、推定機能153は、選択理由候補92を推定する。表示制御機能155は、推定機能153によって推定された選択理由候補92をディスプレイ140に表示させる(S5)。
そして、受付機能156は、ユーザによる選択理由候補92の選択を受け付ける(S6)。
記録処理機能154は、医療行為の候補のうちユーザによって選択された医療行為と、選択理由候補92のうちユーザによって選択された選択理由を、対応付けて記憶回路120に記録する(S7)。
また、判定機能157がユーザによって選択された医療行為の候補が、推定機能153によって推奨された医療行為の候補と一致すると判定した場合(S4“Yes”)、記録処理機能154は、推定機能153によって推奨された医療行為および推奨の理由を、対応付けて記憶回路120に記録する(S8)。
次に、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、意思決定支援装置100で実行される処理の流れについて説明する。
図9は、第1の実施形態に係る医療行為に関する事後的な分析または検証を支援する処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、ユーザによる閲覧対象のワークフロー7aの選択操作が受け付けられた場合に実行される。
収集機能158は、閲覧中のワークフロー7aの各ステップに応じた患者情報、医療情報、および選択理由を収集する(S21)。
表示制御機能155は、ワークフロー7aに対応付けて、収集された患者情報、医療情報、および選択理由をディスプレイ140に表示させる(S22)。
このように、本実施形態の意思決定支援装置100は、複数の医療行為を含むワークフロー7aに関する患者情報および医療情報を収集し、ワークフロー7aをディスプレイ140に表示させる際に、ワークフロー7aに含まれる複数の医療行為と、収集された患者情報および医療情報とを時系列に表示させると共に、ワークフロー7aの中で医師によって選択された選択肢と当該選択肢が選択された理由とを対応付けて表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、既に実行された医療行為に関する事後的な分析または検証を容易にすることができる。
また、本実施形態の意思決定支援装置100は、ワークフロー7aをディスプレイ140に表示させる際に、医師によって選択された選択肢と、医師によって選択されなかった選択肢とを分別可能に表示させる。つまり、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、実際に患者に対して行われた医療行為だけではなく、採用されなかった選択肢についても表示させることにより、医師による医療行為の選択に対する事後的な分析または検証がさらに容易になる。
また、本実施形態の意思決定支援装置100は、意思決定支援システムから推奨された選択肢と異なる選択肢を医師が採用した場合に、医師が採用した選択肢と当該選択の理由とを対応付けて記憶回路120に記憶させ、過去の医療行為に関する記録をディスプレイ140に表示させる際に、医師が採用した選択肢と、選択の理由とを対応付けて表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、医師による医療行為の選択に関する分析の精度を向上させることができる。
例えば、医師が患者に対する医療行為を決定した場合に、決定された医療行為自体は記録されていても、決定された理由についての記録が十分に残っていない場合、当該決定の妥当性を事後的に検証または分析することが困難になる場合がある。特に、意思決定支援システムから推奨された選択肢以外を医師が選択した場合、何らかの理由がある可能性が高い。しかしながら、一般に、医師による電子カルテ等への記載レベルは個人の裁量にゆだねられる場合が多く、意思決定の理由までは記録されない場合がある。あるいは、医師が患者に対する医療行為を決定する際に、意思決定の理由を記載することを必須にすると、記載のためにかかる時間と手間の面で不都合が生じる場合がある。
また、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、医師が採用した選択肢と、選択の理由とを対応付けて記録することにより、記録されたこれらの情報を、機械学習または深層学習のための教師データとして利用することが容易となる。
また、本実施形態の意思決定支援装置100は、現在進行中の医療行為に関する患者情報および医療情報に基づいて、次に実行される医療行為の候補を推定し、推定した医療行為の候補を、選択肢としてディスプレイ140に表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、医師が医療行為を実行する場面において医師の意思決定を支援することができる。
また、本実施形態の意思決定支援装置100は、複数の医療行為の候補を推定した場合、複数の医療行為の候補のうち、最も推奨するものを推奨理由と共に決定し、医師によって選択された医療行為の候補と、推定機能153によって最も推奨された医療行為の候補とが異なる場合に、医師による選択理由候補を推定する。また、本実施形態の意思決定支援装置100は、推定した選択理由候補をディスプレイ140に表示させ、選択理由候補に対する医師による選択を受け付ける。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、推奨された選択肢以外を医師が選択した場合に、医師が理由を記載するための作業負荷および時間を低減した上で意思決定の理由についての記録を得ることができる。
(第2の実施形態)
この第2の実施形態では、さらに、治療計画と実際の患者の状態との差異に基づく治療計画の変更について説明する。
図10は、第2の実施形態に係る意思決定支援装置100の構成の一例を示す図である。本実施形態の意思決定支援装置100は、第1の実施形態と同様に、NWインタフェース110、記憶回路120、入力インタフェース130、ディスプレイ140、および処理回路150を備える。
また、本実施形態の意思決定支援装置100の処理回路150は、取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、収集機能158、および第2の特定機能159を備える。第2の特定機能159は、特定部または第2の特定部の一例である。取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、受付機能156、判定機能157、および収集機能158は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
第2の特定機能159は、治療計画において想定される患者の状態と、患者情報に含まれる患者の実際の状態との差異を特定する。第2の特定機能159は、患者の実際の状態を、例えば、検査結果、および電子カルテに記入された医師の所見に基づいて判定する。
また、本実施形態の表示制御機能155は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、第2の特定機能159によって特定された差異を、ワークフローに対応付けてディスプレイ140に表示させる。
図11は、第2の実施形態に係る実行済みのワークフロー7bの閲覧画面の一例を示す図である。図11に示す例では、分岐71eをユーザによるマウスのポインタ50が指している。分岐71eは、その前に実行されたノード70k~70mに対応する検査で得られた患者情報と、治療計画のノード70jにおいて設定された想定される患者の状態とを比較評価するためのアセスメントである。図11では、ユーザが、分岐71eのアセスメントで比較検討された情報を事後的に照会しているものとする。
また、図11に示す例では、治療計画のノード70jの時点で想定される患者の状態を達成目標として定義している。例えば、図11では、「ECG:所見なし。出血確認:出血なし。創部痛:コントロールできている。」という状態が、達成目標である。これに対して、実際の患者の状態は、「ECG:所見なし。出血確認:出血を認める。創部痛:痛みなし。」というものである。
図11に示す例では、出血確認のノード70lにおいて、出血が確認されている。これに対して、ワークフローの基となる治療計画では、出血確認のノード70lでは、出血が無い状態であることが想定されていた。この場合、第2の特定機能159は、「出血確認:出血を認める」という結果を、治療計画において想定される患者の状態と患者の実際の状態とに生じている差異として特定する。このような差異は、「バリアンス」ともいわれる。バリアンスとは、クリニカルパスにおいてアウトカムが達成されない状態のことを指す。また、第2の特定機能159はワークフロー7bに含まれる複数のノード70のうち、バリアンスが発生しているノード70lを特定する。
この場合、表示制御機能155は、第2の特定機能159によって特定された差異を、ワークフロー7bに対応付けて表示させる。
例えば、表示制御機能155は、分岐71eがユーザによって選択された場合、分岐71eにおいて、計画変更の理由となった患者情報または医療情報を分岐71eの近傍に表示させる。図11に示す例では、表示制御機能155は、想定された患者の状態と実際の患者の状態とを表示する情報表示欄93aを、分岐71eの近傍に表示させる。また、表示制御機能155は、情報表示欄93aにおいて、第2の特定機能159によって差異として特定された「出血確認:出血を認める」という箇所を強調表示させる。また、表示制御機能155は、バリアンスが発生しているノード70lに対応付けて、注意喚起を表す記号80を表示させる。
また、図11に示す例では、当該差異の発生を受けて治療計画が変更されたものとする。表示制御機能155は、治療計画が変更された結果実行された医療行為のノード70と、治療計画が変更された結果実行されなかった医療行為のノード70の両方をディスプレイ140に表示させる。これにより、変更前後の計画の両方がディスプレイ140に表示される。
また、表示制御機能155は、差異の発生以外の要因で、治療計画が変更された場合にも、当該要因に関連する情報をディスプレイ140に表示させても良い。例えば、推定機能153は、医師による医療行為の実行の際に、計画変更を推奨するか否かを推定し、理由と共に表示制御機能155に送出しても良い。この場合、表示制御機能155は、推奨される計画変更の内容と理由を、ディスプレイ140に表示させる。
また、推定機能153は、計画が実際に変更される前に、変更後の計画に基づくアウトカムのシミュレーションを実行しても良い。この場合、表示制御機能155は、シミュレーション結果をワークフロー7bに対応付けて表示させても良い。
このように、本実施形態の意思決定支援装置100は、治療計画において想定される患者の状態と、患者情報に含まれる患者の実際の状態との差異を特定し、特定した差異を、ワークフロー7bに対応付けて表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、実行された医療行為について事後的な分析または検証をする場合に、治療計画の変更理由をユーザが容易に把握することができる。
(第3の実施形態)
この第3の実施形態では、ワークフローの表示の際に、患者が罹患している疾病の診療ガイドライン内の関連個所を表示する。
本実施形態の意思決定支援装置100は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、NWインタフェース110、記憶回路120、入力インタフェース130、ディスプレイ140、および処理回路150を備える。
また、本実施形態の意思決定支援装置100の処理回路150は、第2の実施形態と同様に、取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、収集機能158、および第2の特定機能159を備える。取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、受付機能156、判定機能157、および収集機能158は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の医療情報は、各種疾病の診療ガイドラインを含む。以下、診療ガイドラインを単にガイドラインという。なお、第1の実施形態で述べたように、医療情報は、ガイドライン以外の情報を含んでも良い。
本実施形態の第2の特定機能159は、医師が医療行為を実行する場面、または、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証が行われる場面において、医療情報に含まれるガイドラインのうち、患者情報と関連する箇所を特定する。
特定の手法としては、第2の特定機能159は、電子カルテに記載された個々のキーワードが、ガイドラインに含まれるか否かを検索しても良い。また、第2の特定機能159は、電子カルテに記載された個々のキーワードと、検査結果に含まれる計測値との組み合わせでガイドラインに抵触するか否かを判定しても良い。例えば、「血圧」というキーワードは虚血性心疾患のガイドラインに記載があるが、電子カルテに記載された患者の血圧“120/83mmhg”はガイドラインで正常値として定義されている場合、第2の特定機能159は、当該記載はガイドラインと関連しないと判定する。また、第2の特定機能159は、例えば、自然言語で記載されたガイドラインをキーワード検索しても良い。
また、第2の特定機能159は、開発者によって設定された検索条件に基づいてガイドラインを検索しても良い。
図12は、第3の実施形態に係る検索条件テーブル121の一例を示す図である。検索条件テーブル121には、ガイドラインを検索するための検索条件が定義される。例えば、検索条件テーブル121では、検索対象のガイドラインと、検索キーワードと、当該検索キーワードに組み合わされる定量的な条件と、当該検索キーワードに組み合わされる定性的な条件とが対応付けられている。定量的な条件は、例えば、検査の計測値である。
検索対象のガイドラインは、ワークフローにおける治療対象の疾病に関するガイドラインでなくとも良い。例えば、患者がマルチモビディティ(多疾患併存状態)の場合、現在の治療対象の疾病のガイドラインに加えて、治療中または高リスクである他の疾病のガイドラインを検索対象としても良い。
なお、検索条件テーブル121は、開発者ではなくユーザによって作成されても良い。また、第2の特定機能159は、電子カルテ等を自然言語解析することにより、検索条件テーブル121を作成しても良い。なお、検索条件テーブル121は検索条件の一例であり、これに限定されるものではない。
本実施形態の表示制御機能155は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、患者に関するワークフローと、当該患者が罹患している疾病に関するガイドラインとをディスプレイ140に表示させる。
図13は、第3の実施形態に係る実行済みのワークフロー7cの閲覧画面の一例を示す図である。図13に示すように、表示制御機能155は、ワークフロー7cおよび患者情報を表示させる第1の領域141と、関連ガイドラインを表示させる第2の領域142とをディスプレイ140に表示させる。
図13に示す例では、治療対象の疾病が虚血性心疾患であるため、表示制御機能155は、虚血性心疾患に関するガイドラインを第2の領域142に表示させる。また、第2の特定機能159が、電子カルテに記載された患者の「高尿酸血症」という状態から、リスクの高い疾病として痛風を特定したため、表示制御機能155は、高尿酸血症・痛風のガイドラインも、第2の領域142に表示させる。
表示制御機能155は、ワークフロー7cに関する患者情報およびガイドライン以外の医療情報のうち、ガイドラインと関連する箇所を、強調して表示させる。以下、本実施形態においては、単に医療情報という場合はガイドライン以外の医療情報を指すものとする。
図13に示す例では、表示制御機能155は、情報表示欄94a,94bに、ワークフロー7cに含まれる医療行為に関連する患者情報を表示する。図13では、ユーザによって分岐71iが選択されているため、表示制御機能155は、分岐71iのアセスメントに関連する患者情報を、第1の領域141内に表示させる。また、表示制御機能155は、情報表示欄94a,94bに表示された患者情報のうち、ガイドラインに関連する記載があった箇所に下線を引いている。
また、表示制御機能155は、ガイドラインに含まれる記載のうち、ワークフロー7cに関する患者情報および医療情報と関連する箇所を、下線等で強調して表示させる。なお、強調表示の手法は下線に限定されるものではなく、文字色やマーカ等による強調表示であっても良い。
また、表示制御機能155は、ワークフロー7cに含まれるいずれかの医療行為がユーザによって選択された場合、ガイドライン、患者情報、または医療情報のうち選択された医療行為に関連する箇所を、強調して表示させる。例えば、ワークフロー7cに、治療方針に関する複数の医療行為の選択肢が含まれる場合、表示制御機能155は、ある医療行為がユーザによって選択されると、選択された医療行為に関する情報表示欄94a,94bおよびガイドラインの記述をさらに強調表示する。
図14は、第3の実施形態に係る選択された治療方針に関する強調表示の一例を示す図である。図14では、医療行為「運動療法指導」に対応するノード70yがユーザによって選択されている。この場合、表示制御機能155は、図13で説明した下線で強調表示した関連個所のうち、「運動療法指導」に関連する箇所を、さらに強調表示する。図14では、表示制御機能155は、枠で囲むことで強調表示をしているが、ハイライトや文字の点滅等によって強調表示しても良い。図14のようにガイドラインおよび情報表示欄94bで「運動療法指導」に関連する箇所がさらに強調表示されることで、運動は虚血性心疾患のガイドラインと高尿酸血症・痛風のガイドラインの両方に効果が記載されていること、および患者が運動について問診でどのように述べていたかをユーザが把握しやすくなる。
また、図15は、図14とは異なる治療方針に関する強調表示の一例を示す図である。図15では、医療行為「禁煙指導」に対応するノード70zがユーザによって選択されている。この場合、表示制御機能155は、「禁煙指導」に関連する箇所を、強調表示する。なお、図15では、「禁煙」に関連する単語である「喫煙」も強調表示の対象にしている。当該強調表示により、高尿酸血症・痛風のガイドラインには禁煙に関係する記載がなく、虚血性心疾患のガイドラインの方にしか記載がないことをユーザが把握しやすくなる。また、禁煙に関するネガティブな情報が問診に含まれることをユーザが把握しやすくなる。また、問診において、禁煙に関するネガティブな情報が、高尿酸血症にもネガティブな影響を与えていることがわかる。例えば、情報表示欄94bに記載された内容からは、禁煙により、砂糖入り清涼飲料が増えていて、高尿酸血症にも悪影響があることが推察できる。
また、図15では、3つの選択肢「禁煙指導」、「運動療法指導」、および「食事療法指導」のうち、「禁煙指導」と「食事療法指導」は採用されず、「運動療法指導」が採用されている。図14、15のように各治療方針に関する記載を強調表示で確認することにより、ネガティブな影響がなく、両方の疾患に効果がある運動療法を選択したことを、ユーザが事後的にワークフロー7cを閲覧する際に、容易に推察できる。
このように、本実施形態の意思決定支援装置100は、患者に関するワークフロー7cと、当該患者が罹患している疾病に関するガイドラインとをディスプレイ140に表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、患者がマルチモビディティの場合であっても、医師が医療行為を行う場面、あるいは既に実行された医療行為について事後的に分析または検証する場面で、ガイドラインを考慮して判断することが容易となる。
また、本実施形態の意思決定支援装置100は、ワークフロー7cに含まれるいずれかの医療行為がユーザによって選択された場合、ガイドライン、患者情報、または医療情報のうち選択された医療行為に関連する箇所を、強調して表示させる。このような強調表示により、ユーザがガイドラインと、患者情報または医療情報とが関連する箇所を容易に把握することができる。
(第4の実施形態)
この第4の実施形態では、ワークフローの途中で対象の病名候補が変更された場合について説明する。
本実施形態の意思決定支援装置100は、第1~第2の実施形態と同様に、NWインタフェース110、記憶回路120、入力インタフェース130、ディスプレイ140、および処理回路150を備える。
また、本実施形態の意思決定支援装置100の処理回路150は、第2、第3の実施形態と同様に、取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、表示制御機能155、受付機能156、判定機能157、収集機能158、および第2の特定機能159を備える。取得機能151、第1の特定機能152、推定機能153、記録処理機能154、受付機能156、判定機能157、および収集機能158は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の第2の特定機能159は、ワークフローに、医療行為の対象として選択された病名候補の変更が含まれている場合、病名候補の変更の前に実行された医療行為に対応する患者情報または医療情報のうち、変更後の病名候補に関係するものを特定する。第2の特定機能159は、例えば第3の実施形態で説明した検索条件テーブル121を用いても良いし、機械学習または深層学習によって変更後の病名候補に関連する箇所を特定しても良い。
本実施形態の表示制御機能155は、第2の特定機能159によって特定された患者情報または医療情報をディスプレイ140に表示させる。
図16は、第4の実施形態に係る実行済みのワークフロー7dの閲覧画面の一例を示す図である。図16では、病名候補表示欄60dに記載のように、当初の病名候補が「虚血性心疾患」、「急性大動脈解離」、「肺塞栓」の3つであった場合を示す。このため、分岐71jのアセスメントの次に、虚血性心疾患フロー701と、虚血性心疾患フロー701と、急性大動脈解離フロー703という、3つの病名候補に対応するフローが表示されている。図16に示す例では、これらの病名候補のうち、「虚血性心疾患」が疑いの強い病名またはリスクの強い病名候補として採用されている。この場合、「虚血性心疾患」が検査等の医療行為の対象の病名候補となる。このため、分岐71jのアセスメントの次のステップとして虚血性心疾患フロー701が実行された。図16に示すように、分岐71jと虚血性心疾患フロー701とは実線で接続されて表示される。また、分岐71jの後に実行されるステップとして選択されなかった虚血性心疾患フロー701および急性大動脈解離フロー703は、分岐71jと破線で接続されて表示される。なお、図16に示す実線、破線の表示態様は一例である。虚血性心疾患フロー701には、「虚血性心疾患」を確定診断および治療するための医療行為が含まれる。
しかしながら、虚血性心疾患フロー701が開始した後、当初は採用されなかった「肺塞栓」に病名候補が変更されたものとする。この場合、図16に示すように、虚血性心疾患フロー701が終了し、肺塞栓フロー702が開始する。例えば、胸痛により来院した患者に対して、動悸があるという主訴、家族歴、致命的な症状が出るリスク等に基づいて、医師がまずは虚血性心疾患フロー701を実行したが、結果的には同様の症状が現れる肺塞栓であった、という場合にこのようなフローの変更が行われる。
この場合、表示制御機能155は、図16に示すように、実際には「肺塞栓」が選択されなかった分岐71jから、肺塞栓フロー702へ繋がるパスを破線等で表示させる。また、表示制御機能155は、ユーザが、分岐71jから肺塞栓フロー702へ繋がるパスをマウス等で選択した場合、第2の特定機能159によって特定された、変更後の病名候補に関係する医療行為に対応する患者情報または医療情報を強調表示する。
より詳細には、表示制御機能155は、肺塞栓フロー702の開始前に得られていた患者情報または医療情報のうち、肺塞栓に関連する箇所を強調表示する。図16では、「喫煙歴:30年 1日20本」および「胸に痛みあり」という記載が、肺塞栓に関連する箇所である。
なお、患者情報または医療情報のうち、変更後の病名候補に関連する箇所は、第2の特定機能159が特定しても良い。
さらに、本実施形態の第2の特定機能159は、病名候補の変更よりも前のステップのうち、変更後の病名候補に関連する情報を得られた可能性があるものを特定してもよい。
図17は、第4の実施形態に係る過去の医療行為に関する情報取得可能タイミングの一例を示す図である。図17に示す例では、第2の特定機能159は、虚血性心疾患フロー701の最後のステップの問診で得た情報は、それよりも前の問診の時点で得られた可能性がある情報であると特定している。
この場合、表示制御機能155は、当該情報が過去において取得可能な情報であったことを、「取得可能」というテキストメッセージ81および過去のステップを示す矢印を表示させることでユーザに通知する。
なお、図17に示す例では、同じ「問診」という名称が使用されているが、第2の特定機能159は、全く同じ名称の医療行為でなくとも、医療行為同士の関係性によっては、取得可能性があると判定しても良い。また、第2の特定機能159は、取得可能性の有無だけではなく、取得可能性の高さを段階的に表しても良い。例えば、冠動脈造影CTレポートの前に非造影CTレポートの所見があった場合、医療行為の名称は全く同じではないが、類似の医療行為であるため、第2の特定機能159は、例えば「取得可能性“中”」と判定しても良い。
このように、本実施形態の意思決定支援装置100は、ワークフロー7dに、医療行為の対象として選択された病名候補の変更が含まれている場合、病名候補の変更の前に実行された医療行為に対応する患者情報または医療情報のうち、変更後の病名候補に関係するものを特定し、特定した患者情報または医療情報をディスプレイ140に表示させる。このため、本実施形態の意思決定支援装置100によれば、変更後の病名候補により迅速に到達できた可能性のある医療行為の流れを検討することを容易にすることができる。
(変形例1)
上述の第1の実施形態では、図4、5を用いて、進行中のワークフロー7a上でユーザが医療行為の候補の選択操作、および選択理由の候補の選択操作をする際の画面表示について説明した。しかしながら、ユーザが医療行為の候補の選択操作、および選択理由の候補の選択操作をする際の画面表示は上述の例に限定されるものではない。
図18は、変形例1に係る医療行為の候補の選択画面の一例を示す図である。本変形例では、表示制御機能155は、進行中のワークフロー7a上において、推奨される医療行為の候補に、推奨を示す画像82を表示させる。図18に示す選択画面では、PCIが、推奨される選択肢として表示されている。
ここで、ユーザが、図18に示す選択画面上で、推奨された選択肢以外を選択した場合について、図19を用いて説明する。
図19は、変形例1に係る選択理由の候補の選択画面の一例を示す図である。なお、図19においては、ユーザによる操作の説明のために、複数のマウスのポインタ50a~50cをディスプレイ140上に描画しているが、実際にはディスプレイ140上に一度に表示されるのは、いずれか1つである。具体的には、ユーザの操作の時系列に沿って、ポインタ50a、ポインタ50b、ポインタ50cの順に表示されるものとする。
例えば、上述の図18に示した選択画面上で、ユーザが、システムによって推奨された選択肢ではないCABGを選択したとする。ユーザは、CABGを表すノード70h上にマウスのポインタ50aを置いてクリック操作をすることにより、CABGを選択可能である。
この場合、図19に示すように、表示制御機能155は、進行中のワークフロー7a上に選択理由候補表示欄921を表示させる。選択理由候補表示欄921には、複数の選択理由候補が、チェックボックスと共に表示される。選択理由候補表示欄921に表示される複数の選択理由候補には、推定機能153がいずれかの医療行為候補を推奨する理由として出力した情報が含まれても良い。また、表示制御機能155は、収集機能158が電子カルテシステム202またはガイドライン等から収集した情報を、選択理由候補として表示させても良い。また、ガイドライン等に基づいて、医療行為に応じた複数の選択理由候補が、予めデータベース等に登録されていても良い。例えば、記憶回路120は、PCI、CABG、または血栓溶解療法が医師等により選択される理由として一般的なものを、PCI、CABG、または血栓溶解療法と対応付けて記憶していても良い。
例えば、ユーザは、いずれかの選択理由候補に対応するチェックボックスにマウスのポインタ50bを置いてクリック操作をすることにより、選択理由を選択可能である。図19では、「患者希望」が選択理由として選択されている。なお、ユーザによる選択の受付手段はチェックボックスに限定されない。また、図19に示す「その他」の選択肢のように、選択理由候補表示欄921には、ユーザが選択理由を文章で入力可能な欄が設けられても良い。
さらに、表示制御機能155は、ユーザが選択理由候補表示欄921上で医療行為の選択理由を選択した後、さらに、当該医療行為および理由に紐付けられる参考データをユーザが選択可能な参考データ候補表示欄922を進行中のワークフロー7a上に表示させても良い。図19に示す例では、ユーザが、マウスのポインタ50cにより、「知り合いがカテーテル治療で血栓が飛んで大変なことになったと聞いた。カテーテル治療には不安がある。」という問診の際に患者から得られた情報を、参考データとして選択している。参考データ候補表示欄922上でユーザにより選択された情報は、実行済みのワークフロー7aの閲覧画面において医療行為および理由に対応付けられて表示される。
図20は、変形例1に係る実行済みのワークフロー7aの閲覧画面の一例を示す図である。図20に示すように、ワークフロー7aの実行後に、ユーザが例えばCABGを表すノード70h上にマウスのポインタ50をおいた場合に、表示制御機能155は、図19でユーザによって選択されたCABGの選択理由および参考データが情報表示欄90cに表示させる。なお、表示制御機能155は、ユーザによって選択された情報以外も、参考データとして表示してよい。この場合、表示制御機能155は、図20に示すように、ユーザによって選択された情報を他の情報よりも強調して表示させても良い。
(変形例2)
なお、上述の各実施形態では、意思決定支援装置100が、医師が医療行為を実行する際に意思決定および意思決定に関する情報を記録することを支援する機能と、既に実行された医療行為について事後的な分析または検証を支援する機能の両方を備えるものとして説明したが、これらの機能のいずれかが意思決定支援装置100とは異なる装置で実行されても良い。例えば、意思決定支援装置100は、図8のフローチャートで説明した機能と、図9のフローチャートで説明した機能のいずれか一方のみを備えても良い。
(変形例3)
上述の各実施形態で説明した意思決定支援装置100の機能の一部または全てが、クラウド環境上で実現されても良い。
(変形例4)
また、上述の各実施形態においては、ワークフロー7a~7dを医療記録の一例としたが、医療記録は、複数の医療行為を時系列に関連付けた記録であればよく、ワークフロー7a~7d以外の形式であっても良い。
なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、既に実行された医療行為に関する事後的な分析または検証を容易にすることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。