JP7707576B2 - 剥離層形成用組成物及び剥離層 - Google Patents
剥離層形成用組成物及び剥離層Info
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Description
1. (A)光照射により硬化する重合体を含有することを特徴とする剥離層形成用組成物、
2. 前記(A)光照射により硬化する重合体が、光二量化する構造部位を有する重合体である1の剥離層形成用組成物、
3. 前記光二量化する構造部位が、シンナモイル基である1又は2の剥離層形成用組成物、
4. (A)光照射により硬化する重合体が、光二量化する構造部位を有するモノマーを用いて得られる重合体である1~3のいずれかの剥離層形成用組成物、
5. 前記(A)光照射により硬化する重合体が、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物及びビニル化合物からなる群から選ばれるモノマーを用いて得られる重合体である1~4のいずれか1の剥離層形成用組成物、
6. 前記(A)光照射により硬化する重合体が、光二量化する構造部位を有するモノマーとともに、光二量化する構造部位を有しないモノマーを用いて得られる重合体であり、
前記光二量化する構造部位を有するモノマーの含有量が、全モノマー単位100モル%に対して1~50モル%であり、かつ、前記光二量化する構造部位を有しないモノマーの含有量が、全モノマー単位100モル%に対して50~99モル%である4又は5の剥離層形成用組成物、
7. 前記光二量化する構造部位を有しないモノマーが、脂環式炭化水素基を有するモノマーである6の剥離層形成用組成物、
8. 1~7のいずれかの剥離層形成用組成物を光硬化させてなる剥離層剥離層、
9. 8の剥離層に、波長400nmの光透過率が80%以上である樹脂層が積層された積層体、
10. 前記樹脂層が、エポキシ化合物を含有する熱硬化膜である9の積層体、
11. 1~7のいずれかの剥離層形成用組成物を基体上に塗布した後、露光を行うことで剥離層を形成する積層体の製造方法、
12. 1~7のいずれかの剥離層形成用組成物を基体に塗布し、露光して剥離層を形成する工程、
前記剥離層上に、波長400nmの光透過率が80%以上である樹脂基板を形成する工程、及び
前記樹脂基板を、1.0N/25mm以下の剥離力で剥離する工程
を含む樹脂基板の製造方法
を提供する。
[剥離層形成用組成物]
本発明の剥離層形成用組成物は、(A)光照射により硬化する重合体を含むことを特徴とする。
[1](A)成分
本発明の剥離層形成用組成物における(A)成分は、光照射により硬化する重合体である。
光照射により硬化する重合体としては、光二量化する構造部位を有する重合体であることが好ましい。
光二量化する構造部位としては、シンナモイル基、カルコン基、クマリン基、アントラセン基等が挙げられるが、光二量化反応性の高さからシンナモイル基が好ましい。
好適なシンナモイル基及びシンナモイル構造を含む置換基としては、下記式[1]又は式[2]で表される構造が挙げられる。なお本明細書において、シンナモイル基におけるベンゼン環がナフタレン環である基についても「シンナモイル基」及び「シンナモイル構造を含む置換基」に含めている。
上記式[2]中、X2は、水素原子、シアノ基、炭素原子数1~18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基又はシクロヘキシル基を表し、
X1およびX2において、フェニル基及びビフェニル基は、ハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、X1およびX2は、炭素原子数1~18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基及びシクロヘキシル基が、共有結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、尿素結合、ウレタン結合、アミノ結合、カルボニル及びそれらの組み合わせから選ばれる1種又は2種以上の結合を介して複数種が結合したものであってもよい。
上記式[1]及び式[2]中、Aは、下記式[A1]、式[A2]、式[A3]、式[A4]、式[A5]及び式[A6]のいずれかを表す。
炭素原子数1~4のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル基等が挙げられる。
炭素原子数1~4のアルコキシ基は、その中のアルキル基が直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
光二量化する構造部位を有するモノマーの好適例としては、下記式M1-1~M1-13で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、光二量化する構造部位を有するモノマーは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
構造単位(b)のモノマーとしては、構造単位(a)と共重合可能なものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物、ビニル化合物等が挙げられる。
スチレン化合物の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
マレイミド化合物の具体例としては、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有するモノマーの具体例としては、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、t-ブチルシクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
なお、構造単位(b)のモノマーは、同種のものを1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
この重合反応には、構造単位(a)のモノマー、構造単位(b)のモノマー、及び重合開始剤等を溶解する溶剤を用いてもよく、その具体例としては、下記[溶剤]の項に列挙する溶剤が挙げられる。
また、上記のようにして得られた重合体の溶液から重合体を取り出す手法としては、例えば、重合体の溶液と、ヘキサン、ジエチルエーテル、水等との貧溶媒とを、いずれかの撹拌下で混合して重合体を再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後、常圧又は減圧下で、常温下又は加熱下で乾燥して粉体とする手法が挙げられる。このような操作により、溶剤だけでなく、重合体と共存する重合開始剤や未反応モノマー等をも除去でき、その結果、精製された重合体の粉体が得られる。なお、一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解して、上記の操作を繰り返し行えばよい。
本発明の剥離層形成用組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、界面活性剤、シランカップリング剤、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤等が挙げられる。
特に、基板に対する塗布性を高めるという点から、本発明の剥離層形成用組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の公知の界面活性剤を用いることができる。
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
界面活性剤を用いる場合、その使用量は、(A)重合体100質量部に対し、0.0001~1質量部が好ましく、0.001~0.5質量部がより好ましい。
本発明の剥離層形成用組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
溶剤としては、(A)成分、必要に応じて用いられる(B)成分及び/又はその他の添加剤の溶解能を有するものであれば、その種類及び構造等は特に限定されるものでないが、本発明では、炭素数3~20のグリコールエーテル系溶剤、炭素数3~20のエステル系溶剤、炭素数3~20のケトン系溶剤、炭素数3~20のアミド系溶剤が好ましい。
エステル系溶剤の具体例としては、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、2-ヒドロシキイソ酪酸メチル、2-ヒドロシキイソ酪酸エチル等が挙げられる。
ケトン系溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
アミド系溶剤の具体例としては、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド等が挙げられる。
なお、溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、調製された剥離層形成用組成物の溶液は、孔径が0.2μm程度のフィルター等を用いて濾過した後、使用することが好ましい。
以上説明した本発明の剥離層形成用組成物を、基体上に塗布して塗膜を形成した後、加熱する加熱工程、及び加熱工程後に紫外線等の光を照射する露光工程を含む方法で剥離層を得ることができる。
この場合、加熱時間は、温度によって異なるため一概に規定できないが、通常1分~5時間である。加熱態様の好ましい一例としては、50~150℃で1分間~1時間加熱する手法が挙げられる。なお、加熱温度は、最高温度が上記範囲となる限り、それ以下の温度で加熱する工程を含んでもよい。
なお、本発明において、基体とは、その表面に本発明の剥離層形成用組成物が塗られるものであって、フレキシブル電子デバイス等の製造に用いられるものを意味する。
光照射に用いる装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
本発明の剥離層を用いれば、樹脂基板を剥離層から1.0N/25mm以下の剥離力で剥離することができる。
〔ポリマー原料〕
ADMA:メタクリル酸2-アダマンチル
DCPMA:メタクリル酸ジシクロペンタニル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
CHN:シクロヘキサノン
合成例におけるアクリル共重合体の分子量は、(株)Shodex社製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC-101)、Shodex社製カラム(KD-803、KD-805)を用い以下のようにして測定した。なお、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)及び重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表した。
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
検量線作成用標準サンプル:昭和電工(株)製 標準ポリスチレン(分子量約197,000、55,100、12,800、3,950、1,260、580)
[合成例1]
非架橋性モノマーとしてADMA 3.50g(15.89mmol)、架橋性モノマーとしてCin1 1.38g(3.97mmol)、重合触媒としてAIBN 0.10g(0.60mmol)をTHF 50.0gに溶解し、加熱還流下にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液を得た。アクリル共重合体溶液をヘキサン 500.0gに徐々に滴下して固体を析出させ、ろ過及び減圧乾燥することでアクリル重合体(PA-1)を得た。得られたアクリル共重合体のMwは15,000であった。
原料化合物の種類、配合量を下記表1のとおりとした以外は、合成例1と同様に操作し、重合体(PA-2)~(PA-6)を得た。得られた重合体のMwを表1に示す。
[調製例1]樹脂基板形成用組成物F1の調製
溶媒として四塩化炭素100gを入れたナスフラスコに、ゼオノア(登録商標)1020R(日本ゼオン(株)製シクロオレフィンポリマー)10g及びエポリード(登録商標)GT401((株)ダイセル製)3gを添加した。この溶液を、窒素雰囲気下、24時間撹拌して溶解し、樹脂基板形成用組成物F1を調製した。
[実施例1-1]
(A)成分である上記合成例1で得た重合体(PA-1)100質量部にCHNを加え、固形分濃度5.0質量%の剥離層形成用組成物(A-1)を調製した。
各成分の種類と量を、それぞれ表2に記載のとおりとした以外は、実施例1-1と同様にして、剥離層形成組成物A-2~A-12をそれぞれ調製した。
[実施例2-1]
実施例1-1で調製した剥離層形成用組成物A-1を、スピンコータ(条件:回転数2,000rpmで約30秒)を用いて基体としてのガラス基板(コーニング社製イーグルXG、100mm×100mm×0.7mm、以下同様)の上に塗布した。得られた塗膜を、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いで高圧水銀ランプを用いて2,000mJ/cm2で紫外線照射することによって、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
その後、スピンコータ(条件:回転数200rpmで約15秒)を用いて、ガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物F1を塗布した。得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で2分間加熱し、その後、ホットプレートを用いて230℃で30分間加熱し、剥離層上に厚さ約3μmの樹脂基板を形成し、樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
剥離層形成組成物として(A-2)~(A-6)を用いた以外は、実施例2-1と同様に操作し、実施例2-2~2-5、比較例2-1の樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
高圧水銀ランプを用いて紫外線照射しない以外は、実施例2-1と同様に操作し、比較例2-2の樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
上記で得られた樹脂基板・剥離層付きガラス基板を、カッターを用いて25mm×50mmの短冊状に切り込みを入れた。さらに、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製CT-24)を貼った後、オートグラフAGS-X500N((株)島津製作所製)を用いて、剥離角度90°、剥離速度300mm/minで剥離し、剥離力を測定した。なお、剥離できないものは、剥離不可とした。評価結果は「剥離力」とし、結果を表3にまとめて示す。
剥離力の評価後のガラス基板上に残存する剥離層を、触針式膜厚計で膜厚を測定した。剥離層形成時の膜厚と比較を行い、剥離界面を判別した。評価結果は「剥離界面」とし、残膜率(残膜率(%)=剥離後の剥離層膜厚/剥離層形成時の剥離層膜厚×100)が90%以上の場合は剥離層/樹脂界面、10%以上90%未満の場合は剥離層の凝集破壊、10%未満の場合はガラス基板/剥離層界面とした。評価結果を表3にまとめて示す。
Claims (10)
- 基体と樹脂基板との間に介在し、樹脂基板との界面で剥離する剥離層を形成するための剥離層形成用組成物であって、
(A)光照射により硬化する重合体を含有し、
前記重合体が、光二量化する構造部位を有するモノマーを用いて得られる重合体であり、
前記光二量化する構造部位を有するモノマーが、下記式[1]又は式[2]で表されるシンナモイル基又はシンナモイル構造を含む置換基を有するアクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする剥離層形成用組成物。
〔式[1]中、X1は、炭素原子数1~18のアルキル基、フェニル基又はビフェニル基を表し、
式[2]中、X2は、水素原子、シアノ基、炭素原子数1~18のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基又はシクロヘキシル基を表し、
式[1]及び式[2]中、Aは、下記式[A1]、式[A2]、式[A3]、式[A4]、式[A5]及び式[A6]のいずれかを表す。
(式[A1]~[A6]中、R1~R8は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。)〕 - 前記式[1]及び式[2]において、前記Aが、前記式[A1]を表す請求項1記載の剥離層形成用組成物。
- 前記光二量化する構造部位を有するモノマーが、前記式[1]で表されるシンナモイル基又はシンナモイル構造を含む置換基を有するアクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物から選ばれる1種または2種以上である請求項1または2記載の剥離層形成用組成物。
- 前記(A)光照射により硬化する重合体が、光二量化する構造部位を有するモノマーとともに、光二量化する構造部位を有しないモノマーを用いて得られる重合体であり、
前記光二量化する構造部位を有するモノマーの含有量が、全モノマー単位100モル%に対して1~50モル%であり、かつ、前記光二量化する構造部位を有しないモノマーの含有量が、全モノマー単位100モル%に対して50~99モル%である請求項1~3のいずれか1項記載の剥離層形成用組成物。 - 前記光二量化する構造部位を有しないモノマーが、脂環式炭化水素基を有するモノマーである請求項4記載の剥離層形成用組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項記載の剥離層形成用組成物を光硬化させてなる剥離層。
- 請求項6記載の剥離層に、波長400nmの光透過率が80%以上である樹脂層が積層された積層体。
- 前記樹脂層が、エポキシ化合物を含有する熱硬化膜である請求項7記載の積層体。
- 請求項1~5のいずれか1項記載の剥離層形成用組成物を基体上に塗布した後、露光を行うことで剥離層を形成する積層体の製造方法。
- 請求項1~5のいずれか1項記載の剥離層形成用組成物を基体に塗布し、露光して剥離層を形成する工程、
前記剥離層上に、波長400nmの光透過率が80%以上である樹脂基板を形成する工程、及び
前記樹脂基板を、1.0N/25mm以下の剥離力で剥離する工程
を含む樹脂基板の製造方法。
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