JP7708543B2 - 水性インキ用金色ペースト及び該ペーストが分散してなる水性金色インキ - Google Patents

水性インキ用金色ペースト及び該ペーストが分散してなる水性金色インキ

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Description

本発明は、水性インキ用金色ペーストに関する。詳しくは、水性インキ用ビヒクルに分散させて金色インキを作製できる金色ペーストであって、アクリル系水性インキ用ビヒクルに対しても良好に分散してゲル化せず、また、貯蔵安定性に優れた水性金色インキを作製でき、前記水性金色インキを使用して印刷すれば優れた金属光沢を呈する印刷物になり、グラビア印刷やフレキソ印刷等の高精細印刷にも好適に使用でき、環境負荷も少ない水性金色インキを作製できる金色ペーストに関する。
金色印刷を行う印刷用金色インキには、一般的に、金属顔料として片状黄銅粉末が使用される。
片状黄銅粉末は主として銅と亜鉛の合金粉末であり、一般にはブロンズ粉、あるいは、金粉と呼ばれることがある。
片状黄銅粉末は表面が脂肪酸で被覆されていることから、片状黄銅粉末を分散させた金色インキの多くは有機溶剤系のインキ用ビヒクルを使用した有機溶剤系金色インキである。
しかし、有機溶剤には大気汚染等の問題があるため、近年、水性インキ用ビヒクルを使用した水性金色インキの要請が高まっているが、脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末は水性インキ用ビヒクルには分散し難く、また、濡れ性も悪いので、片状黄銅粉末を分散させた水性金色インキは有機溶剤系金色インキのような優れた金属光沢を呈する金色の印刷塗膜が得られないという問題がある。
脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末粒子表面を界面活性剤で被覆することにより、水性インキ用ビヒクルへの分散性を向上させた片状黄銅粉末が開発されているが、これまでの技術では処理ムラができ易く、片状黄銅粉末粒子表面が界面活性剤で十分に、また、強固に被覆されないという問題がある。
表面が界面活性剤によって十分に被覆されていない片状黄銅粉末は、アクリル系水性インキ用ビヒクル等に分散させるとゲル化するおそれがある。
また、表面が界面活性剤で十分に被覆されていない片状黄銅粉末をアクリル系水性インキ用ビヒクル等に分散させた状態で1カ月以上の長期に亘って貯蔵すれば、徐々にビヒクルと片状黄銅粉末とが反応し、片状黄銅粉末層とビヒクル層の2層に分離した後、片状黄銅粉末粒子同士が凝集するという問題がある。
片状黄銅粉末層とビヒクル層との2層に分離したとしても強固に凝集していない限り再度混合させることは可能であるが、混合した金色インキを使用して印刷すると印刷塗膜の金属光沢が悪くなる場合がある。
そこで、アクリル系水性インキ用ビヒクルにもゲル化せずに分散して水性金色インキを作製することができる金色ペーストであって、作製した金色インキは片状黄銅粉末層とビヒクル層の2層に分離し難く貯蔵安定性があり、また、分離した後も混合が可能で、しかも、インキ作製直後はもちろんのこと、長期貯蔵後であっても有機溶剤系金色インキと同等の優れた金属光沢を呈する印刷物になる水性金色インキを作製できる金色ペーストの開発が望まれている。
特開平09-165544 特開平09-272817 特開2007-204638
特許文献1には、片状黄銅粉末粒子表面を界面活性剤で表面処理して水系ポリウレタン樹脂に分散させることで数カ月貯蔵してもゲル化しない水性金色インキが記載されている。
特許文献2には、脂肪酸で処理した片状黄銅粉末の表面を非イオン界面活性剤で被覆した水性インキ用片状黄銅粉末が記載されている。
特許文献2記載の水性インキ用片状黄銅粉末は有機溶剤系の金色インキと同等の金属光沢を呈するが、長期貯蔵するとゲル化して使用できなくなるという問題がある。
特許文献3には、脂肪酸で処理した片状黄銅粉末粒子表面をHLB値13~17で、疎水基がモノステアリン酸、イソステアリン酸の脂肪酸からなる非イオン界面活性剤で被覆された水性印刷インキ用片状黄銅粉末が記載されている。
しかし、特許文献3記載の水性インキ用片状黄銅粉末は、界面活性剤で被覆する際にアルコールを含有させており、特定のアクリル系水性インキ用ビヒクルに対しては経時安定性が悪く、インキ作製直後に表面のゲル化や緑青、気泡の発生が起こり、その後全体がゲル化して使用できなくなるという問題がある。
本発明は、前記諸問題を解決することを技術的課題とし、多くの試作・実験を重ねた結果、表面が脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末100重量部に対し、HLB値が13~17である非イオン界面活性剤0.5重量部以上、かつ、10重量部以下と、グリコール類15重量部以上、かつ、45重量部以下と、水性ワックスエマルション水溶液3重量部以上、かつ、10重量部以下とを含有してなる水性インキ用金色ペーストであれば、アクリル系水性インキ用ビヒクルであっても1カ月以上の長期に亘ってゲル化せずに、片状黄銅粉末層とビヒクル層の2層に分離した後も混合できるという貯蔵安定性に優れる水性金色インキを作製でき、しかも、インキを作製した直後はもちろんのこと、長期貯蔵後であっても水性金色インキの印刷塗膜は金属光沢に優れる金色を呈するという刮目すべき知見を得て、前記技術的課題を達成したものである。
前記技術的課題は次のとおりの本発明によって解決できる。
本発明は、水性インキ用金色ペーストであって、前記金色ペーストは、表面が脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末100重量部に対し、HLB値が13~17である非イオン界面活性剤0.5重量部以上、かつ、10重量部以下と、グリコール類15重量部以上、かつ、45重量部以下と、水性ワックスエマルション水溶液3重量部以上、かつ、10重量部以下とを含有してなる水性インキ用金色ペーストである。
また本発明は、前記片状黄銅粉末粒子の平均粒子径が2μm以上、かつ、20μm以下である前記の水性インキ用金色ペーストである。
また本発明は、前記の金色ペーストを水性インキ用ビヒクルに分散させてなる水性金色インキである。
また本発明は、前記水性インキ用ビヒクルがアクリル系水性インキ用ビヒクルである前記の水性金色インキである。
また本発明は、前記水性インキ用金色ペーストの製造方法である。
本発明は、脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末100重量部に対して、HLB値が13~17の非イオン界面活性剤0.5重量部~10重量部と、グリコール類15重量部~45重量部とを含有するので、片状黄銅粉末粒子表面の処理ムラが生じ難く、片状黄銅粉末粒子表面を非イオン界面活性剤で均一に、また、強固に被覆することができるから、アクリル系水性インキ用ビヒクルであっても、混合した直後や、貯蔵中にゲル化を起こすことがない水性金色インキを作製できる金色ペーストである。
また本発明は、片状黄銅粉末100重量部に対して水性ワックスエマルション水溶液を3重量部~10重量部含有するので、貯蔵安定性に優れ、長期に亘ってゲル化せずに混合が可能な水性金色インキを作製できる金色ペーストである。
また、片状黄銅粉末粒子の平均粒子径が2μm~20μmであれば、より優れた金属光沢を呈する水性金色インキを作製でき、グラビア印刷やフレキソ印刷のような高精細印刷インキに好適に使用できる金色インキを作製することができる。
本発明は、脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末を含有する水性インキ用金色ペーストである。
片状黄銅粉末は機械粉砕法で製造される銅と亜鉛の合金であり、本発明においては、黄金色に近い金色を呈する銅75%、亜鉛25%の合金や、やや赤味の強い金色を呈する銅90%、亜鉛10%の合金が好適であるがこれに限定されるものではない。
片状黄銅粉末粒子の平均粒子径は2μm~20μmが好ましい。
平均粒子径が2μm未満であると、印刷塗膜面に均一に片状黄銅粉末が浮かび上がらずに優れた金属光沢を呈する印刷塗膜が得られず、また20μmより大きいと、グラビア印刷やフレキソ印刷のような高精細印刷に使用すると、インキ中で印刷版に転移し難く、印刷適性が悪くなるためである。
本発明における金色ペーストは、HLB(Hydrophile-Lipophile-Balance)値が13~17の非イオン界面活性剤を含有する。
HLB値とは界面活性剤分子中の親水性と疎水性の強さのバランスを表す数値で、数値が大きいほど親水性が高いことを表す。
金色ペーストに用いる界面活性剤としては、水に溶解した際に電離しない非イオンの界面活性剤が好ましい。
電離してイオンになるアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤は片状黄銅粉末が変色し易く、金属光沢の悪い印刷塗膜になるからである。
HLB値が13未満の非イオン界面活性剤では、完全水性に近い印刷インキ用ビヒクルには分散し難く、印刷版に転移し難いため隠ぺい性が悪い印刷塗膜になるからである。
また、HLB値が17を超えると、固体の非イオン界面活性剤が多くなり、固体の界面活性剤はインキ中に分散させ難いからである。
水溶液タイプに調整した非イオン界面活性剤もあるが、水溶液タイプは片状黄銅粉末粒子表面の脂肪酸被膜と馴染みが悪く、優れた金属光沢を呈さない印刷塗膜になるおそれがあるからである。
HLB値が13~17の範囲であれば非イオン界面活性剤は特に限定されない。
本発明における非イオン界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンを例示する。
非イオン界面活性剤の含有量は、片状黄銅粉末100重量部に対し0.5重量部~10重量部が好ましく、さらに好ましくは、3重量部~7重量部である。
0.5重量部未満であると片状黄銅粉末に均一に被覆することが困難になるため、水性インキ用ビヒクルへの分散性が低下し、また、10重量部より多いと気泡性が大きくなるため、塗膜性能が低下し、また、乾燥性等の印刷適性が低下するおそれがあるからである。
本発明における金色ペーストは、片状黄銅粉末100重量部に対してグリコール類を15重量部~45重量部含有することが好ましく、さらに好ましくは、25重量部~35重量部である。
本発明においては、グリコール類、非イオン界面活性剤及び水性ワックスエマルションが混合した溶液中に片状黄銅粉末を混合し、攪拌することで非イオン界面活性剤を片状黄銅粉末粒子表面に被覆することが好ましいが、グリコール類が15重量部未満であると、非イオン界面活性剤が均一に、また、強固に片状黄銅粉末粒子表面を被覆しないおそれがあるからである。
また、グリコール類が45重量部より多い金色ペーストを含有させた水性金色インキは乾燥性が低下するからである。
グリコール類は特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の低分子量のグリコール類が好ましい。
ポリエチレングリコール等の高分子のグリコール類は水性金色インキの印刷塗膜の金属光沢や貯蔵安定性が低下するおそれがあるからである。
安全性や環境負荷の観点からは、プロピレングリコールが好ましい。
本発明における水性インキ用金色ペーストは水性ワックスエマルションを含有する。
水性ワックスエマルションは、コポリマーと水系溶媒のワックスエマルションで、水性金色インキ中で立体障害となるため、片状黄銅粉末の分散性が向上し、沈降を抑制することができる。
水性ワックスエマルションは特に限定されるものではなく、エチレン酢酸ビニルコポリマーのエマルションやAQUATIX(登録商標)8421(BYK社製)を例示することができる。
本発明における水性ワックスエマルションの含有量は片状黄銅粉末100重量部に対して3重量部~10重量部が好ましく、さらに好ましくは5重量部~8重量部である。
3重量部未満であると片状黄銅粉末の沈降が十分に抑制されないおそれがあり、また、10重量部を超えて含有すると、片状黄銅粉末が印刷塗膜面に浮かび上がる特性が阻害され、印刷物の金属光沢が低下するおそれがあるためである。
本発明は、片状黄銅粉末粒子表面に非イオン界面活性剤が均一に、また、強固に被覆した金色ペーストであるから、水性インキ用ビヒクルに良好に分散し、ゲル化せずに混合することが可能な水性インキ用金色ペーストである。
本発明における金色ペーストを分散させる水性インキ用ビヒクルは特に限定されるものではない。
水性インキ用ビヒクルとして、ウレタン系水性インキ用ビヒクルやアクリル系水性インキ用ビヒクルを例示する。
また、本発明における金色ペーストは分散性に優れるので、アクリル系水性インキ用ビヒクルに分散させてもゲル化を起こさず、また、1カ月以上という長期に亘って片状黄銅粉末層とビヒクル層とを混合することが可能な状態で貯蔵することができる。
本発明における水性インキ用金色ペーストは所望の重量比で水性インキ用ビヒクルと混合できるが、金色ペースト:ビヒクルの比は3:7~5:5が好ましい。
本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌して水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した水性金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能であった。また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例2)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値17のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例3)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値13のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(三洋化成工業株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例4)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)15重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例5)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)45重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例6)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径6μmの片状黄銅粉末(銅90重量%、亜鉛10重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例7)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を10重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径2μmの片状黄銅粉末(銅90重量%、亜鉛10重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例8)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を3重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径12μmの片状黄銅粉末(銅90重量%、亜鉛10重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例9)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を0.5重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径20μmの片状黄銅粉末(銅90重量%、亜鉛10重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例10)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)3重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(実施例11)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)10重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、分離した後も混合が可能で、また、2カ月後の金色インキでグラビア印刷を行うと、インキ作製直後に近い良好な金属光沢を呈する金色の印刷物になることが確認できた。
(比較例1)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値12のイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(日本エマルジョン株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になったが、作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、インキの表面が完全に硬化して混合できず、印刷に使用することができなくなった。
(比較例2)
プロピレングリコール(関東化学株式会社製)30重量部に、HLB値18のポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製)を7重量部添加混合した後、水性ワックスエマルションの水溶液(商品名:AQUATIX(登録商標)8421、BYK社製)7重量部を加えミキサーで十分混合して金色ペースト用溶液を得た。
得られた溶液に平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部を加え、ミキサーで10分間混合し金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視にて観察した結果、金色を呈する印刷物になったが、印刷塗膜の金属光沢は悪かった。
また、作製した金色インキを25℃で2ヶ月間保管したところ、ゲル化を起こすことなく、片状黄銅粉末層とビヒクル層に分離した後も混合が可能であったがインキ作製直後と同様に、グラビア印刷後の印刷塗膜の金属光沢は悪かった。
(比較例3)
平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部に対し、HLB値16のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(日本エマルジョン株式会社製)を5.5重量部とイソプロピルアルコール(関東化学株式会社製)5.5重量部を添加混合し、ミキサーで十分混合して金色ペーストを作製した。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、目視で観察した結果、インキ作製直後は有機溶剤系金色インキと同等の金属光沢を呈する金色の印刷物になったが、作製した金色インキを25℃で1日保管したところインキ表面に膜ができ、その後、25℃で1週間保管することでゲル化を起こして印刷ができなくなった。
(比較例4)
平均粒子径9μmの片状黄銅粉末(銅75重量%、亜鉛25重量%)100重量部に対し、HLB値11のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(三洋化成工業株式会社製)を2重量部添加混合し、ミキサーで十分混合して金色ペーストを得た。
アクリル系水性インキ用ビヒクル60重量部に得られた金色ペースト40重量部を混合、攪拌し、水性金色インキを作製した後、グラビア印刷を行い、印刷物を目視で観察した結果、金色インキ作製直後は金色の印刷物を印刷することができたが、作製した金色インキを25℃で1日保管したところインキ表面に膜ができ、その後、25℃で1週間保管することでゲル化を起こし、印刷ができなくなった。
実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
表中、インキ作製直後の「光沢」の欄は、印刷物が有機溶剤系の金色インキと同等の金属光沢を呈したものを◎、有機溶剤系の金色インキよりも金属光沢がわずかに劣るものを〇、非常に劣るものを×として表した。
また、経時変化については、「状態」の欄において、2カ月後にゲル化がみられず片状黄銅粉末層とビヒクル層とが混合可能であったものについては○、インキ表面が硬化したり、ゲル化したりしたものを×として表した。「光沢」の欄は印刷直後の金属光沢と同等の金属光沢を呈したものには〇、金属光沢が悪いものには×、印刷できなくなったものには「不可」と表した。
本発明における金色ペーストはアクリル系水性インキ用ビヒクルに対しても良好な分散性を示して、ゲル化を起こさず、また、2カ月後であっても片状黄銅粉末層とビヒクル層を混合させることが可能で、印刷後も良好な金属光沢を呈する水性金色インキを作製できることが証明された。
本発明は水性インキ用ビヒクルに分散させて水性金色インキを作製できる金色ペーストであって、アクリル系水性インキ用ビヒクルに対しても良好な分散性を示してゲル化を引き起こさず、また、1カ月以上の長期に亘って、片状黄銅粉末層とビヒクル層との混合が可能であるという貯蔵安定性に優れる水性金色インキを作製できる金色ペーストである。
また、本発明における金色ペーストを分散してなる水性金色インキを使用して印刷した印刷物は、従来の有機溶剤系の金色インキと同等の優れた金属光沢を呈する印刷物になりインキ作製直後はもちろんのこと、貯蔵後であっても水性金色インキの印刷塗膜は金属光沢に優れる金色を呈し、グラビア印刷やフレキソ印刷等の高精細印刷にも好適に使用できる水性金色インキを作製できる金色ペーストである。
しかも、水性インキ用ビヒクルを使用しているので、安全性が高く、また、環境負荷の低い水性金色インキを作製することができる。
したがって、本発明は産業上の利用可能性の高い発明である。

Claims (5)

  1. 水性インキ用金色ペーストであって、前記金色ペーストは、表面が脂肪酸で被覆された片状黄銅粉末100重量部に対し、HLB値が13~17である非イオン界面活性剤0.5重量部以上、かつ、10重量部以下と、グリコール類15重量部以上、かつ、45重量部以下と、水性ワックスエマルション水溶液3重量部以上、かつ、10重量部以下とを含有してなる水性インキ用金色ペースト。
  2. 前記片状黄銅粉末粒子の平均粒子径が2μm以上、かつ、20μm以下である請求項1記載の水性インキ用金色ペースト。
  3. 請求項1又は2記載の金色ペーストを水性インキ用ビヒクルに分散させてなる水性金色インキ。
  4. 前記水性インキ用ビヒクルがアクリル系水性インキ用ビヒクルである請求項3記載の水性金色インキ。
  5. 請求項1又は2記載の水性インキ用金色ペーストの製造方法。
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