JP7709028B2 - タイヤの検査装置及び検査方法、識別モデルの生成方法及び生成装置、並びにプログラム - Google Patents

タイヤの検査装置及び検査方法、識別モデルの生成方法及び生成装置、並びにプログラム

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Description

本開示は、タイヤの検査装置及び検査方法、識別モデルの生成方法及び生成装置、並びにプログラムに関する。
下記特許文献1には、シェアログラフィによってタイヤ内部の欠陥を検出するための装置が開示されている。シェアログラフィでは、タイヤ表面にレーザ光が照射され、タイヤ表面からの反射光の干渉によって形成されるスペックル画像がカメラで取得される。温度や圧力が異なる2つの状態において撮像された2つスペックル画像に画像減算処理がなされ、スペックル画像の差が測定結果として取得される。
例えば、特許文献1において、タイヤは圧力チャンバ内に配置される。チャンバ内が減圧されると、タイヤ表面が変形する。タイヤのゴム部に気泡などの欠陥が存在すると、気泡が膨張し、タイヤ表面が局所的に膨出する。チャンバの減圧前に撮像されたスペックル画像と、減圧後に撮像されたスペックル画像とに画像減算処理がなされる。そうすると、減圧に起因するタイヤ表面の変化(局所的な膨出)が表れた測定画像(以下「シェアログラフィ画像」と称する)が得られる。このシェアログラフィ画像では、膨出部分に干渉縞が表れる。
特表2009-531690号公報
シェアログラフィ画像において、タイヤ内部の欠陥は縞模様として表れる。縞模様の大きさ(タイヤ表面に表れる膨出の大きさ)と実際の欠陥の大きさとには相関関係がある。しかしながら、縞模様の大きさはタイヤの剛性にも依存する。例えば、ゴム部の剛性が高い場合、実際の欠陥(例えば、気泡)が大きくても、タイヤ表面の局所的な膨出は小さくなり、シェアログラフィ画像に表れる縞模様も小さくなる。そのため、縞模様の大きさだけで精度の高い欠陥判定を行うことは困難である。
(1)本開示で提案するタイヤ検査装置の記憶手段には、識別モデルが格納されている。前記識別モデルは、シェアログラフィによって取得したタイヤの画像であるシェアログラフィ画像において前記タイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成されたモデルである。前記タイヤ検査装置は、シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段と、前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを前記識別モデルに入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する欠陥判定手段とを有している。
タイヤの材料はタイヤの剛性に影響する。(1)のタイヤ検査装置では、検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報も識別モデルに入力される。そのため、検査対象タイヤにおける欠陥の有無を高い精度で検出できるようになる。
(2)前記タイヤはクラウン部とサイドウォール部とを含んでいる。(1)に記載されるタイヤ検査装置において、前記識別モデルを生成するための前記データセットは、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とに加えて、前記欠陥領域を含む前記タイヤの部位を表す部位情報を含んでよい。前記欠陥判定手段は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部と、前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報と、前記シェアログラフィ画像の前記一部を含む、前記検査対象タイヤの部位を表す部位情報とを前記識別モデルに入力してよい。
クラウン部とサイドウォール部とでは構造が相違するため、この2つの部位では剛性や発生する欠陥の形態が異なる可能性がある。(2)のタイヤ検査装置によると、識別モデルに入力するデータに部位情報が含まれるので、欠陥検出の精度を向上できる。
(3)(1)に記載のタイヤ検査装置は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像から、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を含む領域の候補である欠陥領域候補の画像を抽出する欠陥領域候補抽出手段をさらに含んでよい。前記欠陥判定手段は、前記欠陥領域候補の画像を前記識別モデルに入力し、前記欠陥領域候補に欠陥が表れているか否かを判定してよい。これによると、欠陥の検出精度をさらに向上できる。
(4)(3)に記載のタイヤ検査装置において、前記欠陥領域候補抽出手段は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像において予め登録したパターンを探索し、探索によって見つかったパターンを含む領域を前記欠陥領域候補として抽出してよい。
(5)本開示で提案するタイヤ検査方法は、シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得ステップと、前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップとを含む。また、識別モデルは、シェアログラフィ画像においてタイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成されたモデルである。前記タイヤ検査方法は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と、前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを前記識別モデルに入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する欠陥判定ステップを含む。
タイヤの材料はタイヤの剛性に影響する。(5)タイヤの検査方法では、検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報も識別モデルに入力される。そのため、検査対象タイヤにおける欠陥の有無を高い精度で検出できるようになる。
(6)本開示で提案するプログラムは、シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段、及び前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段としてコンピュータを機能させる。また、前記プログラムは、前記コンピュータを欠陥判定手段としても機能させる。前記欠陥判定手段は、シェアログラフィ画像においてタイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成された識別モデルに、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と、前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する。
(7)本開示で提案する識別モデルの生成方法は、シェアログラフィによって取得したタイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得ステップと、前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記シェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出ステップと、前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップと、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成ステップとを含む。(7)の方法では、タイヤの材料に関係するタイヤ情報も識別モデルの生成に利用される。そのため、この識別モデルを利用する検査によると、検査対象タイヤにおける欠陥の有無を高い精度で検出できるようになる。
(8)前記タイヤはクラウン部とサイドウォール部とを含んでいる。前記データセットは、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とに加えて、前記欠陥領域を含む前記タイヤの部位を表す部位情報とを含んでよい。クラウン部とサイドウォール部とでは構造が相違するため、この2つの部位では剛性や発生する欠陥の形態が異なる可能性がある。(8)の方法では、識別モデルの生成に、欠陥領域を含むタイヤの部位を表す部位情報も利用される。そのため、この識別モデルを利用する検査によると、欠陥検出の精度をさらに向上できる。
(9)本開示で提案する識別モデルの生成装置は、シェアログラフィによって取得したタイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段と、前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記画像取得ステップで取得したシェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出手段と、前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成手段とを含む。
(10)本開示で提案するプログラムは、シェアログラフィによって取得したタイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段、前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記シェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出手段、前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段、及び、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成手段としてコンピュータを機能させる。
本開示で提案するタイヤ検査装置のハードウェアを示すブロック図である。である。 シェアログラフィ装置の概略を示す図である。 シェアログラフィ装置によって得られる画像の例を示す図である。 タイヤの構造の例を説明する断面図である。 タイヤ検査装置の制御部が有している機能を示すブロック図である。 制御部が実行する処理(欠陥領域抽出部)を説明するための図である。 識別モデルを生成するために制御部が実行する処理の例を示す図である。 タイヤの欠陥を検出するために制御部が実行する処理の例を説明する。
以下、本開示で提案するタイヤの検査装置及び検査方法、並びに、識別モデルの生成方法及び生成装置について説明する。
図1は本開示で提案するタイヤ検査装置10のハードウェアを示すブロック図である。図1で示すように、タイヤ検査装置10は、制御部11、表示部13、入力部14、シェアログラフィ装置15、及び減圧器17を有している。タイヤ検査装置10が有している制御部11等の要素は、タイヤ検査装置10としてだけでなく、タイヤ検査装置10が利用する識別モデルの生成装置としても機能する。
図1で示すように、シェアログラフィ装置15はレーザ照射部15A、干渉計15B、及び受光部15Cを有している。図2及び図3はシェアログラフィ法を説明するための図である。図2はシェアログラフィ装置の概略を示し、図3はシェアログラフィ装置によって得られる画像の例を示している。
レーザ照射部15Aはレーザダイオードを含み、タイヤ90の表面Sにレーザ光を照射する。照射されたレーザ光はタイヤ90の表面で反射し、図2で示すように干渉計15Bに入射する。干渉計15Bとしては、例えばマイケルソン干渉計を利用できる。図2において、符号15aはハーフミラーであり、符号15b・15cはミラーである。干渉計15Bは、マイケルソン干渉計とは異なる種類の干渉計であってもよい。符号15Cは受光部である。受光部15Cは、CCDやCOMSイメージセンサを含んでいる。受光部15Cで撮像された画像が制御部11に供給される。
タイヤ90の表面Sで反射し干渉計15Bに入射したレーザ光は、2つの光路L1・L2を通った後に再び合わさって象面(受光部15C)に達する。図2の例では、光路L1はハーフミラー15aで反射し、一方のミラー15bで反射する光の経路であり、光路L2はハーフミラー15aを透過し、他方のミラー15cで反射した光の経路である。2つの光路L1・L2を通過したレーザ光は受光部15C(象面)において干渉する。タイヤ90の表面Sは微視的には粗面であり、干渉計15Bで生じる光路差はタイヤ90の表面Sの凹凸に起因して不規則に変化する。そのため、受光部15Cでは斑点模様が表れたスペックル画像が撮像される。
タイヤ90はチャンバ内に配置されている。例えば、チャンバ内を大気圧に保っている状態で、タイヤ90の表面Sのスペックル画像を撮像する。その後、減圧器17はチャンバ内を減圧する。タイヤ90の内部に気泡(図2において実線P1)などの欠陥が生じていると、チャンバ内の減圧に起因して気泡P1が膨張し(図2において破線P1を参照)、タイヤ90の表面Sが局所的に膨出する(図2の破線Sを参照)。そして、そのような膨出が生じたあとに、この表面Sのスペックル画像を取得する。そうすると、このスペックル画像にも、減圧前と同様に、斑点模様が表れる。減圧後のスペックル画像に表れている斑点の明暗は、表面Sの局所的な膨出に起因する光路長の変化がレーザ光の波長の整数倍となる位置では、減圧前のスペックル画像と同じとなっている。一方、光路長の変化がレーザ光の波長の半整数倍でとなる位置では、減圧後の斑点の明暗は減圧前の明暗とは反転する。
したがって、減圧前のスペックル画像と減圧後のスペックル画像2つのスペックル画像の差(各画素の画素値の差)を算出し、それを画像にすると、図3で示すように、タイヤ90の表面Sの膨出部分Sdが表れる。本明細書では、スペックル画像の差による画像を「シェアログラフィ画像」と称する。
図4で示すように、タイヤ90は、クラウン部91と、左右のサイドウォール部93とを有している。クラウン部91と、サイドウォール部93には、ゴム部90aが形成されている。ゴム部90aの表面(クラウン部91の表面)にはトレッドが形成されている。タイヤ90は、ゴム部90aの内部に、ベルト94や、カーカス95、及びフィニッシング部材96などを有している。カーカス95は、タイヤ90の左側のサイドウォール部93から右側のサイドウォール部93まで形成されている。ベルト94はクラウン部91の内側に配置され、カーカス95の中央部を覆っている。フィニッシング部材96は、サイドウォール部93の縁部に配置され、ビード97を覆っている。ベルト94、カーカス95、及びフィニッシング部材96は金属によって形成されている。クラウン部91には、ベルト94とカーカス95の中央部とが位置している。サイドウォール部93にはカーカス95及びフィニッシング部材96が位置している。
シェアログラフィ装置15によってタイヤ90の全体のシェアログラフィ画像が得られるように、タイヤ90はこれを周方向に回転させる支持装置(不図示)によって支持される。支持装置は、機械学習用のシェアログラフィ画像(教師データ)の生成時、及びタイヤ90の検査時に、タイヤ90を所定速度で回転させる。受光部15Cは、タイヤ90の回転速度に応じた頻度で連続的にタイヤ90の表面のスペックル画像を撮像し、タイヤ90の一周分の画像データを出力する。また、タイヤ90のクラウン部91、及びサイドウォール部93のシェアログラフィ画像が得られるように、シェアログラフィ装置15は、タイヤ90に対して、タイヤ90の軸線に沿った方向で相対移動可能であってよい。
制御部11(図2参照)は、CPU(Central Processing Unit)や、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置を有している。また、制御部11は記憶部12を有している。記憶部12は、RAM(Random access memory)や、ROM(Read only memory)などを有している。記憶部12は、SSD(Solid State Drive)や、HDD(hard disk drive)など読み取り及び書き込みの双方が可能な記憶装置を含んでいてよい。記憶部12には、CPUなどの演算装置において実行されるプログラムや、シェアログラフィ装置15によって撮像された画像データ、後述する処理によって生成された識別モデルなどが格納される。
表示部13は液晶ディスプレイ等の表示装置であり、制御部11の指示に従って各種の画像を表示する。
入力部14はキーボードやマウスなどといったユーザインタフェースであり、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号を制御部11に入力する。
[制御部で行われる処理]
以下において、制御部11の機能について説明する。図5は、制御部11が有している機能を示すブロック図である。制御部11は、その機能として、シェアログラフィ画像取得部11a、タイヤ情報取得部11b、教師データ生成部11e、モデル生成部11j、欠陥領域候補抽出部11u、及び欠陥判定部11vを有している。これらの機能は、記憶部12に格納されているプログラムを制御部11が実行することによって実現される。また、制御部11は、識別モデルMを有している。識別モデルMは記憶部12に格納される。
シェアログラフィ画像取得部11a、タイヤ情報取得部11b、教師データ生成部11e、及びモデル生成部11jによって、識別モデルMが生成(学習)される。また、シェアログラフィ画像取得部11a、タイヤ情報取得部11b、欠陥領域候補抽出部11u、及び欠陥判定部11vによって、識別モデルMを利用する、タイヤ90の内部についての検査が実行される。
制御部11は、複数のパーソナルコンピュータで構成されてよい。これとは異なり、制御部11は、1又は複数のパーソナルコンピュータ、及び1又は複数のサーバーコンピュータで構成されてよい。この場合、制御部11が有している一部の機能(例えば、欠陥領域候補抽出部11uや欠陥判定部11v)は、パーソナルコンピュータで実行され、制御部11が有している別の機能(例えば、モデル生成部11j)は、他のパーソナルコンピュータ又はサーバーコンピュータで実行されてよい。
[シェアログラフィ画像取得部]
シェアログラフィ画像取得部11aは、受光部15Cで撮像したスペックル画像から算出されたシェアログラフィ画像(図3)を取得する。シェアログラフィ画像取得部11aは、クラウン部91とサイドウォール部93のそれぞれについてシェアログラフィ画像を取得する。また、シェアログラフィ画像取得部11aは、識別モデルMの学習時(生成時)においては、材料組成の異なる複数のタイヤ90についてシェアログラフィ画像を取得する。これによって、タイヤの材料組成、言い換えれば、タイヤの剛性を欠陥判定の要素に含む識別モデルMを生成できる。
シェアログラフィ画像取得部11aは、他の画像処理装置で生成され記憶部12に格納されているシェアログラフィ画像を取得してもよい。これとは異なり、シェアログラフィ画像取得部11aは、上述した2つのスペックル画像(チャンバ内の減圧の前後でのスペックル画像)を受光部15Cから取得し、そのスペックル画像の差分からシェアログラフィ画像を生成してもよい。
シェアログラフィ画像取得部11aは、タイヤ90の検査時においては、タイヤ90の1周分のシェアログラフィ画像を取得する。一方、シェアログラフィ画像取得部11aは、識別モデルMの学習時(生成時)においては、学習用のタイヤ90のシェアログラフィ画像(教師データを生成するための画像)を取得する。この場合のシェアログラフィ画像は、必ずしもタイヤ90の1周分でなくてもよい。
[タイヤ情報取得部]
タイヤ情報取得部11bは、タイヤ90の材料に関係するタイヤ情報を取得する。タイヤ情報は、より具体的には、タイヤ90のゴム部90aの材料を特定する情報である。タイヤ情報は、タイヤ90のゴム部90aの材料を直接的に特定する情報であってよい。例えば、タイヤ情報は、天然ゴム及び合成ゴムの質量割合や、1又は複数の配合剤(カーボンや、シリカ、オイル)のそれぞれの質量割合であってよい。また、タイヤ情報は、ゴム部90aの材料を間接的に特定する情報であってよい。例えば、タイヤ90の種類を特定する型番と、ゴム部90aの材料とが一対一で対応している場合、タイヤ情報として型番が利用されてもよい。
[識別モデルを生成する処理]
シェアログラフィ画像を利用して、識別モデルMを生成(学習)するための処理について説明する。図5で示す教師データ生成部11eとモデル生成部11jが、識別モデルMを生成するための処理を実行する。図5で示すように、教師データ生成部11eは欠陥領域抽出部11fを有している。この欠陥領域抽出部11fは候補抽出部11gと判定結果受付部11hとを有している。
候補抽出部11gは、ゴム部90aに欠陥が生じている可能性のある領域(Im2、図6参照)を、学習用のシェアログラフィ画像(Im1、図6参照)から抽出する。ゴム部90aの欠陥とは、例えば、ゴム部90a内の気泡P1(図2参照)や、セパレーション(ベルト94などからのゴム部90aの剥がれ)、ゴム部90a内への異物の混入などである。以下では、これらの欠陥を「ゴム部欠陥」と称する。また、このゴム部欠陥が生じている可能性のある領域を「欠陥領域候補」と称する。
候補抽出部11gによる処理は、例えば次のように実行される。図3を参照しながら説明したように、シェアログラフィ画像において、ゴム部90aの欠陥の形状やサイズに応じた模様Sdが表れる。候補抽出部11gは、記憶部12に予め登録されている複数の模様(ゴム部欠陥が表れた模様)のそれぞれをシェアログラフィ画像において探索する。この探索には、例えば、類似度の評価(特徴ベクトルによるマッチング)や、パターンマッチングなどを利用できる。
候補抽出部11gは、類似度を評価する方法として、例えば、シェアログラフィ画像内の一部の領域(評価対象領域と称する)について特徴ベクトル(特徴量)を算出し、その特徴ベクトルと、予め定めている特徴ベクトルとの類似度とを算出する。ここで特徴ベクトルとしては、例えば、模様の空間周波数を利用できる。候補抽出部11gは、この評価対象領域をシェアログラフィ画像の全体に亘って走査し、各評価対象領域について類似度(空間周波数の類似度)を評価してよい。そして、候補抽出部11gは、類似度が閾値よりも大きい評価対象領域を欠陥領域候補として抽出してよい。
また、候補抽出部11gは、パターンマッチングとして、記憶部12に予め登録されている複数の模様(ゴム部欠陥が表れた模様)をシェアログラフィ画像の全体に亘って探索してよい。このとき、記憶部12に登録されている模様との類似度を表す値としては、ユークリッド距離が利用されてよい。そして、登録されている模様にマッチした模様がシェアログラフィ画像に見つかった場合、その見つかった模様の外接矩形が欠陥領域候補として抽出されてよい。
さらに他の方法として、候補抽出部11gは、シェアログラフィ画像の全体に亘って二次元フーリエ変換を行ってもよい。そして、記憶部12に予め登録されている複数の模様(ゴム部欠陥が表れた模様)に対応する周波数とは異なる周波数帯をシェアログラフィ画像からカットしてよい。これによって、ゴム部欠陥が表れている可能性のある部分が表れる。その部分の外接矩形が欠陥領域候補として抽出されてよい。
判定結果受付部11hは、候補抽出部11gによって抽出された欠陥領域候補の画像を表示部13に表示する。そして、判定結果受付部11hは、表示されている画像が実際にゴム部欠陥を表すものか否かについて、作業者の判定結果を受け付ける。作業者は、入力部14を通して、判定結果を入力することができる。記憶部12に複数の欠陥領域候補が格納されている場合、判定結果受付部11hは、複数の欠陥領域候補を表示部13に順番に表示し、各欠陥領域候補について作業者の判定結果を受け付けてよい。
作業者は、欠陥領域候補のサイズに加えて、学習用のタイヤ90の材料組成を考慮しながら、抽出された欠陥領域候補がゴム部欠陥を表すものか否かを判定する。例えば、タイヤ90の材料がゴム部90aの硬さを増す配合剤を多く含んでいる場合、仮に欠陥領域候補のサイズが小さくても、実際にゴム部90aに生じている欠陥は大きい可能性が高い。そこで、このような場合、作業者は、この欠陥領域候補はゴム部欠陥を表すものと判定してよい。反対に、ゴム部90aの硬さを増す配合剤の量が少ない場合、仮に欠陥領域候補のサイズが大きくても、実際にゴム部90aに生じている欠陥は小さい可能性がある。このような場合、作業者は、この欠陥領域候補はゴム部欠陥を表すものでないと判定してよい。
クラウン部とサイドウォール部とでは構造が相違する。例えば、例えば、クラウン部91には、ベルト94が位置しているのに対して、サイドウォール部93にはベルト94は位置していない。そのため、ベルト94からゴム部90aが剥がれる欠陥はクラウン部91だけに表れる。作業者は、欠陥領域候補に表れている模様の形状や、部位を加味しながら、この欠陥領域候補がゴム部欠陥であるか否かを判定してよい。つまり、作業者は、欠陥領域候補のサイズ、学習用のタイヤ90の材料組成に加えて、欠陥領域候補が見つかった部位を考慮しながら、抽出された欠陥領域候補がゴム部欠陥に該当するか否かを判定してよい。
欠陥領域抽出部11fは、入力される判定結果に基づいて、各欠陥領域候補に識別ラベルを付与する。具体的には、ゴム部欠陥が欠陥領域候補に表れている旨の判定結果が入力された場合、欠陥領域抽出部11fは、欠陥領域候補に識別ラベル「欠陥」を付与する。(以下では、ゴム部欠陥が表れていると判定された欠陥領域候補を「欠陥領域」と称する。)そして、欠陥領域抽出部11fは、欠陥領域の画像データと、タイヤ情報取得部11bにおいて取得したタイヤ情報とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(欠陥)とを対応させて記憶部12に格納する。他の例として、欠陥領域抽出部11fは、欠陥領域の画像データと、タイヤ情報と、欠陥領域候補が見つかった部位を示す部位情報(例えば、クラウン部91又はサイドウォール部93)とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(欠陥)とを対応させて記憶部12に格納してよい。
一方、ゴム部欠陥が欠陥領域候補に表れていない旨の判定結果が入力された場合、欠陥領域抽出部11fは識別ラベル「正常」を欠陥領域候補に付与する。(以下では、ゴム部欠陥が表れていないと判定された欠陥領域候補を「正常領域」と称する。)この場合も、欠陥領域抽出部11fは、欠陥領域候補(ここでは正常領域)の画像データと、タイヤ情報取得部11bにおいて取得したタイヤ情報とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納する。他の例として、欠陥領域抽出部11fは、欠陥領域候補(ここでは正常領域)の画像データと、タイヤ情報と、欠陥領域候補が見つかった部位を示す部位情報(例えば、クラウン部91又はサイドウォール部93)とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納してよい。
教師データ生成部11eは、図5で示すように、正常領域抽出部11iを有してもよい。正常領域抽出部11iは、例えば、候補抽出部11gの処理において欠陥領域候補として抽出されなかった領域の一部を、正常領域として抽出する。正常領域抽出部11iは、正常領域として抽出した画像に識別ラベル「正常」を付与する。正常領域抽出部11iは、正常領域の画像データと、タイヤ情報取得部11bにおいて取得したタイヤ情報とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納する。他の例では、正常領域抽出部11iは、正常領域の画像データと、タイヤ情報と、欠陥領域候補が見つかった部位を示す部位情報(例えば、クラウン部91又はサイドウォール部93)とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納してよい。
正常領域の抽出処理は、例えば次のように行うことができる。正常領域抽出部11iは、所定の画素数及び所定のアスペクト比を有する画像を、シェアログラフィ画像からランダムに抽出する。そして、ランダムに抽出された画像が、欠陥領域候補として抽出された画像と重複する部分を有していない場合に、正常領域抽出部11iは、この抽出された画像を正常領域としてよい。ここで、所定の画素数と所定のアスペクト比は、例えば、欠陥領域候補の画素数の平均とアスペクト比の平均であってよい。
教師データ生成部11eは、上述した処理によって得られた複数の欠陥領域の画像データのそれぞれを、所定の画素数と所定のアスペクト比とを有する画像データに変換する。(以下では、この画素数を「モデル入力画素数」と称し、このアスペクト比を「モデル入力アスペクト比」と称する。)また、教師データ生成部11eは、上述した処理によって得られた複数の正常領域の画像データを、モデル入力画素数とモデル入力アスペクト比とに変換する。つまり、教師データ生成部11eは、教師データの次元を統一する。
モデル生成部11jは、欠陥領域の画像データを含むデータセットを教師データとして学習前の識別モデルに入力する。こうすることで、モデル生成部11jは、タイヤ90の内部構造の欠陥を検出するための識別モデルMを生成する。モデル生成部11jは、欠陥領域の画像データを含むデータセットに加えて、正常領域の画像データを含むデータセットを教師データとして学習前の識別モデルに入力してもよい。
識別モデルMとしては、例えば、ニューラルネットワークが利用されてよい。識別モデルMとして、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)が利用されてもよい。これとは異なり、サポートベクタマシン(SVM)や、ランダムフォレストなどが、識別モデルMとして利用されてよい。
[タイヤ検査のための処理]
検査対象タイヤのシェアログラフィ画像を利用して、タイヤの検査を実行するための処理について説明する。欠陥領域候補抽出部11uと欠陥判定部11vが、検査のための処理を実行する。
欠陥領域候補抽出部11uは、シェアログラフィ画像取得部11aによって取得された、検査対象であるタイヤ90の画像データから、欠陥領域候補(Im2、図6参照)を抽出する。欠陥領域候補抽出部11uの処理は、例えば、上述した教師データ生成部11eの候補抽出部11gの処理と同じであってよい。すなわち、欠陥領域候補抽出部11uは、記憶部12に予め登録されている複数の模様のそれぞれをシェアログラフィ画像において探索する。
欠陥判定部11vは、欠陥領域候補抽出部11uによって抽出された欠陥領域候補の画像データを識別モデルMに入力し、検査対象であるタイヤ90の内部の欠陥を検出する。例えば、欠陥判定部11vは、欠陥領域候補の画像データを識別モデルMに入力し、この欠陥領域候補を複数のクラスのいずれかに分類する。ここで、複数のクラスは、例えば、欠陥領域候補にゴム部欠陥が表れているクラス(識別ラベル「欠陥」が付与されたクラス)、又は欠陥領域候補にゴム部欠陥が表れていないクラス(識別ラベル「正常」が付与されたクラス)である。欠陥判定部11vのこの処理により、検査対象であるタイヤ90の内部構造の欠陥を検出できる。欠陥判定部11vの出力は、例えば、欠陥領域候補が各クラスに該当する確率である。或いは、欠陥判定部11vの出力は、欠陥領域候補が該当する確率が最も高いクラスの識別ラベルであってもよい。
欠陥判定部11vは、その判定結果(識別モデルMからの戻り値)を、識別モデルMに入力した欠陥領域候補の画像と、欠陥領域候補が見つかった部位(クラウン部91又はサイドウォール部93)を表す部位情報とともに、表示部13に表示したり、それらを記憶部12に格納してよい。1つのタイヤ90について複数の欠陥領域候補が見つかっている場合、欠陥判定部11vは、複数の欠陥領域候補の全てを識別モデルMに順番に入力し、その出力のそれぞれを表示部13に表示したり、記憶部12に格納してよい。欠陥判定部11vは、複数の欠陥領域候補のなかに「欠陥」クラスに分類された候補がある場合には、そのタイヤ90を欠陥として判定してよい。
これとは異なり、識別モデルMは、微小な欠陥(許容されるべき欠陥)も「欠陥」と判定するように生成されてよい。その場合、そのような微小な欠陥の数がタイヤ90の部位(クラウン部91及びサイドウォール部93)のそれぞれに設定された閾値を超えた場合に、その部位が欠陥であると判定してよい。例えば、クラウン部91のシェアログラフィ画像から見つかった欠陥領域の数が閾値より大きい場合、欠陥判定部11vはクラウン部91に欠陥があると判定してよい。反対に、サイドウォール部93のシェアログラフィ画像から見つかった欠陥領域の数が閾値より大きい場合、欠陥判定部11vはサイドウォール部93に欠陥があると判定してよい。
[識別モデルを生成する処理の流れ]
図7は、識別モデルMを生成するために制御部11が実行する処理の例を示す図である。制御部11は、図7で示す処理を、材料組成が異なる複数のタイヤ90について実行し、これら複数のタイヤ90から得られるデータを利用して1つの識別モデルMを生成する。
制御部11はシェアログラフィ画像を取得し、タイヤの材料を特定するタイヤ情報を取得する(S101)。この処理は、上述したシェアログラフィ画像取得部11a、及びタイヤ情報取得部11bによって実行される処理である。
次に、教師データ生成部11eが、シェアログラフィ画像とタイヤ情報とを利用して教師データを生成する。具体的には、候補抽出部11gが、ゴム部欠陥を生じている可能性のある領域(欠陥領域候補)を、S101において取得したシェアログラフィ画像から抽出する(S102)。判定結果受付部11hは、抽出された欠陥領域候補を表示部13に表示する。そして、判定結果受付部11hは、表示されている欠陥領域候補がゴム部欠陥を含んでいるか否かについての作業者の判定結果を受け付け、判定結果に応じた識別ラベル(欠陥又は正常)を欠陥領域候補に付与する(S103)。
欠陥領域抽出部11fは、抽出した画像データを含むデータセットと、識別ラベル(正常又は欠陥)とを対応させて、これらを記憶部12に格納する(S104)。より具体的には、欠陥領域抽出部11fは、識別ラベル「欠陥」が付与された画像データ(欠陥領域)については、この画像データと、S101で取得したタイヤ情報と、この画像データの領域が見つかった部位を示す部位情報を1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(欠陥)とを対応させて記憶部12に格納する。また、識別ラベル「正常」が付与された画像データ(正常領域)については、この画像データと、S101で取得したタイヤ情報と、この画像データの領域が見つかった部位を示す部位情報を1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納する。
正常領域抽出部11iは、S102において欠陥領域候補として抽出(選択)されなかった領域の一部を、シェアログラフィ画像から正常領域として抽出する(S105)。正常領域抽出部11iは、その正常領域の画像データと、タイヤ情報と、部位情報とを1つのデータセットとし、このデータセットと識別ラベル(正常)とを対応させて記憶部12に格納する(S106)。
次に、教師データ生成部11eは、S104及びS106の処理によって、所定数のデータセットが複数のクラスのそれぞれについて準備されたか否かを判定する(S107)。ここで複数のクラスは、例えば、ゴム部欠陥を含むクラス(識別ラベル「欠陥」が付与されたクラス)、及びゴム部欠陥を含まないクラス(識別ラベル「正常」が付与されたクラス)である。所定数とは、識別モデルMを生成するのに必要と認められる数である。各部位(クラウン部91及びサイドウォール部93)についてデータセットの数が所定数に達していない場合、教師データ生成部11eは、S102の処理に戻り、以降の処理を実行する。
教師データ生成部11eは、記憶部12に格納されている各画像データ(欠陥領域及び正常領域)の画素数とアスペクト比を、上述したモデル入力画素数とモデル入力アスペクト比にそれぞれ変換する(S108)。
モデル生成部11jは、S104及びS106において記憶部12に格納されたデータセットを未だ学習が終了していない識別モデルMに入力し、ゴム部欠陥を検出するための識別モデルMを生成(学習)する(S109)。以上が、識別モデルMを生成するために制御部11が実行する処理の例である。
なお、教師データ生成部11eが行う処理は、図7で示す例に限られない。例えば、制御部11は、S105において正常領域を抽出したり、S106において正常領域の画像データを含むデータセットを記憶部12に格納したりしなくてもよい。また、制御部11は、S104において欠陥領域の画像データを含むデータセットだけを記憶部12に格納し、S109において欠陥領域の画像データを含むデータセットだけを識別モデルに入力し、識別モデルを生成(学習)してもよい。この場合、識別モデルMとしては、ニューラルネットワークや、畳み込みニューラルネットワークが利用されてよい。タイヤの検査工程においては、識別モデルMに入力したデータセットが「欠陥」に該当する確率が出力されてよい。
[タイヤを検査する処理の流れ]
次に、図8を参照しながら、タイヤのゴム部欠陥を検出するために制御部11が実行する処理の例を説明する。
制御部11はシェアログラフィ画像を取得し、タイヤの材料を特定するタイヤ情報を取得する(S201)。この処理は、上述したシェアログラフィ画像取得部11a、及びタイヤ情報取得部11bによって実行される処理である。
欠陥領域候補抽出部11uは、ゴム部欠陥が生じている可能性のある領域(欠陥領域候補)を、S201において取得したシェアログラフィ画像から抽出する(S202)。S202では、欠陥領域候補抽出部11uは、シェアログラフィ画像から全ての欠陥領域候補を抽出する。また、欠陥領域候補抽出部11uは、抽出した欠陥領域候補の画素数とアスペクト比とをモデル入力画素数及びモデル入力アスペクト比に変換する(S203)。
欠陥判定部11vは、欠陥領域候補の画像データと、S101において取得したタイヤ情報と、欠陥領域候補が見つかった部位を示す部位情報とを一つのデータセットとして識別モデルに入力する(S204)。そして、欠陥判定部11vは欠陥領域候補を複数のクラスに分類する(S205)。複数のクラスは、例えば、ゴム部欠陥を含むクラス(識別ラベル「欠陥」が付与されたクラス)、又はゴム部欠陥を含まないクラス(識別ラベル「正常」が付与されたクラス)である。欠陥判定部11vは、未だ分類していない欠陥領域候補が残っているか否かを判定する(S206)。未だ分類していない欠陥領域候補が残っている場合、欠陥判定部11vは、S204に戻り、未分類の欠陥領域候補について以降の処理を実行する。
S206において、シェアログラフィ画像から抽出された全ての欠陥領域候補の分類が終了したと判定された場合、制御部11はその処理を終了する。すなわち、制御部11はタイヤ90の内部構造の検査を終了する。
[まとめ]
タイヤ検査装置10の記憶部12には、識別モデルMが格納されている。識別モデルMは、シェアログラフィ画像における欠陥領域の画像と、タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成されたモデルである。タイヤ検査装置10は、検査対象タイヤ90のシェアログラフィ画像を取得するシェアログラフィ画像取得部11aと、検査対象タイヤ90の材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得部11bと、検査対象タイヤ90のシェアログラフィ画像における欠陥領域候補の画像データと検査対象タイヤ90のタイヤ情報とを識別モデルMに入力し、検査対象タイヤ90の内部(ゴム部90a)の欠陥を検出する欠陥判定部11bとを有している。タイヤの材料はタイヤの剛性に影響する。上述したタイヤ検査装置10では、検査対象タイヤ90の材料に関係するタイヤ情報も識別モデルMに入力されるため、検査対象タイヤ90における欠陥の有無を高い精度で検出できるようになる。
識別モデルMは、欠陥領域の画像とタイヤ情報とに加えて、欠陥領域を含むタイヤの部位を表す部位情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成されている。欠陥判定部11vは、検査対象タイヤ90のシェアログラフィ画像から抽出した欠陥領域候補の画像データと、検査対象タイヤ90のタイヤ情報と、欠陥領域候補を含む検査対象タイヤ90の部位を表す部位情報とを識別モデルMに入力する。タイヤのクラウン部とサイドウォール部とでは構造が相違するため、この2つの部位では剛性や発生する欠陥の形態が異なる可能性がある。タイヤ検査装置10による検査では、識別モデルMに入力するデータに部位情報が含まれるので、欠陥検出の精度を向上できる。
本開示で提案する識別モデルMの生成方法では、タイヤのシェアログラフィ画像が取得され、タイヤ内部の欠陥領域の画像がシェアログラフィ画像から抽出され、タイヤの材料に関係するタイヤ情報が取得され、欠陥領域の画像とタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、識別モデルが生成される。この方法では、識別モデルの生成に、タイヤの材料に関係するタイヤ情報も利用される。そのため、この識別モデルを利用する検査によると、検査対象タイヤにおける欠陥の有無を高い精度で検出できるようになる。また、識別モデルMの生成方法では、識別モデルに入力されるデータセットは、欠陥領域の画像とタイヤ情報とに加えて、欠陥領域を含むタイヤの部位を表す部位情報を含んでいる。この識別モデルMを利用する検査によると、欠陥検出の精度をさらに向上できる。
[その他]
本開示で提案する上述したタイヤ検査装置10等に限られない。
例えば、モデル生成部11jは、クラウン部91のゴム部欠陥を検出するための識別モデルと、サイドウォール部93のゴム部欠陥を検出するための識別モデルとを別個に生成してもよい。この場合、タイヤの検査工程においては、クラウン部91のシェアログラフィ画像から抽出された欠陥領域候補は、クラウン部91用の識別モデルに入力されてよい。また、サイドウォール部93のシェアログラフィ画像から抽出された欠陥領域候補は、サイドウォール部93用の識別モデルに入力されてよい。
さらに他の例では、制御部11(教師データ生成部11e)は、正常領域抽出部11iを有していなくてもよい。
以上の説明では、シェアログラフィ画像の一部(欠陥領域候補)が抽出され、この欠陥領域候補を利用して識別モデルMが生成されていた。また、タイヤの検査時においても、シェアログラフィ画像の一部(欠陥領域候補)が抽出され、この欠陥領域候補が識別モデルMに入力されて、タイヤの欠陥が検出されていた。これとは異なり、このような欠陥候補領域が抽出されることなく、シェアログラフィ画像の全体が学習前の識別モデルMに入力され、識別モデルMが生成されてもよい。また、タイヤの検査時においても、シェアログラフィ画像の全体が識別モデルMに入力されて、タイヤの欠陥が判定されてもよい。
10:タイヤ検査装置、11:制御部、11a:シェアログラフィ画像取得部、11b:タイヤ情報取得部、11e:教師データ生成部、11f:欠陥領域抽出部、11g:候補抽出部、11h:判定結果受付部、11i:正常領域抽出部、11j:モデル生成部、11u:欠陥領域候補抽出部、11v:欠陥判定部、12:記憶部、13:表示部、14:入力部、15:シェアログラフィ装置、15A:レーザ照射部、15B:干渉計、15C:受光部、15a:ハーフミラー、15b・15c:ミラー、17:減圧器、90:タイヤ、90a:ゴム部、91:クラウン部、93:サイドウォール部、94:ベルト、95:カーカス、96:フィニッシング部材、97:ビード、M:識別モデル。

Claims (10)

  1. シェアログラフィによって取得したタイヤの画像であるシェアログラフィ画像において前記タイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを、教師データとする機械学習により生成された識別モデルを記憶している記憶手段と、
    シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段と、
    前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、
    前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを前記識別モデルに入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する欠陥判定手段と
    を有しているタイヤ検査装置。
  2. 前記タイヤの部位にはクラウン部とサイドウォール部とが含まれ、
    前記識別モデルを生成するための前記データセットは、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とに加えて、前記欠陥領域を含む前記タイヤの部位を表す部位情報を含み、
    前記欠陥判定手段は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部と、前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報と、前記シェアログラフィ画像の前記一部を含む前記検査対象タイヤの部位を表す部位情報とを前記識別モデルに入力する
    請求項1に記載されるタイヤ検査装置。
  3. 前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像から、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を含む領域の候補である欠陥領域候補の画像を抽出する欠陥領域候補抽出手段をさらに含み、
    前記欠陥判定手段は、前記欠陥領域候補の画像を前記識別モデルに入力し、前記欠陥領域候補に欠陥が表れているか否かを判定する
    請求項1に記載されるタイヤ検査装置。
  4. 前記欠陥領域候補抽出手段は、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像において予め登録したパターンを探索し、探索によって見つかったパターンを含む領域を前記欠陥領域候補として抽出する請求項3に記載されるタイヤ検査装置。
  5. シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得ステップと、
    前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップと、
    シェアログラフィ画像においてタイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成された識別モデルに、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する欠陥判定ステップと
    を有しているタイヤ検査方法。
  6. シェアログラフィによって取得した検査対象タイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段、
    前記検査対象タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段、及び
    シェアログラフィ画像においてタイヤ内部の欠陥が表れている領域である欠陥領域の画像と、タイヤの材料に関係するタイヤ情報とを含むデータセットを教師データとする機械学習により生成された識別モデルに、前記検査対象タイヤの前記シェアログラフィ画像の一部又は全部と前記検査対象タイヤの前記タイヤ情報とを入力し、前記検査対象タイヤの内部の欠陥を検出する欠陥判定手段
    としてコンピュータを機能させるプログラム。
  7. シェアログラフィによって取得したタイヤの画像であるシェアログラフィ画像を取得する画像取得ステップと、
    前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記シェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出ステップと、
    前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップと、
    前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成ステップと
    を含む識別モデルの生成方法。
  8. 前記タイヤはクラウン部とサイドウォール部とを含み、
    前記データセットは、前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とに加えて、前記欠陥領域を含む前記タイヤの部位を表す部位情報を含む
    請求項7に記載される識別モデルの生成方法。
  9. シェアログラフィによって取得したタイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段と、
    前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記画像取得手段で取得したシェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出手段と、
    前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、
    前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成手段と
    を含む識別モデルの生成装置。
  10. シェアログラフィによって取得したタイヤのシェアログラフィ画像を取得する画像取得手段、
    前記タイヤの内部の欠陥を含む領域である欠陥領域の画像を、前記シェアログラフィ画像から抽出する欠陥領域抽出手段、
    前記タイヤの材料に関係するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段、及び
    前記欠陥領域の画像と前記タイヤ情報とを含むデータセットを教師データとして用いて、検査対象タイヤの内部の欠陥を検出するための識別モデルを生成するモデル生成手段
    としてコンピュータを機能させるプログラム。
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