JP7709699B2 - 施設空間内の環境保全方法 - Google Patents
施設空間内の環境保全方法Info
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Description
しかしながら、一般的には、オゾン発生装置を密閉した室内に設置し、オゾン発生装置を一定時間稼働させるという方法にとどまっているのが実情である。このためオゾン発生による効果検証も充分にされておらず、室内空間の環境保全がどの程度成されたのか、等の確認も果たせていない現状にある。
外部と遮断された適宜の空間を処理対象空間とし、この空間内でオゾンガスを充満させることによって、空間内の菌、ウィルスを除・減菌する方法であって、
この方法は、機材配置割出作業工程と、機材配置作業工程と、処理作業工程と、オゾン回収作業工程とを含み、
まず前記機材配置割出作業工程において、処理対象空間の容積、空間内の設備状況を考慮して、空間内に設置するオゾン発生器、拡散装置、脱臭器を含む各作業機材の必要出力と、それに基づく必要台数、及びそれらの空間内における配置位置、処理出力を決定し、
次いで機材配置作業工程において、前記機材配置割出作業工程における決定に従い、各作業機材を処理対象空間内に設置し、
次いで処理作業工程において、無人環境とした処理対象空間に、前記機材配置割出作業工程における決定に従った処理出力をオゾン発生器、及び拡散装置において必要な時間出力させ、処理対象空間内の少なくともウィルスを除・減菌し、
その後、オゾン回収作業工程において、処理対象空間の無人環境を維持したまま、脱臭器を作動させてオゾンガスを回収するものであり、
更に前記拡散装置には、送風機が適用され、
且つ、前記オゾン発生器は、処理対象空間の隅部に設置され、ここから空間中央部に向けてオゾンガスを噴霧するように設けられ、
なお且つ、前記拡散装置たる送風機は、このオゾン発生器と対峙するように設置され、オゾンガスをオゾン発生器の後方上部に追いやるように、オゾン発生器から噴霧されるオゾンガスに対向して上向きに、送風機の送風が行われるようにしたことを特徴として成るものである。
前記処理対象空間には、オゾン濃度検出装置を設け、前記処理作業工程とオゾン回収作業工程とにおいては、オゾン濃度のデータを採るとともに、これを記録媒体から可視表示できるようにすることを特徴として成るものである。
前記各作業工程における作業は、公的または私的な技術認定機関による研修を受けた作業者が、防護服を着用した状態で行うことを特徴として成るものである。
前記脱臭器は、他の作業機材とは別に独立して設けられ、処理対象空間の中央部に配置されることを特徴として成るものである。
そして、これら各請求項記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また本発明によれば、オゾン発生器と拡散装置(送風機)とが、対峙して対向状態に設置されるため、処理対象空間内にオゾンガスを、より均一に充満させることができ、処理対象空間内をムラなく除菌することができる。すなわち、従来は、オゾン発生器の前方(オゾンガス噴霧口の前方側)に送風機を配置することが多かったが、この場合には、例えばオゾン発生器の後方、より詳細には、オゾン発生器の後方上部のコーナ部にオゾンガスが行き渡りづらく、処理対象空間の隅々までオゾンガスを充満させるのに多大な時間を費やしていたが、本発明では、オゾン発生器と拡散装置(送風機)とを対峙して配置するため、オゾン発生器の後方上部のコーナ部にもオゾンガスを確実に、且つ短時間で行き渡らせることができ、処理対象空間の隅々に渡って、ムラのない均一な除・滅菌処理が行える。
すなわち、オゾンガスは、目に見えないため、例えば所定濃度・所定時間、噴霧処理しても、依頼者にとって除・滅菌効果が、実感としてまた安心感として今一つ感じられない部分がある。この点、本発明では、処理作業中のオゾン濃度を計測し、可視表示できるようにするため、例えば実作業後でも、計測した濃度データを理論値と比較検証することで、より詳細には計測した濃度データが理論上の数値とほぼ同じであり、基準値を満たしてことを確認することで、除・滅菌作業が確実に且つ正確に行われたことを客観的に検証することができる。
なお、本発明によるオゾンガスを利用した除・減菌方法は、第三者機関、具体的には公立大学法人奈良県立医科大学医学部(微生物感染症学講座)及び一般社団法人MBTコンソーシアムによって、新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果が検証されている。従って、本環境保全システムSは、除・滅菌効果において客観的な有効性を充分に有するものであり、除・滅菌作業を依頼した依頼者にとっても、除・滅菌作業及びその効果が充分に信頼できるものである。
まず機材配置割出作業工程について説明する。
機材配置割出作業工程は、処理対象空間Rの容積や、空間内に設けられている設備状況などを考慮して、作業中、空間内に設置するオゾン発生器1、拡散装置2、脱臭器3を含む各作業機材の必要出力と、それに基づく必要台数、及びそれらの空間内における配置位置、処理出力を決定する工程である。なお、この機材配置割出作業工程では、処理対象空間Rの広さや設備Eの大きさを実際に計測する場合もあり得る。
以下、各作業機材の好ましい配置態様について図1・図3に基づき説明する。
オゾン発生器1は、密閉状態の処理対象空間R内においてオゾンガスGを噴霧することにより、処理対象空間R内でオゾンガスGを充満させるものであり、本実施例では、一例として図1に示すように、処理対象空間Rの隅部に一基ずつ、計四基配設される。
これらオゾン発生器1は、例えば図1・図3に示すように、四基ともオゾンガス噴霧口11を空間中央部に向けて載置され、処理対象空間Rの中央部に向かってオゾンガスGを噴霧するように設置される。ここで上記図1に示す処理対象空間Rは、平面視矩形状であるため、オゾン発生器1も四隅に設けたが、平面視矩形状でない処理対象空間Rでは、必ずしも全ての隅部にオゾン発生器1を設けるとは限らない。もちろん、オゾン発生器1の配置場所や数は、処理対象空間Rの大きさや容積などによっても適宜変更し得るものである。
なお、各図面においてオゾンガスGを墨付き矢印で示しており、後述する拡散装置2(送風機21)による送風エアAを通常の矢印(白抜きの矢印)で示している。また、オゾン発生器1を周回するように半長円状で示された破線矢印(ハッチング付き)は、オゾン発生器1から噴霧されたオゾンガスGが時間の経過に伴い、オゾン発生器1の後方側に回り込み、上部隅部まで行き渡る様子を示したものである(図3参照)。
拡散装置2は、オゾン発生器1から噴霧されたオゾンガスGを、処理対象空間R内の隅々にまで均一に且つ短時間で拡散させるものであり、サーキュレータや扇風機などの送風機21が適用される。ここで本実施例では、送風機21として、一例として上記図1に示すように、前記オゾン発生器1に対峙して設けられるオゾン対向送風機21A(ここでは四基)と、処理対象空間Rの中央部に設けられる空間中央部送風機21B(ここでは一基)と、処理対象空間Rの長手方向両端縁付近に設けられる空間縁部送風機21C(ここでは二基一対)とを具えて成る。なお、空間縁部送風機21Cとしては、送風出力の大きい業務用の送風機の適用が可能である。
実質的な除・滅菌処理は、処理対象空間Rの無人環境を維持したまま、この空間内で所定のオゾン濃度を適宜の時間、維持することで行われるものであり、脱臭器3は、この処理対象空間R内に充満させたオゾンガスGを回収し、少なくとも作業者が立ち入ることができるレベルにまで、オゾン濃度を低下させる作用を担うものである。
ここで本実施例における脱臭器3は、一例として上記図1に示すように、空間中央部送風機21Bと同様に、処理対象空間Rの中央部に一基設けられる。
なお、脱臭器3は、他の作業機材、例えばオゾン発生器1等とは別個に設けられるものであり、これにより処理対象空間R内に残存する高濃度のオゾンガスGを短時間で回収することができる。従って、除・滅菌処理中であるために実使用が行えない処理対象空間Rの状態を、より一層、短い時間に抑えることができるものである。具体的には、例えばオフィスや店舗など、日常的な業務を行う空間を処理対象空間Rとした場合には、就業後から翌日の就業開始までの非稼働時間帯を利用して、機材配置から回収作業までを含めた一連の除・滅菌作業を完結させることができ、本来の業務や営業にほとんど支障をきたすことがないものである。
なお、計測した濃度データは、除・滅菌処理を繰り返す都度、蓄積して行くことができ、これにより様々な処理環境に応じた処理条件を構築して行くことができるし、除・滅菌処理作業自体の精度(理論上の精度)を高めて行くこともできる。
因みに、処理対象空間Rに設けるオゾン濃度計は、空間内の複数箇所に設け、種々の部位のオゾン濃度を計測することが好ましい。
従って、実際には一例として図2に示すように、ロッカーや本棚、開き戸式の開閉扉等の設備Eを避けた位置にオゾン発生器1を、ずらして配置することとなる。また、このズラシ量に伴い、空間中央部送風機21Bや脱臭器3の配置も幾らかずらして配置するのが現実的である。
ただし、オゾン発生器1は、処理対象空間Rの隅部、より詳細にはロッカーと壁面で囲われるように形成された入り隅部に設置され、ここから空間中央部に向けてオゾンガスGを噴霧するように設けられる。また、拡散装置2たるオゾン対向送風機21Aは、このオゾン発生器1と対峙するように設置され、オゾン発生器1のオゾンガス噴霧口11に向かって、やや上向きに送風が行われるものである。
機材配置作業工程は、前記機材配置割出作業工程での決定に従い、各作業機材を処理対象空間R内に設置する工程である。
ここで、本機材配置作業工程をはじめ、少なくとも作業者が実際に処理対象空間Rに立ち入って作業する際には、公的または私的な技術認定機関において研修を受けた作業者が、防護服を着用した状態で作業することが好ましい。これにより作業者によるウィルスの持ち込みや、持ち出しを厳格に防止することができ、作業者の感染リスクを最小限に抑えることができる。また、このように安全管理が徹底されているため、依頼者も、より一層、高品質な除・滅菌作業であることが明確に認識できるものである。
処理作業工程は、無人環境とした処理対象空間Rにおいて、前記機材配置割出作業工程における決定に従った処理出力をオゾン発生器1、及び拡散装置2(送風機21)において必要な時間出力させ、処理対象空間R内の少なくともウィルスを除・減菌する工程である。
ここで処理対象空間R内において新型コロナウィルスを不活化するための好ましい処理条件、具体的にはオゾン発生器1から出力させるオゾンガスGのオゾン濃度(ppm)と、当該オゾンガスGの出力時間つまりオゾン発生器1の運転時間(分)とについて説明すると、前記オゾン濃度(ppm)と前記運転時間(分)との掛け算値(積)であるCT値を307以上、より好ましくは620以上に設定するものである(式(A)参照)。
・オゾン濃度(ppm)×運転時間(分)=CT値 …(A)
・オゾン発生量÷処理対象空間の容積(m3 )÷2.14÷3=オゾン濃度(ppm)
…(B)
ここで式(B)中の「オゾン発生量」は、単位時間当たりの発生量(mg/h)である。
次に実験結果に基づいた好ましいCT値、厳密には好ましい運転時間(オゾン発生器1の運転時間)を式(C)によって算出する。
・CT値÷オゾン濃度(ppm)=運転時間(分) …(C)
オゾン発生量800mg/hのオゾン発生器1で、新型コロナウィルスを99%除菌する場合のCT値は307であり、この数値から運転時間を算出する。
ここで処理対象空間Rの広さ50m2 ・高さ2.5mと仮定すると、処理対象空間Rの容積は125m3 となる。
このためオゾン濃度(ppm)は、式(D)のように算出される。
・800mg/h÷125÷2.14÷3=0.996ppm …(D)
従って、運転時間は式(E)のように算出される。
・CT307÷0.996ppm=308分 (約5h) …(E)
ここで、上記説明では新型コロナウィルスを99%除菌する場合のCT値を307と記載したが、これは例えば処理対象空間Rの容積等の処理環境に応じて幾らか変化し得るものである。
オゾン発生量800mg/hのオゾン発生器1で、新型コロナウィルスを99.9%除菌する場合のCT値は620であり、この数値から運転時間を算出する。
ここで処理対象空間Rの容積は、上記と同様に125m3 と仮定する。このためオゾン濃度(ppm)も、上記と同様に0.996ppmとなる。
従って、運転時間は式(F)のように算出される。
・CT620÷0.996ppm=622分 (約10.5h) …(F)
ここで、上記説明では新型コロナウィルスを99.9%除菌する場合のCT値を620と記載したが、これは例えば処理対象空間Rの容積等の処理環境に応じて幾らか変化し得るものである。
また、この結果から上記容積の処理対象空間R(オフィス)であれば、就業後の無人環境のタイミングで実質的な除・滅菌処理を開始し、翌朝就業前にオゾンガスGを回収すれば、例えば21時開始で翌朝8時に回収すれば、新型コロナウィルスを不活化でき、オフィス業務に支障をきたすことなく、除・滅菌作業が行えることが分かる。
なお、処理作業工程中は、上述したようにオゾン濃度計によって処理対象空間R内のオゾン濃度を計測するものであり、これは処理対象空間R内の複数箇所で計測することが好ましい。
オゾン回収作業工程は、処理対象空間Rの無人環境を維持したまま、脱臭器3を作動させて空間内に充満・残存するオゾンガスGを回収し、空間内オゾン濃度を低下させる工程である。ここで、本オゾン回収作業工程は、少なくとも作業員が処理対象空間R内に立ち入ることができる程度にまで、オゾン濃度を低下させるものである。
また、本実施例では脱臭器3のみを設け、オゾン回収作業工程を実施するように説明したが、このような脱臭器3に加え、空気清浄器を併設することも可能である。
なお、オゾンガスGによる除・滅菌作業は、アルコールで拭き上げた後に行うと、より一層、効果的である。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、除・滅菌作業の処理対象となる空間としてオフィス等、出入口たる扉を閉鎖することにより外部空間と遮断できる閉鎖可能空間を処理対象空間Rとしたが、本発明は必ずしもこのような扉を有した閉鎖可能空間に限定されるものでではない。すなわち、例えば階段やピロティなど、扉がないために、通常は閉鎖し得ない空間を処理対象空間Rとすることもできる。ただし、その場合には、処理対象空間Rをシートやカーテンあるいはボード等で覆うようにして、つまり外部と遮断された(区画された)閉鎖空間を形成するようにして、処理対象空間R内にオゾンガスGを所定時間・所定濃度で維持し得る閉鎖性を確保する必要がある。
1 オゾン発生器
2 拡散装置
3 脱臭器
11 オゾンガス噴霧口
21 送風機
21A オゾン対向送風機
21B 空間中央部送風機
21C 空間縁部送風機
A 送風エア(送風機のエア)
E 設備
G オゾンガス
R 処理対象空間
Claims (5)
- 外部と遮断された適宜の空間を処理対象空間とし、この空間内でオゾンガスを充満させることによって、空間内の菌、ウィルスを除・減菌する方法であって、
この方法は、機材配置割出作業工程と、機材配置作業工程と、処理作業工程と、オゾン回収作業工程とを含み、
まず前記機材配置割出作業工程において、処理対象空間の容積、空間内の設備状況を考慮して、空間内に設置するオゾン発生器、拡散装置、脱臭器を含む各作業機材の必要出力と、それに基づく必要台数、及びそれらの空間内における配置位置、処理出力を決定し、
次いで機材配置作業工程において、前記機材配置割出作業工程における決定に従い、各作業機材を処理対象空間内に設置し、
次いで処理作業工程において、無人環境とした処理対象空間に、前記機材配置割出作業工程における決定に従った処理出力をオゾン発生器、及び拡散装置において必要な時間出力させ、処理対象空間内の少なくともウィルスを除・減菌し、
その後、オゾン回収作業工程において、処理対象空間の無人環境を維持したまま、脱臭器を作動させてオゾンガスを回収するものであり、
更に前記拡散装置には、送風機が適用され、
且つ、前記オゾン発生器は、処理対象空間の隅部に設置され、ここから空間中央部に向けてオゾンガスを噴霧するように設けられ、
なお且つ、前記拡散装置たる送風機は、このオゾン発生器と対峙するように設置され、オゾンガスをオゾン発生器の後方上部に追いやるように、オゾン発生器から噴霧されるオゾンガスに対向して上向きに、送風機の送風が行われるようにしたことを特徴とする、施設空間内の環境保全方法。
- 前記処理対象空間内においてオゾン発生器から出力させるオゾンガスのオゾン濃度(ppm)と、当該オゾンガスの出力時間(分)との掛け算値であるCT値を307以上に設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の、施設空間内の環境保全方法。
- 前記処理対象空間には、オゾン濃度検出装置を設け、前記処理作業工程とオゾン回収作業工程とにおいては、オゾン濃度のデータを採るとともに、これを記録媒体から可視表示できるようにすることを特徴とする請求項1または2記載の、施設空間内の環境保全方法。
- 前記各作業工程における作業は、公的または私的な技術認定機関による研修を受けた作業者が、防護服を着用した状態で行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の、施設空間内の環境保全方法。
- 前記脱臭器は、他の作業機材とは別に独立して設けられ、処理対象空間の中央部に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の、施設空間内の環境保全方法。
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