JP7710031B2 - ノンアルコールビールテイスト飲料 - Google Patents

ノンアルコールビールテイスト飲料

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Description

本発明は、ノンアルコールビールテイスト飲料に関し、特に、ノンアルコールビールテイスト発酵麦芽飲料に関する。本明細書において、「ノンアルコール」とは、1v/v%未満の量でアルコールを含むこと、及びアルコールを含まないことの両方を意味する。また、「アルコール」という文言はエタノールを意味する。
「発酵麦芽飲料」とは、原料として麦芽を使用し、これを発酵させる過程を経て得られる飲料をいう。「ビールテイスト」とは、ビールを想起させる味及び香気をいう。「ビール」とは麦芽、ホップ及び水などを原料として、これらを酵母で発酵させて得られる飲料をいう。
通常のビールからアルコール分を抜いて作られたノンアルコールビールが知られている。発酵物であるビールからアルコール分を抜く場合、アルコール発酵過程で生成する香味成分を残すことで、ビールテイスト飲料が提供される。
特許文献1には、発酵後のビールに脱アルコール処理を施しアルコール分を除いたビールテイスト飲料が記載されている。同第0003段落には、かかるノンアルコールビールテイスト飲料に関し、アルコール分が除去されることにより、アルコール分が持つ香気及び甘味が除かれ、その結果、官能面では、ビールらしい香味が不足し、甘味が少なく、コク、キレが不十分という課題が指摘されている。
特許文献1では、麦芽エキス及び糖類を所定量添加することで、課題の解決を試みている(請求項1)。しかしながら、麦芽エキスはいわゆる麦汁フレーバーと呼ばれる不快臭を有する。そのため、これが添加されたノンアルコールビールテイスト飲料は、ビールテイスト風味と併せて不快臭も付与されることから、嗜好性が劣るものになる。
特許文献2には、真正エキス濃度が4.50w/w%以上であり、20℃における炭酸ガス圧が205kPa以上である、発泡性飲料が記載されている(請求項8)。この発泡性飲料は、多糖類にα-グルコシダーゼを作用させて調製された原料液を使用し、炭酸ガス圧を高め、そのことでドリンカビリティが高められたものである。この発泡性飲料は、原料液をアルコール発酵したものであってよく、アルコール発酵後に、アルコール含有量を低減する処理を行って得られる発泡性ノンアルコール飲料であってよいものである。
しかしながら、特許文献2の発泡性飲料は、実際は、4.89~6.46容量%という高いアルコール濃度を有している(例1及び2、図1)。それゆえ、その官能には、アルコール分が持つ香気及刺激感が寄与しているものである。
特許文献3には、最終製品のエキス分が1.0w/v%以上10.0w/v%以下であり、真正発酵度が30%以上70%以下であり、かつ最終製品のエキス分(w/v%)に対する苦味価(BU)が、1.4以上4.9以下であることを特徴とする低アルコールビールテイスト飲料が記載されている(請求項5)。この低アルコールビールテイスト飲料は、充分なコク味を有しつつ、優れた香味を有し、かつドリンカビリティが高められたものである。
しかしながら、特許文献3の低アルコールビールテイスト飲料は、3.2~3.4容量%という比較的高いアルコール濃度を有している(実施例1~3、図1~3)。それゆえ、その官能には、アルコール分が持つ香気及び刺激感が寄与しているものである。
特開2003-250503号公報 特開2019-110831号公報 特開2015-133924号公報
発酵後のビールに脱アルコール処理を施しアルコール分を除くノンアルコールビールテイスト飲料については、アルコールを有しないので、飲みごたえに劣るものになる。
また、ビールテイスト飲料は、グラス等に注いだ際にキメ細かい泡を形成し、泡を液面に長時間維持することが期待される。ビールテイスト飲料の泡品質を向上させるために、一般には、添加剤として起泡成分が使用される。しかしながら、起泡成分はそれ自体で香味を有し、ビールテイスト飲料の香味に悪影響を与えることがある。そのため、ビールテイスト飲料の泡品質は、添加剤として起泡成分を使用することなく、向上させることが好ましい。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、飲みごたえに優れ、泡品質にも優れた、ノンアルコールビールテイスト飲料を提供することにある。尚、泡品質とは、泡のキメ細かさ、均一性、及び持続性の程度を意味する。
本発明は、麦汁発酵液を含み、50w/w%以上の麦芽使用比率、6w/w%以上の真正エキス濃度及び2.0~3.8の苦味価(BU)と真正エキス濃度(w/w%)との比率(苦味価/真正エキス)を有するノンアルコールビールテイスト飲料を提供する。
ある一形態においては、麦汁発酵液の外観最終発酵度が80%以下である。
ある一形態においては、前記ノンアルコールビールテイスト飲料は、脱アルコール麦汁発酵液を含む。
ある一形態においては、前記ノンアルコールビールテイスト飲料は、15°EBC以下の色度を有する。
ある一形態においては、前記ノンアルコールビールテイスト飲料は、240秒以上のNIBEM値を有する。
ある一形態においては、前記ノンアルコールビールテイスト飲料は、大豆由来食物繊維または大豆由来タンパク質を含まない。
また、本発明は、50%以上の麦芽使用比率を有する麦汁を酵母発酵させて、麦汁発酵液を得る工程;
該麦汁発酵液からアルコールを除去することで、そのアルコール濃度を1v/v%未満に減少させる工程;
を包含する、6w/w%以上の真正エキス濃度及び2.0~3.8の苦味価(BU)と真正エキス濃度(w/w%)との比率(苦味価/真正エキス)を有するノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法を提供する。
ある一形態においては、前記麦汁はトランスグルコシダーゼ処理麦汁である。
本発明によれば、飲み応えに優れ、泡品質にも優れた、ノンアルコールビールテイスト飲料が提供される。本発明のノンアルコールビールテイスト飲料の泡はキメ細かく均一であり、マイルドな味、クリーミーな香味が提供される。また、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料の泡は持続性に優れており、マイルドな味、クリーミーな香味が長時間持続する。本明細書において「マイルドな味」とは、口の中で感じる刺激が少なくまろやかである味をいう。また、「クリーミーな香味」とは、クリームを想起させるような香味及び口当たりをいう。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、原料に麦芽を使用し、麦芽を含むマイシェを糖化する過程を経て製造することができる。使用する麦芽の種類は、キレ感を向上させる観点から好ましくは、淡色麦芽である。濃色麦芽を使用した場合、得られるノンアルコールビールテイスト飲料の甘味が増強され、キレ感が低下し易い。そのため、麦芽としては、淡色麦芽のみを使用することが好ましい。麦芽を含むマイシェには、必要に応じて、トランスグルコシダーゼが添加される。
本発明に用いられるトランスグルコシダーゼとしては、糖転移反応に対する触媒活性を有する酵素であれば、特に限定されるものではなく、各種生物由来のトランスグルコシダーゼを使用することができる。例えば、市販されているトランスグルコシダーゼのうち、いずれの酵素を用いても良く、またこれらを組み合わせて用いることもできる。
マイシェへのトランスグルコシダーゼの添加は、仕込工程終了時点までに添加したトランスグルコシダーゼによる酵素反応が充分に行われる時点であれば特に限定されるものではない。例えばトランスグルコシダーゼは、マイシェの調製時点において、麦芽等の発酵原料とともに添加されてもよく、糖化反応の途中に添加してもよい。本発明においては、トランスグルコシダーゼによる酵素反応を充分に進行させられるため、マイシェの調製時点又は仕込工程の早い段階でトランスグルコシダーゼを添加することが好ましく、マイシェの調製時点に添加することがより好ましい。
例えば、まず、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。マイシェの調製は、常法により行うことができ、例えば、はじめに35~60℃で20~90分間保持することにより原料に由来するタンパク質をアミノ酸などへ分解し、糖化工程へ移行する。その際、必要に応じて、主原料と副原料以外に、トランスグルコシダーゼ等の酵素、並びにスパイス及びハーブ類等の香味成分等が添加される。
その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦汁発酵液の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60~72℃にて30~90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76~78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液を得る。また、糖化処理を行う際に、酵素を必要な範囲で適当量添加してもよい。
糖化に供される原料中の麦芽の含有量、即ち、麦芽使用比率は、50w/w%以上、好ましくは67w/w%以上である。また、糖化に供される原料の麦芽使用比率は100w/w%であってもよい。尚、水を除く全原料に対する麦芽の割合(w/w%)を麦芽使用比率という。麦芽使用比率が50w/w%以上であることで、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料に、ビールらしい重厚感を有するすっきりした香味が提供される。
ある好ましい一形態において、前記麦芽使用比率は、68~95w/w%であり、好ましくは、69~90w/w%である。
麦芽使用比率が高いほど、得られる麦汁の麦芽由来の旨味やコク感が強くなる。また、原料中の麦芽の含有量が多いほど得られる麦汁中の窒素化合物の含有量が多くなり、麦汁が発酵に供される場合に発酵不順が発生しにくくなり、不快臭が発生し難くなる。
副原料とは、麦芽とホップ以外の原料を意味する。該副原料として、例えば、大麦、小麦、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料や、液糖や砂糖等の糖質原料がある。ここで、液糖とは、澱粉質を酸又は糖化酵素により分解、糖化して製造されたものであり、主にグルコース、マルトース、マルトトリオース等が含まれている。その他、香味を付与又は改善することを目的として用いられるスパイス類、ハーブ類、及び果物等も、副原料に含まれる。
糖化酵素とは、澱粉質を分解して糖を生成する酵素を意味する。該糖化酵素として、例えば、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルナラーゼ等がある。
麦汁煮沸の操作は、ビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に従って行えばよい。例えば、pHを調整した糖液を煮沸釜に移し、煮沸する。糖液の煮沸開始時から、ワールプール静置の間に、ホップを添加する。ホップとして、ホップエキス又はホップから抽出した成分を使用してもよい。糖液は次いでワールプールと呼ばれる沈殿槽に移し、煮沸により生じたホップ粕や凝固したタンパク質等を除去した後、プレートクーラーにより適切な温度まで冷却する。上記麦汁煮沸までの操作により、麦汁が得られる。麦汁の中でも、マイシェを糖化する際にトランスグルコシダーゼを使用した麦汁を、特にトランスグルコシダーゼ処理麦汁という。
麦汁は、単糖類から多糖類にわたって多種類の糖質を含有し、糖質の中には非資化性糖質も含まれている。非資化性糖質とは、ビール酵母が、アルコール発酵等を行うための栄養源として利用しない糖質をいう。本発明で使用するビール酵母は、グルコース、フルクトース、マルトース、マルトトリオースを資化する。それゆえ、これら以外の糖質を総称して非資化性糖質という。トランスグルコシダーゼ処理麦汁に含まれる非資化性糖質の具体例には、イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース、4糖以上のオリゴ糖及び非資化性多糖が含まれる。非資化性糖質は、後述する発酵工程及びアルコール除去工程を経た後も、残存している。
マイシェを作製する際のトランスグルコシダーゼの使用量は、その種類及び反応条件を考慮して、ノンアルコールビールテイスト飲料の真正エキス濃度が所定の値になるように適宜調節される。一般には、マイシェの固形分を基準にして7g/kg以下、好ましくは1~6g/kg、より好ましくは3~5g/kgである。
得られた麦汁は、酵母により発酵させる。麦汁の発酵は常法に従って行えばよい。例えば、冷却した麦汁にビール酵母を接種して、発酵タンクに移し、アルコール発酵を行う。使用する酵母の種類は、キレ感を向上させる観点から好ましくは、下面発酵酵母である。
麦汁発酵液の外観最終発酵度は、好ましくは、80%以下である。麦汁発酵液の外観最終発酵度が80%を超えると、得られるビールテイスト飲料のコク感が不十分に、また、酸味が強くなり易くなる。本発明の麦汁発酵液の外観最終発酵度は、好ましくは、45~80%、より好ましくは、50~75%である。
ある好ましい一形態において、前記外観最終発酵度は、75%以下であり、好ましくは、50~68%であり、より好ましくは、51~63%である。
発酵度とは、発酵後のビールにおいて、どれだけ発酵が進んだか、発酵の進み方を示す重要な指標である。そして、さらに最終発酵度とは、原麦汁エキスに対して、ビール酵母が資化可能なエキスの割合を意味する。ここで、ビール酵母が資化可能なエキスとは、原麦汁エキスから、製品ビールに含まれるエキス(即ち、ビール酵母が利用可能なエキスをすべて発酵させた後に残存するエキス(最終エキスという))を差し引いたものである。外観最終発酵度とは、最終エキスの値に、外観エキス、即ち、アルコールを含んだままのビールの比重から求めたエキス濃度(w/v%)、を使用して計算した最終発酵度をいう。
尚、エキスとは不揮発性固形分をいう。エキスという文言は、文脈に応じて、不揮発性固形分そのもの、不揮発性固形分の量、又は不揮発性固形分の濃度を意味する。
麦汁発酵液の外観最終発酵度Vendは、例えば下記式(1)により、求めることができる。
Vend(%)={(P-Eend)/P}×100 (1)
[式中、Pは原麦汁エキスであり、Eendは、外観最終エキスである。]
原麦汁エキスPは、製品ビールのアルコール濃度とエキスの値から、Ballingの式に従い、理論上アルコール発酵前の麦汁エキスの値を逆算するものである。具体的には、Analytica-EBC(9.4)(2007)に示される方法により、求めることができる。また、外観最終エキスEendはビールをフラスコに採取し、新鮮な圧搾酵母を多量に添加し、25℃で攪拌しながら、エキスの値がこれ以上低下しなくなるまで発酵させて(24時間)、残存ビール中の外観エキスの値を測定することにより、求めることができる。
外観最終エキスEendは、最終エキスのアルコールを含んだ比重から計算されるため、マイナスの値を示すことがある。その結果、外観最終発酵度は100%を超える場合がある。
外観最終発酵度は、例えば、糖化条件、原料を糖化させる際の酵素の使用有無、及び、原材料の種類や配合量などを調整することにより、制御することができる。例えば、マイシェに含まれる資化性糖質の量を低下させることで、外観最終発酵度を低下させることができる。
発酵終了後、さらに、熟成工程として、得られた麦汁発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。次いで濾過工程として、熟成後の麦汁発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去する。
酵母及びタンパク質等が除去された麦汁発酵液は、必要に応じて、含まれている炭酸ガスが除去される。また、麦汁発酵液は、脱アルコール工程に供されて、含まれているアルコールが除去される。脱アルコール工程は、麦汁発酵液のアルコール濃度が、例えば1v/v%未満、好ましくは0.5v/v%未満、より好ましくは0.1v/v%未満になるまで行われる。脱アルコール工程は、従来から知られている方法を使用して行う。例えば、減圧蒸留法を使用することができる。この場合、アルコール発酵過程で生成する香味成分については、残存させる方法を使用することが好ましい。
脱アルコール麦汁発酵液は、必要に応じて、pH調整剤を添加してpHを下げる。pHを十分に下げることで、飲料を市販する際に必要な静菌性が付与されて、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料が得られる。本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、腐敗防止の効果が得られる程度に低いpHを有すればよい。具体的なpHの上限値は4.2未満、好ましくは4.1未満、より好ましくは4.0未満である。一方、具体的なpHの下限値は3.0以上、好ましくは3.3以上、より好ましくは3.6以上である。
pH調整剤の種類は限定されない。食品添加物に限らず、例えば飲料及び食品やそれらの製造工程に使用することができる酸、それらの塩及びpH低下能を有するビール原料であれば、pH調整剤として使用することができる。pH低下能を有するビール原料として、例えば、サワーモルト、濃色麦芽等がある。好ましいpH調整剤はフィチン酸、クエン酸、乳酸、乳酸菌、リン酸、リンゴ酸、無水亜硫酸、酒石酸、グルコン酸、酢酸、コハク酸、アジピン酸、イタコン酸、フマル酸及びこれらの組み合わせである。より好ましいpH調整剤はフィチン酸、乳酸、乳酸菌、リン酸、リンゴ酸、無水亜硫酸、酒石酸及びこれらの組み合わせである。ビールテイスト飲料の香味に与える影響を考慮すると、これらの中でも酸味が少ないフィチン酸が最も好ましい。
脱アルコール麦汁発酵液には、必要に応じて苦味物質を添加して、苦味価の調整を行う。苦味物質としては、単離したイソα酸を用いることができる。また、イソα酸はホップに含有されており、ホップ又はホップエキスとして用いることもできる。ホップ又はホップエキスとは、ホップの葉、その磨砕物、これらを水や熱湯で抽出した抽出液、抽出液の濃縮物及び乾燥物を指す。
ノンアルコールビールテイスト飲料の苦味価は、ビールと同等の苦味になるように、例えば、5~50BU、好ましくは15~35BU、より好ましくは20~30BUに調整される。ノンアルコールビールテイスト飲料の苦味価は、ビール酒造組合編集:BCOJビール分析法、8.15(2004)に記載の方法により測定することができる。
脱アルコール麦汁発酵液には、カーボネーション工程によって炭酸ガスを添加する。そのことで、本発明のノンアルコールビールテイスト飲料が得られる。炭酸ガスの添加量はビールと同様の発泡性になるように調整する。炭酸ガスの添加量は、具体的には、添加後4℃におけるガス圧が0.15~0.35MPa、好ましくは0.18~0.30MPa、より好ましくは0.21~0.25MPaとなるように調整する。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、アルコール濃度が1v/v%未満である。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール濃度が1v/v%以上であると、酔い易い飲料になるので好ましくない。麦汁発酵液を脱アルコールして製造する場合、ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール濃度を0v/v%にまで低減することは困難である。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール濃度は、好ましくは0.8v/v%以下、例えば、0.1~0.8v/v%、好ましくは、0.2~0.6v/v%である。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、6w/w%以上の真正エキス濃度を有する。真正エキス濃度が6w/w%未満であると、ノンアルコールビールテイスト飲料のコク感が不十分になることがある。また、ノンアルコールビールテイスト飲料の泡のキメ細かさ、均一性、及び持続性も不十分になることがある。ノンアルコールビールテイスト飲料の真正エキス濃度は、好ましくは7~10w/w%、より好ましくは8~9w/w%である。
ある好ましい一形態において、前記真正エキス濃度は、6.5~9.5w/w%、好ましくは、7.5~8.9w/w%である。
ノンアルコールビールテイスト飲料の泡品質は香味に影響する。泡のキメ細かさ又は均一性が不十分である場合、ノンアルコールビールテイスト飲料のマイルドな味又はクリーミーな香味が不十分になる。泡の持続性が不十分である場合、マイルドな味又はクリーミーな香味の持続性が不十分になる。
真正エキス濃度とは、不揮発性固形物の濃度をいう。ノンアルコールビールテイスト飲料の真正エキス濃度は、EBC法(ビール酒造組合編集:BCOJビール分析法、7.2(2004))により測定することができる。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、泡品質を向上させる観点から、240秒以上の泡持ちNIBEM値を有する。ノンアルコールビールテイスト飲料の泡持ちNIBEM値は、好ましくは260秒以上、更に好ましくは270~310秒である。実質的には、ノンアルコールビールテイスト飲料の泡持ちNIBEM値の上限は380秒程度である。
ビールテイスト飲料のNIBEM値は、ビール酒造組合編集:BCOJビール分析法、8.29(2004)に記載の方法により測定することができる。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、アルコールに起因する刺激感を有しない。そのため、特に、真正エキス濃度を高めた場合、得られるノンアルコールビールテイスト飲料の甘味が増強され、キレ感が低下し易い。本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、キレ感を向上させる観点から、2.0~3.9の苦味価(BU)と真正エキス濃度(w/w%)との比率(苦味価/真正エキス)を有する。苦味価/真正エキス値は、好ましくは2.2~3.7、より好ましくは2.4~3.5である。
ある好ましい一形態において、前記苦味価/真正エキス値は、2.5~3.9であり、好ましくは、2.6~3.8である。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料は、麦芽として淡色麦芽のみを使用し、濃色麦芽を使用しない場合、色度が15°EBC以下になる。ノンアルコールビールテイスト飲料の色度は、好ましくは12°EBC以下、より好ましくは3~11°EBCである。
本発明のノンアルコールビールテイスト飲料には、更に必要に応じて、甘味料、酸味料、ビタミン類、アミノ酸、水溶性食物繊維、香料、安定化剤、乳化剤及び消泡剤等の、ビールテイスト飲料の分野で通常用いられている添加剤を用いてもよい。但し、これらの添加剤はノンアルコールビールテイスト飲料の香味、外観に影響を与えないことが好ましい。
添加剤の中でも起泡成分は、一般に、それ自体で香味を有し、ビールテイスト飲料のビールらしい香味に影響するため、使用しないことが好ましい。例えば、ビールテイスト飲料の起泡成分として通常使用される大豆由来食物繊維または大豆由来タンパク質はキレ感を抑制することがあるため、添加剤として使用しないことが好ましい。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例において、濃度、含有量の単位は特に断らない限り重量基準である。
[ノンアルコールビールテイスト飲料の製造]
仕込槽に粉砕麦芽、コーンスターチ、温水、及び酵素としてトランスグルコシダーゼ(天野エンザイム株式会社製「トランスグルコシダーゼL」)を添加し、55℃付近でタンパク休止を行った後、仕込釜から仕込槽へ液を移送し、60℃から76℃の範囲の温度で糖化を行った。この糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後煮沸釜に移して、ホップを添加し、60分間煮沸した。煮沸後、蒸発分の温水を追加し、ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて10℃まで冷却して、麦汁を得た。
この麦汁にビール酵母を加え、7日間10℃前後で発酵させた後、ビール酵母を除去した。タンクを移し替えて7日間熟成させた後、-1℃付近まで冷却し14日間安定化させた。その後脱気水を加えて原麦汁エキス濃度10w/v%となるように希釈後、珪藻土を用いて濾過し、麦汁発酵液を得た。
常法に従って、得られた麦汁発酵液の外観最終発酵度を測定した。
次に、得られた麦汁発酵液を90mbar付近の減圧下で、脱ガスタンク内にスプレーし炭酸を除去した後、プレートクーラーを用いて50℃付近まで加熱した。その後、90mbar付近の減圧カラム内で50℃付近に加熱した水蒸気と接触させ、揮発成分を水蒸気に吸着させ、アルコール及び揮発成分を除去して、脱アルコール麦汁発酵液を得た。
得られた脱アルコール麦汁発酵液に炭酸ガスを溶解させて、ノンアルコールビールテイスト飲料を得た。
EBC法を使用してノンアルコールビールテイスト飲料の真正エキス濃度(w/w%)を測定した。常法に従って、ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール濃度、色度(EBC)、pH、ガス圧(MPa)、苦味価(BU)及びNIBEM値(秒)を測定した。
[官能評価方法]
ノンアルコールビールテイスト飲料について官能評価を行った。評価項目として、キレ感、コク感及びビールらしい香味を設定し、訓練されたビール専門のパネリスト10名が、後述の基準に従って採点した。パネリスト全員の採点の平均値を各評価項目の評点とした。なお、評価に供されたサンプルの液温は4℃前後であった。
[評価項目及び評価基準]
マイルドな味の強さ:
口の中で感じる刺激が少なくまろやかである味の強さを「マイルドな味の強さ」として評価した。対照区1を3点とし、最も強い試験区の評点を5点とする5段階で採点した。
クリーミーな香味の強さ:
クリームを想起させるような香味及び口当たりの強さを「クリーミーな香味の強さ」として評価した。対照区1を3点とし、最も強い試験区の評点を5点とする5段階で採点した。
飲みごたえの強さ:
「飲みごたえの強さ」については、対照区1を3点とし、最も強い試験区の評点を5点とする5段階で採点した。
製造されたノンアルコールビールテイスト飲料の特性及び性能を以下に示す。
試験区のノンアルコールビールテイスト飲料は本発明の構成要件を充足し、マイルドな味、クリーミーな香味、及び飲みごたえの評価が高く、泡の持続性にも優れていた。これに対し、対照区のノンアルコールビールテイスト飲料は真正エキス濃度が低く、苦味価/真正エキス値が高く、マイルドな味、クリーミーな香味、及び飲みごたえの評価が低く、泡の持続性にも劣っていた。

Claims (5)

  1. 1v/v%未満のアルコール濃度を有する脱アルコール麦汁発酵液を含み、70~80w/w%の麦芽使用比率、6~10w/w%の真正エキス濃度及び2.5~3.9の苦味価(BU)と真正エキス濃度(w/w%)との比率(苦味価/真正エキス)を有するノンアルコールビールテイスト飲料であって、
    前記麦汁発酵液の外観最終発酵度が50~68%であり、
    前記麦汁はトランスグルコシダーゼ処理麦汁である、ノンアルコールビールテイスト飲料。
  2. 15°EBC以下の色度を有する請求項1に記載のノンアルコールビールテイスト飲料。
  3. 240秒以上のNIBEM値を有する請求項1又は2に記載のノンアルコールビールテイスト飲料。
  4. 大豆由来食物繊維または大豆由来タンパク質を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載のノンアルコールビールテイスト飲料。
  5. 70~80w/wの麦芽使用比率を有する麦汁を酵母発酵させて、麦汁発酵液を得る工程;
    該麦汁発酵液からアルコールを除去することで、そのアルコール濃度を1v/v%未満に減少させる工程;
    を包含する、6~10w/w%の真正エキス濃度及び2.5~3.9の苦味価(BU)と真正エキス濃度(w/w%)との比率(苦味価/真正エキス)を有するノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法であって、
    前記麦汁発酵液の外観最終発酵度が50~68%であり、
    前記麦汁はトランスグルコシダーゼ処理麦汁である、ノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法。
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