JP7710936B2 - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

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本発明は、暗号処理を行う情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
暗号処理において、暗号鍵は重要な情報である。AES(Advanced Encryption Standard)などの対象鍵暗号においては、共通の暗号鍵が暗号化時と復号化時の両方に使われる。万一、暗号鍵が漏洩してしまうと、漏洩した暗号鍵によって、第三者が、暗号文を復号することが可能になり、暗号化して第三者から秘匿したかった平文の情報を入手することができてしまう。
一方で、暗号鍵を盗み出す手法としてサイドチャネル攻撃という攻撃手法が考案されている。本攻撃手法では、暗号処理モジュールが、暗号処理中に発生する電磁波や消費電流などのサイドチャネル情報を観測し、観測したサイドチャネル情報を元に、暗号処理で使用されている鍵情報を推定する。具体的なサイドチャネル攻撃の手法について、AESを例に説明する。まず、同一の暗号鍵を使用し、複数の平文を用いて、暗号モジュールを動作させ、暗号処理中のサイドチャネル情報(トレース情報)を取得する。取得したトレース情報を元に、鍵を推定し、統計処理を行う。鍵の推定においては、鍵を1Byteずつ推定する。これは、鍵のパターンの組み合わせを削減し、処理時間を短縮するためである。たとえば、AESの鍵長128Bitの場合には、鍵のパターンの組み合わせは全部で、2^128通りの組み合わせとなる。一方、1Byteずつ推定することで、鍵のパターンの組み合わせを2^8通りに削減できる。AESにおいては、非線形処理であるS-Boxを統計処理のターゲットにする。平文が入手可能であれば、AESの処理の最初のラウンド処理のS-Box出力をターゲットにする。既知の平文と推定した鍵からS-Box出力との相関を計算する。推定鍵が正しい場合、高い相関が得られ、推定鍵が誤っている場合には、低い相関が得られる。一方、暗号文が入手可能であれば、AESの処理の最終ラウンドの処理のS-Box入力をターゲットにする。この時には、既知の暗号文と推定した鍵からS-Box入力との相関を計算する。推定鍵が正しい場合、高い相関が得られ、推定鍵が誤っている場合には、低い相関が得られる。以上の統計処理を、複数のトレースに対して行い、もっとも高い相関の得られた推定鍵が、正しい鍵だと判断される。
サイドチャネル攻撃に対する対策が考案されている。対策の一つに、暗号処理モジュールのクロックをランダムにゲーティングする対策が特許文献1や特許文献2で開示されている。本対策では、ランダムにクロックをゲーティングすることで、暗号処理の処理タイミングをランダムに変動させる。これによって、複数のトレース情報を解析する際に、トレースごとに高い相関が取れる位置を変動させることによって、高い相関を得ることができなくすることで、鍵の推定を防止する。
特表2018-528719号公報 特開2001-94550号公報
特許文献1や特許文献2で開示されているクロックゲーティングによるサイドチャネル攻撃対策では、暗号処理中にクロックゲーティングが絶えず行われる。クロックがゲーティングされると、ゲーティング期間中は、暗号処理モジュールは動作を止めることになるため、暗号処理にゲーティングの期間分だけ、余分な時間がかかってしまい、性能が低下してしまう。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、クロック変動による性能低下を抑えつつ、サイドチャネル攻撃対策を行うことを目的とする。
以上の課題を解決するために本発明に係る暗号処理装置は、暗号処理を行う情報処理装置であって、平文を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された平文の暗号処理を行う暗号処理手段と、前記暗号処理手段のクロックの制御をする制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートである場合のクロックと、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートでない場合のクロックとを異ならせることを特徴とする。
本発明によれば、クロック変動による性能低下を抑えつつ、サイドチャネル攻撃対策を行うことが出来る。
システムの構成図である。 第一の実施形態の構成を示す図である。 暗号処理ステートを示す図である。 クロックゲーティングするラウンドを示す図である。 クロック制御部204の処理のフローチャートを示す図である。 クロック制御部204の処理のタイミングチャートを示す図である。
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
図1は、通信処理用集積回路の構成を示すブロック図である。通信処理用集積回路において、CPU10、暗号処理装置20、DRAMコントローラ30、通信処理装置40、SRAM60は、バスシステム50に接続され、相互にデータ転送を行う。この構成はSystem-On-A-Chipとよばれる集積回路で代表的な構成であり、一般的なパーソナルコンピュータなどの情報処理装置で代替することも可能である。DRAMコントローラ30が通信用集積回路外部のDRAM2に接続され、データ転送を行う。通信処理装置40通信用集積回路外部のLAN3に接続され、他の機器との通信を行う。
図2は、本実施形態に係る暗号処理装置の構成図を示す。暗号処理装置20は、データ入力部200、暗号処理部201、データ出力部202、乱数生成部203、クロック制御部204、全体制御部205で構成される。
暗号処理装置20における典型的な暗号処理の流れを説明する。全体制御部205は、CPU10から、暗号処理か復号処理かを示すモードや暗号処理で使用するアルゴリズムや入力データや出力データの転送アドレスなどの設定値や暗号処理で使われる鍵情報が設定される。全体制御部205は、CPU10から設定された各種設定値を、データ入力部200、暗号処理部201、データ出力部202、クロック制御部204に転送する。その後、全体制御部205は、CPU10から処理開始要求を受けて、各モジュールに対して、処理の開始を指示する。処理開始の指示を受けて、データ入力部200は、全体制御部205から指示された入力データの転送元アドレスが示す外部メモリSRAM60またはDRAM2から、バスシステム50を経由して入力データを読む。入力データは、暗号化する際には、平文であり、復号化する際には暗号文である。データ入力部200は、読み込んだ入力データを暗号処理部201に出力する。暗号処理部201は、データ入力部から入力されたデータの暗号化もしくは復号化の処理を行う。暗号化するか、復号化するか、また使用するアルゴリズムや鍵情報は、全体制御部205からの設定に従う。暗号処理部201は、暗号処理中に暗号処理ステートをクロック制御部204に出力する。暗号処理ステートの例を、図3に示す。暗号処理部201は、最初処理待ち状態を示すIdleステートである。その後、データ入力部200から入力データが入力されると、データ入力状態であるInステートに遷移する。その後、暗号処理のラウンド処理の各ラウンドにおいて、各ラウンド処理状態を表す、RX(Xはラウンド数を表す)に遷移する。ラウンド数は、図4に示すようにアルゴリズム・鍵長によって異なる。例えば、AESの鍵長128Bitであれば、全部で10ラウンド、AESの鍵長256Bitであれば、全部で14ラウンドである。クロック制御部204は、暗号処理部201からの処理の暗号処理ステートを元に、暗号処理部201へ供給するクロックをゲーティングする。クロック制御部204は、暗号処理部201からの暗号処理ステートが、特定のラウンド状態を示す場合に、乱数生成部203からの乱数の示すサイクルだけ、クロックをゲーティングする。クロックゲーティングを行う特定のラウンド状態は、解析のターゲットとなる処理ラウンドである。図4にクロックゲーティングをするラウンド数を示す。最終ラウンドのラウンド数は、アルゴリズム及び使用される鍵長に応じて異なる。1ラウンド目の処理タイミングをずらすために、1ラウンド目及び2ラウンド目の処理のタイミングでゲーティングする。また、最終ラウンドの処理のタイミングをずらすために、最終ラウンド及び最終ラウンドの直前のラウンド処理のタイミングでゲーティングする。暗号処理部201は暗号化処理もしくは復号化処理が完了すると、データをデータ出力部202に出力する。この時の暗号処理ステートはOutである。暗号処理部201が出力するデータは、暗号化処理時は暗号文、復号化処理時は平文である。データ出力部202は、受信したデータをバスシステム50経由で、全体制御部205から指示された出力データの転送先アドレスが示す外部メモリSRAM60または、DRAM2に出力する。データ出力部202は、全データの出力が完了すると、全体制御部205に処理完了を通知する。全体制御部205は処理完了の通知を受けて、CPU10に処理完了を割り込みで通知する。
図5を用いて、クロック制御部204の処理フローを説明する。S100においてCPU10からクロックゲーティングを行うラウンドが設定される。クロックゲーティングを行うラウンドは図4に示したとおりである。続いて、ステップS101及びステップS102において、暗号処理ステートがクロックゲーティングを行うラウンドかどうかの判定を行う。ステップS101においては、暗号処理ステートが最初のラウンド及び次のラウンドを示すR1かR2かの判定を行う。一方、ステップS102においては、暗号処理ステートが最終ラウンド及び最終ラウンドの1ラウンド前を示すR(N-1)かRNかの判定を行う。ここで、Nはアルゴリズムと鍵長で決まる暗号処理の総ラウンド数を表し、S101において、CPU10から設定される。S101または、S102において、クロックゲーティングを行うラウンドと判定されなかった場合には、S103において、暗号処理部201へクロックの供給を行う。一方、S101または、S102において、クロックゲーティングを行うラウンドと判定された場合には、S104において、内部のカウンタを乱数生成部203の出力する乱数で初期化する。続いて、S105おいてカウンタが0か、否かの判定を行う。カウンタが0でなければ、S106において、暗号処理部201へのクロックのゲーティングを行う。続いてS107においてカウンタ値を1減算し、再びS105において、カウンタ値が0か否かの判定を行う。S105において、カウンタ値が0と判定された場合は、S103で、暗号処理部201へクロックの供給を行う。続いて、S108において、暗号処理が完了したかどうかの判定を行う。暗号処理が完了したかどうかの判定は、暗号処理ステートがRNの後、OutさらにはIdleに遷移したことで判定される。S108において、暗号処理が完了したと判定されなければ、再びS101に戻り、暗号処理ステートが、クロックゲーティングを行うステートかどうかの判定を再び行う。一方、S108において、暗号処理が完了したと判定されれば、処理が完了となる。
図6にクロック制御部204の処理の例をタイミングチャートで示す。本実施形態では、AESの鍵長128Bitの例を示す。サイクル1では、暗号処理ステートはIdleであり、暗号処理部201へクロックを供給すべきと判定されるため、暗号処理部201へクロックを供給する。サイクル2では、暗号処理ステートはInであり、暗号処理部201へクロックを供給すべきと判定されるため、暗号処理部201へクロックを供給する。サイクル3では、暗号処理ステートがR1でありクロックをゲーティングするべきと判定され、クロック制御信号がアサートされる。また、同一サイクルにおいて、乱数生成部203の乱数出力である2がカウンタにセットされ、カウンタ値が0ではないので、暗号処理部201へのクロックをゲーティングする。サイクル4では、カウンタの値が2から1に1減算されるが、カウンタ値が0ではないので、暗号処理部201へのクロックをゲーティングする。サイクル3とサイクル4では、暗号処理部201へのクロックがゲーティングされており、暗号処理部201の処理は停止状態となる。そのため、暗号処理ステートもR1の状態を保持し続ける。サイクル5において、カウンタの値が1から0に1減算され、カウンタ値が0になるので、暗号処理部201へクロックを供給する。続いて、サイクル6では、暗号処理ステートがR2であり、クロックをゲーティングするべきと判定され、クロック制御信号がアサートされる。サイクル3と同様に、乱数生成部203の乱数出力である1がカウンタにセットされ、カウンタ値が0ではないので、暗号処理部201へのクロックをゲーティングする。続いて、サイクル7において、カウンタの値が1から0に1減算され、カウンタ値が0になるので、暗号処理部201へクロックを供給する。続いて、サイクル8からサイクル13までは、暗号処理ステートが、クロックをゲーティングすべきでないラウンドR3からR8を示すので、クロック制御信号はデアサートされ、暗号処理部201へクロックを供給し続ける。続いて、サイクル14において、暗号処理ステートがR9であり、クロックをゲーティングするべきと判定され、クロック制御信号がアサートされる。同一サイクルにおいて、乱数生成部203の乱数出力である0がカウンタにセットされるが、カウンタ値が0であるので、暗号処理部201へ、クロックを供給する。続いて、サイクル15では、暗号処理ステートがR10であり、クロックをゲーティングするべきと判定され、クロック制御信号がアサートされる。同一サイクルにおいて、乱数生成部203の乱数出力である3がカウンタにセットされ、カウンタ値が0ではないので、暗号処理部201へのクロックをゲーティングする。後続のサイクル16及びサイクル17では、それぞれカウンタ値が1ずつ減算されるが、カウンタ値は0ではないので、暗号処理部201へのクロックをゲーティングする。続いて、サイクル18で、カウンタ値が0になるので、暗号処理部201へクロックを供給する。続いて、サイクル19及びサイクル20において、暗号処理ステートが、クロックをゲーティングすべきでないOut及びIdleを示すので、クロック制御信号はデアサートされ、暗号処理部201へ、クロックを供給し続ける。
発明の効果について説明する。従来技術においては、全ラウンドにおいてクロックがランダムにゲーティングされていた。各ラウンドにおける、平均クロックゲーティングサイクルをN、暗号処理の総ラウンド数をMとすると、従来技術における暗号処理の処理サイクルは、M×(1+N)=M+M×Nサイクルとなる。一方、本実施形態における処理サイクルは、M-4+4(1+N)=M+4×Nサイクルとなる。例えば、AESの鍵長128Bitの処理であれば、M=10となり、N=8サイクルであれば、従来技術における処理サイクルは、88サイクルとなる。一方、本実施形態における処理サイクルは、42サイクルであり、従来例と比較するとサイクル数を約52%削減することが可能になる。
本実施形態においては、クロックゲーティングするサイクルを暗号処理のラウンドの1ラウンド目と2ラウンド目と最終ラウンドと最終ラウンドの1ラウンド前の4ラウンドとして説明した。しかし、クロックゲーティングするラウンド数を1ラウンド目と最終ラウンドのみに限定しても構わない。また、ラウンド3から最終ラウンドの2ラウンド目までをゲーティングしても構わないが、ゲーティングするラウンド数が増加するほど、本実施形態による性能低下を抑える効果は減少してく。
また、本実施形態では、クロックをゲーティングする例を示したが、クロックゲーティングではない手段でクロックの周期を変動させても構わない。また、本実施形態では、暗号アルゴリズムとしてAESを用いる例を示したが、DESやTriple DESといった他のアルゴリズムでも構わない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
200 データ入力部
201 暗号処理部
202 データ出力部
203 乱数生成部
204 クロック制御部
205 全体制御部

Claims (9)

  1. 暗号処理を行う情報処理装置であって、
    平文を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された平文の暗号処理を行う暗号処理手段と、
    前記暗号処理手段のクロックの制御をする制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートである場合のクロックと、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートでない場合のクロックとを異ならせることを特徴とする情報処理装置。
  2. 乱数生成を行う乱数生成手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記乱数生成手段によって生成された乱数に応じて、前記暗号処理手段のクロックをゲーティングすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記暗号処理手段は、前記暗号処理手段の処理が前記特定の暗号処理のステートである場合、暗号処理のステートを示す信号を生成し、
    前記制御手段は、前記暗号処理のステートを示す信号に基づき、前記暗号処理手段のクロックの制御をすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記暗号処理手段における暗号処理のアルゴリズムは、AESであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記特定の暗号処理のステートは、AESの1ラウンド目の処理及びAESの最終ラウンドの処理であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記特定の暗号処理のステートは、AESの1ラウンド目の処理、AESの2ラウンド目の処理、AESの最終ラウンドの処理、AESの最終ラウンドの処理の直前の処理の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  7. 前記暗号処理手段における暗号処理のアルゴリズムは、DESまたはTriple DESであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 暗号処理を行う情報処理方法であって、
    取得手段が、平文を取得する取得工程と、
    暗号処理手段が、前記取得工程で取得された平文の暗号処理を行う暗号処理工程と、
    制御手段が、前記暗号処理工程におけるクロックの制御をする制御工程と、を有し、
    前記制御工程では、前記暗号処理工程の処理が特定の暗号処理のステートである場合のクロックと、前記暗号処理工程の処理が特定の暗号処理のステートでない場合のクロックとを異ならせることを特徴とする情報処理方法。
  9. コンピュータを、
    暗号処理を行う情報処理装置であって、
    平文を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された平文の暗号処理を行う暗号処理手段と、
    前記暗号処理手段のクロックの制御をする制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートである場合のクロックと、前記暗号処理手段の処理が特定の暗号処理のステートでない場合のクロックとを異ならせることを特徴とする情報処理装置として機能させるためのコンピュータのプログラム。
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