JP7717637B2 - 冷凍機油組成物及び冷凍機用混合組成物 - Google Patents
冷凍機油組成物及び冷凍機用混合組成物Info
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Description
なお、本明細書において、「冷凍機用混合組成物」とは、「冷凍機油組成物」と「冷媒」とを混合した組成物を指す。
また、地球温暖化係数(GWP)が低い、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234yf)、及び1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ye)等の不飽和フッ化炭化水素化合物(Hydro-Fluoro-Olefin;以下、「HFO」ともいう)の使用も検討されている(例えば、特許文献1を参照)。
[1] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と
を含有し、
前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超である、冷凍機油組成物。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
[2] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒と、上記[1]に記載の冷凍機油組成物とを含有する、冷凍機用混合組成物。
[3] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物の製造方法であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と、
を混合する工程を含み、
前記工程において、前記変性シリコーン化合物(B)を、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超となるように配合する、冷凍機油組成物の製造方法。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、変性シリコーン化合物(B)と、下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)とを含有する。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
そして、本実施形態の冷凍機油組成物は、前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超である。
その結果、上記構成を有する冷凍機油組成物が、高温環境下における不飽和フッ化炭化水素化合物(HFO)の分解により生じるフッ素分に起因する冷凍機油組成物中のフッ素濃度の上昇を抑制して、冷凍機油組成物の酸価上昇を抑制できることを見出すに至った。
すなわち、本実施形態の冷凍機油組成物が、上記構成を有することによって、下記(i)及び(ii)の少なくともいずれかの作用により、冷凍機油組成物の酸価の上昇を抑制しているものと推察される。
(i)高温環境下において不飽和フッ化炭化水素化合物(HFO)が分解するのを抑止する作用。
(ii)高温環境下において不飽和フッ化炭化水素化合物(HFO)が分解することにより冷凍機油組成物中に溶出したフッ素(F-)を捕捉し、冷凍機油組成物中のフッ素(F-)量を減らす作用。
本実施形態の冷凍機油組成物において、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計含有量は、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、基油(A)を含有する。
本実施形態の冷凍機油組成物において、基油(A)の含有量は、冷凍機油組成物として要求される長期的な安定性の観点から、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは85.0質量%以上、より好ましくは90.0質量%以上、更に好ましくは92.0質量%以上である。また、冷凍機油組成物中における成分(B)及び成分(C)の含有量を確保しやすくする観点、さらには成分(B)及び成分(C)以外の添加剤の含有量を確保しやすくする観点から、好ましくは99.0質量%以下、より好ましくは98.5質量%以下、更に好ましくは98.0質量%以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは85.0質量%~99.0質量%、より好ましくは90.0質量%~98.5質量%、更に好ましくは92.0質量%~98.0質量%である。
以下、PAG、ECP、及びPOEについて、詳細に説明する。
PAGとしては、冷凍機油組成物において、基油として用いられているPAGを、特に制限なく使用することができるが、下記一般式(A-1)で表される重合体(A-1)であることが好ましい。
R13a-[(OR14a)pa-OR15a]qa (A-1)
なお、基油(A)中にPAGが含まれる場合、PAGは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
複素環基が有していてもよい置換基としては、炭素数1~10(好ましくは1~6、より好ましくは1~3)のアルキル基;環形成炭素数3~10(好ましくは3~8、より好ましくは5又は6)のシクロアルキル基;環形成炭素数6~18(好ましくは6~12)のアリール基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;アミノ基等が挙げられる。
これらの置換基は、更に上述の任意の置換基により置換されていてもよい。
なお、qaは、上記一般式(A-1)中のR13aの結合部位の数に応じて定められる。例えば、R13aがアルキル基又はアシル基の場合には、qaは1となり、R13aが炭化水素基又は複素環基であり、該基の価数が2、3、4、5、又は6価である場合、qaはそれぞれ2、3、4、5、又は6となる。
paは、OR14aの繰り返し単位の数であって、通常1以上であり、好ましくはpa×qaが6~80となる数である。なお、paの値は、基油(A)の動粘度を適切な範囲に調整するために適宜設定される値であり、動粘度が適切な範囲となるように調整されていれば、特に制限されない。
なお、複数のR14aは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。また、qaが2以上の場合、1分子中の複数のR15aは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
ここで、「各種」とは「直鎖状、分岐鎖状、又は環状」の炭化水素基であることを表し、例えば、「各種ブチル基」とは、「n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基」等の各種ブチル基を表す。また、環状構造を有する基については、オルト体、メタ体、パラ体等の位置異性体を含むことを示し、以下、同様である。
R13a及びR15aで表される1価の炭化水素基の炭素数は、冷媒との相溶性の観点から、好ましくは1~10、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3である。
R13a及びR15aで表されるアシル基の炭素数は、冷媒との相溶性の観点から、好ましくは2~8、より好ましくは2~6である。
R13aで表される2~6価のアシル基の炭素数は、冷媒との相溶性の観点から、好ましくは2~10、より好ましくは2~6である。
上記酸素原子含有複素環基としては、エチレンオキシド、1,3-プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド等の酸素原子含有飽和複素環;アセチレンオキシド、フラン、ピラン、オキシシクロヘプタトリエン、イソベンゾフラン、イソクロメン等の酸素原子含有不飽和複素環が有する水素原子を1~6個除いた残基等が挙げられる。
また、上記硫黄原子含有複素環基としては、エチレンスルフィド、トリメチレンスルフィド、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、ヘキサメチレンスルフィド等の硫黄原子含有飽和複素環、アセチレンスルフィド、チオフェン、チアピラン、チオトリピリデン等の硫黄原子含有不飽和複素環等が有する水素原子を1~6個除いた残基が挙げられる。
上記複素環基の環形成原子数は、冷媒との相溶性の観点から、好ましくは3~10、より好ましくは3~6である。
(式(A-1-i)中、p1は、1以上の数を示し、好ましくは6~80の数である。)
(式(A-1-ii)中、p2及びp3は、各々独立に、1以上の数を示し、好ましくはp2+p3の値が6~80となる数である。)
(式(A-1-iii)中、p4は、1以上の数を示し、好ましくは6~80の数である。)
(式(A-1-iv)中、p5は、1以上の数を示し、好ましくは6~80の数である。)
ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体(ECP)としては、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルに由来の構成単位と、ポリビニルエーテルに由来の構成単位とを有する共重合体であればよい。
なお、「ポリ(オキシ)アルキレングリコール」とは、ポリアルキレングリコール及びポリオキシアルキレングリコールの両方を指す。
また、基油(A)中にECPが含まれる場合、ECPは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該ECPの中でも、次の一般式(A-3-i)で表される共重合体(A-3-i)又は一般式(A-3-ii)で表される共重合体(A-3-ii)であることが好ましい。
R4cは、各々独立に、炭素数1~10の炭化水素基を示す。
R5cは、各々独立に、炭素数2~4のアルキレン基を示す。
R6cは、各々独立に、水素原子、炭素数1~20以下のアルキル基、置換若しくは無置換の環形成炭素数3~20の脂環式基、置換若しくは無置換の環形成炭素数6~24の芳香族基、炭素数2~20のアシル基、又は炭素数2~50の酸素含有炭化水素基を示す。
なお、R1c、R2c、R3c、R4c、R5c、及びR6cが複数存在する場合、構成単位ごとにそれぞれ同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
XC及びYCは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1~20の炭化水素基を示す。
一般式(A-3-i)中のuは、0以上の数を示し、好ましくは0~50の数であり、wは、1以上の数を示し、好ましくは1~50の数である。
一般式(A-3-ii)中のx及びyは、それぞれ独立に、1以上の数を示し、好ましくは1~50の数である。
なお、上記v、u、w、x、yの値は、基油(A)に要求される水酸基価に応じて調整されていればよく、特に制限はない。
R1c、R2c、及びR3cとして選択し得る前記炭化水素基の炭素数としては、好ましくは1~8、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3である。
R1c、R2c、及びR3cとしては、それぞれ独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1~8のアルキル基、より好ましくは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基、更に好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。
また、R1c、R2c、及びR3cの少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、R1c、R2c、及びR3cの全てが水素原子であることがより好ましい。
R4cとして選択し得る前記炭化水素基の炭素数としては、好ましくは1~8、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~4である。
なお、共重合体(A-3-i)又は共重合体(A-3-ii)において、オキシプロピレン単位(-OCH(CH3)CH2-)の含有量は、共重合体(A-3-i)又は共重合体(A-3-ii)中のポリ(オキシ)アルキレングリコール若しくはそのモノエーテルに由来の構成単位であるオキシアルキレン(OR5c)の全量(100モル%)基準で、好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは65モル%以上100モル%以下、更に好ましくは80モル%以上100モル%以下である。
当該アルキル基との炭素数としては、好ましくは1~10、より好ましくは1~6、更に好ましくは1~3である。
当該脂環式基の環形成炭素数としては、好ましくは3~10、より好ましくは3~8、更に好ましくは3~6である。
なお、当該脂環式基は、前述の置換基を有していてもよく、当該置換基としては、アルキル基が好ましい。
当該芳香族基の環形成炭素数としては、好ましくは6~18、より好ましくは6~12である。
なお、当該芳香族基は、前述の置換基を有していてもよく、当該置換基としては、アルキル基が好ましい。
当該アシル基の炭素数としては、好ましくは2~10、好ましくは2~8、更に好ましくは2~6である。
当該炭素含有炭化水素基の炭素数としては、好ましくは2~20、より好ましくは2~10、更に好ましくは2~6である。
POEとしては、例えば、ジオール又はポリオールと、脂肪酸とのエステルが挙げられる。なお、基油(A)中にPOEが含まれる場合、POEは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
POEは、ジオール又は水酸基数が3~20のポリオールと、炭素数3~20の脂肪酸とのエステルが好ましい。
これらの中でも、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ-(トリメチロールプロパン)、トリ-(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ-(ペンタエリスリトール)、トリ-(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールが好ましい。なお、ヒンダードアルコールとは、4つの炭素原子に結合する4級炭素原子を有するアルコールを意味する。
なお、上記の脂肪酸の炭素数には、該脂肪酸が有するカルボキシ基(-COOH)の炭素原子も含まれる。
また、脂肪酸としては、直鎖状脂肪酸又は分岐鎖状脂肪酸のいずれであってもよいが、潤滑性能の観点から、直鎖状脂肪酸が好ましく、加水分解安定性の観点から、分岐鎖状脂肪酸が好ましい。更に、脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
更に具体的には、イソ酪酸、吉草酸(n-ペンタン酸)、カプロン酸(n-ヘキサン酸)、エナント酸(n-ヘプタン酸)、カプリル酸(n-オクタン酸)、ペラルゴン酸(n-ノナン酸)、カプリン酸(n-デカン酸)、オレイン酸(cis-9-オクタデセン酸)、イソペンタン酸(3-メチルブタン酸)、2-メチルヘキサン酸、2-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸等が好ましい。
本実施形態の冷凍機油組成物において、本発明の効果を向上させやすくする観点から、基油(A)中における、PAG、ECP、及びPOEからなる群から選択される1種以上の含有量は、基油(A)の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%であり、より一層好ましくは100質量%である。
ここで、本発明の効果をさらに向上させやすくする観点から、PAG、ECP、及びPOEからなる群から選択される1種の含有量は、基油(A)の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%であり、より一層好ましくは100質量%である。
基油(A)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに他の基油を含有してもよい。
他の基油としては、鉱油並びに前述のPAG、ECP、及びPOEには該当しない合成油からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
なお、鉱油が基油(A)中に含まれる場合、鉱油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前述のPAG、ECP、及びPOEには該当しない合成油が基油(A)中に含まれる場合、当該合成油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態の冷凍機油組成物において、本発明の効果を向上させやすくする観点から、PAG、ECP、及びPOEには該当しない合成油の含有量は少ないことが好ましい。具体的には、PAG、ECP、及びPOEには該当しない合成油の含有量は、基油(A)の全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下、更になお好ましくはPAG、ECP、及びPOEには該当しない合成油を含有しないことである。
基油(A)の100℃動粘度は、潤滑性能(耐荷重性能)及びシール性向上の観点から、好ましくは3mm2/s以上、より好ましくは4mm2/s以上、更に好ましくは5mm2/s以上である。また、冷媒との相溶性向上の観点から、好ましくは50mm2/s以下、より好ましくは40mm2/s以下、更に好ましくは30mm2/s以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは3mm2/s~50mm2/s、より好ましくは4mm2/s~40mm2/s、更に好ましくは5mm2/s~30mm2/sである。
本明細書において、基油(A)の100℃動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値である。
基油(A)の水酸基価は、冷凍機油組成物の熱安定性向上の観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは25mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g以下、より更に好ましくは15mgKOH/g以下、更になお好ましくは10mgKOH/g以下、一層好ましくは5mgKOH/g以下である。また、基油(A)の水酸基価は、通常、0.1mgKOH/g以上である。
本明細書において、基油(A)の水酸基価は、JIS K0070:1992に準拠して、中和滴定法により測定した値である。
基油(A)の数平均分子量(Mn)は、潤滑性能(耐荷重性能)及びシール性向上の観点から、好ましくは300以上、より好ましくは400以上、更に好ましくは500以上である。また、冷媒との相溶性向上の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは7,000以下、更に好ましくは5,000以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは300~10,000、より好ましくは400~7,000、更に好ましくは500~5,000である。
本明細書において、基油(A)の数平均分子量(Mn)は、後述する実施例に記載の方法により測定した値である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、変性シリコーン化合物(B)を含有する。
変性シリコーン化合物(B)は、エポキシ化合物(C)と組み合わせて用いることで、不飽和フッ化炭化水素化合物(HFO)の分解に起因する冷凍機油組成物へのフッ素分の溶出を効果的に抑制することができ、冷凍機油組成物の酸価上昇を効果的に抑制することができる。
冷凍機油組成物が変性シリコーン化合物(B)を含有しない場合、冷凍機油組成物の酸価上昇を十分に抑制することができない。
変性シリコーン化合物(B)の含有量が0.10質量%以下であると、不飽和フッ化炭化水素化合物(HFO)の分解に起因する冷凍機油組成物へのフッ素分の溶出を十分に抑制することができず、冷凍機油組成物の酸価上昇を十分に抑制することができなくなる。
なお、冷凍機油組成物の酸価上昇を抑制する効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)の含有量は、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは0.20質量%以上、より好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.40質量%以上、より更に好ましくは0.45質量%以上である。変性シリコーン化合物(B)の含有量の上限値については、特に制限されないが、添加量に見合った効果を得る観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。より更に好ましくは2.0質量%以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは0.20質量%~5.0質量%、より好ましくは0.30質量%~4.0質量%、更に好ましくは0.40質量%~3.0質量%、より更に好ましくは0.45質量%~2.0質量%である。
なお、未変性シリコーン化合物とは、ポリシロキサン骨格の側鎖及び末端のすべてがアルキル基で構成されており、ポリシロキサン骨格の側鎖及び末端に当該アルキル基以外の官能基が導入されていないシリコーン化合物である。未変性シリコーン化合物としては、下記一般式(b1-1)で表される化合物が好ましくは挙げられる。
なお、以降の説明では、Rb1をポリシロキサン骨格の側鎖のアルキル基と呼び、Rb2をポリシロキサン骨格の末端のアルキル基と呼ぶこととする。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性シリコーン化合物(B)中の側鎖変性シリコーン(B1)の含有量は、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%、一層好ましくは95質量%~100質量%である。
側鎖変性型のエポキシ変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-343、KF-101、KF-1001、X-22-2000;ダウ・東レ株式会社製のSF8411 Fluid、SF8413 Fluid等が挙げられる。
側鎖変性型の脂環式エポキシ変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-2046、KF-102;ダウ・東レ株式会社製のBY16-839 Fluid、L-9300等が挙げられる。
側鎖変性型のエポキシ・ポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-4741、KF-1002;ダウ・東レ株式会社製のBY16-876、FZ-3736 Fluid等が挙げられる。
側鎖変性型のエポキシ・アラルキル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のKF-1005等が挙げられる。
側鎖末端変性型の側鎖エポキシ変性・両末端エポキシ変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-9002等が挙げられる。
なお、本明細書において、側鎖変性型のエポキシ・ポリエーテル変性シリコーンのように、側鎖にエポキシ基とポリエーテル基の双方を有するシリコーン化合物は、側鎖に1以上のエポキシ基を有する側鎖変性シリコーン(B1a)に分類するものとする。
側鎖変性型のポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のKF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-644、KF-6020、KF-6204、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6015等、ダウ・東レ株式会社製のFZ-2110等が挙げられる。
側鎖変性型のアミノ・ポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-3939A等が挙げられる。
側鎖変性型のポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のX-22-2516等が挙げられる。
本実施形態の冷凍機油組成物は、下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)を含有する。
(α)分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
(β)分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
冷凍機油組成物がエポキシ化合物(C)を含有しない場合、冷凍機油組成物の酸価上昇を十分に抑制することができない。
また、エポキシ化合物(C)の分子量は、冷凍機油への溶解性と安定性評価後のスラッジ生成の観点から、2,000以下であることが好ましく、1,500以下であることがより好ましく、1,000以下であることがさらに好ましい。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは0.05質量%~5.0質量%、より好ましくは0.07質量%~4.0質量%、更に好ましくは0.08質量%~3.0質量%である。
ここで、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、エポキシ化合物(C)は、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)、エポキシ化植物油(C2)、及びエポキシ化脂環式カルボン酸エステル(C3)からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
エポキシ化合物(C)中における、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)、エポキシ化植物油(C2)、及びエポキシ化脂環式カルボン酸エステル(C3)からなる群から選択される1種以上の含有量は、エポキシ化合物(C)の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%、一層好ましくは95質量%~100質量%である。
以下、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)、エポキシ化植物油(C2)、及びエポキシ化脂環式カルボン酸エステル(C3)について説明する。
エポキシ化脂肪酸エステル(C1)としては、炭素数8~30(好ましくは炭素数12~20)の脂肪酸と、炭素数1~10のアルコール、フェノール、又は炭素数7~14のアルキルフェノールとのエステルをエポキシ化したものなどが例示できる。
(式(c1)中、Rc1は、炭素数4~20の炭化水素基であり、Rc2は、炭素数1~10の炭化水素基であり、pは1~3の整数であり、nは0~12の整数であり、mは1~3の整数である。mが2以上の場合、複数存在する[]内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
上記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種プロピルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等より、それぞれ炭素数が該当するものが挙げられる。
上記(c1)で表されるエポキシ化脂肪酸エステル中、Rc1が、炭素数5~12のアルキル基であり、Rc2が、炭素数1~6のアルキル基であり、pが1であり、nが1~10の整数であり、mが1又は2であるものが好ましい。
エポキシ化脂肪酸エステル(C1)の市販品としては、新日本理化株式会社製のサンソサイザーE-6000、三和合成化学株式会社製のケミサイザーT-5000等が挙げられる。
エポキシ化植物油(C2)としては、大豆油、亜麻仁油、米ぬか油、綿実油等の植物油をエポキシ化したものなどが例示できる。
(式(c2)中、Rc1は、炭素数4~20の炭化水素基であり、pは1~3の整数であり、nは0~12の整数であり、mは1~3の整数である。mが2以上の場合、複数存在する[]内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
上記Rc1の詳細は、上記式(c1)におけるものと同様である。
上記(c2)で表される基においては、Rc1が、炭素数4~12のアルキル基であり、pが1であり、nが1~10の整数であり、mが1又は2であるものが好ましい。
エポキシ化脂環式カルボン酸エステル(C3)としては、環炭素数5~12の脂環式カルボン酸と、炭素数1~8のアルコール、フェノール、又は炭素数7~14のアルキルフェノールとのエステルをエポキシ化したものなどが例示でき、上記脂環式カルボン酸はモノカルボン酸であってもジカルボン酸であってもよい。
(式(c3)中、Rc3及びRc4は、それぞれ独立に、炭素数4~20の炭化水素基である。)
上記炭化水素基の具体例としては、式(c1)における炭化水素基として挙げられたものより、炭素数が該当するものが挙げられる。
上記(c3)で表されるエポキシ化脂環式カルボン酸エステル中、Rc3及びRc4が、それぞれ独立に、炭素数6~12のアルキル基であるものが好ましい。
上記エポキシ化脂環式カルボン酸エステルの市販品としては、新日本理化株式会社製のサンソサイザーE-PS等が挙げられる。
本実施形態の冷凍機油組成物において、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)とエポキシ化合物(C)との含有比率[(B)/(C)]は、質量比で、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.0超である。また、好ましくは10以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは8.0以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは0.10以上10以下、より好ましくは0.50以上9.0以下、更に好ましくは1.0以上8.0以下、より更に好ましくは1.0超8.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、さらに酸化防止剤(D)を含有してもよい。
酸化防止剤(D)としては、好ましくは、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(DBPC)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、フェニル-α-ナフチルアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤の中でも2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(DBPC)が好ましい。
酸化防止剤(D)の含有量は、安定性及び酸化防止性能の観点から、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは0.01質量%~5質量%、より好ましくは0.05質量%~3質量%、更に好ましくは0.1質量%~1質量%である。
酸化防止剤(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の冷凍機油組成物が酸化防止剤(D)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)と酸化防止剤(D)との含有比率[(B)/(D)]は、質量比で、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは2.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物が酸化防止剤(D)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、エポキシ化合物(C)と酸化防止剤(D)との含有比率[(C)/(D)]は、質量比で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.20以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、さらにグリシジルエーテル化合物(E)を含有してもよい。
グリシジルエーテル化合物(E)としては、炭素数が、通常3~30、好ましくは4~24、より好ましくは6~16の脂肪族モノ又は多価アルコール、あるいは水酸基を1個以上含有する芳香族化合物由来のグリシジルエーテルが挙げられる。脂肪族モノ又は多価アルコールは、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、また飽和若しくは不飽和のいずれでもよいが、飽和脂肪族モノアルコールであることが好ましい。
なお、脂肪族多価アルコールや水酸基を2個以上含有する芳香族化合物の場合、冷凍機油組成物の安定性の観点から、水酸基の全てがグリシジルエーテル化されていることが好ましい。
グリシジルエーテル化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの中では、特に直鎖状、分岐状、環状の炭素数6~16の飽和脂肪族モノアルコール由来のグリシジルエーテル(すなわち、アルキル基の炭素数が6~16のアルキルグリシジルエーテル)がより好ましい。このようなグリシジルエーテルとしては、例えば2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、イソノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ミリスチルグリシジルエーテルなどが挙げられ、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルが最も好ましい。2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテルを使用することで、冷凍機油組成物の酸価の上昇を適切に防止して、高温下での酸化安定性をより良好にしやすくなる。
また、グリシジルエーテル化合物(E)の上記含有量は、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。また、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、より好ましくは0.4質量%~5質量%、更に好ましくは0.5質量%~4質量%、より更に好ましくは0.5質量%~3質量%である。
グリシジルエーテル化合物(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の冷凍機油組成物がグリシジルエーテル化合物(E)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)とグリシジルエーテル化合物(E)との含有比率[(B)/(E)]は、質量比で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.08以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物がグリシジルエーテル化合物(E)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、エポキシ化合物(C)とグリシジルエーテル化合物(E)との含有比率[(C)/(E)]は、質量比で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.04以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、さらに安定化剤(F)を含有していてもよい。
安定化剤(F)としては、脂肪族不飽和化合物、二重結合を有するテルペン類等が挙げられる。
上記脂肪族不飽和化合物としては、不飽和炭化水素が好ましく、具体的には、オレフィン;ジエン、トリエン等のポリエン等が挙げられる。オレフィンとしては、酸素との反応性の観点から、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等のα-オレフィンが好ましい。
上記以外の脂肪族不飽和化合物としては、酸素との反応性の観点から、分子式C20H30Oで表されるビタミンA((2E,4E,6E,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセ-1-イル)ノナ-2,4,6,8-テトラエン-1-オール)等の共役二重結合を有する不飽和脂肪族アルコールが好ましい。
二重結合を有するテルペン類としては、二重結合を有するテルペン系炭化水素が好ましく、酸素との反応性の観点から、α-ピネン、β-ピネン、α-ファルネセン(C15H24:3,7,11-トリメチルドデカ-1,3,6,10-テトラエン)及びβ-ファルネセン(C15H24:7,11-ジメチル-3-メチリデンドデカ-1,6,10-トリエン)がより好ましい。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、より好ましくは0.10質量%~8.0質量%、更に好ましくは0.20質量%~5.0質量%、より更に好ましくは0.30質量%~3.0質量%である。
安定化剤(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の冷凍機油組成物が安定化剤(F)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、変性シリコーン化合物(B)と安定化剤(F)との含有比率[(B)/(F)]は、質量比で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.06以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物が安定化剤(F)を含有する場合、本発明の効果をより向上させやすくする観点から、エポキシ化合物(C)と安定化剤(F)との含有比率[(C)/(F)]は、質量比で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.06以上である。また、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、変性シリコーン化合物(B)、エポキシ化合物(C)、酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル化合物(E)、及び安定化剤(F)に加えて、他の添加剤(以下、「その他添加剤」ともいう)を含有していてもよい。
その他添加剤としては、例えば、極圧剤及び消泡剤等が挙げられる。
すなわち、本実施形態の冷凍機油組成物は、基油(A)、変性シリコーン化合物(B)、及びエポキシ化合物(C)のみからなるものであってもよいが、基油(A)、変性シリコーン化合物(B)、及びエポキシ化合物(C)に加え、さらに酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル化合物(E)、安定化剤(F)、極圧剤、及び消泡剤からなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。
前記極圧剤としては、リン系極圧剤、カルボン酸の金属塩、及び硫黄系極圧剤が好ましい。
リン系極圧剤としては、例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
これらの中でも、極圧性及び摩擦特性の向上の観点から、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリチオフェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、及び2-エチルヘキシルジフェニルホスファイトから選ばれる1種以上が好ましく、トリクレジルホスフェート(TCP)がより好ましい。
カルボン酸の金属塩としては、例えば、炭素数3~60(好ましくは3~30)のカルボン酸の金属塩等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数12~30の脂肪酸の金属塩、及び炭素数3~30のジカルボン酸の金属塩から選ばれる1種以上が好ましい。
また、金属塩を構成する金属としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。
硫黄系極圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チオカーバメート類、チオテルペン類、ジアルキルチオジプロピオネート類等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン油、及びフッ素化シリコーン油等のシリコーン系消泡剤等が挙げられる。
なお、消泡剤として用いられるシリコーン化合物は、変性シリコーン化合物(B)には分類されない、変性されていないシリコーン化合物である。
上記の冷凍機油組成物を製造する方法は、特に制限されない。
例えば、本実施形態の冷凍機油組成物の製造方法は、下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物の製造方法であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と、
を混合する工程を含み、
前記工程において、前記変性シリコーン化合物(B)を、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超となるように配合する、冷凍機油組成物の製造方法。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
上記各成分を混合する方法としては、特に制限はないが、例えば、基油(A)に、変性シリコーン化合物(B)とエポキシ化合物(C)とを配合する工程を有する方法が挙げられる。酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル化合物(E)、安定化剤(F)、及びその他添加剤は、それぞれ、基油(A)に、変性シリコーン化合物(B)とエポキシ化合物(C)とを配合するのと同時に、基油(A)に配合してもよいし、別々に配合してもよい。なお、各成分は、希釈油等を加えて溶液(分散体)の形態とした上で配合してもよい。各成分を配合した後、公知の方法により、撹拌して均一に分散させることが好ましい。
本実施形態において、冷凍機油組成物が有する、後述する実施例に記載の熱安定性試験後の物性値は、以下のとおりである。
後述する実施例に記載の熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価は、好ましくは0.18mgKOH/g未満、より好ましくは0.17mgKOH/g以下、更に好ましくは0.16mgKOH/g以下である。
後述する実施例に記載の熱安定性試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量は、冷凍機油組成物の全量基準で、好ましくは17質量ppm未満、より好ましくは15質量ppm以下、更に好ましくは14質量ppm以下である。
上記の冷凍機油組成物は、冷媒と混合し、冷凍機用混合組成物として使用される。
すなわち、冷凍機用混合組成物は、上記の冷凍機油組成物と、冷媒とを含有する。
以下、冷媒について説明する。
本実施形態において用いられる冷媒は、下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒である。
上記一般式(1)において、Cxで表されるx個の炭素原子の結合形態は、炭素-炭素単結合、炭素-炭素二重結合等の不飽和結合などがある。炭素-炭素の不飽和結合は、安定性の点から、炭素-炭素二重結合であることが好ましく、不飽和フッ化炭化水素化合物は、分子中に炭素-炭素二重結合等の不飽和結合を1以上有し、その数は1であるものが好ましい。すなわち、Cxで表されるx個の炭素原子の結合形態の少なくとも1つは、炭素-炭素二重結合であることがより好ましい。
具体的には、1~3個のフッ素原子が導入されたエチレンのフッ化物、1~5個のフッ素原子が導入されたプロペンのフッ化物、1~7個のフッ素原子が導入されたブテンのフッ化物、1~9個のフッ素原子が導入されたペンテンのフッ化物、1~11個のフッ素原子が導入されたヘキセンのフッ化物、1~5個のフッ素原子が導入されたシクロブテンのフッ化物、1~7個のフッ素原子が導入されたシクロペンテンのフッ化物、1~9個のフッ素原子が導入されたシクロヘキセンのフッ化物などが挙げられる。
これらの中でも、プロペンのフッ化物が好ましく、フッ素原子が3~5個導入されたプロペンがより好ましい。具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234yf)、及び1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ye)から選択される1種以上が好ましく、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234yf)がより好ましい。
上記の不飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。したがって、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234yf)、及び1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234ye)から選択される1種のみを単独で用いてもよい。
本実施形態において、冷媒は、上記一般式(1)に示す不飽和フッ化炭化水素化合物に加えて、他の化合物を必要に応じて含む混合冷媒であってもよく、例えば飽和フッ化炭化水素化合物を含んでもよい。
飽和フッ化炭化水素化合物としては、好ましくは炭素数1~4のアルカンのフッ化物、より好ましくは炭素数1~3のアルカンのフッ化物、更に好ましくは炭素数1又は2のアルカン(メタン又はエタン)のフッ化物である。該メタン又はエタンのフッ化物としては、トリフルオロメタン(R23)、ジフルオロメタン(R32)、1,1-ジフルオロエタン(R152a)、1,1,1-トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2-トリフルオロエタン(R143)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(R125)等が挙げられ、これらの中でも、ジフルオロメタン及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタンが好ましい。
これらの飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記炭化水素系冷媒としては、好ましくは炭素数1以上8以下の炭化水素、より好ましくは炭素数1以上5以下の炭化水素、更に好ましくは炭素数3以上5以下の炭化水素である。炭素数が8以下であると、冷媒の沸点が高くなり過ぎず冷媒として好ましい。該炭化水素系冷媒としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン(R290)、シクロプロパン、プロピレン、n-ブタン、イソブタン(R600a)、2-メチルブタン、n-ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンイソブタン、及びノルマルヘキサンからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、冷媒は、上記一般式(1)で表される不飽和フッ化炭化水素化合物を含む。
上記一般式(1)で表される不飽和フッ化炭化水素化合物の含有量は、冷媒の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%、一層好ましくは100質量%(すなわち、不飽和フッ化炭化水素化合物のみからなる冷媒)である。
本実施形態の冷凍機油組成物は、このように不飽和フッ化炭化水素化合物の含有量が多い冷媒であっても、酸価上昇の抑制効果に優れる。
本実施形態の冷凍機用混合組成物において、冷媒及び冷凍機油組成物の使用量は、冷凍機油組成物と冷媒との質量比[(冷凍機油組成物)/(冷媒)]で、好ましくは1/99~90/10、より好ましくは5/95~70/30である。冷凍機油組成物と冷媒との質量比を該範囲内とすると、潤滑性及び冷凍機における好適な冷凍能力を得ることができる。
上記の冷凍機油組成物及び冷凍機用混合組成物は、例えば、空調機、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、冷凍システム、給湯システム、又は暖房システムに用いることが好ましい。なお、空調機としては、開放型カーエアコン、電動カーエアコン等のカーエアコン;ガスヒートポンプ(GHP)エアコン;等が挙げられる。
本発明の一態様では、下記[1]~[14]が提供される。
[1] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と
を含有し、
前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超である、冷凍機油組成物。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
[2] 前記変性シリコーン化合物(B)が、ポリシロキサン骨格の少なくとも側鎖が変性された側鎖変性シリコーン(B1)を含む、[1]に記載の冷凍機油組成物。
[3] 前記側鎖変性シリコーン(B1)が、側鎖に1以上のエポキシ基を有する側鎖変性シリコーン(B1a)及び側鎖に1以上のポリエーテル基を有する側鎖変性シリコーン(B1b)からなる群から選択される1種以上を含む、[2]に記載の冷凍機油組成物。
[4] 前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.20質量%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[5] 前記エポキシ化合物(C)の分子量が、300以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[6] 前記エポキシ化合物(C)は、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)及びエポキシ化植物油(C2)からなる群から選択される1種以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[7] 前記エポキシ化脂肪酸エステル(C1)が、下記一般式(c1)で表されるものである、[6]に記載の冷凍機油組成物。
[式(c1)中、Rc1は、炭素数4~20の炭化水素基であり、Rc2は、炭素数1~10の炭化水素基であり、pは1~3の整数であり、nは0~12の整数であり、mは1~3の整数である。mが2以上の場合、複数存在する[]内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
[8] 前記エポキシ化合物(C)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.05質量%以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[9] 前記変性シリコーン化合物(B)と前記エポキシ化合物(C)との含有比率[(B)/(C)]が、質量比で、0.10以上である、[1]~[8]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[10] さらに、酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル化合物(E)、安定化剤(F)、極圧剤、及び消泡剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含有する、[1]~[9]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[11] 前記不飽和フッ化炭化水素化合物が、R1234ze、R1234yf、及びR1234yeからなる群から選択される1種以上を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[12] 前記冷媒が、前記不飽和フッ化炭化水素化合物のみからなる、[1]~[11]のいずれかに記載の冷凍機油組成物。
[13] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒と、[1]~[12]のいずれかに記載の冷凍機油組成物とを含有する、冷凍機用混合組成物。
[14] 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物の製造方法であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と、
を混合する工程を含み、
前記工程において、前記変性シリコーン化合物(B)を、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超となるように配合する、冷凍機油組成物の製造方法。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
各実施例及び各比較例で用いた各原料並びに各実施例及び各比較例の冷凍機油組成物の各性状の測定は、以下に示す要領に従って行ったものである。
(1)100℃動粘度
基油(A)の100℃動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)水酸基価
基油(A)のJIS K0070:1992に準拠して、中和滴定法により測定した。
(3)数平均分子量(Mn)
基油(A)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置を用いて測定した。
GPCは、カラムとして東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ-M」2本を順次連結したものを用い、テトラヒドロフランを溶離液として、検出器に屈折率検出器(RI検出器)を用いて測定を行い、ポリスチレンを標準試料として数平均分子量(Mn)を求めた。
冷凍機油組成物の調製に用いた各成分の詳細について、以下に示す。
(PAG)
「ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル」:100℃動粘度=10.3mm2/s、水酸基価=1mgKOH/g、数平均分子量=1,020
(ECP)
「ポリプロピレングリコール(PPG)とポリエチルビニルエーテル(PEV)との共重合体(PPG/PEV=5/5(モル比))」:100℃動粘度=10.5mm2/s、水酸基価=1mgKOH/g、数平均分子量=870
(POE)
「ペンタエリスリト-ルとオクタン酸(C8酸)及びノナン酸(C9酸)の混合物とのエステル(C8酸/C9酸=1/1.1(モル比))」:100℃動粘度=8.5mm2/s、水酸基価=1mgKOH/g、数平均分子量=670
・「エポキシ変性シリコーン」:KF-101(信越化学工業株式会社製)
エポキシ変性シリコーンは、側鎖に1以上のエポキシ基を有する側鎖変性シリコーン(B1a)に該当する変性シリコーンである。
・「ポリエーテル変性シリコーン」:KF-945(信越化学工業株式会社製)、HLB値=4
ポリエーテル変性シリコーンは、側鎖に1以上のポリエーテル基を有する側鎖変性シリコーン(B1b)に該当する変性シリコーンである。
・「エポキシ化合物1」:下記式で表されるエポキシ化大豆油、分子量:933、サンソサイザー E-2000H(新日本理化株式会社製)
上記式で表されるエポキシ化大豆油は、エポキシ化植物油(C2)に該当するエポキシ化合物である。
・「エポキシ化合物2」:下記式で表されるエポキシ化脂肪酸エステル、分子量:411、サンソサイザー E-6000(新日本理化株式会社製)
上記式で表されるエポキシ化脂肪酸エステルは、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)に該当するエポキシ化合物である。
ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(DBPC)
2-エチルヘキシルグリシジルエーテル
β-ピネン
極圧剤(トリクレジルホスフェート)、シリコーン系消泡剤
※シリコーン系消泡剤は、変性シリコーン化合物(B)には分類されない、変性されていないシリコーン化合物である。
上記各成分を混合して表1~3に示す組成の冷凍機油組成物を調製し、以下に説明する熱安定性試験を行った。
なお、表1~3中の配合組成の数値単位は、「質量%」である。
また、表1~3中の変性シリコーン化合物(B)の含有量は、固形分換算での含有量を意味する。
JIS K2211:2009の附属書Cに準拠して行った。
具体的には、内容積200mLのオートクレーブ管に、実施例及び比較例の冷凍機油組成物30gとR1234yf30gとを混合した冷凍機用混合組成物(水分含有量500質量ppm、空気含有量25mL)と、鉄、銅、及びアルミニウムからなる金属触媒とを封入した。次いで、真空引きを行ってから封管し、温度175℃の条件にて14日間保持した後、油外観と析出物の有無(析出物がある場合にはその色)とを目視観察した。
なお、油外観は、ASTM色で評価し、0.5以下(L0.5)と判断されるものを油外観が良好であると判断し、0.5よりも大きい(L1.0、L1.5等)と判断されるものを油外観が不良であると判断した。
また、熱安定性試験後、以下に説明する方法で、冷凍機油組成物の酸価及び冷凍機油組成物中のフッ素量を評価した。
JIS K2501:2003に準じ、指示薬光度滴定法(左記JIS規格における付属書1参照)により測定した。
冷凍機油組成物中のフッ素量は、オートクレーブ試験後の冷凍機用混合組成物から冷媒を分離し、JIS K 0127:2013(イオンクロマトグラフ分析通則)に準じ、冷凍機油組成物中のフッ素イオン(F-)を検出して測定した。
実施例I-1~I-4の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果に優れ、試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量も少ないことがわかる。
これに対し、比較例I-1~I-10の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果が不十分であり、試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量も多いことがわかる。
実施例II-1の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果に優れ、試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量も少ないことがわかる。
これに対し、比較例II-1~II-4の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果が不十分であり、試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量も多いことがわかる。
実施例III-1の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果に優れることがわかる。
これに対し、比較例III-1~III-4の冷凍機油組成物は、熱安定性試験後の冷凍機油組成物の酸価の上昇の抑制効果が不十分であることがわかる。
なお、実施例III-1、比較例III-1~III-2では、いずれも試験後の冷凍機油組成物中のフッ素量が少なかった。この原因は、実施例III-1、比較例III-1~III-2では、金属触媒として用いた鉄及び銅が僅かに変色していたことから、金属触媒として用いた鉄及び銅にフッ素が付着し、試験後の冷凍機油組成物中に溶出したフッ素量が少なくなったことによるものと考えられる。
なお、他の実施例及び比較例では、金属触媒の変色は見られなかった。
Claims (14)
- 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と
を含有し、
前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超である、冷凍機油組成物。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。 - 前記変性シリコーン化合物(B)が、ポリシロキサン骨格の少なくとも側鎖が変性された側鎖変性シリコーン(B1)を含む、請求項1に記載の冷凍機油組成物。
- 前記側鎖変性シリコーン(B1)が、側鎖に1以上のエポキシ基を有する側鎖変性シリコーン(B1a)及び側鎖に1以上のポリエーテル基を有する側鎖変性シリコーン(B1b)からなる群から選択される1種以上を含む、請求項2に記載の冷凍機油組成物。
- 前記変性シリコーン化合物(B)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.20質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記エポキシ化合物(C)の分子量が、300以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記エポキシ化合物(C)は、エポキシ化脂肪酸エステル(C1)及びエポキシ化植物油(C2)からなる群から選択される1種以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記エポキシ化脂肪酸エステル(C1)が、下記一般式(c1)で表されるものである、請求項6に記載の冷凍機油組成物。
[式(c1)中、Rc1は、炭素数4~20の炭化水素基であり、Rc2は、炭素数1~10の炭化水素基であり、pは1~3の整数であり、nは0~12の整数であり、mは1~3の整数である。mが2以上の場合、複数存在する[]内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよい。] - 前記エポキシ化合物(C)の含有量が、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.05質量%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記変性シリコーン化合物(B)と前記エポキシ化合物(C)との含有比率[(B)/(C)]が、質量比で、0.10以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- さらに、酸化防止剤(D)、グリシジルエーテル化合物(E)、安定化剤(F)、極圧剤、及び消泡剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記不飽和フッ化炭化水素化合物が、R1234ze、R1234yf、及びR1234yeからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 前記冷媒が、前記不飽和フッ化炭化水素化合物のみからなる、請求項1~11のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物。
- 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒と、請求項1~12のいずれか1項に記載の冷凍機油組成物とを含有する、冷凍機用混合組成物。 - 下記一般式(1)
CxFyHz・・・(1)
[前記一般式(1)中、xは2~6、yは1~11、zは1~11の整数であり、分子中に炭素-炭素不飽和結合を1以上有する。]で表される化合物から選択される1種以上の不飽和フッ化炭化水素化合物を含む冷媒に用いられる冷凍機油組成物の製造方法であって、
ポリアルキレングリコール類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル類からなる群から選択される1種以上を含む基油(A)と、
変性シリコーン化合物(B)と、
下記要件(α)及び(β)を満たすエポキシ化合物(C)と、
を混合する工程を含み、
前記工程において、前記変性シリコーン化合物(B)を、前記冷凍機油組成物の全量基準で、0.10質量%超となるように配合する、冷凍機油組成物の製造方法。
・要件(α):分子中に少なくとも1つの下記式(2)で表される2価基を有する。
・要件(β):分子中に少なくとも1つのエステル基を有する。
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