JP7718121B2 - 接着性樹脂組成物、該組成物を用いた積層シート及び蓋材 - Google Patents
接着性樹脂組成物、該組成物を用いた積層シート及び蓋材Info
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Description
共押ラミネートは2層を同時に押し出すため、接着性樹脂組成物の性状に合わせた下地材の選定や検討が必要である。また、ドライラミネートは溶剤型接着剤の溶剤除去のため、乾燥工程による作業性の低下などの問題がある。その点、押出ラミネートはこれら問題を解決できる。
一方、共押ラミネートは下地材と接着性樹脂組成を同時に溶融し積層することから、接着性樹脂組成物と下地材は一体化しており糸曳きを抑制できる。また、ドライラミネートは下地材と接着性樹脂組成物を接着剤で貼り合わせるため、十分に接着しており糸曳きを抑制できる。これに対し、押出ラミネートは下地材の上に溶融した接着性樹脂組成物を積層するため、接着性樹脂組成物の組成や下地材の種類により十分に接着しないという課題があった。
特に、押出ラミネートは、下地材のポリエチレン(以下PEとも言う)に対して十分に接着しない場合がある。これはポリエチレンの特徴である高い融点と結晶性の影響により引き起こされるためであり、その改善策として比較的融点や結晶性が低く、かつ、接着性を向上するエチレン-酢酸ビニル共重合体(以下EVAとも言う)、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体などのエチレン-酸変性共重合体を下地材として代用される。
特許文献1で提案されている樹脂組成物は、共押ラミネートにより製造した場合は糸曳き良好であるが、押出ラミネートにより製造した場合は糸曳きが発生する。
特許文献2で提案されているポリエチレン用易剥離性接着剤は、押出ラミネートによる積層で糸曳きを改善しているが、ポリエチレンテレフタレート(以下PETとも言う)/PE/EVAのEVA層にポリエチレン用易剥離性接着剤を積層しており、PET/PEのポリエチレン層に積層した場合は接着しない。
特許文献3で提案されているシーラント接着剤は、酸を含有するエチレン-酢酸ビニル共重合体やエチレン-メチルメタクリル共重合体やエチレン-メタクリル酸共重合体などのエチレン共重合体を使用するため、臭気の厳しい食品用途において問題になる場合や、押出ラミネートにて積層する際、ゲル物が発生する場合など、新たな問題が懸念される。
以上のことから、食品への安全性が高く、かつ、積層方法や下地材に制限のない接着性樹脂組成物はなかった。
ポリエチレンワックス(C)は、従来ポリエチレン系樹脂を軟化させ凝集力低下により糸曳きを改善していたが、本発明は、前述に加え、ポリエチレンワックス(C)を8質量%以上含むことで下地材への濡れ性の働きを付与させ接着性樹脂組成と密着し、下地材と接着性樹脂組成が十分に接着することで糸曳きを更に改善できる。
一方で、ポリエチレンワックス(C)を含むことで押出ラミネートの塗工性が大きく低下するため、190℃、荷重2.16kg条件下で測定したポリエチレン系樹脂(A)のメルトフローレートと、230℃、荷重2.16kg条件下で測定したポリプロピレン系樹脂(B)のメルトフローレートを0.1~10g/10分に制限することで、塗工性の問題を解決できる。
上記により、ラミネートによる積層方法や下地材を制限することなく易開封性、かつ、糸曳きを生じない接着性樹脂組成物を提供することが可能となる。
以下に、本発明の接着性樹脂組成物、これを積層した積層シート、該積層シートから製造される容器用蓋材、この蓋材により密封された容器について、更に詳細に説明する。
ポリエチレン系樹脂(A)の190℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFRは、0.1~10g/10分であり、より好ましくは0.5~8g/10分である。上記の範囲内であると、押出ラミネートによる塗工を安定できる点で好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(B)の230℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFRは、0.1~10g/10分であり、より好ましくは0.5~8g/10分である。上記の範囲内であると、押出ラミネートによる塗工を安定できる点で好ましい。
本明細書において、エチレンとプロピレンの共重合体は、DSC融点が130℃以下の場合をポリエチレン系樹脂(A)、DSC融点が130℃を超える場合をポリプロピレン系樹脂(B)に分類される。
ポリエチレンワックス(C)は、特に下地材がポリエチレンに対して十分なラミネート強度が得られ、更に糸曳きを改善することができる。
ポリエチレンワックス(C)は、エチレン単独重合でも、共重合でも良い。具体的には、ポリエチレン系樹脂(A)と相溶し、下地材への濡れ性の働きを付与できる範囲であれば、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、酸化エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体を用いることができる。その中でも臭気の面からポリエチレン単独重合が好ましい。ただし、ポリエチレンワックス(C)は、ポリエチレン系樹脂(A)を含まない。
本発明におけるポリエチレンワックス(C)は、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)、およびポリエチレンワックス(C)の合計100質量%中、8~40質量%であり、より好ましくは12~30質量%であり、特に好ましくは15~25質量%であることが好ましい。上記の範囲内であると下地材のポリエチレンに対し密着し、かつ、糸曳きを改善する点で好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)、およびポリエチレンワックス(C)の合計100質量%中、
ポリエチレン系樹脂(A)35~70質量%、
ポリプロピレン系樹脂(B)15~40質量%、および
ポリエチレンワックス(C)8~40質量%で含有するものである。
さらに、ポリエチレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の含有比率(質量比)が、(A)>(B)且つ、ポリエチレン系樹脂(A)とポリエチレンワックス(C)の含有比率(質量比)が(A)>(C)であることが好ましい。
次に、本発明の接着性樹脂組成物の被膜が基材シートに積層された積層シートについて説明する。使用される基材シートとしては、紙、アルミニウム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン、シリカ蒸着ポリエステルなどを挙げることができる。基材シートは、単層である必要はなく、二層以上の積層体であっても良い。本願においては、基材シートとしては、例えば5~20μmのPETと5~30μmのポリエチレンとの積層体を用いることが好ましい。なお、積層体において接着性樹脂組成物と接する面を下地材と呼ぶ。
本発明の接着性樹脂組成物の基材への積層方法としては、例えば、前記のごとくペレット化された樹脂組成物を用い、インフレーション法あるいはキャスト法などにより単層フィルム化し、このフィルムを基材シートと(必要であれば接着剤層を介して)、積層する方法が挙げられる。あるいは、混練された組成物を直接基材に被覆してもよいし、更に他の方法がとられてもよい。
なお、本発明における積層シートは、長尺及びカットされた短尺のフィルム、シートを包含するものである。また、基材シートは単層のもの及び複数の層からなる積層物をも包含するものである。また、本発明の接着性樹脂組成物が積層された積層シートは、後述するように蓋材として使用できる他、これをシーラントフィルムとした製袋品(接着性樹脂組成物面を内面としてシール)にも好適に使用できる。
本発明の積層シートは、密封対象である容器本体の開口形状に合わせて裁断され蓋材として好適に用いられる。
本発明の蓋材は、PETとポリエチレンとの積層体のポリエチレン面に、5~40μmの本発明の接着性樹脂組成物の被膜を積層したものが好ましい。
容器本体としては、ポリエチレン系樹脂製の容器本体、内面がポリエチレン系樹脂で覆われた容器本体が好ましい。
開封可能な密封容器は、容器本体の開口形状に合わせて裁断された蓋材によって、容器本体の開口部の封緘がなされたものである。即ち、蓋材の一方の面に配設された本発明の接着性樹脂組成物と、密封容器の開口部の接着面(フランジとも言われる)とを接触させ加熱することによって、両者を接着する。接着条件は、130~170℃であることが好ましい。
容器本体がPET容器の場合、該容器本体と前記蓋材とを熱接着温度130~170℃で熱接着を行うことが好ましく、常温での開封強度が10~20Nの範囲であり、また剥離時に熱接着層が界面剥離することが好ましい。本発明の開封可能な密封には、例えばゼリー、プリン、ヨーグルトや冷菓、乾燥菓子、カップ麺等を包装することができる。
JIS.K7210に準拠し、メルトインデクサーL244(宝工業株式会社製メルトインデクサー)を用いて、内径9.55mm、長さ162mmのシリンダにサンプルを充填し、190℃または230℃で溶融した後、重さ2・16kg、直径9.48mmのプランジャーを使用して均等に荷重をかけ、シリンダの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより単位時間あたりに押出された樹脂量(g/10分)を測定した。
VISCOMETER TVB-10(TOKI SANGYO社製B型粘度計)を用いて、温度140℃又は180℃にて、ローターNo.3、12rpm、時間30秒で測定した。
DSC―60A plus(島津製作所社製示差走査型熱量計)を用いて、アルミパン上に約5mg秤量した試料を窒素気流下で0℃~200℃の温度範囲を10℃/分の昇温速度で測定された吸熱曲線の最大値を求めた。
[実施例1]
表1に示した材料と配合量で、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)、及びポリエチレンワックス(C)及び添加剤を、ヘンシェルミキサーで5分間プリブレンドした。ホッパーにプリブレンド物を投入し、スクリューフィーダーを用いて下記押出機に供給し、実施例1の接着性樹脂組成物を得た。
≪押出機条件≫
押出機:アイ・ケー・ジー社製同方向回転二軸押出機PMT32-40.5
バレル温度:180℃(供給口160℃)
スクリュー回転速度:200rpm
供給速度:10kg/hr
表1、2の組成にしたがって、実施例1と同様の方法で実施例2~14、比較例1~9の接着性樹脂組成物を得た。
得られた接着性樹脂組成物について、MFRを測定した。また、下記に従って積層シート(蓋材)を作製し、該積層シートを用いて、ラミ強度(下地材との密着性)、糸曳き(耐容器付着性)、開封強度(易開封性)を、以下の方法及び基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
得られた接着性樹脂組成物を、押出ラミネーターを用いて、PET20μm/PE12μmの基材シートのPE面(下地材)に厚さ20μmで積層して積層シートを作成した。以下に加工条件を示す。
押出ラミネーター:ムサシノキカイ製400M/MテストEXTラミネーター
ダイ直下樹脂温度:250℃~280℃
加工速度:30m/分
Tダイ幅:400mm
冷却ロール表面温度:20℃
押出ラミネーターによる塗工性を下記基準で評価した。
〇:ダイ吐出幅-実際の塗工幅=50mm未満:良好
△:ダイ吐出幅-実際の塗工幅=50mm~100mm:使用可能
×:ダイ吐出幅-実際の塗工幅=100mmを超える:不良
得られた積層シート(蓋材)を50mm×70mmのサイズに断裁後、下地材の層と接着性樹脂組成の層を手で50mm×20mmを剥離した。温度23℃湿度65%の恒温恒湿室にてT剥離、引張速度200mm/分の条件で測定を行い、平均値をラミ強度とし、下地材との密着性を下記基準で評価した。
〇:接着性樹脂組成物の層と下地材の層の剥離が不可:良好
△:開封強度が、1.5N/50mm以上、又は、接着性樹脂組成物の層が破断:使用可能
×:開封強度が、1.5N/50mm以上未満:不良
-:塗工できなかったため測定不可
<糸曳き(耐容器付着性)>
上記開封強度測定時のPET容器フランジ部の接着性樹脂組成物の有無を目視で確認し、下記基準で評価した。
〇: フランジ部に接着性樹脂組成物がないもの:良好
△: フランジ部に接着性樹脂組成物が僅かにみられたもの:使用可能
×: フランジ部に接着性樹脂組成物がみられたもの:不良
-:ラミ強度が得られなかった(接着性樹脂組成物が下地材に接着しなかった)ため測定不可
得られた積層シート(蓋材)を90mm×90mmのサイズに断裁後、ゲージ圧0.3MPa、150℃、1秒にて71ΦPET容器に、接着性樹脂組成物面を熱接着し、密封を行なった。温度23℃湿度65%の恒温恒湿室に24時間放置し、同恒温恒湿室にて45°角剥離、引張速度200mm/分の条件で測定を行い、最大値を開封強度とし、易開封性を下記基準で評価した。
〇:開封強度が、10N以上20N未満:良好
△:開封強度が、7N以上10N未満、又は、20N以上25N未満:使用可能
×:開封強度が、7N未満、又は、25N以上:不良
-:ラミ強度が得られなかった(接着性樹脂組成物が下地材に接着しなかった)ため測定不可
A1:HP0830NN(SABIC社製、低密度ポリエチレン、190℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR0.8g/10分)
A2:HP7022(SABIC社製、エチレン-プロピレン共重合体、190℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR7g/10分、DSC融点108℃)
A3:LDF260YZ(LOTTE CHEMICAL TITAN社製、低密度ポリエチレン、190℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR5g/10分)
A4: XJ700(LOTTE社製、低密度ポリエチレン、190℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR24g/10分)
B2:SB-520(LOTTE社製、プロピレン-エチレン共重合体、230℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR2g/10分、DSC融点150℃)
B3:513A(SABIC社製、ポリプロピレン、230℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR6g/10分)
B4:J-360(LOTTE社製、プロピレン-エチレン共重合体、230℃、荷重2.16kg条件下で測定したMFR18g/10分、DSC融点148℃)
C2:A-C735(Honeywell社製、ポリエチレンワックス、粘度6,000mPa・s(140℃)、融点110℃)
C3:200P(三井化学社製、ポリエチレンワックス、粘度80mPa・s(140℃)、融点130℃)
C4:4051E(三井化学社製、酸化ポリエチレンワックス、粘度500mPa・s(140℃)、融点120℃)
C5:Sasol H1(Sasol社製、パラフィンワックス、粘度8mPa・s(140℃)、融点70℃)
C6:NP055(三井化学社製、ポリプロピレンワックス、粘度50mPa・s(180℃)、融点150℃)
酸化防止剤:IRGANOX 1010(BASF社製、ヒンダードフェノール)0.1%外添
Claims (5)
- 190℃、荷重2.16kg条件下で測定したメルトフローレートが0.1~10g/10分であるポリエチレン系樹脂(A)(但し、エチレン-酢酸ビニル共重合体を除く)、230℃、荷重2.16kg条件下で測定したメルトフローレートが0.1~10g/10分であるポリプロピレン系樹脂(B)、およびポリエチレンワックス(C)の合計100質量%中、ポリエチレン系樹脂(A)35~70質量%、ポリプロピレン系樹脂(B)15~40質量%、およびポリエチレンワックス(C)8~40質量%、を含有することを特徴とする接着性樹脂組成物。
- ポリエチレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の含有比率が、(A)>(B)且つ、ポリエチレン系樹脂(A)とポリエチレンワックス(C)の含有比率が(A)>(C)である、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
- 接着性樹脂組成物の190℃、荷重2.16kg条件下で測定したメルトフローレートが5~45g/10分である、請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物。
- 基材シート上に、請求項1~3いずれか1項に記載の接着性樹脂組成物の被膜が積層された積層シート。
- 請求項4に記載の積層シートからなる蓋材。
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