JP7720137B2 - ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤の製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤の製造方法Info
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Description
まず、本発明の半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物に用いられるポリビニルアルコール組成物の製造方法について説明する。なお、ここで述べるポリビニルアルコール組成物の製造方法は、本発明の半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物の製造方法としてそのまま適用できる。すなわち、本発明において、ポリビニルアルコール組成物が砥粒を含まない場合、ポリビニルアルコール組成物の製造方法は、ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤の製造方法として適用できる。また、ポリビニルアルコール組成物は、そのまま半導体用濡れ剤として用いることもできる。本発明において、ポリビニルアルコール組成物が砥粒を含む場合、ポリビニルアルコール組成物の製造方法は、ポリビニルアルコール組成物を含む研磨用組成物の製造方法として適用できる。また、ポリビニルアルコール組成物は、そのまま研磨用組成物として用いることもできる。よって、本発明の一実施形態によれば、ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物の製造方法は、ポリビニルアルコールを含む半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物の製造方法とも言い換えられる。
第1の液は、ポリビニルアルコールと、水と、を含む。第1の液は、必要に応じて、界面活性剤、ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子、キレート剤、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、pH調整剤、酸化剤、金属防食剤、防腐剤、防カビ剤等の公知の添加剤、水以外の溶媒をさらに含んでいてもよい。
本発明において、ポリビニルアルコールは、繰返し単位としてビニルアルコール単位(以下「VA単位」ともいう)のみを含んでいてもよく、VA単位に加えてVA単位以外の繰返し単位(以下「非VA単位」ともいう)を含んでいてもよい。ビニルアルコール単位とは、化学式:-CH2-CH(OH)-により表される構造部分である。ポリビニルアルコールは、VA単位と非VA単位とを含むランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体やグラフト共重合体であってもよい。ポリビニルアルコールは、一種類の非VA単位のみを含んでもよく、二種類以上の非VA単位を含んでもよい。
サンプル濃度:0.1重量%
カラム:TSKgel GMPWXL
検出器:示差屈折計
溶離液:100mM 硝酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=10~8/0~2
流速:1mL/分
測定温度:40℃
サンプル注入量:200μL
ポリビニルアルコールの重合度は、一般に100~10,000程度であるが、特に研磨用組成物の用途においては、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1500以上であり、具体的には2000以上である。また、ポリビニルアルコールの重合度は、好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下、さらに好ましくは2900以下である。重合度が上記範囲であれば、本発明の効果が十分に発揮される。
水は、ポリビニルアルコールの溶媒となる。水は、不純物が可能な限り含有されていないものであることが好ましい。当該水としては、イオン交換樹脂による不純物イオンの除去、フィルタによる不純物の除去、蒸留による異物を除去した水であることが好ましい。このような水として、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等が挙げられる。半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下であることが好ましい。
上記のような構成を有する第1の液を調製する方法は、特に制限されないが、例えば、下記工程Aおよび工程Bを含む方法が挙げられる;
工程A:ポリビニルアルコールを水に分散させてポリビニルアルコール分散液を得る分散工程;
工程B:ポリビニルアルコール分散液を80℃以上に加温し撹拌することにより、ポリビニルアルコールを水に溶解させて第1の液を得る溶解工程。
ポリビニルアルコールを水に分散させる際の水の温度は、15℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。また、ポリビニルアルコールを水に分散させる際の水の温度は、25℃以下であることが好ましい。水の温度が上記範囲内であると、ポリビニルアルコールが水中で塊状物になることを抑制できることから好ましい。
本明細書において溶解工程とは、ポリビニルアルコールを水に溶解させる際の水の温度が80℃を超える期間を指す。ポリビニルアルコールを水に溶解させる際の水の温度は、85℃以上であることが好ましく、88℃以上であることがより好ましく、90℃以上であることがさらに好ましい。また、ポリビニルアルコールを水に溶解させる際の水の温度は、98℃以下であることが好ましく、96℃以下であることがより好ましく、94℃以下であることがさらに好ましい。水の温度が上記範囲内であると、ポリビニルアルコールが水に十分に溶解し、均一なポリビニルアルコール水溶液(第1の液)を得ることができることから好ましい。
第1の液には、上述のように、公知の添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、特に制限されないが、水にポリビニルアルコールを溶解させた後に添加するのが好ましい。
第2の液は、溶媒を含む。第2の液は、必要に応じて、砥粒、界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、pH調整剤、錯化剤、防腐剤、防カビ剤等の公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。ここで、第2の液は、例えば、溶媒だけであってもよく、ポリビニルアルコールと溶媒とを含む溶液であってもよい。よって、本発明の一実施形態によれば、ポリビニルアルコールを含む第1の液と水(第2の液)とを混合する形態であってもよいし、ポリビニルアルコールを含む第1の液とポリビニルアルコールを含む第2の液とを混合する形態であってもよい。
第2の液に含有される溶媒は、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類等や、これらの混合物などが例示できる。これらのうち、溶媒としては水が好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、第2の液における溶媒は水を含む。本発明のより好ましい形態によると、第2の液における溶媒は実質的に水からなる。なお、上記の「実質的に」とは、本発明の目的効果が達成され得る限りにおいて、水以外の溶媒が含まれ得ることを意図し、より具体的には、好ましくは90質量%以上100質量%以下の水と0質量%以上10質量%以下の水以外の溶媒とからなり、より好ましくは99質量%以上100質量%以下の水と0質量%以上1質量%以下の水以外の溶媒とからなる。最も好ましくは、溶媒は水である。
本発明では、ポリビニルアルコールおよび水を含む第1の液と、第1の液以外の第2の液とを混合して、ポリビニルアルコール組成物を得る混合工程において、第1の液および第2の液のいずれか一方の溶液中に、第1の液および第2の液のいずれか他方を液中添加する液中添加工程を含む。すなわち、本発明の製造方法は、第1の液と第2の液とを混合する混合工程において、第1の液および第2の液のいずれか一方の液中に、第1の液または第2の液のいずれか他方を液中添加する液中添加工程を含むことを特徴とする。
・工程C:撹拌工程
本発明の一実施形態によれば、液中添加工程の後、ポリビニルアルコール組成物を撹拌する撹拌工程を含む。撹拌工程を行うことにより、ポリビニルアルコールが均一に分散している状態となるため好ましい。
ろ工程は、ポリビニルアルコール組成物を調製した後、ろ過する工程である。本工程により、ポリビニルアルコール組成物中の凝集物を除去することができる。本発明の一実施形態によれば、前記添加工程を経て得られたポリビニルアルコール組成物をろ過するろ過工程をさらに含む。
本発明の一実施形態によれば、液中添加工程を経て得られたポリビニルアルコール組成物にアルカリを添加するアルカリ添加工程をさらに含む。アルカリ添加工程を行うことにより、後述の研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤として好適に用いられる。アルカリ添加工程の詳細については、研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤の欄で説明する。
本発明の一実施形態によれば、ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール組成物が提供される。ポリビニルアルコール組成物は、第1の液および第2の液を含有することにより、少なくともポリビニルアルコールおよび水を含有する。ポリビニルアルコール組成物は、必要に応じて、水以外の溶媒をさらに含んでいてもよい。また、ポリビニルアルコール組成物は、必要に応じて、砥粒を含んでいてもよい。
本発明の製造方法により得られたポリビニルアルコール組成物は、種々の用途に用いられうる。例えば、接着剤、医薬品の結合剤、分散剤、フィルム、化粧品、繊維原料、糊剤、塗料、乳化剤、包装、研磨および研磨後のリンス等の用途に用いられうる。これらのうち、研磨および研磨後のリンスの用途に使用することが好ましい。
ここに開示される半導体用濡れ剤および/または研磨用組成物は、本発明の製造方法により製造されたポリビニルアルコール組成物を含む。
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒を含む。砥粒は、研磨対象物の表面を機械的に研磨する働きをする。砥粒の材質や性状は特に制限されず、研磨用組成物の使用目的や使用態様等に応じて適宜選択することができる。砥粒の例としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩等が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。このような砥粒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、砥粒は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。なお、半導体用濡れ剤は、砥粒を含まない。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性のいずれのものも使用可能である。ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、界面活性剤を実質的に含まない態様で実施することができる。
ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子としては、分子中に、水酸基、カルボキシ基、アシルオキシ基、スルホ基、アミド構造、イミド構造、第四級アンモニウム構造、複素環構造、ビニル構造等を含む化合物が挙げられる。また、ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子としては、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物のいずれを用いてもよい。天然高分子化合物としては、特に制限されないが、好ましくは、多糖類等が挙げられる。また、半合成高分子化合物としては、特に制限されないが、好ましくは、セルロース誘導体、でんぷん誘導体等が挙げられる。そして、合成高分子化合物としては、特に制限されないが、好ましくは、オキシアルキレン単位を有する高分子、窒素原子を含有する高分子等が挙げられる。窒素原子を含有する高分子の一態様としては、N-ビニル型ポリマー、N-(メタ)アクリロイル型ポリマー等が用いられ得る。これらの化合物の具体例を後述する。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、pH調整剤をさらに含んでもよい。pH調整剤は、主としてここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤のpHを調整する目的で添加される。pH調整剤は、pH調整機能を有する化合物であれば特に制限されず、公知の化合物を用いることができる。例えば、アルカリおよび酸等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、キレート剤をさらに含んでもよい。キレート剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。キレート剤の好適例としては、例えばエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミン五酢酸が挙げられる。上記防腐剤および防カビ剤の例としては、イソチアゾリン系化合物、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、有機酸およびその塩、ならびに無機酸およびその塩をさらに含んでもよい。有機酸およびその塩、ならびに無機酸およびその塩は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、イタコン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グリコール酸、マロン酸、グルコン酸、アラニン、グリシン、乳酸、ヒドロキシエチリデン二リン酸(HEDP)、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、ニトリロトリス(メチレンリン酸)(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)等の有機ホスホン酸等が挙げられる。有機酸塩の例としては、有機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩等が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、リン酸、硫酸、ホスホン酸、硝酸、ホスフィン酸、ホウ酸、炭酸等が挙げられる。無機酸塩の例としては、無機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、金属防食剤をさらに含んでもよい。金属防食剤の具体例としては、例えば、ピロール化合物、ピラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピリジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、ピリンジン化合物、インドリジン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、インダゾール化合物、プリン化合物、キノリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、ナフチリジン化合物、フタラジン化合物、キノキサリン化合物、キナゾリン化合物、シンノリン化合物、ブテリジン化合物、チアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、フラザン化合物等の含窒素複素環化合物が挙げられる。これらの金属防食剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、酸化剤をさらに含んでもよい。酸化剤の具体例としては、過酸化物、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過マンガン酸塩、バナジン酸塩、次亜塩素酸塩、酸化鉄、オゾン等が挙げられる。過酸化物の具体例としては、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素及び過塩素酸、過塩素酸塩、並びに過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの酸化剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、防腐剤、防カビ剤をさらに含んでもよい。防腐剤及び防カビ剤の具体例としては、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。これら防腐剤及び防カビ剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤のpHは、特に限定されない。pHは1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、典型的には8.0以上であり、好ましくは8.5以上、より好ましくは9.0以上、さらに好ましくは9.3以上、例えば9.5以上である。一方、研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤のpHは、12.0以下であることが適当であり、11.0以下であることが好ましく、10.8以下であることがより好ましく、10.5以下であることがさらに好ましい。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で基板に供給されて、その基板の研磨に用いられる。また、ここに開示される半導体用濡れ剤は、典型的には該半導体用濡れ剤を含むリンス液の形態で基板に供給されて、その基板のリンスに用いられる。上記研磨液は、例えば、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、該研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、基板に供給されて該基板の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液(すなわち、研磨液の原液)との双方が包含される。上記リンス液は、例えば、ここに開示されるいずれかの半導体用濡れ剤を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、該半導体用濡れ剤をそのままリンス液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における半導体用濡れ剤の概念には、基板に供給されて該基板のリンスに用いられるリンス液と、希釈してリンス液として用いられる濃縮液(すなわち、リンス液の原液)との双方が包含される。ここに開示される研磨用組成物を含む研磨液の他の例として、該組成物のpHを調整してなる研磨液が挙げられる。また、ここに開示される半導体用濡れ剤を含むリンス液の他の例として、該組成物のpHを調整してなるリンス液が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、基板に供給される前には濃縮された形態であってもよい。すなわち、研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、研磨液および/またはリンス液の濃縮液の形態であり、研磨液および/またはリンス液の原液としても把握され得る。このように濃縮された形態の研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮液の濃縮倍率は特に限定されず、例えば、体積換算で2倍~100倍程度とすることができ、通常は5倍~50倍程度(例えば10倍~40倍程度)が適当である。
ここに開示される技術において使用される研磨用組成物は、一剤型であってもよく、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、研磨用組成物の構成成分のうち少なくとも砥粒を含むパートAと、残りの成分の少なくとも一部を含むパートBとを混合し、これらを必要に応じて適切なタイミングで混合および希釈することにより研磨液が調製されるように構成されていてもよい。ここに開示される技術において使用される半導体用濡れ剤は、一剤型であってもよく、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、半導体用濡れ剤の構成成分のうち少なくともポリビニルアルコールを含むパートAと、残りの成分の少なくとも一部を含むパートBとを混合し、これらを必要に応じて適切なタイミングで混合および希釈することによりリンス液が調製されるように構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤は、種々の材質および形状を有する基板の研磨および/またはリンスに適用されうる。基板の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ハフニウム、コバルト、ステンレス鋼等の金属もしくは半金属、またはこれらの合金;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得る。これらのうち複数の材質により構成された基板であってもよい。また、金属、酸素原子およびケイ素原子を有する基板、ケイ素-ケイ素結合を有する基板、窒素原子およびケイ素原子を有する基板などであってもよい。酸素原子およびケイ素原子を有する基板としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)重縮合物等が挙げられる。ケイ素-ケイ素結合を有する基板としては、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金等が挙げられる。窒素原子およびケイ素原子を有する基板としては、窒化ケイ素膜、SiCN(炭窒化ケイ素)等のケイ素-窒素結合を有する基板などが挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、基板の研磨に使用することができる。また、ここに開示される半導体用濡れ剤は、例えば以下の操作を含む態様で、基板のリンスに使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて基板(例えばシリコンウェーハ)を研磨する方法およびここに開示される半導体用濡れ剤を用いて基板(例えばシリコンウェーハ)をリンスする方法の好適な一態様につき説明する。
上記研磨工程および/またはリンス工程に使用される研磨パッドは、特に限定されない。例えば、発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の研磨パッドを用いることができる。各研磨パッドは、砥粒を含んでもよく、砥粒を含まなくてもよい。通常は、砥粒を含まない研磨パッドが好ましく用いられる。
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物および/または半導体用濡れ剤を用いて研磨および/またはリンスされた基板は、典型的には洗浄される。洗浄は、適当な洗浄液を用いて行うことができる。使用する洗浄液は特に限定されず、例えば、半導体等の分野において一般的なSC-1洗浄液、SC-2洗浄液等を用いることができる。SC-1洗浄液としては、水酸化アンモニウム(NH4OH)と過酸化水素(H2O2)と水(H2O)との混合液が挙げられる。SC-2洗浄液としては、HClとH2O2とH2Oとの混合液が挙げられる。洗浄液の温度は、例えば室温以上、約90℃程度までの範囲とすることができる。室温は、典型的には約15℃~25℃である。洗浄効果を向上させる観点から、40℃~85℃程度の洗浄液を好ましく使用しうる。
3Lの容器に、室温(25℃)の水1200部を添加した後、ポリビニルアルコール(PVA-124、(株)クラレ製、重合度2400、けん化度98.0~99.0mol%)600部を添加した(固形分濃度3.3質量%)。そして、プロペラ翼を有するメカニカルスターラ(新東科学株式会社製、製品名スリーワンモータ、型番BLh1200)を用いて250rpmの回転速度で攪拌し、容器内の溶液が90℃を超えるまで昇温し、ポリビニルアルコールを分散・膨潤させた。その後撹拌を続けながら95℃まで昇温し、その温度を保ったまま引き続き1時間撹拌して、ポリビニルアルコールを溶解させ、ポリビニルアルコール水溶液を得た。
溶液(1)の添加実験を行うために、図1に示す装置10を準備した。図1は、液中添加の実験に用いた装置10を模式的に示す図である。
上記で得られた溶液(1)を図1に示す装置10を用いて、液中への添加実験を行った。ビーカー11、12には、それぞれ溶液(1)21a、21bが900部ずつ配置されている。なお、用いたチューブ15a、15bの径は5mmであり、ビーカー11(撹拌容器)の内径は20cmであり、溶液(1)21aへの溶液(1)21bの添加速度は150~160mL/minとし、5分間、溶液(1)21bの液中添加を行った。液中添加時には攪拌を行わなかった。液中添加の終了後、ビーカー11は、スリーワンモータ(装置)(図示せず)により撹拌(100rpmの回転数)を行い、液中添加をする溶液(1)の温度は25℃であった。撹拌翼径(L)の撹拌容器の内径(D)に対する比(L/D)は、0.5であった。攪拌終了後、ビーカー11内の溶液(1)21aを回収し、実施例1のポリビニルアルコール組成物(以下、PVA組成物)(1)とした。
比較例1では、滴下により添加を行った。この際、図1に示す装置10において、チューブ15bの他端を、ビーカー11の溶液(1)21a内から取り出し、溶液(1)21aの50~60cm上に配置(例えば、クランプ等でチューブ15bを保持する)することにより、滴下による添加実験を行った。なお、溶液(1)21aへの溶液(1)21bの添加速度は150~160mL/minとし、5分間、溶液(1)21bの滴下添加を行った。液中添加時には攪拌を行わなかった。液中添加の終了後、ビーカー11は、スリーワンモータ(装置)により撹拌(100rpmの回転数を行い、液中添加をする溶液(1)の温度は25℃であった。攪拌終了後、ビーカー11内の溶液(1)21aとビーカー12内の溶液(1)21bとを合わせて回収し、比較例1のPVA組成物(2)とした。
添加実験を行っていない溶液(1)(調製後、10分間静置)をPVA組成物(3)とした。
添加実験を行った溶液に対して、ろ過性の評価を行った。ろ過性の評価を行うにあたり、フィルタの個体差を排除するためにDIW補正を行った。ここで、DIW補正とは、フィルタ間のろ過能力の差を係数で補正するもので、係数は脱イオン水を用いたろ過性能(ろ過時間および通液量)に基づいて算出している。
まず、使用する各フィルタに対して、25℃の脱イオン水600gのろ過を行った。フィルタの材質はポリプロピレン、孔径は0.2μmであった。ろ過方法は、吸引ろ過によりろ過を行った。なお、ろ過の吸引圧は0.0125MPaで行った。通液時間100秒におけるろ過重量(g)と通液時間600秒におけるろ過重量(g)とを測定した。これらの脱イオン水を用いた場合のろ過重量(g)を各フィルタのDIW補正に使用した。
上記で得られた各PVA組成物600g(25℃)に対して、上記コントロールで使用したフィルタを用いて、吸引ろ過(吸引圧0.0125MPa)によりろ過を行った。60秒間隔で通液量を測定した。表1には、各PVA組成物における通液量(g)を示した。なお、値はDIW補正がなされている。
(各評価サンプルDIW補正値の算出)
脱イオン水のろ過における通液時間100秒後のろ過重量と、通液時間600秒後のろ過重量を1/6した値とを加算し平均値を求め、「通液時間100秒経過時のろ過重量(平均値)」とした。各評価サンプル(液中添加、滴下添加および静置した溶液のそれぞれ)のろ過性評価に使用する各フィルタに対して、脱イオン水のろ過における通液時間100秒経過時のろ過重量(平均値)を算出した。これが、下記式(1)の「各評価サンプルの通液時間100秒経過時のろ過重量(平均値)」となる。
各評価サンプルにおける通液時間に対するろ過重量の脱イオン水に基づく補正は、「各評価サンプルDIW補正値」を用いて以下のように行った。各評価サンプルの各通液時間(規定値)において、「各評価サンプルDIW補正値」を行ったろ過重量(ろ過重量 DIW補正)の結果を表1に示す。
11、12 ビーカー、
13 ポンプ、
15a、15b チューブ、
21a、21b 溶液(1)。
Claims (8)
- ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤の製造方法であって、
前記半導体用濡れ剤が、砥粒を含有せず、
前記ポリビニルアルコール組成物が、ポリビニルアルコールと水とを含む第1の液、および前記第1の液以外の第2の液のいずれか一方の液中に、前記第1の液および前記第2の液のいずれか他方を液中添加する液中添加工程を経て得られ、
前記液中添加工程が、撹拌手段を有する容器内に保持された前記第2の液中に、前記第1の液を液中添加する工程である、半導体用濡れ剤の製造方法。 - 前記第1の液が、ポリビニルアルコールを水に分散させたポリビニルアルコール分散液を85~98℃に加熱した後に15~50℃に冷却して得られたものである、請求項1に記載の半導体用濡れ剤の製造方法。
- ポリビニルアルコール組成物を含む半導体用濡れ剤の製造方法であって、
前記ポリビニルアルコール組成物が、ポリビニルアルコールと水とを含む第1の液、および前記第1の液以外の第2の液のいずれか一方の液中に、前記第1の液および前記第2の液のいずれか他方を液中添加する液中添加工程を経て得られ、
前記第1の液が、ポリビニルアルコールを水に分散させたポリビニルアルコール分散液を85~98℃に加熱した後に15~50℃に冷却して得られたものである、半導体用濡れ剤の製造方法。 - 前記液中添加工程を経て得られたポリビニルアルコール組成物をろ過するろ過工程をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体用濡れ剤の製造方法。
- 前記液中添加工程において、前記ポリビニルアルコール組成物中の前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記ポリビニルアルコール組成物の全質量に対して、10質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体用濡れ剤の製造方法。
- 前記液中添加工程を経て得られたポリビニルアルコール組成物にアルカリを添加するアルカリ添加工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体用濡れ剤の製造方法。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法により製造された半導体用濡れ剤と砥粒とを含む、研磨用組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法により製造された半導体用濡れ剤と砥粒とを混合することを含む、研磨用組成物の製造方法。
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