JP7721879B2 - 神経細胞ネットワーク構造体の形成方法、及びインビトロで神経細胞を評価する方法 - Google Patents

神経細胞ネットワーク構造体の形成方法、及びインビトロで神経細胞を評価する方法

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Description

本発明は、神経細胞ネットワーク構造体の形成方法、神経細胞ネットワーク構造体、及びインビトロで神経細胞を評価する方法に関する。
動物やヒト細胞を培養し生体外で利用することで、薬物や毒物の影響を生体外で評価することができる。従来は生物個体やそれらから採取した組織切片や細胞に対して薬物を添加し、それらの応答を見ていた。一方で、動物細胞では種差による問題、ヒト細胞では取得のための倫理や個体再現性に課題が生じ、代替法が求められている。
現在、iPS細胞を例とする幹細胞技術の発達により、各種臓器に対応する細胞を作製することができるようになり、従来では生体からの採取が難しく、かつ増殖もできない神経細胞なども利用することができるようになってきた。神経細胞を生体外で培養し、成熟化させることで、人の応答に近い反応を示すことができる細胞組織モデルの開発がなされ、一部は電気的な測定により毒性評価や薬効評価に用いられていることが既に知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献2及び非特許文献1には、神経移植のための組織片の取り扱い向上の目的で、マイクロゲルファイバに細胞を封入することでそれらを束ねた移植用神経束は、十分な柔軟性及び強度を有し、内部の細胞に充分な栄養を供給できる構造体であるとともに、高い細胞密度を維持できることが開示されており、マイクロファイバ内の神経幹細胞を分化させてから組み合わせることもできることが開示されている。また、細胞塊から軸索伸長を誘導し、これを用いて電気的評価を行うという方法も知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4)。
近年、幹細胞由来の幼若な神経細胞を用いて構築された神経ネットワークモデルを用いて、ハイスループットな薬剤スクリーニングを行うことが試みられているが、従来の幹細胞由来の幼若な神経細胞を用いた神経細胞モデルは、成熟化のために1か月を超える長期の培養期間が必要であり、基材上に長期培養維持することが困難であった。具体的には、幹細胞を利用して神経細胞モデルを作製するためには、幼若な神経細胞の成熟化および機能的な神経ネットワークの構築、の工程が必要である。この両工程は、幼若な神経細胞を基材上に播種し、培養することにより同時に進行することが一般的であるが、成熟化工程に長期培養を要するため、播種した神経細胞が基材から剥がれたり、神経細胞の凝集が起こったりし、神経ネットワーク構築により形成された構造の維持が困難になるという問題があった。
特許文献2~4及び非特許文献1に記載の神経細胞モデルは、移植や神経細胞の三次元ネットワークの構築を目的としており、神経細胞の二次元ネットワークの構築を目的とするものではないため、ハイスループットな神経細胞の評価や神経細胞に作用する薬剤の評価等には適していない。また、基材に長期間培養したときの、神経細胞ネットワーク構築・構造維持という問題を解決できるものではない。
本発明は、神経細胞の成熟化工程と神経細胞ネットワーク構造形成工程とを分離することで、基材上の神経細胞ネットワーク構造を維持し、安定的に神経細胞モデルを供給することができる神経細胞ネットワーク構造体の形成方法、神経細胞ネットワーク構造体、及び前記神経細胞ネットワーク構造体を用いるインビトロで神経細胞を評価する方法を提供する。
神経細胞ネットワーク構造体の形成方法は、幼若な神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、を含む。
本発明によれば、幼若な神経細胞の成熟化工程の長期培養に伴う、基材からの神経細胞の剥がれや神経細胞の凝集を防止し、基材上の神経細胞ネットワークの構造を維持し、安定的に神経細胞モデルを供給することができる神経細胞ネットワーク構造体の形成方法を提供することができる。
本発明の神経細胞ネットワーク構造体100を示す平面図である。 実験例1における基材表面上で幼若な神経細胞を長期間培養したときの基材表面の顕微鏡画像を示す。 実験例2における培養1、4、8、15、33日目の神経細胞凝集塊の顕微鏡画像を示す。 実験例2における神経細胞凝集塊の静止時と、同期的活動時の蛍光画像を示す。 実験例2における神経細胞凝集塊の活動に伴う蛍光強度の変化を示すグラフである。 実験例3における神経細胞凝集塊を基材に配置後1日目の顕微鏡画像を示す。 実験例3における神経細胞凝集塊を基材に配置後1日目の活動電位を示すラスタープロットである。 実験例4における基材に配置後1時間後、及び2日目の神経細胞凝集塊の顕微鏡画像を示す。 実験例4における基材に配置後9、13、26日目の神経細胞凝集塊の顕微鏡画像を示す。 実験例5における神経細胞凝集塊を基材に配置後2、9、13、26日目の活動電位を示すラスタープロットである。 実験例6における神経細胞凝集塊を、電極を含む基材上に配置し、電極同士の接続強度を解析した結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る神経細胞ネットワーク構造体の形成方法、神経細胞ネットワーク構造体、及びインビトロで神経細胞を評価する方法について、必要に応じて特定の実施形態及び図面を参照して説明する。かかる実施形態及び図面は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれる。
また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本明細書において別様に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。本明細書中で参照する全ての特許、出願および他の出版物や情報は、その全体を参照により本明細書に援用する。また本明細書において参照された出版物と本明細書の記載に矛盾が生じた場合は、本明細書の記載が優先されるものとする。
<神経細胞ネットワーク構造体の形成方法>
本発明の神経細胞ネットワーク構造体の形成方法は、幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、を含む方法である。本発明の形成方法によれば、幼若神経細胞の成熟化工程の長期培養に伴う、基材からの神経細胞の剥がれや神経細胞の凝集を防止し、基材上の神経細胞ネットワークの構造を維持し、安定的に神経細胞モデルを供給することができる。
本明細書において、「神経細胞凝集塊」とは、2個以上の幼若な神経細胞または神経幹細胞(以下単に「幼若神経細胞」と表す)が、3次元的に接着して構成された神経細胞集団である。また、単一種の幼若神経細胞により形成されていてもよいし、複数種の幼若神経細胞が含まれていてもよい。また、神経細胞凝集塊は、集団として特定の電気活動特性を示す。
本明細書において、「電気活動特性」とは、細胞の活動に伴って示される電気化学的活動に関する性質を意味し、例えば細胞の自発発火の発火頻度、発火振幅、発火パターン、神経細胞凝集塊の同期バーストのバースト頻度、バースト振幅、バーストパターン、バースト周期性、神経振動の振動周波数、振動振幅、振動位相、細胞内のナトリウムイオン、カルシウムイオン等のカチオン濃度及びその変化パターン等が挙げられる。ここでいう「発火」とは、1回の瞬間的な活動電位の変化を意味し、「バースト」とは、連続的な発火状態を意味し、単一の発火よりマクロで見た場合のパターンである。複数の神経細胞凝集塊の自発発火が全体的に同期して起こることを同期バーストという。また、「神経振動」とは、バーストと非バーストの繰り返しパターンを意味する。電気活動特性は、単一の特性だけを観察してもよいが、近年では複数の特性(パラメータ)を同時に計測し、多変量解析等を用いて特徴づけを行うこともあり、このような複数の特性の組み合わせによる特徴も本発明の「電気活動特性」に包含される。測定の簡便さの点で、電極を用いて測定可能な電気化学的特性が好ましく、細胞の自発発火の発火頻度、発火振幅、発火パターン、神経細胞凝集塊の同期バーストのバースト頻度、バースト振幅、バーストパターン、バースト周期性、神経振動の振動周波数、振動振幅及び振動位相からなる群から選択される少なくとも1つが異なる神経細胞凝集塊を用いることが好ましい。ここでいう「バーストパターン」とは、バーストの波形パターン、「バースト周期性」とは、バーストの周期的規則性をそれぞれ意味する。
神経細胞又は神経細胞凝集塊の電気活動特性は、公知の電気生理学的手法を用いて測定することができる。かかる電気生理学的手法としては、これに限定するものではないが、例えば多電極アレイ等の電極を用いて局所的な電場電位を測定する方法、パッチクランプ法等により直接的に活動電位を測定する方法、膜電位感受性色素等を用いて膜電位の変化を測定する方法、カルシウムイメージング法等のカチオン変動を測定する方法等が挙げられる。膜電位感受性色素としては、例えば、カルシウムキレーター及び蛍光団からなるカルシウム感受性色素、styryl系化合物、cyanine系及びoxonol系化合物、rhodamine誘導体等が挙げられる。また、「電気活動が測定される時点において互いに異なる電気活動特性を示す」とは、2以上の神経細胞凝集塊において同一の手法により電気活動特性を計測した場合に、それぞれ異なる結果を示すことを意味する。典型的には、例えば2以上の神経細胞凝集塊に含まれる細胞の種類がそれぞれ異なる、比率がそれぞれ異なる、などの場合に、神経細胞凝集塊が互いに異なる電気活動特性を示すこと等が挙げられる。
本発明の神経細胞ネットワーク構造体は、以下に示す工程を含む方法により形成することができる。
(成熟化工程)
神経細胞とは、例えば末梢神経と中枢神経に大別することもできる。末梢神経としては、例えば、感覚神経細胞、運動神経細胞、自律神経細胞が挙げられる。中枢神経としては、例えば、介在神経細胞、投射ニューロンが挙げられる。投射ニューロンとしては、例えば、皮質ニューロン、海馬ニューロン、扁桃体ニューロン等が挙げられる。また、中枢神経細胞は、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンとに大別することもできる。中枢神経系で主に興奮性伝達を担うグルタミン酸作動性ニューロン、主に抑制性伝達を担うGABA(γ-aminobutyric acid)作動性ニューロン等が挙げられる。その他神経調節物質を放出するニューロンとして、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、ノルアドレナリン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、ヒスタミン作動性ニューロン等が挙げられる。本発明に用いられる幼若神経細胞は、神経細胞に分化し得る細胞であれば特に限定されず、神経幹細胞であってもよい。
神経細胞凝集塊を作製するための幼若神経細胞は、幼若神経細胞であれば特に限定されず、初代培養細胞であってもよく、継代培養細胞であってもよく、株化された細胞であってもよく、不死化細胞であってもよく、各種遺伝子編集を施した細胞であってもよい。また、所望の細胞を多く含む細胞凝集塊を得やすいという観点から、幹細胞から分化誘導された細胞が好ましい。幹細胞としては、例えば、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、臍帯血由来幹細胞、神経幹細胞等が挙げられる。人工多能性幹細胞としては、例えば、核移植胚性幹細胞(ntES細胞)、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)等が挙げられる。間葉系幹細胞としては、例えば、骨髄間葉系幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞等が挙げられる。中でも、幹細胞としては、iPS細胞が好ましい。iPS細胞は健常者由来のものであってもよく、各種神経系の疾患を有する患者由来のものであってもよい。また、各種遺伝子編集が施されたものであってもよく、例えば、遺伝子編集を施し各種神経系の疾患の原因又はリスク因子となる遺伝子を持つものであってもよい。iPS細胞が各種神経系の疾患を有する患者由来の細胞である場合には、当該神経系の疾患モデルを構築するために利用することができる。神経系の疾患としては、特別に限定されないが、例えば、神経変性疾患、自閉症、てんかん、注意欠陥-多動性障害(Attention-deficit hyperactivity disorder;ADHD)、統合失調症、双極性障害等が挙げられる。神経変性疾患としては、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等が挙げられる。
神経細胞の由来となる動物種としては、限定されるものではないが、例えば、ヒト、サル、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター等が挙げられる。中でも、哺乳動物が好ましく、ヒトが特に好ましい。
神経細胞凝集塊を形成する幼若神経細胞は、上述のとおり生体から採取されたものであってもよく、株化され培養されたものであってもよく、幹細胞から分化誘導されたものであってもよい。神経細胞凝集塊を形成する幼若神経細胞としては、上記のとおり得られた細胞をそのまま用いてもよく、さらに他の細胞を混合して形成してもよい。所望の特性を有する神経細胞凝集塊を得やすいという観点から、幼若神経細胞は幹細胞に由来するもの、すなわち幹細胞を分化誘導して得られる幼若神経細胞であることが好ましい。本実施形態の評価方法に用いる場合、所望の評価系を構築しやすいという観点から、全ての神経細胞凝集塊を形成する幼若神経細胞が、幹細胞に由来するものであることが好ましい。また、神経細胞凝集塊を形成する際、幼若神経細胞は、細胞外マトリックス(ECM;Extracellular matrix)やアストロサイト等のグリア細胞等と混合したものであってもよい。
神経細胞凝集塊を形成する幼若神経細胞がiPS細胞由来の細胞である場合には、公知の方法を用いて、iPS細胞を幼若神経細胞に分化させた後、神経細胞凝集塊として成熟化させることができる。iPS細胞から幼若神経細胞への分化誘導には、市販の分化誘導キット、例えば、Elixirgen Scientific社製の分化誘導キット(具体的には、ドーパミン作動性神経細胞、コリン作動性神経細胞、グルタミン酸作動性神経細胞及びセロトニン作動性神経細胞の混合培養物分化誘導キット;コリン作動性神経細胞分化誘導キット;ドーパミン作動性神経細胞分化誘導キット;GABA作動性神経細胞分化誘導キット)等を用いることができる。また、市販のiPS細胞由来の分化誘導神経細胞を用いてもよい。
成熟化工程においては、まず、幼若神経細胞から神経細胞凝集塊を作製する。神経細胞凝集塊作製のためには、例えば、U底マイクロウェルプレート等の基材に幼若神経細胞懸濁液を添加する。細胞数は適宜調整することができる。基材上で、幼若神経細胞は自発的な作用に基づき、神経細胞凝集塊を形成する。
神経細胞凝集塊の作製するための基材は、U底マイクロウェルプレートに限定されず、神経細胞凝集塊を作製できれば特に制限はされない。神経細胞凝集塊の形状は、球形に限らず、いかなる形状のものであってもよい。また、オルガノイドのような複雑な分化をさせた神経細胞凝集塊を用いることもできる。
次に、形成された神経細胞凝集塊が成熟しているかを確認する。神経細胞凝集塊の成熟を確認する方法としては、例えば、Caイメージングや、パッチクランプ等が挙げられる。必要に応じて抜き取り試験を行い、細胞生存率やATP、LDHなどの一般的な細胞評価や、免疫染色による成熟指標となるタンパク質の発現、PCRを用いたmRNA量等により確認することができる。これにより、後述する神経細胞ネットワーク形成工程に最適な神経細胞凝集塊の成熟を確認することができる。
例えば、神経細胞種に特異的なバイオマーカーを検出することで、所望の神経細胞に分化誘導された成熟した神経細胞凝集塊であるかを確認することができる。例えば、Dcx、MAP-2、シナプシン1、TuJ1、NSE、Map2a、Gap43、NF、CD24、CDH2/CD325、シナプトフィジン、及びCD56/NCAMからなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカーを発現していることに基づいて、成熟した神経細胞凝集塊と同定することができる。
また、神経細胞凝集塊は、軸索及び樹状突起を有する形態であることや、活動電位を発生することからも成熟したかを確認することができる。
特定の種類の神経細胞に成熟したかどうかは、ドーパミン作動性ニューロン(TH、AaDC、Dat、Otx-2、FoxA2、LMX1A及びVMAT2からなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、コリン作動性ニューロン(NGF及びChATからなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、GABA作動性ニューロン(GAD67及びvGATからなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、グルタミン酸作動性ニューロン(vGLUT1)、セロトニン作動性ニューロン、運動ニューロン(HB9、SMN、ChAT及びNKX6からなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、感覚ニューロン(POU4F1及びペリフェリンからなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、アストロサイト(GFAP及びTapa1からなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)、並びに、オリゴデンドロサイト(O1、O4、CNPアーゼ(CNPase)、及びMBPからなる群より選ばれる少なくとも1種のマーカー)に特徴的な表現型マーカーをそれらが発現しているか否かに基づいて確認することができる。
特定の神経伝達物質に対する感受性を有する神経細胞に成熟したことは、神経伝達物質の生合成、放出、及び再取り込みに関わる受容体及び酵素を有すること、並びにシナプス伝達に関連する脱分極及び再分極事象に関わるイオンチャネルを有することに基づいて確認することができる。シナプス形成は、シナプトフィジンの染色によって確認することができる。特定の神経伝達物質の受容性は、例えば、γ-アミノ酪酸(GABA)、グルタミン酸、ドーパミン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)、ノルアドレナリン、アセチルコリン、及びセロトニンの受容体を検出することによって確認することができる。
本発明の形成方法において、上記成熟化工程で得らえた神経細胞凝集塊を加工する加工工程を含んでいてもよい。当該加工工程により、異なる性質を有する神経細胞凝集塊とした後、後述する配置工程に供することもできる。例えば、電気活動特性が異なる神経細胞凝集塊とすることができる。例えば、電気活動特性に影響する剤(例えばNMDA受容体阻害剤等)の添加や、電気活動特性に影響する材料のコート、別の神経細胞凝集塊からの神経突起を介した連絡等により、電気活動特性が変化した結果、異なる電気活動特性を有する神経細胞凝集塊とすることができる。かかる電気活動特性の変化は、少なくとも2つの神経細胞凝集塊の電気活動を測定する時点までに達成されていればよい。電気活動特性に影響する剤は、単一の化合物であっても複数の化合物の組み合わせであってもよい。
神経細胞凝集塊の加工は、神経細胞凝集塊の足し合わせや切断等による大きさの調整であってもよい。
(配置工程)
次に、成熟化工程で得られた複数の神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する。
配置工程においては、まず、神経細胞凝集塊を配置するための基材を用意する。神経細胞凝集塊を配置する基材としては、神経細胞凝集塊を配置でき、神経細胞ネットワーク構造体を形成することができるものであれば、特に制限はなく、表面に電極を有していても、有していなくてもよいが、表面に電極を有する基材は、配置された神経細胞凝集塊およびその後構築される神経細胞ネットワーク構造体の電気活動を測定することができるため、好ましい。
なお、本明細書において、「電気活動を測定する」とは、神経細胞活動に伴う上記の電気活動特性の経時的変化を測定することを意味する。少なくとも2以上の、神経突起を介して互いに連結された神経細胞凝集塊の電気活動を測定することにより、それらの神経細胞凝集塊がどのようにシグナルをやり取りしているのか、ひいてはそれぞれの神経細胞凝集塊が組織的にどのように連携しているのか、等を評価することができる。電気活動の測定は、電気活動の評価が可能な程度の間、行われればよく、また複数回行われてもよい。本発明の一態様において、電気活動は、神経細胞凝集塊を基材表面上に配置した後、継続的に測定される。
表面に電極を有する基材として具体的には、例えば、多点電極アレイ(Multi-Electrode Array;MEA)等が挙げられる。また、基材は、神経細胞ネットワーク構造体を形成させるために、培地を保持できるように構成されていることが好ましく、例えば、ウェル内にMEAが配置された培養容器等が挙げられる。培養容器の形状は1つのウェルを有するディッシュ型であってもよく、複数のウェルを有するマルチウェルプレート型であってもよい。
本発明の一態様において、電気活動の測定は電極を用いて行われる。電気活動を直接的に且つ簡便に計測可能であるため、電極を用いることが好ましい。かかる電極としては、例えば多点平面電極(MEA)等の局所的な電場電位を測定することが可能な電極の他、微小ガラス電極等の細胞の活動電位を直接計測可能な電極も用いることができる。かかる電極を用いた態様については、具体例とともに神経細胞ネットワーク構造体についての項目で詳述する。
基材は、細胞への毒性がなければどのような材料で構成されていてもよいが、弾性材料や、ガラス、セラミック、ステンレス鋼等の金属材料等が好ましい。弾性材料としては、例えば、シクロオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレート(PMMA)等)、ポリビニル等の合成樹脂;PDMS(Poly-Dimethylsiloxane)等のシリコン系樹脂;EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)等の合成ゴム;天然ゴム等が挙げられる。
基材は、これら材料を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材は、少なくとも神経細胞凝集塊を配置する部分が細胞接着性を有していればよい。神経細胞凝集塊を表面に接着させるため、コーティング剤等を用いて少なくとも配置部分の表面をコーティングしてもよい。コーティング剤としては、特に制限はないが、化学材料のポリ-D-リジンやポリ-L-オルニチンや、生体材料のコラーゲンやラミニンの単種、あるいは複数種の組み合わせを用いることができる。
基材は、神経細胞凝集塊が基材上に接着するまでの間、配置された神経細胞凝集塊の浮動により意図しない構造形成を防ぐため、表面上に複数の神経細胞凝集塊を配置する領域の間に仕切り部材を配置することが好ましい。このとき、各神経細胞凝集塊を基材上の一定の領域内に留めるために、各神経細胞凝集塊をそれぞれ囲うように、枠部材を配置してもよい。仕切り部材及び枠部材を構成する材料としては、神経細胞への毒性がなければどのような材料で構成されていてもよく、基材の材料として例示されたものと同様のものが挙げられる。例えば、PDMSを鋳型に前駆体を流し込み硬化させることで、転写された微細な立体構造を作製し、これを基材に貼付することにより、基材に仕切り部材を配置することができる。
また、細胞接着性のタンパク質やポリマー、ハイドロゲル等を用いて細胞接着領域および非接着領域を基材上にパターニングすることで、構築される神経ネットワーク構造を制御することも可能である。
次いで、当該仕切り部材を挟んで、複数の神経細胞凝集塊が平面視で互いに離間するように基材表面上に配置する。或いは、枠部材がさらに配置された基材を用いる場合には、当該枠部材で囲われた領域内に各神経細胞凝集塊がそれぞれ収まるように配置する。
神経細胞凝集塊の配置方法としては、神経細胞凝集塊を培地や緩衝液と混合した神経細胞凝集塊懸濁液を調製し、当該懸濁液を、マイクロピペッターを用いて播種する方法や、配置面積が10mm以下等の狭い領域である場合には、上記懸濁液を、インクジェットバイオプリンタを用いて播種する方法等が挙げられる。特に高精度のバイオプリンタを用いて播種する場合、仕切り部材等がなくても、狭い離間距離で、各神経細胞凝集塊を離間して配置することが可能となるため好ましい。
上記配置方法としては、ピンセットなどの物理的補足や光ピンセットなどの光学的手法、誘電泳道など電気的手法等を用いてもよい。
基材表面上に神経細胞凝集塊を配置する前に、あらかじめ基材に培地を添加する。基材がマイクロウェルなどの微細孔の場合、気泡が微細孔の中に留まってしまうため、必要に応じて脱気を行うことが好ましい。神経細胞凝集塊を直接基材に添加する場合は、必ずしも基材に培地をあらかじめ添加する必要はない。
培地としては、神経細胞凝集塊の生存に必要な成分(無機塩、炭水化物、ホルモン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン)等を含む基本培地であればよく、神経細胞の種類により適宜選択することができる。例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI-1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:Nutrient Mixture F-12(DMEM/F-12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)等の基礎培地に必要成分を添加したもの等が挙げられるが、これらに限定されない。神経細胞の培養において用いられる培地として市販されている培地を用いてもよく、かかる培地としては、例えば、BrainPhys(Stemcell technologies社)、Neurobasal、Neurobasal Plus(共にThermo Fisher Scientific社)等が挙げられる。
神経細胞凝集塊の離間距離は、神経突起を介した連結が達成される限り特に限定されないが、100μm以上が好ましい。離間距離が前記下限値以上であることで、神経細胞凝集塊同士の各活動電位が混同せず、より精度が高く測定することができる。一方、距離の上限は、神経突起が伸長できる距離を考慮すると、例えば、3cm程度とすることができる。典型的には、100μm以上1cm以下程度が好ましい。
(ネットワーク形成工程)
各神経細胞凝集塊を基材に配置後、基材上に各神経細胞凝集塊が接着するまで、培養する。培養条件としては、例えば、10時間以上48時間以下程度の一定期間、37℃、5%CO濃度等の通常の細胞培養条件下で培養することができる。また、培養時に使用する培地についても、細胞の種類に応じて適宜選択することができ、上記配置工程において例示されたものと同様のものが挙げられる。
神経細胞凝集塊が基材上に接着したことを確認した後、前記仕切り部材を除去して、培養する。仕切り部材を除去することにより、神経細胞凝集塊に由来する神経突起の伸長を妨げるのを防止することができる。なお、仕切り部材にマイクロ流路などを備えさせることでその流路を神経突起が進むことができるため、神経突起の伸長を妨げない場合、あるいは突起の方向をコントロールしたい場合には、仕切り部材の除去は必ずしも必要ではない。
培養条件としては、5日間以上60日間以下程度、例えば、18日間以上28日間以下の一定期間、37℃、5%CO濃度等の通常の細胞培養条件下で培養することができる。上記一定期間培養することで、基材に配置された複数の神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの神経細胞凝集塊の間に、神経突起を介したネットワークを形成させることができる。
基材が表面に電極を有する場合は、基材に配置された複数の神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの神経細胞凝集塊の間に、神経突起を介したネットワークが形成されたかを神経細胞凝集塊の電気活動を測定することで確認することができる。
基材に配置された神経細胞凝集塊の電気活動特性は、神経細胞凝集塊の活動電位や神経細胞凝集塊が呈する同期バースト等を、公知の電気生理学的手法を用いて測定することで確認することができる。具体的には、後述する実施例に示すように、MEAを備える基材上に神経細胞凝集塊を配置し、例えば、MED64システム(株式会社SCREENホールディングス製)、Maestro MEA(Axion BioSystems社製)、MEA systems(Multichannel systems製)等のMEAシステムを用いて、活動電位を5分間程度測定することで確認することができる。
神経細胞凝集塊の電気活動を測定することにより、神経細胞ネットワークが形成されたことを確認する場合、電気活動の測定は、少なくとも2つの神経細胞凝集塊に対して行われ、例えば2つ、3つ、4つ5つ以上等の神経細胞凝集塊に対して行ってもよい。これらの神経細胞凝集塊は、平面視で互いに離間して配置されている。電気活動が測定される少なくとも2つの神経細胞凝集塊は、神経突起(軸索)を介して互いに連結されている。ここでいう「神経突起を介して互いに連結されている」とは、ある神経細胞凝集塊から別の神経細胞凝集塊に対して、神経突起を介してシグナルが伝達されることを意味し、典型的には同期的な発火やバーストが観察される。電気活動が測定される神経細胞凝集塊が3つ以上である場合、神経突起を介した連結は、ある神経細胞凝集塊において生じたシグナルが、全ての神経細胞凝集塊に伝達される限り特に制限されず、直列的な連結であっても並列的な連結であってもよい。例えば並列的に、それぞれの神経細胞凝集塊が別個独立して互いに連結しあっていてもよく、全ての神経細胞凝集塊が直列的に連結していてもよく、それらが混在していてもよい。
<神経細胞ネットワーク構造体>
本発明の神経細胞ネットワーク構造体は、インビトロで神経細胞を評価するために用いる神経細胞ネットワーク構造体であって、基材と、前記基材表面上に、平面視で互いに離間して配置された複数の神経細胞凝集塊と、を備え、前記神経細胞凝集塊は、前記基材表面上に接着しており、複数の前記神経細胞凝集塊のうち少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊は、神経突起を介して互いに連結されており、複数の前記神経細胞凝集塊のうち少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊は、電気的に同期している。
本発明の神経細胞ネットワーク構造体は、上述した神経細胞ネットワーク構造体の形成方法により製造することができる。本発明の神経細胞ネットワーク構造体は、後述するインビトロで神経細胞を評価するために用いることができる。以下に、本発明の神経細胞ネットワーク構造体について、実施形態の具体例を用いて詳述する。
図1は、本発明の神経細胞ネットワーク構造体100を示す平面図である。図1に示す神経細胞ネットワーク構造体100は、4つの神経細胞凝集体を備えているが、神経細胞凝集体は、2以上であればよく、複数の神経細胞凝集体を備えることで、より複雑な神経突起を介した結合を構築することができ、各神経細胞凝集塊での電気生理学的な相互作用を評価することができる。
細胞基材100は、複数の検出部3を有する基材5と、異なる検出部上3に、平面視で互いに離間して配置された第1神経細胞凝集塊10、第2神経細胞凝集塊20、第2神経細胞凝集塊30、及び第4神経細胞凝集塊と、を備える。基材5上には、培地4が満たされている。第1神経細胞凝集塊10と、第2神経細胞凝集塊20と、第3神経細胞凝集塊30と、第4神経細胞凝集塊40とは、同一の性質を有する神経細胞凝集塊であっても、異なる性質を有する神経細胞凝集塊であってもよい。第1神経細胞凝集塊10と第2神経細胞凝集塊20とは、神経突起1aを介して結合を形成している。
各神経細胞凝集塊は1以上の検出部3上に配置されていればよいが、2以上の検出部3上に配置されていることが好ましい。これにより、各神経細胞凝集塊に含まれる複数の細胞の活動電位変化により生じる電場電位をそれぞれの検出部3において検出することができ、得られた複数電極の電場電位を組み合わせることで、より精度の高い電場電位のデータを得ることができる。
(第1神経細胞凝集塊)
第1神経細胞凝集塊10は、1細胞以上の神経細胞1を含む神経細胞凝集塊である。第1神経細胞凝集塊10は、集団として特定の電気活動特性を示すものであれば、神経細胞1のみからなる神経細胞凝集塊であってもよく、神経細胞1と該神経細胞1以外の細胞との混合細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。また、第1神経細胞凝集塊10が神経細胞1のみからなる神経細胞凝集塊である場合に、1種の神経細胞1からなる神経細胞凝集塊であってもよく、2種以上の神経細胞1の混合細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。
神経細胞1としては、上述した神経細胞を用いることができる。
第1神経細胞凝集塊10に含まれる細胞の由来となる動物種としては、上述の動物種を用い得る。
(第2神経細胞凝集塊)
第2神経細胞凝集塊20は、神経細胞1と電気信号を伝達し合う細胞2(以下、単に「細胞2」と称する場合がある)を1細胞以上含む神経細胞凝集塊である。第2神経細胞凝集塊20は、第1神経細胞凝集塊10と同一の細胞からなる神経細胞凝集塊であっても、異なる細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。
第2神経細胞凝集塊20は、自発的に又は外部からの刺激に応答して、同期的な活動電位を示すものであれば、細胞2のみからなる神経細胞凝集塊であってもよく、細胞2と該細胞2以外の細胞との混合細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。また、第2神経細胞凝集塊20が細胞2のみからなる神経細胞凝集塊である場合に、1種の細胞2からなる神経細胞凝集塊であってもよく、2種以上の細胞2の混合細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。
第2神経細胞凝集塊20に含まれる細胞は、上記第1神経細胞凝集塊10において例示されたものと同様のものが挙げられる。
第2神経細胞凝集塊20に含まれる細胞の由来となる動物種としては、上記第1神経細胞凝集塊10において例示されたものと同様のものが挙げられる。
(第3神経細胞凝集塊及び第4神経細胞凝集塊)
第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40は、第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20が配置された検出部3以外の検出部3上に、平面視で第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20と離間して配置されている。
第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40は、自発的に又は外部からの刺激に応答して、同期的な活動電位を示す神経細胞凝集塊である。第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40は、第1神経細胞凝集塊10又は第2神経細胞凝集塊20と同一の細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよく、第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20のいずれとも異なる細胞からなる神経細胞凝集塊であってもよい。第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40は、第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20のうち少なくともいずれか一方の神経細胞凝集塊と神経突起を介した結合を形成することができ、図1に示すように、第1神経細胞凝集塊10と第3神経細胞凝集塊30とが神経突起1a及び2bを介した結合を形成しており、第2神経細胞凝集塊20と第4神経細胞凝集塊40とが神経突起2a及び2cを介した結合を形成していてもよい。また、第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40が、神経突起2b及び2cを介した結合を形成していてもよい。
第3神経細胞凝集塊30及び第4神経細胞凝集塊40に含まれる細胞としては、上記第1神経細胞凝集塊10及び上記第2神経細胞凝集塊20において例示されたものと同様のものが挙げられる。
細胞基材は、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図1に示す神経細胞ネットワーク構造体100において、第2神経細胞凝集塊20は、神経細胞1とは異なる種類の神経細胞を1細胞以上含む神経細胞凝集塊であってもよい。第2神経細胞凝集塊20に含まれる神経細胞としては、上記第1神経細胞凝集塊10において例示されたものと同様のものが挙げられる。
(検出部)
検出部3は、第1神経細胞凝集塊10、第2神経細胞凝集塊20、第3神経細胞凝集塊30、及び第4神経細胞凝集塊40に含まれる各細胞の活動電位変化により生じる電場電位を検出するように構成されている。なお、ここでいう「検出する」には、電場電位の発生を検出することや、電場電位の変化の具体的な周波数、振幅及び位相を検出することが包含される。検出部3は、基材5内に検出部3の表面が露出し、各神経細胞凝集塊と接するように埋め込まれていてもよく、基材5上に配置されていてもよい。
検出部3の数は、2個以上であればよく、例えば、4個、8個、16個、32個、64個等とすることができる。
検出部3として具体的には、例えば、電極が挙げられる。検出部3が電極であることで、神経細胞凝集塊が生じる電場電位の周波数、振幅及び位相の経時的な変化を検出することができる。
<神経細胞ネットワーク構造体を用いた評価方法>
上記神経細胞ネットワーク構造体は、インビトロで神経細胞を評価する系(以下、単に「評価系」と称する場合がある)として利用することができる。
すなわち、本発明のインビトロで神経細胞を評価する方法は、上記神経細胞ネットワーク構造体を形成させた後に、形成された神経細胞ネットワーク構造体を用いて、インビトロで神経細胞を評価する方法であって、幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、前記ネットワーク形成工程で得られた神経細胞ネットワーク構造体において、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の電気活動を測定する測定工程と、を含む。
本発明の評価方法において、成熟化工程と、ネットワーク形成工程とは、前述の神経細胞ネットワーク構造体の形成方法において記載した方法と同じである。
本発明の評価方法において、ネットワーク形成工程で得られた神経細胞ネットワーク構造体において、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の電気活動を測定する測定工程としては、例えば、神経細胞ネットワーク構造体を形成した状態での同期バースト等を確認することにより、各神経細胞凝集塊の性質や神経細胞凝集塊同士の相関関係等を評価する工程が挙げられる。例えば神経突起を介して連結された、任意の神経細胞凝集塊A及びBのバーストを観察した場合に、神経細胞凝集塊Aにおいて自発的なバースト以外に、神経細胞凝集塊Bの自発的バーストと同期したバーストが確認できた場合、神経細胞凝集塊Aは神経細胞凝集塊Bからの伝達シグナルを受信していると評価できる。またこの場合に、神経細胞凝集塊Bにおいて神経細胞凝集塊Aの自発的バーストと同期したバーストが確認できない場合、神経細胞凝集塊Bは神経細胞凝集塊Aの上流にある神経細胞凝集塊であり、フィードバック的な投射を受けていないと評価できる。
本発明の評価方法の好ましい一態様において、神経細胞に作用すると推測される剤(本開示において「候補剤」と称する)を、電気活動を計測される神経細胞凝集塊に添加することを含む。候補剤が添加された結果、電気活動に何らかの変化が生じた場合、かかる候補剤は神経細胞に作用するものであると判断できる。このことにより、神経細胞に作用する候補剤を効率的に選抜することが可能となる。したがって本発明の一態様において、候補剤の神経細胞凝集塊(又はそこに存在する神経細胞)に対する作用を評価することを含み、さらなる一態様において、かかる評価に基づいて効果的な候補剤をスクリーニングすることが包含される。すなわち、本発明には、本発明の評価方法を用いた候補剤のスクリーニング方法が包含される。なお、本発明の評価方法の詳細については後述する。
本発明の一態様において、少なくとも2つの神経細胞凝集塊において電気活動を測定した後、かかる神経細胞凝集塊を連結する神経突起の少なくとも1つを切断することを含む。いったん神経突起が切断されると再連結は起こらないため、電気活動の測定は少なくとも1回必ず切断前に行われる。切断後に電気活動を測定した神経細胞凝集塊における電気活動の変化を測定することにより、かかる神経突起を介した連絡がどのように神経細胞凝集塊に作用していたかを評価することができる。また、神経突起が切断された評価系において上記の候補剤の効果を確認することにより、外傷性脳損傷等のモデルとして候補剤の評価を行うことができる。
[使用方法]
本実施形態の評価系の使用方法について、以下に詳述する。
例えば、2つの神経細胞凝集塊を備える神経細胞ネットワーク構造体を用いる場合は、第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20の活動電位の一部の発火パターンが同期した場合には、神経突起を介した結合により第1神経細胞凝集塊10と第2神経細胞凝集塊20と間の電気生理学的な相互作用があると判断することができる。
さらに、形成された結合を、医療用メス等を用いて人為的に切断し、切断後における第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20の活動電位を測定することで、各神経細胞凝集塊の電気活動を評価することもできる。
例えば、切断後における第1神経細胞凝集塊10及び第2神経細胞凝集塊20の電気活動特性が、神経突起を介した結合の形成前と同様に、互いに異なる電気活動特性に戻った場合には、上記活動電位の一部の発火パターンの同期は、当該結合の形成に基づくものであると判断することができる。
例えば、4つの神経細胞凝集塊を備える神経細胞ネットワーク構造体100を用いる場合には、第1神経細胞凝集塊10、第2神経細胞凝集塊20、第3神経細胞凝集塊30、及び第4神経細胞凝集塊40の活動電位を検出部3で検出し、検出部3から配線を介して測定部に活動電位のデータを送信し、解析する。これにより、複雑な細胞基材内において個々の神経細胞凝集塊がいずれの神経細胞凝集塊に影響を受ける又は及ぼすのか、或いは、影響を受けない又は及ぼさないのか、について判断することができる。
さらに、形成された結合のうち1以上の結合を切断し、切断後の各神経細胞凝集塊の活動電位を測定することで、各神経細胞凝集塊の電気活動を評価することもできる。このとき、各神経細胞凝集塊間の結合を全て切断してもよく、所望の神経細胞凝集塊間においてのみ部分的に結合を切断してもよく、所望の順番で神経細胞凝集塊間の結合を順次切断してもよい。
本実施形態の評価方法及び評価系は、軸索誘導、神経変性障害、神経細胞の可塑性、神経細胞の学習及び記憶等の神経の発達や障害の細胞学的及び分子学的な基礎研究において非常に有用である。
また、本実施形態の評価方法及び評価系は、任意の化合物の評価に用いることもできる。具体的には、複数の神経細胞凝集塊のうち1以上の神経細胞凝集塊に任意の化合物を添加した後、各神経細胞凝集塊の活動電位を測定する。これにより、任意の化合物の各神経細胞凝集塊に対する影響、具体的には、任意の化合物の神経回路網の活性化能や同期発火を変化させる能力、化合物の毒性を評価することができる。また、当該評価に基づいて、任意の化合物が特定の疾患の治療に有用である可能性があるか否かについて判断することができる。
例えば、神経突起を介した結合が形成された興奮性ニューロンを多く含む第1神経細胞凝集塊及び抑制性ニューロンを多く含む第2神経細胞凝集塊に、任意の化合物を曝露した場合に、第1神経細胞凝集塊の活動電位の発火パターンが第2神経細胞凝集塊に完全に同期した場合には、当該化合物が神経細胞の同期発火を抑制する能力を有するものであると判断することができる。また、当該判断に基づいて、上記化合物は、同期発火が過多である疾患(例えば、てんかん、自閉症、統合失調症等)の治療に有用な可能性があると判断することができる。このように、本実施形態の評価方法及び評価系は、化合物のスクリーニングに好適に用いられる。
例えば、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 神経細胞ネットワーク構造体の形成方法であって、幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、を含む、神経細胞ネットワーク構造体の形成方法。
(2) 前記基材表面に電極を有する、(1)に記載の形成方法。
(3) 前記成熟化工程で得られた前記神経細胞凝集塊を加工し、異なる特徴を有する神経細胞凝集塊を得る加工工程を含む、(1)又は(2)に記載の形成方法。
(4) 前記配置工程において、前記神経細胞凝集塊を、仕切り部材を用いて前記基材表面に配置する、(1)~(3)のいずれか一つに記載の形成方法。
(5) 前記幼若神経細胞は、幹細胞から分化誘導されたものである、(1)~(4)のいずれか一つに記載の形成方法。
(6) 前記幹細胞は、人工多能性幹細胞である、(5)に記載の形成方法。
(7) インビトロで神経細胞を評価するために用いる神経細胞ネットワーク構造体であって、基材と、前記基材表面上に、平面視で互いに離間して配置された複数の神経細胞凝集塊と、を備え、前記神経細胞凝集塊は、前記基材表面上に接着しており、複数の前記神経細胞凝集塊のうち少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊は、神経突起を介して互いに連結されており、複数の前記神経細胞凝集塊のうち少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊は、電気的に同期している、構造体。
(8) 前記基材表面が電極を有する、(7)に記載の構造体。
(9) インビトロで神経細胞を評価する方法であって、幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、前記ネットワーク形成工程で得られた神経細胞ネットワーク構造体において、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の電気活動を測定する測定工程と、を含む、評価方法。
(10) 前記基材表面が電極を有する、(9)に記載の評価方法。
(11) 前記成熟化工程で得られた前記神経細胞凝集塊を加工し、異なる特徴を有する神経細胞凝集塊を得る加工工程を含む、(9)又は(10)に記載の評価方法。
(12) 前記配置工程において、前記神経細胞凝集塊を、仕切り部材を用いて前記基材表面に配置する、(9)~(11)のいずれか一つに記載の評価方法。
(13) 前記幼若神経細胞は、幹細胞から分化誘導されたものである、(9)~(12)のいずれか一つに記載の評価方法。
(14) 前記幹細胞は、人工多能性幹細胞である、(13)に記載の評価方法。
(15) 前記少なくとも2つの神経細胞凝集塊の少なくとも1つに任意の剤を添加することを更に含む、(9)~(14)のいずれか一つに記載の評価方法。
(16) 前記電気活動の測定結果に基づいて、神経細胞凝集塊に対する候補剤の作用を評価することを更に含む、(15)に記載の評価方法。
(17) 前記神経突起を切断することを更に含む、(9)~(16)のいずれか一つに記載の評価方法。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(幼若な神経細胞の基材への播種)
Cellular Dynamics International社が市販している凍結iPS細胞由来幼若神経細胞(iCell(登録商標)GABA作動性神経細胞)を培地に懸濁し、予め0.05%ポリエチレンイミン(PEI;シグマ製)及び28μg/mLのマトリゲル(Growth Factor Reduced Matrigel;コーニング社製)でコーティングしておいた多点電極アレイ(MEA;株式会社SCREENホールディングス)の電極を含む基材上に播種した。
幼若神経細胞を播種後、基材上の細胞の状態を顕微鏡で観察しながら、30日間培養を行った。細胞の播種後1日目、7日目、14日目、22日目、30日目の顕微鏡画像を図2に示す。図2に示したように、幼若神経細胞を播種後1日目では細胞が均一に基材に広がっているのに対して、培養日数が増えるにつれて部分的な細胞の凝集や、基材からの剥がれが発生した。これにより、幼若神経細胞を直接基材上で培養する場合は、あらかじめ所望の神経ネットワークパターンを形成したとしても、培養が進むと構造の崩壊が起きてしまうことが明らかとなった。特に、基材に備えた電極により神経細胞の評価を行う場合、神経細胞と電極基材との接着度が電気信号の取得に重要であるため、剥がれや構造の崩壊が起こることで、神経細胞の電気的な評価が困難になる。
[実験例2]
(神経細胞凝集塊の作製と成熟化評価)
Elixirgen Scientific社が市販している凍結iPS細胞由来神経細胞(GABAergic Neurons from Healthy Donor)を培地に懸濁し、V底マイクロウェルプレートに細胞懸濁液を添加し、培養を行った。図3に培養後、1、4、8、15、33日目の顕微鏡画像を示した。顕微鏡画像により、明らかに異常と思われる神経細胞凝集塊を選別することができた。
次に、神経細胞凝集塊の機能評価を行った。カルシウムイオンは神経細胞で活動電位の発生に伴い流入が起こるため、カルシウム標識蛍光試薬を細胞にロードすることで神経細胞の活動に伴う蛍光強度の変化を観察することができる。そこで、培養22日目でカルシウムイメージングによる神経細胞凝集塊の機能評価を行った。図4に培養22日目の神経細胞凝集塊の蛍光画像を、図5に、神経細胞の活動に伴う蛍光強度の変化のグラフを示す。図4に示したように、培養22日目で、神経細胞凝集塊全体で同期的な活動が見られた。また、図5に示したように、静止時の蛍光強度に対して、同期的活動時の蛍光強度が増加していること、及び周期的に同期的な活動が起こることが確認された。この結果から、カルシウムイメージングは、成熟化の1つの指標として用いることができることが示された。
[実験例3]
(神経細胞凝集塊の電気活動測定)
Elixirgen Scientific社が市販している凍結iPS細胞由来神経細胞(GABAergic Neurons from Healthy Donor)をV底マイクロウェルプレートで50日間培養を行った後に、予め0.05%ポリエチレンイミン(PEI;シグマ製)及び28μg/mLのマトリゲル(Growth Factor Reduced Matrigel;コーニング社製)でコーティングしておいた多点電極アレイ(MEA;株式会社SCREENホールディングス)の電極を含む基材上に、PDMSを用いて作製したマイクロウェルを用いて神経細胞凝集塊を配置した。図6に、MEAの電極を含む基材上へ神経細胞凝集塊を配置後1日目の神経細胞凝集塊の顕微鏡画像を示す。図6に示したように、PDMSマイクロウェルにより神経細胞凝集塊が配置され、電極近傍に収まっていることが確認された。また、基材に配置後1日目で神経突起が伸びていることが観察され、神経細胞凝集塊の基材への接着が確認された。
次に、MED64-Basic(MEA;株式会社SCREENホールディングス)の多点電極測定装置を用いた活動電位測定を行った。その結果を、図7に示す。図7に示したように、神経細胞凝集塊近傍の電極で神経発火が多数確認され、複数の電極をまたいで同時に神経発火が検出される同期バーストが検出された。この同期バーストは神経の成熟化の1つの指標とされており、この結果から、同期バーストにより神経細胞凝集塊の成熟化を確認できることが分かった。
[実験例4]
(神経細胞凝集塊の基材配置後の接着)
Elixirgen Scientific社が市販している凍結iPS細胞由来神経細胞(Mixed - Human iPSC-derived Neurons)をU底マイクロウェルプレートで36日間培養を行った後に、予め0.05%ポリエチレンイミン(PEI;シグマ製)及び28μg/mLのマトリゲル(Growth Factor Reduced Matrigel;コーニング社製)でコーティングしておいた多点電極アレイ(MEA;株式会社SCREENホールディングス)の電極を含む基材上に、PDMSを用いて作製したマイクロウェルを用いて4つの神経細胞凝集塊を配置した。基材に配置1時間後、2日目の顕微鏡画像を図8に、9日目、13日目、26日目の顕微鏡画像を図9に示す。PDMSマイクロウェルは、神経細胞凝集塊を基材に配置後2日で除去しているが、図8に示したように、PDMSマイクロウェル除去後も、神経細胞凝集塊は位置が固定されていた。また、図9に示したように、基材に配置後9日目、13日目、26日目でも、神経細胞凝集塊の位置が崩れておらず、さらに、神経突起が伸び、細胞の遊走が起こることで神経細胞凝集塊同士が接続されていることが観察された。
[実験例5]
(神経細胞凝集塊のネットワーク形成)
実験例4と同様にして、4つの神経細胞凝集塊をMEAの電極を含む基材上に配置し、MED64-Basic(MEA;株式会社SCREENホールディングス)の多点電極測定装置を用いた活動電位測定を用いて、神経発火の同期を指標とした神経細胞同士の接続を解析した。その結果を図10に示す。図10に示したように、神経細胞凝集塊を、電極を含む基材上に配置後2日目では4つの神経細胞凝集塊がそれぞれ散発的に神経発火を繰り返すのに対して、基材に配置後13日目及び26日目では神経発火の同期的な活動が観察された。この結果から、神経細胞凝集塊を、電極を含む基材上へ配置して培養を続けることで、神経細胞凝集塊の間で連結が起こり、ネットワークが形成されることが確認された。
[実験例6]
(神経細胞凝集塊のネットワーク形成の評価)
実験例4と同様にして、4つの神経細胞凝集塊をMEAの電極を含む基材上に配置し、バーストが起こったタイミングをタイムスタンプとして、それぞれの電極におけるタイムスタンプの相互相関関数を計算することで、電極同士の接続強度を、フリーソフトウェアMEAnalyzerを用いて解析した。図11に、電極同士の相互相関関数で閾値を超えたものを可視化した結果を示す。なお、図11において、電極同士を結ぶ線は相関が強くなる程太くなっている。図11に示すように、電極同士の相互相関関数で閾値を超えたものを可視化したところ、神経細胞凝集塊を基材に配置2日目ではバーストを指標にした機能接続は確認されず、9日目で各細胞凝集塊を中心とした電極で接続が確認された。13日目には細胞凝集塊同士に部分的な接続が見られ、26日後には全体的な接続が確認された。この結果から、細胞凝集塊が機能的に接続されるタイミングを非侵襲で確認することができ、これをもって薬剤スクリーニングを行うタイミングの指標とすることができる。また、この結果から、神経細胞凝集塊の距離により連結の早さが異なっており、神経細胞凝集塊の基材に配置する距離をコントロールすることで、神経細胞凝集塊を連結するタイミングをコントロールできることが示唆された。
1a、2a、2b、2c:神経突起
3:検出部(電極)
4:培地
5:基材
10:第1神経細胞凝集塊(神経細胞凝集塊A)
20:第2神経細胞凝集塊(神経細胞凝集塊B)
30:第3神経細胞凝集塊
40:第4神経細胞凝集塊
100:神経細胞ネットワーク構造体
特表2017-528127号公報 特許第6074765号公報 国際公開第2019/113080号 特開2019-37245号公報
Advanced Healthcare Materials, 6(15), 1-7.

Claims (15)

  1. 神経細胞ネットワーク構造体の形成方法であって、
    幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、
    前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、
    前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、
    を含む、神経細胞ネットワーク構造体の形成方法。
  2. 前記基材表面に電極を有する、請求項1に記載の形成方法。
  3. 前記成熟化工程で得られた前記神経細胞凝集塊を加工し、異なる特徴を有する神経細胞凝集塊を得る加工工程を含む、請求項1又は2に記載の形成方法。
  4. 前記配置工程において、前記神経細胞凝集塊を、仕切り部材を用いて前記基材表面に配置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の形成方法。
  5. 前記幼若神経細胞は、幹細胞から分化誘導されたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の形成方法。
  6. 前記幹細胞は、人工多能性幹細胞である、請求項5に記載の形成方法。
  7. インビトロで神経細胞を評価する方法であって、
    幼若神経細胞を神経細胞凝集塊として成熟化させる成熟化工程と、
    前記成熟化工程で得られた複数の前記神経細胞凝集塊をそれぞれ、平面視で互いに離間するように、基材表面上に配置する配置工程と、
    前記配置工程で配置された複数の前記神経細胞凝集塊のうち、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の間を、神経突起を介してお互いに連結させるネットワーク形成工程と、
    前記ネットワーク形成工程で得られた神経細胞ネットワーク構造体において、少なくとも2つの前記神経細胞凝集塊の電気活動を測定する測定工程と、
    を含む、評価方法。
  8. 前記基材表面が電極を有する、請求項に記載の評価方法。
  9. 前記成熟化工程で得られた前記神経細胞凝集塊を加工し、異なる特徴を有する神経細胞凝集塊を得る加工工程を含む、請求項又はに記載の評価方法。
  10. 前記配置工程において、前記神経細胞凝集塊を、仕切り部材を用いて前記基材表面に配置する、請求項のいずれか一項に記載の評価方法。
  11. 前記幼若神経細胞は、幹細胞から分化誘導されたものである、請求項10のいずれか一項に記載の評価方法。
  12. 前記幹細胞は、人工多能性幹細胞である、請求項11に記載の評価方法。
  13. 前記少なくとも2つの神経細胞凝集塊の少なくとも1つに任意の剤を添加することを更に含む、請求項12のいずれか一項に記載の評価方法。
  14. 前記電気活動の測定結果に基づいて、神経細胞凝集塊に対する候補剤の作用を評価することを更に含む、請求項13に記載の評価方法。
  15. 前記神経突起を切断することを更に含む、請求項14のいずれか一項に記載の評価方法。
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